• タグ別アーカイブ: 五苓散
  • その鎮痛剤を使う目的は合っていますか?

     お客様が『パブロンエースPro』をレジに持ってきたけれど、患者は19歳の子供で、主訴は鼻水と発熱の他には咳などは無いというため、鎮痛剤と鼻炎薬の併用を提案した。
     家に『イブ』があるとのことだったが、無印かAかは不明というので、風邪薬の中では咳止め成分の入っていない『PL顆粒』を案内し、そちらをお買い上げいただいた。
     『イブ』の無印とAはパッケージが似ているため間違われやすいが、無印がイブプロフェン単体なのに対して、Aの方には鎮静剤とカフェインが混合されている。
     Aの方が効き目が良いとは云えるものの、鎮静剤は眠気を催す可能性があり、カフェインは興奮作用によってイブプロフェンを強化するために入っているので、眠気覚ましを期待することはできない。
     そして鼻炎薬にはカフェインが入っている物もあるため、鎮痛剤と併用できるかは、双方の成分を確認しなければならないため今回は避けた次第。
     お客様に、鼻水の対処には体内、特に下半身を温めてあげるのが養生法となり、一方で発熱にエネルギーを使っているので無理に食事をしなくても良いことを伝えた。
     消化をするのにも案外とエネルギーを消費するため、それこそインスタントスープや味噌汁で水分と塩分を摂取するだけでも良い。

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     子供を連れたお客様が、鎮痛剤の棚で「デラックスの方にしよう」と言っている声が聞こえてきたのため気にかけていたところ、『イブクイック頭痛薬DX』を購入された。
     そのさいにヒアリングしてみると、ズキズキタイプの頭痛と締め付けるタイプの頭痛の両方があるというため、それぞれ起きた時には原因と対処法が異なることを説明した。
     ズキズキする偏頭痛は、胃を悪くすると起こるとされており、消化の良い食事に切り替え体を安静にするのが良い。
     安静にするのには、鎮静剤の入った『イブクイック頭痛薬DX』が効果的だ。
     一方、締め付けるタイプの頭痛は肩こりと連動していることが多く、体を温め血流を良くするのが効果的。
     つまり体を動かして軽い運動をすると症状が緩和されるので、鎮痛剤を使うのなら鎮静剤の入っていないタイプでカフェインが加わっている『バファリンルナi』の方が向いているし、『葛根湯』を使うという方法も考えられ、朝方に頭が重くて午後にかけて楽になるようなら『釣藤散』を使う手もある。
     なのでお客様には、鎮痛剤も処方内容によって得手不得手があることを説明した 。

    イブクイック頭痛薬DX

     お客様が『バファリンプレミアム』を購入されるさいに『バファリンA』との違いを知ってるか確認したところ、良く分かっていないようだった。
     同じ名前の銘柄でも、『バファリンプレミアム』はイブプロフェンとアセトアミノフェンという2種類の鎮痛剤を合わせて、さらに鎮静剤とカフェインを加えた物で、アスピリン製剤の『バファリンA』とは縁もゆかりもない。
     単純な薬の強さではイブプロフェンの方がアスピリンより強いものの、アスピリンは末梢神経に効果を発揮する。
     末梢神経とは神経の先っちょのことで、歯痛とか肩こりといった「痛む場所で効く」とされる。
     お客様は、普段は締め付けるタイプの頭痛で、今日は二日酔いによるズキズキタイプとのことだったので、『バファリンプレミアム』は大丈夫ではあるけれど、ズキズキタイプは胃の不具合とも関係し、二日酔いはアルコールの分解に体内の水を必要とするのに、アルコールの利尿作用による脱水症状が原因でもある。
     お客様には消化に良い食事に切り替えるよう伝えたけれど、水分代謝異常を改善する『アルピタン』(五苓散)を紹介するのを忘れてしまった。
     最初に二日酔いの相談をされていれば、真っ先に案内したのに……(ノД`)シクシク

    バファリンプレミアム
     

  • 人間の体は機械と違うから、同じ薬が同じように効果を現すとは限らない

     やや高齢お客様が、ご主人から『太田胃散』を頼まれたとのことで、他の薬は飲んでないことを確認したうえで販売した。
     そして、何か他の薬を併用する時には店頭で相談するよう伝えた。
     昔ながらの薬だから使ってる人が多いが、含まれている成分は血圧に影響したり腎臓に負担がかかったりするから、歳を取ってきて若い頃の感覚で服用を続けていると問題が起きる可能性が高まってしまう。
     また、他の薬の効果を落としてしまうようなことがあるから、病院で処方された薬があれば担当医には使って良いか確認が必要だ。
     家族だと気軽に薬の買い物を頼んだり頼まれたりというのが普通だろうけど、可能な限り自身で買い求めに来てもらいたい。
     なにより、本人に知ってもらいたいので。

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     お客様から『命の母A』を求められたけれど、『命の母ホワイト』との違いを説明するさいに『当帰芍薬散』も紹介したところ興味を持たれた。
     『命の母A』は鎮静作用のある生薬の種類が多く、気持ちが昂ぶったり不安感が強い場合に適応するのに対して、『当帰芍薬散』の処方構成に近い『命の母ホワイト』は肉体的な疲労に向いている。
     お客様の主訴は朝方のむくみで、お酒が思い当たるようだったため水分代謝を改善する『五苓散』と、水分代謝の異常に疲労感も伴う場合の『防已黄耆湯』を紹介した。
     お客様は疲れがあるとのお話で、声が弱々しかったことから『当帰芍薬散』を勧めて、お買い上げいただいた。
     ただ、神経質そうな感じもあったので『命の母A』も適応しそうな感じだったから、迷うところだ。
     人間の体は機械と違い、同じ対処が同じように効果を現すとは限らず、薬を使ってみないと分からないというギャンブル的な要素がある。
     その勝率を上げるための努力はしているつもりだけれど……。

    命の母ホワイト
     

  • 薬を買うのを人に頼む頼まれるというコトは、とっても大変なコトなのです

     高齢のお客様から「じんげんさん」を探してると言われて何か分からなかったけれど、売り場を見て回ってもらったら『腎仙散』のことだった。
     奥さんが知人から聞いて頼まれたそうだが、以前は『ボーコレン』(五淋散)を使っていたというため、『猪苓湯』『竜胆瀉肝湯』と『ユリナールb』(清心蓮子飲)も含めて説明してみた。
     『腎仙散』は生薬の構成が複雑で、どちらかというと「広く浅く」効く。
     一方、『猪苓湯』は生薬の種類が少なくシャープに効く基本形。
     だから基本形から派生させるように考えれば、体力があって排尿時に灼熱感がある場合には『竜胆瀉肝湯』を、反対に疲労感があるようなら『五淋散』を用いて、より体力が弱く食欲も少ない高齢者には『清心蓮子飲』が適応するという選び方がある。
     そこからすると『腎仙散』は、大きく外しはしないだろうが、効きめが穏やかすぎて分かりにくい可能性がある。
     奥さんの体格はもちろん、歩くさいの足の運びが元気そうなのか、声に張りはあるのかなど、頼まれものとなると判断のしようが無くて困るが。
     『ボーコレン』にしても使ってみてどうだったか、お客様は知らないというお返事。
     とりあえず『腎仙散』をお買い上げいただいたけれど、人が使った薬が自分にも効くとは限らないから、相手と自分の体格や体力など、共通点がどれくらいあるかを検討したほうが良いことを伝えた。
     お客様自身は、腎盂炎を治療したことがあるそうだ。
     ああ、そういう情報は重要ですねぇ(゚д゚)(。_。)(゚д゚)(。_。)
     薬を頼まれるときには、そういう本人の情報も持ってきてもらえると助かります。
     さっきの、『ボーコレン』を使ってみてどうだったのかとか。

    腎仙散

     お客様から『ロキソニン』を求められたけれど、うちのお店には薬剤師がいないから置いていない。
     他のお店を紹介しようにも遅い時間で薬剤師が退勤しているため、イブプロフェン製剤での代用を提案すると用途は頭痛で以前に効かなかったとのこと。
     イブプロフェンを濃くして 鎮静剤を加えてあるいる『イブクイック頭痛薬DX』と、鎮静剤の他にアセトアミノフェンと合わせた『バファリンプレミアム』も紹介してみたが、本日はお帰りになった。
     ただ、ズキズキタイプの片頭痛だというので、胃の不具合とも関係することを説明したところ、以前に38度の発熱にも『ロキソニン』を使っていたというため、同じ解熱鎮痛剤でも成分が異なれば症状によって効果が変わることもあるし体調でも変化するので、特定の薬が必ずしもいつも同じように効くとか効かないとは限らないことを伝えた。
     それに今回は、お客様が『ロキソニン』と決め打ちしていたからお話できなかったけど、片頭痛が胃の不具合と関係するように、傷みを伝達するホルモンは胃を保護するよう指示する役割も兼ねているから、胃を悪くして頭痛がする場合に鎮痛剤を使うと胃の保護機能も止まってしまい、胃を悪くしてまた頭痛になるという無限ループに入り込んでしまうこともある。
     それを避けるのには、頭痛を鎮めるためにも消化の良い食事に切り替えたうえで鎮痛剤を服用するか、漢方薬の『呉茱萸湯』『五苓散』を使うといった対策も考えられる。

    【第1類医薬品】ロキソニンS(セルフメディケーション税制対象)(12錠)【ロキソニン】
     

  • 人間の体は機械ではないから、前に使った薬がまた合うとは限らない……が

     お客様から頭痛の相談を受け、いつもは『イブA』を使っているそうで、「胃に優しいから」と今回は『バファリンA』を選ばれたけれど、主成分のアセチルサリチル酸の方が胃に負担がかかりだからこそ『バファリンA』には胃を保護する成分が入っていることを説明したところ、『イブA』を継続することとなった。
     もちろん『バファリンA』が悪い訳ではないものの、問題の無かった薬を乗り換える必要も無いので。
     とはいえ、人間の体は機械ではないから、前に使った薬がまた合うとは限らないし、別な薬の可能性を探っておくのも大事。
     また、そもそも頭痛にも種類があり対応が異なることをお話しした。
     例えばズキズキするタイプの偏頭痛は胃の不具合と連動していることが多く、鎮痛剤を使う他に食事を消化の良い物に切り替えると症状が軽減するし、漢方薬なら『呉茱萸湯』『五苓散』を使う方法も考えられる。
     頭が締め付けられたり目の奥が重く感じる緊張性の頭痛は肩こりと連動しやすいため、上半身を温めて血流を良くする『葛根湯』が鎮痛剤以外の対処方として使える。
     朝方に頭痛がしても午後にかけて楽になるようだと、血圧の影響が考えられ、この血圧は数値上の高血圧かどうかではなく、一日の中での変化の幅が関係し、『釣藤散』が候補になる。
     お客様は病院には1回行っただけというため、頭痛外来の検討を勧めた。

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     夫婦のお客様が来店して、『バファリンA』を購入される奥さんに他のバファリンと比較して間違っていないか確認すると、「本人が言うから」とのお返事だった。
     『イブシリーズ』は他の『イブ』も主成分のイブプロフェンは変わらないが、『バファリンシリーズ』は同じシリーズでも他の物は主成分が変わり、それを知らなくて教えると驚かれるケースが少なくない。
     患者はご主人で、主訴は肩の痛みだというので『葛根湯』も提案してみると腰痛もあり、血圧の薬を処方されているというので、医師に相談したかを尋ねたところ病院へ行くのはやめたそうで、ご主人とは会話が成立しなかった。
     何か病院で嫌なことでもあったのかねぇ。
     医師とは個人単位での相性もあるから、合わなかったのであれば他の病院に移った方が良い。
     お薬手帳を持ち歩くようお願いしたけれど、やはりご主人の耳には入らないようで、なんだか虚しくなってしまった。

     

  • 痛み止めの飲み薬には、鎮痛成分だけのタイプと鎮静剤入りのタイプとがあります

     お客様が『イブA』を購入されるさいに、無印と違って眠くなる可能性のある鎮静剤が入っていることを説明してヒアリングすると、頭痛に使っていて緊張型と偏頭痛の両方というため、頭を締め付けられるような緊張型の症状が起きているときには上半身を温める『葛根湯』を使ったり軽く体を動かしたりするのが効果的で、ズキズキするタイプの偏頭痛の方は胃の不具合と関係があるため、内臓も含めて体を休めるのが重要であることを説明した。
     頭痛だから食事を変えようという人は少ないかもしれないが、胃と関係する偏頭痛の時には消化に良い食事をするように勧めた。
     漢方薬を使うとすれば、『呉茱萸湯』『五苓散』が候補となる。
     朝方に頭が重くて午後にかけて頭痛が和らぐ人は血圧が関係していると考えられるため、繰り返すようなら病院を受診しておいた方が良い。
     適応する漢方薬としては、『釣藤散』『七物降下湯』などが考えられる。

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     夫婦のお客様から『OS-1ゼリー』の問い合わせがあり、品切れであることを説明し、他の経口補水ゼリーをお勧めしてお買い上げいただいた。
     腸は一度に受け止められる水分の量が決まっているので、液体よりゆっくりと胃に送られるゼリーを使うのは体の吸収の面で良い選択であることを伝えた。
     ただ、飲むのが高齢の父親だというため、 『OS-1』を入手したとしても他の経口補水液と比べて腎臓に負担がかかる内容なので、自己判断で飲ませずに医師や薬剤師、あるいは管理栄養士の指導で飲ませるようお話ししたところ、医師の往診があるというから、使う前には医師に相談するよう勧めた。

    OS-1ゼリー
     

  • 鎮痛剤は、どれもが「同じ痛み止め」ではありません

     お客様が『バファリンプレミアム』を購入されるさいに、『バファリンA』とは縁もゆかりもない別物と伝えたところ、「同じ痛み止めですよね?」と尋ねられた。
     『バファリンA』は末梢神経に効果のあるアスピリン製剤で、末梢神経というのは神経の先っちょのことだから、虫歯とか肩こりとか「痛い場所で効く」のが特徴。
     ただし、その働きゆえに胃を傷めやすいので胃を保護する成分が一緒に入っている。
     一方『バファリンプレミアム』はイブプロフェン製剤とアセトアミノフェン製剤を重ねて、さらに鎮静剤を足した物であるから効果は抜群と言えるかもしれないが、その反面、眠くなる可能性がある。
     イブプロフェン製剤の化学構造式はロキソニンに似ていて、痛みの信号の伝達を阻害するとともに、その信号を受信するのも抑制するから、良く効くといえば効くが、痛みを伝達するホルモンは胃を保護する命令も兼ねているため、それを止めるということは胃を保護する機能も止まってしまい、それはそのまま副作用となる。
     アセトアミノフェンは痛みを抑えるという効果は遜色ないものの、炎症を抑えるのは弱いとされている。
     そのことからも分かるように、「痛み」と「炎症」は別な現象なのだ。
     そして『バファリンルナi』はイブプロフェンとアセトアミノフェンを合わせているのが同じだが、鎮静剤は入っておらず、効果を高めるのに興奮作用のあるカフェインが加えられている。
     生理痛の薬と思っている人が多くて、男性に勧めると不思議に思われることもあるけれど、鎮痛剤に男女の区別は無い。
     むしろ気をつけるべきは、カフェインが入っているから、ゆっくり休みたい場合には向かないと考えられる点で、睡眠のことを考えると『バファリンプレミアム』の方を選ぶ場面もあるだろう。
     お客様には痛み止めにも得手不得手の症状があり、例えば頭痛に使うとしても頭痛自体に種類と異なる対処法があることを説明した。
     先にも書いたように痛みを止めると胃の保護機能も止まってしまい、ズキズキする偏頭痛は胃の不具合と関係するから、胃を悪くして起きた偏頭痛に鎮痛薬を使って一時的に治まっても、それで普通に食事をして胃に負担をかけてしまうと、また偏頭痛が起きて鎮痛剤を使うという無限ループに陥ってしまうこともある。
     このタイプの頭痛には、漢方薬の『呉茱萸湯』『五苓散』など水分代謝を改善する物が向いている。
     また、頭を締め付けられる肩こりと連動した頭痛の場合は、末梢神経に働きかけた方が良いのでアスピリン製剤が向いているといえるし、血流を良くすることが養生法でもあるから上半身を温める『葛根湯』を使うという方法も考えられる。
     目の奥が重くなったり、午前中は頭痛がして午後に楽になったりするタイプは血圧と関係する頭痛なので、鎮静剤が入っている鎮痛剤のほうが効果的で、漢方薬なら『釣藤散』『七物降下湯』が適応する。
     鎮痛剤だけでも、症状によりいろんな選択肢があるのだ。
     お客様は鎮痛剤として常備薬にしたいというので、症状と適応を外した時のために、小容量の物を揃えておく方法を伝えた。

    バファリンプレミアム

     夫婦のお客様が来店し、『ルルアタックNX』を購入され症状を確認したところ、患者は奥さんで、主訴は鼻水と咳だというので適応することを伝えた。
     ただ、熱が無いのであれば解熱鎮痛薬は要らないから総合風邪薬ではなく、鼻炎薬か咳止めの薬を選べば、鼻炎薬にも咳止めの成分が入っているし咳止めの薬にも鼻炎に効果のある成分が入っている物があるので、その方が適切とも言える。
     お客様には風邪で体を休めるのは内臓も含めてとお話しして、食事は消化に良いものをと勧めたところドリンク剤も希望されたので、『ヒストミンゴールド液プラス』を案内して、一緒にお買い上げいただいた。

     

  • 使っている市販薬の同じ銘柄での違いを知らない人は多い

     お客様から『イブ』を求められたので鎮痛剤の棚を案内したところ、探しているのは『イブA』だった。
     『イブA』には鎮静剤が入っているので眠気を催すことがあれかもしれないとお話ししたうえでお買い上げ頂いたけれど、無印とAの区別がついていない患者さんは多い。
     お客様の主訴は頭痛とのことで、声が弱々しかったから、頭痛でも風邪の時でも胃に優しい食事をするのが大事なことを伝えた。
     頭痛にも種類がありそれぞれ対処法が違うから、本当は詳しい頭痛の話をしたかったのだけれど、そこまでは踏み込めなかった。
     いわゆるズキズキするタイプの偏頭痛は胃の不具合と密接に関係するため、体を安静にして胃に優しい食事に切り替えると症状が軽減する。
     そして鎮痛剤以外では、『呉茱萸湯』『五苓散』といった水分代謝を整える漢方薬が候補となる。
     頭が締めつけられるタイプの頭痛の場合は、肩こりと連動していることが多く、むしろ体を動かして筋肉をほぐすとともに血流を良くすると改善するので、上半身を温める『葛根湯』が適応する。
     他に目の奥が重く感じたり、朝方に頭重感があって午後にかけて楽になるタイプは血圧が関係する可能性が高い。
     この血圧は数値上のことではなく、個人の一日の中での変化の幅が問題になるので「自分は血圧は高くない」といったこととは別。
     また、このタイプも肩こりと連動していることがあり、『釣藤散』『七物降下湯』など血圧を調整する漢方薬が効果的。
     もちろん人間の体は機械ではないから、これらの症状が複合的に現れることがあるため、単純に切り分けも出来ないので、まずは店頭で相談してもらいたい。
     そのさいには、生活サイクルや仕事の内容など、プライベートな情報の中にヒントが隠されていたりするし、できるだけ時間に余裕があるのが望ましい。

    【第(2)類医薬品】エスエス イブ 36錠

     お客様が酔い止め薬の棚の前で迷っていたので声をかけたところ、息子さんが使うそうで、普段は使ったことが無く、水無しで眠くなりにくい物をと要望された。
     しかし息子さんは海外に行くと分かり、飛行機に乗るのであれば眠気を催す物の方が良い事をお話しし、『センパアトラベル1』を案内して、お買い上げ頂いた。
     他に息子さんは、『ウオノメコロリ』の液剤を使っていたそうで、絆創膏タイプを使ってみたらイマイチだったとのお話があった。
     おそらく、『ウオノメコロリ』の液剤には皮膚を柔らかくする成分が入っているのに対し、絆創膏タイプには入っていないから、そう感じるのだろう。
     さっきの『イブ』と同じで、同じ銘柄での処方の違いを知らないのだと思われ、私が「まず相談を」と繰り返し書いているのは、「いつも使っている」という薬をどの程度理解しているのかを確認するためでもある。
     足のイボについては以前に病院で液体窒素での処置を勧められたそうだから、やはり専門家の意見を聞くために再受診するように勧めた。
     それから、海外に行くのであれば塗り薬のステロイド剤と抗生物質があった方が安心なので、家に置いてあるなら持たせるよう勧めた。

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  • 総合胃腸薬は、胃酸が出るのを抑える制酸剤と消化を助ける消化酵素が一緒に入っているカオスな処方

     お客様から『タイレノール』を求められ、お買い上げいただいたけれど、頭痛や喉の痛みに使っているというので炎症には弱いことを説明して、喉の痛みには『ペラックT』との併用を勧めた。
     それから、頭痛にもズキズキするタイプの偏頭痛や、締め付けられる肩こりと連動したタイプ、朝方に頭が重くて午後になるにつれ楽になるタイプなど種類があり、それらによっても適応する鎮痛剤や対処法が変わってくることも伝えた。
     ズキズキするタイプは胃の不具合と関係するから胃の負担が軽いとされるアセトアミノフェン製剤の『タイレノール』が向いていると考えられ、食事は消化しやすいものが良い。
     漢方薬では、『呉茱萸湯』『五苓散』などが候補となる。
     肩こりと連動した締め付けられるタイプは、上半身を温めて血流を改善するのが良いので『葛根湯』が候補になるし、鎮痛剤は末梢神経に作用するアスピリン製剤の『バファリンA』が効果的。
     朝方に頭が重くて午後に軽くなるようならば、血圧と関係すると考えられるるので、鎮痛剤を使うよりも初めから漢方薬の『釣藤散』『七物降下湯』を使った方が体にも良いだろう。
     こう考えると、鎮痛剤としてはイブプロフェン製剤や同系統の『ロキソニン』は、やはり万能なんだなと思ってしまう。

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     お客様が『第一三共胃腸薬』を人から頼まれたというのだけれど、誰が使うのか教えてもらえず、患者がどんな症状かは分からないというので、売って良いものか迷った。
     『第一三共胃腸薬』に限らず総合胃腸薬は、胃酸が出るのを抑える制酸剤と消化を助ける消化酵素が一緒に入っているという、わりとカオスな処方内容なので、症状に合わせた薬選びも重要なことを伝えたうえでお買い上げいただいた。
     また、胃の症状を簡易的に鑑別する方法として、お湯を飲むと水を飲むのとでは、どちらが楽になるのかを確かめるというのを教えた。
     お湯を飲んで楽になるようならば、胃が冷えているか疲れていると考えられ、健胃剤の入っている胃腸薬がお勧め。
     水を飲んで楽になるようであれば、胃炎を起こしていたり胃熱の状態なので、制酸剤が入っているか胃の内壁を保護する成分の入っている物が望ましい。
     お客様は、「伝えてみます」とのお返事だった。

    「ホントは難しい胃薬の選び方」

    「ホントは難しい胃薬の選び方」

     

  • 病院で処方されている薬の後出しは困ります、困りますったら困ります

     成人の親子のお客様が鎮痛剤の棚を見ていて『バファリンプレミアム』を手にしていたが、声をかけてみたところ二日酔いに使うというため『アルピタン』(五苓散)を紹介すると変更になった。
     他に酔い止め薬を相談され、船に乗るというので眠くなりやすい物として『トラベルミン』を案内し、一緒に購入を決められた。
     船や飛行機での乗り物酔い対策を漢方薬で考えた場合には、空間失調に用いる『苓桂朮甘湯』が候補となる。
     なお、吐き気の方が強く出る場合には、さっきの『五苓散』の方が向いている。
     他に下痢止めも求められ、以前に使った物が喉が渇いたとのことから、おそらくはロートエキスの副作用と考えられることをお話し、『ロペラマックサット』と『ワカ末止瀉薬』を紹介して前者をお買い上げいただいた。
     それから、お客様には腸が冷たい物を受け付けないので、食事は温かい物を摂って早めに胃を軽くし、乗ってからは冷たい物を少しずつ飲んで、わざと胃の働きを悪くして吐こうとする力を弱める方法を教えた。
     また、二日酔い対策には飲酒する前に水分を摂っておくことと、食事においては刺身のツマの大根と揚げ物についてくるキャベツを食べるよう勧めた。
     どちらも、胃薬として働いてくれるからだ。
     ところがお会計した後に、病院で処方された薬があると話され、現物を持ち歩いていたので調べてみたところ鎮痛剤で、今の二日酔いの症状が副作用の可能性もあることを伝えた。
     どーして先に話してくれなかったのか(;´Д`)

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    アルピタン
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     お客様から胃薬の棚を尋ねられ売り場を案内したところ、『大正漢方胃腸薬』と『太田漢方胃腸薬2』と『セルベール』を比較していたためヒアリングすると、ストレスが思い当たるとのことだった。
     そこで、『爽和々』と『半夏瀉心湯』も加えて説明すると、朝方に胃痛がする他に夜息苦しいというので『半夏厚朴湯』を紹介したところ、『太田漢方胃腸薬2』と一緒に購入された。
     お客様は病院で処方された薬があり、その内容を覚えていないというので、お薬手帳を持ち歩くにお願いした。
     今回も、処方されている薬が後出して困る。
     いや、私の方で最初に訊けば良いんですが。
     最初に別な話題から入ると、尋ねるタイミングを失してしまうんだよねぇ。
     いや、言い訳ですが。
     ちなみに、胃薬については同人誌『登録販売者から一言』の参の巻「ホントは難しい胃薬の選び方」で取り上げているので、よろしければ参考にしてみて下さいな。

    Screenshot of booth.pm
     

  • 家にある薬を確認しておいた方が無駄な買い物をしないで済みます

     お客様がインドメタシン製剤のパップ剤をレジに持ってきたけれど、患者はご主人で、スポーツによる膝痛というため浸透力のあるフェルビナク製剤も紹介してみたところ価格を気にされ、しかも塗り薬は使っていて何の薬か分からないというので、使っている物を確かめてからではどうかとお話しし、本日はお帰りになった。
     何しろ『バンテリン』がインドメタシン製剤ということを知らずに、家に別メーカーのインドメタシン製剤が残っているのに、「違う薬を買おう」と思って『バンテリン』を購入するというケースもあるので。
     商品の価格を気にするのであれば、それこそ使っている薬は確認した方が無駄な買い物にならずに済むはずだし。

    【スイッチOTC】【第2類医薬品】バンテリン液EX W 90g

     お客様から、眠くなりにくい酔い止め薬を求められ、実際には吐かないというので漢方薬を提案すると興味を持たれたため、目眩(めまい)が主訴となる人向けの『苓桂朮甘湯』と、吐き気が主訴の場合の『五苓散』を紹介した。
     ただ、どちらも念のため前日から飲んだ方が良いことをお話ししたところ、現代薬の『センパアQT』をお買い上げいただくことになった。
     お客様には、乗る前には温かい食事をして温かいの物を飲むと、早く腸に送られて胃が軽くなることと、乗ってからは冷たい物を少しずつ飲むことで胃の機能をわざと悪くし、吐く力を弱める対処法があることを伝えた。