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  • 事業家エジソン

     風邪薬を求めて患者さんが来店。
     お話を聞いてみると、症状は咳が主体で喘息気味らしい。
     鼻水が少し出てくるようなので私は小青龍湯(しょうせいりゅうとう)が適応すると思ったのだが、お母んは咳は弱く喘鳴がするから半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)が合うだろうという見立てをした。
     着眼点によって、考え方が違うのは漢方薬の難しいところではある。
     http://www.kitazono.jp/syoho/syouseiryutou.htm
     http://www.kitazono.jp/syoho/hangekoubokutou.htm
     今回は、咳き込むほどでは無いようなので、半夏厚朴湯を試してもらう事になった。
     それと、患者さんからは栄養剤も一緒に希望された。
     栄養剤は体に余計な負担をかけて無駄に体力を消耗する事があるから飲まない方が良いと伝えたのだが、どうしても欲しいという事なので、サースモン煌樹(こうじゅ)を売った。
     http://www.kitazono.jp/drug/koujyu.htm
     15時頃に関東東方沖で地震があったそうで、テレビには津波速報が繰り返し出た。
     海底での地震だったらしく、陸地では揺れをまったく感じなかった。
    (後で調べたら八丈島の東北東230キロ付近)
     さすがにスマトラ島沖で起きた地震の津波による被害の記憶がまだ残っているせいか、テレビ局を含めて各セクションの対応は早かったというところか。
     さて、これが忘れた頃にもできるかどうかが課題。
    「胃薬を下さい」と来た患者さん。
     肝心の商品名もメーカー名も分からないのに、ソレが欲しいと仰る。
    「テレビでよくやってるんです」と言われるが、何種類もあって予想もつかない。
     症状を尋ねても、ソレが欲しいんだとばかり繰り返して教えてくれず、やむなく近くのドラッグストアーを紹介した。
     見つかれば良いが、見つからなかったら紹介したドラッグストアーさん、ゴメンなさい(^-^;
     患者さんから半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)と半夏厚朴湯((はんげこうぼくとう)の使い分けについて尋ねられた。
     http://www.kitazono.jp/syoho/hangesyashintou.htm
     http://www.kitazono.jp/syoho/hangekoubokutou.htm
     どちらの名前にも付いている半夏という生薬に中枢抑制作用があり、主に神経性の症状に効果を及ぼす。
     大まかに分けるとすれば、半夏瀉心湯はみぞおちから下の胃を含む周辺、半夏厚朴湯はみぞおちから上の肺を含む気管支辺りといったところ。
     あとは、より水分代謝の不調が影響している場合には半夏厚朴湯を使う事になるだろう。
     具体的には舌を鏡で見た時に、舌全体が白っぽかったり、舌に歯の跡がついていると浮腫(むく)んでる証拠なので、水の巡りを良くするために用いる。
     家で夕飯を食べながら『トリビアの泉』を観た。
    「エジソンが亡くなった時、全米の電気を消した」というのがトリビアだった。
     このネタ、伝記物を読めば普通に載ってる事じゃなかったっけ?
     補足トリビアとして、「電球を発明し、発明家として有名なエジソンであるが、事業家でもあった。」という解説がされていた。
     今までの偉人の恥ずかしい過去などを暴露していた同番組ならば、ライバルに対しては、かなり陰湿なイヤガラセをしていた事も補足すれば良かったのに。
     エジソンが事業として経営していた会社の1つが直流電気の発電所で、配電システムが比較的容易に済む反面、遠く離れた所に送電しようとすると距離に比例して電圧が下がってしまうという欠点があった。
     当時すでに交流電気の方が配電システムとして安定して遠くへ送電する事が可能だと分かっていた技術者たちは、交流システムの導入を政府に働きかけたりしていた。
     しかし、エジソンはすでに直流システムに莫大な資金を投じており、自身のブライトもあるためか、交流電気を徹底的に糾弾したのだ。
     例えば、新聞記者の前で交流電気で多数の動物を殺して見せて、交流電気は人体にも害があると喧伝したり(直流電気だって電圧が高ければ死ぬぞい)、死刑の電気椅子には交流電気を使うように政府に自分で働きかけておいて、「死刑に使われるくらいだから交流電気は危険である」と主張して、およそ科学者とも偉大な発明家とも思えない暴挙をやっていた。
     科学知識だけならば容易に得られる現代だからこそ今となっては笑い話ではあるが、『ゲーム脳の恐怖』などのように著名人が間違った事を言い立てて民衆を騙そうとする危険性は今も変わらない訳で、この事実はもっと知られるべきだと思う。
     あっ、それじゃ無駄知識の探求にならないか。
     そうそう、トリビアの種のコーナーでは、始まる前に番組の責任者が、以前に同番組で放送した、「有名ジーンズメーカーのジーンズで、もっとも強いのはどれか」という実験について謝罪していた。
     あれは重機を使用したもので品質を問うものではなかったという、当たり前すぎるコメントをしていた。
     確かに、正月に放送した「フランスのパティシェが一番美味しいと思う甘い日本のお菓子はどれか」という時には、わざわざテロップで「品質とは関係ありません」というような断りが出ていたのに対して、このジーンズ対決の時には出なかったな。
     それにしたって、いい加減な健康情報を流す情報番組じゃなくて、嘘も冗談も折り込み済みのバラエティー番組に、苦情を言った馬鹿がいたのかと、思わず膝を叩いて「へぇ」を3つくらいあげたくなった(笑)
     ゴルフ場などでキャッシュカードがスキミングされ多額の現金が引き出された事件で、ゴルフ場『レイクウッドゴルフクラブ富岡コース』の支配人を始めとした、スキミング実行役の男らが逮捕されたというニュース。
     http://www.shonankk.co.jp/lgc/lgctop.htm
     なんでも支配人が貴重品ボックスのマスターキーを窃盗グループに提供し、合鍵を作らせていたそうで、そりゃ盗み放題だなと感心すると共に、特定の施設の利用者に集中したら、いずれバレると分かりそうなもんだろうにと呆れた。
     貴重品を預け入れる時に貴重品を預けた事の無い私には、被害者がどうしてそんな簡単に預ける気になったのかも不思議。
     以前に某レストランで、ラストオーダーなのでお会計をと言われ、クレジットカードで清算しようとしたら店員がカードを持っていこうとしたから、目の前で手続きして下さいと言ったら困られてしまったのだけれど。
     テレビの画面には、「貴重品は必ず貴重品BOXをご利用ください」と勧める看板が映って爆笑。
     ご丁寧に、「支配人」とも書き添えられていた。
     さらにさらに、「暗証番号の盗用による場合、損害の責任は負わない」と書かれたプレートもあって、芸の細かい人だなと思わず拍手。
     よっ、泥棒支配人!!
     おひねりあげちゃお(*^0^*)ノ ポイ((((((●~*

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  • ≪第1回≫麻黄附子細辛湯

    漢方薬症例クイズ≪第1回≫

     実際の症例を元に、患者さんの症例データーを提示します。
     “書いてある内容”から推理して、適応すると考えられる漢方薬の名前を当てて下さい。
     基本的に当店で扱っている漢方薬としますが、解答としては必ずしも限定しません。「なるほど、その方法もあるか」と思われる解答であれば、正解とする事があります。(生薬のみや民間療法などは除外します。)
     正解者の中から、抽選で2名様に『サトちゃんチョークバック』を進呈いたします。
     絶対の正解というものはありませんのであくまで、“あそび”として楽しんでいただければと思います。
     皆様の参加をお待ちしています。(終了しました)

    サトちゃんチョークバック

    porch01.jpg (79273 バイト) porch02.jpg (81108 バイト)
    表側       裏側

     ベルトなどに取り付けるチョークバックです。
     写真では、350mlのペットボトルを入れてみました。
     結構便利に使えます(⌒▽⌒)

    募集期間:2月14日(土)~29日(日)
    正解発表:3月3日(水)

    問題
     65歳、女性。身長150cm、体重50kg。
     主訴は、クシャミ、鼻水、鼻づまり、悪寒。
     顔色は蒼白く、舌はやや白い程度。悪寒が背中から全体にかけてするという。
     咽喉(のど)の痛みは無く、食欲は少ないが、熱はあまり高くないとの事。
     季節は冬。関東地方の平野部に住んでいるが、雪が降った日の翌日から症状が始まった。


    正解
     
    正解麻黄附子細辛湯です。
     正解者の中から抽選でという事でしたが、単品で正解した方が2名のみでしたので、そのまま当選者といたします。
     当選したのは、以下の2名の方です。おめでとうございます。
    PzGr様…選んだ理由:悪寒、鼻水、顔色悪いかな?
    アヤ様…選んだ理由:悪寒がひどく風邪に似た症状もあるので。

    解説
     通常、上半身が冷えるとクシャミや鼻水となり、上半身に熱が篭ると鼻づまりとなります。
     この時点で主に候補となる物としては、クシャミや鼻水には葛根湯小青龍湯、鼻づまりには葛根湯加川きゅう辛夷辛夷清肺湯などがあるでしょう。実際、解答の中では葛根湯が一番多く、次いで小青龍湯となっていました。
     ここで迷うのは、患者さんは鼻水と鼻づまりの両方の症状がある事です。対処療法としては、それぞれの症状ごとに小青龍湯葛根湯加川きゅう辛夷を交互に飲むという方法もあります。
     しかし、問題の中ではさらに悪寒があり、雪が降った翌日からという注目するべき点があります。つまり、“冷え”が強いという事です。
     もう1つ気になる事としては、熱はあまり高くないという点です。葛根湯を推す人の中には「風邪の初期のようだ」と予想した人もいましたが、すでに鼻に症状が出ており、食欲が少ない事、年齢が年寄りという程ではないものの中年以降である事から体力的な衰えを考慮すると、これから熱が出る初期というよりは、体力的に“熱を出す事ができない”と考えられます。
     以上の事から、この患者さんには麻黄附子細辛湯を用いました。

    補足
     温めるという目的で麻黄附子細辛湯小青龍湯を併用するという解答もありましたが、今度は温まり過ぎて気分が悪くなるかもしれません。まずは、どちらか一方で様子を見るというのが良いでしょう。
     また、風邪の中期から後期ととらえて柴胡桂枝湯小青龍湯を併用するという解答もありました。胃腸や肝臓を養いつつ温めて体力をつけさせるという着眼点は良いと思います。
     今回のクイズでは生薬の成分には触れませんでしたが、麻黄附子細辛湯小青龍湯の組み合わせでは麻黄(まおう)という生薬が、柴胡桂枝湯小青龍湯の組み合わせでは柴胡(さいこ)が重複してしまい、あまり好ましくありません。漢方薬を複数用いる場合には、この生薬の“重複”に気をつける必要があります。逆に生薬を重複させて特定の効果が高まる事を期待するという使い方もあるので、その辺りはお店で相談するようにしましょう。
     真武湯柴胡桂枝乾姜湯という解答もありましたが、今回の場合は問題の中でそこまでの衰弱や胃腸虚弱である事を示すものはありませんので、残念ながら除外となります。
     それと、解答で多かった葛根湯は「風邪の初期には葛根湯」というイメージが定着しており、それ自体は確かなものの、この“風邪の初期”というのがなかなか曲者です。ウチのお店にも「風邪のひき初めで」と言う患者さんが来るのですが、大抵は鼻に症状が現れていたり咳が出ていたりして、すでに初期を過ぎているという事が多くあります。
     定まった説がある訳ではありませんが、葛根湯の効力から考えると「頭が痛い……ような気がする」とか「寒気がする……かな?」という状態を初期と考えて、その段階で服用する方が効果的です。風邪の治療として使う場合は、症状が出てからでは葛根湯は遅いと思っておいて、風邪をひいた気がする段階で服用ようできるように普段から持ち歩いておくのが良いでしょう。

    解説:北村俊純


    参加者コメントより
     犬山しんのすけ:どうしても小青龍湯に目が行ってしまいまし。また、紫胡桂枝湯には、悪寒を抑える働きがあるとの事ゆえ、併用で。うぅん、やっぱりお薬の道は深い(^^;
     一度目につくと、ついつい捕らわれてしまうんですよね。私も「コレにはコレ」という癖がつかないように気をつけたいと思っています。(北村)

     morikawa:漢方薬の名前を漢字で入力しようとしたが挫折しました。ひらがなで入れるのもひと苦労。このHPを作った人はすごい! どう入力すればみたことない漢字をあんなに並べられるのだろう。
     日本語入力のユーザー辞書に地道に登録していきました(^_^;)(北村)

     

  • ≪通巻37号≫
    クリスマスカードを作る前に綴りをチェック/漢方薬のお店に来て漢方薬は嫌だとはこれいかに?/アミノ酸再び、いやテレビでは三度目か

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      ★彡☆-=★彡  それさえもおそらくは平凡な薬局  ★彡☆-=★彡
                      ≪通巻37号≫
      提供 : まぐまぐ http://www.mag2.com/
      発行 : 北園薬局 http://plaza2.mbn.or.jp/~kitazono/
      編集 : 北村俊純
      窓口 : kitazono@a1.mbn.or.jp
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    ~~~~~~~~~~~~~ 今回の日記の主な話題 ~~~~~~~~~~~
    ※11月15日(土)……クリスマスカードを作る前に綴りをチェック
    ※11月16日(日)……漢方薬のお店に来て漢方薬は嫌だとはこれいかに?
    ※11月17日(月)……アミノ酸再び、いやテレビでは三度目か
    ************************* 今回の平凡な日記 ***************************
    ◆11月15日(土)/2003年◆
     胃薬を飲んでいるのに、朝食の後にみぞおちが痞(つか)えるような感じがするという患者さんが来店。
     飲んでいる胃薬が何か尋ねると、『ガスター10』との事。
     『ガスター10』は効能書きに「胃痛、胸やけ、もたれ、むかつき」となっているが、使用目標は“胃酸過多”である。つまり、胃酸の出を抑える作用があるわけで、胃酸過多による症状でなければ胃酸の出が悪くなって胃痛や胃もたれになってしまう。
     適しているかどうかの目安としては、症状が“空腹時”に現れるのか“満腹時”に現れるかだろう。
     今回の患者さんの場合は、食後という事なので適応外となる。
     そこで、舌の状態を見せてもらうと、舌の白い苔が左右に割れていた。これは、神経的な緊張(心配事)などが原因で胃が水を上手くさばけていないと考えられる。
     その事を尋ねてみると、どうやら当たったようで悩み事がある様子。となると、治療するための漢方薬としては、2種類が候補に上がる。
     みぞおちが痞えるような感じがするというのに相違が無ければ、胃が痙攣しているという事なので半夏写心湯(はんげしゃしんとう)が適応する。
     もう少し上の部分、咽喉の下の方が痞えるようであれば、食道が狭窄しているということであるから半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)が適当だろう。
     また、胃潰瘍の予防には柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)も使える。胃潰瘍を治すほどではないが、消化器と肝臓を助ける働きがあるので、症状が激しくなければ使ってみるのも良い。
     今回の患者さんは、まず半夏写心湯を試してみて、合えば服用を続け、合わなければ半夏厚朴湯を試してみるという事にした。
     眩暈(めまい)と吐き気に葛根湯(かっこんとう)を求めて患者さんが来店。
     風邪の初期であれば、そういう選択もあるとは思うが、お話を訊いてみると、わりと頻繁に起こってる症状らしい。
     吐き気が強いようであれば、二陳湯(にちんとう)を服用すればだいぶ楽になるはず。
     しかし、食欲が落ちているわけでもないのに眩暈とともによく起こるのだとすれば神経的な要因も考えられる。
     今回は、神経的な眩暈に重点を置いて苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)を勧めた。
     そろそろクリスマスのイルミネーションが飾られたり、クリスマス商戦に向けた企業やお店の宣伝活動が始まった。
     それらのチラシやポスターを見て気になるのは、『X’mas』という表記。
     最近では『Xmas』という表記が増えたのに、未だに『’(シングルクォーテーション)』を見かけることがある。近所のスーパーのチラシに書いてあった時には、前のめりにズッコケてしまった。(人生いつでも前のめり。)
     英語表記では、『’』は何らかの文字を省略した場合に用いる。「I am」を「I’m」とか、「can not」を「can’t」というように。
     では、『X’mas』というのは、何を省略しているというのか。
     そもそも、あの『X』は、アルファベットの『X(エックス)』ではなく、ギリシャ文字の『X(カイ)』である。『X(カイ)』は、それ一文字で『キリスト』を意味する。
     そして、『mas』は英語では『お祭り』の意味で、その語源はラテン語の『missa(ミサ)』に由来し、本来の意味はカトリックの事を指して、そこから転じて、ローマカトリック教会で神を讃え、賛美と感謝を捧げる聖体拝領を行う典礼の事を意味するようになった。
     だから『クリスマス』とは、“キリストを讃えるお祭り”という意味で、『Xmas』という1つの単語なのだから、何も略してはいないのだ。
     『キリスト』を英語で表記すると『Christ』だから、『Christmas』というのを省略するとすれば『C’mas』という表記が正しいかもしれない。見たこと無いけど。
     ちなみに、『キリスト』というのは名前ではなくて、油を塗られた者という意味で、王に与えられた称号だったのが転じて救世主の意味となり、『イエス』の敬称として使われるようになった。
     もしこれからクリスマスカードを自分で作ろうという人がいたら、『’』を付けないように気をつけましょう。
    //////////////////////////////////////////////////////////////////////

    ◆11月16日(日)/2003年◆
     以前に腰の神経痛で麻杏よく甘湯(まきょうよくかんとう)を渡した患者さんが来店。
     神経痛の方は治まったのだが、肩こりが残っているとの事。
     しかし、仕事で良く手を使うという話を以前に聞いているので、腱鞘炎と同じ症状が肩に出ているのではないかと推測した。
     詳しく訊いてみると、やはり“こり”というよりも“痛み”の方が強いらしい。
     胃腸は丈夫そうなので、桂枝加朮附湯(けいしかじゅつぶとう)を勧めた。
     効能は腰痛や関節痛だが、腕を良く使う人の疲労による痛みにも効果がある。
     咳止めの薬が欲しいという患者さんが来店。
    「早く治るヤツをくれ」との事だったので、まずは咳の種類を確認するために症状を尋ねてみた。早く治すには、ピンポイントで狙い撃ちするのが大事である。
     ところが、「そんなのいいから、効くヤツくれよ」という。
     ええと、教えてもらわないと手も足も出ないんですけど。
     とりあえず重ねて、痰のからむようなゴホンゴホンという咳か、乾いたようなコンコンという咳かを質問すると「両方だ」との答え。
     両方? うーん、まぁそういう事もある。
     そこで、寒くなると酷くなるか暖かくなると酷くなるかを尋ねてみた。すると、寒くなると酷くなるという答えだった。
     寒くなると咳が酷くなる場合には、温めながら咳を止める小青龍湯(しょうせいりゅうとう)が適応するだろう。
     そう思って勧めてみたのだが、「漢方薬は長く飲まなきゃ効かないんだろう」と断られた。
     “また”である。漢方薬は長く飲まなければ効かないという誤解は、どこから出てくるのか私としては理解に苦しむ。
     しかし、患者さんの要望は「早く治す」という事だったので、まずは効き目が早い事を説明した。私自身も冬場の喘息には小青龍湯を服用しており、飲むとすぐに体が火照ってきて咳が楽になるのを体感しているし、単に咳を止めるというのではなく治すという観点から言えば、かなり効果が期待できる。
     だが今回の患者さんは、「そんなの3日ぐらい飲まないと効かないんだろ?」と、こちらの説明がまったく耳に入らなかった模様。
     漢方薬を毛嫌いしている人がいるのも確かだし、以前に何らかの治療で漢方薬を用いて期待した効果が得られなかった人などは特にそうだ。中には、“漢方薬”と言っておきながら、服用した物がなんだったのかを尋ねてみると、漢方薬ではなくて単なる生薬だったり、民間療法を試しただけという事もあるのだけれど。
     とにかく、それほど漢方薬を信用できないようならば仕方が無い。一般の市販薬の中から咳止めを選ぶ事にした。
     ところが、咳がどれくらい続いているのかを尋ねたら、かれこれ1週間近く続いているらしい。それも、日が暮れてきてから酷くなるという。
     となると、一般の咳止めでは一時的に神経を麻痺させて咳を止めても、薬が切れればまたぶり返すのは目に見えている。
     漢方薬の方が早く治すことができると、再度勧めてみた。
     それでもやっぱり、「漢方薬ってのは、3日くらい飲まなきゃ効かないんだろ?」と言う。
     そんなに嫌がるほど何かあったのかというのが気になり、以前に漢方薬を使った事があるのかを尋ねてみたのだが、使った事は無いとの答え。
     ううん、使った事が無くて「3日くらい飲まなきゃ」というのは、いったいどういう根拠なのか。
     だいたい現在では、一般の市販薬の中にも漢方薬の葛根湯(かっこんとう)を処方した『カコナール』という製品や、桂枝湯(けいしとう)を処方した『コルゼシロップ』などの製品もある。効き目が遅かったら、風邪薬として役に立たないと思うのだが。どちらにしろ、残念ながら今回のように咳が主訴の場合には効果を発揮しない。
     良くない事だけれど、なんだか相手をするのもバカバカしくなってしまった。
     何故なら、ウチの周辺は複数のドラッグストアーが犇(ひし)めき合っている激戦区である。
     その中で、どうして『漢方相談』の看板を出しているウチに来て、漢方薬は嫌だと言うのか分からない(^_^;)
     ウチの近くに“にんにくラーメン”という看板を出している『げんこつラーメン』というラーメン屋があるが、その店に入って「にんにくは嫌いなんだ」
    と言われてもねぇ………。
     結局その患者さんは、目に付いた(まさにパッケージを見ただけ)咳止めのシロップを買っていった。
     漢方薬の効果に疑問を持っていながら、成分も詳しい効能も確認せずに薬を買っていくとは不可解な(?_?)
     説明しないで適当に選んで買ってくれるなら、こんな楽な商売は無いのだけれど。
     民主党になった小沢一郎氏が、テレビ朝日の番組に出演し、同党が議席を伸ばした衆院選について「負けは負けだ。率直に認めて今後の対応を考えなければならない」と発言したというニュース。
     カッコ良すぎるぞ(笑)
     菅直人氏が精一杯負け惜しみを言って、みっともなさを倍掛けでさらしているのに対して、小沢氏の発言は民主党を頼りないと思っている人を振り向かせるのではないだろうか。
     うかうかしていると、本当に民主党は小沢氏に乗っ取られてしまう予感がする。
     私は小沢氏も菅氏も嫌いだけど、小沢氏の持っている“悪の魅力”は依然として「何かを壊してくれる」期待感を抱かせる。首相になる前の小泉氏と同じではあるな。
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    ◆11月17日(月)/2003年◆
     『ハルンケア内服液』を求めて患者さんが来店。
     http://www.nccpromo.net/harncare/
     頻尿で、夜中に何度もトイレに起きてしまうとの事。
     しかし『ハルンケア内服液』は、1日分で千円もする。
     この『ハルンケア内服液』、内容成分は漢方薬の八味地黄丸(はちみじおうがん)と同じである。それでいて、ウチでの価格は1週間分で1千4百70円。八味地黄丸の方が断然お得である。
     そこで、その患者さんも八味地黄丸に決めて1ヶ月分購入するという。
     ヤタッ(⌒▽⌒)♪
     ところが、一度お会計を済ませたところで、ふと気になった。目の前の患者さんは恰幅(かっぷく)もいいし、50代そこそこに見える。八味地黄丸が合うようには見えない。
     のぼせが無いか尋ねたところ、少し顔が火照ったりするという。しかも、体力自体はある様子。
     それならば、八味地黄丸よりも六味丸(ろくみがん)の方が良いかもしれない。
    加齢による機能面の低下であれば八味地黄丸だが、季節の変わり目などによる疲労から来る物質面の低下には六味丸を使う方が合う。
     その事を説明し、六味丸を1週間分だけ試してもらう事にした。もし合えば、買い足すとの事。
     お会計を計算し直して、差額をお返しした。
     イカンイカン、目の前の売り上げに釣られたらイカンよ。>俺
     乙字湯(おつじとう)の液剤が順調な滑り出し。
     痔の薬というと、どうしても塗り薬の方を選ぶ患者さんが多いが、繰り返しなるようならば、やはり体の中にこそ原因がある。
     痔の症状は、あくまで体の不調が特定の部位に現れただけで、塗り薬だけでは対症療法にしかならない。
     店頭では、その事を説明するとほとんどの患者さんが塗り薬と合わせて購入してくれる。
     でも、それで治ってしまうと、もう塗り薬の方も買わなくなるので、実は乙字湯を売れば売るほど収入減になるような気もするな(苦笑)。
    「アミノ酸を下さい」というお客さんが来店。
     またですか(笑)。
     (10月10日の日記を参照)
     なんでも、昨日の『発掘! あるある大辞典』でアミノ酸の事をやっていたらしい。
     調べたら、この番組ではアミノ酸を取り上げるのは3回目。
     そろそろアミノ酸ブームも下火になってきたから、スポンサーのテコ入れか。
     http://www.ktv.co.jp/ARUARU/
     番組中では肝臓にいいと放送していたとかで、お客さんは肝臓に効くアミノ酸が欲しいという。
    「効く」と言われると、「無い」としか言いようが無いぞσ(^◇^;)。
     どうやら、お酒を飲む前に摂取すると悪酔いを防ぎ、お酒を飲んだ後に摂取すれば二日酔いにならないという事だったらしいのだが、そもそもアミノ酸はタンパク質を構成するものである。それなら豆腐を食べて油揚げの入った味噌汁を飲めば充分。
     どうして、わざわざ高いお金を出して、アミノ酸を購入する必要があるのか。どう考えても、スポンサーの意向が反映されているようにしか思えない。
     しかも、番組では「アミノ酸は薬局・ドラックストアなどで取り扱っています。」と言ったとか。
     ウチには置いてませんよー( ̄^ ̄)
     今回のお客さんは、アミノ酸の種類も確認していなかったようなので、もし肝臓が心配ならばとネオレバルミンを勧めてみた。
     360粒入りの瓶を買っていかれたが、たぶんアミノ酸を服用するよりも効果があります。
     抗がん剤の使用を、保険適用で使いやすくするための抗がん剤の『併用療法検討委員会』を厚生労働省に設置するとのニュース。
     現在日本では、複数の抗がん剤を組み合わせる併用療法で未承認薬を1つでも使うと、治療費が全額患者負担となる。
     そのため患者団体は製薬会社に効能拡大の申請をするよう求めているが、製薬会社側は臨床試験に時間と経費がかかることなどから申請に消極的だという。
     確かに製薬会社も企業である以上は、数十億円の投資をするというのはリスクが大きすぎて難しいのは理解できる。
     また、未承認の薬を信じて使用するのは患者の自己責任においてという事で保険を適応できないという考え方も間違っているとは思わない。
     しかし、こう言ってはなんだが、使用する患者さんは、いわば自ら人体実験をするようなものなのだから、そのデータを買い上げるという形で企業や国で補助してもいいと思うのだけれど。
     同省は委員会が選んだ抗がん剤による治療を特定療養費制度の中で保険適用し、申請の「呼び水」としたい考えのようだが、果たして上手く活用できるのだろうか。
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    ☆締切:2003年11月26日から3日間
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     私は主に、映画についてトークをしています(・v<)
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  • ≪通巻35号≫
    体験! ジェットコースタードラマ/選挙があると薬屋は儲かる?/子宮筋腫のCT画像

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      ★彡☆-=★彡  それさえもおそらくは平凡な薬局  ★彡☆-=★彡
                       ≪通巻35号≫
      提供 : まぐまぐ http://www.mag2.com/
      発行 : 北園薬局 http://plaza2.mbn.or.jp/~kitazono/
      編集 : 北村俊純
      窓口 : kitazono@a1.mbn.or.jp
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    ◆お詫び
     諸般の事情により、メールマガジンの発行が大幅に遅れて申し訳ありません。
     10日(月)の日記で一部触れていますが、詳しくは次号の日記に書く予定です。
     健康相談と商品の注文には遅滞の無いようにいたしますので、今後ともよろしくお願いいたします。
    ~~~~~~~~~~~~~ 今回の日記の主な話題 ~~~~~~~~~~~
    ※11月8日(土)……体験! ジェットコースタードラマ
    ※11月9日(日)……選挙があると薬屋は儲かる?
    ※11月10日(月)……子宮筋腫のCT画像
    ************************* 今回の平凡な日記 ***************************
    ◆11月8日(土)/2003年◆
     今日は、毎月開催しているSNAKE-EYESのTRPGコンベンションである。
     私もスタッフとして関わってから5年ほど経つが、土曜日の開催というのは初めて。
     以前から参加者から土曜日開催の希望があった事、学校の週休2日制が定着した事、会場の予約が完全抽選になり土曜日の方が倍率が低い事など条件が揃い、実際にどの程度の参加者数があるのかを確かめてみたいという算段もあって今回の日程に決めた。
     会場に到着すると、入りは定員の半分程度。こりゃまた少ない。
     一方で、いつもは半分しかいないスタッフが、珍しく勢揃いした。一般参加者2人に対して、スタッフが1人という構成である。
     それならばと、今回はスタッフ全員が各ゲーム卓に入ってゲームに参加する事にした。通常は受付に事務スタッフを2名は残すのだが、まぁ今回は目が届くだろうという事で。
     TRPGについては、8月3日の日記を参照。
     今回私が入った卓のゲームのタイトルは、『もう誰も横浜の果てで涙と言う名の同窓会だけ見えないRPG』。
     ピンと来た人は、90年代にトレンディドラマならぬジェットコースタードラマを観ていた人だろう。
     念のために書いておくと、ジェットコースタードラマとは、10分でも見逃したらストーリーが分からなくなる程の急展開があり、なんの脈絡も無く殺人事件が起きたり、伏線も無くドンデン返しがあったり、重要だと思っていた登場人物がいつの間にか出なくなったりという、そういう事が“許された”時代の仇花のようなドラマの事である。
     いや、最近もそんなドラマがあるらしいけど、とんと見ていないので知らない。
     
     で、まずプレイヤーはゲームの中で使う登場人物=キャラクターの設定を決める。自分で考えても良いのだが、キャラクターを作るための表があるので、それを使う事にした。6面体ダイス(サイコロ)を振って、その出目に対応した事柄をキャラクターの設定として使うのだ。
     例えば私のキャラクターは、表の顔として“普通”の“飲食店経営”で“お金に困っていない”となった。もちろん、これだけでは面白くないので、裏の顔もダイスを振って、表を当てはめる。すると裏の顔は、“悪徳”の“医師”で、“誰かの財産を狙っている”し、“逮捕歴がある”し、“隠し子がいる”となった。
     何故みんな、(゚゚)(。。)(゚゚)(。。)ウンウンと頷くんだ。特に、“隠し子がいる”というところで(笑)
     このままだと整合性がまったく無くなってしまうので、細かい設定の調整は自分でやる。今回は、どういう偶然か他のプレイヤーさんたちのキャラクターが高校生や高校の教師などに偏り、舞台設定を高校にしようという事になったので、私は高校の近くの喫茶店のマスターという事にした。ただし、裏の顔が悪徳医師という事なので、ヤクザなどの裏家業の人たちを相手に治療したり、時には暗殺を請け負う闇医者という事にした。
     ちなみに、他のプレイヤーさんたちのキャラクターは以下の通り。
     最初の、手塚真というキャラクターが私のキャラである。
    『手塚 真』……喫茶店『マンハッタン』経営。裏の顔は闇医者。隠し子がいる。
    『手塚恭平』……真の養子で男子高校生。裏の顔は番長で、実は真の実子。
    『山中裕季』……ミュージシャンで恭平の先輩。『マンハッタン』に居候しており、実は恭平とは異母姉弟。
    『安斉和也』……高校の養護教諭。裏の顔は、研究者でバイセクシャル。
    『石川 均』……高校の事務員。裏の顔は、プレイボーイで恭平を狙っている。
    『針谷響子』……高校教師で和也にぞっこん。裏の顔は風俗嬢のバイトをしている。
     そして、さらに関係が複雑な事に、真と響子と均の3人は某金持ちが愛人に産ませた異母兄弟で、真と均だけがその事を知っている。
     だって、ダイスを振ったらそうなっちゃったんだもの(^_^;
     しかも、どう見ても生徒も教師もまともじゃないため、ゲームのタイトルに合わせて学校名を『横浜第二高校』とした。なんとなく、頭悪そうな学校だよねって事で。ホントにあったらゴメンなさい(苦笑)。
     さて、物語の進行だが、これは“運命濁流表”というもので決まる。キャラクターを作った時と同じようにダイスを振ることによって、その出目と対応した表があり、それによって状況が決定付けられるのだ。
     そして、その状況にキャラクターがどういう行動を起こすかをプレイヤーはアドリブで演じていく。
     例えば、響子は上司に呼び出されることになった。高校の上司であるから、校長か教頭という事になる。響子の裏の顔は風俗嬢であるから、もしかするとその事かもしれない。さて、どうするか?
     今回はプレイヤーが素直に従う事を選択した。すると、呼び出された理由は担当しているクラスの宿題の提出率が悪いという事で注意を受けたのだ。下手に何か別な行動を起さなくて正解だった訳だ。
     そんな調子で、ドラマの第1話にあたる最初の30分は、登場人物の紹介という感じになった。
     これがまぁ、ロクな登場人物がいない(笑)
     養護教諭の和也がいる保健室には、常時生徒が寝に来ていて、ベッドの予約まで入っている始末。
     私のキャラクター、真が経営している喫茶『マンハッタン』には昼間っから生徒がダベッているは、居候の裕季は後輩に学校をサボらせてバンド活動をしているは、その高校の事務員は教師も生徒も関係無くたらしこんでるは、ひどいもんである。校内暴力で荒れてる高校の方がマシじゃあないのか(笑)?
     30分で、だいたいドラマの1話という事で区切りをつけて第2話目に入る前に、再び“運命濁流表”に基づいてダイスを振った。
     ここで決まった事が、いわば第2話の予告となる。
     すると、私のキャラクターである真が“子供を殺す”という事になった。早くも第2話でそんな展開かい(^_^;
     同じように、他のキャラクターたちも“見せ場”となる展開が決まった。第2話目では、どんな形でもいいからアドリブでそのシーンを演じなければならないのだ。
     そして、第2話目を開始。コーヒーの出前の注文を受けた真は、車で配達に向かう途中で子供を跳ねてしまう。すぐに飛び出して子供の状態を確認し、病院へ連れて行ったが死亡。これにより、とりあえず“予告”の内容はこなした事になる。
     しかし、それではドラマは面白くならない。闇医者である真は知り合いの武井代議士に事件の揉み消しを依頼した。唐突に悪徳代議士が出てきて事件を揉み消すのは、この手の安っぽいドラマの常套手段だろう(笑)。
     そうやって物語が転がり始めたら、他のプレイヤーも乗らなければ物語の蚊帳(かや)の外に置かれてしまう。
     そこで、実は死んだ子供はプレイボーイの事務員である均の1人息子という事にして、武井代議士から遣わされた秘書から多額の見舞金を受け取り、均はその金を自らの借金の返済に充ててしまう。だが妻はそんな事では納得できずに警察の捜査に不審な点があるとして真相究明のための市民活動を始める。
     そうしてまた一区切りついたところでダイスを振り“運命濁流表”で次の話の“予告”を決めていった。
     このまま全編を書くと本当にドラマが1本できてしまうので(しかも支離滅裂な)割愛するが、一応この後の荒筋はこんな感じである。
     
     高校教師の響子は恋人の和也に風俗嬢のバイトをしている事を知られ、寝ている和也の部屋に火を点けて心中を計ろうとしたものの気づかれて失敗してしまう。そして数日後に学校に行くと、風俗でバイトをしているという事で退職を迫られた。後任には、なんと和也の大学時代の“彼氏”が赴任する事が決まっていた。傷心の響子は高校を退職し、風俗嬢として生きる事を選択した。
     そんな響子に、武井代議士の息のかかったスナックのママをやらないかという話が持ち込まれる。いわば、政治家が表立っては取引のできない事をやるための場所だ。自ら堕ちていく事を選んだ響子は、その話を受ける。
     一方、私のキャラクターである真は、武井代議士の依頼により、広瀬という女性ジャーナリストの暗殺を依頼される。しかし、広瀬は真の旧来の友人の1人であった。なんとか広瀬を殺さずに、しかし武井代議士に任務を遂行したと思わせる方法は無いかと思案したが……。
     残念ながらゲームが時間切れで、この件に関しては未解決となってしまった。
    まぁ、ジェットコースタードラマには、そんなふうに張られた伏線が解決しないまま最終回を迎えて、「そういやアレはどうなったんだ?」という事が多かったから、これはこれで良し(笑)
     響子を裏切った和也は、かつての“彼氏”と再び恋仲にとなるはずが、その彼氏が麻薬の密売をしている事を知り愕然とする。麻薬で頭のおかしくなった彼氏に警察に自首するように勧めた和也は、結局は響子を失い、元恋人の彼氏も失ってしまった。いと哀れ。
     子供を交通事故で失った均は、お金を受け取っておいて真が起した交通事故の真相追究を妻がしようとするのを抑えられないのは裏切り行為だとして、武井代議士が雇った刺客に刺されてしまう。その時に、自分の子供を殺したのは異母兄弟である真だという事を知り、瀕死の状態になりながら真のいる喫茶店に向かった。
     喫茶店に入り、実の兄である真を殺そうとナイフを握り締めてカウンターに近づき、悟られないようにコーヒーを注文する均。真の方も均が自分に復讐をしようとしている事に気がつき包丁を手にしながらコーヒーを差し出す。
     お互いが相手を殺そうとしたその瞬間、均の方が先に椅子に座ったまま絶命した。真は、周りの客に気づかれないように「お客さん、具合でも悪いんですか」と声をかけて、均の遺体を運び出した。
     裏で番長をしている恭平は、バンド仲間の少年がやはり同級生の少女を妊娠させてしまいバンドも学校も辞めて働く姿に感動(?)して、自分も愛に生きてみたいと思うようになっていた。そんな恭平の前に、キャピキャピした(死語)女子生徒が転向してきて(苦しい時の転校生頼み)、一目ぼれされた恭平は追い回されることになった。今回のドラマ中、唯一救いのあるオチのような気がする(笑)。
     バンドをやっている、ミュージシャンで真の喫茶店に居候をしている裕季は、1人カウンターで新しい曲を完成させた喜びに浸っていた。
     ドラマの重要な位置にいながら、ちっとも本編に関わってこないヒロイン(笑)
     なんだか打ち切りドラマのようになってしまったが、久しぶりにバカなゲームをやってかなりリフレッシュした気がする。
     本当はそのまま撤収作業をして反省会までいたかったのだが、今日は別な用事があり、早めに辞去した。手伝いをせずに申し訳ない。
     別な用事とは、地元で某同窓会があるのだ。
     メンバーが一同に介するのは約10年ぶりくらいになる。
     ほぼ全員が出席するという連絡をもらっていたので、行かない訳にはいかない。
     会場には、1時間遅れで到着。
     まだ食べ物が残っていた。良かった(⌒▽⌒)
     SちゃんやMちゃんやKちゃんなどが、飲み物と食べ物を揃えてくれる。
     みんな、少女からイイ女になったねぇ。
     まずは一杯飲んでから、少し食べ物をお腹に入れて、他のメンバーに挨拶回り。
     誰だか思い出せないカッコイイ男がいて、さりとて本人には訊きにくいので、同じくメンバーの1人であるT姉に尋ねたら、なんとTくんだとの事。私の記憶の中では、チョロチョロと落ち着きの無い男の子だったのだが、女性陣と同じく、少年からイイ男になったようである。
     最後に会ったのが確か中学生くらいだったKくんが「ボクの事分かります?」
    と尋ねてきたが、こちらは成長しても昔と印象が変わらない。昔から落ち着きのある男の子だったからか。
     Kくんに名刺を渡すと、「自分、こういうのもらった事ないんですよ。どうしたらいいんですか?」と訊いてきた。
     なんでも就職の内定が決まったらしい。それはメデタイ。
     まぁ、ビジネス書にも書いてある事だが、受け取る時には両手で受け取る事、必ず名前と役職を声に出すなど確認をして相手の事を覚えようとしている姿勢を示して、目の前で名刺入れなどに仕舞う事で大切に扱うという態度を見せるように言った。
     そして、自分も名刺を渡す時には必ず相手が出した時よりも低い位置から差し出し、関係者間ならばお辞儀の角度は30度、お得意先ならば45度と伝えた。
     もっとも、最近ではそんな“シキタリ”を守る人の方が少ないかもしれないが。
     しかし驚いた事に、Kくんはすぐさま言われた通りにやってみせて、「どうですか?」と確認してきた。ううむ、立派なヤツ。もとより誠実な人柄だから、先輩や上司に可愛がってもらえるだろう。いや、できすぎてかえってイジメられるか(苦笑)?
     Fくんからは、「結婚したなんて知らなかったよー」と言われた。私が結婚した事が不思議で仕方ないらしい。私も同感(笑)。
     結婚前に付き合ってた女性たちはどう整理したのかと聞かれたので、「まったく整理しなかった」と答えたら、「ええー!?」とまた驚かれた。
     するとそこへT姉が割り込んできて、「Fくんは純粋なんだから汚れた大人の恋愛なんか教えちゃダメ」と言う。
     私よりも輪をかけて汚れてる人がナニを言う(笑)
     そう言えば、今日のメンバーの中の男性陣をつまみ食いしていたT姉も、このFくんにだけは手を出さなかったな。純朴すぎて少ない理性が働いたか。
     そのFくんは今は、大手パソコンメーカーに就職していると聞いて、今度はこっちがビックリ。私の弟と同じ会社である。大きいから顔を合わせる事は無いだろうが。
     1次会がお開きになって、2次会のカラオケ屋に向かう途中で帰るメンバーがいるという事で揃っているうちに記念撮影をしようという話になった。
     それはいいのだが、全員が写真に入るために、なんとゲームセンターの店員にシャッターを切るのを頼んでしまった。そのゲームセンターで遊ぶ訳でもないのに。これだから、酔っ払いは(苦笑)
     そしてカラオケ屋では、最初は普通にJ-POPなどを歌っていたのだが、誰が始めたのか(私もその1人なのだが)、途中からアニソン・特撮ソングが混じりだしてしまった。女性陣が引くんじゃないかと心配したけれど、まぁ女性陣は女性陣で会話が盛り上がっていた模様。
     私としては、心の師匠である山本正之御大の歌を一緒に歌えるメンバーだったのが良かった。なにしろマイナーな歌手なので滅多に歌う機会が無い。
     http://www.bellabeaux.co.jp/yamamoto/
     1次会ではもっぱら男性陣と話をしていたのだが、ここでは歌っていない時に女性陣ともお話をした。
     K子ちゃんから、結婚したと聞いてビックリ。
     いやぁ、中学時代のツライ恋愛を経て結婚しましたか。おめでとう。
     と思ったら、すっかりヤサグレていた(笑)
    「ねーねー、男を紹介してよ~」などと言う。あんなに一途な女の子だったのに(p_;)
     なんでも旦那さんはものすごい心配性で、今日の飲み会に参加するのも10年ぶりの友達と会うからという事で許してもらったらしい。
     で、旦那は旦那として愛しているけど、男遊びをしたいと。
    「浮気を許してる奥さんなんてできすぎー。バチ当るよ」と言われた。
     そうでした、コチラがK子ちゃんの過去の恋愛遍歴を知っているように、K子ちゃんも私の恋愛遍歴を知っているんでした(^_^;;;
    「小学生から女子大生まで揃えてるなんて贅沢よ」と言われたので、それには反論。「今はフラれ続けて1人しか残ってない」と。ん? 反論になってないか?
     逆に「それは、釣った魚に餌をあげないアンタが悪い」とお説教された。やっぱり強くなったなぁ(笑)
     カラオケの方は延長に次ぐ延長で、終電はとっくに過ぎて始発を待った方が早いくらいの時間になってしまった。
     私を含めて明日も仕事があって近場のメンバーは、始発待ちの3次会には出ずに帰る事にした。と言っても、私はちっとも近場じゃないのだけれど、始発まで待っているよりは歩いて帰った方が早く寝られる。
     そう判断して歩き始めたものの、さすがに4駅分は遠くて60分ばかりで着くと思ったのに90分もかかってしまった。やや、足が痛い。
     しかし、歩こうと思えば歩けるもんだなとも自分で感心。
     中学校時代に学校行事で『夜行軍』があったせいかもしれない。
     『夜行軍』というのは、22時から翌日の6時までの間に山を歩いて越えるという“遠足”みたいなもので、登山を趣味にしていた担任教師の発案で行われた。なにしろ、「登山するため」という理由で有給休暇で学校を休むような人だった(笑)。
     あまりにも過酷ということでPTAから反対の声が出て1回限りの行事のはずだったのだが、生徒の間からはまたやりたいという声が上がって翌年も、その次の年も行われた。
     しかし、私たちが卒業した後はやらなかったそうだから、後輩たちには不評だったのかね。不評だろうなぁ、夜通し歩き続けるんだから(笑)。
     とにもかくにも明け方近くに家に着いて、お風呂に入ってグー( -.-)zzzZZZ。
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    ◆11月9日(日)/2003年◆
     昨日の無理が祟って、体調は極めて不良。
     地竜(ぢりゅう)を飲んでみたがどうか。
     風邪をひいたまま長引いているという患者さんが来店。
     咳も出ているようなので、体力をこれ以上消耗させないために柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)と、咳を抑えるために麦門冬湯(ばくもんどうとう)を勧めた。
     替わって、鼻風邪をひいたという患者さんが来店。
     鼻水が出るという事で、ひとまず小青龍湯(しょうせいりゅうとう)を飲んで様子を見てもらう事に。夜になって寝る頃になると鼻が詰まるという人もいるので。その場合は、葛根湯加川きゅう辛夷(かっこんとうかせんきゅうしんい)を併用する事になる。
     
     咳が止まらないという患者さんが来店。
     痰のからむような「ゴホンゴホン」という咳なのか、それとも「コンコン」というような乾いた咳なのかを尋ねてみたが、こちらの説明が悪いのか良く分からないという。
     それでは咳が出るのは体が冷えた時か、それとも温まった時なのかも尋ねてみたが、やはり良く分からない模様。
     さてどうしたものかと思ったら、目の前で患者さんが激しく咳き込んだ。
     お店の中は外よりも暖かい。そして咳の方は咽喉に痞(つか)えるような咳だった。
     となると、肺の潤い不足が原因だろう。例によって、体内の水分が上手く体を巡っていないという事だ。こういう時には麦門冬湯(ばくもんどうとう)が適応するはず。
     こうやって目の前で咳をしてもらえると一番良く分かる。
     簡単なメモでも良いから、症状がひどくなる時の条件、気温の変化や時間帯などを記録しておくと、お店で相談する時の重要な情報となるので、ぜひやって欲しい。
     子供が風邪をひいたという事で葛根湯(かっこんとう)を求めにお客さんが来店。
     葛根湯は風邪の初期に用いると効果的だが、よほど虚弱な子供でなければ、早々に体温を上げて熱を出させてしまった方が早く治ってしまう。見分け方としては、食欲があるか、目に元気があるかなどが指標となる。
     その辺りを尋ねてみたところ、本人は元気に遊んでいるそうなので、麻黄湯(まおうとう)を勧めた。
     今日は日曜日の割りには、よくお客さんが来てくれた。珍しい事もあるもんだと思ってハッと思い出した。衆院選の投票日である。どうりで、人通りがあるはずだ。
     慌てて公民館に投票に出向いた。
     19時の時点で投票率は40%を越えたところだった。いいのかね、こんな事で。
     投票に行かなかった人は、次の選挙まで政治に愚痴をこぼす資格を失う事になると私は思うのだけれど。
     友人たちとは、昔から選挙には行こうと約束していたものである。
     前回の衆院選の時だったか、遊びに行く約束をしていて、選挙に行ってから集合という事にしていたのに(しかも、選挙に行くのならば遅刻可)1人が投票に行かずに来た事が判明。
     車で、彼の選挙区の投票所まで乗り付けて投票させた。
     悪口を言うためには義務を果たさんと(笑)
     
     テレビで選挙速報を見てみると、戦後2番目に低い投票率だったらしい。
     確かに今回は、党のマニフェストと候補者の公約が一致していないなど“ネジレ選挙”と言われているが、それならそれで白票を投じてくれば良いのに。
     妙に冷めて「どうせ誰がなっても同じ」と言い訳する前に、自分の意思を示しておくべきじゃないのかね。
     それこそ、投票率が90%を越えて白票(無効票)が半数を占めたりすれば、政治への関心が高いのに信頼できる政治家がいないという事を突きつける事になると思うのだが。
     選挙速報、自民党の圧勝とならず面白い感じではあったが、昨日の不摂生を引きずった体力では眠気に勝てず没落、もとい脱落して就寝。
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    ◆11月10日(月)/2003年◆
     小雨が降っている中、市の医療センターへバスで奥さんと向かった。
     子宮筋腫の件で、担当のT医師から夫婦で出頭するように言われたのだ。
     産婦人科の待合室で待っているのは女性ばかりで、さすがに居心地が悪い。
     しかも、予約時間を過ぎてもなかなか呼ばれない。モニターには受付番号が表示されていて、そこに自分の番号が出たら、さらに奥の待合室に移動する事になっているのだが、肝心の担当のT医師の名前がモニターから消えてしまった。
     受付の人に尋ねてみると、緊急手術が入ったそうな。
     ううむ、それは大変だなぁ、待つ方の患者も、診察をしながら緊急手術をしなければならない医者も。
     午後にズレ込むかとも思ったが、しばらく待っていると手術が終わったのかT医師が戻ってきた。
     そして、お昼になる前に順番が回ってきた。
     基本的に産婦人科の診察室には男性は立ち入らないように注意書きがあり、まず奥さんが入っていった。しばらく待っていると、奥さんが出てきて手招きしたので私も中へ。
     回りくどい尋ね方をしても時間の無駄なので、単刀直入に現在の状況を尋ねると、CTスキャンの画像を見せられた。
     明らかに筋腫が大きくて、胎児がスミの方に追いやられている。
     そしてT医師の話では、「ひっそりと生きています」との事。
     普通ならば、「元気に」とか「スクスク」というところだが、「ひっそり」とはまた文学的な表現をするものである。
     などと感心している場合ではない。
     思っていた以上に深刻だ。
     T医師がすぐにでも入院をと勧めるのに、ウチの奥さんの方は今まで入院した経験が無いせいか、入院期間や入院すれば大丈夫なのかなどとあれやこれやと質問をして入院を回避しようと抵抗。
     T医師の方は、「強制はできませんから」とあくまで患者の自己選択に委ねる。それはそうだろう、医師は神様ではない。治療の結果を断定する事などできない。特に医療ミスが大きな問題としてマスコミに取り上げられる昨今の状況では、なおさら慎重な発言となるのも無理は無い。
     こういう時、本当は医師がビシッと「入院するべきです」と言ってくれた方が、逆に逡巡している患者にとっては良い事もあるのだが、そういう事は残念ながらマスコミや、純粋真っ直ぐな正義を振り回す輩は省(かえり)みない。
     奥さんの質問の仕方では埒が明かないので、現状から考えられる今後の状況を尋ねると、良くて流産か早産。また、筋腫が動脈と接していれば、今回流産したら次の妊娠は無いという事だった。
     事態は深刻どころではない。最悪である。入院を迷う選択など無い。
     しかし、奥さんの方は余計に動揺してしまい、ますます判断力を喪失してしまったようだった。
     しょうがない、このまま病院に放り込んでやりたいが、とにかく本人が入院する意思を固めない限りはそうもいかない。
     もう一度良く考えてみますとT医師に答えて、来週の月曜日に予約を入れて胎児の状態を詳細に検査してから入院するか決める事にした。
     結局帰ってきてしまったため、お母んには怒られてしまった。
    「医者が入院を勧めてるならアンタが入れてこなきゃダメでしょう」
     まぁ、そりゃそうなんですが、落ち込んだまま入院させると余計に気が滅入ってしまうだろうから、ちょっと元気づけてからという事で。
     お昼になったので、奥さんが以前から一度行ってみたいと言っていたレストラン『サザンクロス』に連れて行った。
     場所はJR東浦和駅を出て右に曲がり、さらに右に曲がってゆるい坂道を下ってイタリアレストランの『サイゼリヤ』を通り過ぎた先にある。
     お店の売りは、南欧の家庭料理のようである。
     家庭料理としては、やや値段が高い印象。
     私は上海蟹のパスタを食べたのだが、味と比べると特にそう思った。美味しいけれど、値段とは比例していない感じ。
     しかし、奥さんの方は満足したようで、やや気持ちも持ち直した模様。入院する事に決めた。
     となると、来週に診察の予約を入れたけれど、先に入院する手続きを取らなければ。
     私はお店に戻り、午前中に来ていた健康相談に返信したり、注文を順次処理していった。
     手が離せないので、奥さんに病院に問い合わせるようにメールで連絡。
     
     先日、咳止めに麦門冬湯を渡した患者さんが来店。
     麦門冬湯だけでは咳が止まらなかったようなので、麻杏甘石湯(まきょうかんせきとう)を足すことにした。
     服用しすぎると体を冷やしすぎてしまうが、夜になると、つまり体が温まると咳がひどくなる場合に有効である。
     病院からFAXで入った処方箋に、在庫の無い薬があった。
     問屋さんに頼めば、夜までには届けてもらえると思って値段を確認したら、1錠で360円もする薬だと判明。
     100錠単位で注文するとなると、ちょっと在庫を抱えるのは怖い。
     なので、必要な分だけ備蓄センターに貰いに行くことにした。その備蓄センターは医療センターの隣にある。
     もっと早くFAXが入っていれば、奥さんの診察の時についでに貰ってきたのに(苦笑)。
     家に帰って病院に電話したか奥さんに尋ねたら、明日にでもどうぞと言われたのに断ってしまったらしい。
     入院するための準備が必要だからと答えたのだとか。
     準備なんて、いらんわ(^_^;)
     どうもまだ、自分の状況が分かっていないようである。それとも、無意識に理解するのを拒否しているのか。マッタク=3 
     テレビでは、昨日の選挙結果について特集を組んで放送していた。
     ウチの方の地元では、自民党の新藤義孝氏が落選したようだ。比例名簿に載せていなかったらしい。絶対に受かると思っていたのか、名簿に載せてもらえなかったのか。
     だいたい新藤氏の場合、地元に後援会を持っておらず、複数の団体の組織票に頼っていた。それでいて地元には1回も挨拶に来なかったのだから、落ちて当然という気もする。
     マスコミはやたらと自民党の辛い勝利、民主党の躍進という捉え方をしているが、それを小泉首相の選挙に強いという神話が崩れたという方向に持っていこうとするのは、やや違和感を感じる。
     確かに小泉首相の盟友である山崎氏は落選したが、どちらかというと本人の責任で、地方の当落結果を見てみると郵政民営化を反対している人など反小泉といえる人たちがかなり落選している。
     これは、小泉首相があえて応援に行かなかったからだとも言えるが、代わりに安倍幹事長が駆けつけたりしているのだから、投票には直接は関係無いだろう。
     自民党は議席を減らしたが、小泉首相自身は改革をやりやすくなった訳で、下手に改革の足を引っぱるような事をしたら、次の参院選でさらに民主党の支持を得るというのは難しいのではないか。
     小泉首相の改革が上手くいけば自民党の株が上がり、邪魔をすれば改革が遅いのは民主党のせいという事になって、どっちに転んでも苦しい事になるように思える。
     一方、社民党と共産党は、自民党vs民主党の対決のあおりを食って大幅に議席を減らした模様。特に社民党は土井たか子氏が小選挙区で落選し、比例区でなんとか生き残るという散々たる結果だった。
     私はマニフェストなんて、現実路線で考えれば確約できるはずもないと思っていたから投票の参考にはしなかったが、社民党と共産党が共に議席を減らしたのは、戦後50年を過ぎて変わらず掲げている“護憲”と“平和”に関してマニフェストを示す事をしなかったからではないか。
     連立政権がイラク特措法に基づいて自衛隊を派遣するのはアメリカに恩を売っておくためだし、多額の援助金を出すのは日本の安全を金で買うためである。
    自衛隊の派遣時期については未だに決まっていないが、アメリカに擦り寄る事で安全を確保しようという姿勢はハッキリしている。
     だが、社民党も共産党も日本の平和を守るためにどんな手段を講じるのかは今まで一切語っていない。
     敵が攻めてきたら、両手を挙げて降伏しますと言うのであれば、それこそ国民の合意が必要だろう。
     それに憲法9条については、重大な見落としがある。
     http://www.9joren.net/
     条文によると、「国権の発動たる戦争」と明記してある。そして、「国の交戦権は、これを認めない」とある。
     つまり、あくまで第2次世界大戦当時の“国同士が戦う”という戦闘を想定しており、現在の“国ではない相手”、すなわちテロリストやゲリラとの戦闘をまったく考慮していないのだ。こと国家が相手ではない現状では、それこそ自衛隊は合憲ということになる。現在の9条の規定では、相手が国家でなければ武器を持って戦っても憲法に違反しないのだ。
     平和憲法の理念を尊守し、より恒久的かつ崇高な人類史上の理想となるものにするのであれば、“護憲”はむしろ共産党や社民党の掲げる“平和”の実現を阻むモノでしかない。
     ああ、難しい事を考えたら知恵熱が………(#-_-#)
     奥さんの入院までの顛末は、次号に続く。(←日記で「つづく」ってなんだよ。)
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  • ≪通巻32号≫
    バイアグラは精力剤ではありません/閉店の噂が独り歩き/暴走族は産業廃棄物/大多数の“中途半端”

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      ★彡☆-=★彡  それさえもおそらくは平凡な薬局  ★彡☆-=★彡
                      ≪通巻32号≫
      提供 : まぐまぐ http://www.mag2.com/
      発行 : 北園薬局 http://plaza2.mbn.or.jp/~kitazono/
      編集 : 北村俊純
      窓口 : kitazono@a1.mbn.or.jp
      ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
    ~~~~~~~~~~~~~ 今回の日記の主な話題 ~~~~~~~~~~~
    ※10月28日(火)……バイアグラは精力剤ではありません
        
    ※10月29日(水)……閉店の噂が独り歩き
    ※10月30日(木)……暴走族は産業廃棄物
    ※10月31日(金)……大多数の“中途半端”
    ************************* 先週の平凡な日記 ***************************
    ◆10月28日(火)/2003年◆
     滅菌ガーゼを買いに来たお客さん、「同じ物を下さい」とパッケージを切り抜いた物を取り出した。
    「子供のお遣いみたいで恥ずかしいけど」と言っていたが、実物を持ってきてもらえるのがコチラとしても助かる。一目で扱っている商品かどうか分かるし、間違えることも無い。
     英国南部の中学校で今月中旬、13歳の生徒6人が校内で性的不能治療薬『バイアグラ』を服用し、“元気”になりすぎたのが教師にバレて、病院送りとなるという事件が起こったとのニュース。
     6人は効き目が消えるまで、病院に“お泊まり”させられたという。
     英大衆紙サンなどによると、生徒の1人が16日、父親のものと思われるバイアグラを自宅から持ち出し、昼休みに同級生5人に見せびらかせ、度胸試しのつもりで1人1錠を服用して午後の授業に出たところ、同級生の告げ口で教師にバレたとのこと。
     バイアグラは通常、勃起力が低下した成人男性なら、服用から30分~1時間で効果が出始める。6人は教師に病院に連れて行かれ、効果が無くなるまで病室で安静にさせられた。副作用は起こらず、無事に退院したらしい。
     しかし、日本でも多くの人が誤解しているようだが、あれは勃起させるだけで精力を高める訳ではない。
     陰茎を弛緩させて、血流を多くするだけの話である。ぶっちゃけて言えば、正座をしていて急に立ち上がると一気に足先に血液が流れて足が痺れた状態と同じで、聞いた話によると“感度”は良くないそうだ。
     男なら分かるだろうが、やはり椅子に深く座っていて立ち上がると陰部が痺れて、まるで“アソコが無い”感覚になるが、アレと同じ状態である。そんな状態でセックスしても、あまり楽しくはないのではないかと思う。
     そして、心臓発作などの血液循環に関する副作用が起きる事があるのも、この薬理作用によるものであって、決して興奮してという訳ではない。身体的かつ他に方法の無い不能でもない限り、わざわざ個人輸入に頼ったりして危ない橋を渡っても、あまりにもリスクの方が大きすぎるだろう。
     そう言えば、女性用の性欲を高めたり陰部を潤おしたりする薬や健康食品を“女性用バイアグラ”なんて称して販売しているようだが、薬理作用から考えると「そんなバカな」と言わざるをえない。
     誤解を拡げてどうするのか。
     今日は雨なので、病院からの処方箋は別にして、一般の店売りのお客さんは来ない。
     実は今、ホームページのリニューアルを計画していて、その準備を少しずつしているのだが、せっかく来店者が少ないので(嫌な理由だ)、薬剤師会の中央薬局と保健所で済まさなければならない用事を片付けることにした。
     薬剤師会の方には、今年の6月に『基準薬局』としての看板を申請していたのに、なかなかその看板が来なくてすでに申請した事も忘れていたら、つい先日「取りに来て下さい」という連絡があったのだ。なんだかなぁ。
     で、その看板を雨の中スクーターで抱えながら(危険運転だぞオイ)持ち帰る途中、保健所に新しく雇った薬剤師さんの登録を届けるために立ち寄った。
     ところが、登録申請にはその薬剤師さんの免許証の原本が必要だとの事。
     うう、事前に申請方法を問い合わせた時には、そんなこと言われなかったぞ。
     保健所の方は後日出直す事にしてお店に戻った。その間も、ほとんどお客さんは来なかったようである。
     雨の中、スクーターで1時間ばかり走ったのが災いして、クシャミが止まらなくなる。そういや、先日から風邪気味でしたなと他人事のように思いながら、麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう)で体を温めることにした。
     しかし、麻黄の入った漢方薬を続けて服用すると私のような虚弱体質だといずれは胃に負担がかかって、なおさら具合を悪くする。
     そこで、柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)も合わせて飲んだ。
     こんな、いい加減な服用の仕方でいいのだろうか。(いくない←日本語は正しく。良くない。)
     自分の体に責任を持ちましょうと言いつつ、自分の体だからといい加減に扱ってしまう心理の妙。
     朝鮮中央通信によると28日、日本人女性1人が最近、第三国を通じて北朝鮮に亡命したらしい。
     女性の詳しい身元や「第三国」の国名、入国経路などには触れていないが、 北朝鮮から連絡があったのと同じ名前の女性が今年4月に中国・瀋陽の日本総領事館を訪れ、「北朝鮮への亡命申請を希望している。手続きについて教えて欲しい」という問い合わせはあったそうで、総領事館では、亡命申請をやめるように促したという。
     誰もが、「何を好き好んで」と思うだろうが、それだけになかなか興味深い。
     亡命というのは、普通は命からがらというところだが、なにしろ日本は1人や2人殺したって簡単には死刑にならない“おおらか”な国である。普通は外国、それも国交の無い国に逃亡しようとはしないだろう。
     このご時世だから、借金取りに追われてとかだったら少しは同情できるかもしれんが。
     まさか、誰か選挙に合わせて手引きしたんじゃあるまいな(笑)
     ネットでの通信販売の注文で、オーダーシステムの不具合を指摘された。
     『防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)』をクリックしても、表示が『猪苓湯(ちょれいとう)』になってしまうというもの。
     ギャッ!!Σ( ̄□ ̄;)
     失礼いたしましたと恐縮。
     原因を調べてみたら、システムのセキュリティーに関わるので詳しくは言えないが、プログラムの表記を一段間違えるという初歩的なミス。
     なんで、こんなコトに気がつかなかったのかという感じ。
     だからこそ初歩的なミスな訳で、事の大小に関わらず気をつけなければと自戒。
     衆院選の公示が成された。
     民主党は「二大政党を」と訴えているが、もはや二大政党というものも時代遅れだと思うのだがどうか。
     例えば、道路行政の政策には賛成だが郵政事業に関する政策には反対というように、思想に基づいて政党を支持するよりも、本当は政策それぞれに賛成や反対をしたいという人の方が多いのではないだろうか。
     いわゆる“無党派層”というのは、その名前の通り政党には興味が無いか、政党を頼ろうとは思っていないわけで、いくら党としてのマニフェストとやらを掲げられても、選びようが無いように思える。
     それこそ民主党が、政策集団として党を越えて意見集約していく事を公約するのならば、それでいいのだけれど。『脱政党党』とか名前を変えて(笑)
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    ◆10月29日(水)/2003年◆
     近所のニシワキという薬局が本当に閉店してしまった。
     (10月16日の日記参照)
     商店街がますます寂れるのも問題だが、一番の問題は噂が独り歩きする事。
     どうやら、ウチが閉店したという話が近所に伝わっているらしい。
     ウチはまだ営業しています(^-^;
     勘違いの理由は2つある。
     1つは、ウチとニシワキは同じ商店街の同じ通りの、同じ側に何件かのお店を挟むという立地条件になっている。
     そして、商店街は『北園商店街』という名前なのだ。
     つまり、「北園商店街のニシワキ薬局が潰れた」という話が人から人へと伝わるうちに、だんだんと簡略化されて伝言ゲームとなり、「北園商店街の薬局が潰れた」からさらに間が省略されて「北園薬局が潰れた」となっているようなのだ。
     おかげで、来るお客さん来るお客さん、みんな「お宅、お店閉めちゃうんだって?」とか、「閉めたって聞いたけど」と言われる。
     さらに電話でも、「お宅やめちゃったらしいけど、まだ買えるかね?」などと尋ねられる始末。
     それでもまぁ、お店に来てくれたり電話で問い合わせてくれるお客さんはまだいいとして、近所にはドラッグストアーが犇(ひし)めき合っている。中には、閉店したという噂を信じて、他のお店に流れてしまった人もいるんじゃないかと心配。
     どうしよ~(@_@)
     分裂を始めた人間の受精卵(ヒト胚(はい))を使う研究について話し合ってきた総合科学技術会議の生命倫理専門調査会が28日、2年あまりの論議を中間的な報告書にまとめ、国民から幅広く意見を聴くことを決めたとのニュース。
     焦点は(1)研究のためにヒト胚を作っていいか、(2)ヒトクローン胚を作っていいか。いずれも現在は禁じられている。
     21人の委員の意見は鋭く対立しており、論議の行方に注目が集まっているそうだ。
     東京大人文社会系研究科教授の島薗進氏は「医学の有用性を追求するほど、人を手段として使うことになり、医学と幸福が遠くなる」と語り、国立がんセンター総長の垣添忠生氏は「助けを求めている人の幸福や尊厳もある。有用な研究なら、非常に厳しい審査のもとで進めればいい」と語っているとの事。
     ヒト胚からは、「万能細胞」とも呼ばれるES細胞を作ることができる。
     しかし、作る過程で胚を壊すため、「生命への尊厳を損なう」との意見があり、またヒトクローン胚は、拒絶反応のない組織や臓器を作る研究に期待が高いが、クローン人間につながる恐れもあるというのが主な争点。
     調査会は、ヒト胚を「ヒトの生命の萌芽(ほうが)」とし、最大限の尊敬を払うことでは一致しているものの、研究については、積極的な意見と、反対意見が対立したままなのだとか。
     先の島薗氏の発言などは、「研究者らしい意見」だと思うし、対する垣添氏の発言は「目の前に助けるべき人がいる人の意見」だというのは分かる。
     さらに、岡崎国立共同研究機構基礎生物学研究所長(長いな)の勝木元也氏は「研究の恩恵と生命の尊厳は比較できるのか」という単純な二元論にならない意見を語っており、着地点は見えてこない。
     2年にわたる論議の中では、宗教、倫理、生殖など60人以上の専門家から意見を聴いたそうだが、私はぜひSF作家などの意見も聞いてもらいたいと思う。というのも、ヒト胚の倫理的な解釈は別にして、クローン人間については多くの人が勘違いしているように感じるからだ。
     よくSF作品にはクローン人間が出てくる。
     そこに出てくるクローン人間は歴史上の人物だったり、作品中の登場人物だったりと様々だが、大抵は“成長した姿”で現れ、“記憶を共有”している。
     だが、クローンの技術と“急激な成長”を促す技術、また“記憶を再生”する技術は、それぞれまったくの別物である。
     成長に関して言えば、仮に成長を促進させる事が可能だとしても筋力を鍛えなければクローン人間は立つことも寝返りを打つことすら出来ないだろう。
     そして、記憶を植えつけるにしても言語などをどうやって学習させるのか、よしんば記憶を植えつけることが出来たとしても、元の人物の思い出的な記憶だけではなく膨大な知識なども刷り込まなければ、クローン人間を“誰かとすり替える”などというような使い方はできない。
     つまり、クローン人間を創る事がすでに可能だったとしても、SF作品で描かれているようなクローン人間は誕生しえないのだ。
     SFは空想科学と訳されるように空想の産物でしかない。その空想を前提にクローン人間を危険視するというのは、空想と現実の区別がついていないようなものである。
     もし、亡くなった肉親などをクローンとして再生しても、残念ながら赤ん坊として再生することしか出来ない。それでもいいと思う人もいるかもしれないが、それこそDNAが同じなだけの“赤の他人”を育てるだけという、より哀しい事にしかならないだろう。
     クローン人間に希望があるとすれば、それこそ赤ん坊が亡くなった時に再生するという方法かもしれないが、それであれば人工授精とあまり変わらない。
     むしろ私は、クローン人間の人権についての議論も進めておくべきだと思うのだが、どうか。
     JPS製薬の営業マンが来店。
     このあいだ来てもらった時に『サースモン煌樹』を120本注文しておいたのだが、後で調べてみたら今までの注文量と比べてもかなり多いので心配された。
     しかし、『サースモン煌樹』の売り上げは順調なのだ。
     ウチではメジャー商品を抑えてダントツの売り上げがある。(お店全体での売り上げは低迷ではあるが)
     飲んで“効いた気がする”だけという物ではなく、本当に元気が出るからであろう。
     なにより、単なる栄養剤と違って胃腸を助ける効果もあるので、元気が持続するのだ。
     そして、葛根湯加川きゅう辛夷(かっこんとうかせんきゅうしんい)乙字湯(おつじとう)のドリンク剤について詳しい説明を受けた。
     10月14日の日記で書いていたドリンク剤の新商品とはコレの事である。
     葛根湯加川きゅう辛夷の方は鼻づまりや蓄膿症、慢性鼻炎などに用いる。
     本格的に必要になるのは、やはり花粉症の流行る春先だろうが、寒くなってきて体内に熱を溜め込んでしまうような人は鼻づまりを起しやすいので、その場合に用いると良いだろう。
     乙字湯の方は、痔や便秘の治療に用いる。
     特にタクシーの運転手などのように、一日中座り続けていながら、顆粒や錠剤などのように水が必要だと不便な場合はドリンクタイプの痔の薬は有用だと思う。
     ただし、今回の新商品の入荷に関しては、やや納得しかねる面もある。今年度のJPS製薬の全国支部長会において、「新製品については会員店全店取扱をお願いする」という事になったのだ。
     もちろん、それだけに提案される新商品は幹事会の承認を得た、いわばお勧め商品なのだが、強制になりかねない方法で好ましくない。
    「お願い」と言いつつ、言外に“必ず”という意味合いが含まれている感は否めない。
     これでは、頭を下げる営業マンも大変だろうと、いらぬ同情をしてしまう。
     とはいえ、先に書いた通り商品自体はきっと必要としている患者さんはいるはずなので、積極的に売り込んでいこうとは思っている。
     今週末にはJPS製薬の全国大会に出席するが、口にチャックして余計な事を言わないように気をつけねば(苦笑)
     ところで、鼻づまりに対して鼻水が出る場合に服用する小青龍湯(しょうせいりゅうとう)のドリンク剤は? と思われた人もいるかもしれない。
     他のメーカー製である事はあるのだが、ウチでは取り扱っていない。
     何故なら、ちょっと許せないほど不味いのだ。
     JPS製薬でも商品化に取り組んだことはあるそうなのだが、今のところ味を改善する事ができなくて、目処は立っていないそうである。
     ドイツの首都ベルリンの南東の町の町会議員選挙でドラキュラ伯爵の子孫を名乗る人物が当選したとのニュース。
     なんじゃらほいと思って調べてみると、その町会議員はオットマール=ロドルフ=ブラッド=ドラキュラ=プリンス=クレツレスコという長い、しかもどこまでホントか分からない名前の男性で、普通はオットマール=ベアビークの名で通しているとか。通してるって、それも偽名かなんかなんじゃ(苦笑)?
     726票を獲得して当選したというから、本当に小さな町らしい。
     なんでも彼はトランシルバニア(現在のルーマニア西部)の吸血鬼のモデルとされた15世紀のブラッド=ドラキュラ伯爵の血縁者ではなく、1987年にその直系子孫の養子になったとの事。
     ブラッド伯爵は昔、トルコ人捕虜たちを串刺しにしたことから、「串刺し屋のブラッド」と呼ばれ、アイルランドのブラム=ストーカーが19世紀末にこの逸話にヒントを得て小説『ドラキュラ』を書いたとされる。
     今回のベアビーク氏はベルリンで菓子職人およびアンティーク商をやっていた人物で、ドラキュラ家の養子になった事からドイツのシェンケンドルフに居城があるというからやはり今は金持ちなのかと思ったら、ドラキュラの城として毎年10万人が訪れているそうで、どうやら商売人のようだ(笑)。
     城は石造りの門や物見の塔の他、棺桶を調度品とする中世風レストランなどがあり、ドイツ赤十字のために献血パーティーもやっているというから、なにやら洒落好きの慈善家のようでもある。
     こーゆー、どうでもいいニュースって心が和んでいいなぁ。……変(苦笑)?
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    ◆10月30日(木)/2003年◆
     咳止めが欲しいという患者さんが来店。
     まずは症状の確認。痰が絡んでいるという事で、麦門冬湯(ばくもんどうとう)を勧めてみた。
     しかし、漢方薬はお気に召さないらしい。
     もちろん、そういう人はいるので無理に売りつけるつもりは無い。
     そこで、他の咳止めの薬を勧めた。
     咳なら咳というように、止めたい症状の主訴がハッキリしている場合は総合感冒薬などよりは、ちゃんと咳止めを謳っている薬の方が良い。
     ところが、その患者さん他の咳止めも嫌だという。
     ハテ(・_・?
     こちらの応対が悪いのかと恐縮しつつ、どのような薬を希望しているのか尋ねたら、一言こう返された。
    「咳止めは大正製薬でないと効かないのよ」
     ??????????????????
     ど、どういう根拠というか経験に基づくものなんでしょうか……(汗)。
     残念ながら、大正製薬の咳止めは置いていないので、他のドラッグストアーを案内した。
     うう~む、理由を深く考えても無駄だろうかσ(^◇^;)。
     茨城県三和町で6月、所属していた暴走族からリンチを受けた少年が死亡した事件で、水戸家裁下妻支部の裁判官が、傷害致死罪で起訴された少年2人を「君らは犬のウンコより悪い」と糾弾していた問題が波紋を広げているとのニュース。
     どこに問題があるというのだ?
     ニュースによるとネット上で議論が大爆発し、掲示板などへの大半の書き込みは「よくぞ言った」と擁護し、同家裁にまで賛否両論の電話が多数寄せられたとか。ところが、テレビの情報番組や新聞などでの識者の論調は批判的な感じである。
     問題発言とされる言葉を裁判官が発したのは、水戸地裁で27日に開かれた高校1年の少年(15歳)と運送会社作業員の少年(16歳)を被告とする刑事裁判の公判だったそうで、事件の概要は加害者である2人の少年が、暴走族仲間らと、グループを抜けようとした少年(当時15歳)を『締め会』と称して、殴る蹴るの集団リンチを加えて死亡させたというもの。
     水戸家裁下妻支部の少年審判は「刑事処分が相当」とし、2人は同地裁に検察官送検され、傷害致死罪で起訴された。
     その公判で、少年を担当する弁護士が、被告人尋問などを通じて、「(7月22日の)少年審判で、裁判官から(少年たちが)犬のウンコ以下と言われた」と明らかにしたのだそうだ。
     少年の父親は「裁判官から『暴走族は犬のウンコより悪い。犬のウンコは肥料になるが、お前らは産業廃棄物でどうにもならない』と言われた。更正するのに、落っことされた感じがした」などと証言し、母親の方は「息子が人間じゃないと言われている気がした」と言ったらしい。
     人間じゃないでょ。更生は人間がするもんだよ。
     情報番組でのコメンテーターもそうだが、今回の件で裁判官の発言をケシカランと言う人たちは、どうも暴走族というものに対して寛容というか、たいした事じゃないという認識があるようだが、被害者の事を考えていないんじゃなかろうか。
     同じように軽く認識されているモノに、万引きもある。
     以前に書店で中学生が万引きをして、110番通報で駆け付けた警察署員に連絡先などを言わなかったため任意同行しようとしたところ逃走し、遮断機の下をくぐって踏切に入り特急にはねられて死亡したという事件があった。
     その後、市民から「人殺し」とか「配慮が足りない」といった非難の電話などを受けた書店は、店頭に謝罪文を張り出し、とうとう廃業に追い込まれた。
     確かその時には、加害者の少年の父親は「あの店が閉店してくれてよかった。店の前を通るとつらい」と言っていた。(のちに本屋に謝罪した模様。)
     しかし、冗談ではない。
     仮に1個100円の物を万引きされたとしたら、その損失を取り返すためには利益率にもよるが最低でも5個以上は売らないと取り返せないだろう。しかも、それでも損失を取り返しただけで儲けにはならない。万引きされるという事は、店側からしたら弄(なぶ)り殺しにされるようなものだ。ウチが被害者なら、私の手で絞め殺したい。
     翻って暴走族の方に戻れば、ウチの近くは4車線の道路があり暴走族が良く通る。交番の前を通っていくのだから、警察もナメられたもんである。
     そして、その騒音で眠れないとか、神経が鎮まらないと相談に来る患者さんも多い。
     先に書いた事と矛盾するかもしれないが、万引きならば少なくとも被害者側に謝って損失を補填すれば許されない事もない。
     だが、今は真面目にやってますという元暴走族の輩がいるが、“オトシマエ”もつけずに、ただ「やめました」で済まそうというのであれば大甘だ。
     暴走族をするには、バイクを手にいれ、走るための“労力”をかけている。
    いわば、“つい出来心で”とは違い、完全に“意図的な”行為だ。
     そして、被害は広範囲に渡る。暴走族をやめるにさいして、自分が迷惑をかけた人たちに頭を下げて回ったというのなら“更生”というのに値するだろうが、それをしないでやめただけならば、悪臭を振り撒いて迷惑をかけた生ゴミのままである。
     ただのオチコボレならば本人のせいだけではないけれど、自分でバイクを手に入れて自分の意思で乗り回すという、自分の意思で人の道を外れてゴミになる事を望んだのだから、更生させる必要がどこにあるのか。
     更生させるのに税金を使うのも無駄だと思う。
     他人の手を煩わせないように、自分で自分を葬ってくれればいいものを、自分を人間だと錯覚してるのだとしたらホント迷惑な。
     暴走族ならば目の前で事故って瀕死の重傷でも、絶対に助けない自信があるぞ。法的には自分に可能な範囲で救助行為(救急医療への通報など)をしないと罪に問われる場合もあるのだが、その暴走族が生存する事で迷惑をこうむる被害者の事を思うと、被害者の方を助けたい。
     そして、今回の件では殺人までしているのだから、肥料としてならリサイクルできない事もない生ゴミではなく、使いようの無い、再利用の利かない産業廃棄物だと指摘した裁判官の見識は的を射ているだろう。
     今回の騒動について、司法ジャーナリストの鷲見一雄氏は「(弁護士が裁判官の発言を明かしたのは)非常識な裁判官だという世論を作り、地裁の裁判官に被告の言い分を認めさせようという法廷戦術」と分析していた。
    「弁護士の話は依頼者の立場に立ったもので、裁判官の話は社会正義や社会秩序を守るという視点でなされた。だから、必ずしも弁護側が正しいわけではなく、裁判官の言葉尻だけをとらえることにも問題がある」というコメントには、こと人権問題ではなにかというと弁護士の意見が絶対の正義のように持ち上げて、判断をするのは司法だというのを忘れているかのような人がいるので、そういう人にはしっかりと考えてもらいたい。
     ただ鷲見氏の、「裁判官は諭そうとしたのだろう」というフォローには私は同意できないが。
     それと良く分からないのは、他の裁判のニュースではたびたび裁判官の“市民化感覚との乖離(かいり)”を指摘する向きがあるのに、どうして今回のような極めて市民感覚に沿った発言が問題になるのか。
     市民感覚とユーモアを持った、実に人間らしい裁判官だと思うのに。
     ところで、『暴走族』という名前がカッコイイというイメージを作り上げてしまうから、『珍走団』とか『珍走族』と呼ぼうという提案をしている人たちもいるようだ。
     ならばついでに、『暴力団』も『お馬鹿の集団』とか呼んでみるのはどうか。
     法律や条令では暴走族や暴力団という名称が使われているが、マスコミの報道などでは法律用語を別な言葉に置き換える事はしばしばあるのだから問題無いだろう。
     ニュースなどで、「珍走行為を繰り返していた珍走団のメンバーが検挙されました」とか、「昨夜繁華街で発砲事件があり、拳銃を所持していたお馬鹿の集団の構成員が逮捕されました」とか、激しく情けなくて良いと思うのだけれど。
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    ◆10月31日(金)/2003年◆
     乙字湯(おつじとう)の液剤が入荷。
     黄色とオレンジの派手なパッケージに少し引いた(笑)
     これからの季節、痔の薬は主力商品になるので、商品の“顔見せ”を兼ねてお店の真ん中に山積みにしてみた。
     でも、黄色は色褪せしやすいのであまり長くは店頭に置いておくのは避けておいた方がいいだろう。
     
     消毒薬を買いにお客さんが来店。
     糖尿病(生活習慣病)の患者さんで自分で注射をする人などがよく消毒薬を買っていかれるので、普段は売る時にも特に気にすることはしないのだが、念のために何に使うのかを尋ねてみた。
     すると買いに来た本人ではなく、会社の同僚が手に怪我をしたとの事。
     それならば消毒薬よりも、傷薬の方がいいので会社に置いてあるのかを訊くと、無いとの返事。
     しかし、消毒薬が欲しいという。
     うう~ん、血が出ているのであれば消毒薬なんて気休めにもならない。水で傷口を洗い流したら、止血して傷薬を塗った方が確実なのだが。化膿止めの傷薬には殺菌作用もあるし。
     どうも怪我した本人が消毒薬をと言っているらしい。分かっててそう言っているのか、分からなくて消毒さえすればいいと思っているのか判断が付かない。
     とにかく頼まれて来ている人も勝手に決める訳にはいかないだろうし、やむなく消毒薬を売った。
     売ればどのみち儲けにはなるからいいのだけれど、心配だなぁ。できれば本人にも消毒だけじゃなくて傷薬を使うように言ってやって下さいと伝えたが。
      
     物静かなお婆さんが来店。
     龍角散が欲しいとの事で差し出したが、訊くとここ数日咳が止まらないのだとか。
     それならば、龍角散よりも漢方薬の麦門冬湯(ばくもんどうとう)はどうかと勧めてみた。
     お年寄りの咳は体内の“潤い”が不足する事に起因することが多い。麦門冬湯は潤いを与えて咳を出にくくすることができる。
     胃が痛むという患者さんが来店。
     特に原因として思い当たることは無いと言っていたが、何か悩み事とかは無いかと尋ねてみると、ちょいと孫の事で心配事があるとのお話。
     もしかすると、神経性のものかもしれない。肩こりもあるというので、その肩こりも胃から来ている可能性もある。
     ひとまず、半夏写心湯(はんげしゃしんとう)を試してもらう事に。
     医者からもらった血圧関係の薬の事で相談に患者さんがみえた。
     医者からもらった薬の中で“飲まなくても良い物はどれか”と。
     そんなコト、薬局では言えません。医師の指示に基づいて飲んでもらわないと。
     しかも、ウチで処方箋を受け付けて出した薬ではないから、ウチから医師に問い合わせて服薬指導をする訳にもいかないし。
     どうしても飲みたくないのであれば、直接担当の医師に相談してみてはとお話したら、夜はどうしても薬を飲みたくないのだと力説する。
     その理由は、「夜は酒を飲むから」だとか。
    「医者に『どうしてもダメですか』と訊かれたから、『だったら薬は飲まない!』と言ってやったよ」と嬉しそうに語る。
     なんなんだ(^-^;;;
     可哀相な医者。
     案の定、その医師は「嫌な顔してたよ」との事。心中お察し致します( ̄人 ̄)
     まぁ、顔に出しちゃダメだけどねー。きっと腹立ったろうなぁと(笑)
     患者さんの趣味や嗜好を取り上げる訳にもいかない。しかし、病気を治してあげたいとも本気で思っている。
     完全な健康体の人間など存在しないし、同じく絶対に完璧に治療する事など神ならぬ人間にはできようはずもない。だから、病気の治療に最低限必要な事柄と、楽しい生活を送るためのバランスが大事なのだが、これがまた難しい。
     いつだかの人のように、「俺は楽しんで死ぬ」と豪語するところまで達観しいてる人なら、「好きにして下さい」とも言えるけど(ことの是非はともかく)、この人のように中途半端に治したくない訳じゃないけど楽しみは取っておきたいというのは、どうにも手を焼いて困る。気持ちは分かるだけどね(笑)
     おそらく、この“中途半端”が大多数だろうし。
     とにかく、今回のところは医師とお話して下さいとお願いするしかなかった。
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  • ≪通巻29号≫
    演劇評『ファイブ』/ビデオ評『ラーゼフォン ~多元変奏曲~』/漢方薬の講習会『利水』

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      発行 : 北園薬局 http://plaza2.mbn.or.jp/~kitazono/
      編集 : 北村俊純
      窓口 : kitazono@a1.mbn.or.jp
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    ~~~~~~~~~~~~~ 今回の日記の主な話題 ~~~~~~~~~~~
    ※10月18日(土)……演劇評『ファイブ』
    ※10月19日(日)……ビデオ評『ラーゼフォン ~多元変奏曲~』
    ※10月20日(月)……漢方薬の講習会『利水』
    ************************* 先週の平凡な日記 ***************************
    ◆10月18日(土)/2003年◆
     肝臓に良い薬か健康食品はないかとお客さんが訪ねてみえた。
     お店に入ってすぐの所に置いてある『ネオレバルミン』に興味を持ったようで、色々と質問を受ける。
     質問の中で「ガンマGTPの数値は下がる?」と訊かれたのだが、これには答えに窮してしまう。
     他のGOTやGPTなどは検査で異常な数値が出れば肝臓疾患が疑われるが、ガンマGTPというものはお酒を飲んでいれば高い数値が出て“当たり前”なのだ。
     逆に尋ねてみると、GOTとGPTは正常値だったそうだから、ガンマGTPの数値が高くても、特別に心配する検査項目ではない。
     つまり、お酒を飲んでいる限りは高い数値が出て当然なので、『ネオレバルミン』を服用したからといって数値が低くなるかはちょっと分からない。なにしろ、今回のお客さん充分に酒臭いので(苦笑)
     試しに血流計での測定を勧めたころ、肝臓は問題ナシ。むしろ、肺や心臓の方が疲れ気味という結果が出た。
     そこで、四川富貴廣(しせんふうきこう)の方を案内した。
     あくまで健康食品ではあるが、鬱金(ウコン)だの霊芝(レイシ)だのを単体で摂取するよりは、安心して服用できる。
     気に入ってもらえたようでお買い上げ。
     ちなみに、『ネオレバルミン』の方は“肝臓は心配だけどお酒をやめられない”という人にお勧めである。
    「薬を飲み飲み、酒を飲み」のようではあるが(笑)
     夕方から川口市民会館で演劇企画オフィス・アートプランによる『ファイブ』の公演があるので、お店を早上がり。
     珍しく時間に余裕を持って到着。……って、ようは早退なワケだが(苦笑) 
     http://www.terra.dti.ne.jp/~artplan/5.html
     こういう機会でしか会えない友人知人に挨拶。劇を観に行く目的の半分くらいはコレである。
     なので、実は公演の内容は良く知らなかった(笑)
     しかし、脚本・演出が劇団鳥獣戯画の知念正文氏なので、安心して観劇。ラストの予定調和は知念氏の毒が好きな私としては少し物足りなかったが。
     http://www.linkclub.or.jp/~giga/
     物語は、天国から始まる。
     交通事故で死んだ少年や、過労死で死んだ中年、墜落死した大工の棟梁、将来に悩んで自殺した青年の4人が天使と共に地上に降りてきて、交通事故で瀕死の重症を負った5人のコーラスグループに転生して生き直す。
     ただし、前世の記憶があるのは1週間だけ。1週間経つと前世の事も、転生してからの1週間の記憶も無くなってしまうという。
     そして、その1週間の間に自分の娘をコンサート会場で見つけたり、生前好きだった女の子に会いに行ったりとしながら、自分の人生を見つめ直したりするという、設定自体はありふれた物語である。
     当然の事ながら、転生した事は誰にも話してはいけない。もし、バレたら天国に全員引き戻されて、次に転生する機会は無くなってしまう。
     作品のテーマは、“カッコイイ”生き方という事で、歌もセリフも確かにカッコイイ。欲を言えば、もっと小っ恥ずかしくても良かったんじゃないかと思う。
     私は役者よりも物語を追う方なので、観劇としてはいささか邪道かもしれないが、こまごまとした点が気になって仕方がなかった。
     他の知念氏の脚本では、あれやこれやと説明せずにガーッと物語を展開させる印象があったので、今回はやけに説明セリフが多く、それが返って次々と疑問を連鎖させている感じがした。
     例えば、体を乗っ取られる(?)側のコーラスグールプの連中の魂はどうなっちゃったのか。彼らの魂は天国に行ってしまったのか、それとも転生した主人公たちの魂と同化したのか。
     本当は天国から5人連れてくるはずだったのに、手違いで4人しか連れてきてなくて天使が代わりに5人目になったけど、ラストで天使は天国に帰ったのか、それともやはり同化してしまったのか。帰ってしまったら、コーラスグループの5人目はどうなっちゃうの。
     冒頭での説明がもっと曖昧なら勝手に想像するんだけど、中途半端に説明されたもんだから気になって気になって、ちょっと集中できなかった。
     また、キャラの立て方がアンバランスなのにも戸惑った。
     どうやったってキャラが立ってしまう大工の棟梁を最初に目立たせたもんだから、転生した後の少年や青年が途中で区別がつかなくなって「誰だっけ?」となってしまった。もう少し最初の方で見せ方があったんじゃなかろうか。
     そして、天使の配置がやはり謎。妙に人間っぽくて天使の必要があったのか。
     あれならば同じく死んだ人間の1人という事にして良かったのでは。自殺した青年の過去を語る時にも同情的な口調で、そんな感情移入しやすい性格で天使なんかやってられるの? と感じた。もしかして、実は死んだ人間が天使に転生したのではないかとも思ったのだけど、そうじゃないみたいだし。5人の中で、唯一カッコイイ生き方をしていなかったのが残念。(それとも、皆を温かい目で見守って少年が好きな女の子に転生した事をバラしても、相手の子が信じなかったから良しとしましょうというところがそうだったのか?)
     一方で、メインテーマの歌の歌詞「カッコ良く生きて カッコ良く死ぬ」というのが曲と共に頭の中をリフレインして、嫌な感じはしない。少年が好きだった女の子に託したという黄色いバラの使い方も良かった。
    「カッコイイとはこういう事さ」という強引さが欲しかったというのは単なる私の好みなので、作品としては上出来だったろう。
     もう1回くらい観ても良いと思える作品ではあった。
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    ◆10月19日(日)/2003年◆
     昨日、腰痛という事で相談されて痛み止めを渡した患者さんが来店。
     昨日の薬が効かなかったから、もっと強い薬をくれという。
     薬局で売ることが出来る痛み止めには限界がある。本当にそんなに酷い痛みがするのであれば、病院に行ってもらうしかない。ところが、昨日の薬を服用した後の様子を尋ねてみて、ギャッ!!Σ( ̄□ ̄;)
     痛み止めの効果を確かめようと思ってジョギングしたんだとか。
     ………走らないで下さい(^-^;
    「年のせいかねぇ」と言われたけれど、違います、絶対……。
     なんだか、体を動かしたがりの人のようなので、単なる痛み止めだけでは心配。『アンマッサージ』を勧めてみた。
     ビデオで劇場版『ラーゼフォン ~多元変奏曲~』を観賞。
     http://www.rahxephon.com/

     テレビシリーズはまったくの未見だったためストーリーや設定を理解できるか心配だったが、特に予備知識は必要なかった。
     素直な感想としては、「ええ話や(p_;)」とホロリとさせられた。
     以下はネタバレになるので、読み進めていくうちにレンタルビデオなどで観てみようと思った人は途中で読むのをやめて翌日まで飛ばしていただきたい。
     ネタバレ警報発令! ネタバレ警報発令! ネタバレ警報発令!
     時は西暦2012年、夕日の中学校の校舎の中で、主人公の神名綾人と美島遙の2人は、ただ手を取り合うだけで互いの恋愛感情を確かめ合っていた。そこへ、おそらくは綾人に渡そうとしていたであろうラブレターを持った朝比奈浩子が現れ、踵(きびす)を返して立ち去る浩子を綾人が追おうとすると、遙は無言で綾人の手をギュッと握って止めた。
     ……もう、これだけで気恥ずかしさ一直線の少女漫画的な始まり方である。
     ロボット物の作品だと思っていた私は、この導入部で引き込まれてしまった。
     しかし、そんな2人の関係は突然終わる。
     謎のMU(ムー)という別な次元の人類が侵略を開始して、首都東京を絶対障壁と呼ばれる特殊な空間に閉じ込めてしまうのだ。
     たまたま家族と帰省していた遙は難を逃れ、綾人は東京の絶対障壁=通称、東京ジュピターの中での生活を余儀なくされる。
     東京に住む人々は、自分たちが閉じ込められたという事を知らず、逆に世界が東京を残して滅んでしまったのだという偽の記憶を植えつけられて生活を続けていた。
     それから3年後、綾人が遙の事を忘れられずに夢に見ていると、目の前に謎の女性が現れた。彼女は綾人に「真実を見せてあげる」と言って誘拐同然に連れ出す。
     途中で物語のキーとなるラーゼフォンと接触した綾人は、東京の外に出るとそこには滅んだと教えられていた世界があり、さらに時間の流れが15年も違う事を知らされて愕然とする。
     この、綾人を東京の外に連れ出した女性こそ、大人になった遙だったのだ。
     遙は、東京に閉じ込められた綾人と会いたい一心で、対MUの組織に入り、ひたむきに生きてきたという事で、綾人に真実を見せると語りながら、大人になってしまった自分を拒絶される事を恐れて正体を明かせない苦悩が描かれており、それがなんとも切ない。
     一方、綾人の方はというと、人類に対して侵略を始めたMUの最高指導者が自分の母親だという事を知って愕然とする。
     別な次元に存在するMUは、人間の体に憑依して、憑依された人間の血は青く変化してムーリアン(MU人)になってしまうのだが、同時にそれまでの記憶を失ってしまうという。
     つまり、綾人の母親もMUに憑依されたという事なのだが、それがどうやら綾人を妊娠した頃だったようで、自分の子供もムーリアンになってしまう事は分かっていたものの、旦那さんを愛した記憶を無くしてしまうのならば、せめて愛した証として子供を生みたいと願って綾人を生んだとか。
     物語の序盤では謎めいていて、MUの冷徹な指導者に見えながら、実はムーリアンとして生きなければならない息子のためというのが、ワザとらしい設定だとは思っても、そこにもひたむきな思いが感じられて切なくなってしまった。
     そして物語の佳境では、綾人に思いを寄せていた浩子もMUに憑依されてしまい、綾人を好きだという記憶を蝕まれる恐怖と戦いながら、死んでしまう。その演出が、もう“卑怯”と言っていいほど哀しかった。停電になったビル群の窓明かりや、電光掲示板に「タスケテ」とか「ホントウノコトガイイタイ」とメッセージが現れて、最後には街を上空から鳥瞰(ちょうかん)した構図で街一面に「サヨナラ」と明かりがついて消える。
     ううむ、私ってこうゆうのに弱いのかと、自分を再発見してしまった。
     ラストは、ちょっとココでは書きにくい。どう解釈をしていいものやら分からないからだ。
     ただ、難解なラストではあるけれど、嫌悪感の残るラストではなかった。少なくとも、遙は幸せを“感じた”のだろうと思える。
     それに、どの程度製作者が意図したのかは分からないが、愛する人の記憶を失い唯一残った綾人を溺愛する母親、愛する人の記憶を失うという恐怖と戦いながら死んでしまった浩子、血の色が青く変わり愛する人の記憶を持っているうちに遙の幸せを願って“人ならぬモノ”に変わる事を選択した綾人、という3人の構図が実に良かった。
     最後に何を望むのか、と神にも等しい存在になった綾人に尋ねられた遙の「一緒に大人になりたかった!」という叫びには、観ているこっちが胸を締めつけられる思いがした。
     ものすごく感動したという訳ではないけれど、なんだか切なくて、でも幸せな気持ちになれた気がする。
     なんでこんな良い作品をテレビで放映している時に観なかったんだろうと後悔して、さっそくテレビ版をインターネットのブロードバンド放送で視聴。
     http://bb.excite.co.jp/bbg/special/bandaichannel/rahxe.dcg
     しかし、テレビ版を観た事を激しく後悔してしまった。
     なんじゃコリャーーーーーーーーーー!!Σ( ̄□ ̄|||
     思わせぶりなセリフ回し、積み残したまま解明されない謎、深く掘り下げられる事のない綾人と遙の関係。
     普通、テレビでの評判が良かったから劇場版が作られるのだと思うのだけど、これではテレビ版で大ゴケしてしまったので、制作費の回収のために劇場版では真面目に作り直しましたといった感じである。
     実際、他のサイトで劇場版の感想を読んでみると「なんでこの面白さをTV版のときに出せなかったのだとスタッフに正座させて問い詰めたいくらいに面白い」と評されていた。
     激しく同意(゚゚)(。。)(゚゚)(。。)
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    ◆10月20日(月)/2003年◆
     今日は漢方薬の講習会である。テーマは『利水』。
     人間の体の約60%は“水”によって構成されている。
     細胞内液・組織液・その他の液体成分の運行が障害を受けて、水分の吸収や循環、排泄が滞った異常な状態、水液停溜を“湿滞”と言う。そして、それを治す治法を『利水法』と言う。
     漢方薬の流派の1つである中医学(中国漢方)では、体内の水分の事を『津液(しんえき)』と呼び、臓器の働きとして、津液は脾(ひ)が生成・運輸し、肺が全身へ散布し、腎が全体を推進し、肺を心(心臓)の拍動が助け、肝が全体を調整するとされている。
     つまり、五臓すべてが水液代謝に関与しているわけで、水分の停滞はあらゆる病気の原因になるわけだ。それは裏返せば、水分の停滞を解消する事により、関連した症状を改善していく事が可能という事でもある。
     参考までに、湿滞が関係する代表的な状態を書き出しておく。
    1.発病が急激ではなく緩慢で経過が長く、治療しにくい。(花粉症などのアレルギー症状)
    2.停滞性の症状。(手足や身体が重だるく、動かしにくい、こわばる、頭重など)
    3.むくみ・浮腫。
    4.水様便、下痢。
    5.鼻水、喀痰、耳漏、水疱など。
    6.口が粘る。
    7.湿度が高くなると悪化する。
     今回のテーマである利水は、先にも書いたとおり様々な病気の原因となるものなので、講義の内容もアッチへコッチへと話が飛び、次々と漢方薬の名前が列挙され、メモが追いつかない。
     後で、わかりやすくまとめられるか不安(^-^;
     さて、湿滞であるが、大きく分けると“湿(水湿)”と“水(水腫)”と“痰(痰飲)”の三つに分類できる。
     “湿”とは、つまりは湿り気で、水分が多い訳ではないが、吐き気や水様便など軽度の症状を引き起こす。
     “水”とは、湿よりも水分が体内の一部に過剰に溜まったりした状態で、例えば腹に溜まれば腹水となり、関節に溜まれば関節水腫となって、より重い症状として現れる。
     “痰”とは、体から不要な物を排出しようとする働きであり、風邪などで痰がからむというのは、体の不要物を痰に変化させても排出が上手くいかない状態である。
     それぞれの湿滞に対する利水法は、当然それらに対応したものとなる。
    ●湿vs化湿(けしつ)
     主として消化管内・三焦(さんしょう)に停滞した水分を軽度ながら血中に吸収する。同時に消化管の蠕動調節・悪心や嘔吐の抑制・気道分泌の抑制に働く。
     『かっ香正気散(かっこうしょうきさん)』や『胃苓湯(いれいとう)』などが代表的な漢方薬となる。
     『かっ香正気散』は、主に夏風邪や暑気あたりによる食欲不振や下痢に用いる。
     胃苓湯は、風邪などが関係しない食あたりや冷え腹などによる下痢や嘔吐の症状に用いる。
     ウチでは、『胃苓湯』そのものは置いていない。『平胃散(へいいさん)』『五苓散(ごれいさん)』を一緒に飲めば同じ物になるので。
     今年は冷夏だったためか、かっ香正気散がずいぶんと売れ残ってしまったため、ちょっと胃が痛い(苦笑)
    ●水vs利水
     主として消化管内や組織中の余分な水分を血中に引き込むものである。血中の水分量が増加した結果として利尿効果が現れる。腎臓での濾過や再吸収には強い影響を持たない。
     『五苓散(ごれいさん)』『防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)』『猪苓湯(ちょれいとう)』が体表的な漢方薬であるが、中でも五苓散は急性の下痢や胃腸炎のさいに最初に選ぶ事が多い。
     ……とか書いていたら、なんだか下腹がゴロゴロと(^_^;)
     うひーっ、夕べ布団をはいで寝てたみたいだからお腹を冷やしたか?
     ちなみに、五苓散は下痢の一歩手前のような“しぶり腹”には向かないので、その点だけ注意。
     防已黄耆湯は、利水法の中では応用範囲の広い漢方薬で、水ぶとりによる肥満や、冷えた時に痛む関節痛などにも用いる。また、利水作用の他に、胃腸を丈夫にする働きがあるので、先にも書いたように湿滞の原因が胃腸障害である場合の治療に効果がある。
     猪苓湯は、止血作用があり主に膀胱炎に用いる。抗菌作用がある事でも有名で、軽度の石であれば取り除く事ができるという報告もある。また、効能書きには無いが、利水作用にも優れていて、むくみに用いる事も多い。
     なお、血尿がある場合は熱症状が強いという事なので、『竜胆瀉肝湯(りゅうたんしゃかんとう)』を使うと良い。もっとも、血尿が出て痛みが激しい場合は病院に行った方が最善であるから、膀胱炎になりやすい人が常備薬として置いておいて、病院に行くまでの急場しのぎに服用するという使い方が現実的だろう。
    ●痰vs化痰(けたん)
     津液の流通が停滞し粘稠(ねんちゅう)となって流動性を失った痰に対して排出を促進するか生成の抑制に働く。
     『半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)』『小青龍湯(しょうせいりゅうとう)』『苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)』が代表的な漢方薬である。
     半夏厚朴湯を使う症状としては、よく例えられるのは「焼肉が咽喉に引っかかったような」あるいは、「梅が咽喉につかえたような」という異物感がある場合である。
     そのうえで、動悸や眩暈(めまい)、不安神経症、神経性胃炎、つわり、気管支喘息に用いると効果的だ。
     私などは、ストレスによる気管支喘息の時や、劇団をやっていた頃に緊張をほぐす為に良く飲んでいた。
     小青龍湯は、主に肺に水分が溜まった場合に起こる症状に用いる。鼻水の出る風邪や、アレルギー性鼻炎、体が冷えて咳が出る気管支喘息に効果があり、これも私はよくお世話になる。
     ちなみに、肺に熱が溜まって起こる激しい咳には『五虎湯(ごことう)』を用いるので、同じ咳でも「冷えると咳が出る」のか「温まると咳が出る」のかの見極めが大事である。
     苓桂朮甘湯は、主に頭の水滞を改善する。具体的には、眩暈(めまい)や頭痛などである。耳の奥に水が溜まると、三半規管が悪影響を受けて眩暈を起したりするからだ。
     
     そして、一通り講習会の内容を追ったところで症例問題。
     38歳・女性、主な訴えの症状が“眩暈・ふらつき・肩こり”だとして、他に頭が重くて一日中眠気があり、胃が弱く吐き気やムカツキがあり、大便がやや軟らかい患者さんには何を用いるのが適当か。
     
     私は回答として、防已黄耆湯をチョイスした。水滞による胃腸の治療を優先しようと考えたからである。
     講習会での模範回答は、苓桂朮甘湯であった。主訴である、眩暈の症状を改善するという考え方による。
     これは、症状を先に抑えると考えるか、根治治療をしようと考えるかの違いであろう。
     講師の方も、防已黄耆湯の他には加味逍遙散を選択に加えて良いと話していた。
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    『風邪』という病気は無い/秋の花粉症が始まっています/押し売りとの攻防/プレゼントで誘い出されました

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      発行 : 北園薬局 http://plaza2.mbn.or.jp/~kitazono/
      編集 : 北村俊純
      窓口 : kitazono@a1.mbn.or.jp
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    ★お知らせ───発行周期変更
     読者アンケートに、「長すぎる」という感想が寄せられましたので、試験的に週二回の発行に変更いたします。月・木を基本にする予定ですが、さらに変更となる場合があります。
    ~~~~~~~~~~~~~ 今回の日記の主な話題 ~~~~~~~~~~~
    ※9月30日(火)……『風邪』という病気は無い
    ※10月1日(水)……秋の花粉症が始まっています
    ※10月2日(木)……押し売りとの攻防
    ※10月3日(金)……プレゼントで誘い出されました
    ************************* 先週の平凡な日記 ***************************
    ◆9月30日(火)/2003年◆
     今日はものすごく風が強い。雨戸にドンッと風が当り、その音で目が覚めた。
     お店に向かう時も、スクーターが横風に倒されそうになった( ̄▽ ̄|||
     風邪薬を求めて患者さんが来店。
     症状を尋ねてみるが、「とにかく早く効くヤツをくれ」と言われる。
     早く治したいと思うのは当然。
     しかし、風邪というのはある単一の原因による一つの独立した病気ではない。
     より正確には、複合した原因によって発症する“呼吸器の急性炎症性疾患の総称”であり、『風邪症候群』と呼ぶ。
     その症状は多岐にわたり、クシャミ・鼻水・鼻づまり・喉の痛み・咳・痰といった呼吸器の症状の他に、発熱・倦怠感・食欲不振・頭痛・腰痛などが加わり、さらに腹痛・便秘・下痢などが起こる。
     症状を見ても分かるとおり、正反対の症状を呈することがあり、ゆえに効果的な薬の内容もまた症状に合わせなければならない。
     総合感冒薬と称する物もあるにはあるが、それはつまり「どんな風邪にも効くように調合された」薬であるのと同時に、「どんな風邪にも効果はほどほど」という事でもある。
    「早く治す」ためには、症状に対してピンポイントで治療する事が必要なのだ。 しかし残念な事に、「とにかく早く効くヤツを」と要望される患者さんほど、上記の説明を聞くことすら面倒臭がって聞いてくれず、かつ「とにかく効けばいいんだから」と症状を詳しく話してくれない。
     そして、そういう患者さんに限って後で「このあいだのアレ効きが悪かったよ」と文句を言われる事になる。誤解と厄介の上の苦界である。(byさだまさし『もうひとつの恋愛症候群』より)
     結局症状について話してくれず、パッケージのデザインを見て気に入ったらしい風邪薬を指名された。
     気分としては、もう「ハイハイ=3」といったところだが、可能な限り“抵抗”しないと、自動販売機と同じと思い直し、葛根湯(かっこんとう)の液剤を勧めてみた。ただし、手には指名された薬を持ち、患者さんの希望も汲んでいるというようにした。
     葛根湯の液剤は、本当は1本を1日3回に分けて服用するのだが、見たところ体は丈夫そうなので、1本を1回で飲み切る方法を案内した。少々乱暴ではあるが、適宜増減して服用するのも漢方薬の服用方法だ。
     手軽な服用方法を教えたのが気に入ったのか、「じゃあ今飲むわ」と会計を済ませる前に開封して一気に飲んだのには苦笑したが、まぁこれで効果があれば良しという事で(^^ゞ
     インターネットでポルノCDを販売したなどとして愛知県警生活安全特別捜査隊と県警足助署が29日、長野市の中学3年の少年を児童買春・児童ポルノ禁止法違反とわいせつ物販売・同販売目的所持の疑いで名古屋地検岡崎支部に書類送検したとのニュース。
     調べでは少年は今年7月31日に愛知県日進市の男子大学生に代金引き換え郵便で児童ポルノのCD11種11枚を2900円で売ったほか、自宅に同様の25種78枚を販売目的で所持していた疑いだそうだ。
     少年は以前、このCDをインターネットで購入したものの、その後処分に困り、自宅のパソコンでホームページを開設して売ることを計画し、コピーして今年5月から約2カ月間に全国から申し込みのあった88人に計25万円で売ったと話しているらしい。
     純益は郵送費などを差し引いた約12万円で「高校生になったら使うつもりだった」と全額貯金していたとか。なんと堅実な(笑)
     一方、名古屋市南部で集団で路上強盗を繰り返していたとして、愛知県警南署などは30日までに、名古屋市緑区、同県東浦町、大府市の無職、風俗店店員、建設作業員、高校生、専門学校生の15~20歳の少年10人を強盗傷害などの容疑で逮捕したほか、名古屋市緑区の無職少年を同容疑で書類送検したというニュース。
     少年らは名古屋市緑区を拠点に活動するカラーギャングのメンバーで、今年2月~5月に夜間一人で通行する男性を狙った路上強盗を約50件繰り返していたとみられ、同署などが余罪を追及している模様。
     調べでは、少年らは3月26日夜、名古屋市南区塩屋町の路上で、自転車で帰宅途中の男性会社員に原付バイクで接触して男性を転倒させ、暴行を加えて肋骨挫傷の重傷を負わせたうえ、ナイフで「金を出せ」と脅し、現金約5千五百円入りの財布を奪うなどした疑いとの事。
     こちらの少年らは「遊ぶ金が欲しかった」と話しているらしい。馬鹿でぇ(笑)
     どちらも犯罪だから、どちらが良いという事はないが、それにしても一方は遊ぶために使うのだとしても貯金をして、一方は目先の金のために悪い事をするというのは、なかなかに興味深い。
     しかも、前者の少年はホームページを開設し、しかも詐欺ではなくちゃんと商品を届け、なおかつ代金引換というリスクを最小限に抑える努力と工夫をしている。ある意味、将来有望である。
     後者の少年たちの方は馬鹿の極み。時間単位の“労働時間”は短いが、襲うという事は反撃されるリスクもあり、よしんば弱い相手ばかりを狙ったとしても警察の捜査で足がつきやすく、かつ後で損害賠償を請求されるという、もっとも効率の悪い方法を選択している。たとえ更正させたとしても、将来ダメダメじゃんという気がする。
     長崎幼児殺害事件の犯人である中学1年の少年に対する保護処分が決まり、少年の付添人弁護士は「難しい仕事だった」と語って、少年の心の闇に迫る事の難しさを吐露したそうだが、“闇”なんてモノは存在しないのかもしれない。
     善悪の判断などというものは、特定の文化を前提にした法律によって選別されるものであって、ただそれに従わせるとするのならば否応も無く服従させれば良い。
     しかしあくまで自己の責任と思考によって善悪を判断させようというのならば、むしろ損得勘定を教えた方が有効かもしれない。
     自分がしたい事と、そのために成さなければならない努力と、その方法によって得られる結果とリスクを関連付けて思考する力を養う事が、事件を防ぐ方法と事件が起きた場合の解決方法を“分かりやすく”するのではないかと思う。
     心の闇などという“あいまい”で“仮想的”な原因を設定する事の方が、少年犯罪を“理解できないモノ”として、“私たちには分からなくても当然”という“エクスキューズ(言い訳)”を用意しているのだと思うのだがどうか。
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    ◆10月1日(水)/2003年◆
     秋の花粉症が始まっているようである。
     私も目が痒くなってきているのだが、今のところクシャミなどは出ていない。
     患者さんの方はというと、“鼻かぜ”を訴えて来る人のほとんどが、風邪ではなく花粉症のようだ。本人は花粉症の自覚はなく、春にはなんともなかったと言っている。
    「花粉といえばスギ花粉」というイメージが定着して、花粉ごとに、もっと言えば、原因物質は人それぞれで、いつ発症するかも人それぞれという事が、まだまだ認知されていない模様。
     花粉症も原因や症状で適応する漢方薬が違うので相談してもらうのが一番確実。一応、代表的な物としては、鼻水が出てクシャミが止まらない場合は小青龍湯(しょうせいりゅうとう)を、鼻づまりが酷い場合は葛根湯加川きゅう辛夷(かっこんとうかせんきゅうしんい)を用いるのが基本となる。
     情報番組で、お米がアメリカでブームになっているというのをやっていた。
     しかし、私にはどうにもリポーターと司会者が共にトンチンカンな事で驚いているようにしか思えない。
    「なんと、お米が化粧品に使われているんです」
     ………お米の酵素を使った基礎化粧品なんか珍しくないぞ(^-^;
     アシスタントに女性もいたが、さすがにツッコミは入れられないのか。
     さらに、お米を使ったプリンやアイスクリームを紹介して、「私たち日本人からすると、甘いご飯というのは抵抗がありますが……」とリポーターが言ったら司会者の方も「そうですね」と答えていた。
     おいおい、おはぎを食べた事ないんかい!
     お前らなんか日本人じゃねぇー(笑)
     文化と文化の違いによる驚きをカルチャーショックという訳だが、確かにそれは楽しい。
     しかし、異文化同士の違いを楽しむには、最低限自分たちの文化は知っておくべきではないのか。でないと、本質的な事からはずれたままで、ちっとも文化の溝を埋める事もできなければ楽しむ事もできないと思う。
     特に、この手の情報番組は『トリビアの泉』なんかと違って、役に立つ情報も織り込んでいかないといけないんじゃないのかね。
     そういえば他の情報番組では以前に“マヨラー”というのを取り上げていた。なんにでもマヨネーズをかけて食べる人のことを指すそうだ。
     しかしその取り上げ方は、“理解できない”というあらかじめ用意した結論を前提にしていて、なんともマヌケだった。
     マヨネーズの原材料は、卵と油と酢である。
     ちょっと考えれば分かるが、“卵が合わない料理”を考える方がよほど難しいはずだ。そのうえ、現代の日本人に“油を使わない料理”がスラスラと思い浮かぶとも思えない。
     お酢は独特の風味があるものの、隠し味に使うのはよくある事で、よほど嫌いという人でなければ気にならないだろう。
     つまり、卵も油もお酢も、まったく和洋の差など無いのだ。それを、まるでマヨネーズが日本人にとって馴染みが無いかのように扱って、マヨネーズを多く使う人たちを笑おうとする。なんとも、手抜きな仕事をしていると呆れた。
     これまた少し調べれば、カツオ漁の漁師の間で、カツオにマヨネーズをかけて食べるのが流行ったというのも分かったはずなのだが。
     それらの情報を提供すれば、昼間のテレビの主な視聴者層である主婦などは、家での料理の参考になったりして情報番組として役に立つと思うのだが、実はそこまでの利用価値は情報番組には求められていないのかもしれない。
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    ◆10月2日(木)/2003年◆
     風邪気味だという患者さんが来店。
     まずは、症状の確認。
     ノドが痛くて咳が少し。鼻水も出る模様。
     葛根湯を飲もうと思ったそうだが、すでに葛根湯(かっこんとう)が効く“風邪の初期”を過ぎていると思って、代わる物をと求めに来たとか。
     以前に知らせた事をちゃんと覚えていらっしゃる。
     そう、「風邪の初期には葛根湯」と言われているが、この“初期”というのは「風邪かな?」と思い始めた時期の事で、症状を自覚する頃には、すでに風邪の中期に差しかかっている。
     その場合、もう葛根湯では効かない。
     ウチでは、風邪の中期には麻黄湯(まおうとう)を勧めている。
     今回の患者さんは、以前に麻黄湯を使った事があるそうなので、その麻黄湯地竜(ぢりゅう)を合わせて買っていった。
     おそらく本人の中ではすでに麻黄湯を買おうと決めて来ていたようだが、ちゃんと確認していったところが偉い。
     この場合の偉いというのは、ちゃんと自分の健康に自分で責任を持とうとしているところだ。
     治療に際して本人の意識が効果的な治療に影響する病気の場合、いわばそれは生きる知恵であり、そういう人こそ治してあげたいという患者さんである。そして、そういう人は得をする。得をするようにしてあげたいと思う。
     お店に押し売りらしい人が来た。
     いまや『押し売り』など物語にすら出てこない過去の遺物となったが、どっこい生きているという感じで、個人的には嫌いではない。
     しかも、売りつけようとするのがコンパクトな計算機で、百円ショップがあるこのご時世に、そんな物を売り歩いているのかと感動すら覚える。
     その手口もまた姑息で、面白い。
     昔はいかにも強面(こわもて)な押し売りもいたようだが、最近は人当たりの良い営業マン風で、スーツもビシッと着こなしている。しかし、アヤシゲなところは変わらない(笑)。
     今回はまず折り畳んだ状態のなんだか分からない四角い小さなケースを取り出してみせた。そして、「ちょっとボタンを押してみて下さい」と言う。
     ここが押し売りの危険なところだ。下手に言われた通りにスイッチを押したりなんかして商品に触ると途端に態度が豹変して、手に取ったんだからとか汚れたとか難癖つけて買わせようとする場合がある。
     商品の値段が高額ではないため、難癖つけられて食い下がられるよりは、さっさと買って帰ってもらおうと思ってしまっては押し売りの思うツボだ。
     私が、「どうぞご自分で押して下さい」と答えたら、一瞬表情に地が出たのが可笑しかった。しぶしぶと自分でスイッチを押すと、箱が自動で形を変えて卓上計算機になった。
     とにかく触らせようと「どうぞ手にとってみて下さい」と言うが、あくまで私の方が「どうぞやってみせて下さい」と一切手を出さないでいると、やっとあきらめたのか「こんなにいい物なのにもったいない」と漏らして帰っていった。
     まっ、実際のところ本当に押し売りだったのかどうかは確証は無いが、ウチの今月の景品が卓上計算機だとお店の前にポスターを張り出しているのに、マヌケな営業マンだなと(苦笑)。
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    ◆10月3日(金)/2003年◆
     防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)を指名で買いに来た患者さん。
     お話を聞くと、医者からダイエットのためにと勧められたらしい。太りすぎで肝臓に負担がかかっているという事で、そのお医者さん漢方に詳しいのだろうか。
     防風通聖散は主に脂肪太りの人向けのダイエットに使える他に、高血圧の随伴症状にも効果があり、的確な選択である。
     『ロイヤルグレイス』という宝石や貴金属などの輸入や販売をしている会社のプレゼントキャンペーンに申し込んだら、当ったのでショールームまで受け取りに来て下さいという連絡を受けていたので、早めにお店をあがって出かけた。
     http://www.royalgrace.co.jp/
     私が出向いたのは青山店なのだが、国連大学の裏側でやや分かりにくかった。
     道に迷っていたら、担当者を名乗るI氏から携帯に電話が入り、誘導されてなんとか訪れる事ができた。
     わざわざ景品を直に受け取りに来て下さいというので、なんだか怪しいなと思ってネット上で情報収集をしておいたのだが、ショールームは広くて明るく、雰囲気としては悪くない。
     疑り深い私は、その方がかえってアヤシイと思ってしまった(苦笑)
     景品のスワロフスキー・ラインストーンネックレスに刻印を勧められ、どうしようかと考えたが、料金は千円以下で妥当。お願いする事にした。
     I氏のお話からすると、どうやらプレゼントキャンペーンに応募してきた人ごとに担当者を当てて、宝石などの購入の際にコーディネートしてくれるようである。
     ただプレゼントをするのではなく、顧客を定着させるという点では正しい選択だろう。私のような、物を買わない人間をつかまえてどうかとは思うが(苦笑)
     警戒心は解けないが、絶えず笑顔を保ちながら一度も購入を勧めないのは戦略としても上手だと思う。
     周りの様子を見ると、女性客には男性スタッフが、男性客には女性スタッフが付き、会話の内容に耳を傾けると、さすがにどのスタッフも話術が巧みである。……って、何を観察してるんだか。>自分
     個人的には宝石の話や、商売上の話のような“知らないこと”を聞けたのが楽しかった。
     刻印をしてもらった物を受け取りにまた来なければならないのは面倒だが、I氏はなかなかに可愛い雰囲気を作っている女性なので、ホイホイと来てしまいそうな自分に呆れる。
     さてさて、この先どんな“お付き合い”になるのか。
     あっ、I氏とではなくて、『ロイヤルグレイス』とね。念のため。
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    今回の日記の内容は、いかがでしたか?
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    ☆締切:2003年10月6日から4日間

    ~~~~~~~~~~~~~~ ≪読者より一言≫ ~~~~~~~~~~~~~
    ☆面白かった
     花火の陣取り軍団や、歯医者嫌いの患者さんなど、様子が目に浮かぶようでした~! (2003/08/07(木) 22:27/MIKA)
    ★読者コーナーの掲載スタイルを考えているうちに、すっかり遅くなってしまいました。すいません(^-^;
     (8月2日の日記参照)
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    ☆役に立つ事もあった
     症状別の漢方薬の選び方がよくわかるから(2003/09/20(土) 17:44)
    ★役に立つメルマガが他にいっぱいあるので、役に立つような立たないようなメルマガを目指していたのですが(笑)
    ------------------------------------------------------------------------
    ☆役立つけど長すぎる
     古いノートパソコンのメモリが、パンクしそうです~! もっと軽くしてもらえると嬉しい・・・・。(2003/10/02(木) 01:07/MIKA)
    ★私の家でも、Win95のノートパソコンが現役で稼動しているので、状態が分かりますσ(^◇^;)。
     今号から、週2回に分けて発行してみました。状況によっては、また発行スタイルが変わるかもしれませんが、今後ともよろしくお願いします。
    ■■■■■■■■■■■■■■■□免責事項□■■■■■■■■■■■■■■■
     記載内容を利用して生じた結果について、当方では責任がとれませんのでご了承ください。
     また、筆者が思った事や感じた事を率直に書いている事柄に関しましては、反証可能な事実誤認以外の訂正には応じられません。
     URLで紹介した先のページの著作権は、そのページを作成した人にあります。URLを紹介する事に違法性はありませんが、文章等を転載する場合は、作者の許諾が必要となります。
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    ◆TRPGのサークルに所属しています。
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     私は主に、映画についてトークをしています(・v<)
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  • ≪通巻22号≫
    『バンダイミュージアム』/医者と患者は敵同士!?/めまいの漢方薬/血液の停滞を取り除く/皮膚病の薬は人に頼まないで/21歳の飼い猫/心配な患者さん

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    ★彡☆-=★彡  それさえもおそらくは平凡な薬局  ★彡☆-=★彡
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    編集 : 北村俊純
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    ~~~~~~~~~~ 今回の日記の主な話題 ~~~~~~~~
    ※9月16日(火)……『バンダイミュージアム』
    ※9月17日(水)……医者と患者は敵同士!?
    ※9月18日(木)……めまいの漢方薬
    ※9月19日(金)……血液の停滞を取り除く
    ※9月20日(土)……皮膚病の薬は人に頼まないで
    ※9月21日(日)……21歳の飼い猫
    ※9月22日(月)……心配な患者さん
    ******************* 先週の平凡な日記 *********************
    ◆9月16日(火)/2003年◆
     虫刺されと汗疹(あせも)の薬がこの頃よく出る。
     しかし患者さんの患部を見てみると、どうも汗疹ではなく状況からして、日光皮膚炎だと思われる事がよくある。
     今日来た患者さんは、旦那さんにはドラッグストアーで『ムヒ』を買ってきてもらったとか。
     虫刺されの薬だから、汗疹にも湿疹にも効かないんだけど(^-^;
     おそらくドラッグストアーで、肌が赤くなっていると言って、店員の方も患者さん本人じゃないから分からなくて季節的な事から虫刺されの薬を勧めたのだろう。
     頼まれたという人に薬を売るというのはかくも厄介であり、やはり患者さん本人が相談に来てくれるのが望ましい。
     注文のあった薬を発送して、私は午後からお出かけ。
     月に一度のIちゃんとのデートである。
     行った所は、千葉県のJR松戸駅前にオープンした『バンダイミュージアム』。
     http://www.bandai-museum.jp/main.html
     ここのところはIちゃんのリクエストでデートコースを選んでいたので、今回は私の好みで。
     オープン当初から興味はあったのだが、身近に行った人がいなくて情報が入ってこなかったため敬遠していたのだ(笑)
     で、行ってみた感想としては「ハァ~、(´д`)」であった。
     いわゆるオリジナルグッズがあったりして、買い物をするのならば楽しめるのだが、ミュージアムとしては中途半端な感じが否めない。
     “ガンダムの実物大胸像”(全長約5.6メートル)も、質感がオモチャっぽくてリアル感に乏しい。
     宣伝文句として「アニメ作品のガンダムを実在する歴史としてとらえ、モビルスーツを実在する兵器として考えます。」と謳っているのなら、現実の戦争記念館のように『一年戦争博物館』と銘打って、作品中に登場した兵器などを展示したり、スペースコロニーでの生活や作品中における“当時”の流行などを考察した解説などがあれば面白かったのに。
     『ウルトラマン』や『仮面ライダー』などの展示があるキャラクターワールドも「世界観をアカデミックに検証しています。」と言うわりには、ファンが趣味で制作しているホームページなどの方が優れた考察を披露していたりして、ミュージアムの名に恥じる作りになっている。
     食事の方はガンダムカフェで『ニューヤークプレート』を食べたのだが、これがもう不味くて不味くて(笑)
     あまりの不味さに怒る気も失せるくらいだった。せめて、千円以下ならば納得しないでもないのだけれど。
     作品にちなんだ『ザビ家の食卓』というディナーコースがメニューにあったが、ちょっと怖くて試せそうもない。
     どうせ高くて不味いのなら、NASAが開発した宇宙食を出してくれればいいのに。あれなら、不味くても許せる(笑)
     http://www5c.biglobe.ne.jp/~ikuma/
     一応小物などをIちゃんにねだられて買ってあげたのだが、そのIちゃんの感想は「ナンジャタウンのなりそこないよね」との事。どっとはらい(⌒▽⌒)
     http://www.namco.co.jp/tp/ その後で近くのラブホテルへ行こうとしたのだが、Iちゃんの親戚が近いので別な所へという事で二駅ほど移動してホテルを探した。
     見つけたホテルが『HOTEL再会』。
     http://www.hotel-net.co.jp/saikai/
     なんだ、この狙ったような名前は(笑)
     まぁ、『やり逃げ』とか『結婚』とかの名前のホテルがあったら嫌だけど。
     部屋は、サイトに掲載されている写真ほどには綺麗ではありせん。
     お風呂場も造りが安っぽくて、ちょっとゆったりできる雰囲気じゃない。
     料金の安さと、フリータイムの長さが良かったというところか。
     Iちゃんを駅まで送って別れた後に彼女からメールが入った。
    「実は、いつも不完全燃焼なので思いっきり甘えてみたいなぁ。」
     
     さて帰ろうと思ったら、某事務所から電話が入った。
     NTTのBフレッツの工事が終わったので、パソコンとの接続をして欲しいとの事。あうっ(^-^;
    「すぐに駆けつけます」と我ながら安請け合いをして事務所に向かった。
     途中でLANケーブルなどが必要になるなと思い電気店に入ったら、その事務所の事務局長のKさんが買い物をするところだった。
     念のために買った物を確認するとケーブルの種類が違う。
     お店の人にキャンセルしてもらって買い直した。アブナイアブナイ。
     事務所に行って、パソコンとの接続やらルーターの設定やらやら。
     インターネットへの接続は難なくできたものの、事務所にあるパソコン全てでプリンターも共有したいとの事だったのでプリンタサーバー機能付きのルーターを購入したのに、どうしてもプリンターとの接続が上手くいかない。
     終電間近になりタイムアップ。続きは明日に持ち越しとなった。
     (T-T)シクシク。
     帰ってから録画したテレビニュースを遅い夕食を食べながら観た。
     自民党の総裁選挙自体がまるで総選挙であるかのようなマスコミの取り上げ方に苦笑。しかし、候補者の過去の映像が出てくるというのは、まぁ可哀想にと思わなくもない。
     例えば北朝鮮による拉致問題に関しては、高村氏は外務大臣時代に野党から追及されてものらりくらりと誤魔化す事しかしていなかったし、藤井氏などは同問題に取り組んでいる他の議員に野次を飛ばしていた。
     
     琵琶湖で家族連れのヨットが転覆したとのニュース。
     救命胴衣を誰も着けていなかったなんて、大人は死んで当然、子供が迷惑。
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    ◆9月17日(水)/2003年◆
     できれば昨日解決したかった某事務所のプリンターの設定をしに出かけた。
     プリンターのドライバーを最新のものに入れ替えたりと色々と試したが、プリンターはウンともスンとも言わない。
     これはもう手に負えないと、ルーターのメーカーに電話する事にした。
     しかし、サポートセンターになかなか繋がらいない。
     サポートセンターの電話回線が少ないのだろう。
     何度か掛け直すこと延々3時間あまり。
     やっとつながったと思ったら、「ただいま混み合っております。しばらくお待ち下さい」との自動応答のアナウンス。そのまま20分ほど待つことに。
     そしてサポートセンターの人に聞いて分かった事は、やはりプリンターのドライバーの干渉によるものだった。ルーターを通すので、双方向印刷機能が使えないように設定して下さいとの事。
     なんだよー、説明書のドコにもそんなの書いてないぞー( ̄▽ ̄|||
     分厚い説明書は敬遠されがちだけど、それは重要なことじゃないんかい。
     
     作業が終わったところで、別室で行われていた会議も終わったようでKさんに飲みに誘われた。
     近くの居酒屋で乾杯。
     聞いた事のないお店だが、チェーン店のようである。フロアは少し大きめで、雰囲気は悪くない。悪いのは店員の物覚え。
     注文した物が、ことごとく来ない。来ない。来ない。やっぱり来ない。
     私を含めて6人ばかりで行ったのだが、いい加減みんな呆れてNさんが店長を呼んだ。いつもなら私がやりそうな事であるが、今日は代わりにやってくれる人がいて良かった(苦笑)
     お詫びにとビールのジョッキをサービスしてくれたが、その後もやっぱり注文した物が何度か忘れられる。大丈夫か、この店(?_?)
     偶然にも元医療関係者の人がいて、医療ミスの話など。
     先日テレビで医療ミスに遭わない為のノウハウをやっていたが、あんなのはダメだと。
     テレビでは、“医者にプレシャーをかけるのが良い”という事で、親類などを同席させるとか、納得いくまで質問するなどの方法を勧めていた。
     確かに“戦略”としては間違っていないが、それはやっぱり“戦う”方法であって、医者とのパートナーシップによって治療する目的からすると外れている。
     人間、頼りにされて嫌なことはない。医者も人間なのだ。賞賛し、感謝して、「貴方だけが頼りです」と煽(おだ)てて乗せて、能力を最大限に使ってもらった方が良い(笑)
     カルテの開示だって、初めから敵意剥き出しで挑んで(笑)くるような人には見せたくないのは当然だろう(事の善悪は別にして)。
     治療を受ける時から仲良くなって、情をからめて開示をお願いした方がすんなり出てくる。
     テレビで言っていた事は、どちらかというと制度として整えなければならない事で、患者と医者とを敵対させるのを助長しているようで、賛同しかねるという意見を拝聴。私も同意である。
     あと、医者を取り巻く問題としては“小さなミスと命に関わる重大なミス”の間の幅が広すぎて、感覚が麻痺してしまう事だろう。
     もちろんどんな職業でも、些細なミスも見逃さない姿勢は大事だが、現実には難しい。何重ものチェックを入れれば業務に支障をきたすから、どこかで妥協が必要になる。
     そしてその妥協がミスを生む事になるのだから、堂々巡りとなる。
     一方、真面目な医者ほど患者の苦しみを自分の事として背負い込み、精神的に追い込まれて現場を離れる事を余儀なくされる。これを業界用語で『もらい病』と呼ぶ。
     患者にとっては理想的な医者という事になるのだろうが、それをそのまま放置していては、みすみす良い医者を失う事になりかねない。つまり、医者を精神的にサポートする仕組みも必要なのだ。
     例えば、『医療事故市民オンブズマン』などのように医療事故で悩む人をサポートする組織が最近は増えてきている。
     http://homepage3.nifty.com/medio/
     しかし、医者に自信と誇りを持たせるための“市民による”組織というものは存在しない。もし医者が自分で自分を自画自賛したら馬鹿である。先のように、患者さんに乗せられてその気になって傲慢になるのも馬鹿だろう。
     職業においての仕事というものは“できて当たり前”ではあるが、医療においてはなかなか“治って当たり前”とはいかない。しかし、治せなければ“ミスでなくても責められる”のが医者である。
     だからこそ、医者を応援する応援団もまた、市民の中から生まれる事を期待したい、というところで話を〆た。
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    ◆9月18日(木)/2003年◆
     旦那さんが風邪気味というお客さんが来店。
     旦那さんにはオデキの治療で排膿散及湯(はいのうさんきゅうとう)を良く買ってもらっている。
     今回は鼻がつまり熱があるという事で、麻黄湯(まおうとう)を勧めた。
     詳しく話を訊くと、すでに扁桃腺も腫れている模様。扁桃腺炎には桔梗湯(ききょうとう)を用いるが、その桔梗湯の成分に芍薬(シャクヤク)などを加えたものが排膿散及湯でもあるので、家にまだあるようだったら合わせて飲む事を勧めた。
     物静かそうなお客さんが来店。
     ところが商品を告げる段になって、ものすごい大声にビックリ。
     思わずビックリした顔をしてしまったのだろう、お客さんにその大きな声で自分は耳が聞こえないのだと説明された。なるほど納得。
     唇の動きで少しは分かるとの事なので、私も口を大きく開けてゆっくりとお話した。
     
     頭痛とめまいがするという患者さんが来店。
     詳しく話を訊くと肩こりもあるとの事。また、ヘルニアを患ったことがあり、胃下垂ばかりでなく内臓下垂になっているらしい。
     となると、漢方で言うところの“胃内停水”が原因かもしれない。
     胃が冷えたり、胃の働きが弱くなると胃の中の水を体内で捌(さば)けなくなってしまい、頭痛や吐き気を引き起こすようになる。
     手足が冷えて急激な頭痛がする場合は呉茱萸湯(ごしゅうゆとう)、喉が渇いて吐き気や下痢を伴う場合は五苓散(ごれいさん)、眩暈(めまい)が強い場合は苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)が良い。
     今回の患者さんは以前に漢方薬を煎じて飲んだ時に、ものすごく不味いうえに、たいして効かなかったとかで漢方薬は嫌だと言う。嫌なものを無理には勧められない。ただし、話からすると本当に漢方薬だったのかは疑問だが。
     とりあえず別な市販薬を勧めて、アドバイスとしては夜中に胃の冷える物を食べないように伝えた。具体的には、果物やコーヒーなどだ。特に、コーヒーは“温かく”して飲んでも胃を冷やすので要注意。
     友人のT氏から、「夜飲みませんか」とのメールが入った。久しぶりにK氏も合流できそうだという事で、二日続けて飲む事に。
     閉店作業をお母んに頼んで、少し早めにお店をあがった。
     新宿で待ち合わせて、K氏推薦のお店『串八珍・八珍亭』へ。
     http://www.hoso-foods.co.jp/
     K氏のお薦めメニューは『串キャベツ』との事なので、3人分を注文した。
     出てきてビックリ、四つ切りくらいの大きさのキャベツが、デンッと目の前に置かれた。味噌を付けて食べるらしい。
     さすがにキャベツをそのまま出すだけあって、キャベツ自体に甘味があり美味しい。
     飲み物の方は酎ハイやサワーを注文したのだが、そちらはアルコールが薄いうえに大甘で、やや閉口した。
     お腹がいっぱいになってきたところでオツマミにチーズを注文したら、こちらは満足。カッテージチーズとクリームチーズを混ぜ合わせてブルーベーリージャムを和えた物を固目のパンに塗って食べる。ううむ、これは家でも試したいな。
     ちょっと困ったのが注文忘れ。昨日のお店ほど酷くはないが、度々せっつかないと出てこなかった。
     隣や向かい側の席のお客さんも、「○○が来てないんだけど」とやっているところをみると、どうも今日の店員の能力が低いのではないか。
     それと注文しようとしても、なかなか店員が捕まらない。
     注文しようと思うと、料理を運んだり食器を下げたりするときにサッと通り過ぎてしまう。ちょっとくらい、周囲を見回して行けよと思う。
     私を含めて3人とも飲食店でバイトをした経験があり、現在も接客商売をしている。だもんだから、こうゆう場面に出くわすと、ものすご~~~~く気になってしょうがないのだ。いつ誰が“先に”ドンッとテーブルを叩いてもおかしくない(苦笑)
     しかし、T氏によると最近は『三月うさぎ』の接客が日に日に悪くなっていくので、そっちの方が気になると言って「今日はいいや」との事。私も、昨日の飲み屋の方が酷かったので、気長に待つことにして良しとした。
     http://www.sangatuusagi.co.jp/
     実際、今日のお店の場合は店員の能力は低いかもしれないが、それをカバーできるだけの“人柄”で許せない事もない。これがマニュアル通りの対応しかできない店員だと、謝る言葉もウソ臭くて余計に腹が立ったりする。しかし、上手い人(あえて本当の人柄ではなくテクニックとして)は、ちゃんとお客の怒りを解く事ができる。客商売では重要なテクニックだ。
     客の注文を間違いなく届けるという基本的な能力が低くても、客の怒りを解く事ができるというのは立派な職能として認めても良いだろう。
     それだけにT氏は、「嬉しいサービスをしてもらった経験が無いのかね」と不思議がっていた。激しく同意(゚゚)(。。)(゚゚)(。。)
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    ◆9月19日(金)/2003年◆
     今日は漢方薬の講習会である。
     テーマは『活血化お剤』、簡単に言えば血液の停滞を取り除く治療の事だ。
     「お」の漢字が、unicodeコードでないと表示できないので、ひらがなのまま表記するが、「お」というのが“滞る”という意味で、血が滞る事を『血お(けつお)』、あるいは『お血(けつ)』と呼ぶ。お尻とは関係ない(笑)
     その『血お』は大きく分けると、次の2つに大別される。
     “非生理的血液の停滞”→鬱血(うっけつ)、内出血(打撲、手術)、子宮筋腫など。
     “微小血液循環障害”→粘調性化(いわゆる血液がドロドロの状態)。
     『活血化お薬』の分類は、効果によって“活血”(かっけつ)・“化お(かお)”・“破血(はけつ)”の3つに分類される。
     “活血”は、主として動脈系の血管を拡張する事によって循環改善に働くもので、鬱血を取り除く効果は弱く、漢方薬には補助的に配合されることが多い。
    代表的な生薬は、当帰(トウキ)と川きゅう(センキュウ)だ。
     “化お”は、主として静脈系の鬱血を改善する作用を持ち、活血に働く物も多い。代表的な生薬は、牡丹皮(ボタンピ)や芍薬(シャクヤク)がある。先の当帰と芍薬を合わせた漢方薬の当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)は、生理不順や生理痛などの婦人病に用いられる。
     “破血”は、鬱血の除去、凝血や血腫の分解吸収に働くもので、化お薬よりも効果が強い。代表的な生薬には、桃仁(トウニン)や紅花(ベニバナ)がある。
     活血化お薬を組み合わせた漢方薬が『活血化お剤』なのだが、原因や症状によって5つに分類される。自分が現在患っているモノがあれば、ぜひ相談していただきたい。
     “寒凝血お(かんぎょうけつお)”
     寒がりで手足が冷たい(特に暗紫色になる)手足の疼痛、下腹部の痛み、生理が遅れがち。シモヤケ。
     →当帰四逆加呉茱ゆ生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)
     →当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
     当帰は体を温めて血管を拡張するので、普段は体力が少ない人などに効果がある。
     “熱盛血お(ねっせいけつお)”
     疼痛(刺痛・灼痛・冷やすと軽減)、出血腫瘤、熱感。左下腹部に抵抗感や圧痛が顕著。
     →桃核承気湯(とうかくじょうきとう)
     この桃核承気湯は、活血と破血の効果があり、逐お(ちくお)と呼ばれる作用がある。血おを駆逐するという意味で、それは効果が強いという事でもあり、昔は妊娠初期の堕胎にも使われたらしい。ただし、堕胎の効果については臨床試験が行われていないため、現代においては確認されていないとの事。
     むしろ体を冷やす作用が強いため、日本の気候ではあまり用いる事は少ないようである。
     
     “気滞血お(きたいけつお)”
     気滞とは、現代的に言えばストレスの事だと思ってもらって構わない。ストレスや自律神経失調が原因で血おになってしまった場合である。
     血お症状+膨満感、いらいらして怒りっぽい。重い生理痛、生理不順。
     →桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)
     →加味逍遙散(かみしょうようさん)
     →小柴胡湯(しょうさいことう)
     補足すると、『活血化お剤』を5つに分類しているが、桂枝茯苓丸は血お全般に対して広く用いる事ができるそうだ。よほど体力が落ちているか、妊婦でなければ、最初に選んでみてもいいだろう。
     加味逍遙散は、生理が始まるまでの一週間程度が苦しい場合に事前に用いると楽になるようである。また、甘草(カンゾウ)という生薬が入っており、これは副腎皮質ホルモン様作用があり、ストレスに対する抵抗力が高まる。
     小柴胡湯は普通は食欲不振や胃腸虚弱に用いるのだが、ストレスは胃腸に影響を及ぼし、胃腸が弱ると肉体的にストレスが溜まりやすくなるという悪循環に陥(おちい)るのを防ぐのに役立つ。だから単体で用いるよりは、他の漢方薬と一緒に用いるのが望ましい。
     “気虚血お(ききょけつお)”
     血お症状+元気が無い、疲れやすい、食欲不振など。
     →補中益気湯(ほちゅうえっきとう)
     補中益気湯は胃腸を丈夫にすると共に、名前の通り気力を増す効果がある。
    その辺の栄養ドリンクなんかより、よほど体力回復が期待できる。この補中益気湯と、桂枝茯苓丸を一緒に服用する事で血おを取り除きつつ体力を回復するのという訳だ。
     “血虚血お(けっきょけつお)”
     血お症状+皮膚につやが無い。顔色が悪い、爪が割れる、目がかすむ、貧血。
     →四物湯(しもつとう)
     →当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
     四物湯を用いる場合に気をつけなければならないのは、胃腸障害が無い事が条件となる。これは地黄(ジオウ)という体を冷やす生薬が入っているからだろう。同時に当帰と芍薬が入っているので、日本では当帰芍薬散で代用される事が多い。皮膚の色つやを良くするためというように、目的を限定した使い方になると思われる。
     ところで、ウチでは婦人病全般に効果があるという事で、『婦人華(ふじんげ)』という商品を取り扱っている。(医薬品錠剤・顆粒)
     この婦人華、患者さんの評判も良く、中には母娘姉妹の3人でという事でまとめ買いされる人までいる。
     成分的には桂枝茯苓丸当帰芍薬散を合わせて、さらに甘草(カンゾウ)と人参(ニンジン)が入っており、いわば生理痛を軽減するための短期服用にも、子宮筋腫の治療などの長期服用にも使う事ができるので、売る方も便利に使えるので重宝している。
     しかし、文献などには桂枝茯苓丸当帰芍薬散を合わせた処方というものは存在しない。なので、どうしてメーカーがそういう処方をしたのか不思議に思っていた。
     そこで、講師の方に尋ねてみたところ「ああ、その処方だと加味逍遙散に近くなりますねぇ」と言われた。
     ああっ、そうか!
     なるほど~、確かに。今まで、ついぞ気がつかなかったσ(^◇^;)。
     となると、婦人病に限らず男性で手術をした術後に用いたりという使い方もできるな。覚えておこうφ(..)
     腎臓病を患っていた6歳の長男が死亡し、母親が山形県内の山に埋めたという事件のニュース。
     観ていたニュース番組のキャスターが「子供が最後に頼りになるのは母親だけです」と言っていて、後で他のチャンネルのニュース番組を観ていたらそちらのキャスターも全く同じコメントをしていた。
     ホントにホントにそうなのだろうか?
    “親が子供を愛して当たり前”という思い込みに間違いは無いのか?
     障害を持った子供を育てている親や、完治は無理と診断されている病気を抱えた子供を看病している親とは、何人も会っている。
     そういう境遇の親による手記を読んだり講演を聴いたことのある人ならば、「この子を殺して自分も死のうと思いました」という言葉を見聞きした事があるだろう。おそらく同情を寄せたはずである。
     では、こう言われたとしたらどう思うだろうか。
    「この子が死んでくれれば楽になるのに」
     同情ではなく非難するのではないか。一瞬でも、「なんて事を言うんだ」と思うのでは?
     コレを言われた時に発するべき言葉を私は未だに見つけられないでいる。
     まさか「そうですね」と同意することを言えはしないし、しかしその苦しみを思えば、「そんなこと言うもんじゃない」と否定することを言える訳もない。
     自分の子供を愛する事が当然だとしても、毎日毎日一分一秒“愛し続ける”という事が果たして、人間に可能だろうか。いや、可能な人がいたとして、自分はできるからと他の人にも強制する資格があるだろうか。
     子供を生んだら育てる事に責任を持たなければならないとして、残りの自分の人生を全て費やさなければならないのだろうか。自分の矜持としてそうするというのなら、それは尊いことだと思うが、それを他人が強要するというのなら、まるでその子供を生んだ事が、その子供が生まれてきた事が罪のようではないか。
     今回の容疑者である母親は、子供に虐待も加えていて「このままでは殺してしまう」と思い、元夫の家に連れて行こうと車に乗せたものの、車中で子供の容態が悪化して死んだため、遺体を山中に埋めたと供述しているらしい。
     供述内容の事実確認はこれからとなるが、もしそれが本当なのだとしたら、私はもっと早く“母親としての愛情”と“母親としての責任”を放棄していてくれればと思った。
     道徳的に許されなくても、法的に違法だとしても、子供を病院に入院させて出会い系サイトで交際を始めたという男性とともに失踪してくれれば、病状は別として子供はその日に死なないで済んだかもしれない。
     子供が健康だったとしても、子育ての大変さは経験者ならば分かるはずだ。だからこそ、余計に子供を虐待する親などのニュースに憤るのだろうとも思う。
     だがしかし、その“親が子供を愛して当たり前”という認識が、子供を捨てるという子供にとっての最終的な“安全”を確保する事を阻害しているのではないだろうか。
    「子供が最後に頼りになるのは母親だけです」というニュースキャスターの言った考えこそが、子供を死に追いやった原因ではないのかと私には思えてならない。
     それとも、この考えは私がまだ自分の子供を持った事がないからなのだろうか。
     確かに、“子供の幸せ”というものがどんなモノなのかは今の私には想像できない。
     ただ、幸せのカタチは分からなくても、“生きてさえいれば”という希望を子供に託すとするならば、子供を捨てるという選択は、尊い命を守る方法の1つとして加えておきたい。
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    ◆9月20日(土)/2003年◆
     台風が近づいていて、朝からサーッという感じの雨が降っている。
     雨は好きだし、涼しくて良いが、週末の雨はお客さんが来なくて困る。
     サトウ製薬の営業マンが来訪。
     土曜日に得意先周りとは、ご苦労様です。
     せっかくなので注文を…といきたいところなのだが、もっか仕入れの必要な物は無い。あるのは、消費期限が迫っていて返品する物ばかりである。申し訳ない。
     『ぜにたむし』という薬を下さいというお客さんが来店。旦那さんに頼まれてきたらしい。
     しかし、『ぜにたむし』は病気の名称であって、『ぜにたむし』という商品名の薬は無い。
     だが、以前にチューブの薬を使っていたと言う。
     どうも旦那さんは、効能書きの部分を薬の名前だと思っている模様。
     頼まれ物なので、ぜにたむしに効くからといって他の薬を勧める訳にもいかない。
     せめてそのチューブを持ってきてもらうか、同じ効能なら他の薬でも良いのかを確認してきてもらう事にした。
     しばらくして、さっきの『ぜにたむし』の薬を求めにきたお客さんがみえた。
     どうやら患部は掌らしい。しかも硬くなっているという。
     うう~ん、ぜにたむしが手にできるというのは滅多にない。本当にぜにたむしなのだろうか。どうも湿疹が角質化したようにも思える。
     また、足には先の薬を使っていたそうなのだが、掌には使った事はないとの事。もし、ぜにたむしでなく湿疹などだったら薬を間違えると悪化してしまう。
     ところが、さらに詳しくお話を伺うと、旦那さんは病院に入院しているとか。
     お客さんは「皮膚科の病院じゃないから」と言っていたが、皮膚の一部を顕微鏡検査するくらいならば皮膚科でなくてもできるはず。少なくとも、入院設備のある病院ならば、小さくても頼めば調べてもらえるはずである。
     皮膚病の薬の誤用は、命に関わることは少ないとはいえ、やはり怖い。
     今回は旦那さんが入院しているという事で仕方が無いが、皮膚病はできれば薬を人に頼むというのを避けてもらいたい疾患である。
     T姉からメール。
    「今○○市にいるんだけど、いいラブホテル知らない?」
     なんでそれを俺に訊く(笑)?
     しかもそれで、「××がいいんじゃない」って返信する私も私だが(^^ゞ
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    ◆9月21日(日)/2003年◆
     今朝は寒くて目が覚めた。
     先週まで残暑が厳しかったのに、タオルケット一枚では寝られなくなったか。やっぱり秋なんだなぁと思いながら、クシャミ連発。
     体を温めるには風邪に使う麻黄湯(まおうとう)か、手足の冷えを取る麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう)というところだが、胃腸強弱な自分にはちょいと強すぎる。
     同じく麻黄(マオウ)が入っていても量が少ない小青龍湯(しょうせいりゅうとう)を飲んだ。もともと気管支喘息や鼻水が出る場合に使うので、多分大丈夫だろう。(←多分かい)
     午前中は雨を眺めながら、商品棚の掃除。
     お客さんが来ないもんだから、はかどるはかどる。
     掃除ばかりがはかどっても困るのだが。
     それでも、午後になって小雨になてから、患者さんがチラホラ。
     ほとんどが、風邪気味という事で、症状の進み具合に合わせて漢方薬をお出しした。
     面白いのは、前回の日記にも書いた『地竜(ぢりゅう)』
     (9月13日の日記を参照)
     良く効きますよと紹介しても、男性の患者さんは尻込みをしてしまう。
     ところが、女性の患者さんはほとんどの人が買っていく。自分で服用する場合もそうだが、子供や旦那さんに飲ませる時には「どうせ効能書きは見ないから、黙ってれば分からないわよね」と、あまり気にしない。ホントは、効能書きはちゃんと読んで欲しいところだが、知らない方が良いこともあるということで(笑)
     夕方に、お母んが実家の飼い猫を動物病院に連れて行った。
     最近は、餌をねだるからと出しても食べないので点滴を受けさせるためだ。
     と言っても、この猫、私が小学生の時に拾ってきた……正確には勝手についてきて、そのまま居ついてしまった猫である。
     当時は痩せ細っており、今にも死にそうだったので動物病院に連れて行ったものの、獣医師からは「長くは生きられないでしょう」と言われた。
     だから名前を「丸々ふとるように」と『マル』と名付けたら、なんとホントに丸々と太りだし、とうとう今年で21年目である。
     つまり、人間の年齢で言えばすでに100歳前後で、いわば老衰なのだ。
     ついこの間も腎臓が悪くなって病院に連れて行った時には、診察申し込み用紙の欄には20歳までしか表記が無くて、病院の看護婦さんも困っていた。獣医師の話によると、今までに猫の最高齢は17歳までしか診たこと無いとの事。
    「長生きはしてみるもんですね」(どっちが?)
     今回の診察の結果は、肝臓の機能不全だった模様。
     まず腎臓の機能が低下して次に肝臓が悪くなるとは、人間と同じなのだなと妙に感心してしまった。
     そろそろお別れは覚悟しておかないとならないな。
     ネットでの葛根湯麻黄湯の注文が殺到。
     今はひいていないが、風邪に備えてとの事。
     メールマガジンの日記に書いた影響か。
     店頭売りの方が寂しいので売り上げが良くなるのは嬉しいが、ちょっと迂闊な事は書けないなと自戒。
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    ◆9月22日(月)/2003年◆
     便秘薬を求めて患者さんが来店。
     いつも使っているとの事で、『コーラック』をお買い上げ。
     体への負担を考えると漢方薬の防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)か、大黄甘草湯(だいおうかんぞうとう)、あるいは『サトラックス』(医薬品顆粒)がお勧めなのだが、やはり「いつも使っている」という安心感で選ぶのは仕方のないところか。
     歯痛の患者さんが来店。
     痛み止めをということだったが、痛み止めは痛みを感じなくさせるだけなので、化膿止めの方が良いとお話して、排膿散及湯(はいのうさんきゅうとう)を勧めた。
     オデキなどの化膿全般に使える便利な漢方薬である。それだけに、痛みが治まって安心されると困るので、早めに歯科医に行くように申し添えた。
     旦那さんの咳が止まらないとの事で、お客さんが来店。
     旦那さんが薬を指定しているので、それをお買い上げ。
     しかし、症状からすると麦門冬湯(ばくもんどうとう)の方が合いそうなので、一応説明した。
     麦門冬湯の成分は、名前にもなっている麦門冬(バクモンドウ)を始めとして、半夏(ハンゲ)も甘草(カンゾウ)も、咳を止めると言うよりは胃の働きを良くする作用がある。
     それがなんで咳止めの漢方薬かと言うと、咳の中でも特に“痰の絡む咳”は“胃内停水”という胃の働きが悪くなって体内の水が捌(さば)けない事が原因と考えられるからである。
     つまり、胃の働きを改善する事で咳を治すのだ。
     原因を治さないまま咳止めを飲み続けても、むしろその方が薬代が無駄となる。
     奥さんは納得してくれたが旦那さんは、さて……。
     眩暈(めまい)がするという患者さんが来店。
     いつもは、他の漢方薬のお店に行っているのだが、薬が切れて買いに行ったところ休みだったのでいらしたとの事。
     でもって、そのお店で買った漢方薬はというと分からない模様。
     一口に“めまい”と言っても原因はさまざま。色々とめまいの起こる状況や、他に病状が無いかなどを尋ねていく。
     今回の患者さんは、以前に突発性難聴症で通院していたことがあるとの事。
     また、舌の先が炎症を起している。口内炎などは、胃を悪くすると現れる症状だ。
     そして、めまいは朝起きる時と夜寝ようとする時。それと、お風呂をあがった時だと言う。
     お話を聞いていて、思わず「ギャッ!!Σ( ̄□ ̄;)」と悲鳴をあげそうになったのは、お風呂上りにビールを飲んでいると言われた時。
     急激な体温の変化は、めまいの原因になるうえに、胃が悪くなっているところでビールを飲んでいたのでは、そりゃあ、めまいにもなるかと……σ(^◇^;)。
     さらに、病院でもらった口内炎の塗り薬は気持ち悪くなるからと使っていなくて、めまいの飲み薬も効かないからと飲んでないらしい。
     それで、漢方薬のお店に通っていたとか。
     うう……、使って気分が悪くなるなら医師に相談して下さい。効かないからと服用をやめる前に、やはり医師に相談して下さい。
     結局、内臓が弱っていて気温の変化に体がついていけない事からくるめまいだろうと判断して、苓桂朮甘湯(りょうけいじゅっかんとう)を勧めた。
     でも、ちゃんと飲んでくれるか、心配~(⌒~⌒;) 心配~(⌒~⌒;)
     プレゼントキャンペーンとして用意した『ミニ箪笥(たんす)』だが、意気込んで80個も仕入れたら、10個ほど余ってしまった。あうっあうっ(>_<)  月末にまだ余っていたら、教会に寄付しようかな。寄付された方も困るかもしれんが(苦笑) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 今回の日記の内容は、いかがでしたか? 【感想アンケートのURLはコチラです】 http://magical-shop.web.infoseek.co.jp/votecom_kitazono.htm ☆締切:2003年09月24日から7日間 ■■■■■■■■■■■□免責事項□■■■■■■■■■■■  記載内容を利用して生じた結果につい て、当方では責任がとれませんのでご了承ください。  また、筆者が思った事や感じた事を率直に書いている事柄に関しましては、反証可能な事実誤認以外の訂正には応じられません。  URLで紹介した先のページの著作権は、そのページを作成した人にあります。URLを紹介する事に違法性はありませんが、文章等を転載する場合は、作者の許諾が必要となります。 &&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&& 趣味の活動 &&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&& ◆TRPGのサークルに所属しています。  卓上ゲームが好きな人や、興味のある方は覗いてみて下さい。  また、『コミュニケーション』のコーナーでWEBラジオ番組『幻想時間』を公開しています。  私は主に、映画についてトークをしています(・v<)  http://www.snake-eyes.gr.jp/ -------------------------------------------------------------------  このメールマガジンは、『まぐまぐ』 http://www.mag2.com/ を利用して発行しています。  解除はこちら http://www.mag2.com/m/0000109927.htm から。 -------------------------------------------------------------------

     

  • ≪通巻11号≫
    頼まれた薬はメモをして/森前総理の失言/風邪に備えた漢方薬の選び方/ガスターの服用に気をつけて/説明書を読みましょう/血流計の勉強会/同じ薬なのにダメ?

    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
    ★彡☆-=★彡  それさえもおそらくは平凡な薬局  ★彡☆-=★彡
                ≪通巻11号≫
    提供 : まぐまぐ http://www.mag2.com/
    発行 : 北園薬局 http://plaza2.mbn.or.jp/~kitazono/
    編集 : 北村俊純
    窓口 : kitazono@a1.mbn.or.jp
    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
    ~~~~~~~~~~ 今回の日記の主な話題 ~~~~~~~~
    ※7月1日(火)……頼まれた薬はメモをして
    ※7月2日(水)……森前総理の失言
    ※7月3日(木)……風邪に備えた漢方薬の選び方
    ※7月4日(金)……ガスターの服用に気をつけて
    ※7月5日(土)……説明書を読みましょう
    ※7月6日(日)……血流計の勉強会
    ※7月7日(月)……同じ薬なのにダメ?
    ******************* 先週の平凡な日記 *********************
    ◆7月1日(火)/2003年◆
     子供から薬を買ってきてと頼まれたというお客さんが来店。
     子供といっても成人だが。
     お腹の具合が悪いという事らしいのだが、頼まれた薬の名前が思い出せないと言う。
     まず症状を尋ねてみたが、お腹の具合が悪いとしか聞いていない模様。
     ヘソの上が痛いのか下が痛いのかも分からない。
     下痢をしているのかどうかも尋ねたが、それも分からない。
     症状が分からないのでは、せめて合いそうな薬を勧めるという訳にもいかなくて困った。
     しきりに、よくテレビでも宣伝してるヤツとも言われるが、棚に並んでいる商品の半分はテレビでCMが流れている。
     どれでもいいから効くヤツをとも言われたが、初めに尋ねたように症状が分からないのでは手も足も出ない。
     結局はキャベジンを選んでいったが(おそらく正露丸と同じくらいに知ってる名前だったのだろう)、とりあえず封を開けなければ返品できる旨を伝えた。
     誰かに頼まれて薬を買いに来るケースは良くあるが、一番良いのは薬の空箱を持ってきてもらうことだ。まず、間違いが無い。
     それができなければ、せめてメモを持参してきて欲しい。
     ただ、以前も使っていたから今回の症状にも効くかどうかは本当のところは分からない。だから、治療するという事で考えれば、一番良いのは症状を事細かに聞いておいてもらう事だろう。
     ウッカリすると、重大な病気を見過ごす事にもなりかねない。
     湿気のせいかゴキブリ駆除剤を買いにくる人が増えた。
     しかし困るのが、商品名を勘違いしたまま買いに来る事。
    「バルサン下さい」と言われて商品を出すと「違う」と言われる。どうやら、アースレッドが欲しいらしいと分かるまでトンチンカンな会話が続いた。
    「バルサンですよね?」
    「ええ、バルサンが欲しいんです」
    「それでしたら、こちらですが」
    「でも、知ってるのと名前が違うわ」
    「は? バルサンですよね?」
     ゴキブリ駆除剤の事をバルサンと言うのだと思っていたようだ。
     このように、商品名が普通名詞として使われているというケースを探してみると、意外なほど多い事に気づかされる。
     たとえば、バンドエイドも商品名だが学校の遠足などの持ち物リストでも、そのままバンドエイドと書かれている事がある。正しくは絆創膏だ。確か、商品名を限定するのは好ましくないという意見がPTAから出た事があるのだが、おそらく書いた人は絆創膏という言葉を知らなかったか、名前のイメージが頭に焼き付いていてそう書いたのだろう。
     そう言えば、「ステープラー取って」と人に頼んで通じなかった事がある。相手の人は、ずっとホッチキスという名前だと思っていたと言うので驚いた。
     この手の話題で有名なのは、NHKだろう。歌詞の一部に商品名が入ってるという事で歌詞を変えさせたりして評判が悪い。かぐや姫の『神田川』では、クレパスをクレヨンと変えさせたり(ボーカルがその事を忘れてしまって結局クレパスと歌ってしまったが)、山口百恵の『プレイバックPart2』では「真っ赤なポルシェ」の部分を「真っ赤な車」と言い換えさせられた。しかし、“車”って……(^-^;
     一番呆れたのは、松本伊代の『センチメンタルジャーニー』で「伊代はまだ16だから」の部分を「私まだ16だから」と変えさせた事だろう。そりゃ確かに、芸名も商品名には違いないけどさ(笑)
     ちなみに、テトラポッドもテトラ社の商品名で、本来は消波ブロックと言わなければならないらしい。
     患者さんから薬をまけて欲しいという電話が入る。
     いや、それでなくてもウチは安くしすぎているくらいなのに。
     大型店なら他の商品の儲けを当てて激安商品を設定できるだろうが、ウチでは仕入れ値より安くなどできない。
    「仕入れ値より安くする事はできません」と伝えたら、「病院で同じ薬をもらった時にはもっと安かった」と言われた。
     そりゃ安いでしょ、保険のおかげで患者の負担割合は3割なんだから(^-^;
     負担割合が3割に上がる時にあれだけ騒がれたのに、ニュースを見ていなかったのだろうか。どうして、病院で処方される薬が安いと思ってるのだ。
     まさか、病院は大きいからドラッグストアーのように値引きして激安で販売してると思ってるんじゃあるまいなσ(^◇^;)。
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    ◆7月2日(水)/2003年◆
     今日は朝から次々とFAXで処方箋が入り、バタバタと患者さんが薬を取りに来た。
     ある患者さんから電話。今日は取りに来れないので、2日後に来店との事。
     ちゃんと電話してもらえるのはありがたい。
     中にはFAXを送っておきながら、別な薬局で薬を受け取って知らんぷりという患者さんもいる。その場合、用意した薬はロス(欠損)になる。
     なので、取りに来ない患者さんがいるとハラハラして持つ事に。
     情報番組で森前総理の失言の事をやっていた。
     太田議員の発言が物議を醸した少子化問題のシンポジウムで、「子供を生んで国に貢献した人に、ご苦労様と面倒をみてあげるのが本来の福祉」というような事を言っていたようだ。
     これはちょっと弁護できないなぁ(苦笑)
     障害者などはどうなのかとか、不妊症の女性はどうなんだと。
     今どき、「国に貢献できなきゃ助けない」って論理を信奉しているというのは、確かに呆れてしまう。
     ただ、例によって女性議員などが的外れな抗議をしているのにも呆れてしまうが。
     森前総理の発言で唯一まぁ賛同できない事もないかなと思うのは、「自由を謳歌しておいて」という部分だろうか。自分の責任で自由を選び、困ったら助けてくれでは虫が良いというのは、確かに思わないでもない。
     この発言を好意的に解釈すれば、「自分のためにも福祉に貢献しなさい」と言う含蓄のあるお説教だろう。100歩くらい歩み寄らないとならないけど(笑)
     しかし、抗議している女性議員の的外れぶりには、ちょっと私は歩み寄れない。
     辻元清美氏などのように議員秘書給与の流用などの明らかな犯罪行為ならともかく、主義や思想で議員辞職をせまるというのはいかがなものか。
     それを言うのなら、北朝鮮に対して好意的な主張をしてきた社民党の議員など総辞職しなければならないはずだ。
     あの悪名高いナチスでさえ民主主義の中で生まれた。ナチスの台頭を許したのは、偏った思想に政治が支配された事だ。日本も大政翼賛会ができて、戦争へ突き進む事を止めることが出来なかった。
     それらの事から考えれば、私は失言や暴言などですぐに辞職を迫ると言うのは、政治的に正しくないと思う。それでは政治家は仮面を被るばかりだ。仮面を被った政治家に国政を託そうという気は無くなり、ますます国民の政治離れが進むのではないか。
     失言おおいに結構。自分の考えを隠して国民を欺く政治家よりは、よほど信頼できる。自分が賛同できなければ、支持しなければ良いだけの事だ。
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    ◆7月3日(木)/2003年◆
     昨日に続いて処方箋がFAXで次々と舞い込む。
     しかし、調合が必要だったりしなかったので、手間としては極めて楽。
     もっとも、楽だと思っている時ほどミスを犯しやすいので注意注意。
     もうすぐレセプトの提出期限なので、先月分の処方箋をチェック。
     それと、先月提出したレセプトで患者さんの保健者番号が該当者ナシで戻ってきてしまったのが何枚かあるので訂正して再提出の準備。
     ところが、処方箋と照らし合わせても番号が間違えてないものが一件あって困ってしまった。
     川口市から戻ってきたものは、「番号不足」とか「登録失効」というように、どこが間違えているかも知らせてくれるので楽なのだが、さいたま市から戻ってきたものは「該当者ナシ」の記述だけなので、処方箋と照らし合わせて番号が一致してしまっては、どこが間違えているのかも分からない。不親切だなぁ。
     こちらのミスだけならば仕方がないが、患者さんが自分の保険が失効してるのを知らないで提示した場合もあるので、それはこちらでは調べようが無いのに。
     海外出張をする息子さんのためにと漢方薬を求めてお客さんが来店。
     葛根湯(かっこんとう)に麻黄湯(まおうとう)と桔梗湯(ききょうとう)。
     それに平胃散(へいいさん)を注文された。
     風邪と言ったら葛根湯ばかりを出す医師もいるのに、ちゃんと葛根湯の適応よりも症状が進んで熱が高くなった場合に有効な麻黄湯も合わせて、さらに扁桃炎を起こして喉が痛くなった場合の桔梗湯も忘れていない。
     風邪に備えた漢方薬の選び方としては完璧である。感心してしまった。
     しかも、風邪で胃の調子が悪くなった時のために平胃散まで選んでいるのだから、もはや何も付け足す事は無い。
     ちょっと寂しいかな(苦笑)
     口内炎の塗り薬が次々と出て品切れになった。
     こんな事も珍しいのだが、ここのところ暑かったり寒かったりしたせいかもしれない。
     口内炎は、ビタミンBなどが不足するとできやすいのだが、天候や気温が不安定だと胃腸が弱って栄養の吸収率も落ちるので、わりと患者さんが集中する。
     口内炎が出来やすいという人は、予防のためにもビタミンBの入った栄養剤を飲んでおくと良いだろう。
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    ◆7月4日(金)/2003年◆
     どうも、持病の喘息が良くならない。
     半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)を飲んでいるのだが、悪くはならないものの低空飛行で安定してしまっている。
     う~む、見立てを間違えたかな……。
     どうも今回は、原因が特定できなくて上手くない。こんな事じゃイカンぞ。>俺
     お母んに相談したら、麦門冬湯(ばくもんどうとう)香蘇散(こうそさん)も飲んだらどうかと言われた。
    「そんなに飲むのは嫌だなぁ」と言ったら、「どれか当るでしょ」とのたまう。
     お~い(^-^;;; そんないい加減な(苦笑)
     ちなみに、半夏厚朴湯は体力低下や精神的なストレスが原因の場合、麦門冬湯は、気温の変化などに体がついていけずに胃を痛めて肺が熱を持っている場合、香蘇散はアレルギー性の喘息の時に使う。
     他にも体が冷えてるのが原因の場合は小青龍湯(しょうせいりゅうとう)、体が温まって咳が止まらない場合は五虎湯(ごことう)、咳き込んで夜も寝られないくらいな場合は麻杏甘石湯(まきょうかんせきとう)、などがある。
     いつもは当たるのだが、いったいどうした事か。
     文献を調べて、しばし勉強。
     スタッフと、病院で出されるガスターの話。
     http://www.naoru.com/gaster.htm
     高齢者や痩せている人には、本来はタブーのはずなのだが、胃薬として処方される事が多い。
     風邪と言えば葛根湯、というように胃薬として医師が手軽に扱ってるような気がする。
     相談薬局と銘打ってる訳でも無いのだが、病院でもらった薬が合わないようだと相談に来る患者さんのほとんどが、薬を調べてみると名前こそ違え、ガスターと同じ成分の類似した薬だったりする。
     でもって、ウチで処方してる訳では無いので、医師に直接連絡する事ができず、せいぜいが「医師と相談してみて下さい」としか答えようが無い。
     不謹慎だが、ここらで一発重篤な被害者が出て副作用が大きく取り上げられないと、医師の意識は変わらないのかもしれない。
     そうそう、そう言えば3年以上も胃痛に苦しんでいて、ウチで漢方薬の平胃散(へいいさん)を買って服用していた患者さんがいたのだが、平胃散を飲むのをやめるとまた痛くなると言うので、詳しく訊いてみると、やはり病院からガスターが出されている事が分かった。
     今までずっとウチに通ってきていたのに、一度もその事を聞き出せなかったのは汗顔の至り。
     そこで、医師と相談してガスターをやめるように伝えたところ、後日ガスターを飲まなくなってから3年も苦しんだ胃痛が治ったとか。で、胃痛が治ったのでずっと飲んでいた漢方薬もいらないとの事。ありゃ(^-^;
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    ◆7月5日(土)/2003年◆
     明け方から目が痛くて目が覚めた。
     うう…、目が痛くて開けられない(T-T)
     思い当たるのは、夕べ寝る前に仕掛けた『アースノーマット』(アース製薬株式会社)。
     http://www.earth-chem.co.jp/
     どうやら、空気中に散布された薬剤でアレルギーを起してしまったようだ。
     普通は、そんな事は無いのだろうが、我ながら難儀な体である事よ。
     目を洗って、アレルギー用の目薬を点(さ)した。
     うっすら開けた目で畳の上を見ると、蚊が何匹か落ちている。
     先日までは『虫よけ天然ハーブ』(フマキラー株式会社)を使っていたのだが、期待した効果が無くて変えたのだ。
     http://www.fumakilla.co.jp/
     効果覿面なのは良かったものの、こっちまで撃墜されてしまった(^-^;
     『虫よけ天然ハーブ』の方は、テレビCMでは玄関に置いておくと、ドアを開けても蚊が入ってこないようなイメージがあるが、実際に使ってみると蚊が平気で寄って来る。
     『虫よけ天然ハーブ』の容器の中に落ちて蚊が死んでる事から、ちゃんと効いてはいるようなのだが、それはつまり蚊が近寄ってこれると言う事でもあって、私はかなり蚊に食われてしまった。
     説明書を読むと、有効範囲が「玄関(2~4畳)」と書いてある。うう~ん?
     玄関は普通、そのまま廊下につながっていたりして、密室なんて事は無いはずでは?
     家によっては、玄関の中にもう一枚引き戸がある場合もあるだろうが、そうは多くないと思うぞ。少なくとも、テレビCMに出てきた家は、明らかに玄関と廊下がつながっていて密室になっていない。
     有効範囲が2~4畳という事は効き目もその程度と言う事で、期待した効果が無いのは納得できるが、それを玄関用として販売しているのは腑に落ちない。
     ちょっとウチのお店では売りにくいな。
     ……と、ここまで書いて気がついたが、私も説明書を最初に読んでいなかった訳で、その点は反省。
     やはり説明書を読むのは大事である。
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    ◆7月6日(日)/2003年◆
     今日は血流計のデータの読み取り方に関する勉強会に出席。
     http://www.tokyo-paramatech.com/products/products.html
     先月、血流計で不整脈を示すグラフが出て、脳出血の前触れを発見する事が出来たので、もう少し詳しく知っておこうと思い立っての事。
     会場には、やや遅刻して到着。浅草公会堂の入り口が分からなくて、しばらくウロウロしてしまったのだ(^-^;
     浅草公会堂というのは演芸場みたいなものだと勝手に思っていて、集会室のような部屋があるとは露知らず、「ここではないのかな」とさえ思ってしまった。
     http://www.taitocity.net/taito/koukaidou/
     部屋に入ると席は満杯。
     まぁ、遅刻した方が悪いのだが、事前に参加申し込みを受け付けておいて座席数が足りないというのもどうか。
     代わりにスタッフの席に案内された。
     で、スタッフがどこだかに(たぶん受付)に行ってしまったため、出席者から私がスタッフと間違われ、「書く物はありませんか?」とか「トイレはどこですか?」と尋ねられたりして困った。
     そこで、ちゃんと対応してしまう自分もどうかと(苦笑)
     その後も何人か遅れてきた人がいるところをみると、ずいぶんと大目に受け付けてしまったらしい。
     やはり、出席率を見誤ったのだろうな。
     血流計は、血圧計と同じように腕に巻いて、血圧と血流状態、その他に血管の弾力や心臓の負担度などを測定する事ができる。
     主に右腕で測定するのだが、その根拠としては基本的に心臓は左側にあり、右腕側の方が血圧がやや高いので、異常を発見しやすいという事らしい。
     貧血と言うと低血圧と言うように思われがちだが、高血圧や血行過剰の場合でも貧血を起す事があるという。
     原因としては、血中のヘモグロビンの濃度が低い場合、体の隅々まで栄養が行き届かないため、血圧を高めて血の量を無理矢理に増やそうとするためだそうだ。小球性低色素性貧血という疾患名であるらしい。
     血圧は高いのに良く貧血を起すような人は、病院で血液検査を受けた方が良いかもしれない。
     危険な兆候のグラフの形も幾つか紹介された。
     グラフの形が二等辺三角形になるのが正常値と言う事で理想なのだが、グラフの後半がブツ切れになるような直角三角形などは突然死のタイプだとの事。メモメモφ(..)
     小さい三角形が出ない人も危険。また、グラフの前の方に出るほど、免疫力が低下しているという事らしい。
     あっ、今さらですがコレらは忘れないための単なるメモです(笑)
     自宅に血圧計や脈拍計がある人は参考にどうぞ。
     PRP(心筋負荷指数)=最高血圧×脈拍数。
     単位は、リットル/min(1分間)
     PRPの理想値は、7000~12000との事。
     COI(心拍出量)=SV(1回拍出量)×脈拍。
     男性は、体重/13
     女性は 体重/14
     
     血圧は、下記の式で算出しているとの事。
     血圧=血流量(SV)×総抵抗(TPR)。
     この式を見てピンと来た人は、偉い。
     この式に基づいて考えると、血圧が同じでも総抵抗が低い人は血流量が多い可能性があり、その場合は心臓への負担は高いという事になる。
     逆に、血圧が同じでも、総抵抗が高い人は血液が粘っていて血流量が少なくて、血管への負担がかかってるという事になる。
     つまり、血圧が高くても血流量と総抵抗のバランスが取れていれば、それほど心配する必要は無いし、逆に血圧が正常だったとしても危険が潜んでいる事がある。
     単純に血圧値で一喜一憂しないのが吉といったところか。
     症例データの中で、あらゆる値が、0、0、0と測定不能を示しているのを初めて見た。完全に血液の流れが悪いので、病院での治療が必要だとの事。
     滅多に出会う事は無さそうだが、気をつけておこう。
     今回の勉強会は、かなり収穫が大きく、出席して損は無かった。
     しかし、遅刻した私が言うのもなんだが、タイムスケジュールの管理は悪すぎ。予定時間を30分もオーバーしちゃいかんだろう。遠くから来ている人は帰りの電車の都合もあるはず。
     時間が押せ押せになってるのに、なおも質問を受け付けてしまっては、いつまで経っても終わらない。
     サービス精神も、ほどほどに。
     オマエモナー( ̄▽ ̄)>俺
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    ◆7月7日(月)/2003年◆
     朝は大抵、奥さんの方が先に仕事に出るのだが、枕元を見ると奥さんの携帯電話が置き去りに。
     またかい! 携帯電話は携帯してくれ(^-^;
     私もお店に出ると、雨天だというのに千客万来。
     FAXでの処方箋も次から次へと。
     かてて加えて初めての患者さんの初めての薬もあって、問屋さんへ発注をかけるそばから、相次いで追加発注。
     しまいには問屋さんから「さっき同じ物の注文を受けましたが」と言われてしまった。ズゲッ!!Σ( ̄□ ̄;)
     患者さんが“頭寒足熱(ずかんそくねつ)”という言葉を使っているので、てっきり分かっているものと思って健康相談に応じていたところ、どうも話が食い違ってきて噛み合わない。
     途中で、“頭寒足熱”の意味を「頭は熱くないのに足が火照ってしまう」という“症状”の事だと思っているらしい事が分かった。
     “頭寒足熱”というのは、「頭は冷やして、足は温める」のが健康に良いという、病気の予防方法なのだ。どこで、間違ったのだろう(^-^;
     病院からの患者さんでツムラ社製の八味地黄丸(はちみじおうがん)を出している患者さんがいて、薬が補中益気湯(ほちゅうえっきとう)に変更になったので同じツムラ社製のを仕入れたら、患者さんが医師から「カネボウ社製のじゃないとダメだと言われました」との事。
     八味地黄丸が処方された時にも医師からはカネボウ社製を指定してきていたのだが、その時には病院に連絡してツムラ社製のでも良いという返事をもらって出していた。会社が違っても成分は同じなのだから、本来は問題無いはずなのに、どうしてカネボウ社製にこだわるのか。
     ウチがツムラ社製の漢方薬を揃えてるのは、カネボウ社よりも漢方薬の種類が多く、また漢方薬製剤を他社より先に開発して販売していたと言う実績があるからだ。
     現在、国内での漢方薬に振られている番号、例えば葛根湯(かっこんとう)は1番とか、小青龍湯(しょうせいりゅうとう)は19番というようなのも、ツムラ社が使い始め、やがて他社もそれに倣って採用しているくらいだ。
     わざわざ患者さんに「ダメだ」と言うほどの理由が分からない。
     やむなく問屋さんにお願いして交換してもらった。普通なら、仕入れた分が全部ロス(損失)になるところだったが、問屋さんの好意に甘えさせてもらって助かった。
     問屋さん曰く、「その医者、カネボウからリベートもらってるんじゃないでしょうかねぇ。そこまでいかなくても、カネボウの営業マンがよく顔を出してるとか」
     うう~む、やっぱりそうなのかな。
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  • ≪通巻8号≫
    無水アルコールを求めて/ビデオ評『アウトブレイク2000』/病院での遺体の解剖/市の廃棄物処理場に/コンビニでの医薬品販売/体臭は責められるものなのか?/売らなかったのは損かもしれない

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    ★彡☆-=★彡  それさえもおそらくは平凡な薬局  ★彡☆-=★彡
                ≪通巻8号≫
    提供 : まぐまぐ
    発行 : 北園薬局 http://plaza2.mbn.or.jp/~kitazono/
    編集 : 北村俊純
    窓口 : kitazono@a1.mbn.or.jp
    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
    ~~~~~~~~~~ 今回の日記の主な話題 ~~~~~~~~
    ※6月10日(火)……無水アルコールを求めて
    ※6月11日(水)……ビデオ評『アウトブレイク2000』
    ※6月12日(木)……病院での遺体の解剖
    ※6月13日(金)……市の廃棄物処理場に
    ※6月14日(土)……コンビニでの医薬品販売
    ※6月15日(日)……体臭は責められるものなのか?
    ※6月15日(月)……売らなかったのは損かもしれない
    ******************* 先週の平凡な日記 *********************
                                       
    ◆6月10日(火)/2003年
     朝のニュースで、近鉄線にコンクリ片を置いた24歳の男が逮捕されたとの報道。
     数日前から線路上に置かれたコンクリートブロックに、電車が乗り上げ脱線するなど列車妨害事件が相次いでいて、付近を警察が厳重警戒しているという報道もあったはずなんだが、新聞を読んだりニュースを見たりしてなかったのかね。
     しかも、事件が半径7キロメートルの範囲に限定されていた事も報道されていた。警察の動きに気を配らないとは、犯罪者の風上にも置けない馬鹿である。
     朝から目が痒くて鼻水が出てくる。
     昨日の晴天のせいで花粉症らしい。
     店先で鼻をズルズルやってるわけにもいかず、小青龍湯(しょうせいりゅうとう)を飲んだ。
     無水アルコールを求めて来店する人があとを断たない。
     今日なんかは、同じタイミングで2人も来た。
     例の“ムダ毛をうぶ毛のようにする”ためだ。
     http://www.tbs.co.jp/spaspa/
     番組の方には問い合わせのメールをしたのだが、すでに一週間近くになることから考えると黙殺されたようである。
     『日本薬局方』と言う本で、無水アルコールの項目を見せて説明をした。
     『日本薬局方』と言うのは、薬品の日本名・英名・日本名別名・構造式・分子式・分子量・化学名・成分の含量規定などをデータベース化したものだ。
     無水アルコールの項目には、「外用としては用いない」つまり、肌に付けたりするものではないと明記されている。
     また、「刺激が強く、殺菌力は弱い」ともあり、私の予想通り毛を痛めつける事で脱色するのだろうと思われる。
     1人の人は納得してくれた様子だが、もう1人の人は口では「分かりました」
    と答えていたが、雰囲気からすると他のお店に探しに行きそうな感じだ。
     まぁ、忠告はしたから、後は本人の判断に任せるしかない。
     ひどい肌荒れになって、“体験”しない事には分からない人もいるだろう。
     タバコを吸いながら、「喉が痛い」なんて言うように、治す気があるんだか無いんだか分からない患者さんもいるし。
     病気に匙を投げる事は無いが、患者さんの中には匙を投げたくなるような人はいる。
     医療に携わる人間がそんな事を思っちゃいけないのだが、それが本音である。
     万景峰号が、出航をとりやめたとのニュース。
     朝鮮総連は「日本が過度に騒ぎすぎるため」というような主旨の声明を出し
    たようだが、こういう声明は、取りやめる事によって相手が困ったりする場合に嫌がらせとして使えるのであって、こういう状況でそんな事を言っても普通は聞き流されてしまうもんである。
     福田官房長官も言っていたが、不備が無いのなら堂々と来れば良いのに、疑惑を認めてどーする。
    ◆6月11日(水)/2003年
     老夫婦が来店。
     オシャベリな奥さんと、寡黙な旦那さんという感じ。
     もっと正確に言うと、奥さんは口が悪い(苦笑)
     症状に合わせて漢方薬を案内しても、「効くの?」とか「大丈夫なの?」と尋ねてくるので効能などを説明しようとすると、「アタシ頭悪いから分からない」とか「効けばいいの」と話を聞こうとしない。
     そこで旦那さんの方が代わりに聞こうと私に尋ねてくると、「アンタに説明してるんじゃないの、アタシにしてるんだから」とさえぎる。
     なかなかに難しい患者さんであったが、なんとか納得してもらったうえで漢方薬を選んでもらえた。
     なんか、午前中の気力を全部使ってしまった気がするσ(^◇^;)。
     奥さんがレンタルしてきた『アウトブレイク2000』を観た。

     なんか聞き覚えのあるタイトルだと思ったら、ダスティン・ホフマンが主演した『アウトブレイク』という映画が1995年にあった。
     便乗にしては5年も経ってるので、続編か同じテーマだから同じタイトルになってしまっただけなのか。

     『アウトブレイク』の方は、アフリカ奥地で発生した未知の伝染病がアメリカに侵入し、街は完全に隔離され、米陸軍伝染病研究所が謎を懸命に解き明かそうとする……。という、現在のSARSパニックを彷彿とさせるが、ついには米軍が隔離した街を焼き払って消滅させようという展開になり、いつの時代の話だよと笑いをこらえるのが大変だった。パニックスリラー物なのに。
     対して今回の『アウトブレイク2000』は、ある女の子がグアテマラで豚インフルエンザウィルスの新種(但し、“スペイン風邪”と同型)にかかり、それとは知らずにアメリカのロサンゼルスにいる恋人の元へと向かい、主人公たちがワクチンの開発をすると共に、その女の子を捜索するという展開で、台湾人医師が日本に来て観光旅行をしていったのとダブった。
     しかも女の子が行く先々でウィルスをばらまくことになり、哀れな感染者たちは、20世紀冒頭の“スペイン風邪”と同様に急性肺炎と全身性出血で死亡していくという、リアルなだけに怖いと感じさせるものだった。
     惜しむらくは、インフルエンザウィルスの変種というのが公開当時には地味な印象を与えてしまったために売れなかったのではないだろうかと言う事だ。
     今ならヒット間違い無しだったろうに。
     ワクチンの開発に使うインフルエンザを求めて、スペイン風邪によって死んだ人の遺体を掘り起こしにシベリアに向かったり、通常は半年くらいかかるワクチンの開発を短期間で行うために遺伝子操作を使ったりと、アイデアも悪くは無い。
     ただただ地味なばかりではある(苦笑)
     奥さんは、感染者の女の子の乳首が服から透けて見えるのをやたら気にしていた。そりゃ、私も気になったけど、なんでそんな所ばかり見ているよ(笑)
     レンタルビデオ店にあれば、観て損は無い1本だろう。
     いや、乳首じゃなくて(笑)
    ◆6月12日(木)/2003年
     何故だか喘息の症状が出ていて、よく寝られなかった。
     気圧の変化に体がついていかないのか、それともお店の隣の事務所が改装中なので、塗料などを吸い込んでしまったのか。
     ひとまず小青龍湯(しょうせいりゅうとう)を飲んで様子を見る。
     
     毎度毎度のように痛み止めを買っていく患者さんが結構多くいる。
     痛みを止めても根治治療をしなければ病状が悪化する可能性があるし、痛み止めなんかにお金を使っていては無駄遣いもいいところだ。
     何度かは治療を勧めるのだが、そのたびに断られて「痛みが止まればいいから」と、痛み止めを買っていく。
     まとめ買いならば販売しない根拠にもなるのだが、一応の期間をおいて買いに来る分にはそれを止めることも出来ない。
     なんとも、こちらが胃の痛い状態である。
     パート薬剤師のIさんの義姉が亡くなった事でのお話。
     病院側では遺体の解剖を希望したのだが、親族が猛反対したらしい。
     正確には、Iさんだけが賛成して親族に「血縁者じゃないからだ」と批難されたようだ。
     しかし、病院側から解剖を申し出るというのは稀である。なにしろ、医療ミスが発覚してしまう事もあるのだから、病院側としては早いトコ遺体は始末したいのが本音だ。
     それを解剖したいと申し出るという事は、学術研究として今後の医療に役立てようという真摯な態度が読み取れる。
     私の父方の祖母が亡くなった時には、病院が嫌がるのを頼んで解剖してもらった。すると案の定、明確な医療ミスではないが、同じように医療に携わっている親類の話によると適切な治療ではなかった事が分かった。
     医療ミスを発見するためにも、今後の医療に役立てるためにも、ぜひ解剖には協力してもらいたい。
     ちょうど昨日観た『アウトブレイク2000』を思い出した。
     歯科医院からの患者さんが来店。
     近所の歯科医院からは割りと頻繁に患者さんが来るので、ウチも歯科向けの薬はある程度組みあせて用意してある。それによって、スムーズに薬を出す事が出来る。
     ところが、患者さんの様子がいつもと違う感じである。歯だけではなく、体の他のところも痛がってる感じだ。
     そこでよく話を訊いてみると、交通事故にあったと言うことが判明。
     幸い軽傷で済んだようだが、そのために歯が欠けたようなのだ。
     しかも、被害者側である。
     となると、歯科医院からもらってきた処方箋で患者さんの負担割合が3割というのはオカシイ。被害者ならば、治療費は加害者が支払う事になるので負担割合は0でなければならない。
     そこで歯科医院に電話をしてみると、歯科医院でも患者さんが交通事故で訪れたと言う事は把握していたようだ。
     負担割合は0のはずですと告げると「そうでしたそうでした」との返事。
     こちらもうっかり患者さんから代金をもらってしまうところであった。
     機械的に処理してしまうと起こりやすいミス。気を引き締めないと。
    6月13日(金)/2003年
     お店の改装をした時の商品棚や壊れたサトコちゃん人形(全長90センチ・サトウ製薬)などを市の廃棄物処理場に持って行く事に。
     叔父の車に乗せて行ってみたら、午前中は11時30分で受付終了で、午後は1時からとなっていた。
     昼休みを90分も取るんかい。つーか、全員で休憩に入ってしまうのか。
     いったんお店に戻るハメになってしまった。
     で、午後になって再度訪問。
     ものすごい車の行列に辟易とした。
     それでも1時間ほど待って受付の前に車を止めると、そこが重量計になっていた。これで、入車時の総重量を計って退車時との差を調べて料金が決まるようだ。
     しかしここで問題が発生。
     サトコちゃん人形はプラスチックで引き取る事ができないと言われた。
     ところが、廃棄場に一応持っていって良いとは言う。
     どうやら、現場の人の判断と言う事になるらしい。
     中に入ると、その先もまた車の長い列。さらに30分ほど待つ事になった。
     で、仕分け作業員にサトコちゃん人形を見せると、「大丈夫大丈夫、燃えるから」と言ってポポイのポイと捨ててしまった(ノ・_・)ノ
    ((((((●
     いいんかいな(^-^;
     そして施設を出る時に領収書を受け取ったのだが、そこに書かれている文章に笑ってしまった。
    「もしこの料金に不服がある場合は、7日以内に市長に異議申し立てをして下さい。」 
     
     NTT東日本から、やっと契約した通りのADSLモデムが届いた。
     もともとは在庫が無くて、代わりにルーターを送ってきたのだが、事前になんの連絡も寄こさずにルーターに「在庫が無いので代わりにルーターを送りました。」という手紙を付けて寄こしたのだ。
     確かにモデルよりルーターの方が機械の性能としては上だが、それにしたって普通の企業なら、「代わりの物でよろしいでしょうか」と尋ねるもんだと思うのだが、「良くなってるんだからいいでしょ」という客を客とも思っていない客商売の態度はいかがなものか。
     ルーターを送り返すための着払い伝票を寄こしたのはYAHOO!BBよりはマシだけど、やっぱり送り返す手間もめんどくさくて嫌(笑)
     夜になって、おやこ劇場の事務所へ。
     今年の子どもキャンプの実行委員になったメンバーの中にキャンプが未経験の高校生がいると言う事で、昨年のキャンプの様子を収めたCD-ROMを届けた。
     実行委員会の三役も来ていて、映像資料などを観た後でキャンプの説明を新人のメンバーにしていたのだが、ちょっと堅苦しくて心配。
     「信用と信頼は違う」とか、「実行委員は友達の寄り合いじゃないから、仲間作りをする事が大事」など、それは確かに正論だけどそれだって三役の人たちは“体験”していく事で何年かの間に学んでいったはず。
     同じ轍を踏ませたくないという親心みたいなものだろうが、これから体験していく高校生たちに、むしろプレッシャーをかけてしまっているのではないだろうか。
     どうやら、すでに始まっている実行委員会の会議がオシャベリが多かったりして思うように進行していないことが原因であるらしい。
     しかし、完璧を目指せば目指すほど失敗した時の挫折感は大きく、また失敗に対する対処も適切で無くなる事がある。
     私としては、もっと肩の力を抜いてもらいたいと思う。
     肩の力を抜きっぱなしの私が言う事ではないが(苦笑)
    6月14日(土)/2003年
     読売新聞に、『ネット心中』の記事が載っていた。
    「ネットで結ばれた“悲劇”の連鎖を断ち切らなくてはならない。」と書いてあったが、どこを悲劇と捉えているのかは疑問。
     全ての事件を検索した訳ではないが、ネット心中を図った人たちは「思いつめて」というより、他に「思いが及ばず」に死を選んだように思える。
     だとしたら、死ななければならない程の“悲劇”に見舞われたとは思えない。
     その場合は、たいした事のない悩みで死を選んだ事が“悲劇”だと言うのだろうか。
    「死にたい」と言う思いを共有できる人たちと出会って死ぬ事ができたのなら、ずいぶんと恵まれていて幸せそうだなぁと私は思うのだが。
     それに自暴自棄になって、望んでもいない他者を傷つけたり殺すような輩もいる。自殺者の遺族は悲しむとしても、理不尽に殺される被害者がいないだけでもマシであろう。
     自暴自棄になって人を殺す前に、ぜひ進んで自殺してもらいたい。
     石原行革担当大臣が熱心に“コンビニでの医薬品販売”を唱えている模様。
     5月13日(火)の日記でも書いたが、コンビニでの販売には問題点がある。
     賛成派はやたら「副作用の少ない大衆薬を」と言っているが、この「副作用の少ない」というのがクセものなのだ。
     ハッキリ言って、一般に薬局や薬店で販売されているOTC薬は、確かに重大な副作用を起こす物はそうは無い。
     問題は、あくまで患者さんの利用の仕方なのだ。
     例えば、会社に行く途中や登校拒否をする子供たちに起こるストレス性の下痢などは、最近でこそ原因がストレスだと認知されてきている。
     しかしまだ、ストレス性の下痢というものが知られていなかった頃には、患者さんの中には整腸剤を購入して毎日のように服用している人がいた。そして症状が悪化して重篤な胃腸障害になってしまい、裁判沙汰にもなった。
     だが、その頃は医薬品メーカーも、まさか整腸剤を“毎日飲む”人がいるなどとは想像していなかったのだ。整腸剤は、あくまで一時的な対症療法として服用するために開発されたのだ。
     もしコンビニで薬が買えるようになったら、確かに便利ではあるが、誰がどうやって服薬指導をするというのか。
     現在の議論は、いわば「服薬指導が不要な薬は認めよう」という事のようだが、私からすれば服薬指導が不要な状況というのが思い浮かばない。
     もし風邪の症状を起こしていてコンビニで風邪薬を買い、風邪ではなかったらどうするのか。今はSARSが話題になってるから風邪が長期化すれば病院に行ってくれるかもしれないが、誰かが声を掛けなければ気がつかないなんて事もありえる。
     胃薬にしたって、胃薬をコンビニで買って少しは症状が良くなるからと買い続けて、他の病気を見逃す事になったらいったいどうするのか。
     コンビニで薬を購入する人には、3つのパターンがあると推測する。
     1つは面倒臭がり屋。薬局などで買うと症状などを質問されたりするのでそれが嫌だという人。自分の健康にも関心が無いような人は私としても治してあげたいという気持ちは皆無なので全然かまわない。
     もう1つは、あくまで緊急で一晩過ごせれば後でちゃんと治療しようという人。24時間営業の利点はまさにここにあるので、これはいた仕方ない。
     もう1つは、あくまで手軽に購入できるから買ったとしても、できればちゃんと治療したいと思っているものの、ついつい、やはり手軽な方を選んで買ってしまう人。
     2つ目の人は日を改めて薬局に相談に行くかもしれないとしても、3つ目の人は何かキッカケが無ければ自分から薬局に行く事は無いだろう。
     1つ目の人は助ける気も毛頭無いが、3つ目の人は出来れば助けてあげたい。
     コンビニの店員が果たして、そこまで患者さんに目を向ける事が出来るのかどうか。
     賛成派には、そこまでの想像力を持ってもらいたいのだが。
     まぁ、私はどこで薬を売ってもかまわないと思っている。
     最終的には、患者さん自身が自分の健康にどれだけ拘りを持つかどうかだろう。自分の健康を取り戻すのを面倒臭がるような人は、末永く病気と仲良くすればよろしい。世の中には、どんなに努力しても病気と縁を切れずに苦しんでいる人がいるのだから。
    6月15日(日)/2003年
     今日はSEのコンベンションである。
     http://www.snake-eyes.gr.jp/
     一般参加者を出迎えるためにJR八王子駅の改札口に行くと、すでに数名が待っていた。
     この様子だと今日は参加者が多いかと思ったが、会場に到着すると予想より少なかった。会場費を賄いきれんぞ(苦笑)
     一方でGMを希望する人が多く、ゲーム卓の振り分けが難航。結局、2名のGM希望者にはPLとして参加していただく事になった。申し訳ない。
     ゲームが開始して私は受付で事務作業をコツコツと。
     すると、スタッフからから参加者の1人が体臭が強いのではないかとの申告があった。
     確認のために該当者に近づいてみたが私には良く分からない。鼻炎のせいもあるかもしれない。
     そこで、他のスタッフにも確認を要請。しかし、そのスタッフも特別に体臭が強いというのは確認できなかった。
     会の方針としては、不潔な格好での参加はお断りしている。
     しかし見たところ、特別に不潔な格好をしてはいない。髪は刈り上げてるし、Tシャツやジーパンも汚れてはいない。あくまで、体臭だけである。それも全スタッフが確認したわけではない。
     制汗スプレーを貸してはどうかという意見が出たが、他の参加者の前でそれをするのは反対だ。せめて、呼び出してお話するべきだと私は主張した。
     しかし、呼び出す方が本人にとっては屈辱ではないのかという意見も出た。
     そもそも体臭をどこまで問題にしていいのか、私には疑問だ。
     服装に関してなら本人が気をつけるべきことだが、体臭は体質の問題もある。私も汗かきの方だが、見た目が不潔そうになるから汗は流さないようにと言われたとしたら困ってしまう。
     同じような事だと、フケなんかもそうである。一般的にフケは不潔と思われているが、実際には体の代謝に異常が起こると、皮が剥けやすくなる。つまり、不潔にしているとフケは出るが、フケが出るから不潔とは限らない。
     スタッフからは、「俺たちは医者じゃないんだから」と参加者の体質の事にまで配慮する事はできない旨の事が出たが、それならむしろ追求するべきではない。
     しかし議論はエスカレートしていき、吹き出物などの事まで話が及んだ。
     吹き出物なども見る人に不快感を与えるから完治するまでは人前に出るべきではないというようなものだ。
     “バリアフリー”という概念がある。障害者と健常者のあいだの壁を取り払い、ごく普通に生活できる環境を整える事だと思って間違いないだろう。
     今の日本では、まだまだ障害者が生活しにくい環境なため設備などを充実していく取り組みに重点が置かれているが、私は行きつく先は障害者と健常者が「お互いに譲り合う」社会にするべきだと思っている。
     どういう事かと言うと、例えば健常者は障害者に道を譲ったりするべきだし、障害者もまた健常者に迷惑をかけないように気を使うべきだという事だ。
     こういう事を言うと、すぐに「けしからん!」と怒る人がいるが、私自身も障害者たちと付き合ってきた中で感じた事だ。とかく障害者を庇おうという人たちは、まるで障害者を聖人君子かのように思い込んでいるがとんでもない。同じ人間である。当然のように、人としてどうなんだと問いたくなる嫌な障害者もいる。
     都合の悪い時だけ聞こえないフリをする聾唖者とか(都合の良い事にはちゃんと返事をする)、やたら命令口調でアレしろコレしろと言いお礼などいっさいしない四肢の不自由な人などなど。
     同じ人間だからこそ、お互いに助け合い、お互いに譲り合わなければならないと私は思う。
     で、話を戻すと、体臭が強いのは確かに迷惑だが、じゃあだからといって排除して良いのか。基準はどこに置くのか。
     とにかく、体臭が強いという理由だけで参加者に不愉快な思いをさせるのには断固反対した。
     しかし、臭いと感じたスタッフの申告も無視できない。
     そこで、該当者が受付の前を昼食などで1人で通った時に声をかけてみるという事になり、その任を私に任される事になった。うう~(^-^;;;
     かくして私の前を通った時に、「今日は暑いですから制汗スプレーはいかがですか?」と勧めてみた。
     コレだって、相当にイヤミだよなぁ……。
     すると相手は「いえ、結構です」と断ってきた。
     あうー、せめて事情を理解してくれ~。
     ここで断られたら、貴方を庇った私の立場が無いのよー。庇いきれなくなっちゃうんだよ~。
     しかし結局断られてしまい、私の玉砕となった。
     ハァッ=3
    6月16日(月)/2003年
     眼帯を仕入れたら、箱のデザインが変わっていた。
     まだお店には前のデザインの物があるので困ってしまう。
     入れ歯洗浄剤のポリデントも箱の色使いが変更。
     在庫と一緒に並べておけない。
     困ったなぁ……σ(^◇^;)。
     春風亭柳昇死去の報。享年82との事。(享年○○歳と書いたら、享年○○と書くのが正しいと某氏より指摘された。)
     82歳となれば天寿とも言えるが、死因は胃ガンだったらしい。
     私は落語家としては、アニメ監督の知吹愛弓氏の父親として知った。
     自分の息子の作品の宣伝のためにビデオ出演したさいには、「面白いのは私の落語です」と仰っていたのがなんともトボてて面白かった。
     実際の落語を生で観れなかったのが残念無念。
     念のため知らない人のために書いておくと、師匠の持ちネタは「春風亭柳昇と言えば、今や世界に私1人だけでありまして……」というもの。
     今日も今日とて、無水アルコールを求めるお客さんが来店。
     問屋さんからは、「よそのお店では売ってますよ」と言われてはいるのだが、ホントに安全性は大丈夫なのかね。
     今日のお客さんには、「誰か試した事のある人に話を聞いてからでも遅くはないと思います」とお話ししたところ、もう少し考えてみますと帰っていった。
     1本500mlだから、使い切るのに半年以上はかかる。
     そんな根性のある人が果たしているのかどうかも疑問ではある。
     しかし、計算してみると確かに売らなかったのは損かもしれない(苦笑)
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     私は主に、映画についてトークをしています(・v<)
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