• タグ別アーカイブ: 猪苓湯
  • 閲覧者の中に漢方薬に詳しい動物のお医者さんはいませんか?

     以前に飼猫の尿漏れに『猪苓湯』を案内したお客様から、今度は軟便の相談を受けた。
     犬猫は、人間が大丈夫な食べ物でも駄目だったりするから、漢方薬が安全とは言い切れないんですが。
     一応、生薬ごとに調べてはみるけど、ネットでは情報不足。
     どこかに、漢方薬に詳しい獣医さんはいないかしらん。
     とりあえず、自分が猫を飼っていた時に使った事のある漢方薬から『桂枝加芍薬湯』を候補として考えたけど、どうも体力も落ちているらしいため『柴胡桂枝湯』の方を試して頂くことになった。

     『ハリックス55EX温感』を購入されるお客様に、温めて楽になるようであれば『葛根湯』が効くかもしれませんと伝えてみたところ、主訴は腰痛だというので『当帰四逆加呉茱萸生姜湯』を紹介した。
     手足の冷えもあるというから適応しそうだし、比較として『桂枝加苓朮附湯』も案内した。
     漢方薬は飲んでから効くまで時間が掛るのではと質問されたので、「風邪には葛根湯」を例に急性症状にも使える事と、私なんかはスキーに行く時に『当帰四逆加呉茱萸生姜湯』を防寒対策の一つとして使っている事をお話した。
     試してみたいと、『当帰四逆加呉茱萸生姜湯』を一緒にお買い上げ頂くことになり、もし効くようなら保険の適用薬でもあるため、その場合は医師に相談してみるよう伝えた。

     『命の母A』を購入されるお客様に、使用経験を尋ねてみると初めてということだったため、症状について少しヒアリングした。
     主訴は疲労感で、精神不安は無いというから適応を外している可能性が頭をよぎったけど、イライラ感はあるそうだから、そのままお買い上げ頂くことになった。
     ただ、『命の母A』が漢方薬なのかを質問されたので、現代薬とのハイブリットであることを説明した。
     本当は、そういうお話も含めて購入を決められる前に尋ねてもらえると、もう少し踏み込んだヒアリングもできるんだけどな(´・ω・`)
     『命の母A』は、更年期障害への効能を謳って「気」「血」「水」を調整する内容になってるけど、その中でも突出しているのが、芍薬・桂皮・香附子・吉草根・半夏と、鎮静作用に関わる生薬が多いから、精神不安やイライラ感が選択の指標になるので。

     

  • ネットでは見たい情報しか目に入らない?

     やや高齢のお客様が来店し、『ラシックス』を求められた。
     『ラシックス』なんて、店頭じゃ売ってないですよぉ。
     病院に行ったが処方してもらえなかったというので用途を尋ねたら、浮腫み取りだった。
     それは、処方してもらえないでしょうねぇ(^_^;)
     後で調べて驚いたけど、浮腫み取りに『ラシックス』を使ってる人が結構いるようで。
     しかも、店頭じゃ売っていないから個人輸入の通販で入手しているらしい。
     個人輸入の医薬品には、ニセ薬も混じってるというのに大丈夫なんかいな。
     それに、『ラシックス』を単に利尿剤と思ってるみたいな書き込みを見かけたけど違うぞ。
     いや、利尿剤には違いないんだけど、真水を排泄する訳じゃなくて尿を排泄する訳で、それはつまり尿にはナトリウムやカリウムが含まれる。
     そもそも作用機序は、腎臓の尿細管でのナトリウムと水分の再吸収を抑えて尿の量を増やすことにより、「体内の血液量が減る」というもの。
     その作用により、結果として血圧を下げるのを目的に使ったりする。
     つまり、高血圧症と診断されてもいないのに使ったら、変に血圧が下がって貧血を起こす可能性がある。
     そのうえ、ナトリウムと拮抗するカリウムすら排泄してしまうから、低カリウム血症になる危険性がある。
     低カリウム血症は、疲労倦怠感を伴うため貧血とのダブルパンチで、下手すると自力で起き上がれなくことも想定される。
     それを、医師の観察下ではなく独自で使おうなんて、死にたいんですかと。
     そこまでは言わなかったけど、浮腫み取りに安易に使えるような薬ではありませんと説明して、丁重にお引き取り願った。
     お客様は、「ネット通販してるから、お店で買えるんだと思った」と諦め切れない様子だったが。
     ネットで見つけたなら、同じネットで危険性も調べられると思うんだけど、調べようと思わないのかしらん(;´д`)=3
     ところが……、どうも私が休憩に入って同僚と交代した時に、娘さんらしい人を使って『猪苓湯』を買っていったらしい。
     同僚から訊いた風貌が、さっきのお客様に似ていて、本人はレジに近寄らず成人の女性に『猪苓湯』を持たせて、ササッとお会計していったという。
     ええと、『猪苓湯』にも利尿作用があるけど、浮腫み取りには向かないんじゃないかなぁ。
     なにしろ、患部の炎症を抑えるために、冷やす作用のある阿膠(アキョウ)と、冷やす作用のある滑石(カッセキ)と、冷やす作用のある沢瀉(タクシャ)が揃い踏み。
     冷えは、浮腫みの大敵ですよ?
     お客様の体格からしたら、『防已黄耆湯』の方が適応すると思うんだけど。
     さっきは、『ラシックス』が欲しい以外に聞く耳を持ってもらえなかったから案内すらできませんでしたが。
     まぁ、『猪苓湯』は副作用が少なくて、冷やす作用が強いわりに全身ではなく限定的(そのため体力や体格に関わらず使える)。
     だから、浮腫みに「効かない」以外に害は無いと思いますが┐(´д`)┌

     お客様から、紫外線による目の痒みということで相談を受けたけど、実際にそうなのかは不明。
     とりあえず目薬の棚を案内し、価格と効き目には関係が無いことをお話しつつ疲れ目の『スマイル40EX』と、角膜の修復を補助する『養潤水』を案内すると、前者を購入となった。
     そして、目に限った話じゃないけど、修復する材料は血で運ばれるので、入浴して血行を良くするよう勧めた。

     

  • 強盗犯が万引き犯とともに不幸になりますように

     女性のお客様が、肩こりの相談で来店。
     デスクワークで、今までなったことは無いそうなので初期というところか。
     外用鎮痛剤として弱い方から、サリチル酸メチル、フェルビナク、インドメタシンを案内した。
     フェルビナクは皮膚から血中に入っていく能力が優れているため、他に痛み止めを使用していたり妊娠中などには避けるように付け加えた。
     彼氏と思われる男性と同伴だったので。
     まぁ、彼氏とも限らないけど。
     女友達に付き添って、下着や生理用品を買いに行ったりしたことあるし。
     あくまで友達で、彼氏にはなれないのでした(ノД`)
     ……話が逸れちゃった。
     内服薬に『独活葛根湯』を紹介してみたけど、そちらは興味を示されなかったので、念の為に『サロンパス』を勧めてお買い上げ頂いた。

     お客様から日焼けの相談をされ、「えっ、もう?」と思ったら、日光アレルギーらしかった。
     主な患部は手や腕とのことで、『ロコイダンクリーム』と『エンクロンEXクリーム』を「軽度な場合に」と案内し、痒みが強い時には『ベトネベート』や『フルコートf』といったステロイド剤を使うよう勧めた。
     ステロイド剤を避けて痒みを我慢してしまうと、かえって神経が敏感になって、より弱い刺激で痒みを感じるようになってしまうため、ステロイド剤を使うのを躊躇うのは得策ではないので。
     今回は痒みが強うそうなので、まずはステロイド剤を使った頂くことになったものの、強さでは『フルコートf』の方が上であり、強い物は今後に取っておくのが良かろうと、『ベトネベート』を勧めておいた。
     そして内服薬にアレルギー向けの『十味敗毒湯』と、日焼け後の痒みに使う『黄連解毒湯』を案内しようとしたところで、包丁を希望するお客様が、何故か医薬品レジに並んでしまい案内できなかった……。
     これというのも数日前に、スーパーの店頭で売っていた包丁を凶器に店員を襲った強盗事件があったから。
     さっそく対応として、包丁は鍵の掛かる棚に展示することになり、購入を希望するお客様が医薬品レジにも訪ねてくるようになってましまった。
     迷惑な強盗めヽ(`Д´#)ノ!!

     お客様がレジに『猪苓湯』『竜胆瀉肝湯』と『五淋散』を持ってきて、それぞれの違いについて質問された。
     排尿痛があるそうで、いつもは病院から現代薬を処方してもらっていて、漢方薬を使ったことは無いそう。
     ファーストチョイスとして『猪苓湯』を勧めたうえで、体力が充実していて排尿時に痛みの他に熱感がある場合は『竜胆瀉肝湯』を、体力が低下したり加齢が関係しそうな場合は『五淋散』をと説明した。
     花粉症の薬も処方されているという話があり内容は不明であったけれど、『猪苓湯』との影響は考えにくいので、そのままお買い上げ頂いた。
     むしろ、花粉症の薬が抗コリン作用のある物だとしたら、それが排尿痛の原因かもしれない。
     お客様に、今回のように使用している薬が分からないと困るため、お薬手帳は家に置いておかずに持ち歩く事と、反対に市販薬を使った時にもお薬手帳に成分表記の部分を貼り付けて、担当医に知らせるようにお話した。

     

  • べ、べつにアンタのためにメモを残したんじゃないんだからね!!

     私と同年齢くらいのお客様から、頻尿の相談を受けた。
     いつもの事ではなく、今日突然なったとのこと。
     年齢的にはまだ若い(?)ので『猪苓湯』かなと思ったけど、職場が冷えるというお話から、『ハルンケア』(八味地黄丸)を勧めて、お買い上げ頂いた。
     あと、カイロがあれば右脇腹に入れて温めるよう勧めた。
     実のところ、私は若い頃にこそ頻尿だったんだけどね。
     デートに行くと、一時間ごとにトイレに行くんで彼女に呆れられた(-_-;)
     当時に、『八味地黄丸』の存在を知っていればなぁ……。
     よくよく考えると、若い頃は悪夢にうなされることが多かったから、やっぱり腎臓周りが弱かったんだろうねぇ。
     腎臓は夢見と関係するそうで、それこそ子供の頃は寝ること自体が怖かった。
     もっと早くに、漢方薬と出逢いたかったよ。

     高齢のお客様が家族に付き添われて来店し、『新ルルAゴールド』と『新ルルAゴールドDX』の違いを尋ねられた。
     前者には細菌の細胞壁を溶かして壊すリゾチームと咳止めのノスカピンが入っていて、後者はそれらとは別に喉の痛み止めのトラネキサム酸が入っていることを説明した。
     そして詳しく症状を尋ねると、微熱と少し悪寒があるものの、他に強く出ている症状は無いようだった。
     悪化を防ぐために『柴胡桂枝湯』を提案すると、『葛根湯』が不味かったというお話だったため、味は生薬で決まり、『柴胡桂枝湯』では不快な味はしないと思われますと伝えた。
     念のため、漢方薬用の服薬ゼリーを勧めると、昔ながらのオブラートと一緒に購入された。

     やや高齢のお客様から、以前に買った頻尿の薬を買いたいと求められた。
     やはり、気温や天候に左右されるものなのね。
     一人の患者さんが来ると、続いたりする。
     ただ、このお客様には以前に、夜中ではなく朝から昼間にかけてトイレが近いということで冷えは関係無いからと『八味地黄丸』以外の物を、私は勧めたらしい。
     できれば、お客様自身で覚えておいて欲しいなぁ(;´∀`)
     ドラッグストアーじゃ、薬歴簿なんて付けないから覚えてないですよ。
     という訳にもいかないので、ここ一年ほど相談を受けた時には、可能な限りお話の内容と、お買い上げ頂いた薬の名前はメモするようにしている。
     この日記も、そのメモを頼りに書いている訳で。
     個人情報の管理の関係で名前は記録していないけど、見た目の年齢と症状でメモしたノートを見返してみると、どうやら『牛車腎気丸』を使ってもらったようだ。
     比較として、『知柏地黄丸』も案内してあったことが書き残してある。
     やったね( ゚ω^ )b
     その時に紹介した病院にも行ったそうで、医師から「最近、同じドラッグストアーから紹介されたっていう患者さんが増えた」と言われたそうな。
     一度くらい挨拶に行った方が良いのかな……。
    「押し付けてゴメンナサイ」って。
     根が引き篭もり体質だから、そういうのは苦手なんだけどσ(^◇^;)。

     

  • 頼まれる方の苦労も考えてやって下さいな

     お客様から『葛根湯』を風邪の症状が出る前に飲んで良いかと尋ねられたので、早め早めに服用してこそ『葛根湯』の真価が発揮されますと答えておいた
     ただ、気管支炎になりやすいというお話もあったため、風邪の兆候として頭重感や悪寒などが無いような時には、気管支を潤す『麦門冬湯』や気管支を冷やす『五虎湯』の方が向いている可能性も、お話した。
     本日のところは、『葛根湯』をお買い上げ。

     知人から「膀胱炎の薬を頼まれた」というお客様が来店した。
     なのに、希望している薬の名前も、具体的な症状も不明。
     そもそも、膀胱炎というのが本人が思っているだけなのか、医師から診断されたのかも分からない。
     ありえるパターンとしては、以前に医師から膀胱炎と診断され、それは改善して、今回同じような症状を感じているとかかね。
     だとしたら、その時に使った薬の内容くらいは知りたいところなんですが。
     なんにしても、酒のツマミを買ってきてくらいの感覚でお遣いを頼まれる人が災難である。
     どういう知人関係かは知らないけれど、その患者さんは、他人の苦労を想像できない人なんじゃあるまいか。
     ひとまず、『猪苓湯』をファーストチョイスにして、排尿時に熱感があれば『竜胆瀉肝湯』に、疲労があったり体質虚弱な場合には『五淋散』に乗り換えを検討するよう説明した。
     今回は、『猪苓湯』をお買い上げ。
     あと、炎症を起こしている原因菌を倒す免疫力を高めるには、風邪と同様に体温が高いほうが良いので、本人には体を冷やさず積極的に温めるよう伝えて下さいと、お話した。
     特に下半身を温めるのが、重要です。

     やや高齢のお客様が、鼻水とクシャミの相談で来店。
     症状は三日ほど前からで、花粉症はあるものの、家族が風邪をひいているため、自身も風邪だと思うとのこと。
     そして、家にあった『葛根湯』を飲んだという。
     現代薬の風邪薬は眠くなりやすく、鼻炎の段階で総合の風邪薬を服用すると疲れやすいと考えて、避けたそうな。
     これは、私の考え方に近い。
     そういうことでしたら、と『小青龍湯』も紹介してみたけど、クシャミはそれほど強く出ていない様子だったため、『葛根湯』を継続してみるというお話になり、『葛根湯』を購入された。

     

  • 勧めた人の顔を潰さないようにするのに悩む

     喉が痛むとのことで、お客様から相談を受けた。
     3日ほど前からで、喉の奥のほうが痛むという話から胃の不具合も考えたけれど、本人は発熱しそうと感じている模様。
     そこで、鼻水が無いか確認して『銀翹散』を案内した。
     そのうえで、喉の痛みだけで風邪に進まないケースがあることを説明して、その場合は喉の痛みに特化した『ペラックT』や『駆風解毒湯』をと勧めた。
     すると、汎用性のある薬は無いかと質問されたので、総合感冒薬を提示しつつ、効果範囲が広くなる一方で、効き目が浅くなる傾向がありますと伝えると、今回は『ペラックT』を購入された。
     あれ(・_・;)?
     発熱の予兆の話は、どうなったのか……。
     ううん、説明の仕方を失敗したかな。
     それとも、そこまでは発熱の兆候を感じている訳ではなかったのか。
     この辺りは、本人だけが感じる事だから分らない。
     ともかく喉の痛みは、気道の炎症なのか食道の炎症なのかの判断の区別というのは、医師に診察してもらわないことには分からないため、どちらにしても喉が痛む時には、食事を消化の良い物にするようお話した。

     やや高齢のお客様が、頻尿に『猪苓湯』を服用したものの効果を感じなかったとのことで、『八味地黄丸』はどうかと相談にみえた。
     『猪苓湯』は、友人に勧められたらしい。
     友人や知人に勧められた物が合わなかった場合に、他の物を案内するのは説明の仕方に悩むことがある。
     言い方を間違えると、その勧めた人を非難しているように捉えられたり、そちらの人間関係に支障をきたしてしまう場合があるから。
     なので、少し遠回りだけど基本的な説明から入ることもしばしば。
     今回の場合は、『八味地黄丸』については後に置いて、『猪苓湯』が頻尿のさいのファーストチョイスとしては一般的ですと説明。
     ひとまずこれで、勧めた人の顔を潰さない。
     そして、疲労感がある場合には『五淋散』を、体力があり排尿時に灼熱感がある場合には『竜胆瀉肝湯』が候補になることを説明したうえで、『八味地黄丸』は体内を温める力が強く、寒い日に頻尿になるような時に適応することを伝えた。
     すると、症状には冷えは関係しないらしく、夜よりも昼間のほうが回数が多くなると分かった。
     それならば『八味地黄丸』よりも、加齢による機能低下が考えられるため『牛車腎気丸』を勧めた。
     お客様自身も加齢によるものとは考えているようで、かすみ目もあるというお話から『牛車腎気丸』が適応しそうではあるものの、排尿時の灼熱感も思い当たるということで、『竜胆瀉肝湯』を購入された。

     

  • 目的がハッキリしていると助かります

     中学生の息子さんの便秘の相談で、お客様が来店。
     ん?
     デジャブ?
     と思って日記を読み返したら、確かに昨日も別なお客様で同じ相談を受けていた。
     冷え込みが厳しくなってきたことと、何か関係があるのかしらん。
     ひとまず『小建中湯』『桂枝加芍薬湯』を紹介してみたら、お客様自身は漢方薬で治療しているらしいのだけれど、息子さんは漢方薬の味のイメージを嫌がるそうなので、『ザ・ガード』の方を勧めて、お買い上げ頂くことになった。
     一応、漢方薬の味というのは生薬の種類で変わり、特に『小建中湯』は甘い方であることは説明したものの、どうも以前に親類からマムシを煎じた物を貰って飲ませた影響らしい。
     そりゃあ、嫌いになるわな(^_^;)
     一方、お客様自身の治療については、疲労と精神不安だそうで、『加味帰脾湯』を処方されているという。
     痩せ型で声に張りが無いから、順当な漢方薬だと思う。
     ただ、こちらに引っ越してきたばかりで、漢方薬を処方してもらえる病院を探しているようだった。
     そこで、漢方薬に詳しい医院を2軒ほど紹介した。
     この2軒、院長先生の個性がだいぶ違い、片方は頑固一徹のような人で個性が強く処方される漢方薬は理論体系を知らないと「なんでその組み合わせ?」という事があったりするのに対して、もう一方の先生は超がつく好々爺といった感じで基本的な処方を組み立てるタイプ。
     今回のお客様は、今服用している物を変えるのは不安な様子だから、やっぱり後者の先生の方が良いかなと思い、最初に訪ねてみるよう勧めた。
     でも、効果が上がって体質が変われば合わなくなってくる事があるし、加齢によって処方を変えた方が良くなるかもしれないので、症状の変化などを感じたら、そのつど医師に相談してみるようにと付け加えた。

     喉が痛くて鼻がつまるというお客様がいらして、熱は計っていないものの発熱しそうだと感じているという。
     家では『新コンタックかぜ総合』を服用していたらしいんだけど、内容的には喉の面倒をあまり見てくれる処方ではないため、『ルルアタックEX』か『パブロンエースAX』に乗り換えるよう提案し、後者をお買い上げ頂いた。
     あと、食欲はあるという話だったから、食事は消化の良い物にして量を控えるように伝えた。

     『麻黄湯』を購入されたお客様に詳しく症状を尋ねると、悪寒がするというから一見すると適応しそうに思えたのだけれど、すでに一週間ほど微熱が続いていると分かった。
     むぅ……、となると『柴胡桂枝湯』の方が適応するか?
     しかし、昼間は普通に動けるそうで、寝起きに体が寒く感じるというお話から、今回は『麻黄湯』をそのまま使ってもらうことにした。
     でも、そう決めた後で気になる話が出た。
     天井裏にネズミが巣食っていて、さらに天井の板にカビがあるというのだ。
     いやぁ、これは今回の症状は、風邪ではなくてカビの影響があるんじゃないかなぁという気がしてきたぞ。
     特に肩が痛むととも言っていたから、肺炎の兆候という可能性だって考えられる。
     症状の変化に注意して、病院を受診することも選択肢に入れて下さいと注意を促した。
     他に、飼い猫の血尿の話が出て、そちらは動物病院から薬が出ているらしいのだけれど、、一例として『猪苓湯』が適応するかもとお話した。

     やや高齢のお客様から、「咳に良く効くのを」と注文された。
     この「良く効く」というのは難しく、咳に良く効かせるとすれば神経を抑えるのが簡単だから、いっそ心臓を止めてしまえば……というのはブラックジョークとして、中枢に効く『アネトン』を案内してみたところ、目的はコンサートの鑑賞中の咳を止めたいとのことだった。
     そういう、目的がハッキリしているのは助かります(゚д゚)(。_。)(゚д゚)(。_。)
     そして、コンサートの鑑賞となると、眠くなっては困りますよね。
     そこで、会場内が暑い場合の『五虎湯』と、乾燥している場合の『麦門冬湯』を紹介した。
     通常は、『麦門冬湯』だけでも充分だと思うけど、お客様は歳のわりには体格がガッシリしているので、両方の併用を提案してみたら、本当に両方をお買い上げ頂いた。
     コンサートを楽しめると、良いですね(・∀・)

     

  • 竜胆瀉肝湯(りゅうたんしゃかんとう)
    排尿痛、残尿感、尿の濁り、こしけ、膣炎

    竜胆瀉肝湯
    適応症状 

     比較的体力があり、下腹部筋肉が緊張する傾向があるものの次の症状:
     排尿痛、残尿感、尿の濁り、こしけ、膣炎

    用方・容量(顆粒製品の場合) 

     1日3回、成人1回1包(2.5g)を食前にお湯または水で服用してください。
     ただし、15歳未満7歳以上は2/3包、7歳未満4歳以上は1/2包、4歳未満2歳以上は1/3包。

    組成(顆粒製品の場合) 

     3包(7.5g)中、次の成分を含みます。
       ジオウ(地黄)5.0g       
       トウキ(当帰)5.0g
        モクツウ(木通)5.0g
          オウゴン(黄ごん)3.0g
        シャゼンシ(車前子)3.0g
        タクシャ(沢瀉)3.0g
        カンゾウ(甘草)1.0g
        サンシシ(山梔子)1.0g
        リュウタン(竜胆)1.0g
     以上の割合に混合した生薬より得たエキス5.5g含有します。

    類似処方鑑別 

    猪苓湯
     泌尿器症状は本方によく似ているが、生殖器症状を伴うことがなく、体力中等度の人の場合に用いる。

    八味地黄丸
     
    口渇、軽度の排尿痛のほか、全身倦怠感、足腰の冷えや痛みを訴え、下腹部が上腹部に比して緊張が弱い場合に用いる。

    牛車腎気丸
     尿量減少、浮腫が一層顕著で全身倦怠感、腰部の冷えや痛みもやや強く訴える場合に用いる。

    使用上の注意 

    1.次の場合には医師または薬剤師に相談してください
     (1)本剤を服用後、症状の改善が認められない場合は、他の漢方薬を考慮する事。
     (2)甘草を含有する漢方薬を長期服用する場合は、血清カリウム値や血圧の測定などを充分に行い、異常が認められた場合は、服用を中止する事。
     (3)複数の漢方薬を併用する場合は、含有生薬の重複に注意する事。(特に甘草を含有する漢方薬の併用には、より注意を必要とする。)
     (4)体力の衰えている患者。
     (5)著しく胃腸虚弱な患者。(軟便、下痢、腹痛、胃部不快感、食欲不振等の胃腸障害を起こす事がある。)


    2.服用に際して、次のことに注意してください
     (1)定められた用法、用量を厳守してください。
     (2)小児に服用させる場合には、保護者の指導監督のもとに服用させてください。
     (3)本剤は、2歳未満の乳幼児に服用させないでください。


    3.服用中または服用後は、次のことに注意してください
     (1)本剤の服用により、発疹・発赤、かゆみ、悪心、食欲不振、胃部不快感等の症状があらわれた場合には、服用を中止し、医師または薬剤師に相談してください。 
     (2)本剤を服用することにより、尿量が減少する、顔や手足がむくむ、まぶたが重くなる、手がこわばる、血圧が高くなる、頭痛等の症状があらわれた場合には、服用を中止し、医師または薬剤師に相談してください。
     (3)1ヵ月位(感冒、鼻かぜ、頭痛に服用する場合には、数回)服用しても症状の改善がみられない場合には、服用を中止し、医師または薬剤師に相談してください。
     (4)長期連用する場合には、医師または薬剤師に相談してください。


    4.保管及び取扱い上の注意
     (1)小児の手のとどかない所に保管してください。
     (2)直射日光をさけ、なるべく湿気の少ない涼しい所に保管してください。
     (3)1包を分割した残りを使用する場合には、袋の口を折り返して保管し、2日以内に使用してください。


    5.その他
     本剤は生薬(薬用の草根木皮等)を用いた製品ですので、製品により多少色調等が異なることがありますが効能・効果には変わりありません。

    竜胆瀉肝湯
     

  • 五苓散(ごれいさん)
    浮腫、ネフローゼ、二日酔い、急性胃腸カタル、下痢、悪心、嘔吐、めまい、胃内停水、頭痛、尿毒症、暑気あたり、糖尿病

    適応症状 

     口渇、尿量減少するものの次の症状:
     浮腫、ネフローゼ、二日酔い、急性胃腸カタル、下痢、悪心、嘔吐、めまい、胃内停水、頭痛、尿毒症、暑気あたり、糖尿病

    用方・容量(顆粒製品の場合) 

     1日3回、成人1回1包(2.5g)を食前にお湯または水で服用してください。
     ただし、15歳未満7歳以上は2/3包、7歳未満4歳以上は1/2包、4歳未満2歳以上は1/3包。

    組成(顆粒製品の場合) 

     3包(7.5g)中、次の成分を含みます。
      タクシャ(沢瀉)4.0g   
      ソウジュツ(蒼朮)3.0g
      チョレイ(猪苓)3.0g
       ブクリョウ(茯苓)3.0g
      ケイヒ(桂皮)1.5g
     以上の割合に混合した生薬より得たエキス2.0g含有します。

    類似処方鑑別 

    猪苓湯
     尿量減少、口渇という症状は同じだが、さらに排尿痛、尿の淋癧、排尿後不快感などのある場合に用いる。

    八味地黄丸
     
    中年以降老齢者に用いることが多く、口渇ならびに頻尿、多尿、乏尿、排尿痛、夜間尿などの排尿異常を訴え、その他倦怠感、腰部の冷え・痛みの症状のある場合に用いる。なお、腹診上、下腹部の軟弱無力が認められる。

    呉茱萸湯
     冷え性の人で発作性に強い頭痛が起こり、それに伴って嘔吐がある場合に用いる。

    苓桂朮甘湯
     のぼせ、めまい、身体動揺感などの症状があって、尿量減少、口渇、嘔吐の症状が顕著でない場合に用いる。

    使用上の注意 

    1.次の場合には医師または薬剤師に相談してください
     (1)本剤を服用後、症状の改善が認められない場合は、他の漢方薬を考慮する事。
     (2)発疹、痒み等の過敏症状があらわれる事がある。
     (3)複数の漢方薬を併用する場合は、含有生薬の重複に注意する事。(特に甘草を含有する漢方薬の併用には、より注意を必要とする。)


    2.服用に際して、次のことに注意してください
     (1)定められた用法、用量を厳守してください。
     (2)小児に服用させる場合には、保護者の指導監督のもとに服用させてください。
     (3)本剤は、2歳未満の乳幼児に服用させないでください。


    3.服用中または服用後は、次のことに注意してください
     (1)本剤の服用により、発疹・発赤、かゆみ、悪心、食欲不振、胃部不快感等の症状があらわれた場合には、服用を中止し、医師または薬剤師に相談してください。 
     (2)本剤を服用することにより、尿量が減少する、顔や手足がむくむ、まぶたが重くなる、手がこわばる、血圧が高くなる、頭痛等の症状があらわれた場合には、服用を中止し、医師または薬剤師に相談してください。
     (3)1ヵ月位(感冒、鼻かぜ、頭痛に服用する場合には、数回)服用しても症状の改善がみられない場合には、服用を中止し、医師または薬剤師に相談してください。
     (4)長期連用する場合には、医師または薬剤師に相談してください。


    4.保管及び取扱い上の注意
     (1)小児の手のとどかない所に保管してください。
     (2)直射日光をさけ、なるべく湿気の少ない涼しい所に保管してください。
     (3)1包を分割した残りを使用する場合には、袋の口を折り返して保管し、2日以内に使用してください。


    5.その他
     本剤は生薬(薬用の草根木皮等)を用いた製品ですので、製品により多少色調等が異なることがありますが効能・効果には変わりありません。


     

  • 獣医さんは漢方薬は使うのかな?

     ドッグフードを購入されたお客様が、犬が尿道結石になり、動物病院で出された薬を餌に混ぜても食べないという話をされた。
    「錠剤なら食べさせられるのに」というお話だったので、『猪苓湯』の錠剤を紹介した。
     犬は雑食性だけど、玉葱やチョコレートなどのように案外と食べさせてはいけない物が少なくないから、薬についても注意が必要なんですけどね。
     だから今回も、一応は獣医に相談してみるようお話はしてみたけど。
     ただ、獣医さんで漢方薬に詳しい人が、どれだけいるかは不明(;´∀`)

     『イブ』を求めて来店した、やや高齢のお客様。
     アメリカに住んでいる家族から頼まれた物だそうな。
     でも、『イブ』というだけで、どの種類かは分からないという。
     主訴は頭痛で、『イブ』を指定してきたのは、その家族が知人から勧められたかららしい。
     イブプロフェンであれば、アメリカのドラッグストアでも入手できると思うんだけど、どうして頼んできたのかも不明。
     とりあえず、分かりやすく大きな文字で「頭痛薬」と書いてあり、『イブ』シリーズの中で新しい『イブクイック』を案内して、お買い上げ頂いた。

     以前に、頻尿の相談で来店し『猪苓湯』を試して頂いたお客様が再訪。
     『猪苓湯』では、あまり効果を感じられなかったそうで、その時に次の候補として挙げた『八味地黄丸』を購入された。
     お話からは、冷えはそれほど強くなさそうだったから『八味地黄丸』を次点としたんだけど、見立てが甘かったか。
     ただ、目のかすみについては聞いていたから、腎が弱っているとは考えられた訳で、『八味地黄丸』を先に試してもらえば良かったかも。
     もし『八味地黄丸』でも効果が無かったら、次は『牛車腎気丸』かなぁ。
     あんまり外し過ぎると、次は来てもらえないだろうけど(;´・ω・)