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  • 信じるか信じないかはアナタ次第

     北欧系と思われるお客様が来店され、英語ではないため(いや、英語だって分かりゃしないけど)戸惑ったら、同伴の人が通訳してくれてホッ=3
     主訴は咳らしく、発熱などの風邪に関連しそうな症状は無い様子。
     そのため、起きていない症状まで効能に含まれている風邪薬より、咳に対応した薬のほうが体への負担が少なくて済むことを説明したうえで、痰が出るとのことから『五虎湯』と『ブロン錠エース』を案内すると、「タブレット(錠剤)」を希望されたため、後者をお買い上げ頂いた。
     タブレットだけ理解できたけど、英語以外でもタブレットと言うのか。
     日本の市販薬に、「錠剤」と「カプレット」を使い分けてるメーカーもあって謎。
     後で調べたら、「カプセル型の錠剤」をカプレットと呼んでるらしい。
     なんじゃそりゃ?
     なんのことは無い、「カプ(セル)+(タブ)レット」というメーカーの造語だった。
     錠剤が瓶詰めで、カプレットは個包装になっているということだけど、錠剤だって個包装に出来ると思うんだけど違うのか。
     良く分からなしい┐(´∀`)┌

     外用消炎剤の棚でシップを選んでるお客様がいたので声を掛けてみたら、ボクシングのスパークリングで打たれた胸部が痛むとのこと。
     鎮痛効果を三段階に分けて、弱いサリチル酸製剤、鎮痛効果が中程度でも浸透力のあるフェルビナク製剤、鎮痛効果の強いインドメタシン製剤を案内した。
     そしたら、家にあったシップを使って効かなかったからお店に来たというので使った物を確かめたら、『ボルタレンAC』だった。
     主成分のジクロフェナクナトリウムは、市販薬の中で鎮痛効果と浸透力の両方に優れ、これが効かないようではお店で他の物を購入されても、たぶん効きませんから病院を受診したほうが良いと思われます。
     そう説明して、本日のところはお買い上げは無し。
     ひとまず『ボルタレンAC』を継続して、やはり痛みが治まらなければ、病院を受診するよう勧めた。
     そして、帰った後になって気がついた。
     ボクシングをしてる人なら、内服薬に『桃核承気湯』を紹介しておくんだった……(;´Д`)
     メーカーのパッケージには、女性の便秘症をターゲットにした言葉が並んでるけど、実は内臓を冷やす生薬が多く含まれていて、内出血にも効果がある。
     実際、効能書きにも打撲と明記されている。
     むしろ、こんなに内臓を冷やす処方が適応する女性なんて、日本人では少ないんじゃないかな。
     冷えすぎて、便秘は治るかもしれないけど、お腹を壊すんじゃないかと心配になる。
     これが、どういう訳か本部から大量に送り込まれてるのに、適応しそうな患者さんは訪れず在庫を抱えて困ってるんだよね。
     柔道や空手に剣道など、格闘系のスポーツをしている人にこそ向いているものの、はなからシップ薬や塗り薬を求めてきているから内服薬を紹介する機会が無い。
     ちなみに、『桃核承気湯』の変方でもある『三黄瀉心湯』は、もっと冷やす力が強くて、一節には昔は刀傷の止血目的に服用されていたとも云われている。
     そんなの便秘だからと飲んで、大丈夫なんだろうか。
     胃腸の弱い私には、分かりませんヽ( ´ー`)ノ

     

  • 情報が無いと推理もできません

     旦那さんの咳止めをと、お客様から相談を受けた。
     数日前に風邪で発熱したそうなので、体内が乾燥している可能性をお話したところ、薬で眠くなると困ると言われたため、『麦門冬湯』を案内した。
     しかし、漢方薬は嫌がるかもとのことで『ベンザブロックせき止め』を勧めてお買い上げ頂いた。
     入っているメチルエフェドリン塩酸塩はdl体だから、眠くなりにくいはず。
     ノスカピンの副作用に眠気の可能性はあるものの、発現率は低いし。
     ただ、ジヒドロコデインリン酸塩は体内の乾燥を促進する可能性はある……。
     旦那さんの薬を買いに来る人が多いのは、やはりドラッグストアーの営業時間中に来店するのが難しいからなのだろうか。
     でも、夫婦で来店しても自分が患者のはずなのに、奥さんに薬を選ばせて我関せずの人がいるからなぁ、単に面倒くさがりで自分の体に興味が無いんじゃなかろうかという疑惑も拭えない(-_-;)
     考えすぎ?

     お客様から、『ルキノンエース錠V』と『パブロンエースAX』のどちらが良いかと質問された。
     重要なのは薬同士の比較ではなく症状や体質との比較なため、旦那さんのことを尋ねると主訴は喉の痛みと鼻炎で、喉の痛み方については聞いてきておらず、鼻水の色も分からないという。
     つまり、何も情報が無いのと同じ……。
     咳は出ていなくて、鼻炎は酷くないという事のみから判断し、『ルキノンエース錠V』を試して頂くことになった。
     せめてもと、喉が痛む時には繋がっている胃も悪くなっている可能性があるため、消化の良い食事にするようお話した。

     

  • トイレに行きたい時には本当に困るσ(^◇^;)。

     未就学の子供が鼻水と咳とのことで、お客様から薬を求められた。
     発熱は無いそうだから咳止めをメインに考えたけど、お客様の風邪が移ったかもしれないというお話と、鼻水に色があったというので『ハブロンS小児液』を案内した。
     お客様自身も風邪薬を希望され、鼻炎主体の『ルルアタックNX』と喉の痛み主体の『ルルアタックEX』を案内したところ、喉の痛みが主訴ということで、後者を購入された。
     そして、子供がスポイトが無いと液剤を飲めないと言われ、化粧水を移すスポイトと書道で使うスポイトを案内して、書道に使うスポイトをお買い上げ頂いた。

     風邪薬の棚を行ったり来たりしているお客様に声を掛けてみたけれど、案内を断られたため選ぶのをレジに待機して待つ。
     正直、品出しのためにバックヤードに行きたいなぁとか、トイレに行きたいとかいう時もあるから、早く解決させてください(笑)
     そして、ようやく『パブロンL』をレジに持ってこられたので症状は鼻炎や発熱で良いのか尋ねてみたら、患者さんは旦那さんで、主訴は吐き気だという。
     2日ほど前には微熱があり、疲れた感じがあったそう。
     それは、風邪の初期というよりも、疲労のせいで発熱する体力が無かったのではないかと説明。
     そのうえで胃腸炎になっている可能性もお話して『柴胡桂枝湯』を勧めると、変更して購入された。
     この後、食欲が戻ったように思えても、すぐには普通の食事に戻さずに消化の良い食事で量を控えさせるよう伝えた。

     

  • 成長期のニキビと大人のニキビは違います

     『ヨクイニン』を求めて来店したお客様に売り場を案内しつつ用途を尋ねると、自分と高校生の娘さんのニキビに一緒に使おうと思っているとお話された。
     大変申し上げにくいのですが、成長期のニキビと大人のニキビは違います。
     成長期のニキビは体の仕組みが変わる過程での機能亢進みたいなもので、原因のアクネ菌に過剰に対抗してしまったり、皮膚の形成時に脂質や栄養が偏って起きる。
     娘さんの症状を訊いてみたら、両頬に赤みが強く現れているみたいだから、やはり熱性のニキビと考えられ、『ヨクイニン』による皮膚の材料の補給より『清上防風湯』で上半身を清熱した方が良い。
     一方、大人のニキビは血行不良によって脂質や栄養の偏りが起き、アクネ菌との戦いが局地戦になり、その残骸が血行不良で回収されないことと、皮膚の再生能力が低下していることが関係しているから、『ヨクイニン』に血流改善の『桂枝茯苓丸』を組み合わせた『桂枝茯苓丸料加よく苡仁』が適応する。
     いずれにしても、年齢や家の外での生活環境が違うことからして、家族間でも薬は使い分けたほうが良いことをお話した。
     ただ、ニキビが繰り返すようだと本格的な治療には薬の用量も必要なため、病院に通院して処方してもらうほうが良いかもしれないことも付け加えた。
     特に娘さんは、医療費の補助が出る年齢ですし。
     どう判断されたかは分らないが、本日のところは『ヨクイニン』のタブレットのみを購入された。
     そうそう、娘さんは入浴は長いそうなので、それは続けるように伝えた。
     一方、食べ物の好き嫌いは多いらしく、嫌いな物は徹底して食べないそう。
     それはもう治すのは本人の意志が関わることなので、個人的には放置で良いような気もするけど、親としてはそうもいかないだろうから、好きな物の栄養の内容をチェックして、好きな物の組み合わせでビタミン類を広く多く摂れる組み合わせのメニューを考えてみましょうとお話した。

     『コルゲンコーワIBα』をレジに持ってきた夫婦のお客様から、旦那さんの悪寒と喉の痛みに適応するかを尋ねられた。
     発症したのは今日さっきというので、発熱前の悪寒の段階で解熱剤の入った風邪薬を使うと、ジャンプしようとしゃがんだところを蹴り倒すようなものですと説明して『葛根湯』の方を勧めた。
     また、『葛根湯』は早ければ早いほど良いので、すぐに服用することと、普段から持ち歩いて、予感がしたら先に飲むという使い方を案内した。
     旦那さんからはお酒を飲んでよいか尋ねられ、同じくお酒好きの私としては気持ちは分かるし、玉子酒という物もありますが、アルコールの分解にエネルギーを持っていかれてしまうため、我慢するか、飲むにしてもお猪口で一杯程度で飲んだ気になってくださいとお話した。
     食事についても同じ考え方で、消化吸収にエネルギーを必要とするため、食欲が落ちていなくても消化に良い食事をしてくださいと伝えたら、「おかゆを食べるのって、そういう意味なんですね!?」と驚かれて、声の大きさに私のほうが大層驚いた(;´∀`)
     そして、「そうなんですよ~」とお返事。
     ドラマなんかのフィクションの影響かイメージなのか、風邪をひいて“寝込んでから”お粥をと思われがちだけど、もうのどが痛いなとか頭が重いなという段階で食事を切り替えて体の負担を減らせば、上手くすると症状を進行させずに一晩寝ただけで回復ということも狙えるんである。
     風邪をひいたら、無理に栄養をと思う必要は無い。
     一人暮らしなどで栄養を摂らないのは心配ということであれば、レトルトの介護食で区分1(容易に噛める固さ)の物を食べるのが良いだろう。
     介護食は、なにも被介護者のためだけでなく病人食として使えるので。
     でも先に栄養ドリンクを買っておいて、回復のタイミングで使うのは良いので買っては頂きたい。
     ええ、ドリンク剤の売上向上は本部指示だから、完全に商売上の理由です( ̄▽ ̄)

     

  • 育児疲れにも栄養ドリンクより強い味方

     やや高齢のお客様から、鎮痛座薬の『アデフロニック』を処方されていて使ったものの、お腹の調子が悪く漏れてしまったようだから飲み薬をと求められた。
     でも、脊柱狭窄症と診断されていて他にも内服薬が処方されているというのに、お薬手帳を持っておらず、「なんでもいいのよ」と言われても、そういう訳にはいきませぬ(・_・;)
     しかも、今まで市販の薬は風邪薬さえ使ったことが無いそうなんで、処方薬との飲み合わせを無視したとしても、何を候補にするか手掛かりが全く無いの、無い無い尽くし。
     ううん、普通ならお帰りいただき病院へと強く勧めるところなんだけど、とにかく何か痛み止めをと食い下がられて困った。
     『アデフロニック』はジクロフェナクナトリウムだから、『ロキソニン』を置いていないうちの店じゃ、どれを選んでも弱いしなぁ。
     近いのはイブプロフェンの『イブA』くらい?
     根負けして『イブA』を購入して頂くことになったけど、担当医に使ったことを報告することと、お薬手帳は持ち歩くようお願いした。
     それと、根負けするくらい痛みの度合いを話されている中で、「痛み」より「しびれ感」を繰り返し言われたため、『疎経活血湯』を紹介し、担当医に相談してみるよう勧めたところ、通っている病院はリハビリ時間が自由に選べる点が気に入ってるものの、担当医が説明が少なく突慳貪(つっけんどん)な人らしく苦手だという話を今度は延々とされるハメに(;´Д`)
     あくまでお客様視点の話だからどこまで本当かは分からないが、何か質問しても「気にしなくていいから」と返されて、それ以上訊けなくなってしまうんだそうな。
     でも、検査のための他の大きな病院への紹介状は書いてくれたらしい。
     ふむぅ、リハビリの件は重要だとしても、他の病院も検討してみたほうが良いんじゃないですかねぇ。

     風邪をひいた奥さんに頼まれたとのことで、『葛根湯』を授乳中に使えるかお客様から質問された。
     病院でも処方されますし使えますが、すでに発熱しているようですと使うタイミング過ぎていますとお話したら、とっくに熱は峠を越しているという。
     奥さんは『葛根湯』しか考えていなかったみたいだけど、熱が下がってきているのであれば、発熱による体力の消耗から回復するために『柴胡桂枝湯』をと案内し、お買い上げ頂いた。
     『柴胡桂枝湯』は、肝臓と胃を助けて風邪のぶり返しを防ぐし、それこそ育児疲れにも栄養ドリンクより強い味方になってくれます。
     なにしろストレスは、肝臓と胃に現れやすいから。

     

  • 手軽なのは自分で判断することか人に訊くことか

     『小柴胡湯』を求めて、お客様が来店。
     入荷ルートはあるものの、市販品は価格が高いうえ、必要な病態の患者さんは病院に行くのを優先したほうが良いため、お店に置いておけないんですよ(^_^;)
     用途を尋ねてみると、成人の息子さんが風邪で微熱があるという話なのだけれど、その風邪に対しては病院から薬が処方されているらしく、それでいてお薬手帳を持参していないので内容が不明。
     そして『小柴胡湯』は以前に処方されたことがあり、今回は出されなかったため買い求めにいらしたそう。
     ふむぅ、同じ医師のもとでなら今回は不要と診断されたんじゃないかなぁ。
     とにかく発熱があることから、お客様自身はパッケージを見て『麻黄湯』に興味を持ったけど、息子さんは胃が弱いらしい事と、今回の微熱は風邪の初期症状というより、体力が無くて熱を出せないと考えられるので、『小柴胡湯』の変方の『柴胡桂枝湯』を案内した。
     病気に抵抗する肝臓を助ける『小柴胡湯』に、胃の働きを補助する『桂枝湯』を加えた『柴胡桂枝湯』の方は、風邪にも胃腸炎にも疲労回復にも適応するから、使い勝手が良い。
     息子さんはアレルギーなどでも受診していると分かり、ようやく『小柴胡湯』が処方された理由に合点がいった。
     そういうことでしたら、やはり『柴胡桂枝湯』が現状に適していると思われますと勧めて、お買い上げ頂いた。
     ただ、『柴胡桂枝湯』の成分表示はお薬手帳に貼って、担当医にも使ったことを報告するようお願いした。

     胃腸薬の棚で、相互に関連の無い物を次々と手にして迷っている様子のお客様がいたため声を掛けてみたけど、案内は断られた。
     一口に「胃腸薬」と云っても、胃が働き過ぎるいわゆる胃酸過多を抑える薬と、胃の働きが悪くて胃酸を出させる薬は真逆だし、そのバランスを取る健胃剤もまた別なため、同じ働きをする薬同士を見比べて迷っているのならともかく、バラバラな物同士で迷っているようなら、やはり助け舟が必要だろうと思った次第。
     ただまぁ、パッケージの表記は法律による制限もあり、あまり明確なことを書けないという事情もある。
     そのため、成分や組み合わせで処方の意図を推理することが必要で、それを本当にしようとすると、それは多分「胃腸薬マニア」にでもならなきゃならないんじゃないかと(笑)
     だから、マニアを目指していないのであれば、店員に訊いていただいたほうが手軽です(´∀`)
     お客様が最終的に購入された『第一三共胃腸薬プラス』は、消化剤と健胃剤の兼用を目指したと思われる現代薬と生薬のハイブリット。
     胃腸の働きが弱っていると、感じているのかな?
     とりあえず、自身の今後の胃腸薬選びの参考になるかもしれないので、成分表示を取っておくよう勧めた。

     

  • 慢心、ダメ、ゼッタイ!

     のど飴を希望されたお客様に医薬品のトローチを提案してみると、『ヴィックスドロップ』のようなのど飴をと銘柄を挙げられたので、売り場へ案内しつつ症状を尋ねてみると、喉がイガイガするという。
     そのまま『ヴィックスドロップ』を購入されることになり、お会計の時に、頭痛や肩の張りなど風邪の兆候が無ければ、胃炎の可能性もあることをお話してみたら、それは強く否定され、喉から風邪になると言われた。
     でも、実際のところは胃壁には痛覚を感じる神経は無いため、胃炎を感じることはできず、近くを通っている神経の束が異常を感知した時だけ胃痛として現れる。
     それはつまり、異常があっても神経の束が感知しなければ胃痛は起きないため、胃の炎症が食道に上がってきて喉の痛みとして現れたり、炎症の熱で胃の上部に位置する肺が乾燥して咳となっても、胃については「分らない」というケースが少なくないという事である。
     また、喉からくる風邪というのは扁桃腺が過敏に反応するという体側だけの問題ではなく、感染するウイルスによって激しく免疫反応を示す部位は変わるのだ。
     だから本当のところは、私には診断ができないのと同様に、患者さん自身で見分けるのも難しい。
     ただ、胃炎によって喉が痛む状態であれば、胃の機能の低下によって免疫機能も落ちウイルスへの抵抗力が弱まるから、そのまま風邪に移行していまうとは考えられる。
     それは、「風邪が喉からくる」というプロセスと一致する。
     いずれにせよ、喉の痛みの原因は判別しづらく、分からない時に共通する対応策としては、食欲があっても消化の良い食事に切り替えることが肝要ですと説明した。
     ………なんだコレ?
     日記に書いて読み返してみると、明らかに慢心。
     いつもなら、希望された商品を案内してから症状をヒアリングして別な提案をするところを、最初に違う物を提示してしまっているじゃないか。
     駄目な接客の事例であるε-(´・_・`)ハァッ

     お客様から『アデロンゴールド』と『パブロンエースAX』の比較を尋ねられ、症状を確認すると、旦那さんが鼻水と咳を患っているとのこと。
     発熱が無く、主訴からすると総合風邪薬の両者は、どちらも決め手に欠ける。
     また、咳は鼻汁が喉に落ちてくるからのようだった。
     鼻汁が喉に落ちてくるのは胃の機能が低下していると考えられ、胃薬を兼ねた咳止め、でも効能書きには蓄膿症とある『辛夷清肺湯』が候補となる。
     なにより、発熱していない時に総合風邪薬を使うと体力の低下を招く可能性が高い。
     それも説明してみたけど、現代薬を望まれているようだったため、鼻炎に焦点を絞り『ルルアタックNX』と『エスタックイブNT』を紹介してみたところ、家に『パブロン鼻炎カプセル』があるというので、それを使ってみるようお話した。
     すると、値引きしてある『エスタックイブファイン』を買っていかれた。
     あれ(・ω・)?

     

  • 何事も、トレーニングや反復練習は必要

     お客様から、高齢の母親のために「お腹の痛くならない便秘薬を」と注文された。
     まったく出ない訳ではなく、コロコロ便の後には普通に排便できるというから、腸管が乾いて潤いを失っている標準的な老人性の便秘だろう。
     これが子供や若い人だと、コロコロ便はストレスによる腸の弛緩で『小建中湯』『桂枝加芍薬湯』を用いるところ。
     今回のように老人性の場合は、『潤腸湯』が適応するのだけれど市販薬には無く、病院で処方してもらわないと。
     すると、血圧に関する薬を処方されていると分かり、お薬手帳を持参していないため、迂闊な物は案内できない。
     ここは考え方を変えて、『潤腸湯』が腸を潤すのと反対に、腸内の水分を吸って便の方を潤し嵩を増やす『サトラックス』の方が安全か。
     ただなぁ、ますます腸管を乾燥させてしまう可能性もあるんだよなぁ。
     なので、担当医には『潤腸湯』『桂枝加芍薬湯』を処方してもらえないか相談するよう勧めて、今回は『サトラックス』を試して頂くことになった。

     水虫の薬を買いにいらしたお客様に、菌の検査をしたことがあるかを尋ねると、患者は成人の息子さんで、おそらく病院に行ったことは無いだろうとのお話。
     毎年この時期に、足の親指の付け根が白っぽくなるようだというお話なれど、時期的に湿気が多く、汗疹などとも判別しにくいことを説明した。
     息子さんは一人暮らしをしていて、帰ってきたところなため渡したいとのことで、あまり殺菌作用が強くない(つまり水虫じゃない場合のダメージが少ない)『ダマリンL』を案内してお買い上げ頂いた。
     でも、一人暮らしであれば、なおさら病院に行くことに慣れさせた方が良いのではと提案した。
     以前に、119番に通報したのに救急車出動を断られた大学生が死亡した事件かあったが、通報した時点で大学生の会話が明瞭ではなく、すでに意識が混乱していた様子が窺える。
     https://youtu.be/m_mMczrpHNE
     このケースでは、近くの病院で風邪と診断された後に重症化したらしい。
     私自身も風邪と診断されて帰された後で肺炎になって、救急車で逆戻りとなったけど、救急車を呼ぶ段階で声が出せなくなっていた。
     振り返れば、風邪と診断された時に医師への症状の伝え方が適切だったか、帰ってからの体調の変化に対する判断が甘くはなかったかと、「患者視点」で反省した。
     肺炎になる予兆を見逃した医師に対して腹立たしい気持ちは当然あるものの、自身の危機意識が低かったのも事実。
     『化物語』の忍野メメのセリフに「助けないよ、力を貸すだけ。君が一人で勝手に助かるだけだよ」とあるように、医師を頼るときに受け身では駄目なのだ。
     そして何事も、トレーニングや反復練習は必要。
     必要なんだけど、病気の練習なんてやりようが無い。
     あるとすれば闘病記を読んだり見たりくらいだけど、商業誌だと必ず家族との絆だの夢への挑戦の途中だの無用の感動話が洩れなくついてくるし、同人誌やネットでの書き込みでも、わざわざ書き残すくらいの大病が多いから、今度は参考にするには特殊な事例すぎて参考にならない。
     となると実用的なのは、とりもなおさず医師などの医療関係者との対話ではないかと私は思う。
     何を伝え、どんな質問をして、示された情報をどう処理するか。
     それを、機会を見つけては(具合が悪くなって時がチャンス)練習を積み重ねておけば、「患者の達人」となる事であろう。
     なにしろ、何も調べず、分からなければ店員に尋ねることもしないで薬を買う人が多いことからすると、病気になった時の「練習不足」は切実な問題なんである。

     

  • 説明のしすぎが悪い癖

     旦那さんが微熱と鼻炎を患っているということでお客様から相談を受け、『ルルアタックNX』と『エスタックイブNT』と『ベンザブロックSプラス』を候補にした。
     症状が明確であれば、総合風邪薬より効能を特化したほうが体への負担は少ないので。
     すると、釣りに行ってからのようだという話があったため、冷えが原因かもしれないと思い『小青龍湯』も候補に加えた。
     お客様に提示するには、ちょっと候補が多すぎである。
     つい、選択肢は多いほうが良いと考えてしまう私の悪い癖(´・ω・`)
     ところがその段になって、旦那さんが血圧や血糖値の治療薬を服用していることが分かり、内容を尋ねるも不明なため、市販薬の購入を控えるようお話したものの、「自己責任だから」と押し切られ、『ベンザブロックSプラス』を買われてしまった。
     あうっ、押しに弱いのが私の欠点orz
     せめてもと、成分表示をお薬手帳に貼っておくことと、担当医には市販薬を服用したことを報告するよう、お願いした。
     帰り際にお客様が、「お酒をやめればねぇ」と言われたので、つい「それは私も反省しております」と答えたら笑われた。
     あっ、薬を服用したらお酒は取り上げてくださいね(^_^;)

     酔い止めを求めて来店したお客様に、何に乗るのかを尋ねたら、高校生の息子さんがカナダに学校の旅行で行くとのこと。
     バスや電車だったら、乗車前の食事は温かい物にしておくと酔いにくいですよと教えようと思ってたのに(笑)
     ちなみに、温かい食事で酔いにくくなるのは、腸が体温より冷たい物は受け入れられないため、冷たい物を摂ると消化が終わっても胃に長く留まり、体温で温まってから腸に運ばれるので、温かい食事ほど胃が早くなるから。
     いったん乗車してからは、逆に冷たい物を飲んで胃を痙攣させてしまった方が酔いにくい。
     つまり、乗車前は温かい食事を、乗ってからは冷たい物を摂るようにするのが良い。
     話は戻って、学校側から携行薬の一覧表を渡されているそうなので、それを参考に一通り揃えようと思っていると分かり、付き添うことにした。
     まず酔い止めについては、以前に『トラベルミンチュロップ』を使っていたそうなので、効いたのであれば同じ内容の物のほうが安心でしょうと『乗り物酔い止めQD』を勧めた。
     下痢止めは、飲食物の汚染のような所謂「食あたり」の場合、原因菌を排出するために下痢を止めないほうが良いため、『ストッパ』などより『正露丸』を勧めると、抗炎症作用の弱い糖衣錠を選ぼうされたので、通常の物のほうが安心ですと説明した。
     海外に行くとなると、テーマは「良く効く」より「安心」の方だと思う。
     そのテーマに沿って、風邪薬については症状別に揃えるのが安心なことを説明したうえで、総合風邪薬に『パブロンエースAX』と、現代薬には対応できる市販薬が無く、海外でも同様にまず同じ効き目の薬は無い「胃腸の風邪」(胃腸炎)に効く『柴胡桂枝湯』を紹介したんだけど、漢方薬に抵抗があるのか『パブロンエースAX』のみ購入を決められた。
     ううん、これは仕方が無いか。
     『柴胡桂枝湯』は、時差ボケやら、食べ物が合わなかった時の栄養補給やら、応用範囲が広くて、それこそ「持ってて安心」なんだけどねぇ。
     他に、蕁麻疹になりやすく、髪を切った後に首に触れただけで反応する事があるというので、内服に『タウロミン』と、外傷にも使えるステロイド剤と抗生物質を合わせた『クロマイP軟膏』を案内すると、『クロマイP軟膏』のみ購入となった。
     ここでも、漢方薬は駄目かぁ。
     いや、『タウロミン』は『十味敗毒湯』と現代薬を組み合わせたハイブリットなんだけど。
     さっきの『柴胡桂枝湯』も、効能書きにはないけど蕁麻疹やアレルギーの軽減に役立つのになぁ。
     納得してもらえるだけの、説明能力が足りなかったか……。
     そうそう、カナダの治安は分からないけど、買い物の会計時はお金をサッと出して、お釣りもパッとしまい、なんならお釣りを財布に戻すのは後で落ち着いた場所でと伝えた。
     日本みたいに、金額ちょうどを出そうと支払い時にモタモタしたり、お釣りをすぐに財布に戻そうとしていると、その様子を誰に見られて後をつけられるか分からないから危険。
     ……子供を海外に送り出すのに、余計な不安を抱かせちゃったかなσ(^◇^;)。

     

  • 老化を止めると人間は死にます

     お客様から、『トランシーノホワイトC』などのビタミン剤のうち、「シミの予防になる物を」とのリクエストを受けた。
     う~ん、「予防」ですか。
     これは難しい。
     実のところ、「老化」という言葉があるけど、あれって変なんだよね。
     それはいわば「成長」でもある訳で、だから「赤ん坊は産まれた時から老化が始まっている」とも云える。
     同じように、「抗酸化作用」という言葉が、さも良いことのように喧伝されるけど、人間が酸素を吸うのは生命の維持のために体内で化学変化を起こさなければならず、それがつまり酸化という現象だから、もし本当に酸化を止めてしまったら死んでしまう。
     翻って、皮膚の再生のためにはビタミンCやビタミンB群が必要な訳だけど、いずれも水溶性ビタミンだから貯蔵しておくことができず、多く摂取したところで過剰在庫は排出されてしまう。
     ビタミンの他に配合されているL-システインやパントテン酸カルシウムなども、日々の生命活動で消費されてしまい、必ずしも皮膚だけに使われる訳ではない。
     だから、身も蓋も無い言い方をすれば「無駄」の一言なんだけど、もちろんそれは質問者が望む回答ではないため、ストレートに返したら駄目なんだろう。
     コミュ障で理解力に乏しく他人を思いやれない私でも、最近は学習しましたヽ( ´ー`)ノ
     そこで、最低限「栄養を貯蔵するような予防は難しい」ということのみ説明して、皮膚の再生など目的を明確にしたら、関係する栄養をピックアップして、それらを普段の食事において「積極的に摂っていない食材」をチェックするよう勧めた。
     そして、毎日「バランスの良い食事を」と掲げても無理があるから、スマホで毎食の写真を取っておいて、一週間くらいの区切りの良い日に見返して、その週に食べなかった食材を次の週には意識して選ぶとか、その特定の栄養素をサプリメントで補うという方法を提案した。
     そのうえで、材料を行き渡らせるために血液循環を促進する『新パワーアクトEX』を案内したところ、お買い上げ頂けた。

     以前に咳に『麦門冬湯』を使って頂いたお客様が再訪し、そこそこ効いたものの、咳がまだ続いていると相談を受けた。
     使用後の状況が分かるのは勉強になって助かる一方、治らなかったとなると申し訳ない気持ちでいっぱい(´・ω・`)
     そもそもの咳の原因は分からず、風邪はひかなかったというお話だったから、花粉症が喉に現れているのか、体内の乾燥によるものなのか、あるいは胃炎なのか、どうにも判別がつかない。
     『龍角散』について尋ねられ、患部を冷やすことと去痰作用が期待できることを説明したけど、それも違う気がするということで、今回も『麦門冬湯』を購入された。
     市販薬は用法・容量を守るのが基本なれど、『麦門冬湯』は適宜増減が必要でもあるので、回数を増やす方法があることを呟いた。
     ええ、独り言ですよ。
     念のため(・_・)ノ