ユンケルがアンプルだったことにビックリ

 やや高齢のお客様から、「風邪薬と一緒に飲めるアンプルちょうだい」と言われて戸惑う。
 頭に浮かんだのが、注射剤につかうガラス製の密封容器だから。
 後で調べたら、『ユンケル』が発売当時はアンプルだったんですね。
 

Screenshot of xn--rckufqa4a.jp

 うっかりポカン(゚o゚)としてしまって、しきりにアンプルと繰り返されながら、栄養ドリンクに思い至るまで時間を要した。
 ようやく私が理解したところで、お客様の方も気がついたらしく「栄養ドリンクよ」と言われた。
 詳しく尋ねると、ご主人が風邪で病院から薬を処方されたものの、本人が栄養ドリンクを求めているらしい。
 お薬手帳は持っていなかったけれど、『トーワチーム』の袋は持参していた。
 典型的な風邪薬で、サリチルアミドとアセトアミノフェンの組み合わせ。(後で調べたら、プロメタジンメチレンジサリチル塩酸も入ってた。名前が長くて覚えてなかったよ……)
 いずれにしも、この薬が処方されているのであれば、服用している間は市販の栄養ドリンクは避けておいた方が無難。
 この薬には無水カフェインが入っていて、他の多くの栄養ドリンクにも無水カフェインが添加されているから、重なってしまって好ましくないし、何より体に余計な負担がかかる。
 薬は体にとっては異物で、肝臓で代謝したり腎臓で濾過したりするエネルギーは、風邪を治すエネルギーから割かれることになるから。
 しかし、頼まれ物を買って帰らない訳にもいかないのが、この手の相談の困るところ。
 無水カフェインの入っていない物として、あと咳止めにも若干の効果が期待できる『新ヒストミンゴールド液』を案内してお買い上げ頂いた。
 あと、その時に処方された薬だけではなく、薬の履歴も大事な情報なので、お薬手帳を持参するよう勧めた。

 『ベンザブロックSプラス』をレジに持ってきたお客様に症状を尋ねたら、確かに鼻水はあるというものの、主訴は喉の痛みと頭重感のようだった。
 そうであれば、喉の痛みをターゲットにした『ルルアタックEX』か、もう少し範囲の広い『パブロンエースAX』をと勧め、後者をお買い上げ頂いた。
 明日が休めないようであれば漢方薬をとも思っていたけど、土日は休めるそうなので、とにかく安静にするように伝えた。
 特に、風邪を治すのに栄養を摂ろうとして食事を普通にしてしまうと、かえって消化吸収にエネルギーが奪われて、風邪の治りが遅くなるため、食欲があっても今日のうちに消化に良い食事に切り替えるよう、お話した。

 やや高齢のお客様から、『フォースコリー』と『カルニチン』について質問された。
 『フォースコリー』は便通を良くし、『カルニチン』は脂肪を燃焼させると云われていると説明したうえで、本当にダイエット目的であれば、効能が確認されている医薬品をと『防風通聖散』を案内して、試して頂くことになった。
 ちなみに、以前に『大柴胡湯』を使ったことがあり、その時には合わなかったのか体調を少し崩されたとか。
 当時にも便通はあり、体格は細く、夜が寝つきにくいとう事も無かったそうだから、一つとして適応条件を満たしていない。
 どうして選んだのか尋ねたら、知人に勧められたかららしい。
 薬を安易に人から勧められて使わない方が良いし、使うのであれば、その人と自分に体格や生活スタイルなどで共通点がどれだけ多くあるかを検討しないといけません。

以下の記事も読まれています。


 
登録販売者から一言 壱の巻 登録販売者から一言 肆の巻「おくすり手帳と個人情報の使い方」 市販薬購入前チェックシート