職域を外れてしまうコトは言えないジレンマ

 お客様から、海外旅行で持っていく風邪薬の相談を受け、「家族みんなで使える物を」との要望に、同じ症状が出るとは限らず体質も異なることを考えると分けた方が良い事をお話したうえで、7歳の子供がいるとのことから『新ルルAゴールドDX』を案内した。
 また、風邪と胃腸炎の両方の面倒を見てくれる『柴胡桂枝湯』を紹介すると一緒に購入していただけた。
 他に、食中たりに『正露丸』を用意したり、家にステロイドと抗生物質と書いてある塗り薬があったら持っていくよう勧めた。

 お客様が『ベトネベートN軟膏』の空箱を持ってきて、同じ物をとの注文を受けて販売したけれど、「前に使って良かったから」という理由なため、抗生物質の入っていない『ベトネベートSクリーム』との使い分けが必要なこともありますと伝えた。
 でも、肝心の用途の症状については話してもらえなかった。

 高齢の夫婦が来店し、人から「虫除けにハッカ油が良い」と聞いたとのことで、水での薄め方や入浴剤として使う方法などもお話した。
 虫除けのために水で薄める場合、無水エタノールを混ぜる方法があるが、水と油が良く混ざるようにするためで、必ずしも必要ではない。

 やや高齢のお客様から『ユンケルD』が風邪に良いか尋ねられたため、体をゆっくり休めるにはカフェイン入りは適さないことを説明したところ、長引いているというため内臓が弱っていることを考え、『新ヒストミンゴールド液』を案内し、お買い上げいただいた。
 すると、病院からは『小青竜湯』が処方されていたというため、胃に負担がかかるかもとお話すると、実際に服用した時に胃が苦しいという。
 処方された薬は飲み切らなきゃと思われてるようで、抗生剤などはそうであるものの、副作用と考えられるため、一回の量を減らすか服用を中止して良いかを担当医か薬剤師に相談するよう勧めた。
 個人的には、すぐにも中止させたいところなれど、職域を外れてしまうから言えない。

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