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  • 治療を全てお任せというのは自分を見捨てているのと同じ

     若い夫婦のお客様が来店し、『パブロンSゴールドW』をレジに持ってきたさいに喉の痛みには弱いことを伝えると、置き薬として「何にでも効く物を」と注文された。
     総合風邪薬にもそれぞれ得意分野があるため、症状別に容量の少ない物を揃えておく方法を提案したうえで、熱・鼻・喉・咳にまんべんなく効果が期待できる『新ルルAゴールドDX』を案内し、お買い上げいただいた。
     ただ、そもそも風邪薬の効能には「諸症状の緩和」と書いてあって、風邪を治せる薬は一つも無いのだけれど。
     それゆえに、風邪を治す薬を開発したらノーベル賞ものだと昔から言われている。

     夫婦のお客様から、バップ剤は冷感と温感のどちらが良いか尋ねられたけれど、養生には関係するものの鎮痛剤の成分の方が大事なことをお話した。
     ご主人が腰痛とのことで、鎮痛効果と浸透力の違いを説明し、しょっちゅうなる訳ではないとのことからジクロフェナクトリウム製剤を勧めると、痛みもそれほどではないというためフェルビナク製剤を使っていただくことになった。
     ご主人が「医者によって言うことが違う」というため、医者にも得意分野があることをお話した。
     例えば整形外科の医者でも、スポーツなどの運動による症状が得意だったり、加齢による不具合の知識が豊富だったりというように。
     そして、それぞれの見立てを採用するかどうかは患者自身が決めなければならない。
     これは自己責任論ということではなく、患者自身が治療のチームリーダーだからだ。
     病気自体の影響で判断力が衰えているのでなければ、医者に全てお任せというのは、自分が人間ではなく機械か何かだと自分で自分を見捨てているのと同じだと思う。
     お客様には、腰痛をいつものことと思って大病を見逃すのも怖いから、年に一度でも定期的に受診してみるよう勧めた。
     それから五十肩もあるとのことで、同じくフェルビナク製剤を使っても良いものの、痛み方や患部の場所で薬を使い分ける方法もあると伝えた。
     内服の漢方薬で言えば、腰痛には『疎経活血湯』『桂枝加朮附湯』が考えられ、五十肩には『独活葛根湯』が候補となる。

     

  • 風邪をひいたら入浴禁止と栄養を摂るのは昔の話

     お客様から『バファリンルナi』と『バファリンプレミアム』の違いを尋ねられ前者は家にあるというお話もあったため内容としては大して変わらないことを説明した。
     まぁ、『バファリンプレミアム』には鎮痛効果を高めるアリルイソプロピルアセチル尿素が加わっているけれど、その反面、眠気を催す可能性があるから、それほど良い訳ではない。
     すると家に『バファリンルナi』があり、ご主人が頭痛とのことで頭痛にも種類があることを伝えると頭重感がすると言うため、適応に問題は無さそうなので、まずは家にある物を服用させるよう勧めた。
     すると3日ほど前に発熱してから『葛根湯』を飲ませたけど効かないというお話があったため、上半身を温めてしまいタイミングとしては遅いことと、風邪の中期に使う『麻黄湯』を紹介したうえで、『柴胡桂枝湯』が候補になることを伝えたところ、お買い上げいただいた。
     入浴はしていて、うどんなどの食事をさせていると言うためベタ褒めしてしまった。
     熱が出て寝込んでから食事を消化の良いものにするという人は多いが、風邪かなと思ったら喉が痛むだけとか頭が重いとか初期の段階から消化に良い物にするのが最善なんである。
     消化にエネルギーを使うと治す方のエネルギーが不足してしまうし、喉などの炎症は胃にも広がりがちなので。

     やや高齢のお客様から咳と鼻水とクシャミの相談を受け、明日には病院に行くとのことで、いつも風邪をひくと病院で薬を処方してもらっているというお話だったが、その薬の内容は覚えておらず、お薬手帳も持ってきていなかった。
     症状から、現代薬と漢方薬を合わせた『ストナデイタイム』を案内し、成分表示を医師に見せるように念押ししたうえでお買い上げいただいた。
     入浴はした方が良いことをお話しすると驚かれたけれど、風邪をひいたらお風呂に入ってはいけないと言われたのは、まだ内風呂が普及していなかったり家の建てつけが悪くて湯冷めをしてしまう昔の話である。

     

  • セルフメディケーションと家庭の事情

     高齢のお客様からマウスピースの洗浄の相談を受け、『キッチンハイター』で洗っても汚れが落ちないというため、部分入れ歯用の『ポリデント』を案内し購入を決められた。
     その後に、病院から肩こりに『釣藤散』『葛根湯』が、ドライアイに『白虎加人参湯』が処方されてるというお話があった。
     また入眠困難なため、ベンゾジアゼピン系の安定剤も処方されているという。
     しかし、頭痛に『ロキソニン』や『イブ』だけでなく『プレミアムバファリン』なども効かず、『ケロリン』を常用していて、漢方薬は効いてるかどうか分からないから飲んでいないというお話だった。
     ん?
     『ケロリン』が効いてるなら、『バファリンプレミアム』じゃなくて『バファリンA』が効くんじゃないかな。
     『バファリンA』に胃薬になる桂枝が入ってるのが『ケロリン』で、効かなかったという薬に共通するのはロキソニンと、化学構造式の似ているイブプロフェンが入っている点。
     アセチルサリチル酸、いわゆるアスピリンが効くということなのではあるまいか。
     それと、『ケロリン』には無水カフェインが入っていて、それが睡眠を妨げている可能性が考えられるから、それなら『バファリンA』の方が向いているはずだ。
     『バファリンプレミアム』は名前が豪華だけど、『バファリンA』の上位版という訳ではなく成分違いの別物である。
     それらを説明し、お客様の頭痛は朝方に後頭部が痛むというお話だったので、『釣藤散』を先に使ってみるよう勧めたところ、家に余っているというのに『ズッキノン』(ズッキノン)を購入された。
     担当医や薬剤師が話を聞いてくれないという不満を述べていて、それを私が聞いていたことのお礼のつもりで購入されたのかもとも思った。
     『ケロリン』を勧めたのは息子さんとのことで、息子さんは調剤薬局に勤務している薬剤さんなのだとか。
     ただ、その息子さんにはあまり自分の症状や薬の話を訊かないようにしている模様。
     この辺りは複雑ですな。
     家庭の事情には立ち入りにくい。

     親子のお客様が来店し、母親が『エスタックイブ』をレジに持ってきたけれど、患者は高校生の娘さんの方で主訴は鼻づまりとのこと。
     本人にヒアリングしてみると他に症状は無いと言うので鼻炎薬を提案したところ、母親が割り込んで「花粉症じゃない」「風邪だと思う」と代弁された。
     市販の風邪薬はどれを選んでも咳止めが入っていることが多く、咳が出ていないのに服用すると体の負担になって、本格的な風邪に進行してしまう可能性がある。
     また、鼻炎は花粉症とは限らないことを説明し、『パブロン鼻炎カプセルSα』や『ストナリニS』などを紹介すると、母親から「分からないからお勧めを選んで」と言われ、本人に確認したうえで『パブロン鼻炎カプセルSα』を使っていただくことになった。
     『葛根湯加川きゅう辛夷』も提案したのだけれど、母親が漢方薬を嫌いらしく却下された。
     娘さんを大切にしているのは分かるものの、娘さんの話も聞かず、娘さんに判断させることもしないというのは、余計なお世話なれど、なんだか心配である。
     本人には、鼻づまりは上半身に熱が篭って循環していないのが原因と考えられることを説明し、普段はシャワーだと言うので入浴して下半身を温めると熱が循環して鼻づまりが少しは楽になることを伝えた。
     どうにも家庭の事情には立ち入りにくい。
     でもそれが、今後の健康に関わってくるんだよねぇ( ´Д`)=3

     

  • 海外留学には柴胡桂枝湯をお供に

     常連のお客様が風邪薬の棚で迷っている様子で、『エスタックイブFT』をレジに持ってきた。
     ヒアリングしてみると、主訴は悪寒と節々の痛みで、すでに一週間以上が経過しており、当初にあった咳は落ち着いているとのこと。
     病院で何か薬を処方されたようなのだが内容は不明で、「効かないから」と服用を中止して『エスタックイブファインEX』や『パブロンゴールドA』とか『新コンタックかぜ総合』など次々と乗り換えて飲んでいたという。
     一週間以上経ってるとなると『柴胡桂枝湯』で行きたいところだが、主訴に合わせて『麻黄湯』を提案し変更となった。
     入浴を勧めると「熱いのに入っている」というので、もう少しぬるめでと伝えた。
     熱いお風呂では、体への負担が大きくなってしまい長引く原因にもなってしまう。

     親子のお客様が来店し、息子さんがアメリカに留学するとのことで、学校から薬を揃えるように指示があったと相談を受けた。
     一般的な解熱鎮痛剤や咳止めなどは向こうでも入手できるので、風邪と胃腸炎の両方に使えてストレスの軽減にも役立つ『柴胡桂枝湯』と食中たりに『正露丸』を提案した。
     また、外用薬としてステロイド剤と抗生物質の入った『クロマイP軟膏』を勧めた。
     しかし、『柴胡桂枝湯』は顆粒が飲めないとのことから現代薬を希望されたため、熱・喉・鼻・咳にバランスの良い物として、『パブロンエースAX』と『エスタックイブファインEX』と『新ルルAゴールドDX』を案内した。
     本日は、『正露丸』と『クロマイP軟膏』と『新ルルAゴールドDX』をお買い上げいただいたが、『柴胡桂枝湯』は持って行きたいと言うため、ネットで錠剤を入手できることを伝えた。
     向こうではシャワーのみで入浴できる機会は無いと思われるため、シャワーを浴びるさいには皮膚が薄くて太い血管通っているところを重点的に浴びると、疲労回復に効果があることもお話した。

     

  • 職域を外れてしまうコトは言えないジレンマ

     お客様から、海外旅行で持っていく風邪薬の相談を受け、「家族みんなで使える物を」との要望に、同じ症状が出るとは限らず体質も異なることを考えると分けた方が良い事をお話したうえで、7歳の子供がいるとのことから『新ルルAゴールドDX』を案内した。
     また、風邪と胃腸炎の両方の面倒を見てくれる『柴胡桂枝湯』を紹介すると一緒に購入していただけた。
     他に、食中たりに『正露丸』を用意したり、家にステロイドと抗生物質と書いてある塗り薬があったら持っていくよう勧めた。

     お客様が『ベトネベートN軟膏』の空箱を持ってきて、同じ物をとの注文を受けて販売したけれど、「前に使って良かったから」という理由なため、抗生物質の入っていない『ベトネベートSクリーム』との使い分けが必要なこともありますと伝えた。
     でも、肝心の用途の症状については話してもらえなかった。

     高齢の夫婦が来店し、人から「虫除けにハッカ油が良い」と聞いたとのことで、水での薄め方や入浴剤として使う方法などもお話した。
     虫除けのために水で薄める場合、無水エタノールを混ぜる方法があるが、水と油が良く混ざるようにするためで、必ずしも必要ではない。

     やや高齢のお客様から『ユンケルD』が風邪に良いか尋ねられたため、体をゆっくり休めるにはカフェイン入りは適さないことを説明したところ、長引いているというため内臓が弱っていることを考え、『新ヒストミンゴールド液』を案内し、お買い上げいただいた。
     すると、病院からは『小青竜湯』が処方されていたというため、胃に負担がかかるかもとお話すると、実際に服用した時に胃が苦しいという。
     処方された薬は飲み切らなきゃと思われてるようで、抗生剤などはそうであるものの、副作用と考えられるため、一回の量を減らすか服用を中止して良いかを担当医か薬剤師に相談するよう勧めた。
     個人的には、すぐにも中止させたいところなれど、職域を外れてしまうから言えない。

     

  • お客様に声をかけるのは気力が充実していないと無理

     マスクをして風邪気味の様子のお客様が『ビタシー』と『リポビタンD』を数本と、ドリンクゼリーを購入された。
     声をかけた方が良かったのかもしれないけれど、こちらも連勤が続いて疲れているものだから、その気力が湧かなかった。
     お客様に声をかけるというのは、気力が充実していないと無理なのです(;´Д`)

     お客様から鼻うがいを求められたけれど、大規模な花粉症のシーズンが過ぎたため、今は『アルシャットシャワーミスト』しか置いていない。
     症状を尋ねると、鼻汁が喉に落ちてくるというので胃を悪くしている可能性をお話した。
     探している鼻うがいの商品は無いということで、お客様はお帰りになった。
     一応、消化に良い食事と入浴をして、お腹周りを温めるよう勧めた。
     薬を相談されなかったため案内できなかったが、『辛夷清肺湯』が適応するであろう。
     ううむ、やはり気力が足りないと充分な提案もできない( ´Д`)=3

     常連のお客様が『エスタックイブ』を購入されたけれど、主訴は咳だけで他に症状は無く、乾いた咳のようなので胃の不具合の可能性を伝えると思い当たるようだった。
     家に『大正漢方胃腸薬K』があるというため、服用してみるよう勧めた。
     いつも感心していただけるものの、その割には薬を買う時には相談されないんだよね……。
     ちなみに『大正漢方胃腸薬』と『大正漢方胃腸薬K』の違いは、痙攣性の痛みを抑える芍薬と甘草の量が『大正漢方胃腸薬K』の方が多い点であるから、細かいことをいうと主力の『安中散』さえあれば今回は充分なのだけれど、使える物を活かさないのはモッタイナイ。

     

  • 塗り薬の方が飲み薬より安心という勘違い

     お客様から初めに風邪として相談を受け、主訴が喉の痛みと鼻水だったので『ルルアタックNX』を案内したうえで、 咳などの出ていない症状の成分があると体の負担になることと、 鼻水は透明だと言うため内臓の冷えが原因と考えられることを説明し、喉の痛みだけに対処してはどうかと提案した。
     透明な鼻水の方は、積極的に温かい物を飲んでお風呂に入りお腹周りを保温すれば、改善できる可能性が高いことも伝えた。
     先に『ルルアタックNX』を案内したのは、まずはお客様の要望に応えないとお話を聞いてもらうのが難しいから。
     ただ、せっかちな人だと即決されて、やっぱりお話を聞いてもらえなるけど。
     まぁ、その場合は仕方が無いってことで。
     今回はお客様が納得されたようなので、患部だけでなく内蔵まで冷やしてしまう『龍角散』などは適さないことをお話して、『ペラックT』と『パブロントローチAZ』を案内したところ、前者をお買い上げいただいた。
     うちのお店のラインナップから、『 駆風解毒湯』が無くなってしまったのが痛い。
     『 駆風解毒湯』なら、内臓まで冷やさずに喉の炎症を抑えられるのに。

     ダニに刺されたというお客様から腕と腹部を見せられ、腹部は痕が横一列になっていた。
     患部から血が滲んでいるのを本人は掻いたからと言っていたが、一般に虫刺されという言い方があるものの刺すのは蚊ぐらいで、他の虫は牙で食いちぎってしまうことをお話した。
     もちろん、掻きむしって血が滲んだというのもあるのだろうけれど。
     とにかく患部は赤く腫れており、痒みも強そうなことから『ムヒアルファEXクリーム』を勧め、お使いいただく事になった。
     また、右の脹脛(ふくらはぎ)がこむら返りのように痛んで、痺れ感もあると相談された。
     塗り薬を望まれたのでフェルビナク製剤を案内したうえで、内服薬に『コムレケア』(芍薬甘草湯)『疎経活血湯』を紹介すると、数年前に脳梗塞を患ったことがあり、塗り薬の方が安心と言われたため、外用薬も体内に影響することをお話した。
     ジクロフェナクトリウム製剤などのパッケージにも注意書きが、これでもかとばかりに書かれているのだけれど、読んでいる人が少ないのか、この手の勘違いは多い。
     今回はフェルビナク製剤のローションをお買い上げいただいたものの、フェルビナク製剤もまた体内に浸透する薬ではあるので、ジクロフェナクトリウム製剤ほど危険ではないとはいえ注意は必要である。
     しかも、お客様は脳梗塞以来ずっと服用してる薬を近所の内科医に頼んで処方してもらってると言うので、一度専門医を紹介してもらうよう勧めた。
     もしかすると、歩き方にも影響していて、その負担が症状として現れてるかもしれないし。
     科目が違うと通院している医師に相談しないということもまた、ありがちなことである。

     

  • 市販薬の販売は自動販売機になるべきかならざるべきか

     やや高齢のお客様から目の洗浄薬を求められ、具体的な痒みや炎症があれば『アイボン』や『アイボンWビタミン』を使い、ケアだけなら『ロートビタフラッシュ』をと案内した。
     すると、コンタクトを外した後の乾燥感とのことだったので『アイボンうるおいケア』を勧めたが、ミニタイプが欲しいとのことで『アイボンWビタミン』をお買い上げいただいた。
     養生として、入浴して血行を良くすることが大事とお話したのだけれど、興味は持たれなかった。

     小学生の子供が口内炎とのことでお客様から相談を受け、炎症が強い時向けの薬と患部の修復向けの塗り薬を案内したところ、発症したのは数日前で、日が経っているもののまだ患部の痛みが強い模様。
     『トラフル錠』を飲んでいたというので継続を勧めると使い切ったとのことから、抗炎症効果の強い塗り薬の『ケナログ』を提案してお買い上げいただいた。
     相談せずに薬を買うお客様の中には、使っていた薬での効果が弱いにもかかわらず、同じ物を買っていかれる人も少なくないため、こうして相談してもらえるのが一番。
     子供はシャワーで過ごしているようなので、患部の修復には材料を運ぶ血流が大事なため入浴が良いことと、炎症を抑えるためには夏野菜など体を冷やす食材を避けるようお話した。
     特に口内炎の時にはキュウリやトマトといった野菜が気持ち良かったりするけれど、体の方は炎症を起こして治したい理由があるため、冷やすと「もっと炎症しなくちゃ!」と頑張ってしまうんである。

     やや高齢のお客様が、『クロキュア』と『イハダプリスクリード』を購入されるので、両方の用途を確認しようと思っていたところ、お会計時にクレジットで精算した後にポイントカードを出され、お会計をやり直したためお話する時間が取れなかった。
     『クロキュア』の方が皮膚の保湿と再生を手伝い、『イハダプリスクリード』の方が炎症や痒みを抑えるものだから、同じ患部に使うのだとすれば『イハダプリスクリード』の方を先に塗るように伝えたかったのだけれど、知っているのかどうか。
     医師から指導を受けたことがある人なら、知っていると思われるものの、それはヒアリングしてみなければ分からない。
     店員に声をかけられたくないという人は多く、相談したい人は自分からしてくるのだから、訊かれない限りは自動販売機に徹するというのも悪くはないと思っても、食べ過ぎの腹痛に鎮痛剤を使おうとする人もいるため、適切な使い方を理解してるか心配になってしまうんである。
     それから、お客様はカラ咳を何度もしていたため養生法を伝えたいところだったのだが、体内が胃炎などで乾燥してる可能性をお話したところで、「風邪だから」と帰られてしまった。
     う~む、何か買わされると思われたか……。

     

  • 頭痛のために鎮痛薬を買う時には痛み方の確認を

     お客様から12歳の子供の頭痛の相談を受け、現代薬ではアセトアミノフェン一択なため『バファリンルナJ』を案内して、お買い上げいただいた。
     そして、頭痛には種類があることをお話したのだけれど、特に痛み方について本人から聞いていないというため、ズキズキタイプなら胃の不具合、締め付けられるなら肩こり、頭重患なら血圧が関係することを説明し、確かめてみるよう伝えた。
     血圧については「まだ子供だから」と言われたが、数値上の話ではなく1日の中での変化のことと説明し、塾に行っているというので冷房が原因となっている可能性もあり、その場合は『葛根湯』が使えることを付け加えた。
     家族や友人に代わって頭痛薬を買いに来るというのは多いけれど、その痛み方について確認してきていないという事もまた多いから、ぜひそこは確認しておいてもらいたい。
     現代薬で解熱鎮痛薬自体はそれほど選択肢があるわけではないが、頭痛に対する養生法は異なり、しっかり対応することで薬を飲む機会を減らしたり使うタイミングを工夫することができる。

     やや高齢のお客様から『龍角散』の効果を尋ねられ、主に患部を冷やすことを説明し、喉の痛みより咳であれば気管支を拡張する『南天のど飴』が適応することをお話すると、主訴は声嗄れというため『響声破笛丸』を紹介した。
     今回は、昔ながらのということで『龍角散』を購入された。

     常連のお客様から、13歳の子供が林間学校に行くとのことで下痢止めを求められ、『ストッパ下痢止めEX小中学生用』を案内し、お買い上げいただいた。
     虫除けスプレーはあるようなので、吹き付けるより体に塗るようにするのが効果的と伝えた。
     今回は訊かれなかったため紹介できなかったが、自分なら『柴胡桂枝湯』を持たせたいところだ。
     微熱を伴う風邪、環境が変わることによるストレスの軽減、食中りなどの嘔吐や下痢といった胃腸炎にも広く使えるから。

     

  • 登録販売者の真夏の怪談話

     お客様が『パブロン鼻炎カプセルSα』を購入されるさいに症状を尋ねると、患者はご主人で主訴は透明な鼻水だというため、内臓が冷えている可能性を伝え、入浴と温かい物を積極的に飲ませるよう勧めた。

     高齢のお客様から足が攣ると相談されたので『コムレケア』(芍薬甘草湯)を案内してお買い上げいただいた。
     痩せ型で明け方に足の先が攣るとのことから、夜中の水分不足が考えられるため、寝る前の水分補給と枕元に飲み水を用意するようお話して、就寝中に足が攣ったらすぐに『コムレケア』を服用するよう勧めた。
     夜中にトイレに起きるのを心配されたけれど、あれは水分の摂りすぎではなく、食事で塩分の摂りすぎによって排泄しようとすることから生じる尿意であることを説明した。
     それから喉を潤すときの飲み方と水分を補給するための飲み方は別で 、ゴクゴクと飲んでしまうと腸が受け止めきれず、これは確かに夜中の尿意となってしまう。
     体に行き渡らせるための飲み方は、常温の水を口に含み飴を舐めるように舌で水を転がしながらゆっくり飲むんである。
     他に睡眠導入剤の相談を受けたけれど、病院では以前に使っていた薬を処方してもらえないと言う。
     その睡眠に関して当初は寝つきが悪いというお話だったが、中途覚醒してラジオを聴いて過ごしたりした後は日中に眠くなって困るということはないそうなので、幼児期の睡眠サイクルに戻ってるだけで心配はいらないことをお話した。
     赤ん坊が夜中に何度も目を覚ますのは、まだ脳や内臓が未発達なためで、歳を取ってから中途覚醒をしてしまうのは、要するにそれらの機能が低下するから赤ん坊の頃の睡眠サイクルに戻るのだ。
     途中で起きると日記を書いたりしてるというので、それで良いと思われますと伝えた。
     特に風邪薬で眠るというので、それはやめるようにお願いした。
     真夏の怪談話なみに怖いわ(・_・;)