• タグ別アーカイブ: 桂枝加朮附湯
  • 大棗(タイソウ)

    漢方生薬煎じ薬 調剤用500gの価格参照

    (1) クロウメモドキ科のナツメ、又はその他の近縁植物の果実
    (2) 主成分:トリテルペンおよびエステル類、サポニン多糖類など
    (3) 性味:甘、微温
    (4) 薬能:補脾胃・養営安神・緩和薬性、抗アレルギー作用、抗消化性潰瘍作用、抗ストレス作用
    (5) 帰経:脾・胃・心・肝
    (6) 配合処方:胃苓湯、越婢加朮湯黄耆建中湯、黄連湯、葛根湯葛根湯加川きゅう辛夷甘麦大棗湯帰脾湯加味帰脾湯桂枝加芍薬湯桂枝加芍薬大黄湯桂枝加朮附湯桂枝加竜骨牡蛎湯桂枝湯呉茱萸湯五積散、柴陥湯、柴胡加竜骨牡蛎湯柴胡桂枝湯柴朴湯柴苓湯、四君子湯、炙甘草湯小建中湯小柴胡湯小柴胡湯加桔梗石膏参蘇飲、清肺湯、大柴胡湯大防風湯当帰建中湯当帰四逆加呉茱萸生姜湯排膿散及湯麦門冬湯半夏瀉心湯平胃散防已黄耆湯補中益気湯六君子湯



    漢方生薬煎じ薬 調剤用500gの価格参照

     

  • 五積散(ごしゃくさん)
    胃腸炎、腰痛、神経痛、関節痛、月経痛、頭痛、冷え症、更年期障害、感冒

    適応症状 

     慢性に経過し、症状の激しくない次の症状:
     胃腸炎、腰痛、神経痛、関節痛、月経痛、頭痛、冷え症、更年期障害、感冒

    用方・容量(顆粒製品の場合) 

     1日3回、成人1回1包(2.5g)を食前にお湯または水で服用してください。
     ただし、15歳未満7歳以上は2/3包、7歳未満4歳以上は1/2包、4歳未満2歳以上は1/3包。

    組成(顆粒製品の場合) 

     3包(7.5g)中、次の成分を含みます。
       そうじゅつ(蒼朮)3.0g
       ちんぴ(陳皮)2.0g
       とうき(当帰)2.0g       
       はんげ(半夏)2.0g
      ぶくりょう(茯苓)2.0g     
      甘草(かんぞう)1.0g
      桔梗(ききょう)1.0g     
       きじつ(枳実)1.0g
      けいひ(桂皮)1.0g       
       こうぼく(厚朴)1.0g
      しゃくやく(芍薬)1.0g     
       しょうきょう(生姜)1.0g
      せんきゅう(川きゅう)1.0g
       たいそう(大棗)1.0g
      びゃくし(白し)1.0g      
       まおう(麻黄)1.0g
     以上の割合に混合した生薬より得たエキス4.0g含有します。

    類似処方鑑別 

    当帰四逆加呉茱萸生姜湯  本方に比して体力が一層低下した人で、下腹部、腰部、下肢の痛みや四肢末端の冷えが顕著な場合に用いる。

    当帰芍薬散  体力の低下した冷え症の人で、月経異常や下腹部痛があり、四肢の痛みを伴わない場合に用いる。

    桂枝加朮附湯  本方に比して体力が一層低下した人で、盗汗をかきやすく、四肢関節の腫張、疼痛を訴える場合に用いる。

    八味地黄丸  中年以降とくに老齢者で、下半身の脱力感、痛み、しびれや腰痛などがあり、排尿異常とくに夜間の頻尿を訴える場合に用いる。

    使用上の注意 

    1.次の場合には医師または薬剤師に相談してください
     (1)本剤を服用後、症状の改善が認められない場合は、他の漢方薬を考慮する事。
     (2)甘草を含有する漢方薬を長期服用する場合は、血清カリウム値や血圧の測定などを充分に行い、異常が認められた場合は、服用を中止する事。
     (3)複数の漢方薬を併用する場合は、含有生薬の重複に注意する事。(特に甘草を含有する漢方薬の併用には、より注意を必要とする。)
     (4)長期運用により低カリウム血症、血圧上昇などが現れる場合があるので観察を充分に行う事。
     (5)著しく体力の衰えている患者。
     (6)著しく胃腸虚弱な患者。(軟便、下痢、胃部不快感、食欲不振等の胃腸障害を起こす事がある。)
     (7)狭心症、心筋梗塞など循環器系の障害のある患者、または既往歴のある患者。


    2.服用に際して、次のことに注意してください
     (1)定められた用法、用量を厳守してください。
     (2)小児に服用させる場合には、保護者の指導監督のもとに服用させてください。
     (3)本剤は、2歳未満の乳幼児に服用させないでください。


    3.服用中または服用後は、次のことに注意してください
     (1)本剤の服用により、発疹・発赤、かゆみ、悪心、食欲不振、胃部不快感等の症状があらわれた場合には、服用を中止し、医師または薬剤師に相談してください。 
     (2)本剤を服用することにより、尿量が減少する、顔や手足がむくむ、まぶたが重くなる、手がこわばる、血圧が高くなる、頭痛等の症状があらわれた場合には、服用を中止し、医師または薬剤師に相談してください。
     (3)1ヵ月位(感冒、鼻かぜ、頭痛に服用する場合には、数回)服用しても症状の改善がみられない場合には、服用を中止し、医師または薬剤師に相談してください。
     (4)長期連用する場合には、医師または薬剤師に相談してください。


    4.保管及び取扱い上の注意
     (1)小児の手のとどかない所に保管してください。
     (2)直射日光をさけ、なるべく湿気の少ない涼しい所に保管してください。
     (3)1包を分割した残りを使用する場合には、袋の口を折り返して保管し、2日以内に使用してください。


    5.その他
     本剤は生薬(薬用の草根木皮等)を用いた製品ですので、製品により多少色調等が異なることがありますが効能・効果には変わりありません。

     

  • 久しぶりの食事会

     ホカロンを買いに来たお客さんの首元を見てビックリ。
     貼るタイプを直に貼っているのだ。
     うぎゃっ!!Σ( ̄□ ̄;)
     低温火傷してしまいますよ~。
     詳しくお話を聞いてみたら、ピップエレキバンのような物と同じように考えていたらしい。
     そもそもは、神経痛だという。
     温めると楽になるので、貼っていたとの事。
     となると冷えが原因なのは間違い無さそう。
     桂枝加朮附湯(けいしかじゅつぶとう)を試してみて下さいと勧めた。
     http://www.kitazono.jp/syoho/keishikajyutubutou.htm
     奥さんの妹のYさんが帰るので、新宿までお見送り。
     そこから今度は、八王子方面に行くために京王線に乗った。
     久しぶりに乗った京王線、聖蹟桜ヶ丘などを車窓から懐かしく眺めた。
     そういや、平山城址公園は桜が綺麗だったな。花見に行きたいものだ。
     http://www.hinocatv.ne.jp/~w-suzuki/hiramt.htm
     ギリギリで待ち合わせに間に合うかと思ったら、特急の通過待ちで途中駅に足止め。
     そういや、急行や準急などが入り組んでで、事前に調べておかないと到着時間が予想できないんでした(^_^;)
     15分ほど遅れて駅に到着。
     K氏と合流した。
     先に着いてるH嬢も駅近くの書店から出てきた。
     あれ? 後の人たちは?
     Kくんも来ているはずなのだが、本屋の中で立ち読みをしているらしい。
     1度はH嬢が声をかけているので良いだろうと、Kくんを本屋に残して出発。
     本を読んでるところを邪魔しちゃ悪いし(笑)
     借りている施設に歩いていく途中には、どう見ても民家、それもボロボロで人も住んでいなさそうなのに何故か飲食店の看板が出ている所があった。
     ああ、こういうのを写真に撮っておかなくちゃ駄目じゃんと思いつつ、寒いのでコートのポケットから手を出したくないと思ったり。
     施設の調理室に入ると、S氏が今日の準備をしていた。
     今日は、S氏の料理を食べる会(仮称)なのだ。
     実に久しぶり。S氏が、休みを取れる状況不ではなかったので。
     新潟での任務お疲れ様であります(・v<)
     現職の自衛官であるS氏の話によると、10月に“台風と大地震が同時に起こった”と想定しての訓練があったのだそうだ。
     その時には上官と、「そんな偶然ありませんよねぇ」と話していたら、遅い台風の直後に震災に見舞われるという事態になり、さっそく訓練が活かされたという。
     その他に、自衛隊では“見込み入隊”というものがあるという話などを聞いた。
     自衛隊は身長155cm以上というのが入隊に際しての身体的な条件となっているのだが、18歳くらいだとまだ成長期なので、いずれ背が伸びるという見込みで入隊を認める事があるのだとか。
     しかし、その後も背が伸びないというケースもあり、それでもよほどの事が無い限り、そのまま勤続を認められるという。
     相撲とは違うんですね。
     さて、S氏が火を使おうとするとガスレンジにガスが供給されていないという。
     どうやら、元栓のさらに大元が締まったままらしい。
     K氏が内線電話で職員を呼んでから、実は隣の食器棚や冷蔵庫のある部屋に、その元栓があるのに気がついた。
     まぁ、呼んでしまったものは仕方がない。
     念のため職員が来てくれるのを待つ事にした。
     ほどなくして来てくれた職員にガスの元栓を開けてもらい、S氏が作ってきたデザートを冷やしておこうと冷蔵庫を空けたら、なんとそこには以前にもこの部屋を使った時の材料の一部が発見された。
     忘れたままにしたこちらもなんだが、一年以上も点検や清掃をしていないという事か。
     本屋で立ち読みしていたKくんもようやく来て、さらに遅れてOくんも到着した。
     本来、この日を設定したのはM嬢が月末に入院を控えているのに合わせたのだが、風邪気味ということで大事をとって欠席。
     装備や仕込みの問題から、S氏からは「今回は軽食です」と言われていた。
     いつもの食事会での料理の量はすさまじいので。
     前菜のサラダに始まり、スープとパスタを食べて腹八分目になったかなというところへラザニアが出たりする。
     そしてデザートのケーキで締め……ではなく、そのケーキが3種類くらい続いて出たりするのだ。
     食べ切れまへ~ん。
     で、今日はクラッカーにチーズと生ハム、それにピクルスを乗せたシンプルな物。
     いつもの物量攻めでないと、これはこれで少し寂しいかも。
     しかし、さすがにチョイスしてある物は良く、ワインでも欲しいところ。会場は禁酒ですが。
     代わりに紅茶との組み合わせ。
     その紅茶も、香りの強い物でチーズと生ハムを食べるのに良く合う。
     他にS氏が用意していたデザートのうちの1つを出された。
     ハバロア?
     プティング?
     固めが弱くて、容器から出したらスライムのようだった(笑)
     塩気の物と甘い物を交互に食べ始めると止まらないという状態に陥った。
     食べながら、
    「セカチューの映画観たよ」と話す。
    「俺も観たいんだよね~。笑いたくて」とK氏。
     笑えるほど面白く無かったですと答えておく。
     (1月21日の日記参照)
     http://backno.mag2.com/reader/BackBody?id=200502110240000000109927000
     そしてK氏が持ってきたボードゲームの中から、『蒸気幻想曲馬団』をやる事に。
     http://www.kokusaig.co.jp/RPG/jokigens.html
     国際通信社の季刊TRPG専門誌『RPGamer』2号の付録だそうで、プレイヤーはまずキャラクターカードを引いて、劇団『ねじまき座』の関係者としての役を決める。
     そして自分の“運命”を求めて、サイコロの出目で双六のようにヨーロッパ各地を巡り、欧州中を飛び回って事件に出会い、その結果褒賞を得たり、それを題材にして『ねじまき座』の新しい演目を作るのが目的。
     どういう事かというと、途中で得る事件のカードやアイテムのカードには、“王女”とか“大砲”というような語句が書かれており、それを起承転結になるように並べて物語を作るのだ。
     例えばこんな感じ。
     爵位を得るために→隣国の王女を誘惑し→不老不死の薬を手に入れ→世紀の大発明をした。
     ………なんか変だ(笑)
     だから、なんとか辻褄を合わせるために、不要なカードを捨てたり、或いは他のプレイヤーのカードを奪ったりしていく。
     私としては楽しかったのだが、あとからK氏からルールを熟読していたなったため、かなり間違ったプレイをしていたらしいと教えられた。
     まぁ、それでも遊べたんだから、いいやね(苦笑)
     ゲームの最中にも、S氏お手製のショコラケーキにシフォンケーキ(だったと思う)が次々と出てきて、それを次々と食べていった。
     最終的には、私はケーキを5個も食べていた。
     まるで、ケーキの食い放題である(笑)
     しかも、S氏の作るケーキには酒に漬けたのかというくらいアルコールか入っているので、なんだか酔っ払ってしまった感じ。
     こうでなければ、S氏のケーキではない(苦笑)
     散会する直前に、M氏がギリギリ間に合い、残ったケーキをたいらげるハメに。
     私も口の中が甘々になってしまったので、親指サイズのピクルスを丸々ポリポリと食べた。
     この後は新年会を兼ねて2次会にという話だったのだが、今日はお店に戻らなければならなかったので、ここで辞去。
     あの後さらに食事をしに行ったんだろうか(・_・)?
     お店に戻って、入れ替わりにお母んが商店会の会合に出かけた。
     成人の娘さんの痒み止めに、副腎皮質ホルモンの塗り薬を買いにお客さんが来店。
     十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)での治療を勧めたけれど、
    「飲み薬は飲ませたくないのよね」と断られた。
     http://www.kitazono.jp/syoho/jyuumihaidokutou.htm
     副腎皮質ホルモンの方が怖いけどなぁ(^_^;)
     長く使ってると皮膚が萎縮して悪化する可能性があるし、腎臓を傷めてしまうのは確実。
     患者さん本人がどうしてもという事であれば仕方が無いが、そこまでは話は聞けなかった。
     ネットニュースで、埼玉県内の2004年1年間の110番受理件数が10年間で過去最低だったという記事を見つけた。
     いたずらや間違い電話などを除いた有効受理件数だそうで、8月の夜間の受理が著しく減っていた事から、埼玉県警では「自宅でアテネ五輪のテレビ中継を見る人が多く、空き巣や交通事故が少なかったせいではないか」と推測しているそうな。
     だとしたら、安全神話が崩壊したとかなんとか言われていても、日本のなんと平和な事か。
     実際、オリンピックごとに110番の受理件数は減る傾向にあるそうで、となると深夜にスポーツだのの放送をすれば防犯になるんじゃないのと単純に考えたり。
     そうしてくれると、野球やサッカーの延長でゴールデンタイムの観たい番組をビデオに録画しそこなったりという事も減って、私も大歓迎なのだが。

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  • ≪第7回≫疎経活血湯

    漢方薬症例クイズ≪第7回≫

     実際の症例を元に、患者さんの症例データーを提示します。
     “書いてある内容”から推理して、適応すると考えられる漢方薬の名前を当てて下さい。
     基本的に当店で扱っている漢方薬としますが、解答としては必ずしも限定しません。「なるほど、その方法もあるか」と思われる解答であれば、正解とする事があります。(生薬のみや民間療法などは除外します。)
     正解者の中から、抽選で2名様に『切子タンブラーペアを進呈いたします。
     絶対の正解というものはありませんのであくまで、“あそび”として楽しんでいただければと思います。
     皆様の参加をお待ちしています。(終了しました)

    切子タンブラーペア

    kiliko.jpg (168563 バイト)

     どこか懐かしい雰囲気を持ちながら、現代的なセンスを漂わせる切子タンブラーのペアを、2名様にプレゼントいたします。

    募集期間:~7月26日(月)
    正解発表予定:7月30日(金)

    問題
     女性。43歳。
     主訴は、背中と肩のこり、痺れ感と痛み。
     体格は中肉中背で、肌に艶が無い。ややのぼせを感じる一方で貧血気味であり、疲労感があるとの事。舌は、やや白苔。
     来店時は1月で、昨年の夏に冷房の強い職場で仕事をしていて、肩から背中にかけて痺れを感じるようになった。特に左側が痺れる感じ。
     コーヒーが好きだが、お腹が冷えやすいのでホットで飲むようにしている。 
     詳しくお話を聞いた中で、数年前に卵巣を片方摘出している事を知らされた。
     漢方薬を服用してもらったところ、半年余り続いていた症状が1週間程度の服用で改善し、それからも量を減らして継続中。
     この患者さんには、どの漢方薬を選んだか?

    正解
     
    正解疎経活血湯です。
     当選したのは、以下の2名の方です。おめでとうございます。
      ※ともっちママ様…選んだ理由:「痺れ感と痛み」に効くのはこれだ!!と思いました。私ならこの漢方で治します!!

      正解者が1名でしたので次選の漢方薬として、婦人華を挙げられましたもんもこ様を当選とさせていただきました。正確には婦人華は漢方薬名ではなく商品名なのですが、選んだ理由が適当すると判断しました。   もんもこ様…選んだ理由:年齢やのぼせ、肩こりの症状があり卵巣を片方摘出していることから、更年期障害と思われ肩こりや貧血・冷え性・のぼせに効く婦人華が最適と思いました。

    解説
     
    さらりと書いてありますが、卵巣を摘出したという部分には注目しておかなければなりません。
     卵巣などの女性特有の器官に限らず、手術を経験している人は必ず術部がお血(おけつ)を起こしていると考えられるからです。
     その部分が女性特有の器官である事を考えると、年齢に関係無く更年期障害同様の症状が現れている疑いがあります。
     そして、そのうえで主訴を診ていくと、肩こりは肩が張るとか重いというものではなく、痺れる傾向を訴えており、これは正座をした時に血行が悪くなって痺れるというのと同じ状態なのだろうと推察できます。
     同様に肌に艶が無いという事は、血行不良である事を補強していると考えられ、のぼせがある貧血症状は、体温を一定に保つと共に栄養素を全身に行き渡らせるという働きを血液が順調に果たしていないという状態を示しています。
     これらを総合すると、お血を取り除き血流を良くする漢方薬をと考えるのは極めて適切ですが、忘れてはならない事があります。
     それは主訴として痛みも訴えており、まずはそれらの“苦痛”を先に取り除くという事です。
     漢方薬を学んでいく課程で、ついつい“根治治療”をしようとして、患者さんが今現在苦しんでいる症状を「元が治れば楽になるから」と後回しにしてまいがちです。しかし、やはり患者さんを早く楽にしてあげる方法を検討しなければならないでしょう。
     そこで、痛みを取り除くと共に血流も改善する漢方薬として、疎経活血湯を用いました。
     疎経活血湯の効能は神経痛や筋肉痛などの治療な訳ですが、その名前に血流を良くする“活血”という意味の言葉が付いている事を憶えておくと良いでしょう。

    補足
     やはり、患者が女性である事、卵巣を摘出しているという点から、婦人病疾患として解答された方が多かったです。
     代表的な漢方薬としては、次のような物がありました。
     まず加味逍遥散ですが、主に胸脇部から腹直筋上部の緊張と炎症を取り除き、血液の循環を良くする作用があります。しかし、加味逍遥散を用いる場合は、のぼせによるイライラであるとか不安感などの精神神経症状を伴う場合を目標にした方が適切だと思われます。貧血気味で肌に艶が無い点から四物湯を合方するという方法を挙げた方もいらっしゃいます。確かに四物湯を合わせると血流をより良くする当帰と、痛みを和らげる芍薬が加わるので、加味逍遥散を単独で用いるよりは良いでしょう。ただ、今回の患者さんの主訴にある痺れや痛みを取り除くのには、それでも効き目が弱いだろうと考えられます。
     当店では扱っていない漢方薬ですが、婦宝当帰膠(ふほうとうきこう)という解答もありました。
     更年期障害に用いる漢方薬で、解答者の方もやはり婦人病で調べたようです。婦宝当帰膠は十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)を基にした処方で、その特徴は「血の虚」(貧血)を治し、「気の虚」(元気の衰退)を治す事だとされています。すなわち更年期障害が、著しい疲労感や精神的な落ち込みとして現れ、衰弱している場合に用いるのに適しています。今回の患者さんの場合は、そこまでの訴えは無く、また主訴の改善には適しません。
     病院で更年期障害に対して処方される事が多いのは、なんといっても当帰芍薬散でしょう。眩暈(めまい)や肩こりなど、更年期障害の不定愁訴を広範囲にカバーできる漢方薬ですので、迷った時にはまず当帰芍薬散を試してみて、それからより適した漢方薬を探すという使い方もできます。また、含まれている生薬のうち沢瀉(たくしゃ)以外は温性なので、冷え性の場合に効果を発揮します。ただ、今回の患者さんの場合は体質的に冷えやすい傾向にあるものの、のぼせも感じているので単品で用いるのは避けておいた方が無難です。
     一方、解答として挙げている人はいなかったのですが、桂枝茯苓丸も候補にはなると思われます。当帰芍薬散と同じく更年期障害による眩暈や肩こりに使われ、当帰芍薬散が適応する人とは反対に、のぼせの傾向が強い人に用います。おそらく候補として挙がらなかったのは、あくまで今回の患者さんの症状の原因は冷えにあると皆さんが考えたからでしょう。
     そこで、少々変則的ではあるのですが、冷えのある人にものぼせのある人にも、どちらにでも効くようにと開発された婦人華です。当帰芍薬散桂枝茯苓丸を合わせて、さらに通経・鎮静・鎮痛の目的で汎用されているサフランと、血液の循環を良くし、衰えている器官や組織を賦活するビタミンEを加えた製品ですので、体質と症状共に、かなり広い範囲をカバーできて便利に使用できるという点において他の処方よりも有効だと考えました。
     さて、婦人病疾患とは別に痛みを主眼に解答された中で一番多かったのは、桂枝加朮附湯でした。この漢方薬は上半身を温める力が強く、寒証者向きの人の神経痛に適応するので、候補として挙がるのは当然だろうとは思います。しかし繰り返し述べているように、お血を取り除く事を考えると、桂枝加朮附湯の生薬成分は鎮痛と温める効果のみに偏っており、また、汗の出やすい水分代謝に異常のある人や、基礎体力からして弱い人に向いています。なので、今回の患者さんのケースで当帰芍薬散と比較した場合は、当帰芍薬散の方が適応するでしょう。
     それから、 「肩こりには葛根湯」と云われるように、一般的には風邪と並んで使われる機会が多い葛根湯という解答がありました。その中には、患者さんの舌が白苔で温かい物を飲みたがるのは寒証だと読み、身体を温めて肩から背中にかけての強ばりにも効く物として葛根湯を推挙された方もいらっしゃいました。解説で書いたように、患者さんの症状を早く取り除くという観点から見れば、葛根湯は臨床的にも服用後の効果の発現が30分前後と早い事が証明されているので間違いではないのですが、一方で、どちらかというと急性症状の初期にこそ有効であるものの、今回のように中長期化している症状に対しては効き目が弱いという報告があるため、候補からは除外されます。葛根湯の効能にある肩こりなどは、風邪などの急性疾患による随伴症状に用いる物として考えた方が適切です。
     最後に、問題の中の「コーヒーが好きだが、お腹が冷えやすいのでホットで飲むようにしている。」という部分は、直接的ではないにせよ、この患者さん自身が症状に対して非常に好ましくない事をしているという点は見逃してはなりません。コーヒーは暑い地域で涼感を得るために飲まれているように、たとえホットで飲んだとしても体を冷やしてしまいます。発症のキッカケが冷房であった事、お腹が冷えやすいと自覚している事からすると、コーヒーが治療の妨げになる事を知らせる必要があります。かといって、好きだという物を無理にやめさせると、それがストレスとなってしまい弊害があります。そのため、今回の患者さんには影響が最小限になるように、夜間のコーヒーは控えて、後で体を動かす事が確実な朝に飲むように勧めました。
     漢方薬に限りませんが、薬の効果が思わしくない場合には、薬の変更と共に、他に阻害している要因が無いかも考えましょう。

    解説:北村俊純

    参加者コメントより
     寺山雄一郎:水出しコーヒーおいしく飲ませていただきました。
     それは、なによりでした。また何か美味しい物を見つけたら、賞品にしてみようと思います。

     鈴木陽子:漢方薬を選ぶのは本当に難しいですね。日々勉強が必要だと思いました。
     病気になるリスクは誰にもありますので、自分で知る事はやはり大切ですね。

     ともっちママ:私自身、冷え性なので漢方にとても興味があり、こちらのホームページでも勉強中です!
     冷え症の人は多いだけに、その原因も治療法も様々です。ご自分に合う治療法なり漢方薬が見つかるよう及ばずながら協力できたらと思います。

     もんもこ:とっても面白いクイズでした。貴サイトは症状で検索できるので何が効くか、判りやすくていいですね。これからも体調が悪いときは利用したいと思います。
     参加していただきありがとうございます。一応、症状で検索したいという要望がありましたので対応しましたが、症状だけでは判別できない事もありますので、今後ともお役に立てる情報を提供していくつもりです。どうぞ、ご利用下さい。

     

  • ≪通巻37号≫
    クリスマスカードを作る前に綴りをチェック/漢方薬のお店に来て漢方薬は嫌だとはこれいかに?/アミノ酸再び、いやテレビでは三度目か

      ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
      ★彡☆-=★彡  それさえもおそらくは平凡な薬局  ★彡☆-=★彡
                      ≪通巻37号≫
      提供 : まぐまぐ http://www.mag2.com/
      発行 : 北園薬局 http://plaza2.mbn.or.jp/~kitazono/
      編集 : 北村俊純
      窓口 : kitazono@a1.mbn.or.jp
      ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
    ~~~~~~~~~~~~~ 今回の日記の主な話題 ~~~~~~~~~~~
    ※11月15日(土)……クリスマスカードを作る前に綴りをチェック
    ※11月16日(日)……漢方薬のお店に来て漢方薬は嫌だとはこれいかに?
    ※11月17日(月)……アミノ酸再び、いやテレビでは三度目か
    ************************* 今回の平凡な日記 ***************************
    ◆11月15日(土)/2003年◆
     胃薬を飲んでいるのに、朝食の後にみぞおちが痞(つか)えるような感じがするという患者さんが来店。
     飲んでいる胃薬が何か尋ねると、『ガスター10』との事。
     『ガスター10』は効能書きに「胃痛、胸やけ、もたれ、むかつき」となっているが、使用目標は“胃酸過多”である。つまり、胃酸の出を抑える作用があるわけで、胃酸過多による症状でなければ胃酸の出が悪くなって胃痛や胃もたれになってしまう。
     適しているかどうかの目安としては、症状が“空腹時”に現れるのか“満腹時”に現れるかだろう。
     今回の患者さんの場合は、食後という事なので適応外となる。
     そこで、舌の状態を見せてもらうと、舌の白い苔が左右に割れていた。これは、神経的な緊張(心配事)などが原因で胃が水を上手くさばけていないと考えられる。
     その事を尋ねてみると、どうやら当たったようで悩み事がある様子。となると、治療するための漢方薬としては、2種類が候補に上がる。
     みぞおちが痞えるような感じがするというのに相違が無ければ、胃が痙攣しているという事なので半夏写心湯(はんげしゃしんとう)が適応する。
     もう少し上の部分、咽喉の下の方が痞えるようであれば、食道が狭窄しているということであるから半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)が適当だろう。
     また、胃潰瘍の予防には柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)も使える。胃潰瘍を治すほどではないが、消化器と肝臓を助ける働きがあるので、症状が激しくなければ使ってみるのも良い。
     今回の患者さんは、まず半夏写心湯を試してみて、合えば服用を続け、合わなければ半夏厚朴湯を試してみるという事にした。
     眩暈(めまい)と吐き気に葛根湯(かっこんとう)を求めて患者さんが来店。
     風邪の初期であれば、そういう選択もあるとは思うが、お話を訊いてみると、わりと頻繁に起こってる症状らしい。
     吐き気が強いようであれば、二陳湯(にちんとう)を服用すればだいぶ楽になるはず。
     しかし、食欲が落ちているわけでもないのに眩暈とともによく起こるのだとすれば神経的な要因も考えられる。
     今回は、神経的な眩暈に重点を置いて苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)を勧めた。
     そろそろクリスマスのイルミネーションが飾られたり、クリスマス商戦に向けた企業やお店の宣伝活動が始まった。
     それらのチラシやポスターを見て気になるのは、『X’mas』という表記。
     最近では『Xmas』という表記が増えたのに、未だに『’(シングルクォーテーション)』を見かけることがある。近所のスーパーのチラシに書いてあった時には、前のめりにズッコケてしまった。(人生いつでも前のめり。)
     英語表記では、『’』は何らかの文字を省略した場合に用いる。「I am」を「I’m」とか、「can not」を「can’t」というように。
     では、『X’mas』というのは、何を省略しているというのか。
     そもそも、あの『X』は、アルファベットの『X(エックス)』ではなく、ギリシャ文字の『X(カイ)』である。『X(カイ)』は、それ一文字で『キリスト』を意味する。
     そして、『mas』は英語では『お祭り』の意味で、その語源はラテン語の『missa(ミサ)』に由来し、本来の意味はカトリックの事を指して、そこから転じて、ローマカトリック教会で神を讃え、賛美と感謝を捧げる聖体拝領を行う典礼の事を意味するようになった。
     だから『クリスマス』とは、“キリストを讃えるお祭り”という意味で、『Xmas』という1つの単語なのだから、何も略してはいないのだ。
     『キリスト』を英語で表記すると『Christ』だから、『Christmas』というのを省略するとすれば『C’mas』という表記が正しいかもしれない。見たこと無いけど。
     ちなみに、『キリスト』というのは名前ではなくて、油を塗られた者という意味で、王に与えられた称号だったのが転じて救世主の意味となり、『イエス』の敬称として使われるようになった。
     もしこれからクリスマスカードを自分で作ろうという人がいたら、『’』を付けないように気をつけましょう。
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    ◆11月16日(日)/2003年◆
     以前に腰の神経痛で麻杏よく甘湯(まきょうよくかんとう)を渡した患者さんが来店。
     神経痛の方は治まったのだが、肩こりが残っているとの事。
     しかし、仕事で良く手を使うという話を以前に聞いているので、腱鞘炎と同じ症状が肩に出ているのではないかと推測した。
     詳しく訊いてみると、やはり“こり”というよりも“痛み”の方が強いらしい。
     胃腸は丈夫そうなので、桂枝加朮附湯(けいしかじゅつぶとう)を勧めた。
     効能は腰痛や関節痛だが、腕を良く使う人の疲労による痛みにも効果がある。
     咳止めの薬が欲しいという患者さんが来店。
    「早く治るヤツをくれ」との事だったので、まずは咳の種類を確認するために症状を尋ねてみた。早く治すには、ピンポイントで狙い撃ちするのが大事である。
     ところが、「そんなのいいから、効くヤツくれよ」という。
     ええと、教えてもらわないと手も足も出ないんですけど。
     とりあえず重ねて、痰のからむようなゴホンゴホンという咳か、乾いたようなコンコンという咳かを質問すると「両方だ」との答え。
     両方? うーん、まぁそういう事もある。
     そこで、寒くなると酷くなるか暖かくなると酷くなるかを尋ねてみた。すると、寒くなると酷くなるという答えだった。
     寒くなると咳が酷くなる場合には、温めながら咳を止める小青龍湯(しょうせいりゅうとう)が適応するだろう。
     そう思って勧めてみたのだが、「漢方薬は長く飲まなきゃ効かないんだろう」と断られた。
     “また”である。漢方薬は長く飲まなければ効かないという誤解は、どこから出てくるのか私としては理解に苦しむ。
     しかし、患者さんの要望は「早く治す」という事だったので、まずは効き目が早い事を説明した。私自身も冬場の喘息には小青龍湯を服用しており、飲むとすぐに体が火照ってきて咳が楽になるのを体感しているし、単に咳を止めるというのではなく治すという観点から言えば、かなり効果が期待できる。
     だが今回の患者さんは、「そんなの3日ぐらい飲まないと効かないんだろ?」と、こちらの説明がまったく耳に入らなかった模様。
     漢方薬を毛嫌いしている人がいるのも確かだし、以前に何らかの治療で漢方薬を用いて期待した効果が得られなかった人などは特にそうだ。中には、“漢方薬”と言っておきながら、服用した物がなんだったのかを尋ねてみると、漢方薬ではなくて単なる生薬だったり、民間療法を試しただけという事もあるのだけれど。
     とにかく、それほど漢方薬を信用できないようならば仕方が無い。一般の市販薬の中から咳止めを選ぶ事にした。
     ところが、咳がどれくらい続いているのかを尋ねたら、かれこれ1週間近く続いているらしい。それも、日が暮れてきてから酷くなるという。
     となると、一般の咳止めでは一時的に神経を麻痺させて咳を止めても、薬が切れればまたぶり返すのは目に見えている。
     漢方薬の方が早く治すことができると、再度勧めてみた。
     それでもやっぱり、「漢方薬ってのは、3日くらい飲まなきゃ効かないんだろ?」と言う。
     そんなに嫌がるほど何かあったのかというのが気になり、以前に漢方薬を使った事があるのかを尋ねてみたのだが、使った事は無いとの答え。
     ううん、使った事が無くて「3日くらい飲まなきゃ」というのは、いったいどういう根拠なのか。
     だいたい現在では、一般の市販薬の中にも漢方薬の葛根湯(かっこんとう)を処方した『カコナール』という製品や、桂枝湯(けいしとう)を処方した『コルゼシロップ』などの製品もある。効き目が遅かったら、風邪薬として役に立たないと思うのだが。どちらにしろ、残念ながら今回のように咳が主訴の場合には効果を発揮しない。
     良くない事だけれど、なんだか相手をするのもバカバカしくなってしまった。
     何故なら、ウチの周辺は複数のドラッグストアーが犇(ひし)めき合っている激戦区である。
     その中で、どうして『漢方相談』の看板を出しているウチに来て、漢方薬は嫌だと言うのか分からない(^_^;)
     ウチの近くに“にんにくラーメン”という看板を出している『げんこつラーメン』というラーメン屋があるが、その店に入って「にんにくは嫌いなんだ」
    と言われてもねぇ………。
     結局その患者さんは、目に付いた(まさにパッケージを見ただけ)咳止めのシロップを買っていった。
     漢方薬の効果に疑問を持っていながら、成分も詳しい効能も確認せずに薬を買っていくとは不可解な(?_?)
     説明しないで適当に選んで買ってくれるなら、こんな楽な商売は無いのだけれど。
     民主党になった小沢一郎氏が、テレビ朝日の番組に出演し、同党が議席を伸ばした衆院選について「負けは負けだ。率直に認めて今後の対応を考えなければならない」と発言したというニュース。
     カッコ良すぎるぞ(笑)
     菅直人氏が精一杯負け惜しみを言って、みっともなさを倍掛けでさらしているのに対して、小沢氏の発言は民主党を頼りないと思っている人を振り向かせるのではないだろうか。
     うかうかしていると、本当に民主党は小沢氏に乗っ取られてしまう予感がする。
     私は小沢氏も菅氏も嫌いだけど、小沢氏の持っている“悪の魅力”は依然として「何かを壊してくれる」期待感を抱かせる。首相になる前の小泉氏と同じではあるな。
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    ◆11月17日(月)/2003年◆
     『ハルンケア内服液』を求めて患者さんが来店。
     http://www.nccpromo.net/harncare/
     頻尿で、夜中に何度もトイレに起きてしまうとの事。
     しかし『ハルンケア内服液』は、1日分で千円もする。
     この『ハルンケア内服液』、内容成分は漢方薬の八味地黄丸(はちみじおうがん)と同じである。それでいて、ウチでの価格は1週間分で1千4百70円。八味地黄丸の方が断然お得である。
     そこで、その患者さんも八味地黄丸に決めて1ヶ月分購入するという。
     ヤタッ(⌒▽⌒)♪
     ところが、一度お会計を済ませたところで、ふと気になった。目の前の患者さんは恰幅(かっぷく)もいいし、50代そこそこに見える。八味地黄丸が合うようには見えない。
     のぼせが無いか尋ねたところ、少し顔が火照ったりするという。しかも、体力自体はある様子。
     それならば、八味地黄丸よりも六味丸(ろくみがん)の方が良いかもしれない。
    加齢による機能面の低下であれば八味地黄丸だが、季節の変わり目などによる疲労から来る物質面の低下には六味丸を使う方が合う。
     その事を説明し、六味丸を1週間分だけ試してもらう事にした。もし合えば、買い足すとの事。
     お会計を計算し直して、差額をお返しした。
     イカンイカン、目の前の売り上げに釣られたらイカンよ。>俺
     乙字湯(おつじとう)の液剤が順調な滑り出し。
     痔の薬というと、どうしても塗り薬の方を選ぶ患者さんが多いが、繰り返しなるようならば、やはり体の中にこそ原因がある。
     痔の症状は、あくまで体の不調が特定の部位に現れただけで、塗り薬だけでは対症療法にしかならない。
     店頭では、その事を説明するとほとんどの患者さんが塗り薬と合わせて購入してくれる。
     でも、それで治ってしまうと、もう塗り薬の方も買わなくなるので、実は乙字湯を売れば売るほど収入減になるような気もするな(苦笑)。
    「アミノ酸を下さい」というお客さんが来店。
     またですか(笑)。
     (10月10日の日記を参照)
     なんでも、昨日の『発掘! あるある大辞典』でアミノ酸の事をやっていたらしい。
     調べたら、この番組ではアミノ酸を取り上げるのは3回目。
     そろそろアミノ酸ブームも下火になってきたから、スポンサーのテコ入れか。
     http://www.ktv.co.jp/ARUARU/
     番組中では肝臓にいいと放送していたとかで、お客さんは肝臓に効くアミノ酸が欲しいという。
    「効く」と言われると、「無い」としか言いようが無いぞσ(^◇^;)。
     どうやら、お酒を飲む前に摂取すると悪酔いを防ぎ、お酒を飲んだ後に摂取すれば二日酔いにならないという事だったらしいのだが、そもそもアミノ酸はタンパク質を構成するものである。それなら豆腐を食べて油揚げの入った味噌汁を飲めば充分。
     どうして、わざわざ高いお金を出して、アミノ酸を購入する必要があるのか。どう考えても、スポンサーの意向が反映されているようにしか思えない。
     しかも、番組では「アミノ酸は薬局・ドラックストアなどで取り扱っています。」と言ったとか。
     ウチには置いてませんよー( ̄^ ̄)
     今回のお客さんは、アミノ酸の種類も確認していなかったようなので、もし肝臓が心配ならばとネオレバルミンを勧めてみた。
     360粒入りの瓶を買っていかれたが、たぶんアミノ酸を服用するよりも効果があります。
     抗がん剤の使用を、保険適用で使いやすくするための抗がん剤の『併用療法検討委員会』を厚生労働省に設置するとのニュース。
     現在日本では、複数の抗がん剤を組み合わせる併用療法で未承認薬を1つでも使うと、治療費が全額患者負担となる。
     そのため患者団体は製薬会社に効能拡大の申請をするよう求めているが、製薬会社側は臨床試験に時間と経費がかかることなどから申請に消極的だという。
     確かに製薬会社も企業である以上は、数十億円の投資をするというのはリスクが大きすぎて難しいのは理解できる。
     また、未承認の薬を信じて使用するのは患者の自己責任においてという事で保険を適応できないという考え方も間違っているとは思わない。
     しかし、こう言ってはなんだが、使用する患者さんは、いわば自ら人体実験をするようなものなのだから、そのデータを買い上げるという形で企業や国で補助してもいいと思うのだけれど。
     同省は委員会が選んだ抗がん剤による治療を特定療養費制度の中で保険適用し、申請の「呼び水」としたい考えのようだが、果たして上手く活用できるのだろうか。
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  • ≪通巻30号≫
    頭痛のひどい風邪には/ご懐妊おめでとう(⌒▽⌒)/帯状疱疹に注意/咽喉の痛みに桔梗湯

      ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
      ★彡☆-=★彡  それさえもおそらくは平凡な薬局  ★彡☆-=★彡
                     ≪通巻30号≫
      提供 : まぐまぐ http://www.mag2.com/
      発行 : 北園薬局 http://plaza2.mbn.or.jp/~kitazono/
      編集 : 北村俊純
      窓口 : kitazono@a1.mbn.or.jp
      ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
    ~~~~~~~~~~~~~ 今回の日記の主な話題 ~~~~~~~~~~~
    ※10月21日(火)……頭痛のひどい風邪には
        
    ※10月22日(水)……ご懐妊おめでとう(⌒▽⌒)
    ※10月23日(木)……帯状疱疹に注意
    ※10月24日(金)……咽喉の痛みに桔梗湯
    ************************* 先週の平凡な日記 ***************************
    ◆10月21日(火)/2003年◆
     夕べから頭痛がひどくて、よく眠れなかった。
     虚弱体質な私ではあるが、頭痛というのは珍しい。
     胃に水が溜まっているような重い感覚もある。
     昨日の漢方薬の講習会で出たとおり、胃内滞水が原因なのだろう。
     基本にのっとって、苓桂朮甘湯(りょうけいじゅっかんとう)を飲んでみた。
     お店から帰る途中、近所の飲み屋の前で中年の女の人が倒れているのを発見。
     道路の真ん中なので、車に引かれるといけないと思い助け起そうとすると、男の人が現れて女の人を蹴りだした。
    「やめなさい!」と制止すると、「俺の女房なんだから関係無いだろと!!」と食ってかかってきた。
     確かに関係無いけれど、乗りかかった船を降りるのも嫌い。
    「放っておけませんから」と答えると、男の方が「だったら俺が救急車を呼んでやる!」と携帯電話を取り出した。
     ところが、携帯電話での会話を聞いてみると「俺は通りがかりだから誰だか知らないんだけど」と言っていた。
     アンタさっき、自分の女房だと言ったじゃんかよ(-_-メ)
     で、電話を切るとサッサとどっかへ行ってしまった。
     てめぇの奥さん、このままかい!!
     といって、倒れてる奥さんの方を置いておくわけにもいかず、救急車が来るのを待っていると、飲み屋の主人がお店から出てきた。
     主人の話によると、どうやらさっきまで夫婦で一緒に飲んでたらしい。
     なんなんだ、いったい(^-^;
     やがて救急車が来ると、どこかへ行ったはずの男が戻ってきた。
     あくまで、救急隊員には自分は通りすがりの他人だと言い張って、名前を尋ねられても答えなければ、女の人が誰かと尋ねられても知らないと言う。
     とりあえず、男の方も挙動がおかしいので、女の人と一緒に救急隊員が救急車に乗せて運んでいった。
     ホントに何がなにやら。
     頭痛にと苓桂朮甘湯を飲んでみたが、夜になって頭痛は軽減したものの、そこはかとない吐き気がしてきた。
     ううむ、風邪に移行しそうか?
     ウチでは、風邪のひき初めには葛根湯(かっこんとう)、あるいは麻黄湯(まおうとう)が定番だが、頭痛がひどいので、川きゅう茶調散(せんきゅうちゃちょうさん)を選択。
     珍しく夕飯を食べた後すぐに風呂に入ってグーと寝入った。
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    ◆10月22日(水)/2003年◆
     朝起きても頭が重いのは変わらず。しかし、頭痛の方は少し楽になった模様。
     川きゅう茶調散(せんきゅうちゃちょうさん)に変えたのが功を奏したか。
     
     不妊治療のための当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)と、不安神経症で気分がふさぎがちなのを軽減するために半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)を以前から服用しいる患者さんが来店。
     開封していない半夏厚朴湯を返品できないかとお願いされて事情を尋ねてみたら、おめでたい事に病院の検査で妊娠が確認されたそうである。
     当帰芍薬散は冷えのある人の子宮内膜炎や不妊治療に使うものではあるが、不妊の原因は多種多様なので必ずしも効果があるとは断言できない。
     しかし病院側の理解もあり、漢方薬での治療を続けていた。
     そして、妊娠したので薬はやめた方が良いと思って、半夏厚朴湯を返したいとの事だった。
     もちろん未開封であれば構わないが、お話を訊いてみると妊娠嘔吐(つわり)が始まっていて、かなり苦しいという。
     それならば、半夏厚朴湯自体も妊娠嘔吐に使うので、妊娠後も服用し続けても構わない事を説明した。
     しかし、もし妊娠嘔吐が酷いようであれば、小半夏加茯苓湯(しょうはんげかぶくりょうとう)を使ってみてはどうかと勧めた。
     試してみるという事で、値段的にも半夏厚朴湯と同じだったため交換という
    形で渡した。
     そういや、ウチの奥さんも妊娠嘔吐が始まっているようで、苦しい苦しい言っていたな。
     でも、安くはないし、もったいないから放っておこう(・_・)←鬼。
     一方、アメリカでは、妊娠後期の中絶方法の一つ『パーシャル・バース・アボーション』(部分出産中絶)を禁止する法案を賛成64、反対34の賛成多数で可決したそうである。下院は今月3日に同じ内容の法案を281対142で可決しており、ブッシュ大統領が署名すると法案が成立するとか。
     1973年に連邦最高裁が女性の中絶権を認めて以来、部分的にでも中絶を禁止する法案が成立するのはアメリカでは初めてである。
     ブッシュ大統領はさっそく、「忌まわしい行為をやめさせ、生命についての価値を築く重要な立法だ。法案に署名するのを楽しみにしている」との声明を発表したそうだ。
     一見すると良い法律だと錯覚するが、そう単純な話ではない。
     まず、中絶の目的には母体を救うという場合もある。特に今回のように妊娠後期となれば、出産する事が母親の命を危険にさらす可能性のある異常妊娠というケースも考えられる。
     報道によると、どうも例外規定を設けていないらしく、それが本当ならば医療行為を受ける事もできない訳で、施行されればかなり危険な法律である。
     そしてブッシュ大統領は、「生命についての価値を築く」と言っているが、よその国にまで人殺しをしにいくように命じる人が言ってもなァ(苦笑)
     また、日本人の感覚だと、中絶に対しての認識は倫理的なモノだけだろうが、アメリカの場合は宗教的な意味合いも含まれており、それが余計に問題を複雑にしている。
     特にブッシュ大統領は、ファンダメンタリスト(キリスト原理主義)の信者である。ファンダメンタリストは聖書に書かれていること全てが真実だと信じており、ダーウィンの進化論などを認めず、人間は神によって創られたと信じている。
     私もキリスト教の信者だし、個人が何を信奉しようとも勝手だが、それを他人にまで強要してはならないと考えている。
     だが、ブッシュ大統領はそれをやる。イラク戦争も、神は常に正しく、アメリカは神によって創られた国だからと、神の正義の名の元に始めたものだ。森元総理の神の国発言なんて可愛いモンである。
     フセイン政権を倒してイラク国民を解放した事は結果としては(まだ道半ばだけれど)、私も悪い事とは言えないと思っているが、自分の正義感を神や大衆の正義と重ねるような誤魔化しは好きになれない。
     だいたい、聖書を読んでいるのなら、神様だってずいぶんとマヌケな事をやってるなと感じないのかね。私が神様を罵倒する事があるのも、神様を信じてるからなんだけど。
     ともかく、聖書に出てくる神様が自分勝手な正義を振りかざして人間が苦しむのを気にしないように、どうもブッシュ大統領もこの法律で苦しむ人間がいても気にしないように思える。
     この問題、大統領選を前に宗教闘争へと突入しそうな予感がする。
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    ◆10月23日(木)/2003年◆
     お腹が痛いという患者さんが来店。
     左下腹部が刺すように痛み、その痛みが背中側に広がっていく感じがするという。
     他には便秘や下痢などの自覚症状は無い模様。
     初めは筋肉の痙攣か、神経痛かと思ったが、痛みがしては治まってを繰り返しているそうで、どうもよく分からない。
     筋肉の痙攣であれば芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)を使うし、神経痛ならば桂枝加朮附湯(けいしかじゅつぶとう)を用いるのがウチの定番だが、他にまったく随伴症状が無いというのが気になる。
     断定はできないが、もしかすると『帯状疱疹(たいじょうほうしん)』かもしれないという疑いも浮かんだ。
     帯状疱疹とは、水疱瘡(みずぼうそう)と同じウイルス(Variccela-zoster
    virus)によって起こる病気で、ほとんどの人は子供の頃に水疱瘡にかかるが、このウイルスは、水疱瘡が治っても神経節の中に潜んでいる。
     そのため大人になってからも、疲れが溜まったり、体の抵抗力が落ちた時にウイルスが再び暴れ出し、帯状疱疹として発症する事がある。
     発症のプロセスとしては体の、あるいは顔の左右どちらかがチクチクと痛み始める。これは、ウイルスが神経節に潜んでおり、その神経に沿って発症するためである。
     やがて痛みが強くなり、神経に沿って赤い発疹や水ぶくれが帯状に現れる。
     発症する箇所は様々ではあるが、胸から背中、お腹などに現れる事が多く、次いで顔や頭、手足にも現れる事がある。
     ただし、一度に2ヶ所以上の部位にできる事はほとんどない。
     もし、帯状疱疹だとすれば相手はウイルスなので漢方薬で治療するのは難しい。
     無駄に漢方薬を購入するよりは、まずは病院での検査を勧めた。
     名古屋市昭和区で起きた、高校3年の少年が交際相手の27歳の女性の子供を虐待して死亡させた事件の報道をテレビでやっているのを観た。
     番組のコメンテーターが、少年と子供の母親との不倫に触れてケシカランと怒っていたが、その根拠が「そういう事に興味を持つ年頃だろうがまだ早い」ってのはどんなもんかね。
     早いか? 昔は、15歳で元服なのだから、むしろ遅いだろう。
     高校生がセックスをするのが早いというよりは、私は高校生に対する性教育の方が遅くて、しかも的外れなせいじゃないのかと思うのだが。
     どうも性教育というと、一緒に“愛”についても教えなければならないという風潮があるが、現実には愛の無いセックスもあれば、セックスから始まる愛もある。現実を踏まえない教育に意味はあるのか?
     今回の少年が相手の女性とどのような関係だったのかは詳細は分からないが、もしセックスの関係があったとしたら、その子供を虐待したというのは私からすると“頭が悪い”としか思えない。
     相手の女性を愛していたのならば、愛してる人が大切にしている物(あえて“物”と書くが)は大切にするべきだろうし、たとえ体だけの関係だったとするならば、相手の女性との関係を保つためには、その子供は利用するか、もしくは決して手に触れてはいけない存在だったはずだ。
     以前にイジメや差別に関する事でも書いたが、嫌なら嫌で、積極的に手を出す(今回は足で蹴ったらしいが)必要は無いだろう。
     (10月12日の日記参照)
     そして、やってしまったがために逮捕されて、女性とセックスできなくなったとしたら、その損失の方が大きいんじゃないのかね、ヤリタイ盛りとしては。
     その辺のいい加減な情報誌に任せないで、『How to SEX』とか、『彼氏彼女の事情』みたいな性教育が必要なのではないかと思うぞ。
     もっとも、“秘め事”だから楽しいってのもあるからねぇ、教わるもんじゃなくて自分で経験していくしかない事ではあるな。
     早いとか遅いとかではなく、より多くの選択肢の中から判断していく力を養う事が大事かなと思う。
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    ◆10月24日(金)/2003年◆
     桔梗湯(ききょうとう)を欲しいという患者さんが来店。
     咽喉が痛くなり、前にウチで購入した分があったので飲んでみたところ、すぐに改善したので、予備に置いておきたいとの事。それはなにより(^.^)
     合わせて、肩こりの相談もされた。
     肩は上がるのだが、背中に手が回らなくなったという。
     五十肩などの加齢によるものであれば、二朮湯(にじゅつとう)が向いているし、一般的な肩こりであれば葛根湯(かっこんとう)でも充分に対処できる。
     そう話をすると、まずは二朮湯を試してみるとの事。
     一方、葛根湯の方も風邪の初期に使えるので、常備しておくためにとお買い上げ。
     女子大生のMちゃんに誘われて、飲みにお出かけ。
     Mちゃんが大酒飲みなのは知っていたが、彼女と飲み屋に行くのは初めて。
     そうか、成人したんだよねぇと感慨深い。
     Mちゃんは、中学生の頃から“育てて”いたのだけれど、大学生になって新しい彼氏ができたという事で私は振られてしまった。
     ……と書くと、なんだかアブナイ感じがしてよろしい(笑) 
     正確には、まだ中学生だったMちゃんに付きまとうストーカー野郎(私よりも年上)がいて、その退治をした事で慕ってくれたのだ。
     以来、交際を続けたものの私の方は結婚してしまい(一時は破談させてやるという勢いだったが、自分がストーカーになるのを嫌って断念)、「不倫でもいい」と宣言して大学受験に望み、大学に通うようになって視野が広がったのか成長したのか「憧れと恋愛の区別がついていなかった」と言って、先に書いたように新しい彼氏を紹介された。
     ううむ、ドラマが1本書けそうだなコレ(・_・)
     で、なんで今回呼び出されたのかと思ったら、その新しい彼氏との関係が進む中で、他に言い寄ってくる男性が2人いて、それをどうしたらいいものかと相談された。
     おおっ、お前も男を手玉に取るようになったか(⌒▽⌒)
     と言ったら、「違うよ~」と否定した。いや、彼女が困っている理由は分かっている。
     優しいというかなんというか、振った相手を可哀相だと思い、また、振って関係が壊れる事、相手に嫌われる事を極端に恐れるのだ。中学時代のストーカー野郎に付きまとわれた時もそうだったけど、変わってないねぇ。
     俺の事は、振ったくせに(笑)
     それは、「許してくれそうだったから」とか。うう…、“いい人”は“いい男”にはなれないんだね。
     と返したら、「女の敵だから、いい人じゃないでしょ」とツッコミを入れられた。
     左様で_(._.)_
     で、なんでそれを私に相談するワケ?
     そう尋ねたら、「いや、どうやって振ってるのか聞きたかったから」と言う。
     俺は振られた事はあっても、自分から振った事はありません(苦笑)
     そんな“もったいない”事できるほど恵まれてないもの。
     何もしなくても言い寄られるなんてウラヤマシイぞ(´¬`)
     とまぁ、冗談混じりに話を聞いていたのだが、どうも嫌なニオイもする。話からすると、2人とも相手の女性の事をちっとも考えてない印象を受ける。
     あっ、自分と同じニオイがして嫌な感じがするんだな、私σ(^◇^;)。
     となると、振る振らないよりも、自分の中で一線をどこに引くかを決めておいた方がいいんじゃないかとアドバイスした。
     下手に許していたら相手の行動と想いはエスカレートするばかりで、それこそ途中で関係を切るのが難しくなる。
     そして、早いところ新しい彼氏に押し倒してもらいなさい。
     どちらかというと男の方が八方美人で、どんな女性にもイイ顔をしようとするけど、女は好きな男性にハマると他の男には冷たくなるもんだから(笑)
     とまぁ、酔いが回ってきて、あまりアドバイスにならなくなってしまった。
     だって、Mちゃんの飲むペースが凄いんだもの。焼酎・ウィスキー・ウォッカと続けて、なぜ酔わないんだお前は(^-^;
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  • ≪通巻21号≫
    お金は大切に/『アスタロン』が効いています/箱書き(注意書き)を読みましょう/風邪に『地竜(ぢりゅう)』はいかが?/膀胱炎に猪苓湯(ちょれいとう)/映画評『座頭市』

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    ★彡☆-=★彡  それさえもおそらくは平凡な薬局  ★彡☆-=★彡
                    ≪通巻21号≫
    提供 : まぐまぐ http://www.mag2.com/
    発行 : 北園薬局 http://plaza2.mbn.or.jp/~kitazono/
    編集 : 北村俊純
    窓口 : kitazono@a1.mbn.or.jp
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    ~~~~~~~~~~ 今回の日記の主な話題 ~~~~~~~~
    ※9月9日(火)……お金は大切に
    ※9月10日(水)……言葉の壁
    ※9月11日(木)……『アスタロン』が効いています
    ※9月12日(金)……箱書き(注意書き)を読みましょう
    ※9月13日(土)……風邪に『地竜(ぢりゅう)』はいかが?
    ※9月14日(日)……膀胱炎に猪苓湯(ちょれいとう)
    ※9月15日(月)……映画評『座頭市』
    ******************* 先週の平凡な日記 *********************
    ◆9月9日(火)/2003年◆
     ウチは自民党所属なので(特に支持してるワケじゃないけど)、総裁選の投票用紙が届いた。
     実は数日前から、亀井氏の事務所からは投票をお願いする電話が4回もあった。そのため、お母んは「お金を無駄遣いするよう人に任せられない」と呆れていたのだが、私も同感。
     本来、経済活動など政治がどうこうするモンじゃない。せいぜいが、交通整理程度で良い。
     それを、景気対策を名目に財政出動させようなんて、自分の金じゃないから、まぁ景気のいい話で。まさに、戦後高度経済成長期の亡霊のような人。亡霊は早いトコ成仏してもらいたいものだ。
     藤井氏と高村氏は、out of 眼中。言ってる事が亀井氏と変わらないなんて、いったいなんのために出てきたのか。小泉首相の“ハッタリ”を見習って出直して来い(笑)
     病院からの処方箋で、在庫の無い薬が出た。
     値段を調べてみると、最小仕入れ単位でも5万円以上する代物。
     同じ患者さんが継続して来るのであれば一括して仕入れても良いのだが、もし治ってしまったり(失言)、亡くなってしまったら(大失言)大損となる。
     そう言えば、以前にも高い薬が出て仕入れたら、その後使用する患者さんがパッタリと来なくなってしまい、他の薬局で必要としている所があったので譲った翌日に、実は入院していましたとの事で来られた事があったな。
     あれはあれで困ったものよ。
     とりあえずここは安全策で、備蓄センターに小分けを取りに行くことにした。
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    ◆9月10日(水)/2003年◆
     アラブ系の患者さんが来店。
     ウチの地域は外国人が多く、東南アジア系とアラブ系の患者さん自体は珍しくない。
     ところが今回の患者さん、日本語がほとんど喋れない様子。カタコトの日本語も喋れない人というのは珍しい。
     うう~、何を言っているのか分からない~(>_<)
     そうだ、英語は………私が喋れない~(^-^;
     向こうも話が通じないと思ったのか、ポケットからチューブ状の物を取り出した。そして、腕に塗る動作をする。
     チューブの方はずいぶんと潰れていて中身が空のようだ。
     そうか、同じ物が欲しいんだなと思い、そのチューブを受け取った。
     するとチューブにはなにやら文字が書かれているのだが、どっかで見た事だけあるよ……。このミミズののたくったような文字は、確かアラビア文字とかいうものでは………。(違うかもしれないけど。)
     効能書きなどが書かれているのだろうと予想はつくけれど、全然全く完璧に分からない。
     患者さんは、どこの言語とも分からない言葉を早口でまくしたてて、これまた全く糸口がつかめない。
     すると、患者さんが『ベトネベート』という単語を口にしたように聞こえた。
    「ベトネベート?」と私が言うと、「ベトネベート!」と笑顔で返してきた。
     そしてもう一度チューブの方をグルリと見回してみると、一箇所だけアルファベットの表記があるのが目に止まった。
    『BETNEVATE』と書いてある。ミミズののたくったような文字に囲まれて。
     やっと患者さんが求めている薬の正体が分かり、持ってきたチューブに書かれている文字の綴りと、お店に置いてある薬のパッケージに書いてある文字の綴りを並べて見せて、同じ物であることを確認してもらい、買っていただいた。
     薬の名前だけでもアルファベットで良かった。
     もし中国語圏だったりすると、全部漢字だったりするのだろうか。
     自民党の野中広務元幹事長が引退を表明したとのニュース。
    「自ら退路を断ち、最後の情熱と志を、今回の小泉政権を否定する最大の戦いに燃焼し尽くしたい」と語ったが、それならもっと早く言うべきだったのではないか。
     すでに情勢が小泉首相に傾いている事が分かってからでは、敗軍の将について行く者はいないだろう。
     村木氏や青木氏への苦言も、この期に及んでは悪口にしか聞こえない。それを涙ながらに語るというのは、むしろ権力にしがみもつこうとした鈴木宗雄氏の醜悪さと重なる。
     私は、反対の立場をとる時に相手と違う組織に属するのは自己満足に過ぎないと思っている。“実行力を伴って反対する”のなら、主流派の中にあって少しでも自分の意見を盛り込んだ方が反対意見の命脈を保てる。そういう意味で、小泉首相の政策に対して反対意見を述べながら応援する事に決めた青木氏の方が、責任ある態度ではないだろうか。
     野中氏はたびたび小泉氏を「独裁者だ」と批判していたが、実際には小泉首相は妥協に妥協を重ねたために、国民からは改革が進んでいないという批判がなされた。見方を変えれば、「まったく改革されないよりは良い」と言えるし、同時に「激変して混乱するよりは良い」とも言え、トータルではバランスが取れている。
     イラク特措法にしても、“完全なる非戦”から見れば暴挙に映るかもしれないが、“国家の安全”を守るためと称して核武装まで持ち出す北朝鮮と比べれば、積極的に戦争をするために成立させたわけではなく、現実に即した対応だったと私は考えている。
     本来なら野中氏のような旧態依然とした保守派が後方を守り、革新派が改革を進めるというのがバランス的に理想なのに、その後方の守りから降りてしまうというのは、私には政治家として無責任だとしか思えない。
     笑ってしまうのが、民主党や社民党、共産党などが野中氏に好意的なコメントを出している事。
    「気骨ある発言」とか、「強い信念の持ち主」とかって、自分の思い通りにならないからと投げ出すような人に言う言葉じゃないと思うのだけど。
     理念だけでは政治家は務まらないという事を、まったく学ばないらしい。
     ところで、奇しくも解散総選挙が来月にもと報道されているが、今月には日朝会談から一周年を迎えることになる。となると、社民党や共産党の過去の拉致問題に対する姿勢が取り沙汰されるのは必至。
     総選挙後に生き残れるんだろうかね?
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    ◆9月11日(木)/2003年◆
     外務省の田中均・外務審議官宅に不審物が仕掛けられた事件について、石原都知事が「爆弾が仕掛けられて当たり前の話だ」などと発言したというニュース。
     相変わらず率直な(苦笑)
     確かに公人としては不穏当な発言ではあるから、外務省が11日に予定されている茂木敏充副外相の記者会見で「遺憾の意」を表明する方向で調整するのは当然だし、小泉首相が「(不審物を)仕掛けられた方は悪くない。仕掛けたほうが悪い」とコメントを出したのも対外的には必要だとしても、民主党の枝野幸男政調会長の「大衆迎合のポピュリズムで許しがたい」という批判は的外れではないか?
     石原都知事のアレは、大衆迎合じゃなくて本心だろ(笑)。
     以前に誰かが「言っていい事と悪い事があるのではない。言っていい事と言いたくても言えない事がある」と語っていたのを何かの本で読んだが、石原都知事は言いたい事を率直に口に出しているに過ぎない。
     だいたい、「大衆迎合」って事は、枝野氏も「大衆(多くの人)はそう思ってる」という事を認めてる事になると思うのだけれど、自分で言ってて気づかなかったのか(笑)?
     ウチで使用している調剤管理のソフト『調剤くん』を納入しているシステムブレイン社の営業マンが来店。
     今日は近くの別の店に寄ったついでだとの事。
     こちらもついでに、操作上の不明な事をいくつか質問できて助かった。
     http://www.gai.co.jp/chouzai/dairiten/dairiten.html
     システムブレイン社も、やっとホームページを開設したそうなので覗いてみようと思ったら、まだサーバーに情報が載っていない模様。
     後日、再度アクセスしてみよう。
     目の栄養として販売している『アスタロン』を、続けて服用したいという患者さんが来店。
     医薬品ではなく健康食品なのだが、服用してから飛蚊症(ひぶんしょう)が改善してきているとの事。それはなにより。
     そうかぁ、これだけ良くなったと言う患者さんがいるのなら、その声を集めて宣伝に使えばいいんだ。
     ……と思ったものの、そういうのって胡散臭く見えるんだよなぁ(苦笑)
     もしかすると、その方が大々的に売れて儲かるのかもしれないが、なんかイヤσ(^◇^;)。
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    ◆9月12日(金)/2003年◆
     子供の腕に湿疹ができたという患者さんが来店。
     子供を連れてきていたので実際に患部を見てみると、肘の内側に掻き毟(むし)った痕がある。どうやら、汗疹(あせも)が悪化したもののようだ。
     親の話だと、オロナイン軟膏を塗ったのだが効果が無かったとの事。
     そりゃあ無いでしょうねぇ。オロナイン軟膏は殺菌消毒剤で、皮膚疾患を治療する成分も、痒みを抑える成分も入っていませんから(^-^;
     さらにその後に、今度はメンソレータムを塗ったとか。ズゲッ!!Σ( ̄□ ̄;)
     メンソレータムは、ヒビやあかぎれを改善する塗り薬で、湿疹や汗疹とは縁も所縁も無い。汗疹が悪化した直接の原因ではないとは思うが、そこまでで止めて来てくれたのは御の字か。
     突発的な事故で気が動転してというのであればまだ分かるが、せめて箱書きか説明書を読んで欲しいな。
     20代と思わしき女性が来店。
    「いらっしゃいませ」と迎えたが、無視をしてお店の中をウロウロと見て回る。
     薬局には生理用品などを買いに来る人も当然いるので、しばらくはそのままこちらもお客の視界に入らないように別な作業をして、気にかけないフリをする。
     しかし、何度も同じ所を行ったり来たり。そこは避妊具のスペースである。
     ウチはお店が小さいこともあって商品の種類はかなり絞ってある。探している物は大抵“置いてない”事の方が多い(苦笑)
     そこで「何かお探しですか?」と尋ねると、そっと近づいてきて小声で(周りには誰もいないのだが)「女性用のコンドームはありますか」と言われた。
     ああ、やっぱり。残念ながらウチには置いていない。
     ドラッグストアーならばどうかと思ったが、近隣のお店はすでに見てきて、置いてなかったそうだ。
     インターネットをやっていれば通販でという手もあるが、家にはパソコンは無いらしい。
     それならばと、『コンドマニア』の原宿店を教えた。
     http://www.condomania.co.jp/
     ウチからならばJRを利用して1時間もあれば行ける。今すぐにという訳でなければ、そこに行った方が確実だろう。なにしろ、“無いコンドームは無い”くらいなのだから。
     ホームページを検索して地図を渡すと、やたら感謝されてしまった。
     いい事をした……のか(笑)?
     後でホームページの方を覗いてみたら、“波動共振加工を施した”というコンドームを見つけた。“波動”なんて、まさに「無いもの」をどうやって用いてコンドームを加工したというのか。言い訳がましく、「波動共振による効果は100%保証される物ではありません。」と但し書きがあるのが微笑ましいぞ(笑)
     個人的には『四十八手コンドーム』というのに興味があるな。この“四十八手”というのはわりと目にするものにも拘らず、文献や資料によって内容が違っており、一説には百手以上になるらしい。このコンドームには、四十八手の解説が添付されているそうで、自分が知らない手があったりしたら面白い。8千円で、ちゃんとコンドームも48個入っている模様(笑) あれ? でも、椋鳥(むくどり)や岩清水にはコンドームはいらないよなぁ。余ってしまうぞ。
     う~む、通販で買ってみようかな。
     
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    ◆9月13日(土)/2003年◆
     娘さん(30代)が出血性の痔との事で相談された。
     排便をすると、その後に必ず出血してしまうという。しかし、痛みは無いらしい。
     内臓が弱っていて痔になってるのかとも思ったが、肌の色つやは良く他に健康上の問題は無いと言うので、ハテと悩んでしまった。
     ところが、もう少し詳しく話を訊いてみると、貧血気味になる事はあるとの事。貧血をすでに日常的な事と捉えていて、健康上の問題だとは思っていなかった模様。
    「他に、何か症状はありますか?」と型通りに尋ねるだけだったら、危うく見逃すところだったかもしれない。
     貧血を伴う出血性の痔の治療には、きゅう帰膠艾湯(きゅうききょうがいとう)が適応するだろうと思い勧めた。
     子供が風邪をひいたと言う患者さんが来店。
     そろそろまた花粉症の季節なので、症状を良く確かめないと花粉症と気づかずに風邪薬を服用してちっとも治らないという事がありえる。
     今回は、寒気がして咳も出ており、すでに咽喉も痛いとの事で風邪には間違いないようだ。
     風邪のひき始めならば葛根湯(かっこんとう)が良いが、咽喉が痛いとなると麻黄湯(まおうとう)の方が効果的である。ところが、吐き気もあるという。吐き気がするのでは麻黄湯は効き目が強すぎて、余計に吐き気が酷くなるかもしれない。風邪の症状を感じたのも、3日前くらいからだという。
     ううむ、もう少し早く気づいてもらいたかったが、子供が学校に行っていると1日に顔を合わせるのは数時間も無いから、難しいのかもしれない。
     胃腸を助けながら風邪を治療するために、柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)を勧めた。
     風邪は目まぐるしく症状が進んでいく。それに合わせて服用する漢方薬も次々と変えていくのが大事である。そのためにも、葛根湯(初期)→麻黄湯(中期)→柴胡桂枝湯(後期)の3種類の漢方薬は普段から揃えておくのが良いだろう。
     ところで、実は通信販売のページに載せていないのだが、とてもよく効く風邪薬が1つある。私としてはぜひお勧めしたいのだが、果たして買う人がいるかどうか。
     店頭でなら、詳しく説明するので大抵は納得して買ってくれて、一度使うと次に風邪をひいた時のためにと、まとめ買いをしてくれるくらい良く効く。
     ソレは何かと言うと、『地竜(ぢりゅう)』である。
     地竜ではなんだか分からないかもしれない。“地”の“竜”とは、“ミミズ”の事である。
     ミミズと聞いて引いた人は、ゴメンなさい(^-^;
     しかし、このミミズというのは風邪に効果覿面なのだ。
     いや、日本での効能は“熱さまし”としてでしか認められていないのだが、実際のところは応用範囲がものすごく広い。
     頭痛、関節痛、気管支喘息、高血圧、動脈硬化などにも効果があるのだ。成分的には、脂肪、脂肪酸、コリン、核酸分解物等を含んでおり、ちゃんと裏付けがある。
     栄養的にも、昔から「山で道に迷った時にはミミズを食べれば生き延びられる」と言われているほどで、栄養価が高い。そのため、男性ならば精力剤としても使える。その辺の安い栄養ドリンクなどよりよほど効くだろうし、バイアグラなんて危険な物を服用するよりは、ミミズで元気になった方が良い。
     そう言えば都市伝説で一時期、「マクドナルドのハンバーガーはミミズの肉が混じっている」なんてヨタ話があったが、冗談ではない。国産の牛肉と比べても同じグラム数なら10倍以上も値が張る高級品である。とても、ハンバーガーに使うなんて贅沢な事はできようはずもない。
     ちなみに、ミミズには微量の毒があるので生食はしないように。必ず、煮るか焼くかして火を通す事。食感は、伸びたウドンのようだそうである。…って、別にミミズを食べるのを勧めているのではなくて、そのミミズを原料に用いた薬を通信販売して、注文する人がいるかどうかという事。
     一応、粉になっているからミミズとは分からないし、乳糖を添加してあるので、ミミズの味がする訳ではない。あくまで、イメージの問題である。
     ウチでは一週間分を2千百円で販売しており、これを先に挙げた風邪のための漢方薬と一緒に飲めば、相乗効果で早い回復が期待できる。私なんかは、スキーに行った時に風邪をひいてしまい、夕方から夜にかけて『地竜』をどんどん飲んだら、翌日には治ってスキーを楽しんで帰ってきてしまったくらいだ。
     さて、通信販売のページに掲載しようかどうか。検討中………(・_・)
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    ◆9月14日(日)/2003年◆
     今日は町内会の運動会。
     私はお店番だから参加はしない。やれ、助かった(笑)
     喘息の患者さんが来店。
     私もここ数日息苦しく感じていたので来るかなと思ってました(苦笑)
     この患者さんの住んでいる所は近くに工場が多くあるため、晴天と高い気温が続き、公害の影響もあるものと思われる。
     前回勧めた麦門冬湯(ばくもんどうとう)が効いたようで、今回も買っていかれた。
     飲み物に関しては、体に余分な水分を溜めやすいコーヒーや烏龍茶は避けているとの事。体に余分な水が溜まると、喘息は酷くなるので。
     膀胱炎ではないかという患者さんが来店。
     今までに膀胱炎になったことは無く、病院での診察も受けておらず、あくまでそう思ったとのことなので、詳しく症状などを尋ねてみた。
     喉が渇き、夜間にトイレに起きるのだが、残尿感があるようである。痛みは無いそうなので、もし膀胱炎だとしても軽度のものだろう。
     疲れやすいとか冷え性とかも無いようなので、猪苓湯(ちょれいとう)で様子を見てもらう事に。
     もし膀胱炎でなかったとしても、猪苓湯は体が水を上手く捌(さば)けないのを助ける作用があるので、体調は良くなるはずである。
     逆に症状が改善しない場合は、病院に行ってみて下さいとお願いした。
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    ◆9月15日(月)/2003年◆
     関節痛の患者さんが来店。
     前に相談にみえた時に牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)を勧めたのが効いているそうで追加を希望された。
     牛車腎気丸は主に、加齢による全身の機能の低下を抑える効果があり、特に排尿困難、多尿、頻尿、排尿痛などを改善するのだが、腰痛や下肢痛を和らげる事もできる。
     本来ならば桂枝加朮附湯(けいしかじゅつぶとう)の方が関節痛には良く効くとも思ったが、連日の残暑で体力が落ちている事を考慮したのが功を奏したのだろう。
     それと喘息も患っているので最近の様子を尋ねてみると、寝る前や明け方に息苦しさを感じているとの事。
     念のために、半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)を勧めた。
     同じ喘息でも咳が強い場合は麦門冬湯(ばくもんどうとう)を使う事が多いが、咳は目立たず、代わりにヒューヒューという喘鳴がする場合は、半夏厚朴湯を用いた方が体力の低下を防ぐ事ができる。
     午後はお店が落ち着いてしまってポツネン(・_・)
     そう言えば今日は休日なんですね。忘れてました(苦笑)
     しかも敬老の日であった。敬老の日なんて、生まれてこの方ずっと忘れてます(エッヘン)。
     お母んが今日はあがっていいと言うので、これ幸いと映画を観に行くことにした。
     1人で行こうと思っていったん家に戻ったら奥さんがいて、一緒に行きたいと言う。
     忘れてたよ、お休みだったのね=3
     新宿まで出て観たのは、北野武監督・脚本・編集、ビートたけし主演の『座頭市』。
     http://www.office-kitano.co.jp/zatoichi/

     この映画、観に行くかどうか自分としてはかなり迷った。
     私は話題になった映画はあまり観ようとは思わない。私が観なくても誰かしら観る訳だから、それだったらマイナーな映画を観て後世に伝えていかなければならないと思うから(苦笑)。
     それがベネチア国際映画祭で銀獅子賞を受賞してしまい、がぜん世間の注目を集めるようになっては、もはや評判が先行して観る必要が無い。
     しかし北野監督の作品は『その男、凶暴につき』の頃からのファンである。
    当時は芸人が映画を撮るという事でイロモノとして観られていたのが、今では世界の北野監督となってしまった。
     俺は昔から好きだったんだぞという歪んだファン心理が、無意味に葛藤を起してしまってどうにも素直に観れそうにない。
     それでも結局は、「嫌いな役者が出ていない」という理由で観ることにした。
    (私は嫌いな役者が出ていると、好きな監督作品や好きな役者が出演していても観ない事がある。後藤久美子が出演したジャッキー=チェン主演・監督の『シティーハンター』とか)
     だが、映画館に到着して「しまった」と思った。
     上映1時間前だというのに、すでに長蛇の列なのだ。こんな列に並んで疲労すると作品の良し悪しに余計なファクターがかかってしまう。
     『タイタニック』の時は苦労した甲斐があったとプラスに働いたが、『もののけ姫』の時には待ち時間も含めて無駄にしてしまったとマイナスに働いてしまったのだ。
     うう……、不安だ。
     それでも、ど真ん中の席を確保できたのでホッとした。
     ここから先はネタバレがあるので、これから観るのに余計な情報はいらないという人は、下記のアンケートまで飛ばして下さい。
     ネタバレ警報発令!ネタバレ警報発令!ネタバレ警報発令!
     今回の物語は、三組の旅人が同じ宿場町で出逢うところから始まる。
     一組目は当然、盲目の居合いの達人である座頭市(ビートたけし)。
     二組目は故あって脱藩してきた浪人の服部源之助(浅野忠信)と妻おしの(夏川結衣)。
     三組目は幼い頃に盗賊に家族を殺され復讐相手を捜している旅芸者のおきぬ(大塚由祐子)と、おせい(橘大五郎)の“姉妹”。
     そして宿場町では、ヤクザたちのショバ争いが起こるという次第。
     まず、導入部で登場人物たちがほとんど勢ぞろいするのだが、これは往年の時代劇の作劇法を踏襲したとの事。しかし、三組の“生業(なりわい)”をフラッシュバックのように挿入したりと、始めから物語の世界に引きずり込んでくれる。
     いわば観客の側は、ぼうっと観ていても映画の方で勝手に引き回してくれる訳だ。こいつぁ楽だ(笑)
     ただし、その引き回し方もハリウッドメジャー作品のような乱暴な引き回し方ではなく、座頭市に助けられた野菜売りのおうめ(大楠道代)が盲目の座頭市の手を引いて道案内するように、安心して着いていける。
     一方で切り合いのシーンは、鍔迫り合いなどは無く、かなり淡白な印象を持った。これは、リアルな“殺し合い”を目論んだのかもしれない。それだけに、切られるシーンなどは“痛み”を感じて迫力があった。
     最近のストップモーションでの格闘シーンに食傷気味の人には、爽快感があるかもしれない。もしかすると、ベネチア国際映画祭で評価されたのも、その点なのでは。
     視覚的な面白さが切り合いのシーンだとすれば、聴覚的な面白さは随所に散りばめられた“リズム”だろう。
     農民が畑を耕すところや、雨のシーンなどで様々なリズムを聞かせてくれて、それがラストで下駄でのタップダンスへとつながっていく。
     映画というものは日々の退屈な日常から一時離れる“祭り”でもある。この作品は、まさしく娯楽に徹した祭りなのだ。
     惜しかったのは、私の隣に座った爺さん2人組が、終始何かを食べていた事。
    いや、食べるのはいい。歌舞伎なんか、物を食べながら観るものだから、そんな観客の耳目を振り向かせるために見得を切るようになったくらいだ。
     ただ、今回の『座頭市』は音も重要な作品の要素となっている。それを、とりわけ音の大きな物を次から次へと食べられて、いささか閉口した。1人で来ていたら怒鳴りつけるか殴り倒していたかも。奥さんと来たのは正解か(^-^;
     そして、やはりベネチアで人気を博した理由の一つはドンデン返しにあったのではなかろうかと思う。
     ヤクザが抗争して最後に銀蔵一家が残るのだが、その大親分の正体が実は……と思わせておいて、そいつもまた操り人形で本当の大親分は───となり、そこにさらに実は座頭市は……という私としては「おいおいおい」とツッコミを入れたくなったのだが、確かに仕掛けは面白い。
     あんまりドンデン返しが面白くて、最大の見せ場となるはずの服部との対決シーンが記憶に残らなかった(苦笑)
     ただし、その服部との対決シーンにも小ドンデン返しが仕組まれていて、「やられた!」という気分にしてくれて面白かったのだが。
     ビデオ化される前に、もう一回くらいは映画館で観ておきたいな。
     今度は、食べ物を持っていない人の隣の席で。
     ちなみに、“座頭市”というのは名前ではないそうな。
     “座頭”も“市”も、それぞれ盲人の身分の事を指すのだとか。だとすると、“座頭市”というのは、“目の見えない盲人”と言っているようなものなのか。なんだか、「頭痛が痛い」とか「馬から落馬した」みたいだな(笑)
     座頭市の由来を知っている人がいたら、ぜひ教えていただきいたい。
     帰りに奥さんが、敬老の日なんだからと“寿”と描かれたカステラを買った。
     それを私から爺ちゃんと婆ちゃんに渡せと言う。
     うう、そんな事やったコト無いよ~(>_<)
     しぶしぶ家に立ち寄って、出迎えた婆ちゃんにカステラを渡したら、なんの偶然か、私が小学生の頃の学級新聞に載った詩を読んでいたと持ち出してきた。
     ひえ~! や~め~て~!!
     そんなモノが残っていたとは( ̄▽ ̄|||
     逃げるように帰りました(笑)
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  • 死を連想させる替え歌

     まるで梅雨入りしたかと思うくらいの、空気の重い雨である。
     こんな日はやはり、腰痛や肩こりの患者さんが来る。
     そして腰痛と言うと、今でも冷シップを求める患者さんがいる。
     テレビや雑誌などで誤った健康情報はあっと言う間に広まるのに、こうゆう基本的な情報は何故か行き渡らない。
     腰痛の原因は色々とあり、そのメカニズムは多用だが、血流の阻害と神経の圧迫などが、やはり基本的だ。
     その場合、冷やしてしまうと血行が悪くなるし、筋肉が萎縮して神経を痛めつけてしまう。だから、温シップなどの方が望ましい。
     漢方薬では、冷えが原因の場合は桂枝加朮附湯(けいしかじゅつぶとう)、加齢が原因の場合は八味地黄丸(はちみじおうがん)といったところか。
     午後になって、パソコンの操作を教えにこの間の患者さんの家に。
     なんと、名簿をほとんど打ち終えている。
     ホントに憶えの早い人だと感心。
     これでは、あまり教える必要が無いような気もする。
     なので、便利な小技をちょこちょこと教えた。この方が役に立ちそうだ。
     帰り際に、例によってお金を包まれて困った。
     一応は受け取ったものの、あきらかにもらい過ぎである。
     何かの折に、旅行のお土産などで返した方が断り続けるよりは楽かもしれない。
     埼玉の小学校の校長先生が、生徒に『ドレミの歌』の替え歌で死を連想させる歌を教えたとかで問題になっているというニュース。 
    「ドはどくろのド、レは霊柩車のレ、ミはミイラのミ、ファはふぁかば(墓場)のファ、ソは葬式のソ、ラはドラキュラのラ……さあ、死にましょう」と言うのが歌詞の内容らしい。
     ファとラは、ちと苦しいと思うがなぁ(笑)
     問題になったのは、教えられた生徒が母親の前で歌って、母親が学校に抗議し、それが教育委員会にまで伝わって、校長先生が謝罪するという事態になったようだ。
     私としては、その母親にまず呆れる。
     生徒と同じ目線で悪ふざけが出来る教師の価値がまったく分かっていない。
     例えば実際に子供がイジメなどのもっと悪い事をした時に、こうゆう先生に叱られたら、素直に反省するだろう。子供は、えてして“仲間”は大切にするものだ。
     しかし、あれやこれやと細かい事を言って叱られたりすると、まず反省などしない。その場では「ごめんなさい」と言ってはみても、心の中では舌を出したりしているだろう。
     賭けてもいいが、この母親は自分の子供の教育に「熱心だけど手を焼いている」と想像する。そして、上手くいかない原因を別な所に求めていて、これ幸いと飛びついて抗議したのだと思う。
     この校長先生を軽率だとみる向きもあるだろうが、子供の頃に“立派な大人”に反発した経験があるのなら、そう責めるべきものではない。
     私は、つねに大人と子供が友達関係である必要は無いと思っている。
     むしろ、「いつも子供の目線で」なんて言うのは、大人の役割と責任を放棄しているとしか思えない。
     だが、親近感は必要だ。それを何で持つかは、それぞれの嗜好や得意分野で考えればいい。
     悪趣味な替え歌としては、メジャーなのはお正月の歌だろうか。
    「もういくつ寝ると~ お正月~♪ お正月には餅ついて~ 喉に詰まらせ死んじゃった~♪ 早く来い来い 霊柩車~♪」
     あと、ひな祭りの歌も子供たちの間では受け継がれているようである。
    「明かりをつけたら消えちゃった~♪ お花をあげたら枯れちゃった~♪ 五人囃しは皆殺し~♪ 今日は悲しいひな祭り~♪」
     比較的新しくて私が今でも気に入っているのは、『ちびまるこちゃん』『おどるポンポコリン』だ。
    「あの子もこの子もみんな~♪ 天皇陛下の兵だ~♪ トラックの中からボワッと~♪ 過激派 爆弾 登場~♪ いつだって 忘れない 天皇は 偉いんだ~♪ そんなの常識~♪」
     これ以上はアブナイので自粛(笑)
     しかし、これもまた文化なのだと言う認識が出来ないようでは、子供に良い教育も出来ないと言う事を忘れてはいけない。
     何故なら、良い事と悪い事は、両方揃っていなければ比較する事も出来ないのだから。