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  • ユンケルがアンプルだったことにビックリ

     やや高齢のお客様から、「風邪薬と一緒に飲めるアンプルちょうだい」と言われて戸惑う。
     頭に浮かんだのが、注射剤につかうガラス製の密封容器だから。
     後で調べたら、『ユンケル』が発売当時はアンプルだったんですね。
     

    Screenshot of xn--rckufqa4a.jp

     うっかりポカン(゚o゚)としてしまって、しきりにアンプルと繰り返されながら、栄養ドリンクに思い至るまで時間を要した。
     ようやく私が理解したところで、お客様の方も気がついたらしく「栄養ドリンクよ」と言われた。
     詳しく尋ねると、ご主人が風邪で病院から薬を処方されたものの、本人が栄養ドリンクを求めているらしい。
     お薬手帳は持っていなかったけれど、『トーワチーム』の袋は持参していた。
     典型的な風邪薬で、サリチルアミドとアセトアミノフェンの組み合わせ。(後で調べたら、プロメタジンメチレンジサリチル塩酸も入ってた。名前が長くて覚えてなかったよ……)
     いずれにしも、この薬が処方されているのであれば、服用している間は市販の栄養ドリンクは避けておいた方が無難。
     この薬には無水カフェインが入っていて、他の多くの栄養ドリンクにも無水カフェインが添加されているから、重なってしまって好ましくないし、何より体に余計な負担がかかる。
     薬は体にとっては異物で、肝臓で代謝したり腎臓で濾過したりするエネルギーは、風邪を治すエネルギーから割かれることになるから。
     しかし、頼まれ物を買って帰らない訳にもいかないのが、この手の相談の困るところ。
     無水カフェインの入っていない物として、あと咳止めにも若干の効果が期待できる『新ヒストミンゴールド液』を案内してお買い上げ頂いた。
     あと、その時に処方された薬だけではなく、薬の履歴も大事な情報なので、お薬手帳を持参するよう勧めた。

     『ベンザブロックSプラス』をレジに持ってきたお客様に症状を尋ねたら、確かに鼻水はあるというものの、主訴は喉の痛みと頭重感のようだった。
     そうであれば、喉の痛みをターゲットにした『ルルアタックEX』か、もう少し範囲の広い『パブロンエースAX』をと勧め、後者をお買い上げ頂いた。
     明日が休めないようであれば漢方薬をとも思っていたけど、土日は休めるそうなので、とにかく安静にするように伝えた。
     特に、風邪を治すのに栄養を摂ろうとして食事を普通にしてしまうと、かえって消化吸収にエネルギーが奪われて、風邪の治りが遅くなるため、食欲があっても今日のうちに消化に良い食事に切り替えるよう、お話した。

     やや高齢のお客様から、『フォースコリー』と『カルニチン』について質問された。
     『フォースコリー』は便通を良くし、『カルニチン』は脂肪を燃焼させると云われていると説明したうえで、本当にダイエット目的であれば、効能が確認されている医薬品をと『防風通聖散』を案内して、試して頂くことになった。
     ちなみに、以前に『大柴胡湯』を使ったことがあり、その時には合わなかったのか体調を少し崩されたとか。
     当時にも便通はあり、体格は細く、夜が寝つきにくいとう事も無かったそうだから、一つとして適応条件を満たしていない。
     どうして選んだのか尋ねたら、知人に勧められたかららしい。
     薬を安易に人から勧められて使わない方が良いし、使うのであれば、その人と自分に体格や生活スタイルなどで共通点がどれだけ多くあるかを検討しないといけません。

     

  • 人に勧めて勧められは安易に考えないで

     『コッコアポEX』(防風通聖散)をレジに持ってきたお客様に、以前からの使用経験があるか尋ねたところ、人から勧められたとのこと。
     しかし、お客さま自身の体調を詳しく訊くと、寝つきが悪いらしく、原因としてストレスがあるようだったため、『コッコアポG』(大柴胡湯)を案内し、変更して購入となった。
     その、勧めた人には悪気は無いのだろうけれど、あまり安易に薬を人に勧めるのは控えて欲しいし、勧める時には、あくまで「自分には良かった」という点は強調しておいて下さいな。
     そして、人から勧められた時には、相手と自分との共通点をチェック。
     性別や年齢はもちろん、体格や肌の色、仕事や生活スタイルなど、チェック項目は多い。
     共通点が少ないと、まず合わないと思った方が安全です。
     まぁ、初めて買う薬は、まず店頭で相談をして頂くのが一番なんですが。

     肝油ドロップの効能について、お客様から質問を受けた。
     栄養剤の代わりに使うことを考えている様子だったけれど、用途としては栄養の吸収能力が未発達な幼児や、栄養が胎児に費やされる妊婦さんや授乳中の人、栄養の吸収能力が衰えた老人に使うのが一般的。
     よほど衰弱している人でなければ、普通に食事で充分だろうし、自分の食生活を顧みて、不足していると思われるサプリメントに重点を置いた方が良いのではと、お話した。
     肝油ドロップを使っての弊害は特に無いだろうけど、私自身は貧乏性なので、その予算は他に配分した方がと思ってしまう。

     お客様から、『当帰芍薬散』『当帰四逆加呉茱萸生姜湯』の違いを質問された。
     これはまた、マニアックな(;´∀`)
     どうやら、病院からは『当帰芍薬散』が処方されているところ、人から『当帰四逆加呉茱萸生姜湯』を勧められたらしい。
     すぐに飛びつかないで、まず相談してからというスタンスとは良いかと。
     ザックリと説明すると、『当帰芍薬散』は血流と水分代謝を良くすることで体内の熱の偏りを解消し、『当帰四逆加呉茱萸生姜湯』は血流を改善するとともに温める力が強い。
     私なんかは、スキーに行く時にリフトで寒さに凍えるのを防ぐために、『当帰四逆加呉茱萸生姜湯』を飲んでおくくらいでして。
     今回のお客様の場合、痩せ型で冷えが強そうなので試してみる価値はあるだろう。
     そうお話して、担当医に相談してみるよう勧めた。
     ただ、お客様の話によると、『当帰芍薬散』を処方してもらっている病院で、こむら返りに『芍薬甘草湯』を頼んだら断られたとか。
     おそらく芍薬が重なるのを避けたんだろうけど、芍薬の重複って、そんなにマズイのかな?
     甘草は、よく重複について注意されるけど。
     その甘草にしても、茯苓が入っていれば余剰分は排泄されるから心配無いという説もあるようだし。
     後で調べてみよう。(と思って、たいてい忘れる……)


     

  • 薬の購入には写真撮影を奨励したい

     『防風通聖散』『大柴胡湯』を眺めているお客様に声を掛けてみたら、ご家族の更年期障害の相談をされた。
     比較的体力はあり、動悸もあるようだったので『桂枝茯苓丸』を候補に挙げ、イライラと寝つきの悪さもあるというお話から『柴胡加竜骨牡蛎湯』も紹介した。
     本人に見せてから決めたいとのことで、スマホで写真を撮ることを許可した。
     そういや、スーパーとかで写真の撮影を禁止してるのは、なんでなんだろうね?  頼まれ物って珍しくないから、写真を撮ってもらう方が良いと思うんだけど。

     やや高齢のお客様が、頻尿の相談にいらした。
     ここ最近になってからの事で、まだ病院には行っていないという。
     症状としては、夜寝ている時には4時間ほど空くものの、朝起きてからなどは意識するためか、トイレが近くなる模様。
     ファーストチョイスとして『猪苓湯』を候補に挙げ、手足の冷えがある場合には『八味地黄丸』をと紹介してみたけれど、今回は喉が渇きやすいという点を参考にして、『猪苓湯』を試して頂くことにした。
     すると、他にかすみ目と充血することがあるそうで、目薬の相談を受けた。
     加齢によるかすみ目には『スマイル40プレミアム』があるが、漢方薬に抵抗は無いようだったため、『牛車腎気丸』を紹介してみた。
     『牛車腎気丸』も、頻尿に使えることを説明すると、かすみ目については後でまた考えてみるとの事で、今回はまず頻尿のために『猪苓湯』を購入された。

     

  • 不眠の3つのパターン

     お客様から、ものもらいの相談を受けた。
     寝起きになっていることが多く、繰り返しているとのこと。
     目薬を希望されたため、『ロート抗菌目薬EX』を案内してお買い上げ頂いた。
     ただ、顔にも吹き出物が数ヶ所あるのが気になり、うちのお店では扱っていないがネット通販で入手できる『排膿散及湯』を紹介した。
     それから、洗顔クリームの相談を受けたので、洗顔クリームの良し悪しより、大事なのは洗顔クリームを直に顔に塗るのではなく、手で良く泡立てるよう説明した。
     汚れは泡に吸着するからで、泡立てずに洗顔クリームで肌をこするように洗ってしまうと、肌のバリヤーとなる皮脂を根こそぎ落として、雑菌の侵入を許してしまうから。

     ご夫婦に買い物にいらしたお客様で、『ビスラットゴールド』(大柴胡湯)をレジに持ってきたのだが、以前から使っているのか尋ねたところ、初めてとのことだった。
     となると確認しなきゃならない点が、幾つかある。
     例えば、常習的に便秘をしているかとか、寝付きが悪いかとか。
     不要な熱が体内に溜まりやすく、イライラしやすい人向けなので。
     そうお話すると、適応する症状は無いようだった。
     一方、お客様の肌には艶が無く、血行の悪さが見て取れたため、『防風通聖散』を勧めると変更してお買い上げ頂いた。
     他に、睡眠導入剤の『ドリエル』と『ドリーミオ』の比較を質問された。
     内容としては変わりない事と、神経を麻痺させて眠気を催すので、あくまで短期間の使用に留めるように説明した。
     販売業としては、お客様が買いたい物を売らない訳にはいかないものの、できるだけ購入をやめるようにはしたいところだったけど、購入されてしまった。
     売ってしまった責任は依然としてあるから、一言で「不眠」と言っても、寝付くまでに時間がかかるタイプと、中途覚醒してしまうタイプ、ウツラウツラして眠りの浅いタイプと、大きく分けて3つのパターンが有り、それぞれ原因も治療に適した薬も異なることを説明し、後日にでも改めて相談して下さいとお願いした。
     今回は、お客様の都合もあって、より踏み込む時間が取れなかったのが残念。
     先の不眠のパターンの場合、ものすごく単純化すると、寝付くのに時間がかかるのは心悸亢進でイライラしたりと精神面の影響が大きく『柴胡加竜骨牡蛎湯』が候補になる。
     一方、中途覚醒してしまうのは加齢などによる腎気の低下や冷えが原因だろうから『牛車腎気丸』を試すのが良いだろう。
     そして、眠りが浅いのは心身共に消耗するほど疲労しているからと考えられるので『加味帰脾湯』が適応する可能性が高い。
     もちろんこの分類すら、取っ掛かりに過ぎない訳で、これらを、ただ眠気を催す薬だけで解決しようとすると、無理が出るのが当然。
     ところが、不眠自体が判断力を鈍らせてしまうため、つい睡眠導入剤に頼る心理状態になり、依存へとなってしまう。
     この点、眠剤の使用をやめるよう訴えている人たちですら、原因を治すことについては余り考えていなくて、全面的に薬の使用をやめようという極端な方へ触れていたりするので、余計に問題がややこしくなって困ってしまう。
     薬の使用は、あくまで手段の一つなんだけどねぇ。

     
     

     

  • 小柴胡湯(しょうさいことう)
    ………諸種の急性熱性病、湿疹や喘息を伴う花粉症、肺炎、気管支炎、感冒、胸膜炎・肺結核などの結核性諸疾患の補助療法、リンパ腺炎、慢性胃腸障害、肝機能障害

    小柴胡湯
    適応症状 

     体力中程度で上腹部が張って苦しく、舌苔を生じ、口中不快、食欲不振、時により微熱、悪心などのあるものの次の症状:
     諸種の急性熱性病、湿疹や喘息を伴う花粉症、肺炎、気管支炎、感冒、胸膜炎・肺結核などの結核性諸疾患の補助療法、リンパ腺炎、慢性胃腸障害、肝機能障害

    用方・容量(顆粒製品の場合) 

     1日3回、成人1回1包(2.5g)を食前にお湯または水で服用してください。
     ただし、15歳未満7歳以上は2/3包、7歳未満4歳以上は1/2包、4歳未満2歳以上は1/3包。

    組成(顆粒製品の場合) 

     3包(7.5g)中、次の成分を含みます。
      さいこ(柴胡)7.0g
      はんげ(半夏)5.0g
      おうごん(黄ごん)3.0g
      たいそう(大棗)3.0g
     にんじん(人參)3.0g
      かんぞう(甘草)2.0g
     しょうきょう(生姜)1.0g
     以上の割合に混合した生薬より得たエキス4.5g含有します。

    類似処方鑑別 

    大柴胡湯  体力が充実し、胸脇苦満の程度が強く、便秘を伴う場合に用いる。

    柴胡加竜骨牡蠣湯  不安、不眠、動悸などが一層顕著な場合に用いる。

    柴胡桂枝湯  胸脇苦満と同時に両側の腹直筋の緊張がある場合に用いる。

    柴胡桂枝乾姜湯  本方より体質が虚弱で、体力がやや消耗し動悸が認められる場合に用いる。

    補中益気湯  全身衰弱し、体力が消耗した場合に用いる。

    使用上の注意 

    1.次の場合には医師または薬剤師に相談してください
     (1)本剤を服用後、症状の改善が認められない場合は、他の漢方薬を考慮する事。
     (2)甘草を含有する漢方薬を長期服用する場合は、血清カリウム値や血圧の測定などを充分に行い、異常が認められた場合は、服用を中止する事。
     (3)複数の漢方薬を併用する場合は、含有生薬の重複に注意する事。(特に甘草を含有する漢方薬の併用には、より注意を必要とする。)
     (4)肝臓、心臓または腎臓に障害のある人。
     (5)インターフェロン製剤で治療を受けている人。
     (6)血圧の高い人または高齢者。
     (7)今までに薬により発疹・発赤、かゆみ等を起こしたことがある人。
     (8)むくみのある人。


    2.服用に際して、次のことに注意してください
     (1)定められた用法、用量を厳守してください。
     (2)小児に服用させる場合には、保護者の指導監督のもとに服用させてください。
     (3)本剤は、2歳未満の乳幼児に服用させないでください。


    3.服用中または服用後は、次のことに注意してください
     (1)本剤の服用により、発疹・発赤、かゆみ、悪心、食欲不振、胃部不快感等の症状があらわれた場合には、服用を中止し、医師または薬剤師に相談してください。 
     (2)本剤を服用することにより、尿量が減少する、顔や手足がむくむ、まぶたが重くなる、手がこわばる、血圧が高くなる、頭痛等の症状があらわれた場合には、服用を中止し、医師または薬剤師に相談してください。
     (3)1ヵ月位(感冒、鼻かぜ、頭痛に服用する場合には、数回)服用しても症状の改善がみられない場合には、服用を中止し、医師または薬剤師に相談してください。
     (4)長期連用する場合には、医師または薬剤師に相談してください。


    4.保管及び取扱い上の注意
     (1)小児の手のとどかない所に保管してください。
     (2)直射日光をさけ、なるべく湿気の少ない涼しい所に保管してください。
     (3)1包を分割した残りを使用する場合には、袋の口を折り返して保管し、2日以内に使用してください。


    5.その他
     本剤は生薬(薬用の草根木皮等)を用いた製品ですので、製品により多少色調等が異なることがありますが効能・効果には変わりありません。

    小柴胡湯
     

  • 確認を怠って失態

     以前に漢方薬の相談に応じたお客様が、再訪。
     遠方に住んでいる高齢の母親から、浣腸の購入を頼まれたとのこと。
     便秘で通院しており、別々の科から、便を柔らかくする薬と、腸の働きを助ける薬が処方されているものの、便の最初が固くて出にくいからという。
     老人性の腸の機能低下が考えられるため、『小建中湯』『桂枝加芍薬湯』を紹介したのだけれど、担当医は漢方薬を出してくれない、というか漢方薬に懐疑的であるらしく、処方してくれ無さそうだとか。
     なんだそりゃ?
     懐疑的なのは悪く無いとしても、れっきとした保険適用薬。
     重篤な副作用が懸念されるならともかく、効能に適応する物くらいは処方してくれても良さそうなのに。
     まぁ、中には更に、薬剤師や登録販売者に口を出されるのが嫌だという御仁もいるらしいが。
    「それなら、今すぐ全ての患者を完治させてみせろ( ̄^ ̄)」(シャア・アズナブル風に)
     どうしても駄目なら、大きい病院の場合は担当医を変えてもらえるよう事務に申し出てみるか、他の病院を頼ってみてはと提案した。
     私の旧友は、最初の医師が漢方薬が全く分からないってんで、担当医を変更してもらったそうだし。
     と、偉そうに書いておいてなんですが、今になって『潤腸湯』の存在を思い出した。
     しまったーーーーーーーーーーーー(;´Д`)
     老人性の便秘を疑った時点で、最初に思いつくべき処方を忘れるとは、なんたる失態。
     店頭に置いてない処方だから、スポーンと頭の中から抜けていた。
     ちゃんと、漢方薬一覧に目を通してから、案内するべきだった………。

     『コッコアポEX』を購入されるお客様に、使用経験があるか尋ねてみたところ、以前に『コッコアポG』を使って効果が無かったという話だった。
     『コッコアポEX』は『防風通聖散』で、『コッコアポG』は『大柴胡湯』である。
     ちなみに、『コッコアポL』は『防已黄耆湯』です、念のため。
     ポッチャリした水太りタイプで、色白で汗をかきやすく、腕を触るとプルプルした脂肪の人に適応します。
     そして、『ナイシトール』も使った事があるというので、同じく『防風通聖散』ですと教えたら、ビックリされた。
     一応、パッケージにも小さく書いてあるんだけどねー。
     『大柴胡湯』は、のぼせや常習便秘があり、イライラしやすくて寝付きが悪い人向けなので、該当するか尋ねたら一つも思い当たらないらしく、それでは適応しないのも当然。
     ただ、『ナイシトール』を使った時には、少し効いたことがあるとのことで、同じ処方でもメーカー違いで効果も違うケースが有るため、このまま試してみるのも良いでしょうと伝えた。


     

  • 本気の姿勢に心動かされるのです

     『ファリフルハップ』を4つもまとめて購入されるお客様がいらしたので、用途を尋ねたところ腰痛で、他のサリチル酸メチルのパップ剤より効く感じがするらしい。
     オオバクやサンシシなどの生薬が、合っているという事なのだろうか。
     ただ、病院に行ったのは一度きりだというので、再診するように勧めた。
     すると、他に症状が重い人が待合室で待っていると思うと、遠慮してしまう気持ちを話された。
     いやいや、自分も患者なんですから、何も誰にも遠慮する事はありません。
     それに、詳しく症状を訊いてみると、膝がガクガクするという。
     それも腰痛とは別件だと思って、その時に医師に相談しなかったようだけど、医師には思い当たる事は全部話してみるよう勧めた。
     関係するかどうか、何か治療法があるかどうかは、その話を聞かなければ考える事もできないのですから。
     私からは、内服薬として『疎経活血湯』を紹介した。

     サプリメントを購入されたお客様が、マスク越しに鼻を啜っていたので、失礼かなとは思いつつ症状を尋ねてみたら、鼻水と咳だと言うので、『小青龍湯』を案内してみた。
     しかし、詳しく訊いてみると微熱があるようだという話が出たため、『柴胡桂枝湯』も紹介してみた。
     とはいえ、やはりここは主訴に重点を置くべきだろう。
     そこで、佐藤製薬の『ストナデイタイム』を勧めて、お買い上げ頂いた。
     『ストナデイタイム』は、『小青龍湯』にアセトアミノフェンとエテンザミドを加えた処方で、漢方薬と現代薬のハイブリット。
     『小青龍湯』だけでは面倒を見切れない発熱に対処できるので、この処方は使い勝手が良くて助かる。

     ダイエット食品に興味を示されたお客様がいらしたので、漢方薬も案内してみたら、以前に服用して上手くいかなかったと言われた。
     それは、『防風通聖散』でしょうか、『防已黄耆湯』でしょうか、『大柴胡湯』でしょうか。
     しかし、何を使ったかは分からないそうな。
     ううん、失礼だろうから本人には言わなかったけど、それは本気でダイエットする気があったのかと疑問に思ったり。
     そういう大雑把で、場当たり的にダイエットしようとしても、多分この先も上手くいかないかと……。
     病気の治療もそうだけど、楽をして簡単にという気持ちは分かるとしても、本当に努力する姿勢が微塵も感じられないと、手助けする方も、楽して簡単な対応で済ませたくなります。
     職業として手は抜かないけど、プラスαは厳しいのが正直なところ(;´・ω・)
     気持ちに左右されてるうちは、プロには成れませんな。

     

  • 「四角くて肌色で、貼るとスーッとする」物って、な~んだ?

     お客様から、とあるビタミン剤を置いていないか尋ねられたのだけれど、肝心の商品名を覚えていなくて特定できなかった。
     それを服用すると「寝起きがスッキリする」というお話だったものの、寝起きがスッキリするビタミン剤というのが検討もつかない。
     まぁ、ビタミンB群かなぁとは思うけど、そんなにハッキリと改善するものなのか、不勉強で分からず。
     今までは、他のドラッグストアーで購入していたのが、取り扱いが無くなってしまい探しているという。
     ああ、それでしたら同じ商品を探す時にはJANコードが分かると入荷が可能か調べられますし、成分が分かれば同じ内容に近い物を探せますと説明した。
     ただ、寝起きがスッキリしないという事の方が、気になったけど。
     治療目的ではなかったから今回は案内しなかったけど、寝起きがスッキリしないというのは下半身の冷えや神経の疲労が関係していると考えられるから『柴胡桂枝乾姜湯』『加味帰脾湯』とか『酸棗仁湯』なんかが適応するように思える。
     反対に寝付きが悪い人は、上半身に不要な熱が篭っていたりイライラが募っていたりするから、『大柴胡湯』『柴胡加竜骨牡蛎湯』といった物が使える。
     そういえば、胃腸が弱くて思い悩むタイプの患者さんで、『柴胡桂枝湯』が効いた事があったな。
     効いて良かったけど、効能には「不眠」は無かったから、あくまで胃腸の働きを助けるのをメインにして、柴胡剤だからストレスにも効くだろうと予測しただけなんだけど。
     というような事を、お客様が帰ってから思い出す。
     特定の商品を探しているお客様に、どこまで踏み込んでお話を聞き出して良いものか、加減が分からないんだよねぇ。
     探し物が置いてない段階で、もう「用済み」と思われちゃってるだろうから。

     旦那さんが膝の痛みを訴えてるとの事で、パップ剤を買いにお客様が来店。
     この夏に太り過ぎて、運動不足もあり整形外科に行ったところ、軟骨が減っていると診断されたものの、パップ剤のみ処方されて使い切ったため、同じ物をと求められた。
     でも、それがどんな成分の物かは分からず、「四角くて肌色で、貼るとスーッとする」とは言うものの、たいていのパップ剤が白かベージュ色で、体温よりも冷たい物はメントールなどが入っていなくても冷感がしたりするから、まったく参考にならない(;´・ω・)
     一日に9時間ほどの使用で効いていたというのは、強い物と考えて良いものかどうか。
     とりあえず、太っているという点から、皮膚への浸透力のあるフェルビナク製剤を案内して、お買い上げ頂く運びとなった。
     そして、お会計の前にもう少し詳しく現状を尋ねると、太り過ぎを解消するため運動したいものの、過度の負担になるような運動は医師から止められており、一方で階段の登り降りも膝が痛くて辛いと訴えているという話から、『桂枝加苓朮附湯』を紹介したところ、一緒にお買い上げ頂いた。
     急に太ったという話から、『防已黄耆湯』の方も考えたんだけど、体格自体はガッシリしていて筋肉質らしいので候補から外した。
     ただ、やっぱり本来は、本人を観て判断したいところ。
     パップ剤しか処方されていないという話だったけれど、担当医に相談するか、別な病院で診察してもらう事も検討してみるよう勧めた。
     そうそう、お風呂が短いそうなので、例によって半身浴での長湯も勧めたが、小さい子供が2人いて、ゆっくり入れないようだった。
     う~ん、子供たちを洗い場でオモチャで遊ばせて、自分は湯船に浸かるというのは、どうでしょうと提案した。
     こういうお話も、やはり本人相手じゃないと、情報不足で踏み込みにくい。
     しかし、この時のお話が功を奏したのか、お客様ご自身の相談も受けた。
     鉄不足による貧血と診断されているものの、コレステロール値を低くするための薬を処方されているので、薬が増えるのは嫌なため、鉄剤の処方は断って食事で摂るようにしているという。
     鉄剤は胃に悪いからとも、言っていた。
     ああ、確かに昔は胃に負担がかかるからと胃薬と一緒に処方されていたらしいけど、現在の鉄剤は改良が進んで、それほどの心配は要らなくなったんですけどねぇ。
     まぁ、服用する薬が増えるのが煩わしいのは確か。
     でも、食事でと言っても、コレステロールの事を考えると、レバーを避けたりと、それはそれで難しい。
     ほうれん草ばかり食べるのも、飽きてしまいそうだし。
     あと、貧血の人は、食事に限らずサプリメントでも同じ事だけど、栄養が適切に体に吸収されていない可能性も無視できない。
     やはり栄養を吸収する腸の働きを良くするためには、なんだかもう馬鹿の一つ覚えみたいで恐縮ですが、半身浴での長湯が良いですよ。
     そんな話をしていたら、氷を食べるのが好きだという話が出た。
     テレビの健康番組なんかで、「氷を食べるのは、鉄不足の人に現れる症状の一つ」とやっていた事があるため、お客様もそう理解していた。
     確かにその解釈もあるんだけど、もう一つ胃炎を起こしている事も考えられる。
     胃が熱を持っていて、それを冷やそうと無意識に冷たい氷を食べると一時的に楽になると体が学習してしまっているパターン。
     しかもその場合、氷で急激に冷やされる胃の方は、「ヤベー、冷えると機能が低下しちゃうよ。頑張って温めなきゃ」と頑張って胃熱を起こし、無駄にエネルギーを消費して腸も道連れに機能低下という悪循環に陥ってしまう。
    「じゃあ、やめた方がイイわねー」と言われたけど、その表情は残念そう。
     私も、氷を齧るのは好きだから、その気持ちは分かる。
     デートとかで、氷を全部食べてしまうんで、相手の女性に( ゚д゚)こんな顔を何度された事か。
     ……話が逸れた。
     何かを齧る感触というのは、ガムなんかがそうであるように精神的なストレスを軽減していたりするから、それをキッパリやめるというのも別なリスクが発生する可能性がある。
     そこは、温かい物を先に飲んで胃を温めて準備運動をさせてから、氷を食べるのを楽しんでみてはいかがでしょうと提案した。

     

  • 柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)
    ………感冒・流感・肺炎・肺結核などの熱性疾患、感冒・風邪の後期、胃潰瘍・十二指腸潰瘍・胆のう炎・胆石・肝機能障害・膵臓炎などの心下部緊張疼痛

    適応症状 

     発熱発汗して、悪寒があり、身体が痛み、頭痛、吐き気のあるものの次の症状:
     感冒・流感・肺炎・肺結核などの熱性疾患、感冒・風邪の後期、胃潰瘍・十二指腸潰瘍・胆のう炎・胆石・肝機能障害・膵臓炎などの心下部緊張疼痛

    用方・容量(顆粒製品の場合) 

     1日3回、成人1回1包(2.5g)を食前にお湯または水で服用してください。
     ただし、15歳未満7歳以上は2/3包、7歳未満4歳以上は1/2包、4歳未満2歳以上は1/3包。

    組成(顆粒製品の場合) 

     3包(7.5g)中、次の成分を含みます。
      さいこ(柴胡)5.0g     
       はんげ(半夏)4.0g
       おうごん(黄ごん)2.0g
       かんぞう(甘草)2.0g
      けいひ(桂皮)2.0g
       しゃくやく(芍薬)2.0g
      たいそう(大棗)2.0g
       にんじん(人參)2.0g
       しょうきょう(生姜)1.0g
     以上の割合に混合した生薬より得たエキス4.0g含有します。

    類似処方鑑別 

    小柴胡湯  胸脇苦満があって、自汗、不安、不眠、のぼせ、腹痛が無い場合に用いる。

    大柴胡湯  体力が充実し、胸脇苦満の程度が強く、便秘を伴う場合に用いる。

    柴胡加竜骨牡蠣湯  不安、不眠、動悸などが一層顕著な場合に用いる。

    使用上の注意 

    1.次の場合には医師または薬剤師に相談してください
     (1)本剤を服用後、症状の改善が認められない場合は、他の漢方薬を考慮する事。
     (2)甘草を含有する漢方薬を長期服用する場合は、血清カリウム値や血圧の測定などを充分に行い、異常が認められた場合は、服用を中止する事。
     (3)複数の漢方薬を併用する場合は、含有生薬の重複に注意する事。(特に甘草を含有する漢方薬の併用には、より注意を必要とする。)


    2.服用に際して、次のことに注意してください
     (1)定められた用法、用量を厳守してください。
     (2)小児に服用させる場合には、保護者の指導監督のもとに服用させてください。
     (3)本剤は、2歳未満の乳幼児に服用させないでください。


    3.服用中または服用後は、次のことに注意してください
     (1)本剤の服用により、発疹・発赤、かゆみ、悪心、食欲不振、胃部不快感等の症状があらわれた場合には、服用を中止し、医師または薬剤師に相談してください。 
     (2)本剤を服用することにより、尿量が減少する、顔や手足がむくむ、まぶたが重くなる、手がこわばる、血圧が高くなる、頭痛等の症状があらわれた場合には、服用を中止し、医師または薬剤師に相談してください。
     (3)1ヵ月位(感冒、鼻かぜ、頭痛に服用する場合には、数回)服用しても症状の改善がみられない場合には、服用を中止し、医師または薬剤師に相談してください。
     (4)長期連用する場合には、医師または薬剤師に相談してください。


    4.保管及び取扱い上の注意
     (1)小児の手のとどかない所に保管してください。
     (2)直射日光をさけ、なるべく湿気の少ない涼しい所に保管してください。
     (3)1包を分割した残りを使用する場合には、袋の口を折り返して保管し、2日以内に使用してください。


    5.その他
     本剤は生薬(薬用の草根木皮等)を用いた製品ですので、製品により多少色調等が異なることがありますが効能・効果には変わりありません。

     

  • 柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)
    高血圧症、動脈硬化症、慢性腎臓病、神経衰弱、神経性心悸亢進症、てんかん、ヒステリー、小児夜啼症、陰萎(神経性インポテンツ)

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    適応症状 

     比較的体力があり、心悸亢進、不眠、苛立ち(イライラ)等の精神症状のあるものの次の症状:
     高血圧症、動脈硬化症、慢性腎臓病、神経衰弱、神経性心悸亢進症、てんかん、ヒステリー、小児夜啼症、陰萎(神経性インポテンツ)

    用方・容量(顆粒製品の場合) 

     1日3回、成人1回1包(2.5g)を食前にお湯または水で服用してください。
     ただし、15歳未満7歳以上は2/3包、7歳未満4歳以上は1/2包、4歳未満2歳以上は1/3包。

    組成(顆粒製品の場合) 

     3包(7.5g)中、次の成分を含みます。
       柴胡(サイコ)5.0g   
       半夏(ハンゲ)4.0g
       桂皮(ケイヒ)3.0g   
       茯苓(ブクリョウ)3.0g
       黄ごん(オウゴン)2.5g
        大棗(タイソウ)2.5g
       人參(ニンジン)2.5g
        牡蛎(ボレイ)2.5g
       竜骨(リュウコツ)2.5g   
       生姜(ショウキョウ)1.0g
     以上の割合に混合した生薬より得たエキス4.5g含有します。

    類似処方鑑別 

    大柴胡湯
     本方と胸脇苦満の程度が同じ位で、便秘があり、神経症状と動悸の無い場合に用いる。

    桂枝加竜骨牡蠣湯
     本方と神経症状が似ていて、動悸はあるが、胸脇苦満が無く、比較的体力の衰えた人の場合に用いる。

    抑肝散
     神経症状があり、腹直筋の緊張や腹痛などがあり、胸脇苦満の無い場合に用いる。

    使用上の注意 

    1.次の場合には医師または薬剤師に相談してください
     (1)本剤を服用後、症状の改善が認められない場合は、他の漢方薬を考慮する事。
     (2)甘草を含有する漢方薬を長期服用する場合は、血清カリウム値や血圧の測定などを充分に行い、異常が認められた場合は、服用を中止する事。
     (3)複数の漢方薬を併用する場合は、含有生薬の重複に注意する事。(特に甘草を含有する漢方薬の併用には、より注意を必要とする。)
     (4)著しく体力の衰えている患者。
     (5)発疹、瘙痒等の過敏症状が現れる事がある。


    2.服用に際して、次のことに注意してください
     (1)定められた用法、用量を厳守してください。
     (2)小児に服用させる場合には、保護者の指導監督のもとに服用させてください。
     (3)本剤は、2歳未満の乳幼児に服用させないでください。


    3.服用中または服用後は、次のことに注意してください
     (1)本剤の服用により、発疹・発赤、かゆみ、悪心、食欲不振、胃部不快感等の症状があらわれた場合には、服用を中止し、医師または薬剤師に相談してください。 
     (2)本剤を服用することにより、尿量が減少する、顔や手足がむくむ、まぶたが重くなる、手がこわばる、血圧が高くなる、頭痛等の症状があらわれた場合には、服用を中止し、医師または薬剤師に相談してください。
     (3)1ヵ月位(感冒、鼻かぜ、頭痛に服用する場合には、数回)服用しても症状の改善がみられない場合には、服用を中止し、医師または薬剤師に相談してください。
     (4)長期連用する場合には、医師または薬剤師に相談してください。


    4.保管及び取扱い上の注意
     (1)小児の手のとどかない所に保管してください。
     (2)直射日光をさけ、なるべく湿気の少ない涼しい所に保管してください。
     (3)1包を分割した残りを使用する場合には、袋の口を折り返して保管し、2日以内に使用してください。


    5.その他
     本剤は生薬(薬用の草根木皮等)を用いた製品ですので、製品により多少色調等が異なることがありますが効能・効果には変わりありません。

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