薬の飲み合わせには気を使います

 やや高齢のお客様から、咳をしているご主人に『コンタック』を頼まれたとのことだったが、どの『コンタック』かは分からないというので、一応は『コンタックせき止めST』を案内した。
 咳や鼻水といった単独の症状でも総合の風邪薬を求める人がいるから、同じブランド名で複数の物が発売されている場合には、正確な名称が分からないと困ることが多い。
 ご主人は、ヒューヒューという喘鳴がしてるというお話のため『半夏厚朴湯』を紹介してみたものの、そちらには興味は示されされなかったので、気管支を拡張する『南天のど飴』を紹介すると一緒に購入を決められた。
 ところが、お会計の段になって病院から降圧剤や糖尿の薬などが処方されていると分かり、しかしおくすり手帳を持参されてないので内容は不明だった。
 降圧剤でも薬によって作用機序が違うことを説明し、調剤薬局に相談するよう勧めたところ、すでに『コンタック』を服用したと言うので、継続して良いか問い合わせるようお話しした。
 その『コンタック』にしても、今回の『コンタックせき止めST』かすら分からない訳だが。
 そのため、本日は『南天のど飴』のみをお買い上げいただいた。
 ご主人は、おくすり手帳を家に置きっぱなしにしたうえ、処方された薬を服用した後に車の運転もしてると言うので、おくすり手帳は事故に備えて携帯させるようお話しした。
 それに、降圧剤の中には服用後の車の運転を控えるよう書いてある物もあるはずだから、それも確認するように伝えた。

 やや高齢のお客様が、『麻杏咳止顆粒S』を求めて来店したが、取り扱っていないことを伝えると似たような物をと希望されたので『五虎湯』を紹介した。
 しかし、咳をしている患者はご主人で、そのうえタバコを吸っていて病院では人間ドックで引っかかったことがあるから行きたがらないというお話があったため、繰り返す咳は肺や気道ではなく胃炎や逆流性食道炎の可能性もあることを話ししたうえで、『ダスモック』(清肺湯)を紹介したところ、そちらを使って頂くことになった。
 表に出ている症状はあくまで原因の結果としてであり、原因そのものは医師以外には診断できない以上、病院でまず調べることが必要である。
 ところで、『麻杏咳止顆粒S』が何なのか分からなかったのだが、後で調べたら『麻杏甘石湯』に桔梗と滑石と陳皮を加えたものだった。
 名前に『麻杏』が入ってるから『麻杏甘石湯』の変方だとは予想ついたから似た処方の『五虎湯』を紹介したけど、夜中に咳き込むような熱性の咳に効果のある物で、乾燥性の咳や胃を悪くして起きる咳だと、かえって良くないだろう。
 やはり、適用するかどうかの鑑別が必要である。

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