お節介と情報の提供と提案の境目

 夫婦のお客様が、うがい薬と『葛根湯』をレジに持ってきたので、現に喉が痛む場合は刺激になるためうがい薬を避けるように伝えると、ご主人に「じゃあいらない」と商品を返され、『葛根湯』も咳のある風邪には適さないことを説明すると、やはり「じゃあいらない」と『葛根湯』を棚に戻そうとされたところで、ようやく症状のヒアリングを始められた。
 とにかく淡々と素っ気無く反応されるんで、やりにくい(^_^;)
 患者はそのご主人で、喉がイガイガするというため胃炎の可能性をお話しすると、食べ過ぎは思い当たるようで、上半身を潤す『麦門冬湯』を勧めたら購入された。
 体を冷やす夏野菜は、体のほうが対抗しようと炎症を強めてしまうため避けるようお話しすると、奥さんから「しょうが湯は?」と訊かれたので、「それは良いですね」と答えた。

 やや高齢のお客様が風邪薬を求めて来店し、主訴は鼻水と咳と痰ということなのだが、すでに1週間くらい経っているというので風邪薬は避けた方がと思ったものの、お客様が希望されたため『パブロンSα』を案内した。
 『パブロンSα』は総合風邪薬だと思われがちだけど、処方構成からすると発熱や喉の痛みには弱く、咳と痰に向いている。
 でも、『パブロンSα』をレジに持ってきたお客様に咳があるかを確認してみると、結構な高確率で「咳は出ない」というお客様に遭遇する。
 ところで、今回のお客様は明後日には病院に行くから、もっと容量の少ない物をと注文された。
 そこで、鼻水は透明だということから、もう風邪としては終わっていると考えられることを改めて説明し、鼻水自体は自分で温かい物を飲んだりお風呂に長めに入ったりで対処して、咳と痰に『ブロン錠』を使う方法を提案した。
 しかしそれは面倒とのことで、『パブロンSα』をお買い上げになった。
 胃の不具合が症状を長引かせている可能性をお話しすると、今日はイカ揚げを食べようと思っていたというので、それは後の楽しみに取っておいてはとお話して、うどんなどの消化に良い物をと提案した。
 本当にそうするすは患者さん自身の選択だから分からないけど、情報の提供と提案を初めから無駄だとも決めつけられないので。

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