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  • 頭痛にも種類があり原因と対処法が変わる

     お客様が『ロキソニン』を求めて来店したけれど、特別な理由は無いそうなのでイブプロフェン製剤が親戚関係であることを説明し『バファリンプレミアム』を試していただくことになった。
     また、主訴は頭痛というため、頭痛にも種類があり原因と対処法が変わることを伝えた。
     一番分かりやすいのはズキズキしたり目の奥が重くなる頭痛で、これは胃を悪くすると発症することが多く、消化の良い食事をして体を休めるのが対策の一つとなり、漢方薬では『呉茱萸湯』『五苓散』が候補である。
     そして頭が締め付けられる頭痛は緊張性頭痛と呼ばれ肩こりに連動することが多く、運動したり『葛根湯』を服用して血流を良くすることで軽減できる。
     あと、朝方に頭が重くなるような頭痛は血圧と関係している可能性が高く、数値的に高血圧でなくても1日の中での血圧の高低に影響され、やはり軽い運動をするか『釣藤散』『七物降下湯』などにより改善が期待できる。

     夫婦のお客様が来店し、『柴胡桂枝湯』をレジに持ってきて軟便に適応するか尋ねられ、胃腸炎が思い当たれば使えることを説明して、お買い上げいただいた。
     患者はご主人で、焼酎を好まれるというため蒸留酒は腸への刺激が強く、また善玉菌をいわば殺菌してしまうことになり、それが軟便や下痢の原因となってしまうことを伝えた。

     高齢のお客様が来店し、家族の蕁麻疹に眠くなりにくい飲み薬をとのことだったので『十味敗毒湯』と、『十味敗毒湯』に現代薬を合わせた『タウロミン』を案内した。
     また、ご自身の更年期障害についても相談され、汗を多くかくとのことで『桂枝茯苓丸』を考えたが、動かなくても出るというお話と筋肉が柔らかそうな感じだったため『防已黄耆湯』を案内してみた。
     『十味敗毒湯』『防已黄耆湯』も保険の適用薬であることを伝えると、ご主人は何か病院で薬が処方されているようなので『防已黄耆湯』のみを勧めて購入していただいた。
     そしてお客様には、市販薬を買うさいにも、お薬手帳を持参した方が良いことを伝えた。

     

  • デキる男は専門家に質問して上手く使いこなす

     『タナベ胃腸薬ウルソ』を購入するお客様に使用経験を尋ねてみると初めてとのことだったのでヒアリングしたところ、主訴は胃もたれだという。
     胃もたれには大きく分けて三つあり、たまたま胃の機能を超えて飲食してしまった場合と、胃の機能が低下している場合、そして脂質や肉類が腸で消化しきれない場合 だ。
     胃の機能を超えてしまった場合は消化剤が有効であり、機能が低下してるなら健胃剤が必要となって、腸での消化が滞ってる場合にウルソの出番となる。
     特に腸の消化が滞っている場合は、胃から食べ物が来るのを腸が制限してるからなので、消化剤や健胃剤は有効な手立てとならないため注意が必要だ。
     お客様は胆石での通院歴あるとのことで、ウルソの名前に聞き覚えがあったとのこと。

     夫婦のお客様が来店し、鎮痛剤の成分標準を見較べていたようなので、案内を申し出たが断られた。
     しかしその後も長考されている様子だったため主訴を尋ねると、奥さんの生理痛にというお話から、専用薬として『エルペインコーワ』を紹介した。
     どの辺が生理痛の専用薬なのかというと、乱暴な言い方をすれば鎮痛剤に内臓の機能を低下させる成分が加えられている。
     生理痛の原因の一つは、子宮が活発に働くからなので機能が低下すれば楽になるという次第。
     もちろん生理痛の原因は他にもあるので、必ず生理痛になるという場合には痛み方や酷くなるタイミングなども調べて、適応する薬を検討する必要はある。
     お客様は、今までは薬を使わずに我慢してきて、産後に仕事に復帰するにあたって用意しておこうと思ったとのこと。
     そこで、体力が充実している人向けの『桂枝茯苓丸』や、貧血を起こしやすく疲労体質の場合の『当帰芍薬散』を、生理の予定の一週間ほど前から服用しておいて生理痛を軽減し、やり過ごす方法を案内した。
     また、普段は鎮痛剤を使っていないとのことから、睡眠の質を落とさないためにカフェインの入っていない『グレランビット』を紹介したところ、お買い上げいただくことになった。
     実のところ、長考してる間ご主人が色々と検討していた様子だったけれど、薬に詳しいわけではなく、良く分からないようだったから心配だったのだ。
     男のメンツとか奥さんにイイトコロを見せたいという心理が働くのかもしれないけれど、専門家に質問して上手く使いこなすのもカッコイイと思いますよ(゚∀゚)

     

  • 薬を買うお客様の気持ちになるのは難しい

     お客様が『ラムールQ』をレジに持ってきたさいに使用経験を尋ねたところ初めてなうえ、自覚症状は何も無いとのこと。
     知人が急に汗をかくようになり、お客様はそれを更年期障害だと思って「ああはなりたくない」から『ラムールQ』を使ってみようと考えた模様。
     てっきりその人に勧められたのかと思ったがそうではなく、その人も病院には行っていないと言うから更年期障害なのかも不明だし、使う動機がよく理解できない(?_?)
     とりあえず、同様の症状には『桂枝茯苓丸』と、不安感が強ければ『命の母A』も候補になることをお話した。
     イライラ感が強い場合には『加味逍遥散』が考えられるものの、それも無いとのこと。
    「聞いて良かったわ」とお礼を言われ何も買わずに帰られたけれど、私も知っている漢方の専門医院に通っていたことがあるというので、まずはそこで相談してみてはどうかと伝えた。

     お客様が指先を虫に刺されたとのことで、痒みが強いようなためステロイド剤の入った『ムヒアルファS2』と『ムヒアルファEX』を案内し、後者をお買い上げいただいた。
     虫除けスプレーは、つい薬剤を吸わないようにと体から離して吹きかけかけがちだが、それだと効果が期待できないので、掌に出して体に塗るよう勧めた。

     成人の娘さんの便秘にと『コーラック2』を購入されるお客様から、「お腹が痛い時に使えば良いか」と質問されたので、お腹が痛むようならむしろ使わないようにとお話した。
     今はお腹が張ったり痛くなることもないと言うので、週に3回はお通じがあれば便秘と考えなくても良いことをお話したうえで、服用してお腹が痛む場合には中止するか服用量を減らして下さいと説明した。
     また排便時には、膝が胸につくくらい体を前傾にすると出しやすいことを伝えた。
     いわば、和式便器でする姿勢を洋式便器でやるんである。
     前かがみになるのがつらければ、足の方を台に乗せる方法もある。

     

  • これだけある! 膀胱炎の市販薬

     お客様が成人の娘さんから『ペアアクネクリーム』を頼まれたとのことで、ニキビの状態を尋ねたところ両頬に白ニキビがあるようだった。
     炎症のある赤ニキビとの違い、白ニキビは血行不良なども関係することをを説明したうえで表皮のターンオーバーは約1ヶ月周期であるため、塗り薬も長いスパンでの使用が想定されることを伝えた。
     また、併用すると効果的な内服薬として赤ニキビに適応する『清上防風湯』と、血流が関係する『桂枝茯苓丸加よく苡仁』を紹介したところ、生理と連動して増減するようだというお話があった。
     生理と連動してるようであれば、『桂枝茯苓丸加よく苡仁』が適応するはずである。
     ニキビができたキッカケは化粧品を変えたことだったらしく、病院で塗り薬を処方されたようなのだが内容は不明で、改善しなかったため市販薬を使おうと思った模様。
     人間の体は機械ではないから一つの薬でバシッと治るということは無いし、治療の選択も一つではないので、病院で処方された薬が効かないようであれば、もう一度行って担当医に相談してみた方が良いのだけれど。
     もしくは一軒で諦めず、病院を変えてみるよう勧めた。
     また、洗顔料を泡にして肌に乗せたら、こすらずにそのまま洗い流すよう伝えた。
     皮膚には体を守る菌や皮脂もあるので、それらまで洗い流してしまうと無防備になり、それもまたニキビの原因となる。

     お客様から膀胱炎の相談を受け、ファーストチョイスに処方構成が単純で鋭く効く『猪苓湯』と、広範囲な作用が期待できる『腎仙散』を案内した。
     そのうえで、排尿時に灼熱感がある場合の『竜胆瀉肝湯』と、疲労を伴う場合の『五淋散』も紹介してみたのだけれど、お客様の反応が鈍かったことから『猪苓湯』を試していただくことにした。
     今回は、お客様があまり話を聞いていただける感じではなかったため案内しなかったが、疲れやすく手足が冷える場合には『ジェントスルー』(八味地黄丸加五味子麦門冬)や、胃腸が弱く疲労倦怠感がある場合の『清心蓮子飲』も候補になる。

     

  • ニキビの治療は焦らずに

     常連の夫婦のお客様が来店し、ご主人が歯槽膿漏の検査を受けたところ唇の内側が腫れて痛み、『生葉』の歯磨き粉を購入されるというので、より消炎効果のある『サトウ口内炎軟膏』と『デントヘルスR』を案内して後者をお買い上げいただいた。

     お客様から、病院で処方された抗生剤の塗り薬に似た物をと求められ、成分を比較したうえで『テラ・コートリル軟膏』を案内すると購入された。
     ところが用途はニキビで、病院に行っていたのは1年以上前とのことだったため『テラ・コートリル軟膏』は菌を倒すだけなことを説明して『ペアアクネクリームW』を紹介すると、以前に使っていて効かなかったという。
     3ヶ月以上のスパンでの治療が必要なことを説明すると、他の店では半年くらいと言われたそうで長期的になることは理解されているようだった。
     抗生剤は短期決戦が目的で、連用すると肌を守る常在菌をも倒してしまうことを説明して、内服薬として熱感のあるニキビに用いる『清上防風湯』と、皮膚の新陳代謝を補助する『桂枝茯苓丸加よく苡仁』を紹介し、どちらも保険の適応薬であるため病院で処方してもらえないか医師に相談してみるよう勧めた。
     洗いすぎがニキビに良くないことは知ってるようだったが、石鹸や洗顔フォームの泡を肌に乗せて、こすらずにそのまま洗い流してしまって良いことを教えると驚かれた。
     あと、ニキビを悪化させないためには患部を手で触れないよう、手が肩から上に上がったら意識的に下ろすようにと伝えた。

     常連のお客様が来店し、ガン終末期だった奥様が亡くなられたと知らされた。
     お悔やみ申し上げます。
     こうしてご家族が亡くなられたことを、お客様が報告に見えたり挨拶にいらしたりしたのは何回目だろうか。

     やや高齢のお客様が、首の後ろのかぶれに『フルコートf』を使い、少し良くなったとのことで追加を買いにいらした。
     しかし痒みが強く、つい掻いてしまうというので局所麻酔のリドカインの入った『コートfATクリーム』と、痒み止めの入ったステロイド剤の『ムヒアルファEX』を案内し、前者をお買い上げいただいた。
     よく勘違いされるが、ステロイド剤の効能はあくまで抗炎症作用で、痒みを抑えるのはまた別なのである。
     お客様からは「治す薬を」と言われたけれど、皮膚が自分で再生するのを待つしかないことを説明し、それを邪魔しないためには患部を触らないのが大事ですと伝えた。
     ニキビの対処と同じように、手を肩より上にあげそうになったら手を下すよう意識して下さいとお話した。

     

  • 「どの風邪薬が一番良く効くか」という質問は店員への無茶振り

     やや高齢のお客様から痛み止めを求められて鎮痛剤の棚を案内したところ、お客様自身が『イブA』を選ばれ、お会計のさいにカラ咳を何度もしていたため尋ねたところ、ついさっき飲んだお茶で咽(むせ)たとのことだった。
     何か売りつけられると思ったのかもしれないけれど、咳の音からして胃を悪くしている可能性をお話し、イブプロフェン製剤は胃の保護機能を低下させるので服用時には消化の良い食事をするよう伝えると、胃に優しい鎮痛剤を相談された。
     アセトアミノフェン製剤なら胃への負担は比較的少ないものの、痛みを伝達する生理活性物質のプロスタグランジンが胃の保護を命じるのも兼ねているため、痛みを止めること自体が胃に影響することを説明した。
     お客様の主訴は頭痛でズキズキして吐き気を伴うというため、そういうタイプの頭痛も胃と関係することをお話して、『呉茱萸湯』を紹介した。
     旅行先でなるそうだから、移動や環境が変わることのストレスが影響するのだろう。
     あるいは、愉しいとか歓びという興奮もまた、身体にはストレスとなる。
     旅先では美味しい物を多く食べたくなるかもしれないけれど、その中で胃に優しい物を選ぶようお話した。
     ……難しいわな(^_^;)

     お客様から『ペア漢方エキス錠』(桂枝茯苓丸)について、生理中に飲めば良いのか尋ねられたので、可能であれば生理の予定日の一週間くらい前から服用するのが効果的ですと説明した。
     他に、風邪に『パブロンL』と『エスタックイブファインEX』のどちらが効くか訊かれ、後者の方が解熱と咳止めに効果的と考えられるものの、薬の効果は成分との相性も関係し、安全性で言えば前者の方が良いという見方もできることをお話しした。
     今回は『ペア漢方エキス錠』のみを、お買い上げいただいた。
     店頭で風邪薬の相談は多いのだけれど、ものすごく単純化して考えた場合には、症状を感じなくしてリスクを取るか、風邪は自然に治るものと考え症状を抑え込むよりリスクの少ない薬を選ぶかとなるのだけれど、そのリスクは体質や環境でも変動する。
     そのうえ、一口に風邪と言っても咳・喉の痛み・鼻炎・発熱・関節痛など症状は様々で、買い置きしておいたところで適応する風邪をひくとは限らない。
     ちなみに、今の順番で発熱を後ろに置いたのは、風邪で発熱することは案外と少ないからである。
     そもそも医学上の風邪の定義は「上気道の炎症」で、上気道とは鼻から鼻腔を通った喉頭、つまり喉までのこと。
     喉から肺までは下気道と呼び、いわゆる肺炎は風邪の上位互換では無い。
     だから、市販の風邪薬は総合でも症状別でも、必ずと云って良いほど咳止めが入っている。
     つまり、体内の炎症の一形態として発熱をすることはあるけれど、風邪が発熱に至るのは少なく、発熱向けを謳っている風邪薬の販売実績も製薬メーカーの泣きどころとなっているそうだ。
     それから、私たちはもちろん患者さん本人でも判断が難しいのは、風邪の原因の多くはウイルス性であるのだけれど、病院の科目に「耳鼻咽喉科」とあるように上気道はつながっているうえ、そのまま胃まで続いているため胃炎や逆流性食道炎の炎症を喉の痛みと感じたり、近くの神経が反応したりして咳となるし、炎症によって体内が乾燥することでも咳となる。
     さらに、胃が冷えて機能が低下すると鼻水の原因ともなる。
     だから、先に挙げた症状のうち「咳・喉の痛み・鼻炎」の段階では、必ずしも風邪とは限らないのだ。
     そのため私としては、咳止め薬、喉の痛みの薬、鼻炎薬、解熱鎮痛剤をバラバラに常備して、起きている症状で組み合わせるのを勧めたいところ。
     なにしろ、総合風邪薬はそれらの組み合わせなので。
     総合風邪薬は便利ではあるけれど、起きていない症状の成分が体に入れば体の方は不要でも処理しなければならないし、その処理が体に余計な負担をかけて体力を消耗させ、風邪を本格的に進行させてしまうケースも考えられる。
     また、総合風邪薬でも鼻水を抑える成分が多い物、喉の炎症を抑える成分を加えてある物、咳止めのための成分が胃の機能を低下させる物、というように実は傾向の違いがあるため、自分自身で治療方針を決めておかないと選ぶのは難しい。
     ましてや、患者の代理で風邪薬を買う場合は、患者の治療方針と代理で買う人の治療方針のどちらを優先するのか、患者と代理人の間であらかじめ決めておいてもらわないと、こちらから提案しても最終判断はできない。
     そのうえで、症状もヒアリングしておいてもらわないと、提案する薬を選ぶ手がかりが無いので困ってしまう。
    「どの風邪薬が一番良く効くか」と質問されることが多いのだけれど、レストランで初対面の店員に「どの料理が一番美味しいか」と訊くぐらい無茶な質問だと理解してもらいたい。
     どんな食材が好きで、何が苦手なのか、味付けの好みは、調理法の指定はあるのか、それらが分からなければ、店員は自分の好みの一品を推すしかできないだろう。
     患者の治療方針も症状も分からないのであれば、私が推す風邪薬は無いので、「薬を飲まずに、食事は消化に良いものにして、内蔵も含めゆっくり休んで下さい」ということになる。
     ちなみに、私自身が風邪をひいたら症状別の薬を使い、食事を控えて、下支えに『地竜』(ミミズ)をバンバン飲みます。
     えっ?
     勧めてる内容と違うって?
     知らない人から「どの料理が一番美味しいか」と問われて最も基本的な食材の一つである「水」と答えても、自分が食べるのは好きな物に決まってるじゃないですかヽ(´ー`)ノ

     

  • 初めから病名を決めて薬を買ってはいけません

     夫婦のお客様からニキビの薬を注文されたのだけれど、患者は中学生の子供で一緒に来ているというので本人を呼んでもらったところ、ニキビではなく面疔のように思われた。
     ニキビと面疔は見た目は似ているが、原因となる菌も違えば発症のプロセスも異なるため、おのずと適応する薬も変わる。
     ニキビを起こす代表的な菌はアクネ菌であり、これは体表部に常在し食中毒を防いでいたりするため、あまり殺菌作用の強い薬を使うのは好ましくなく、皮膚の再生を促すことの方が重要。
     一方、面疔の原因は黄色ブドウ球菌で、いわゆる化膿を引き起こし対応を誤ると皮膚の深部にまで影響を及ぼして他の病気へと発展してしまう可能性があるのだ。
     医師でなければ病気の診断をすることはできないものの、だからこそ患者さんや家族も初めから病名を決めて薬を買うようなことは避けてもらいたい。
     もちろん私たちも診断はできないが、起きている症状への対処法を検討したうえで薬を選択するから、いくらかは症状を緩和する可能性を高めることができる。
     ……まぁ、大きく外すこともあるんですが(^_^;)
     今回の患者さん自身は、すでに痛みは無く治りかけの模様。
     しかも、面疔に適応する『クロマイP軟膏』とニキビに使う『クレアラシル』を提示したところ、そもそも後者は家にある気がするというので前者の購入を決められた。
     やっぱり、子供の薬を本人抜きで選んじゃ駄目なんである。
     また皮膚薬は症状によって塗り替えていくことをお話すると、痕を消したいというので『アットノンクリーム』も紹介し、一緒にお買い上げ頂いた。
     そしてクリーム剤は患部に回すように塗るのではなく、皮膚の流れに沿うように塗り込むと浸透しやすいことを伝えた。
     それから、どうやら面疔はよく起きるようなので内服薬として『排膿散及湯』を紹介し、入浴時間を長くしたり積極的に温かい物を飲んだり、下半身を厚着するなどして体温を上げる工夫をするように勧めた。
     内服薬でニキビに使うとすれば、赤ら顔なら『黄連解毒湯』を、患部だけが赤いのであれば『清上防風湯』、そして血行不良で手足が冷えるのにのぼせ感があるようなら男女を問わず『桂枝茯苓丸』『桂枝茯苓丸加よく苡仁』が候補になる。
     あと、鼻づまりのある人のニキビでは『荊芥連翹湯』が両方の面倒を見てくれる。

     いつも「先生、先生」と呼びかけてくる常連のお客様から、以前に使っていた薬が終売になってしまうようだというお話があった。
     成分表示を取っておいてもらえば、同じ処方内容の薬がないかを調べてみますと伝えた。
     よく薬を銘柄指定で買いに来る人がいるけど、それだと終売になった時に困るし、出先で探すのも難しいから、成分表示を取っておくのは大事である。

     

  • 薬は前に効いたから今回も同じ物をとは限らない

     お客様から『腎仙散』と『ボーコレン』(五淋散)『竜胆瀉肝湯』の違いを質問された。
     主訴は排尿痛とのことで、『腎仙散』は効用範囲が広く体力などにも関係なく使える一方、利き目は比較的穏やかなこと、『ボーコレン』の基本処方は『当帰芍薬散』でもあるため疲労を伴い血行不良の場合に有効で、『竜胆瀉肝湯』は排尿痛に灼熱感がある場合に適用することを説明した。
     お客様からは「訊いて良かった」と言っていただけて、今回は『腎仙散』を購入された。
     季節などによっても症状は異なるため、前に効いたから今回も同じ物をとは限らないことを伝えた。

     お客様から『チョコラ BB プラス』と『チョコラ BB ピュア』と『ペアA錠』の違いを質問され、前者の二つは基本的に同じでピュアには美白効果が期待されるビタミン Cが、プラスには薬の吸収効率を上げるパントテン酸カルシウムが加えられていることと、『ペアA錠』は処方の系統が違い生薬のヨクイニンが入ってることを説明した。
     主訴は顔の下の肌荒れとニキビで、肌荒れには内服薬と塗り薬を同時に使うほうが効果的なことをお話しして、『イハダプリスクリード』を案内したところ、病院で処方された薬を塗っているとのことだったが足の化膿に出されたもので『~マイシン』という名前だったようなため抗生物質と考えられ、皮膚を守る菌を殺してしまう可能性を説明し、塗り広げるのではなくニキビにピンポイントで使うよう勧めた。
     『桂枝茯苓丸加よく苡仁』『排膿散及湯』を紹介すると、足の化膿でかかった病院では顔の件は相談していないというので、改めて受診してみるよう勧めたうえで、 漢方薬に詳しい近所の病院を案内してみた。

     

  • 市販薬には似た名前でも全くの別物ということがあります

     夫婦のお客様が来店し、『ルビーナめぐり』(当帰芍薬散加人参)を『ルビーナ』(連珠飲)の代わりに使えるか質問され、全くの別物であることを説明した。
     これだけ内容の違う物を、同じブランド名で出している製薬メーカーもどうかと思う(-_-;)
     主訴は目眩(めまい)と動悸で、病院からは鉄不足と診断されて自己判断で『ルビーナ』を使ってみたところ、効いた気がするから追加を買おうと思ったとのことだった。
     目眩について詳しくヒアリングしてみると回転性のようだったので、水分代謝が悪くなっていると考えられ、『四物湯』と『苓桂朮甘湯』を合わせた『連珠飲』が適応するのは確かだろうと思われる。
     あいにくとうちのお店には『ルビーナ』の方は置いていないため、『苓桂朮甘湯』を案内したうえで動悸の方に焦点を向け『桂枝茯苓丸』『当帰芍薬散』を合わせた『婦人華』を紹介してみた。
     とはいえ、『婦人華』にしても取り扱ってはいないのでネットでの購入を勧めたため、本日はお買い上げは無し。

     子供連れのお客様が『キッズバファリンかぜシロップ』を購入されるさいに症状を確認したところ、主訴は鼻水と咳で鼻水には色がついていたり透明だったりしたとのこと。
     そのままお買い上げいただいたが、透明な鼻水が出る時というのは内臓が冷えたり弱っていると考えられるため体の中から温めるよう勧めた。
     また、元気そうでも油断せずに消化の良い食事をさせるように勧めた。
     鼻と喉と胃はつながっているから、鼻の具合が悪くなる時は胃もまた具合が悪くなっていると考えられるので。

     

  • 肝斑雀卵斑って読めますか? 私は読めませんでした(汗)

     お客様が『ハイチオールC』を求めて来店したが、顔の肝斑雀卵斑(かんぱんじゃくはらん)に使うようなので、『ハイチオールBクリア』の方が適応しそうなことを説明して案内した。
     肝斑雀卵斑というのは要するに、シミ(肝斑)とソバカス(雀卵斑)のことなんですけどね。
     どちらも色素沈着というのは同じなんだけど、シミは加齢やホルモンバランスの崩れによるもので、ソバカスは成長期に皮膚の成長の歪みが原因と考えられ、一般的には紫外線の影響で悪化するとされる。
     お客様には、皮膚の材料の補給とそれを運ぶ血流が大事ですとお話しして、豚汁などの根菜を用いた温かい食事の工夫と入浴が必要なことを伝えたうえで『桂枝茯苓丸加よく苡仁』を紹介した。
     ただ、長いスパンでの治療が必要であるため専門医の受診勧奨をしたしたうえで、本日は『ハイチオールBクリア』をお買い上げいただいた。
     体のケアを日常生活で行なうのは難しいから薬を使うというのは一つの手であるが、自分に何が努力できて何を薬に任せるのかの選択も必要なことを伝えた。
     正直、肝斑雀卵斑の治療を薬だけというのも、難しいんである。

     『ベンザブロックS』をレジに持って来たお客様に症状を尋ねると、透明な鼻水で他に症状は無いということから鼻炎薬を提案したところ、『パブロン鼻炎カプセルSα』に変更となった。
     透明な鼻水は内臓の冷えと考えられ、上半身を厚着するのではなく、長めに入浴したり温かい飲み物を積極的に飲んで、下半身は厚着するよう勧めた。