• タグ別アーカイブ: 風邪
  • お年寄りの「睡眠障害」は「赤ちゃん返り」

     成人の息子さんが喉の痛みを訴えていて声が出ないという事で、親御さんが来店。
     節部の痛みもあるそうで、症状は昨日から現れているらしく、『葛根湯』を服用しても効果が無かったため、今は痛み止めに『イブA』を服用しているという。
     喉の痛みには『葛根湯』は適応しないし、節々が痛むようでは『葛根湯』の時期は過ぎていると考えられるため、『麻黄湯』を勧めてみたのだが、お客様が「喉の症状だけで良い」と言われたため『ペラックT』を案内した。
     ただ、『イブA』を服用しているなら『ペラックT』は不要なようにも思えるし、喉の症状だけの対応で良いというのが、本人の希望に沿うものなのかは疑問の残るところ。
     『麻黄湯』の事を、本人にも伝えてくれると良いのだけれど、なんか心配だ。
     薬を買ってきてと人に頼む時、一般的には何処まで委任してるもんなんだろう。
     この認識のズレを埋めない事には、今後も多いであろう「頼まれ物」というケースに対応しきれない。
     お客様には面と向かっては言わないけど、オヤツの買い出しを頼むのとはワケが違うんですヨーヨーヨー(」´Д`)」!!

     高齢のお客様から、あせもの相談を受けた。
     寝てもすぐに目を覚ましてしまうという話だったため、てっきり痒みのせいかと早とちりしたが、そっちはまた別件の模様。
     あせもについては、痒みの強い時には『タクトローション』を、予防には『ユースキンあせもジェル』を案内し、両方をお買い上げ頂いた。
     目が覚めやすいのは、梅雨の湿気と暑さによる疲労が原因とも考えられる。
     人間は疲れすぎると、神経まで疲れて、「疲れたから休息を取る」という当たり前の反応もできなくなる事がある。
     風邪の疲労の後に用いる『竹筎温胆湯』と、夏の疲労に適している『柴胡桂枝湯』を紹介したうえで、失礼ながら歳を取ってくると赤ちゃん返りのように、睡眠もまとめて取るのではなく、小分けになる傾向があり、それが普通なので、あまり気にしないようにとお話した。
     よく、「年寄りは朝が早い」と云われるが、あれも「朝が早い」とか「睡眠時間が短くなる」というのではなく、睡眠が「小分けになる」のだ。
     だから、仕事のある人は、また別な対応を検討しなければならないけど、基本的には歳を取ったら、朝でも昼でも眠くなったらちょっと横になって、夜中や明け方に目が覚めてしまったら起きてノンカフェインのお茶を愉しむくらい、体の反応に身を委ねるのも悪くないのである。
     仕事のある人は、やはり休息時間も含めてリズムを作る事と、寝入らなくても体を横にしているだけども休んでいるんだと事が重要。
     睡眠関係の薬を使うのであれば、さっきの『柴胡桂枝湯』や、リラックスさせる『半夏厚朴湯』などを候補に。

     

  • 方向音痴の人が道に迷うのは確認しないで先へ進むから

     『のどぬ~るスプレー』をレジに持ってこられたお客様に症状を尋ねてみたら、病院で『イブプロフェン』と『トラネキサム酸』が処方されていると分かった。
     しかし、効果を感じられなくて『のどぬ~るスプレー』を買いにいらしたらしい。
     いや、その処方で効果が無ければ、『のどぬ~るスプレー』は買うだけ無駄になると思いますよ(^_^;)
     処方箋を受け付けた薬局に相談するよう勧めたうえで、風邪で体内が乾燥しているのが原因かもしれず、『麦門冬湯』を紹介しておいた。
     ううん、一度処方された薬を受け取っちゃうと、担当した医師や処方してもらった薬局に、薬が効かった事を言うのを遠慮しちゃうのかな。
     それとも、単に面倒なだけなのか。
     その辺の心理も分かるようにならないと駄目なんだろうけど、どうもそういう面が理解できなくて、自分の職能の方に自信が持てなくなる。
     しかもこの場合、ソッチが当てにならないからコッチを頼ってじゃなくて、自分の判断で別な薬を買おうという訳で、どうして、より効果が期待できない、あるいは危険な方へと行こうとするのか。
     道に迷ったら、来た道を戻るか、その場に留まって救助を待つのが基本姿勢だと思うんですが。

     二十代後半の男性が『オロナイン軟膏』を求めて来店したので用途を尋ねると、ニキビの治療に人から勧められたという。
     不勉強で知らなかったのだけれど、後で調べたら「オロナインでニキビを1日で治す」というのが『Twitter』なんかで話題になってるようで。
     ネットで検索してみると、ちょっと無責任なんじゃないかと思える記事が出てくる出てくる。
     一応は嘘ではないものの、一~二行程度で「赤ニキビのみに効果」と注意書きがあっても、おそらく読み飛ばされてるだろうなという印象。
     『オロナイン軟膏』の効能は「殺菌」と「保湿」で、ニキビを「治す」というのは、過大評価だと思う。
     しかも、今回のお客様の場合、『PAIRクリーム』を使ってみて効かなかったというから、なおさら期待できない。
     詳しく病歴を訊いてみると、ニキビは中学生頃からで高校時代に少し落ち着き、二十代になってまた赤味の強いニキビが口から頬にかけて増えた模様。
     そして食生活を確認すると、見た目痩せているにもかかわらず、体重をセーブするために量を抑えて、サプリメントで栄養を補っているという。
     どうやら、ニキビの原因の一つに脂質が挙げられる事からの対応のようだけど、栄養の偏りが一因のように思えてならない。
     皮膚の再生力は落ちているところへ、熱が上半身に偏在して炎症を促しているのではないか。
     好き嫌いは無いそうなので、サプリメントで補うのは、明らかに自分が積極的に摂らない食材に関する物に限定して、食事の改善を提案した。
     そして、お話を聞いている過程で、勧めてくれた人は女性だと分かり、勧めた人のメンツを潰す訳にもいかず、とりあえず『オロナイン軟膏』は求められるままに販売。
     一方で、うちのお店には置いて無いが、服用薬の『清上防風湯』『排膿散及湯』を紹介しておいた。
     ニキビに限った話じゃないけど、「短期間」や「○○だけ」と使用する物を限定するのは、大抵の場合、良い事ないです。

     

  • 人が使っている薬を、自己判断で使わないで

     『ヒルドイド』を求めて、お客様が来店。
     とりあえず、処方箋が必要な薬である事を説明して、店頭での取り扱いはありませんとお詫びしたのだけど、用途を尋ねて溜め息( ´Д`)=3
     高齢の母親に、湿疹の治療薬として病院から処方されていて、シワが伸びたように見えるから自分も使いたいと思ったらしい。
     確かに、保湿性に優れ、血行を良くする作用があるから、一部では小ジワが失くなるとも云われているし、正規の効能ではないけれど、その効果自体は否定しません。
     が、人が使っている薬を、専門家に相談しないで自分も使おうという考え方は、あまりにも危険。
     今回だって、用途を尋ねなかったら言わなかっただろうし。
     目的からして医師に相談するのは恥ずかしいと考えるというのもあるかもしれないとはいえ、本当に明確な意志で使ってみたいと思うのなら、それくらい恥ずかしいと思わずに、ちゃんと相談して欲しい。
     たまたま『ヒルドイド』は、重大な副作用の報告が稀だから安全性が高いというだけで、自分の体を大切に思うのなら、薬を使うリスクというものは考えて欲しい。

     高校生の息子さんの、腹痛と下痢の相談を受けた。
     いや、この書き方は嘘だな。
     正しくない。
     レジに『ビオフェルミン』と『正露丸』を持ってこられたので、整腸作用を期待する『ビオフェルミン』と、汚染による食中りに効果を発揮する『正露丸』を同時に購入しようというのは、いかなる目的があっての事か気になったから、尋ねたんである。
     お話によると、息子さんはスポーツをしていて、たびたび腹痛と下痢を訴えるのだという。
     それで、『ビオフェルミン』と『正露丸』を以前から服用させているそうなのだが、それで効果を感じられているのかと、実のところそうでもないらしい。
     下痢の方は激しくないというので、『桂枝加芍薬湯』を紹介した。
     芍薬は、痛み止めとしても働く。
     そして、食事は多く食べるらしいのだけれど、どうも痩せ型らしく、胃腸がその食事に対処しきれていないのではと思った。
     足の早い人がいれば遅い人もいて、じゃあその人は足が悪いのかというとそんな事は無いというのと同じで、他人に比べて消化力が弱いのではないかと。
     筋力を使うスポーツと比べて、内臓の能力というのは別物だから、スポーツによってエネルギーの消費が激しいため食欲はあったとしても、脳が思っている程には食べられない、なのに食欲のままに食べてしまうのが原因かもしれない。
     消化を助けるという事では、『安中散』の『大正漢方胃腸薬』が使えると思い紹介した。
     一方、スポーツで失われる水分に対して水分補給をしても、それが上手く吸収されていなくて下痢を起こすというケースも考えられる。
     その場合は、水分代謝を改善する『五苓散』か、胃と肝臓を助ける『柴胡桂枝湯』が適応するだろう。
     と、ここまで話を進めたところで、実は用事があって急いでいると言われた。
     あうっ、またお客様の状況と要望を見誤ったか……。

     若いお母さんが、2歳児の風邪薬にと『葛根湯』を買いに来たけど、すでに発熱して汗をかいているそうなので、適応時期を過ぎていると考え、『柴胡桂枝湯』を案内した。
     そもそも2歳児は、体力を消耗しがちだから、『葛根湯』のように急激な効果をもたらす薬は、漢方薬とはいえ怖いと思う。
     ちなみに、お客様自身は以前に『柴胡桂枝湯』を服用した事があり、気持ち悪くなってしまったという。
     うちの奥さんも、そんな事を言っていたんだよねぇ。
     ふむぅ、個人的には応用範囲が広くて、『柴胡桂枝湯』は便利な処方だと思うんだけど、どういう体質に合わないんだろう(・_・?
     いまいち、良く分からない。
     これは、研究課題ですな。

     

  • 健康な子供の方を個室に隔離

     幼児の虫刺されにと『ムヒベビー』を購入されたお客様から、大人も使用できるか尋ねられた。
     成分からしても問題は無いけれど、薬を家族で一緒に使う事は勧められないとお話した。
     風邪薬など、特に家族での共用を考えがちだけど、年齢・性別・体質などでの相性があるから、一人一人別な物を対応させた方が良い。
     これは別に、その方が儲かるからというのではなく、………儲かるけど、ゲフンゲフン(( +д+))o=3=3
     食事だって、教育関係者は家族バラバラでの食事が悪いみたいに言うけど、本来なら日常生活でのエネルギーの消費も、身体の代謝能力も違うのだから、同じ時間に同じメニューをというのは、医学的な面からは適切ではない。
     うちの場合、家族で一緒に居間にいても食事の時間は別々だったりする。
     酔い止めを買いに来たお客様から、さっきと同じように子供用の『アネロンキャップ』を大人も服用して良いか尋ねられた。
     一部の薬は、大人用と子供用とでは同じブランド名でも成分からして違う物はあるため、大人用を子供に用いるのは危険だけど、子供用を大人に用いる分には大丈夫だとお話した。
     しかしやはり、これまたさっきと同じように、薬は家族でも別々に用意した方が良いと付け加えた。
     一番危ないのは、やっぱり風邪薬や解熱鎮痛剤かな。
     子供用の現代薬だと市販薬では、ほぼアセトアミノフェンの一択しか無い。
     イブプロフェンなどは、子供の脳に悪影響があるとされている。
     ところが困ったもので、世の中には「大人の分量を少なくすれば大丈夫だろう」くらいに考えている人がいて、困る。
     食べ物じゃないんだから(食べ物だってアレルギーがあって油断できない)、家族で分け合うという発想は避けて下さいな。

     小学校低学年の子供の鼻炎の相談を受け、『ムヒ鼻炎こどもシロップ』と『小青龍湯』を案内したところ、下の2歳の子供が先に風邪を引いているという話が出た。
     上の子には花粉症があるそうなので、現時点では下の子の風邪との関連は確定できないため、今回は本人が粉よりもシロップを希望した事もあり、『ムヒ鼻炎こどもシロップ』で経過観察をするように伝えた。
     子供に薬を飲ませて、自室で眠らせようと考える人が多いみたいだけど、これはあまり勧められない。
     子供の症状は目まぐるしく変化する事が多いから、できれば居間にでも布団を敷いて一緒にいるのが望ましい。
     もちろん、風邪のような感染症だと隔離するという考え方もあるのだけれど、隔離するのは「元気な子供の方」であって、病気の子供の方にはつきっきりの方が良い。
     もちろんその場合、自分に感染しないようにマスクの着用とこまめな着替えと手洗いなんかは必須だけど。
     大切な事なので、もう一度。
     もし子供が2人以上いて、別室や子供部屋があるのなら、健康な子供の方を個室に隔離して、病気の子供は側に置き経過観察を怠らないように(・o・)ノ

     

  • 乗り物酔いの予防に温かい食事を

     『のどぬ~るスプレー』の容量の多い物を求めて、やや高齢のお客様が来店したのだけれど、うちのお店には置いていなかった。
     特に夜に喉が痛むそうで、マスクをして寝ているという。
     そのうえ、舌が乾きやすいというお話から、『麦門冬湯』を案内した。
     しかし、糖尿病で通院しているそうなので、担当医に相談してみるよう勧めた。
     喉の痛みと咳の相談で来店したお客様に、詳しく状況を尋ねる。
     2日ほど前からで、熱などの風邪の兆候は無いというので、『ルキノンせき止め錠』と『ベンザブロックせき止め錠』に、『駆風解毒湯』を案内していたところ、学校にいく時間だというので、何も買わずに慌てて店を飛び出していった。
     ありゃん、お急ぎでしたか……。
     そうは見えなかったから、症状を確認して、いくつかの商品を提示し、予算と好みで絞り込みという、いつもの手順を踏んでしまった(;´・ω・)

     中学生の子供のためにと、酔い止めに『アネロンキャップ』を買いにお客様が来店。
     新幹線に乗る予定というので、乗車前の食事は温かい物を飲み、温かい物を食べさせるようお話した。
     腸は冷たい物を受け付けられないから、食べた物は胃で消化するとともに体温程度に温めてから腸に送られる。
     冷たい物ばかり口にすると、この温めるのに時間がかかり、腸に送られるのが遅くなって胃もたれを起こし、これが酔う原因にもなるのだ。
     乗ってからは反対に、冷たい物を飲んで胃の周囲の血管を収縮させておいた方が良いけど。
     うちのお店で、『二陳湯』が仕入れられれば紹介したいところでもある。
     やっぱり酔い止めを買いに来るお客様の中には、せっかくの旅行で眠くなるのは嫌だという要望があるから。
     『アネロンキャップ』の主成分はマレイン酸フェニラミンなのに対して、『センパア』の方は塩酸メクリジンで、『センパア』は「酔ってからでも効く」と謳ってるんだけど、実際のところはどうなんだろうなぁ。
     『センパア』が本当に酔ってから服用しても効果があるのなら、持ってるだけでも気持ちが違うだろうから勧めたいところだけど、酔ってからじゃ効かないという話を聞いた事もあって、ちょっと自信を持って勧められない。
     まぁ、人間の体は機械じゃないから、誰もが同じように効く訳でもないし、薬を売るのって難しい(^_^;)
     栄養剤の棚を行ったの来たりしているお客様がいらしたので声をかけてみたら、猫に使える栄養剤を探しているという。
     猫の年齢は16歳だそうだから、相当に高齢である。
     ここのところあまり食事をしないため、心配している様子。
     生命力には腎が関わるので、『猪苓湯』を案内して、顆粒を水に溶きスポイトで飲ませるか、顆粒のまま口に放り込むよう説明した。
     少しでも元気になってくれると、良いのだけれど。

     

  • 医療関係者に健康相談するためのチェックリストとかあります?

     友達から頼まれたと、成人のお客様からの相談は咳。
     明け方に酷くなるそうで、眠くならない物を本人は希望しているという。
     『五虎湯』を案内しようと思ったけど、本人の体質を詳しく尋ねたら、胃腸が弱いそうなので『麦門冬湯』に変更した。
     ところが、さらに詳しく症状を確認すると、頭が重いと訴えていて、風邪の徴候がある様子。
     だから、なんでそういう情報を先に言ってくれないのか(;´・ω・)
     発熱に備えて『麻黄湯』と、発熱後の体力の消耗を見越して『柴胡桂枝湯』を勧めたところ、両方をお買い上げ頂いた。
     スマホアプリで、医療関係者に健康相談するためのチェックリストとか探せばあるかなぁ。
     あれば、宣伝するよー( 」゚Д゚)」!!
     あっ、「自己判断で薬の乱用をしないように」と注意書きは加えておいて下さいな。
     念のため。
     『ヘパリーゼ』の錠剤を購入されたお客様に、肝臓の薬として『ネオレバルミン』を紹介した。
     ところが、この後に最悪のミスを……。
     お客様が帰った後に、レジを見たらクレジットカードが残っていた。
     ウギャッ∑(゚ω゚ノ)ノ
     お客様控えを渡す時に、クレジットカードを返すのを忘れた。
     慌ててお客様を追いかけようとしたら、何故かレジに他のお客様の列が。
     いつもは、1時間に片手で数えられるくらいのお客様しか来ないのに、なんでこのタイミンクで(汗)
     応援を呼ぼうにも、この時間帯は私一人。
     並んでいたお客様の会計をしていたら、急いでさっきのお客様を探したけど、すでに姿は無く、カード会社に問い合わせたとしても当然お客様の個人情報など教えてもらえる訳も無いため、警察に連絡して本社には事故報告。
     現金を拾ったなら着服が、クレジットカードを返しそびれたら悪用が疑われるため、とにかくまず警察に連絡とマニュアルで定められているので。
     本社からは、お咎めは受けなかったけど、お客様とお話する時は会計を終えてからと釘を刺された。
     なにより、お客様ごめんなさい……orz
     なんか今日は立ち直れない。
     そうは言っても、他のお客様にも迷惑をかける訳にはいかず。
     『ナロン』を求めて来店したお客様に、『ナロン錠』と『ナロンエース』のどちらが良いのか尋ねて確認。
     しかし、今まで自分がどちらを服用していたか覚えていないという。
     『ナロン錠』はアセトアミノフェンとエテンザミドの組み合わせで「解熱鎮痛剤」、『ナロンエース』はイブプロフェンとエテンザミドの組み合わせで「鎮痛解熱剤」といったところ。
     似ているようで、成分の違いは症状や運用の違いとなります。
     今回は、『ナロンエース』を選ばれた。
     市販薬の名前はブランド名に過ぎませんので、成分の部分を切り取るか写真に撮って記録しておいて下さませ。

     

  • 忘れてるかもしれませんが、風邪は死ぬ病気です

     風邪の相談を受けたので、いつからかを確認すると昨日から悪寒を感じて微熱があるという。
     すでに『葛根湯』の適応時期は過ぎていると判断し、『麻黄湯』を勧めた。
     また、授乳中の奥様の風邪の予防も相談された。
     自分の風邪が移る可能性を考えてのことだろう。
     頭が重い気がしたり、悪寒を感じたら早いタイミングで『葛根湯』を服用する事と、ここのところの暑さで体力が低下するのを防ぐために『柴胡桂枝湯』を予防に使う方法を案内した。
     中学生の息子さんの相談で、お客様が来店。
     主訴は喉の痛みと微熱らしく、昨日は鼻水が出ていたものの今日は出ていないという。
     学校に行ってしまったというのが心配。
     学校には、「皆勤賞」とかいう悪しき風習がありがちとはいえ、風邪を甘く見ないで欲しい。
     風邪は、死ぬ病気ですからね。
     しかも、他人に感染する。
     クラスメイトは大丈夫かもしれないけど、そのクラスメイトの家には赤ん坊が居るかもしれないんですよ?
     本人だけならともかく、人を巻き込んじゃいけません。
     まぁ、言わなかったけど(^_^;)
     今回は現代薬を希望されたので、『コルゲンコーワIB錠TX』を案内した。
     栄養剤も希望され、不要だとは思ったものの、お客様の要望に応えるのも小売業の役割だったりもするから、喉の症状に効果が期待できる『HP新ヒストミンゴールド』を勧めて、お買い上げ頂いた。
     でも、栄養剤を体内で処理するのにもエネルギーを使って、それが風邪を治す邪魔になったりするから、よほど普段から偏食しているとかの事情が無ければ、やっぱり不要だと思う。
     お客様には、本人に食欲があっても、普通の食事ではなく消化の良い物にするよう、お話した。
     理由は、同じく食べた物の消化にエネルギーを消費するから。

     

  • 薬を買う時には行動予定も重要な情報

     『のとぬ~るスプレー』を選んでいるお客様に声をかけてみたら、喉の痛みが強いようだったので内服薬として『駆風解毒湯』を勧めた。
     合わせて『のとぬ~るスプレー』も、お買い上げ頂いた。
     喉が痛む間は、キュウリやトマトなどの夏野菜を避けるようにお話して、胃が弱っているのが喉の痛みの原因かもしれないと伝えたところ、思い当たる様子。
     よく、喉が痛い程度だと食事については普通に食べてしまいがちだけど、胃から直通の喉の症状というのは、胃との相関関係が深いので、喉が変だと思ったら消化の良い食事に切り替えるよう勧めた。
     医師から体重を減らすように言われたという、やや高齢のお客様にダイエットの相談をされたけど、見た目は太っていない。
     内臓脂肪をという事なのだろうけど、ダイエットの健康食品に惹かれている様子で、高血圧もあるようだし、治療目的であれば『防風通聖散』をと案内した。
     成人の娘さんに風邪薬を頼まれたという、お客様からの相談。
     昨日に節々の痛みと吐気を感じたものの、今朝は吐気については言っていなかったという。
     自宅に『ルル』はあるというのだけれど、どの『ルル』かは分からない模様。
     市販薬の名前は単なるブランド名みたいなものだから、同じ名前のようでも記号や数字なんかが違うと成分も違うので、「ルルなのは間違い無い」と言われても、なんの手がかりにもならなくて困る。
     とりあえず、適応するか分からなかったため飲んではいないそうなので、『ルルアタックFX』を案内してみると、娘さんは今日の帰りに歯科医に寄ってくるという。
     ナ、ナンダッテー(`・д´・ ;)!?
     どうして、そういう重要な情報を先に言ってくれないの……。
     歯科医に行ったら、治療で麻酔薬を使う可能性がある。
     今朝は吐気はしなかったようなので、いったんは考慮しなかったけど、麻酔薬と風邪薬の成分が影響し合うのが怖いのと、吐気の方を改めてターゲットにして『柴胡桂枝湯』の方を勧めた。
     歯科医に行く時には、服用している薬とか、発症している病気とか気をつけないといけないんだけど、世間的にはあまり認知されていないのかしらん。
     本人も気にしていなかったら、怖い話だ。
     例えば、風邪薬を飲んでから歯科医に行った場合には、歯科医の方から直近で服用した薬が無いか尋ねて確認するだろうけど、歯科医に行った後で服用するとした場合には、その事を歯科医に伝えていなければ特に注意されないかもしれないし、下手をすると麻酔薬を使った事を意識せずに家に置いてある風邪薬を帰宅直後に飲んでしまうというパターンが考えられる。
     もしくは、頓服として痛み止めが処方されて、その痛み止めと風邪薬を併用してしまうかもしれない。
     今回は偶然に知る事ができたけど、周辺情報を聞き出す技術を磨かないといけないなと反省(;´・ω・)

     

  • お医者さんレベルをドラッグストアーに期待されても困ります

     女性のお客様から、「生理を遅らせたい」と相談された。
     スポーツの試合とか旅行の時期とズラしたいとか、わりとある相談の方かと思った。
     まぁ、相談されても病院で低用量ピルを処方してもらうくらいしか方法は無いと思いますが。
     何かの漫画で、漢方にあるらしい描写を読んだ事があるものの、ちょっと想像がつかない。
     生理を早くするなら、『黄連解毒湯』とか『三黄瀉心湯』とか考えられるけどね。
     正式に認められている効能じゃないから、その目的では店頭では売れないし。
     そんな事を考えていたら、一回ごとの生理の話じゃなくて、「閉経を遅らせたい」という事だった。
     一介のドラッグストアの店員に、そんな事を相談されても困るσ(^◇^;)。
     しかも、よくよく話を聞いたら、お客様本人じゃなくて人から頼まれたらしい。
     頼んだ人は、40代前半らしく漢方薬を探しているそうな。
     う~ん、血流からアプローチする『加味逍遙散』『桂枝茯苓丸』、気からアプローチする『補中益気湯』『人参養栄湯』、水からアプローチする『五苓散』『当帰四逆加呉茱萸生姜湯』などなど、候補になる物は多いですが、やっぱり本人の体質に合わせない事には選びようがありません。
     やはり、漢方薬に詳しい病院を受診するよう、ご本人に伝えて下さいとお話した。
     鼻水とクシャミが頻発し、咳も出るというお客様。
     風邪薬を案内した方が良いかなと思ったけど、花粉症の方が思い当たるらしい。
     普段は、同様の症状が出るとアレルギー薬の『アレグラ』を服用しているという。
     『小青龍湯』と『ストナリニS』を紹介したところ、『ストナリニS』の方を購入された。
     鼻水が出るという事は、内臓が冷えていると考えられるので、意識的に温かい物を飲むように伝えた。
     『小青龍湯』なんかは、まさに体を温める物だから、個人的にはお勧めだったんだけど。
     お客様から喉の痛みと、しわがれ声の相談を受けた。
     数日前に熱風邪をひいたらしく、服用した風邪薬で体内が乾燥したのだろうと考え、一度は『麦門冬湯』を案内したものの、やはり主訴は喉の痛みの方だと考え直し、『駆風解毒湯』を勧めて、お買い上げ頂いた。
     しわがれ声だけなら、『響声破笛丸』という選択もあったんだけど。
     それと、喉が痛いと、つい水気のあるキュウリやトマトなどの夏野菜が食べたくなるだろうけど、体を冷やしたり、水分代謝を悪くして、体内を乾燥させる方に働くから、当面は避けるようにお話した。

     

  • お薬手帳を断るなら、ついでに救命も断りますか? 20円安くなりますよ……自分の命が

     娘さんが、ものもらいという事で抗菌目薬を買いに来たお客様から、『ロート抗菌目薬』の分包タイプを利用して効果が得られなかったと相談された。
     薬の効きが良い悪いという事ばかりではなく、相性という事もあるので、『アイサット抗菌目薬』を案内した。
     ただ、詳しいお話を聞いてるうちに、分包タイプの目薬の1本を2~3回に分けて使用していたと分かった。
     ギャッ!!Σ(ll゚Д゚ノ)ノ←本当に、こんな顔をしていたと思う。
     分包タイプの利点は、瓶タイプが一度開栓したら短期間に使い切らないとならないのと違い、1包が使い切りだから長期保存しておける点と、容器の口の部分が睫毛に触れたりして汚染されるのを防げる点にある。
     それを、分包タイプの1包を複数回に分けて使っていたのでは、そもそも分包の意味が無い。
     ううん、世の中には座薬を飲んでしまう人もいるというから、分包タイプの意味を必ずしもお客様が理解して購入しているとは限らないという事。
     販売時に、用途はもちろん使用方法についても、ちゃんと説明しないといけない。
     ………とはいえ、ドラッグストアじゃレジに持ってこられた薬は、ほぼ説明スルーでお会計というのが現状。
     どうしたら良いの、教えてエライ人(;´・ω・)
     成人の息子さんが、めまいや立ちくらみを起こすという事で、母親から相談を受けた。
     症状が現れるのは朝食後だけで、お昼以降は問題無い様子らしい。
     血糖値が急激に上がってとかなら、それが昼食でも同じ事だろうし、寝起き直後の胃の働きが悪いのだろうか。
     消化のために血流が集中して、症状が起きているのかもしれない。
     普通の食事ではなく、雑炊やスープなどの消化の良い物を朝食にするよう勧めた。
     他に、肩こりもあるそうなので、上半身の血流改善に『独活葛根湯』を案内したところ、お買い上げ頂いた。
     ツイッターで、「お薬手帳断ろう、20円安くなる」というツイートが拡散されているというニュース。
     取り上げていたまとめサイトを見てみたけど、やっぱり勘違いされているなぁと感じた。
     http://blog.livedoor.jp/dqnplus/archives/1799297.html
     「絶対に一つの医者からしか処方箋をもらわないなら」不要とか、「多くの科に通う人は注意だ」というコメントは、飲み合わせという面では正しいけど、あくまで一面でしか無い。
     「家に持ってるんだからシールでくれればいいのに」というコメントは、なんで手帳の形態なのかを考えていない。
     「薬の説明書きは別にもらうんだからそれを管理しとけばいいだろ。お薬手帳という形式である必要はない。」なんてコメントもあるくらいだから、本当に必要性が理解されてないんだというのは分かった。
     「薬剤師が手帳見て出す薬変えられるわけでもない」っていうのも、薬の変更はできないけど、それまでの服薬歴から外れる薬が処方されたら、疑義照会くらいはしますよ?
     「同じ薬を毎回出しているのに 、そのつど指導料を取る悪徳商法」という考え方は、データには継続性が必要だという事を理解していない。
     さっきのように、毎回同じ薬の服用記録があればこそ、患者さんのおおよその病態が推察できて、だからこそ違う薬が処方された時に、疑義照会をしようという判断にもなるし、それによって患者さんの病態の変化というものも知る事ができるのだ。
     また、同じ薬が継続的に処方されているという事は、その薬に対しては重大な副作用を起こした事が無いという証拠になるし、反対に他の薬が使用できない可能性というものを示唆していたりする。
      「その気になれば、ネットで薬名、薬効、副作用、禁忌も調べられる」というのは、正にその通りなんだけど、文書的な資料と現場での使用状況とは必ずしも同じではない。
     禁忌の場合はともかく、時には副作用の発現を期待して処方される薬という物もあるので。
     一般的に「副作用」というのは、使用して悪い症状が現れる事と誤解されているけど、読んで字の如く、あくまで「主作用」に付随して起きるのが「副作用」というもの。
     その「副作用」がクローズアップされて、それを「主作用」として発現するよう調整して開発された薬は数知れずである。
     「単なる日記、ほとんど意味がない」というのは、きっと日記を書いた事が無いか、宿題で作文を書くのに苦労した人であろう。
     これもさっきの継続の有用性と関係あるけど、日記というのは淡々として変化の無い日常を書き続ける事に意味がある。
     平凡な日常の中に、ポッと特別なイベントがあるから、そのイベントは目立ち思い出深くなるというもの。
     そして、その人の事を知ろうとする時、特別なイベントのあった時だけ日記に書いても、比較対象が無ければ、どれだけ輝いているか「他人から」は分かりようが無い。
     「同じ薬局を常に使う人にとっては、不要だしな。」というのは、引っ越しの経験が無い人なのだろうか。
     ことによると、旅行なんかもした事が無いのかもしれない。
     お薬手帳を必要としているのは、実は本人ではない。
     いや、本人のための物なんだけど、使うのは他の人なのだ。
     それは誰かといえば、もちろん医療関係者。
     ただし、その医療関係者は、「かかりつけ」とは限らない。
     出先で具合が悪くなったら?
     大きな事故に遭遇したら?
     災害に巻き込まれたら?
     本人に意識があればまだしも、意思の疎通が図れない状態だったら、どうするのか?
     身元確認のために、手荷物を調べたりするだろう。
     その時に、お薬手帳を見つければ参考になる。
     なにしろ痛み止めや、血圧降下剤あるい強心剤など、その手の緊急に用いる薬は、効果的である反面、その副作用も強く発現しやすい物だ。
     風邪で病院や、歯痛で歯科医へ1回でも行った事があれば、解熱剤や鎮痛剤くらいは処方された事があるはずだ。
     使用した事のある解熱鎮痛剤が分かるだけでも、それは重要な情報である。
     一刻も早く投与しなければならない状況では、スピードこそが重要で、それを実現する一助が、お薬手帳。
     お薬手帳は、常に携帯している事が重要なのだ。
     一部の地域では、お薬手帳をスマホアプリなどへの電子化を勧めていて、それはそれで便利そうなので賛成だけど、事故や災害という状況を考えると、機器の故障だの電源の確保の問題を考えると、水で濡れようがドロで汚れようが、焼失でもしない限り判読の可能性がある紙の手帳の方が安全だろうと私は思う。
     電子化が当たり前になっても、紙の手帳は残しておいた方が良いだろう。
     ………ここからは、独り言の暴言。
     自らの意志で明確に、お薬手帳を断るという人は、臓器移植の意思を示すドナーカードのように「救命拒否カード」とか持ってはどうか。
     事故や災害の状況によっては、命の選別とも言われる「トリアージ」が必要な事がある。
     その時に、見捨てて良い命を簡単に判別できれば、他に救える命がいるあもしれないので。