• タグ別アーカイブ: 葛根湯
  • 薬を商品名で指定するのは無理がある

     外用鎮痛剤の棚を見ていてお客様から、「やっぱり効果は一時的なものなの?」と質問されて、「その通りです」と答えたのは、やや軽率だったか。
     症状を詳しく尋ねてみると、腱鞘炎とのことでゴルフが原因に思い当たるという。
     ゴルフに限らず、野球やテニスといった腕を振るう動作で、しかもいわば錘を持っている場合は、慣性の法則によってかなりの衝撃が瞬間的に腕にかかるため、関節はもちろん筋肉に傷がつく事もある。
     だから一度は病院を受診するように勧めたのだけれど、「大丈夫大丈夫」「たいしたことない」と、最初の質問が不可解なくらい気に留めない様子だった。
     あくまで一時的な効果ですと重ねて説明したうえで『フェルビナク』を案内したところ、お買い上げ。

     鼻炎の相談でいらしたお客様は、花粉症の他に喘息の持病もあるという話だった。
     そして、以前に蓄膿症で手術を2回受けたことがあり、今回も風邪とは思えないとのこと。
     鼻汁に色があるというから、ウイルスなり菌なりの死骸が患部にあるのは間違い無さそうだけど。
     風邪だった場合にも対応できる『葛根湯加川きゅう辛夷』を勧めて、お買い上げ頂いた。
     ただ、会計を終えた後で病院から処方された薬が、どうやら『辛夷清肺湯』だと分かった。
     ありゃん、今回も同じ物を勧めておいた方が良かったかしらん。
     一応今回は、鼻汁が喉に落ちてくるかを尋ねてみて、そういう症状は無いというので、候補から外したものの、手術の話を聞いた段階で、処方された薬があるだろうと考えが至らなかったのは反省。

     電話で問い合わせがあり、以前に『トラベルST』という酔い止めの薬を購入したいので、在庫を確認したいとのことだった。。
     でも、『トラベルST』という名前の商品は、うちでは取り扱っていない。
     以前にうちの店で購入したというのだけれど、聞いたこともない商品名。
     お客様は、大正製薬だというものの、商品リストを確認しても見当たらないので、大正製薬の『センパア・QT』を案内してみたが、小学校の行事に持っていくため商品名を伝えているから、同じ物でなければ駄目だという。
     ううん、薬を商品名で指定するのは無理があると思うんですが。
     とりあえず、代用では駄目という事であれば、残念ながらお役に立てません。
     後で調べてみたら、ロート製薬に『パンシロントラベルSP』という酔い止めがあるのが分かった。
    「ST」というのは、「SP」の聞き間違いだったのか?
     だとすれば、気づかず申し訳ない事をした。
     とはいえ、いずれにしろ同じ成分なんだけどなー。
     メーカー名と製品名が一致しないままで、探し出せるのだろうか。
     他のドラッグストアーの店員が、ちゃんと説明し直してくれる事を祈るばかり(;´・ω・)


     

  • 桔梗石膏(ききょうせっこう)
    扁桃炎、扁桃周囲炎、去痰、排膿

    【第2類医薬品】JPS桔梗石膏エキス錠N 200錠 4987438060867
    適応症状 

     扁桃炎、扁桃周囲炎、去痰、排膿

    用方・容量(顆粒製品の場合) 

     1日3回、成人1回1包(2.5g)を食前にお湯または水で服用してください。
     ただし、15歳未満7歳以上は2/3包、7歳未満4歳以上は1/2包、4歳未満2歳以上は1/3包。

    組成(顆粒製品の場合) 

     3錠中(6.0g)に、次の成分を含みます。
       ききょう(桔梗) 2.0g
       せっこう(石膏) 5.0g
     以上の割合に混合した生薬より得たエキス1.54g含有します。

    類似処方鑑別 

    駆風解毒湯  本方よりも長期化したり、風邪が治った後に咽喉の痛みだけが取れない場合に用いる。

    葛根湯  比較的体力のある人で、咽・喉頭部の炎症はあるが、疼痛は比較的軽度で、頭痛、項背部のこわばりなどを訴える場合に用いる。

    使用上の注意 

    1.次の場合には医師または薬剤師に相談してください
     (1)本剤を服用後、症状の改善が認められない場合は、他の漢方薬を考慮する事。
     (2)甘草を含有する漢方薬を長期服用する場合は、血清カリウム値や血圧の測定などを充分に行い、異常が認められた場合は、服用を中止する事。
     (3)複数の漢方薬を併用する場合は、含有生薬の重複に注意する事。(特に甘草を含有する漢方薬の併用には、より注意を必要とする。)
     (4)アルドステロン症の患者。  (5)ミオパチーのある患者。
     (6)低カリウム血症のある患者。  (7)フロセミド、エタクリン酸またはチアジド系利尿剤との併用により血清カリウム値の低下があらわれやすくなるので、注意すること。


    2.服用に際して、次のことに注意してください
     (1)定められた用法、用量を厳守してください。
     (2)小児に服用させる場合には、保護者の指導監督のもとに服用させてください。
     (3)本剤は、2歳未満の乳幼児に服用させないでください。


    3.服用中または服用後は、次のことに注意してください
     (1)本剤の服用により、発疹・発赤、かゆみ、悪心、食欲不振、胃部不快感等の症状があらわれた場合には、服用を中止し、医師または薬剤師に相談してください。 
     (2)本剤を服用することにより、尿量が減少する、顔や手足がむくむ、まぶたが重くなる、手がこわばる、血圧が高くなる、頭痛等の症状があらわれた場合には、服用を中止し、医師または薬剤師に相談してください。
     (3)1ヵ月位(感冒、鼻かぜ、頭痛に服用する場合には、数回)服用しても症状の改善がみられない場合には、服用を中止し、医師または薬剤師に相談してください。
     (4)長期連用する場合には、医師または薬剤師に相談してください。


    4.保管及び取扱い上の注意
     (1)小児の手のとどかない所に保管してください。
     (2)直射日光をさけ、なるべく湿気の少ない涼しい所に保管してください。
     (3)1包を分割した残りを使用する場合には、袋の口を折り返して保管し、2日以内に使用してください。


    5.その他
     本剤は生薬(薬用の草根木皮等)を用いた製品ですので、製品により多少色調等が異なることがありますが効能・効果には変わりありません。


     

  • 桔梗湯(ききょうとう)
    扁桃炎、扁桃周囲炎

    適応症状 

     咽喉が腫れて痛む次の症状:
     扁桃炎、扁桃周囲炎

    用方・容量(顆粒製品の場合) 

     1日3回、成人1回1包(2.5g)を食前にお湯または水で服用してください。
     ただし、15歳未満7歳以上は2/3包、7歳未満4歳以上は1/2包、4歳未満2歳以上は1/3包。

    組成(顆粒製品の場合) 

     7.5g中に、次の成分を含みます。
       ききょう(桔梗) 2.0g
      かんぞう(甘草) 3.0g
     以上の割合に混合した生薬より得たエキス1.25g含有します。

    類似処方鑑別 

    駆風解毒湯  本方よりも長期化したり、風邪が治った後に咽喉の痛みだけが取れない場合に用いる。

    葛根湯  比較的体力のある人で、咽・喉頭部の炎症はあるが、疼痛は比較的軽度で、頭痛、項背部のこわばりなどを訴える場合に用いる。

    荊芥連翹湯  咽・喉頭部の炎症が慢性化した体力中等度の人で、皮膚の色が浅黒く、手足の裏に汗をかきやすく、腹直筋が全体に緊張している場合に用いる。

    使用上の注意 

    1.次の場合には医師または薬剤師に相談してください
     (1)本剤を服用後、症状の改善が認められない場合は、他の漢方薬を考慮する事。
     (2)甘草を含有する漢方薬を長期服用する場合は、血清カリウム値や血圧の測定などを充分に行い、異常が認められた場合は、服用を中止する事。
     (3)複数の漢方薬を併用する場合は、含有生薬の重複に注意する事。(特に甘草を含有する漢方薬の併用には、より注意を必要とする。)
     (4)アルドステロン症の患者。
     (5)ミオパチーのある患者。
     (6)低カリウム血症のある患者。
     (7)フロセミド、エタクリン酸またはチアジド系利尿剤との併用により血清カリウム値の低下があらわれやすくなるので、注意すること。


    2.服用に際して、次のことに注意してください
     (1)定められた用法、用量を厳守してください。
     (2)小児に服用させる場合には、保護者の指導監督のもとに服用させてください。
     (3)本剤は、2歳未満の乳幼児に服用させないでください。


    3.服用中または服用後は、次のことに注意してください
     (1)本剤の服用により、発疹・発赤、かゆみ、悪心、食欲不振、胃部不快感等の症状があらわれた場合には、服用を中止し、医師または薬剤師に相談してください。 
     (2)本剤を服用することにより、尿量が減少する、顔や手足がむくむ、まぶたが重くなる、手がこわばる、血圧が高くなる、頭痛等の症状があらわれた場合には、服用を中止し、医師または薬剤師に相談してください。
     (3)1ヵ月位(感冒、鼻かぜ、頭痛に服用する場合には、数回)服用しても症状の改善がみられない場合には、服用を中止し、医師または薬剤師に相談してください。
     (4)長期連用する場合には、医師または薬剤師に相談してください。


    4.保管及び取扱い上の注意
     (1)小児の手のとどかない所に保管してください。
     (2)直射日光をさけ、なるべく湿気の少ない涼しい所に保管してください。
     (3)1包を分割した残りを使用する場合には、袋の口を折り返して保管し、2日以内に使用してください。


    5.その他
     本剤は生薬(薬用の草根木皮等)を用いた製品ですので、製品により多少色調等が異なることがありますが効能・効果には変わりありません。


     

  • 医者に取り合ってもらえなかったら患者さんはどうすれば?

     『葛根湯』を購入されたお客様に、「発熱するまで」が適応期と説明して、発熱時の『麻黄湯』と、解熱後の『柴胡桂枝湯』を紹介した。
     また、喉が痛い時には『桔梗湯』を併用するか、『銀翹散』の方を使うよう伝えた。
     『葛根湯』自体は、本部からの送り込みで山のように在庫があるから、何も考えずに買い込んでくれると助かるんだけどねー。

     のどトローチを求めて来店されたお客様に、使った事がある物を尋ねると、『新コルゲンコーワートローチ』との事だったのだけれど、その時に効いたかは覚えていないというので、現在の症状の方を重ねて尋ねた。
     人間は得てして、成功体験を反復しがちなはずなのに、何故か自分の体調を回復させるために使う薬については、効いたか覚えていなくて、でも前に使ったからという理由で同じ物をチョイスするという人が多い気がする。
     統計を取った訳じゃないから、気がするだけかもしれないけど。
     今回の症状は、喉が乾燥してエアコン等の風を吸い込むと咳が出るそうなので、『麦門冬湯』が適応しそう。
     即断もできないため、さらに詳しく話を訊いてみたところでは、数日前に風邪をひいて病院で抗生物質などを処方され、風邪が治った後の喉の痛みを担当医に伝えても、「風邪は治ってますから」と取り合ってもらえなかったとか。
     お客様の一方的な話だから鵜呑みにはできないけど、それが事実なら「なんだその医者( ̄^ ̄)=3」ってなモンである。
    「医は仁術」(医術は、病を治すのではなく人を助ける術)のはずではなかったか。
     よほど気が強くないと、「他の医者に変えてくれ」とは言いにくいよなぁ。
     それに、大きい病院じゃなくて個人の診療所だったら、病院を変えるとまた初診料が必要になるし。
     どこぞの、医者と敵対するのを煽るような「病院不要論」には与したくないけど、具体的にどうすればというのが思いつかない。
     せいぜい、相手も人間だから、「アナタだけが頼りなんです」と煽ててみせるのも手だけど、それで適当に解熱鎮痛薬とか処方されても困るしねぇ。
     少しでも薬の知識があれば、希望する薬を処方してもらえないか、お願いする事はできるかもしれないけど。
     今回の主訴は喉の痛みよりも、咳き込む方のようだったので、やはり『麦門冬湯』を勧めて、お買い上げ頂いた。
     それと、体を冷やすと、かえって体の方は温めようと不要な熱を出して体内が乾燥してしまうため、キュウリなどを避けるようお話したら、キュウリは大好きとの事だったので、咳が出ている間だけでも控えましょうと伝えた。

     

  • 清上防風湯(せいじょうぼうふうとう)
    にきび・ニキビ

    適応症状 

     比較的体力のある人の、顔面および頭部の発疹で発赤の強いもの、化膿していないものの次の症状:
     にきび

    用方・容量(顆粒製品の場合) 

     1日3回、成人1回1包(2.5g)を食前にお湯または水で服用してください。
     ただし、15歳未満7歳以上は2/3包、7歳未満4歳以上は1/2包、4歳未満2歳以上は1/3包。

    組成(顆粒製品の場合) 

     3包(7.5g)中、次の成分を含みます。
        黄ごん(おうごん)2.5g
        桔梗(ききょう)2.5g
        さんしし(山梔子)2.5g
        せんきゅう(川きゅう)2.5g
        はまぼうふう(浜防風)2.5g
        びゃくし(白し)2.5g
        れんぎょう(連翹)2.5g
         黄連(おうれん)1.0g
        甘草(かんぞう)1.0g
         枳実(きじつ)1.0g
        荊芥(けいがい)1.0g      
        はっか(薄荷)1.0g
     以上の割合に混合した生薬より得たエキス4.75g含有します。

    類似処方鑑別 

    十味敗毒湯  体力中等度の人で、身体各部に発症する散発性の瘙痒感の強い皮膚疾患の場合に用いる。

    消風散  比較的体力の充実した人で、患部の湿潤と瘙痒感が顕著で、痂皮の形成と苔癬化があり、口渇を伴う場合に用いる。

    葛根湯  比較的体力の充実した人で、多くは上半身に発し、発赤、腫張、熱感、瘙痒感の強い急性発疹の場合に用いる。

    荊芥連翹湯  体力中等度の人で、副鼻腔、外耳、扁桃などに炎症を起しやすく、慢性化した皮膚疾患の場合に用いる。

    排膿散及湯  比較的体力のある人で患部が熱を持ち、化膿する場合に用いる。

    使用上の注意 

    1.次の場合には医師または薬剤師に相談してください
     (1)本剤を服用後、症状の改善が認められない場合は、他の漢方薬を考慮する事。
     (2)甘草を含有する漢方薬を長期服用する場合は、血清カリウム値や血圧の測定などを充分に行い、異常が認められた場合は、服用を中止する事。
     (3)複数の漢方薬を併用する場合は、含有生薬の重複に注意する事。(特に甘草を含有する漢方薬の併用には、より注意を必要とする。)
     (4)長期運用により低カリウム血症、血圧上昇などが現れる場合があるので観察を充分に行う事。
     (5)体力の低下した患者。(脱力、疲労などを起こすことがある。)


    2.服用に際して、次のことに注意してください
     (1)定められた用法、用量を厳守してください。
     (2)小児に服用させる場合には、保護者の指導監督のもとに服用させてください。
     (3)本剤は、2歳未満の乳幼児に服用させないでください。


    3.服用中または服用後は、次のことに注意してください
     (1)本剤の服用により、発疹・発赤、かゆみ、悪心、食欲不振、胃部不快感等の症状があらわれた場合には、服用を中止し、医師または薬剤師に相談してください。 
     (2)本剤を服用することにより、尿量が減少する、顔や手足がむくむ、まぶたが重くなる、手がこわばる、血圧が高くなる、頭痛等の症状があらわれた場合には、服用を中止し、医師または薬剤師に相談してください。
     (3)1ヵ月位(感冒、鼻かぜ、頭痛に服用する場合には、数回)服用しても症状の改善がみられない場合には、服用を中止し、医師または薬剤師に相談してください。
     (4)長期連用する場合には、医師または薬剤師に相談してください。


    4.保管及び取扱い上の注意
     (1)小児の手のとどかない所に保管してください。
     (2)直射日光をさけ、なるべく湿気の少ない涼しい所に保管してください。
     (3)1包を分割した残りを使用する場合には、袋の口を折り返して保管し、2日以内に使用してください。


    5.その他
     本剤は生薬(薬用の草根木皮等)を用いた製品ですので、製品により多少色調等が異なることがありますが効能・効果には変わりありません。

     

  • 潰れたはずだよオノジュウさん

     やや高齢のお客様から、痔の相談を受けた。
     と言っても、すでに病院には通っていて座薬が処方されているという。
     相談の内容は、「切るしか無いのか」「切れば治るのか」と、担当医にこそ訊いて頂きたい事で困った。
     いや、まぁ、不安とかそういう事なんだろうけど。
     担当医からは、特に手術の話は出ていないそうで、やや先走り気味でもある。
     内服薬として『乙字湯』を紹介しつつ、担当医に相談してみるようお話してみた。
     『乙字湯』には興味を示されなかったが、何故か後で紹介した『蓮神(レンシン)』には関心を示された。
     ただ、『蓮神』はそれこそ入手ルートが限られている。
     そのため、近くの漢方薬専門を掲げている薬局を案内した。
     そういや知らなかったけど、『蓮神』を作っていたオノジュウは会社整理した後に、レンシン製薬株式会社として再建していたのね。
     ううむ、うちのお店に入荷できないものか。

     以前に膝の痛みの相談を受け、『桂枝加苓朮附湯』を勧めたお客様が、効果があったらしく追加を購入しにいらした。
     そこで、長く服用を続けなければならないのか、長く飲み続けて大丈夫かと質問された。
     効いたからといって安易に飛びつかずに確認するという姿勢には、ちゃんと応えたいところ。
     水分代謝を改善して温めて治すというのが主な効果なので、頓服のように、その時々に服用するという使い方ができることを説明。
     実のところ、台風などで湿気が多くなると膝が痛んで階段の登り降りも困難になる私自身が、こういう使い方をしている。
     また、どんな薬でも長期連用の場合は経過観察が必要であるものの、適宜増減する使い方もあるため、惰性で飲み続けるというのでなければ大丈夫である事を、お話した。
     寒い季節の間だけとか、秋雨や梅雨時といった、一定の期間に一日1回という使い方も考えられる。
     そこで、症状や状況が変わった時に乗り換える候補として、血流改善の『疎経活血湯』と、より温める効果のある『当帰四逆加呉茱萸生姜湯』を紹介したところ、親類に漢方薬に詳しい人がいるので、その人に相談してみるとの事だった。
     ありゃん、もっと早く相談するのが難しかったのかな。
     なんにしても、相談先は多い方が良いです。

     お客様から、3歳児の風邪薬の相談を受けた。
     今の症状は鼻水と咳で、微熱はあるものの正確には計っていないという。
     主訴から、『かぜシロップ』より『鼻炎シロップ』の方を提案した。
     そして『葛根湯』も案内はしてみたが、お客様の話しぶりからすると、薬を服用させるのを避けたいような印象を受けた。
     確かに、今の症状からすると、普段よほど偏食をしているとか栄養不足だったり、一見して分かるほど虚弱な様子が無ければ、自然治癒する可能性が高い。
     そこで、温かい飲み物と消化に良い食事を与えて、積極時に体を温めるよう勧めてみたところ、安心した様子で帰っていかれた。
     やっぱり、できるだけ薬を避けたくて、その後押しをしてもらいたかったのかな。
     とはいえ、子供の風邪は急変が怖いので、別室で寝かしたりせずに目の届くところで寝かせて、熱は小まめに計るように付け加えておいたけど。

     

  • 小躍りして天狗になります

     『チクナイン』を見ていたお客様から、POPに書いておいた「鼻汁が喉に落ちてきて咳になる場合」というのが自分の今の症状のようだと相談された。
     花粉症による鼻づまりがあり、以前に病院では『辛夷清肺湯』が処方されていたというので、同じ物であることを説明したところ、購入して頂けた。
     一方、小学生の子供も同じ症状という事で、風邪のように移る事があるのかと質問されたのには、「風邪のように移る」事はありませんと答えたが、環境が同じであれば発症するアレルギー症状が似ているというのはあり得ると伝えた。
     ただし、性別や年齢が違えば、適応する薬が違うケースがある事も説明した。
     例えば私の場合、花粉症で現れる症状は鼻水と咳なので、子供の頃には『小青龍湯』を使っていたが、大人になるに連れ効き目が強く出すぎて辛くなり、今では『香蘇散』『麻黄附子細辛湯』の方が適している。
     ええ、年寄り向けの漢方薬です(´・ω・`)

     外用消炎剤の湿布を求めて来店したお客様から、肩こりの相談を受けた。
     いつも肩こりになる訳ではなく、患部も左肩だけだという。
     肩掛けカバンなどでの姿勢の影響や、どこか具合の悪い部分を庇っている可能性もあるため、一度は病院を受診してみるよう勧めた。
     そのうえで、サリチル酸メチル、フェルビナク、インドメタシンのパップ剤と液剤を案内し、内服薬として血流を改善する『独活葛根湯』を紹介した。
     今回は、フェルビナクのローションタイプを購入。

     今日は、ちょっと嬉しい事があった。
     いや、正確には「ちょっと」じゃなくて、小躍りしたいくらいだったんだけど。
     以前に疲労の相談でドリンク剤を求められた時に、ツムラの『ハイクタンD』を案内して、効果が感じられるとの事で継続して頂いているお客様から、病院で処方された『柴胡加竜骨牡蛎湯』が効いた感じがしないという相談を今回受けた。
     病院で処方された薬に口を出すのは、些か出すぎた真似だと重々承知はしているものの、目の前のお客様には神経質そうな傾向があり、外見上も体質虚弱な痩せ型で、どうして『柴胡加竜骨牡蛎湯』が候補になるのか不思議なくらい。
     不眠を主訴として受診したらしいのだけれど、寝るまでに時間が掛かるより、中途覚醒を繰り返してしまうというお話から考えても、『桂枝加竜骨牡蛎湯』の方が適応するんじゃないのかと思い、お勧めして購入となった。
     で、嬉しかった事は、これまた以前に、熱いお風呂に短時間だけという生活をしていると聞いた時に、寝る時間を惜しんででも40度以下のお湯で長湯をするように勧めたところ、それが効果覿面だったと満面の笑顔で感謝されたのだ。
     内心は、「ヽ(∇⌒ヽ)(ノ⌒∇)ノわぁい♪」というところを自重(笑)

     やや高齢のお客様から、精力減衰の相談をされて、サプリメントの『凄十』や、処方薬の『バイアグラ』について質問された。
     『凄十』に含まれている成分を見れば「すっぽんエキス」とか「マカ抽出液」とか精力増進が期待できそうな物の名前が並んでいるけど、どう考えても有効成分としての量は期待できない。(試したけど)
     『バイアグラ』が勃起力に効果があるかと問われれば、要するに男性器に流入する血液の量が増えるから勃起力は上がるだろうけど、正座していて立ち上がった時のような状態になるのだから、自身の感度が鈍ると考えられる。(未体験だけど)
     なので、治療目的としては、『柴胡加竜骨牡蛎湯』が適応すると思いますと案内してみたが、今回は購入に至らず。
     多分、求めていた答えがそもそも違うんだろうなぁと想像するものの、他にどう答えれば良かったのかは分からない。
     期待に添えなくて、ごめんなさい(;´・ω・`)ゞ

     

  • 専門外でも詳しい人は詳しい

     やや高齢のお客様がコンドロイチン関係の商品を眺めていたので声を掛けてみると、病院には行ってないそうで、軟骨が減少しているとかいうような事も分からないようだった。
     そこで詳しく症状を尋ねてみたところ、痛みというよりは、寝起きに違和感を感じ、もともと冷え性だというお話から、『桂枝加苓朮附湯』を案内して、お買い上げ頂いた。
     コンドロイチン関係は、医薬品もサプリメントも安くないから、必要かどうかは調べてからの方が良いと思う。

     『セルベール』が欲しいと来店したお客様に用途を尋ねたところ、『パブロンゴールドA』を服用する時に、一緒に飲むと良いと知人から勧められたそうな。
     失礼ですが、その知人は医療関係者で?
     すると、そういう訳ではないという。
     う~ん、その知人とどういう付き合いをしているか分からないから、迂闊な事は言えないので、その時には聞き流すようにしたけど、良く分からない話だ。
     解熱鎮痛薬ならともかく、市販の風邪薬で胃薬を別に飲まなきゃならないほど胃に悪い物は思い当たらない。
     まぁ、私くらい胃腸虚弱だと『葛根湯』『麻黄湯』とか『小青龍湯』なんかでも、具合が悪くなりますが。
     私の方が勉強不足で見落としている事があるかもしれないし、専門外でも詳しい人は詳しいから一概に否定もできない。
     とりあえず、『セルベール』の方は胃腸薬の中では比較的、ストレス性の胃の不調に適している事を説明したうえで、お買い上げ頂いた。

     お客様から、漢方薬をオブラートで包んで服用する事について相談を受けた。
     私も子供の頃はオブラートに包んでいたし、今では龍角散が漢方薬専用の服用ゼリーを販売しているくらいで、特に効果が弱まるという事は無いでしょうとお話した。
     まぁ、喉の痛みを冷やしつつ熱を発散して治す『駆風解毒湯』なんかは、お湯に溶いて、うがいをするように飲んだ方が効果的という例外だったりするけど。
     その例外の可能性もあるため、服用する予定の漢方薬を確認してみると、病院では『半夏厚朴湯』が処方されたそうで、その前には『麦門冬湯』が処方されて効果が無かったという。
     ところが、症状としては夜中に咳き込むそうな。
     ん?
     それなら『五虎湯』かなと思ったものの、喉につかえ感があるというから、『半夏厚朴湯』で適応しそう。
     ただ、お客様の話からの推測でしかないけど、どうも担当医は漢方薬には詳しくなく、効能に「咳」とある物を順番に出している様な気がしないでもない。
     私の見立てでは、お客様は痩せ型のうえ、やや神経質そうな印象があり『小柴胡湯』の助けがいるのではないかと。
     もし『半夏厚朴湯』が効いたとして、「もう一息」と感じるようであれば、『柴朴湯』を担当医に処方してもらえないか相談してみるよう提案した。
     言い出しにくいようでしたら、近くに漢方薬が得意な病院がありますから紹介しますと付け加えた。

     

  • テレパシー(精神感応)の超能力が欲しい

     台風18号の上陸に伴って、次郎は小学校から休校のお知らせがアプリでスマホに届いていたので、雨が激しくなる前に、お母んが実家に連れて行ってもらった。
     まぁ、地形的には何が危険という事も無いんだけど、安全管理というのは行き過ぎくらいで調度良い。
     でも自分は、一番雨が激しい時間帯に出勤。
     サービス残業などを無くすためにと、普段から勤務時間より早い出勤が禁止されているので。
     融通の効かないことである。
     ビショビショ〜(´・ω・`)

     若い男性のお客様が『葛根湯』の液剤を購入されたので、念のため「風邪の初期」というのは「発熱するまで」と説明して、発熱して汗をかくまでの『麻黄湯』と、解熱後の回復期の疲労解消に役立つ『柴胡桂枝湯』を紹介した。
     たぶん、この後も何度も日記には書くと思うから、既読の人はスルーして頂いて構いません(・o・)ノ

     お客様から、「トローチじゃない、のど飴を」と求められたため、『ヴィックスドロップ』を案内した。
     でも、用途が気になり尋ねてみたら、授乳中だから薬を避けたいという話だった。
     ありゃん、それでしたら最初に言ってもらえれば、他の選択肢も示せたのに、どうして言わないの(;´・ω・)?
     病院でも授乳中の風邪には『葛根湯』が処方されることを説明し、喉の痛みに併用する『桔梗湯』と、単独で喉の痛む風邪に用いる『銀翹散』を紹介し、服用の手軽さからか『銀翹散』を購入して頂けた。
     すると、『龍角散』について質問された。
     少しは、信用してもらえたのかしらん。
     内容は桔梗と甘草で、『銀翹散』にも同じ物が入っているから併用は必要ない事を説明した。

     『ベンザブロックLプラス錠』を購入するか迷っているという事で、お客様から相談された。
     主訴は喉の痛みで、知人から勧められた『ペラックT』は効かなかったとのこと。
     『ペラックT』は、甘草とトラネキサム酸の組み合わせで、それが効かなかったという事は、喉の痛みが熱を発散するよりも冷やす方が適しているのかもしれませんと説明し、『桔梗湯』『駆風解毒湯』を案内した。
     でも今回は、痛み止めの『イブA』の購入となった。
     あれ(;・∀・)?

     

  • 命綱の選択肢は多めに

     成人の息子さんに『バファリン』を頼まれたとのことで、お客様に用途を尋ねてみると、肘の痛みに使うらしい。
     ところが、『バファリン』が効いたという訳でもないそうで、どうして効かなかった物を頼んだのかが不明。
     以前に効いたから同じ物をというのなら、分かるんだけど。
     効かなかったのであれば、成分違いの物はどうでしょうと提案し、『イブA』と『バファリンプレミアム』を案内したところ、後者をお買い上げ頂いた。
     ところで、その肘の痛みで病院には行ってみたのかも尋ねてみたら、整形外科には一度行ったきりで、関節には異常無しと診断されたため、今は接骨院でマッサージを受けているという。
     ううん、病院は一軒だけで判断しない方が良いんだけどなぁ。
     医師にも得手不得手があるし、診断する能力と、治療する能力は別物なうえ、患者さんとのコミュニケーション能力は、さらに個人的なスキルだから、セカンドオピニオンと言わずサードやフォース、なんならフィフスくらいは変えても良いと思う。
     政府の医療費削減の方針には反するが、「健康は金では買えない」ので。
     努力が必要なんである。
     肘の痛みについては、痺れ感があるようなので『疎経活血湯』と、念のため、冷えて痛む場合の『桂枝加苓朮附湯』を紹介し、病院で処方してもらえないか相談してみるよう勧めた。

     『葛根湯』を購入されたお客様に用途を確認すると、置き薬にするとのこと。
     そろそろ寒くなっていくから、『葛根湯』を買い置きする人が増えてくる。
     そうなると、『葛根湯』が適応しない場面もある事を伝えておかないと、こちらも商売にならない……ゲフンゲフン((( +д+))o=3=3
     もとい、風邪を悪化させてしまう場合があるので、注意が必要。
     まず、『葛根湯』は上半身を温めるので、喉が痛い時には『桔梗湯』のように局所的に冷やす物を併用するか、喉風邪の初期に適応する『銀翹散』を代わりに用いる。
     そして発熱してくる風邪の中期には『麻黄湯』に乗り換え、発熱によって発汗するようになったり、吐き気を伴う風邪の後期には『柴胡桂枝湯』の出番となる。
     つい置き薬は種類を絞りがちになるけど、症状別に揃えておいた方が短期決戦でいけるので、小容量でも多種を揃えておくのがお勧め。
     というようなお話をして、『葛根湯』は飲むタイミングの早さが勝負だから、家に置いておくより、持ち歩くようにと伝えた。