老化を止めると人間は死にます

 お客様から、『トランシーノホワイトC』などのビタミン剤のうち、「シミの予防になる物を」とのリクエストを受けた。
 う~ん、「予防」ですか。
 これは難しい。
 実のところ、「老化」という言葉があるけど、あれって変なんだよね。
 それはいわば「成長」でもある訳で、だから「赤ん坊は産まれた時から老化が始まっている」とも云える。
 同じように、「抗酸化作用」という言葉が、さも良いことのように喧伝されるけど、人間が酸素を吸うのは生命の維持のために体内で化学変化を起こさなければならず、それがつまり酸化という現象だから、もし本当に酸化を止めてしまったら死んでしまう。
 翻って、皮膚の再生のためにはビタミンCやビタミンB群が必要な訳だけど、いずれも水溶性ビタミンだから貯蔵しておくことができず、多く摂取したところで過剰在庫は排出されてしまう。
 ビタミンの他に配合されているL-システインやパントテン酸カルシウムなども、日々の生命活動で消費されてしまい、必ずしも皮膚だけに使われる訳ではない。
 だから、身も蓋も無い言い方をすれば「無駄」の一言なんだけど、もちろんそれは質問者が望む回答ではないため、ストレートに返したら駄目なんだろう。
 コミュ障で理解力に乏しく他人を思いやれない私でも、最近は学習しましたヽ( ´ー`)ノ
 そこで、最低限「栄養を貯蔵するような予防は難しい」ということのみ説明して、皮膚の再生など目的を明確にしたら、関係する栄養をピックアップして、それらを普段の食事において「積極的に摂っていない食材」をチェックするよう勧めた。
 そして、毎日「バランスの良い食事を」と掲げても無理があるから、スマホで毎食の写真を取っておいて、一週間くらいの区切りの良い日に見返して、その週に食べなかった食材を次の週には意識して選ぶとか、その特定の栄養素をサプリメントで補うという方法を提案した。
 そのうえで、材料を行き渡らせるために血液循環を促進する『新パワーアクトEX』を案内したところ、お買い上げ頂けた。

 以前に咳に『麦門冬湯』を使って頂いたお客様が再訪し、そこそこ効いたものの、咳がまだ続いていると相談を受けた。
 使用後の状況が分かるのは勉強になって助かる一方、治らなかったとなると申し訳ない気持ちでいっぱい(´・ω・`)
 そもそもの咳の原因は分からず、風邪はひかなかったというお話だったから、花粉症が喉に現れているのか、体内の乾燥によるものなのか、あるいは胃炎なのか、どうにも判別がつかない。
 『龍角散』について尋ねられ、患部を冷やすことと去痰作用が期待できることを説明したけど、それも違う気がするということで、今回も『麦門冬湯』を購入された。
 市販薬は用法・容量を守るのが基本なれど、『麦門冬湯』は適宜増減が必要でもあるので、回数を増やす方法があることを呟いた。
 ええ、独り言ですよ。
 念のため(・_・)ノ

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