• タグ別アーカイブ: 葛根湯
  • 高齢者に「ミネラル豊富」は危険です

     やや高齢のお客様から、『どくだみ茶』について質問された。
     名前のイメージ通り、毒を排出するデトックス効果が期待されることと、ミネラルが豊富なことを説明すると購入を決められた。
     しかしお会計をした後で、腎臓機能が衰えがちの高齢者には適さないこともあることを思い出して伝えた。
     ミネラルが豊富ということは鉱物が含まれるということで、それを処理する腎臓には負担がかかるのだ。
     こんな簡単なことを忘れているとは、反省の行ったり来たりである。
     世の中には、塩でもなんでも「化学合成は全部駄目で、ミネラル豊富なのが良い」と人にも勧める輩がいるが、人に勧める時にはリスクも理解して伝えるようにしておいて欲しい。
     って、忘れてた人が偉そうに言えることではないけれど。

     ご主人が鼻水と喉の痛み、そして咳を訴えているということでお客様から相談を受けた。
     発症したのは昨日からで、熱が出そうな予感がすると言っているらしい。
     しかし、いずれの症状も現段階では弱く、念のため薬を買いにいらしたというので、『葛根湯』を最初に使い、熱が出てから『パブロンエースAX』に乗り換えてはと提案したところ、両方お買い上げいただいた。
     『葛根湯』は咳が出る風邪には使えないが、鼻水が出るようなら上半身の冷えに対抗するための炎症が喉の痛みや咳となっている可能性があり、上半身が温まれば、鼻水が止まり咳も治るかもしれないので。
     なので援護のための養生に、入浴をして内臓を温め、食事の量を控えるよう伝えた。
     喉の痛みが無ければ『小青龍湯』、発熱の予兆が無ければ『駆風解毒湯』が候補になったところ。

     

  • 熱が下がれば、もう風邪薬の出番は終わり

     やや高齢のお客様が『ソフトサンティア』を求めて来店したが、白内障の目薬の代わりにしているというお話。
     病院自体は、もう2年くらい行っていないそうで、「緑内障じゃないから」とおっしゃっていた。
     確かに白内障は治る病気ではないが、かといって他の症状を併発することもあるので、年に一度でも病状の確認をするよう勧めたうえで『ソフトサンティア』をお買い上げいただいた。
     なにせ、ただの塩水なんで。(涙に近い成分)

     鼻炎薬を求めて来店したお客様に、『ルキノン鼻炎カプセル』と『パブロン鼻炎カプセルSα』を案内したうえで、症状が軽ければ『葛根湯』をと提案したところ、飲んだけど効かなかったという。
     鼻水は透明だというから内臓の冷えが原因と考えられるが、『葛根湯』くらいでは温める力が弱かったか。
     そこで、より体を温める『小青竜湯』を紹介しお買い上げいただいた。

     風邪薬を求めて来店したお客様に症状を尋ねると、主訴は咳と鼻水で、熱は下がっていないものの熱っぽいという。
     鼻水は透明だそうなので、風邪としては峠を越え、内臓が冷えている一方、体内が乾燥していると考えられることを説明した。
     すると、鼻水はそれほどでもないというので、痰がひっかかるというお話から『麦門冬湯』と『ブロン錠エース』を紹介し、後者をお買い上げいただいた。
     鼻水の方は、お風呂に入り温かい物を飲んで、下半身に厚着をすることで対処するよう伝えた。

     

  • レジで待って売るだけの楽な商売

     お客様から、高校生の息子さんの背中の痛みについて相談を受けた。
     背中の下の方で、急性かつスポーツによるものというお話だったため、フェルビナク製剤とジクロフェナクナトリウム製剤を案内し、フェルビナク製剤の『フェイタス5.0』をお買い上げいただいた。
     ただ、これは余談ではあるが、背中の痛みが他の病気ということもあるため、元気な人ほど気を付けるよう伝えてくださいとお話しした。
     例えば、背中の下の方の痛みということだと胃を悪くしている可能性もあるし、背中から肩にかけての痛みならば肺炎の前兆ということも考えられる。
     内臓には痛みを感じる神経が無いため、周囲の神経が内臓の不具合を代わりに伝えているということがあるのだ。
     時間的なこともあって家族が薬を代わりに買いに来るのは仕方がないとして、自分で買ったり相談する習慣が無いと見逃しがちだから、気をつけてもらいたいんである。

     『葛根湯加川きゅう辛夷』『荊芥連翹湯』を見比べていたお客様がいらしたので声を掛けてみたが、案内は断られた。
     しかし、『葛根湯加川きゅう辛夷』をレジに持ってきたさいに改めて症状を訊いてみると、主訴は鼻づまりで、鼻汁が喉に落ちてきて、お風呂に入っても楽にならないというお話だったので、上半身を温める『葛根湯加川きゅう辛夷』が適用しない可能性を説明し、『チクナイン』(辛夷清肺湯)を勧めた。
     鼻汁が喉に落ちてくるのは、胃が弱っている可能性があるとお話すると思い当たるらしく、胃薬の成分も入っている『チクナイン』をお買い上げいただいた。

     

  • 症状に適応しても環境に合わせて薬を変えることも

     お客様が『ルルアタックNX』をレジに持ってきたけど、症状を尋ねると鼻水の他に症状は無く鼻水も透明だそうなので、内臓が冷えてるかアレルギーの可能性をお話して鼻炎薬を提案した。
     その前には、『ストナジェルサイズS』を使っていたそうだ。
     咳が無くても咳止めの入っている薬を選ぶというのは、起きてない症状の効能もあったほうが、お得だと思うのかしらん。
     お得感というよりも、安心感か。
     『パブロン鼻炎カプセルSα』と『小青竜湯』を案内し、前者をお買い上げいただいた。
     ただ、念のため花粉症から風邪に移行することもあるので、その時こそ『ルルアタックNX』への乗り換えを検討するよう伝えた。

     お客様から、下痢と吐き気の相談を受け詳しく訊いてみると、仕事中に『ワカ末止瀉薬』を服用したものの吐き気が治らないとのこと。
     下痢はひとまず軽くなったようだから『半夏瀉心湯』を考えたが、実際に吐くまでにはなっておらず、こみ上げてくる感じでもないというお話から『柴胡桂枝湯』を勧めてお買い上げいただいた。
     閉店間際にまた訪れて、「治りました」と教えてもらった。
     もっとも本当に『柴胡桂枝湯』が効いたのか、自然治癒したのかは分からないのだけれどσ(^◇^;)。

     やや高齢のお客様が『銀翹散』をレジに持ってきた際に症状を尋ねると、喉の痛みだけとのこと。
     まぁ、鼻水は無いということだから使ってもらって良いかなとも思ったが、職場がエアコンで冷えるというお話だった。
     だとすると、やはり上半身を冷やす『銀翹散』はあまり好ましくないだろう。
     そこで『駆風解毒湯』を案内して使っていただくことになった。
     また、エアコンで冷える時の対応策として、上半身を温める『葛根湯』と喉を冷やす『桔梗湯』を併用する方法も紹介した。

     

  • 販売した後で考えることも

     子供を連れて『ムヒのこども鼻炎シロップ』を購入されるお客様に症状を確認すると、子供の鼻水が黄色いというので風邪の進行に気をつけるように伝えた。
     補足として、透明な鼻水は内臓の冷えやアレルギーなどによるもので風邪ではないことを付け加えた。
     ただ、連れていた子供はスカートだったので、 下半身を温めて内臓を保温するよう勧めた。

     お客様から、初期は鼻水で『葛根湯』を服用していたところ、透明な鼻水は止まったものの今度は喉が痛くなったと相談を受けた。
     透明な鼻水に体を温めたのは良い判断と伝えた上で、上半身を温める『葛根湯』は喉の痛みには向かず、さりとて体を冷やす『桔梗湯』『銀翹散』といったものも勧められないことを説明し、冷やしながらも熱を発散する『駆風解毒湯』を案内した。
     すると咳も気になっているらしく、『カンポアズマ』に興味を持たれた。
     しかし『カンポアズマ』は冷たい空気を吸ったりして出る咳に対応するもので、今回の咳は葛根湯による体内の乾燥と考えられるため『麦門冬湯』の方が適用するだろうとお話しした。
     ただ併用するかは迷うところで、お客様には苦しい症状から先に対応するよう勧め『駆風解毒湯』をお買い上げいただいた。
     一番苦しい症状が軽減すれば、付随する症状も一緒に解消するのは良くある。
     でも、お客様が帰ってからよくよく考えてみると、『カンポアズマ』は神経症による咳にも適応し、お客様にはやや神経質な面も見られたので、もしかすると使えたのではないかとも思った。
     薬という物は、なかなかビシッバシッと合う物を見つけるのは難しいのだ。

     

  • ウソの中にもホントが混じりホントの中にもウソが潜む

     お客様からテーピングの質問を受け、基本的には包帯のようにグルグル巻きにするのではなく、患部を固定して動かないようにすることが目的であることをお話しした。
     中学生の子供が部活で膝裏を痛めて、指導者にはテーピングを一回されたというので同じような物をお買い上げいただき、念のためテーピングの仕方の書いてあるパンフレットを渡し、ネットでも動画で紹介しているページがあることを伝えた。
     そして食養生として、キュウリやトマトといった夏野菜を避けて、根菜を中心の食事をするよう勧めた。
     あまり知られてないけど、ナス科の野菜には毒性のあるアルカロイドが少量ながら含まれていて、怪我の治りを遅くしてしまうのだ。
     ただなぁ、この話がマクロビを信奉する人のサイトにも載ってるんだよなぁ。
     マクロビオティックは「食文化研究家」を自称する人が提唱した思想でしかなく、科学的にはデタラメだから下手にネットで検索してハマる人がいると困る(;´Д`)

     やや高齢の客様から「塗る風邪薬を」と注文されたが『ヴイックスヴェポラッブ』が適応するのは鼻づまり咳なことを説明すると、患者は授乳婦で、主訴は悪寒と頭痛というお話だったので『葛根湯』を提案した。
     それと、確かに『ヴイックスヴェポラッブ』は授乳婦でも使えるとして、しかし塗り薬ならば安心という考え方は危ないことを伝えた。
     もっとも、『葛根湯』も授乳婦に使えるとはいえ、服用直後に授乳すると赤ん坊が興奮して寝付かなくなる可能性も考えられるので、出来れば授乳した後に服用するようにとお話した。
     すると、栄養剤に『リポビタンファイン』を一緒に購入されようとしたため、カフェイン入りは同様に赤ん坊を興奮させてしまうため好ましくないことを伝え、『新ヒストミンゴールド液』を紹介したうえで、体力の維持まで考えるのであればと『柴胡桂枝湯』を案内すると、『葛根湯』をやめて『柴胡桂枝湯』に変更された。
     そして、食欲があってもすでに内臓が弱っている可能性があり、風邪を治すエネルギーが消化の方に使われてしまうので、 食事は消化の良いものにして量を控えるように勧めた。

     お客様から、青汁100%の物とデキストリン入の物との違いを質問され、デキストリンはデンプン食物繊維であり消化がしにくいことで糖の吸収を抑える物であることを説明した。
     いわば、食べ初めの血糖値の上昇を抑えることで脂肪の分解を抑制してしまうインシュリンの分泌量を減らし、ダイエットしやすくする。
     ただし、血糖値が上がりにくいということは、消化がゆっくりになるため、その分だけ胃腸は長く働くことになり、それはそれで負担となるため良いことばかりではない。
     今回のお客様は、味を気にされて青汁100%の物に決めた模様。

     

  • お客様が選んだ物をそのまま売るか変更を提案するか

     お客様から最初、トローチを希望されたので消毒系の『コルゲンコーワトローチ』と抗炎症系の『パブロントローチAZ』があることを案内した。
     しかし、主訴は喉の痛みと悪寒だそうで風邪の兆候があるらしいことから、『葛根湯』を提案した。
     すると迷われたようなので、喉の痛み方を確認すると唾を飲むのも痛いというため『ペラックT』も紹介した後に改めて『パブロントローチAZ』を案内すると、お買い上げいただいた。
     風邪を治すのに風邪薬を使わないというのは良い選択ではあるが、『葛根湯』のような物で体を温めないとなると他の方法で温めなければならないので、お風呂に入ることと飲み物を温かいものにして、部屋の中でも厚着(特にお腹周り)をするように勧めた。

     『葛根湯』を購入されるお客様に、喉の痛みや咳、すでに発熱している場合には使えないことを伝えると、主訴は鼻水で鼻水に色は無いとのことだった。
     上半身を温める力の強い『小青龍湯』の方がより適用しそうではあるが、お客様が選んだ物を否定するのも好ましくないため、内臓の冷えが原因と考えられることを説明し、『葛根湯』を服用するだけでなく入浴などで積極的に体を温めるようお話しした。
     この、適応の条件と、お客様が選ばれた物とのバランスが難しいんだよねぇ。

     

  • 薬が適応するかは使ってみないと分らない

     喉の塗り薬を求めて来店されたお客様に、『大正ルゴールピゴン』を案内したが長い綿棒は置いていない事と、慣なれない人がやっても患部を傷めてしまうため好ましくない事をお話しした。
     塗り薬を希望されてるのはご主人で、主訴はもちろん喉の痛みであるが疲れがあるみたいとのこと。
     そして、肝心の喉の痛み方については不明なため、お客様がご主人に連絡を試みてみたが繋がらなかった。
     炎症を抑えるには消毒よりも抗炎症系のアズレン製剤をお勧めして『アズリートのどスプレー』をお買い上げいただくことになった。
     確定はできないが、喉の痛みは胃炎の可能性もあるので食事は消化の良い物にして量を控えるよう伝えた。

     お客様が『ジキニン』を求めて来店したが、うちの店には置いていないため処方の近い『パブロンSゴールドW』を案内した。
     主訴は鼻水と微熱だそうで、他店で勧められた『小青竜湯』が入った物(『ストナデイタイム』か?)が効かなかったというお話があり、鼻水の色を訊くと黄色かったそうなので、適応しなかったのかもしれない。
     そこで『葛根湯』を使う手もあることを伝えると、今は鼻水は気にならず体がだるいというため、すでに風邪としては後期になっていると考えられることを説明して『柴胡桂枝湯』を案内した。
     名前が効能で、肝臓と胃を助けることを伝えると、寝つきが悪いそうなので、効能には書いてないけれど効果が期待できることを付け加えて、お買い上げいただいた。
     あと、栄養ドリンクの併用についてを尋ねられ、カフェインの入っている物は現代薬の場合、重複する可能性があるのと、体がビックリするのを治ったと勘違いするだけなため、よほど偏食していなければ不要ですとお話したうえで、 ノンカフェインの『新ヒストミンゴールド液』を紹介した。
     でもまぁ、『柴胡桂枝湯』が栄養剤も兼ねるから、やっぱり不要と思われます。
     お客様からは、「初めからこっちに来れば良かった」と言っていただけたけど、薬が適応するかは最終的には当たるも八卦当たらぬも八卦なので自信無し(;´∀`)

     お客様が夜中に咳き込むというので『五虎湯』を候補に考えたが、詳しく訊くと昼間も話をしようとすると咳が出て、咳自体は激しくないそうなので、体内が乾燥している可能性を考え『麦門冬湯』を使っていただくことにした。

     

  • 見立て違いもありまして

     やや高齢のお客様が『ホッカイロ』を求めて来店され、足の甲の痛みということだったので『桂枝加苓朮附湯』も案内しようかなと思ったら、以前に『疎経活血湯』を紹介したお客様だった。
     『疎経活血湯』は病院で処方してもらったそうなのだが、合わなかったのか効果が出ず、現在は代わりに処方された『芍薬甘草湯』を頓服的に用いて少し効いているとのことだった。
     ありゃん、見立て違いだったかしらん(^_^;)
     季節的にカイロが売っているか心配されていたけれど、通年で置いておきますと伝えた。
     私が初めてこの店に来た頃には、本部の指示で全部返品していたのだが、翌年に上司の目を盗んで保管しておき、その翌年は売り場を確保して置いておいたら、通年で定期的に売れるようになった。
     そりゃそうだよね、梅雨寒の頃や夏場でも冷房が効き過ぎてる施設で過ごした時なんかには必要になるもの。

     お客様が『ベンザブロックS』をレジに持ってきたさいに症状を確認すると、11歳の子供が頭痛を訴えていて、いつも鼻から風邪になるため選んだというのだが、今は頭痛だけというお話から『バファリンルナJ』を提案した。
     すると、成分を『バファリンA』と同じだと思われているようだったため、病院で子供用の解熱鎮痛剤として処方される『カロナール』と同じことを説明すると、自分が処方された分が家にあるとのことだった。
     自分に処方された薬を、家族とは言え他の人に使うのはもちろん好ましくない。
     なので、『葛根湯』を提案し、改善しなければ『カロナール』の使用を検討するということをお話しして、『葛根湯』をお買い上げいただいた。
     あと、食欲があっても食事の量は控えるように伝えたところ、すでに食べた後だった。
     消化にもエネルギーを使うから、風邪を治すエネルギーが消化に取られちゃうのが困るんだけど、まぁ仕方がない。
     この後は、安静にさせてくださいな。

     お客様から『ナイトミン』(酸棗仁湯)の効果を効かれ、不眠の状況を確認したところ、寝つきが悪いというよりウツラウツラと眠りが浅く疲労感があるというお話だった。
     眠りが浅いのは胃か心臓が弱っていると考えられるので、疲労感を伴う不眠に『酸棗仁湯』は適用するだろうと考えられる。
     ただ念のため、比較としてイライラして眠れない場合は肝臓を助ける『柴胡加竜骨牡蛎湯』と、些細なことが気になって眠れないような胃を悪くしている場合には『桂枝加竜骨牡蛎湯』をと紹介したうえで『ナイトミン』をお買い上げいただいた。

     

  • 勝率3割は高いか低いか

     やや高齢のお客様から、水虫の薬をとの注文を受け『ダマリンL』を案内したうえで菌の有無を確認したところ、水虫になったのは10年以上前のことで今は痒くもないとのこと。
     それならどうして薬をと思ったら、予防薬が欲しいというお話。
     予防薬は無いことと、予防法としては殺菌消毒の薬用石鹸を使うよう伝えたところ、公衆浴場の足拭きマットなどが気になっているようだった。
     そういうことだと、やはり家に帰ってから足だけを洗うくらいしか対策は無いかも(^_^;)
     ただ、洗いすぎて体を守る常在菌がいなくなってしまうのも好ましくないことを説明した。

    created by Rinker
    久光製薬
    ¥605 (2024/04/30 10:42:14時点 Amazon調べ-詳細)

     夫婦の客様から、湿布剤の種類と効果を尋ねられたので、鎮痛剤の強弱と浸透力の違いを説明した。
     いわゆる『トクホン』や『サロンパス』はサリチル酸製剤で、鎮痛効果は一番弱いものの、肩こりなどで常用するのであれば、弱い物から段階を踏んだほうが良い。
     鎮痛効果の強い物に慣れてしまうと、その先が無いので。
     そして、市販薬で鎮痛効果が真ん中ほどである一方、浸透力があるのがフェルビナク製剤。
     もっと鎮痛効果があって有名なインドメタシン製剤との治験データによると、効き始めの早さと継続時間の長さからすると、インドメタシンよりも有用なケースが多いそう。
     ただし、浸透力があるということは血液中に薬剤が混入する割合が高いとも考えられ、安全上過度な心配は無いものの、妊娠中や授乳中の女性は避けたほうが良いという見解もある。
     その点からすると、浸透力で劣るインドメタシンは、そういうケースでこそ有用ということになる。
     そして鎮痛効果が強く浸透力も高いのがジクロフェナクナトリウムで、打撲やギックリ腰といった急性症状には短期決戦で臨むのが良い。
     冷感や温感は、現在では初期症状にはあまり関係無く、薬剤の種類のほうが大事。
     ただ、お風呂に入ったりすると症状が軽減するのであれば、温感を選ぶ意味がある。
     あと、「肌が弱いから」という理由で、鎮痛効果の弱い物を選ぼうとするお客様は多いが、実のところ肌の敏感さと薬剤の強さは必ずしも関係しない。
     アレルギーがそうであるように、相性のほうが重要なため、主成分ではなく添加物に反応している事もあるので、成分表示は残しておいてもらいたいところ。
     また、現在のところ湿布を貼ることによる皮膚炎は、成分によるアレルギー性皮膚炎よりも、「貼る前に皮膚についていた物質」を「湿布剤で患部に封入」したことによって起こる刺激性接触皮膚炎の方が多いとされている。
     要するに、一度湿布を貼った後に入浴などをして貼り替えるのは多くの人がやるとしても、最初に貼るときに先に患部を洗うのを怠ると、かぶれやすいということ。
     今回の患者は奥さんで変形性関節炎と診断され、以前に病院で『モーラステープ』を処方されたそうだが、効いた感じがせず、その後は病院に行っていないという。
     ううん、『モーラステープ』はケトプロフェン製剤で、ロキソプロフェン製剤の『ロキソニン』と同じくらい強いから、それが効かなかったとなると、先に挙げた製剤ではどれも効き目が弱いかも……。
     ただ、これまた薬が効くかどうかは相性なので、実は鎮痛効果の強さと浸透力だけでは確定できないのだ。
     今までの話は、なんだったのかと自分を小一時間問い詰めたいσ(^◇^;)。
     ご本人が、これまで使ってきた中では『トクホン』の方が効く気がすると選ばれて購入を決めた。
     でも、処方された薬が効かなかった場合には、担当医に伝えるのも大事なことをお話しした。
     病気を治すには医師とのコミュニケーションは大事だし、同じ病院で使用した薬の効果を伝えれば、それは記録に残る。
     記録というのは積み重ねていかないと意味が無いので、報告はしたほうが自分のためにもなるのだ。
     一発でバシッと治してもらいたいという気持ちは分かるけれど、実のところ薬が効く確率は30~60%とされている。
     つまり最低値では3人に1人にしか効かないし、最高値でも3人に2人が効けば良い方。
     ということは、薬を使うというのある意味、博打のようなもの。
     じゃあ、初めから薬なんか使わないという選択もある訳だけれど、例えば薬の場合の副作用が起きる確率は、添付文書に「まれに」と書いてあれば0.1%以下、「ときに」と書いてあれば……0.1~5%未満だから1,000人に1人以下で、そこからすれば勝率が30%に賭けるのは悪くない選択のはずである。
     そして、成分を確かめて乗り換えるのは、その勝率を上げることであり、記録を取っておけばさらに勝率は上がる。
     もし担当医の態度や性格的な相性に不満があるのであれば、医師なんて腐るほどいるんである。(大失言)
     1回で諦めずに、他の病院を頼ってみて勝率を上げてもらいたいと思う。

     お客様から、『パブロンSゴールドW』と『パブロンSα』の違いを尋ねられたので、前者は痰の絡む咳に向いていて、後者はコンコンと繰り返す咳に適応することを説明した。
     すると、主訴は鼻水と喉の痛みということで、『パブロン』シリーズよりも『ルルアタックNX』を紹介したが、家族で同じ薬を使いたいらしく『パブロンSゴールドW』を購入された。
     う~ん、お客様本人は自分の選択だからそれで良いとしても、家族には各自で薬を選んでもらいたいところ(^_^;)
     家の薬を、家族の誰かに任せっきりにしている人は多そうだ……。

     お客様が『葛根湯』を購入されるさいに、喉の痛む風邪や咳、発熱をしてしまってからでは適応しないことを伝えると、喉の痛みにいつも使っているというので『桔梗湯』を紹介した。
     まぁ、『葛根湯』も熱を散じるので喉の痛みに効かなくはないけど、先の話で言えば、上半身を温める『葛根湯』よりも、『桔梗湯』で冷やした方がバシッと決まる確率が上がる。
     あと、喉の痛みは花粉症や胃炎などでも起きることを伝えると興味を示されたので、『葛根湯』は風邪の予感がする時に早め早めに服用して予防的に仕えることを説明すると、『葛根湯』『桔梗湯』をお買い上げいただけた。
     なお、喉の痛む風邪の初期には『銀翹散』が適応するけど、鼻水が出ているような体が冷えている時には使えないから、体を温めつつ喉を冷やしたい場合には、『葛根湯』『桔梗湯』の併用がお勧め(*´∀`*)