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  • 同じブランド名でも名前の一部が違うと中身も違う

     やや高齢のお客様が『セキトローチ』をレジに持ってきたが咳は無く喉の痛みもせず違和感だけだと言うので、『響声破笛丸』を紹介してみた。
     本日は、そのまま『セキトローチ』をお買い上げいただいた。
     『セキトローチ』は消毒薬と咳止めの他は痰を薄くする成分の3つの成分の組み合わせなので、喉の違和感にどれだけ効果があるかは疑問であるものの、トローチを舐めていれば確かに自分の唾液で喉の具合は少しは良くなるか。

     お客様から、成人の息子さんの咳の相談を受けた。
     数日前から咳が続いてるとのことで、風邪をひいたが尋ねてみたが分からないようだった。
     発熱して体内が乾燥する他に胃炎や逆流性食道炎でも咳になることを説明したところ、知人からは『ブロン錠』を勧められたと言うものの、『ブロン錠エース』と『ブロン錠』のどちらかは、やはり分からない模様。
     両方ともパッケージに「せき・たん」と書いてあるが、喉に痰が引っかかるようであれば『ブロン錠エース』、咳をすると水の様な痰が出るようなら『ブロン錠』という使い分けがあるのだが。
     体内を潤す『麦門冬湯』と患部を冷やす『五虎湯』を紹介したうえで本人に連絡を取ってもらったところ、今度は『ストナ』を頼まれたと言うので、『ストナ去たんカプセル』なのか『ストナプラスジェルS』なのか、同シリーズに幾つかあることを説明し、改めて犯人本人に確認したうえで『ストナプラスジェルS』をお買い上げいただいた。
     『ストナプラスジェルS』となると、熱や鼻炎の症状もあるのだろうか。
     ホントは、直接本人に電話を代わってもらいたかった。
     とにかく、ブランド名はあくまで名前の一部だけなので、前後に他の数字やアルファベットなどが付いていないか、人に伝えるにしろ頼まれるにしろ確認しておいてもらいたいところ。
     同じブランド名でも、中身は縁もゆかりもない成分や効能だったりするので。

     

  • 薬物依存は見逃しません!!

     お客様が『クララ』を求めて来店したが置いていないことを伝えたうえで調べたところ、『龍角散ダイレクト』が後継品だと分かり案内した。
     しかし主訴は喉のイガイガと咳だと言うので、胃炎による体内の乾燥の可能性をお話すると「それは大丈夫」と答えられたが、胃には痛覚神経が無く、実は自覚症状は感じにくいことを説明し『麦門冬湯』を紹介した。
     また、痰が喉に張り付くというお話があり、花粉症が喉に起きると同様の症状になることを説明した。
     今回は『龍角散ダイレクト』をお買い上げいただき、症状の軽減のために、こまめな水分補給による保水を勧めた。

     お客様が『麦門冬湯』を手にして戻してからも迷われている様子だったため声をかけたところ、1週間ほど前から咳と痰があり、風邪はひいていないとのこと。
     痰が絡んで出にくいというお話から、『ブロン錠エース』と『麦門冬湯』を案内し前者をお買い上げいただいた。
     体内の乾燥は胃炎の可能性もあることをお話しして、喉や咳の症状が出たらその時点で消化に良い食事をするように勧めた。
     また、以前に『ストナ去痰カプセル』で眠くなったことがあると言うので、薬の成分表示を取っておくように伝えた。
     一番ありがちなのは、他のメーカーの同じ効能の薬を選んだら、それは同じ成分だったという事なので。

     お客様が『新ブロン液エース』を3本と『新トニン咳止め液』を購入されようとしたが、目の焦点が合っておらず薬物依存と思われたため、まとめ買いはできないことと、保健所の調査がありますよと伝えたところ、明らかに狼狽えて「他にも買う物があるんですぐ戻ります!」と買い物カゴを床に放り出して逃げるように帰っていった。
     保健所の調査はお店に入るのであって、お客様には関係無いのだが、自分が調べられると勘違いしたのだろう。
     勘違いさせたままにしておこうヽ(´ー`)ノ
     念のため上司に報告して、同僚にも人相をお伝えておくことにした。

     

  • 総合風邪薬の得意な症状と起きる症状が一致するとは限らない

     お客様から普段、喉から風邪になるとのことで常備薬の相談を受け、総合風邪薬を選ぶか症状別で揃えるかをお話ししたところ、『ベンザブロックL』を以前は使っていたとのこと。
     家に鎮痛剤があるかを尋ねると『ナロンエース』があると言うので、喉が痛くなった時には先に『ペラックT』を単独で使い、発熱や頭痛になったら『ナロンエース』を併用するという方法を提案し『ペラックT』をお買い上げいただいた。
     総合風邪薬を1つ揃えておくというのは手軽だけれど、その総合風邪薬の得意な症状と、起きる症状が一致するとは限らないから、私は症状別の薬を小容量で揃えるのを推したいところ。
     また、お客様の家には『葛根湯』があるそうなので、家に置いておくよりも常に携帯して頭が重く感じたり悪寒を感じたり、或いは喉の違和感を感じた時にすぐに服用してみるようお話しした。
     お客様からは、「薬の使い方は難しい」と言われたので、電話でも相談を受けますと伝えた。
     実際、家にある薬を服用して良いか電話で問い合わせを受けたことは何回かある。

     お客様が『葛根湯』をレジに持ってきたけれど、主訴は喉の痛みと鼻水とのことで、鼻水には適応するものの喉の痛みには『桔梗湯』を併用した方が効果的なことをお話しした。
     しかし一つの薬で済ませたいと言うので、『ルルアタックEX』を案内し変更となった。
     ただ帰りぎわに、喉の痛みはそれほどではなく違和感程度だと言うので、そのまま『葛根湯』でも良かったかもしれない。
     なぜ最初に、喉が痛いと言われたのか(^_^;)
     喉は胃とつながっているから炎症は影響するし、鼻水は胃の不具合とも関係するため、食事を消化の良いものにとお話したのだが、もう買い物袋には夕食も買ってあるようだった。
     ううん、食事を買う前にドラッグストアーに来てくれればなぁ。

     成人のお客様が母親と来店し『桔梗湯』を2つレジに持ってきたため、お腹の冷えすぎに気をつけるよう伝えたところ興味を持たれた様なので、比較として患部を冷やしつつ熱を発散する『駆風解毒湯』を紹介したところ、1つを交換して購入された。
     『桔梗湯』は冷やす力が強いので炎症に効果を期待できる一方、悪寒や鼻水がある時には体を冷やしすぎるので『葛根湯』との併用が良い。
     鼻水などの冷えを示す症状が無い喉の痛む風邪にはと、『銀翹散』も紹介した。

     

  • 手荒れを防ぐ手洗いの方法

     やや高齢のお客様から胃痛の相談を受けたのだが、1週間ほど前に風邪をひき市販薬服用していたそうなので薬の名前を尋ねてみると、どうやら買ったお店のプライベート商品らしく現物を持ってきていないため、その腹痛が風邪の影響なのか薬の副作用なのか分からなかった。
     ガスも出るというお話から『大正漢方胃腸薬』と『ギャクリア』(六君子湯)の他に『スクラート胃腸薬S』と『パンシロン01+』を案内した。
     すると、骨粗鬆症の薬を病院から処方されていると分かり、朝1回の服用なので時間を離せば大丈夫か尋ねられたが、おくすり手帳を持参していないため薬の特定ができず判断は不可能なことを説明した。
     一番影響が少なそうなそうで鎮痛鎮痙攣薬の『芍薬甘草湯』が入っている『大正漢方胃腸薬』を使っていただくことになったが、おくすり手帳に成分表示を貼って担当医に報告するようお願いした。
     また、おくすり手帳は出先で事故に遭って意識を失った場合や、大規模な災害で避難をしたさいに救援物資に使っている薬を要請するためにも家に置いておくより持ち歩くよう勧めた。

     お客様から手先のヒビ割れに『ヒビケア』で良いか尋ねられ、適応することを伝えたうえで皮膚を保護するビタミンA湯も配合されている『エルモディアクリーム』を紹介した。
     今回は、知名度で『ヒビケア』を購入。
     お客様には綿手袋での保護を勧めたけれど、面倒とのことなので、手を洗う時にはハンドソープなどを使わずにキッチンペーパーで汚れを洗い落とす方法を教えた。
     手を洗ってからキッチンペーパーで拭くというのではなく、ハンドソープを使わずにキッチンペーパーで汚れをこすり洗いをするのである。
     そうすれば、手を保護する脂や菌を落としすぎないで済む。
     あと、台所の洗い物もできるだけ浸け置き洗いをして、洗剤に触れる機会を少なくするようにお話しした。

     

  • 症状が出てから葛根湯を買うのは遅い

     お客様が『パブロンSゴールドW』をレジに持ってきたけれど、主訴は喉の痛みで他の症状は無いそうなので、効能を絞ることを提案し、『ペラックT』と『パブロントローチAZ』、それに『駆風解毒湯』を案内してみた。
     すると、『葛根湯』を服用して効かなかったというお話があったため、鼻水が無いことを確認して『銀翹散』を勧め試していただくことになった。
    「風邪には葛根湯」という言葉が広まって喉の痛みにも使われることがあるけれど、よほどの最初期でもない限りは上半身を温めてしまうから、喉の痛みや咳、発熱してからの風邪には適応しないので注意が必要だ。

     『葛根湯』の液剤をレジに持って来たお客様に、喉の痛い風邪や咳の風邪には向かないことを伝えると、喉の痛みを感じたのは朝方だと言うので、そのタイミングであれば使えたと思うものの、もう夕方なことから遅いかもとお話しした。
     代わりに炎症の熱を発散しつつ冷やす『駆風解毒湯』と、お腹の弱い人だと内臓まで冷やすため軟便になってしまうくらい効果的な『桔梗湯』を提案したところ、風邪にも使いたいとのことから、鼻水が無いことを確認したうえで『銀翹散』を紹介した、試していただくことになった。
     『葛根湯』は早め早めのタイミングが重要なので、家に置いておくよりは持ち歩いて、出先で異変を感じたらすぐにに使うよう勧めた。
     今回のケースで言えば、起き抜けに飲むべきだったろう。

     若い夫婦のお客様が『葛根湯』をレジに持ってきたさいに、喉の痛みや咳の風邪には向かないことを伝えたところ、ご主人が喉が痛いということで、他に症状は無いそうだから『桔梗湯』を併用するか『駆風解毒湯』を単独でと勧めてみた。
     また、頭重感など風邪の予兆があれば鼻水が無いことを条件に『銀翹散』を使う方法もあることをお話した。
     今回は、『駆風解毒湯』をお買い上げ。
     奥さんはいつも『葛根湯』を使っていると言うので、ごく初期であれば適用することと、持ち歩くと活用しやすいことを伝えた。
     なんだか『葛根湯』を目の敵にしてるような一日になっちゃったけど、『葛根湯』自体は優れた処方。
     上半身を温め血流を良くし、熱を発散する甘草も入っている。
     ただ、どんなに優れていても適材適所と使うタイミングというものがあるから、「なんにでも効く」訳はなく、「買いに来るのでは遅い」ので、こうして周知している次第。
     繰り返すけど、『葛根湯』は効能に「肩こり」があるように、「上半身を温めると改善する」症状に向いている。
     つまり、上半身を温めたら具合が悪くなるような症状には適応しない。
     すなわち、喉がヒリヒリやズキズキするような炎症の痛み、コンコンと乾燥しているような咳、発熱してからでは症状が増悪してしまう。
     ごくごく初期の喉の違和感程度、鼻水があり薄い痰を伴う咳、発熱前の悪寒、これらが『葛根湯』に向いている。
     ただし、鼻水があり咳をすると水のような痰が出るようなら『小青龍湯』の方が、より適応するだろう。
     という訳で『葛根湯』は早さが勝負なので、買い置きしておいて下さい( ̄ー ̄)ニヤリ

     

  • 自分で何でもかんでも勉強するのは難しいですから

     お客様が総合風邪薬と『ペラックT』で迷っている様子だったので声をかけてみたところ、主訴は喉の痛みだと言うので、他に症状が無いければ主訴に絞る方が体への負担が少ないことを説明して、『ペラック T』を勧めつつ『パブロントローチAZ』と『駆風解毒湯』も紹介した。
     すると、「よく効くのはどれか」と尋ねられたのだが、こればっかりは相性ですとしか答えようが無い。
     なかなか個別の商品の臨床データを見る機会というのは無いが、それでもいくつかのメーカーの臨床データを見る機会があり、およそ3分の2以上の人に効く物が市販されていると考えて良いだろう。
     そしてこの3分の2以上の人に効くという数値を、多くの人に効くから安心と考えるか、3人家族だと1人は効かないというように考えるかで話が変わってくる。
     そうお話すると、今回のお客様は『ペラックT』を購入された。
     お客様には、炎症を強めてしまう夏野菜を避けることと、体に「無理に炎症しなくて良いんだよ」と教えてあげるために入浴をしたり温かい物を飲むことで体の保温に努めるよう勧めた。
     お客様からは、「知らないことばかり」と言われた。
     お客様の仕事が何かは知らないけれど、私が深く関わったことのない分野であれば、おそらく私の知らないことばかりであろう。
     世の中、何でもかんでも勉強していくというのは無理な訳で、だからこそ専門分野の人を頼った方が良いと私は思う。

     お客様から鼻づまりの相談を受け、インフルエンザの後に鼻づまりが続いていて、鼻汁は黄色いとのこと。
     『葛根湯』はどうかと訊かれたので、上半身を温めるため向かないことを説明し、同じ系統では鼻水と鼻づまりを行ったり来たりするときに適応する『葛根湯加川きゅう辛夷』があることを紹介しつつ、鼻づまりが酷ければ上半身を冷やす『荊芥連翹湯』をと案内して、さらに鼻汁が喉に落ちてくるかを確認すると落ちてくると言う。
     それはインフルエンザで胃が悪くなっている可能性があるとお話しして、『チクナイン』(辛夷清肺湯)を勧めお買い上げいただい。
     お客様には下半身の厚着をして、免疫機能を司る腸を活性化するために温めるようお話した。

     

  • 薬の買い物を頼むときに伝えておいてほしいコト

     お客様が『セキトローチ』を求めて来店した。
     ネットで見たという成人の息子さんから頼まれたのことで、パッケージデザインが違うものの同じメーカーから同じ処方の『セキトローチ』が出ているのでそちらを案内した。
     ただ、肝心の咳の状態については不明で37.5度の発熱があったということから、体内が乾燥してる可能性を説明したうえでお買い上げいただいた。
     しかし、発熱の咳となると『セキトローチ』に入っている鎮咳去痰成分のフェノールフタリン酸デキストロメトルファンと、気道を潤すグアヤコールスルホン酸カリウムだけでは力不足なのではなかろうか。
     解熱剤の入っている風邪薬ではなくあくまで咳止めだけということであれば、『ルキノンせき止め錠』の方が効果的だと思われる。
     頼まれ物だから仕方がないけれど、ネットで見たというのが、ただ見ただけなのか他の物と比べての判断なのかで話が変わってくる。
     できれば薬を指定するのではなく、現在の症状と、いつからか、他に起きている症状は無いのかということを伝えて買い物を頼んで欲しかった。
     お客様には、体内の保湿のためにこまめな水分補給と、豚汁の具材で消化の良い食事をと勧めた。

     やや高齢のお客様が雑貨を購入されるさいに、家にいる娘さんに口内炎の薬を買ってあげようかと言っている声が聞こえたので、口内炎の外用薬には抗炎症系と修復系とがあり、さらに抗炎症型にはより強いステロイド剤があることを説明した。
     口内炎の状況によって使う薬が違うので、本人でないと選ぶのは難しいことを伝えると、「初めて知ったと」言われた。

     お客様から、咳の相談を受けた。
     のどの痛みもあり、昨日からで夜が激しく痰も出るとのことから『ブロン錠』と『ルキノンせき止め錠』を案内し、『五虎湯』も紹介してみたが漢方薬と聞くと嫌そうだった。
     『ルキノンせき止め錠』を選ばれ、『セキトローチ』と一緒に服用して良いか尋ねられ、トローチはあくまで剤形であって成分によって判断することを説明したうえで、併用は不要であることをお話しした。

     

  • 発熱時の冷却シートと水枕の使い分け

     お客様が『パブロンキッズかぜシロップ』をレジに持ってきたが、6歳の子供が鼻水と咳ということで主訴以外に熱などは無く、酷いのは鼻水だけというお話から『ムヒのこども鼻炎シロップS』の方を勧めた。
     こちらには解熱剤が入っていない代わりに咳止めも一緒に入っているので、余計な物が入っていない分だけ体力の消耗を抑えられることを説明し、お買い上げいただいた。
     鼻水の方は透明なようだから、お風呂に長めに入るとか温かい物を飲むなどして内臓を温めれば改善する可能性が高いことも伝えた。

     冷却シートを求めて来店したお客様に売り場を案内しながら、38度以上になるようなら水枕を使いようにお話した。
     すると患者は6歳の子供とのことで、悪寒を訴えているか尋ねると悪寒があるようなので、その段階では本当に体を冷やすより冷却シートで対応するよう勧め、今回は『冷えピタ』をお買い上げいただいた。
     悪寒というのは風邪のウイルスと戦うために発熱の準備をしている段階で、そこで体を冷やしてしまうとジャンプをするためにしゃがんでいるところを蹴り倒すことになってしまう。
     すでに食欲は無いと言うので、無理に食べさせずインスタントスープで塩分と水分を取っておけば十分なことを伝えた。
     栄養をつけさせようと食事をさせると、消化をする方にエネルギーが取られて風邪と戦う力が弱まってしまうからだ。

     

  • 薬の飲み合わせには気を使います

     やや高齢のお客様から、咳をしているご主人に『コンタック』を頼まれたとのことだったが、どの『コンタック』かは分からないというので、一応は『コンタックせき止めST』を案内した。
     咳や鼻水といった単独の症状でも総合の風邪薬を求める人がいるから、同じブランド名で複数の物が発売されている場合には、正確な名称が分からないと困ることが多い。
     ご主人は、ヒューヒューという喘鳴がしてるというお話のため『半夏厚朴湯』を紹介してみたものの、そちらには興味は示されされなかったので、気管支を拡張する『南天のど飴』を紹介すると一緒に購入を決められた。
     ところが、お会計の段になって病院から降圧剤や糖尿の薬などが処方されていると分かり、しかしおくすり手帳を持参されてないので内容は不明だった。
     降圧剤でも薬によって作用機序が違うことを説明し、調剤薬局に相談するよう勧めたところ、すでに『コンタック』を服用したと言うので、継続して良いか問い合わせるようお話しした。
     その『コンタック』にしても、今回の『コンタックせき止めST』かすら分からない訳だが。
     そのため、本日は『南天のど飴』のみをお買い上げいただいた。
     ご主人は、おくすり手帳を家に置きっぱなしにしたうえ、処方された薬を服用した後に車の運転もしてると言うので、おくすり手帳は事故に備えて携帯させるようお話しした。
     それに、降圧剤の中には服用後の車の運転を控えるよう書いてある物もあるはずだから、それも確認するように伝えた。

     やや高齢のお客様が、『麻杏咳止顆粒S』を求めて来店したが、取り扱っていないことを伝えると似たような物をと希望されたので『五虎湯』を紹介した。
     しかし、咳をしている患者はご主人で、そのうえタバコを吸っていて病院では人間ドックで引っかかったことがあるから行きたがらないというお話があったため、繰り返す咳は肺や気道ではなく胃炎や逆流性食道炎の可能性もあることを話ししたうえで、『ダスモック』(清肺湯)を紹介したところ、そちらを使って頂くことになった。
     表に出ている症状はあくまで原因の結果としてであり、原因そのものは医師以外には診断できない以上、病院でまず調べることが必要である。
     ところで、『麻杏咳止顆粒S』が何なのか分からなかったのだが、後で調べたら『麻杏甘石湯』に桔梗と滑石と陳皮を加えたものだった。
     名前に『麻杏』が入ってるから『麻杏甘石湯』の変方だとは予想ついたから似た処方の『五虎湯』を紹介したけど、夜中に咳き込むような熱性の咳に効果のある物で、乾燥性の咳や胃を悪くして起きる咳だと、かえって良くないだろう。
     やはり、適用するかどうかの鑑別が必要である。

     

  • ホントは訊かれたくない胃薬のコト

     お客様から、ご主人が食後のゲップと膨満感があるとのことで薬の相談をされたのだが、早食いのうえ、病院からは複数の薬が処方されてるというのにお薬手帳を持ってきていないため、処方構成が比較的単純な風邪薬などより胃薬の方が飲み合わせが難しいことを説明した。
     こう言ってはなんだが、登録販売者の間でも胃薬が鬼門だという人は少なくない。
     というのも胃薬の中には、胃酸の分泌を抑える制酸剤と消化を助ける消化剤が一緒に入っている物もある。
     反対の作用の成分がどうして入ってるのかといえば、メーカーの研究者さん曰く「市場のニーズです」とのこと。
     つまり、「なんにでも効く薬が欲しい」というニーズに応えた結果、実際の個別の症状に対応した物を選択するのが非常に難しくなってしまっているのが胃薬なのだ。
     そのうえ、風邪薬に含まれる解熱剤や咳止めの気管支拡張剤などは作用機序が明確なので、他の服用している薬が分からなくても、血圧を下げる降圧剤などとの飲み合わせは予測が立てやすいから、重大な副作用を起こす可能性が高い成分を避ければ、まず問題無い。
     それに、風邪自体が「放っておいても治る」病気である。
     以前に製薬メーカーの研究員さんから風邪薬の治験データを見せてもらったが、風邪薬の主眼はあくまで症状の緩和であって、服用した場合と服用しなかった場合とを比較しても、風邪が完治するまでの日数に優位な差は無かったし、その点は研究員さんも認めていた。
     一方、胃薬に用いられる成分には、水分代謝に影響する物、血管の拡張収縮に影響する物、神経伝達に影響する物と多岐にわたり、そのうえ先に書いたように互いに異なる作用の物が混淆されており、なおかつ風邪と違い胃の病気は放っておいて治るというたぐいのものではなく悪化する可能性を孕んでいるのだ。
     風邪薬は飲み合わせを気にして相談されるお客様は少なくないのに、圧倒的に胃薬は自分で選ばれることが多いし、案内を申し出ても「大丈夫です」と断られる。
     しかし、訊かれたら訊かれたで非常に選定が難しく、正直なところ私も「お客様から訊かれなきゃ、お客様が選んだ薬をそのまま売りたい」のが胃薬なんである。
     今回は、ご主人と連絡が取れたので8種類ほどの薬の名前を聞き出して調べたところ、不眠に精神安定剤が処方されていて、降圧剤の他に脂質異常と糖尿病の薬もあった。
     お客様は「精神の薬は関係無いと思う」と言われていたが、精神活動に影響するセロトニンは胃の働きにも関係し、当然のことながら精神安定剤によっては副作用が胃の機能を低下させるものであることを説明した。
     そして、やはり処方されている精神安定剤の副作用の項目には、ご主人の症状と関係がありそうな記述を見つけた。
     副作用の可能性があるため、まずは担当医に相談するよう勧めたのだけれど、何か薬は買っていきたいと頼まれる。
     むー、困った。
     薬を頼りにするのであれば、薬の怖さも意識してもらいたいところ。
     仕方ないので『半夏瀉心湯』を候補に考え、再度ご主人に連絡していただき肋骨の下側に指を入れて痛むか確認してもらうと、それは無いと言うので『六君子湯』を試してもらうことになった。
     お客様には重ねて、市販薬を購入するさいにもおくすり手帳は必要なことと、これだけ薬を飲まれているとなれば災害時には本人が持っていることが重要なことを説明した。
     災害で避難した場合、救援物資にその薬を要請することもできるので。
     また、ご主人に早食いさせないために食べながら話しかけたり、あるいは食卓にいっぺんに食事を出さずに小分けでおかわりをさせる方法を提案した。

     若いお客様から、頭痛に「強い薬を」と希望されたが、相性も関係することをお話し、使ったことがある物を尋ねると『バファリンA』とのことだった。
     そして痛み方は締めつけられる様な感じとのお話だったので、血圧や肩こりなどが関係する可能性を説明し『ズッキノン』(釣藤散)を紹介してみたが興味を示されず、『バファリンA』は全然効かなかったと言うので、他の成分を試してみるよう勧めたところ、『バファリンルナi』を購入された。
     同じ『バファリン』のブランド名がついているが、中味はイブプロフェン製剤で別物である。