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  • 薬を買いに行く前に家にある薬をスマホで写真に撮っておこう

     『ルルメディカルドロップ』を購入されるお客様に、他の咳止めや一部の風邪薬と併用しないようお伝えたところ、病院で抗生剤などを処方されていると分かった。
     薬の現物を持っていたので確認すると、L-カルボシステインとデキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物。
     前者は大丈夫だげと、後者は咳中枢に直接働きかける薬だから、それとの併用は念のため避けるようにお話しして『麦門冬湯』を紹介してみたら、家にあるとのことだった。
     そうであれば、あえて『ルルメディカルドロップ』を使う必要はないので、『麦門冬湯』の方を併用してみるようお話して本日はお帰りになった。
     ドラッグストアーで薬を買う前に、ぜひ家にある薬のことも伝えてくださいな。
     症状に対して使える薬が、あるかもしれませんので。
     覚えたりメモするのが面倒であれば、スマホで写真を撮ってくるという手もあります。

     お客様から、奥さんが胃腸炎を起こして嘔吐しているとの相談を受け、詳しく訊いてみると子供の胃腸炎が移ったらしいということから『柴胡桂枝湯』を案内し、お買い上げいただいた。
     ただ、飲み物を飲むのも辛そうというお話だったから、普通にコップの水で飲むのではなく小皿にお湯で『柴胡桂枝湯』を溶いて少しずつ舐める方法を勧めた。
     それから、名前が効き目でもあるため、柴胡は肝臓を補助し桂枝は胃の働きを助けることを説明して、それを本人にも伝えるようお話しした。
     「病は気から」というように、効くと思って薬を飲んだ方がより効果を期待でき、そこにさも効きそうな理屈が付けばなおさらであろう。
     子供の方は、病院から処方された薬で回復しているとのこと。
     『柴胡桂枝湯』はぶり返しを防ぐことにも役立つので、子供の調子も引き続き観察して、まだ疲労感などが伺えるようであれば一緒に服用させるよう伝えた。

     

  • os-1は一気飲みしないように注意

     以前に朝方の頭痛と疲労感の相談を受けたお客様が来店し、病院から『加味帰脾湯』が処方されるになったという報告を受けた。
     お客様は抗うつ剤や複数の眠剤が処方されていたため、その時には販売せずに、担当医に『加味帰脾湯』を処方してもらえないか相談するように勧めていたのだ。
     まだ効果は体感できないということだったが、朝方の頭痛は今は午後に移行したそう。
     朝方の頭痛は血圧が関係することが多いから当初は『釣藤散』を候補に考えたのだけれど、疲労感を胃腸の機能低下ではないかと推測して『加味帰脾湯』にした。
     頭痛が午後に移ったということは、一定の効果を得られたのかもしれず、詳しく聞いてみると冷たい水を飲んでいるというので、温かい物を飲むよう勧めた。
     胃が冷えるのもまた、頭痛の原因になるので。

     若いお客様が『OS-1』をまとめ買いされるので、スポーツか発熱かと尋ねたところ発熱に使うとのことだった。
     そこで、一気には飲まずに、ペットボトル本体の目盛りを参考にして小分けに補給するようお話した。
     一気に飲んでしまっては、ビックリした体の方は排泄に努めようとしてしまい意味が無くなる。
     何回かに分けて飲むことで、体に浸透していくのだ。
     それから消化にエネルギーを取られないよう、今日のところは食事を控えるか消化に良い食事をするよう伝えた。
     すると、病院から何か薬が処方されているらしく、食後の服用とのことだったのでインスタントスープを勧めた。
     食後に服用するとなると、大抵は胃に負担のかかる物だと思われるので。
     そしたらお客様から、「難しいですね」と言われてしまったため、風邪をひいたら体を休めるだけでなく内臓も休ませるということですとお話してみた。
     休ませるということは、「何もしない」ということだから、そう考えれば難しいことはないと思うのだけれど、どうか。

     

  • 正露丸を使いすぎると下痢になるかも

     やや高齢のお客様が『ムヒS』を求めて来店したけれど、高齢の母親の乾燥肌による痒みに使うと言うのでメントールの入っていない『ムヒベビー』を提案した。
     また、痒みは強くないそうなので『ユースキンあせもジェル』や『桃の葉ローション』でのケアも勧め、もっと単純にワセリンで保湿する方法も伝えたところ、本人に確認してみるとのことで本日はお帰りになった。

     イヅミ製薬の『正露丸』を購入されるお客様に大幸薬品の『正露丸』との違いとして下痢止めにロートエキスが入っていることを伝えると、『正露丸』の殺菌効果は信じていないとのお返事。
     イヅミ製薬の『正露丸』は大幸薬品の『正露丸』とパッケージが似ているとして裁判になったことがあるが、中身の処方構成は似て異なる。
     『正露丸』は「飲む消毒薬」と言われることもあり、食中りに特に適しているのだけれど、食中りの場合、原因となっている悪いモノを早く体外に排出するほうが望ましいので、下痢止め効果は実はそれほどあるわけではない。
     しかし、『正露丸』を下痢止めとして使うユーザーのニーズがあるためイヅミ製薬は下痢止め効果の高いロートエキスを足しているんである。
     お客様の用途を尋ねてみると、便意を催しやすいと言うので、むしろ腸内の消毒をしてしまう『正露丸』は適していないようにも考えられる。
     腸内環境が乱れている場合に『正露丸』を使ってしまうと、腸の働きを整える役に立つ菌までも消毒してしまい、ときには下痢をしやすくなり、そしてまた『正露丸』を飲むという悪循環に陥ってしまう。
     そこで、腸内環境を整える『ザ・ガード』を紹介すると興味を持たれた。
     また、便が緩いというお話からは神経性であったり、過敏性腸症候群なども考えられるため、『桂枝加芍薬湯』を紹介すると、そちらをお買い上げいただいた。
     しかし、すぐに飲みたいと言うので水を用意しようとすると、一緒に購入した『アリナミンV』で服用されてしまった。
     まあ、『桂枝加芍薬湯』は別に問題無いのだけれど、これが例えば風邪薬とだとカフェインが重複したりして良くないし、お酒とかだともっと良くないので、できれば薬は水で飲むようにしてもらいたいところ(^_^;)

     

  • 風邪に『葛根湯』を飲み続けて良いか

     やや高齢のお客様から、関節用の絆創膏を指先に使って良いか尋ねられ、問題は無いものの使い勝手は悪いと考えられることを説明した。
     用途は手荒れで、清掃の仕事をしており、ゴム手袋は使っているそうだが薬剤荒れも考えられるため、皮膚の修復を促す『ヒビケア』を案内してみた。
     しかし、価格が高いとのことだったので価格と効き目は直接的な関係はな無いことを伝えたうえで『エルモディアひびあかぎれクリーム』を紹介した。
     すると、『ユースキンA』を使っていたこともあるそうなのだが、足に使ったらかぶれたという。
     薬でのかぶれは、体調や部位によっても起きたり起きなかったりすることを伝え、使い分けるようお話しした。
     また、普段使いに『ワセリン』を提案したところ、ベタつくことを気にされたため、ベタつきに関しては塗り過ぎと考えられることを説明した。
     手の甲に塗るだけでも人差し指で薬をすくってしまう人は多いと思うが、手の甲の範囲であれば小指の爪先に引っ掛けて米粒程度の量で十分なんである。
     本日は、絆創膏のみをお買い上げいただいた。

     お客様から、風邪に『葛根湯』を飲み続けて良いか尋ねられたので、効果的なタイミングと合わない風邪に注意するようお話しした。
     『葛根湯』は早さが勝負だから、悪寒がするような「気がする」とか、頭が重い「かな?」というタイミングで使うのが効果的。
     だから、家に置いておくよりは持ち歩いたほうが良いし、出先が思わぬ寒さだった時には体を温めるのに役立つ。
     そして合わない症状は、『葛根湯』は上半身を温めて治すので、喉が痛い時とか咳が出ている時に使うと、かえって症状が悪化してしまう。
     また、既に発熱してしまってからでは遅い。
     ごくごく初期であれば喉の痛みにも使えるが、その場合でも単独で使うよりは『桔梗湯』を合わせた方が良い。
     あるいは、喉の痛い風邪で鼻水が無いのならば、上半身を温めるのではなく冷やす『銀翹散』の方が向いている。
     さらにお客様には、風邪が進行して発熱した場合には『麻黄湯』に乗り換え、汗をかくようになったら今度は『柴胡桂枝湯』へと変えていくことで体力の下支えし、風邪のぶり返しを防ぐ方法を伝えた。
     どうしても「風邪には葛根湯」というイメージが定着してしまっているが、それは昔でも同じらしく落語には『葛根湯医』というお話がある。
     何でも『葛根湯』を使う医者の話で、大工が屋根から落ちたと聞きつけて「よし葛根湯だ!」と答えるのだ。
     お客様に、そんな枝葉のお話までして、喉の痛みだけで他に風邪の兆候が無ければ、胃炎による体内の乾燥の可能性も説明し『麦門冬湯』を紹介したところ、鼻汁が喉に落ちてくることもあるというから、やはり胃が不調と考えられることを説明し、『チクナイン』(辛夷清肺湯)も案内した。
     本日は、特にをお買い上げは無かったが、家にある薬の使用の判断に迷った時には、電話でも相談に応じることを伝えた。

     

  • 嘔吐と下痢は生命維持のための大事な反応

     お客様から、吐き気のある風邪に使える風邪薬をとの相談を受け、市販薬では『柴胡桂枝湯』の一択しか無いことを説明して、お買い上げ頂くことになった。
     ドラッグストアーの風邪薬の棚を見てもらえば分かるけど、「のどの痛み」や「咳」、「発熱」に「鼻水・鼻づまり」とパッケージに書いてある風邪薬は数あれど、「吐き気」と書いてある風邪薬は現代薬には無いはずである。
     次点としては、『桂枝湯』『かっ香正気散』というところだろうか。
     お会計をしてから患者について尋ねると「家族です」とお話しされ、「奥様ですか?」と確認したら「そうです」とのことだった。
     どうして、そういう重要な情報を最初に出さないで隠そうとするのかよく分からない(;´Д`)
     妊娠の有無やら授乳の有無はもちろん、婦人疾患の関係とか、他に服用している薬とか、こちらには訊きたいことが山ほどあるんだけど、あまり根掘り葉掘り質問すると嫌がられるから、遠慮しいしいで対応していると、こういうことになる。
     ドラッグストアーで薬を買う時の基本として、「1.誰が使うのか 2.どんな症状か 3.いつ頃から 4.他に使っている薬はあるか」は最低限、伝えてくださいな。
     奥さんはフルーツなら食べられると言っているそうで、体を冷やすと抵抗力は落ちるから判断に迷うところ。
     今夜は温かいスープをと勧め、フルーツを食べるのであれば昼間の方が良いでしょうとお話した。
     あと、吐き気でとどまらず実際に吐いてしまうような状況だと、『柴胡桂枝湯』も飲んだそばから吐いてしまう可能性があるため、そのさいには水に溶いてスプーンで少しずつ舐めるように服用する方法を教えた。

     『ヘパリーゼ』の小分けを買われる常連のお客様から、『ストッパ下痢止めEX』の試供品を求められたため、食中りの時には使わないようお話して渡したところ驚かれた。
     そもそも吐いたり下痢をしたりというのは毒素を早く出すための生体反応なので、 ストレスであるとか冷たい物を飲みすぎたというような下痢とは区別しなければならない。
     アルコールの飲み過ぎによる下痢も同じで、吐くのと同様に体外に排泄して生命を維持しようとしているのだ。
     ただし、水分も出てしまうため水分補給は欠かさないこと。
     その水分も普通に飲むと吐いてしまうし、体に吸収できずに排泄されてしまうので、やはり舐めるように飲むか、ゼリー飲料を使うと良い。
     漢方薬では、冷たい飲み物を飲みすぎた時の下痢には『胃苓湯』が適応し、アルコールによる下痢や二日酔いには『五苓黄解』を用いて、食中りには『柴胡桂枝湯』が解毒を助ける。
     そして食中りの下痢の場合は、毒素の排出が目的だから、吐き気があるかどうかというのは目安の一つになる。

     

  • 以外に難しい葛根湯の適応するタイミング

     『ルルアタックFX』などを見ていたお客様に声をかけてみたけれど、案内は断られた。
     この仕事を始めた頃は、内心ムッとしてしまったけれど、今は余裕を持って待つことができるようになった……と思う。
     トイレに行きたい時とかだと、「早く決めて~! 漏れる~(>_<)」って焦っちゃうけど。
     今回は、後になって相談を受け、主訴は微熱と喉の痛みで、まだ発症は今日からだと言うので『葛根湯』を提案すると、そのままお買い上げいただいた。
     もう少し喉の痛みが顕著であれば、『桔梗湯』との併用を提案していたところ。
     もしくは、『葛根湯加桔梗』に解熱剤のアセトアミノフェンを合わせた『新エスタックゴールド錠』でも良いだろう。
     お客様には、入浴して体を温めることと、食事はもう今日から消化の良い物に切り替えるようお話しした。
     消化をするのにもエネルギーが必要で、風邪を治すエネルギーが消化に取られると、より進行してしまう可能性があるからだ。
     熱が高くなり食欲が落ちてから消化の良い食事に切り替えるというのでは、遅すぎるんである。

     やや高齢のお客様が『葛根湯』と『ヴィックスドロップ』を一緒に購入されるので、喉の痛みや咳、そして発熱してしまってからの風邪には『葛根湯』は適応しないことを説明したところ、いつも風邪の予兆がある時に使っているとのことで、「それは良いですね」と伝えた。
     そのうえで、『葛根湯』を常備しておくのであれば、家に置いておくよりも持ち歩いて、出先で薄着であったり夏に入った屋内の冷房が効きすぎていて、上半身を温めたい時に活用するようお話しした。

     

  • カフェインの効果的な使い方と栄養ドリンクの使い分け

     お客様から『エスカップ』を子供に飲ませて良いか尋ねられ、15歳以上であれば大丈夫と答えたうえで、中学生の勉強疲れにと言うので、『リポビタンJr.』を勧めた。
     『リポビタンJr.』には『リポビタンD』と違い五味子と刺五加という生薬が入っていて、 子供にはもったいないくらいである。
     ただ栄養ドリンクにも違いがあり、 『エスカップ』や『リポビタンD』のようなタウリン系は「最後の一頑張り」というラストスパートに向いていて、『リポビタンJr.』や『ユンケル黄帝液』のような生薬系は「これから始める」など先が長く持続力を必要とする時に役に立つ。
     また、カフェインの入っている物は元気になるというよりは、体がビックリして元気が出たように錯覚するだけなので、後で疲労感が増すことになるから注意が必要だ。
     それに、カフェインの入っている物を効果的に使うには1週間以上はカフェイン断ちをしてからでないと体が慣れてしまっていて、日頃からコーヒーなどを飲んでいるようだと効果が薄れてしまう。
     ただし、いきなりカフェイン断ちをすると頭痛が起きたり倦怠感に悩まされたりするため、アスリートなどは本番の2週間くらい前から少しずつ減らしていくそうだ。
     お客様の子供は喘息があり咳が出やすいということで風邪を心配されていたため、胃炎でも咳になることをお話しすると大食のようだった。
     入浴は食事の前ということで、それは良いことと伝えたが、咳が出ている間は消化に良い食事をして量を控えさせるように伝えた。
     それから、受験生とのことから喘息の事も合わせて考え、『半夏厚朴湯』を紹介した。

     お客様が『アネトンせき止めZ錠』を購入されるさいに「長いんですか?」と尋ねたら、何か売りつけられると思われたのか警戒された。
     喉の炎症を抑えるためにも消化に良い食事をするよう勧めたところ、ホッとされた様子(^_^;)

     

  • 『葛根湯』を飲むタイミングは早ければ早いほど良い

     先日、高血圧の薬が処方されていて他の店『麦門冬湯』を売ってもらえず、うちで『駆風解毒湯』を使って頂いたやや高齢のお客様が再訪し、追加を購入された。
     特に問題は出ておらず、体調も良好とのこと。
     ただ、担当医には使ったことを報告するようお願いした。
     『麦門冬湯』を売らなかった薬剤師さんの慎重な対応の方が、本来の対応でもあるので。

     お客様から『命の母』を求められ、『命の母ホワイト』と『命の母A』のどちらなのかを尋ねたところ、違いを訊かれたため、更年期障害などの症状が身体面であれば『命の母ホワイト』が適応し、精神面に不安感やイライラなどが現れていたら『命の母A』が適応をすることを説明した。
     以前に『命の母A』を使ったというお話もあり、そちらの購入を決められた。
     他に、高校生の風邪の相談を受け、薬は症状別に選んで使っているというので、それは良い方法ですねとお話をしたが、使っている薬の銘柄は覚えていなかった。
     ありゃん(^_^;)
     喉が痛くなることが多いそうなので、『ルルアタックEX』と『ベンザブロックL』に『パブロンエースAX』をを紹介したところ、どれかが眠くなったことがあり避けたいとのことだったので、成分表示を取っておくようお話したうえで、比較的処方が単純な『ルルアタックEX』を勧めてお買い上げいただいた。
     また、風邪の初期であれば『葛根湯』『桔梗湯』を組み合わせる方法と、鼻水が無い喉の風邪には『銀翹散』が眠くなる成分が入っていないことを説明すると、『葛根湯』も一緒に購入された。
     『葛根湯』を飲むタイミングは早ければ早いほど良いから、家に置いておくよりも持ち歩いて、出先で悪寒や頭重感などを「気のせいかな?」レベルで感じた時に服用するようお話した。

     

  • 『葛根湯』の風邪の適応時期は発熱前まで

     若いお客様が『ルルアタックFX』を購入されたが、もう目が虚ろだったので念のため症状を確認すると、病院で解熱剤を処方してもらえず代わりに漢方薬が処方されたというのだけれど、どうも『葛根湯』らしい。
     熱は38度を超えているというので、上半身を温める『葛根湯』の適応時期は過ぎているため、発熱時の乗り換え先は『麻黄湯』であることを説明したうえで『ルルアタックFX』にも麻黄が入っているから、適応することを伝え、今夜は内臓に負担をかけないために普通の食事はせずにスープ物にするよう勧めた。
     どうして『葛根湯』が処方されたのか分からないが、受診時はもう少し症状が軽かったのかもしれない。
     お客様が帰られてから、うっかり熱が下がった後の乗り換え先として『柴胡桂枝湯』を案内し忘れたことに気がついた(;´Д`)

     『冷えピタ』を購入されるお客様に、もし発熱しているようなら水枕の方をお使い下さいとお話ししたところ、患者ご主人で『アイスノン』を使用しており、病院からは『カロナール』が処方されていると分かった。
     となれば、これ以上の解熱は不要だから、『アイスノン』の使用を中止して、『冷えピタ』での対応の方が良さそうである。
     ただ、風邪としては後期のようで、微熱が続いていてなかなか回復しないというため、食事はまだ普通に戻さないようにしないと内臓に負担になって長引くことを説明したところ、メニューはうどん鍋であるものの、量は食べているとのこと。
     風邪で体を休めるというのは内臓休めるということもでもあるため、改めて食事の量を制限するよう勧めた。

     お客様から咳の相談を受け詳しく訊いてみると、以前に自分で買った『葛根湯』を飲んでも効かなかったというので、『葛根湯』は上半身を温めて風邪を治すため、むしろ肺から気管支を乾燥させて咳の原因になることを説明し、上半身を潤す『麦門冬湯』を案内して、お買い上げいただいた。
     また、カラ咳は風邪とは関係の無い胃炎の可能性があることをお話すると、思い当たるようだった。
    「風邪には葛根湯」というくらい発熱前の初期には効果的であり、また温めて楽になるような肩こりにも効くし、出先で寒いと思った時に服用するという使い方もあるので便利といえば便利だが、やはり薬であるから使い所には気を付けなければならない。
     なので、お客様には落語の『葛根湯医』の話もしてみた。
     何にでも『葛根湯』を出す医者の話で、大工が屋根から落ちたと聞いて「よし葛根湯だ!」というサゲがつく。

     

  • 患者本人が気がついていない原因を想像できるか

     お客様から病院で処方されている目薬と同じ物をと注文されたのだが、一つは炎症を抑えるステロイド剤で、もう一つはドライアイ用の物が処方されており、ステロイド剤については市販されていないことを説明したうえで『新緑水』を案内した。
     ただ、主訴は目のゴロゴロ感とドライアイということだったので、他に『スマイルコンタクトEX』も候補に挙げ、コンタクト専用という訳ではなくコンタクトをしていなくても成分による効能で検討することになりますとお話しした。
     今回は『新緑水』をお買い上げいただいたが、週の半分はシャワーだそうなので入浴が大事なことと、目の周囲にシャワーを浴びてみたりして温めるよう勧めた。
     目の材料を運ぶのも不要な物を回収するのも血液だから、とにかく血流を良くしなければ。

     やや高齢のお客様から、咳と喉の痛みに漢方薬を希望されたのが、高血圧の薬を服用しているそうで他店の薬剤師から『麦門冬湯』を紹介されたものの、売ってはもらえなかったとのこと。
     随分と慎重な薬剤師さんなんだなぁと、感心してしまった。
     そこは、見習わなければいけないかもしれない。
     心配であれば半包から試してみてはと提案したうえで『麦門冬湯』を勧めてみたが、やはり薬剤師さんの発言には重みがあり避けたい様子だったのと、咳よりも喉の痛みの方が今は気になるというお話から『駆風解毒湯』を紹介して試していただくことになった。
     また、同様の症状は風邪ではなく、逆流性食道炎でも起きることを伝えておいた。
     一般に、健康な人でも一日に50回くらいは胃液が逆流しているくらい珍しくないことで、それが症状として現れるのは過食や疲労、年を取ってくれば機能低下により修復が追いつかなくなるから。

     以前に、長引く微熱と悪寒に『柴胡桂枝湯』を使っていただいたお客様が来店し、その時には天井にカビがあるという話からそれが原因ではないかと推測していたのだが、今日お話を伺ったところでは、糖分を控えるようにしたら治ったとのことで、それは自分で調べたのだそうだ。
     かなりの甘い物好きらしく、確かに甘い物はリラックス効果がある一方で体の機能も緩んで低体温になったり免疫力も衰えるため、ありえる話だと思う。
     知識としては知ってはいたが、当時は思いつきもしなかった。
     ううむ、ヒアリングが足りなかったか(^_^;)
     そういえば自分自身も、微熱と吐き気が続いていたことがあって『柴胡桂枝湯』を服用し、やがて吐き気のある咳に移行したため『半夏厚朴湯』に変更したのに回復せず、『神秘湯』に乗り換えてようやく改善したことがあるのだが、後で数日前に鉄道模型のレールを磨くのに溶剤を使っていたことに気がついた。
     私は溶剤アレルギーなので、それで喘息を起こしていたのだ。
     本人が気づかないくらいなんだから、もしその時の私が患者としてドラッグストアーを訪れたとしても分からなかったかもしれない。
     なので、患者さんには店頭で思いつく限りのお話をお願いしたいし、私の方も想像力を働かせてヒアリングしなければと思う。