ホントは怖い、知恵袋系や評価系のサイト

 やや高齢のお客様が『エンクロンローションEX』を求めて来店し、いつも使っているというお話だったため、ステロイド剤は長期連用するものではないことと、痒みが弱い時には同じステロイド剤でも弱い『ロコイダンクリーム』や、非ステロイド剤に乗り換えるようお話した。
 いつもはうちの系列の他店で購入しているらしく、「初めて聞いた」と言われた(ー_ー;)
 そりゃあ、指定2類医薬に関する情報提供は、あくまで「努力義務」となってるけど、患者さん自身による情報収集への意欲は悲観的なくらいだと思う。
 製薬メーカーの営業さんとの話で怖いなぁと思ったのが、知恵袋系や評価系のサイトの存在。
 薬の使用感や個人の体験談ならともかく、適応外の使い方のみならず誤った使い方を裏技として勧めていたりするのが、薬の名前によっては検索で上位に出てきてしまう。
 私も日記で、目の周りの痒みには痒み止めの入った目薬を塗る方法なんかを紹介してはいるけれど、それは通常の痒み止めの塗布薬を目の周りに使うのが危険であったり、すぐに医療機関に相談できない場合の一時的な裏技であって、それが常態化してしまっては困る。
 あるサイトでは、1日2回使用の薬を「1日1回にすれば経済的」とか書いてあって、その薬のメーカーさんのところには「効かない」という苦情が入ってるそうな。
 しかも、そのサイトではメーカーがテレビCMで訴えている効能を無視して、別な効き目がありますと喧伝していた。
 そのためメーカー側では、売れっ子俳優を起用したイメージ優先のCMを改めて、用法・容量を守るようCM中のメッセージを変えたそうだ。
 それでも誤った使用法を流布しているサイトの内容を信じている患者さんが後を絶たず、営業さんは「届いていない」と嘆いていた。
 まぁ、漢方薬の一部には、症状が重ければ増やし軽ければ減らして運用できる「適宜増減」という物もあるけれど、それも「医療関係者」の指導のもとであって、独自に判断して良いということではない。

 ショッピングカートを使っている高齢のお客様が来店し、シップ薬を求められた。
 転んだ拍子に突き指をしたらしく、すでに患部にはシップをしていた。
 追加が必要なのかと思い『トクホン』を案内すると、まだ家にあり、それを貼っているそうなので本日はお買い上げは無し。
 病院の受診を勧めたら、通っていた接骨院が閉院してしまい、行くあてが無いのでシップを買いにきたそうな。
 そこで、近くの整形外科をネットで探して紹介した。

 外用消炎剤の棚で、成分に繋がりのない物を色々と手にしているお客様が気になり声を掛けると、成人の息子さんが腰を打ちつけたため、買いにいらしたそう。
 急性なので、薬効成分が浸透しやすいフェルビナク製剤か、鎮痛効果に優れたインドメタシン製剤をと案内し、『フェイタス5.0大判』をお買い上げ頂いた。
 初期の対応を尋ねたら氷枕を使ったというので、「それは良い判断でしたね」と伝えた。

以下の記事も読まれています。


 
登録販売者から一言 壱の巻 登録販売者から一言 肆の巻「おくすり手帳と個人情報の使い方」 市販薬購入前チェックシート