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  • やって後悔するか、やらないで後悔するか

     お客様から『強力わかもと』を注文されたので、売り場を案内すると酵母の働きを質問されたため、ビタミンなど摂取した栄養を代謝して体内で働くのを助けるものですと説明した。
     酵母で老化予防を謳ってる健康食品とかあるけど、代謝するというのは老化の促進なんじゃないかね?
     いや、言葉遊びみたいなもんですが。
     酵母の働きによって発酵することでお酒ができる訳で、それはつまり腐敗するのと現象としては同じ。
     言い換えるのなら、「老化に役立つ」なんじゃないかと。
     お客様は便秘に使っているらしく、良く効いたとのお話。
    「良い発酵してますねぇ」というところか。
     言わないけど(*´∀`)
     そして、『新ビオフェルミン』をCMで見たと興味を示されたので、乳酸菌を納豆菌で育てる『ザ・ガード』も紹介した。
     やっぱりCMの力ってすごいね。
     せっかく摂った乳酸菌を活かすためには下半身、特に腸を温めるのが重要なことを伝えた。
     ところで、某製薬メーカーの研究員さんから聞いた話によると、乳酸菌製剤を作っているK製薬の社長のお兄さんは、別な製薬会社を創設して、やっぱり乳酸菌製剤を作ってるそうな。
     まぁ、要するにお家騒動で喧嘩別れしたんだとか。
     で、そのお兄さんの製薬会社は知名度は比べ物にならないほど低いんだけど、その会社で作られた乳酸菌製剤は、K製薬会社の競合他社を通じて大々的に販売されてて、実は業界のシェア的には知名度に反して3分の1以上を占めているという。
     どうしてかというと、乳酸菌を取り扱う工場の管理は恐ろしく難しく、他の薬なら同じ製造ラインで別な成分の薬を作ることも可能なのが、乳酸菌だけは他の製品に混入すると品質を変えてしまうため、専用の製造ラインで作るしかないのだとか。
     だからコストを掛けて自社で製造するより、そのお兄さんの会社から完成品を買い取って自社ブランドを冠して販売している製薬会社が多く、実質的なシェアを握っているという次第。
     そして、薬の本来の成分以外の混入を業界用語で「汚染」と呼び、現在の技術では1兆分の1g(単位は、うろ覚え)までの混入でも見つけることができ、日夜ライバル社の薬を分析調査して乳酸菌の混入が分かれば、「異物混入」としてライバル会社を告発しようと手ぐすね引いてるんだとか。
     怖い━━━━━(((( ;゚Д゚))))━━━━━━ッ!!!

     やや高齢のお客様で、病院から漢方薬が処方されているものの、おくすり手帳を作っておらず、それぞれの説明書をもらっていないというお話を以前に聞き、機会があればお調べしますと言ってあったのだが、今日は現物を持って来店された。
     内容を確認すると、不眠に『酸棗仁湯』、腰痛に『牛車腎気丸』、足のこむら返りに『芍薬甘草湯』が処方されていると分かかったので、添付文書をコピーして渡した。
     奇をてらっていない、ごくごく当たり前の処方内容だったのだが、これを本当に説明書が渡されていなかったのかは不明。
     個人医院のようなんだけれど。
     帰りしな、お客様からは両手を合わせて拝まれてしまった(-人-)
     いや、そんな大層なことはしていません(^_^;)

     やや高齢のお客様から成人の息子さんの下痢止め薬を求められ『ストッパEX』などを考えたが、詳しく訊くと現に今、電車で移動中に何度も途中下車してトイレに入っているというので、急性胃腸炎の可能性があり、直接的に下痢を止めるのは好ましくないことを説明した。
     何か悪い物を食べたか、ウイルスなどが胃腸炎を起こしているとなれば、原因となっている物は早く出してしまわなければならない。
     『柴胡桂枝湯』を案内してお買い上げいただいたのだが、しばらくして戻ってこられたため、どうしたのか尋ねたら、今しがたトイレで吐いたとのこと。
     救急車を呼ぶ事態も考えつつ、まだ服用をしていないようだったので、1回分を小分けにして少しずつ服用させる方法をお話して、息子さんにはお店の前のベンチで休んでいかれるよう勧めた。
     その後、何度か息子さんの様子を見に行くうちに、軽度の脱水症状が見られたため、経口補水液を私が購入して(自己購入でのレジ操作は禁止されてるので、同僚にレジ操作してもらった)お客様にお渡しした。
    「過度の干渉にあたるか…いや、たぶん大丈夫…、きわどいけどオーケー!だって緊急事態なんですもの、ギリで…平気……?」(『人類は衰退しました』田中ロミオ)
     清涼飲料水を休憩時間に、個人的に知り合った人に渡しただけです(・_・)ノ
     お客様には、座っているよりもベンチに横になるよう勧めて、警備員さんにも定期的に巡回してもらうようお願いした。(意識が混濁するようなら、救急車の要請を)
     それから、3時間くらいした閉店頃にレジに挨拶にみえると、少し顔色が良くなっていてお帰りになられた。
     帰ったら、何も食べずに下半身を温めて休むよう伝えた。
     あと、症状が悪化したら救急車を呼ぶのを躊躇わないようにとも。

     

  • 頼まれ物は、伝言ゲームや連想ゲームの如し

     鼻炎薬の棚を行ったり来たりしていたお客様が、風邪の棚に移り『ストナジェルサイナスS』をレジに持ってきたので、鼻風邪なのか尋ねてみると、家族からの頼まれ物だとのこと。
     この段階で、ご主人や奥さんなのか子供なのかといった「誰が使うのか」を教えてもらえると助かるんだけどねぇ。
     訊くタイミングを外すと、質問攻めを避けようとして確認しそびれてしまうことが……。
     いや、訊き方が悪いのかもしれませんが、どうして「誰が使うのか」という重要な情報を教えたがらないのか分らないの(´・ω・`)
     鼻炎の棚も見ていたことからすると発熱は無いのかもしれず、花粉症などのアレルギーとも考えられるため、鼻水の状態を確かめてみるようお話した。
     基本的に、透明でサラサラなら内臓の冷えかアレルギー性鼻炎、透明でも重量感があったり白く濁ってるか黄色などの色が付いていたら風邪と鑑別できる。
     すると、喉の痛みもあるらしい。
     喉の痛みというのは判断の難しい症状で、花粉を吸って喉が炎症を起こしていることもあれば、胃炎を喉の痛みと感知していることもあり、喉の痛み方が分からないとなんともいえず、本人でないと微妙なニュアンスがヒアリングできない。
     しかも世間一般では、「喉の痛み=風邪」の図式が根強く、喉が痛むと風邪薬をという人が多いため、話の持って行き方に悩むことがしばしば。
     今回も、頼まれ物とあってはこれ以上は深入りできず、そのままお買い上げ頂いた。

     お客様が、頼まれ物ということで『アルパノール』(抑肝散)を求めて来店した。
     しかし、うちのお店には類似処方の『抑肝散加芍薬黄連』しか置いていない。
     代用できないこともないが、胃腸が弱かったり体力が低下している人だと勧めにくいから、頼まれ物では代替品とするのには不適当だろう。
     また、お客様はもちろん頼んだ人も『アルパノール』を単に不眠改善薬とだけ思っているようで、その作用については知らないようだった。
     『抑肝散』は読んで字の如しで、肝臓の働きを抑制して症状を散らす。
     厳密には漢方で云う「肝」と臓器としての「肝臓」は完全一致はしないのだけれど、考え方としては肝臓はイライラや怒りと関連があり、肝臓の働きが悪くなるとイライラして寝付くのに時間が掛かるようになる。
     そして肝臓に限った話ではないが、人間の臓器は体力が低下していない限り、働きが悪くなると「頑張ろう」と過剰に働き、ますます機能を低下させてしまう。
     そこで、その働きを抑制して落ち着かせることが必要となる。
     この作用を利用して、病院では認知症で怒りっぽい人を落ち着かせるために処方される事もあるそう。
     ちなみに、漢方では「心」が弱ると、やはり怒りっぽくなると考えるのだが、「肝」との違いは起こり方の性質。
    「心」の方は瞬間湯沸し器のように一瞬で、怒った後にはニコニコしているようなタイプ。
    「肝」の方は持続的で、絶えず機嫌が悪くイライラしているようなタイプ。
     もちろん人間だから、どちらかに完全に偏るということは無いし、歳を取ってくると心臓も肝臓も機能が低下するし、他に胃腸や腎臓も睡眠に関わってくるから鑑別は、より複雑になります。
     ただ、「昔はこうじゃなかったのに」という性格の変化があるのなら、脳の機能障害だけではなく内臓機能の低下も疑ったほうが良い。
     あと、これは余談だけど、お客様に暴言を吐かれたりして腹が立った時には、「ああ、何処か内臓が悪いんだろうな」と思うと、少し優しい気持ちになります(o ̄∇ ̄)o←性格悪い
     ……それはともかく、ご本人が直接訪れてヒアリングできるのが望ましいことを伝えたところ、本日はお帰りになられた。
     以下は自己メモついでに、『抑肝散』以外の不眠に使う漢方薬の例。
     寝付くのに時間が掛かる入眠困難には、「肝」を養う『柴胡加竜骨牡蛎湯』
     何度も目をさましてしまう中途覚醒には、「腎」を養う『牛車腎気丸』
     ウツラウツラと眠りが浅い場合には、「脾胃」をいたわる『桂枝加竜骨牡蛎湯』
     ここから、さらに応用例。
     息苦しく感じて掛け布団をはいでしまう人は、「肺」を助け緊張を緩和する『半夏厚朴湯』
     不安感で色々と考えたり夜勤などで頭が冴えて寝付けない人は、やはり「脾胃」をいたわる『加味帰脾湯』
     疲労で体は休みたいのに自身の心臓の音さえ気になって、寝入ってはビクッと起きてしまう人は『ナイトミン』(酸棗仁湯)
     そして、鑑別が難しく迷った時には、「肝」も「脾胃」も面倒見てくれる『柴胡桂枝湯』
     私の母親は、風邪の後期の疲労回復や胃腸炎に用いる『柴胡桂枝湯』を飲むと眠くなるそうな。
     眠くなる成分は一切入っていなくて、効能にも睡眠な関することは書いてないんだけどねぇ。
     そんな訳で、一口に不眠と言っても候補は多いので、買い出しを頼む人は自身の状況をお遣いする人に伝えて、お遣いを頼まれる人は商品名だけではなく症状を確認しておいてくださいな。
     最低限、「寝るまでに時間が掛かる」のか、「何度も目を覚ましてしまう」のか、「寝ててもウツラウツラと意識がある」のか、あるいは複合型なのか分かると絞り込みやすくなります。
     あと、弱ってる臓器の予測もできるので、場合によっては循環器科を受診すると改善できるかも。

     鼻炎薬の棚の前で、携帯電話で通話をしたり、写真を撮ってメールでやり取りしているらしいお客様から、『パブロン鼻炎カプセルS』と『パブロン鼻炎カプセルSα』の違いを尋ねられた。
     ああ、頼まれた物の名前とパッケージデザインが微妙に違っていたから困っていたのね。
     それこそ、早く訊いてくれれば良いのに。
     でも道具を駆使して、頼んだ相手と連絡を取りながら確認するのは良いですな。
     携帯端末がこれだけ普及していても、買い物で活用する人は案外と少数派な気がする。
     お客様には、『S』が旧製品で『Sα』が同製品の後継であることを説明した。
     ところが、前言撤回するようだけど、頼んだ人は「鼻炎カプセルを」という指定なんだそうな。
     それは、範囲が広すぎる(;´Д`)
     しかも、仕事で車の運転をするというから、眠くなる可能性のある同シリーズは勧められない。
     そこで、比較的眠くなりにくい『ロートアルガードクイックチュアブル』を紹介し、相手には使った薬の使用感をメモして、成分表示を取っておくことを伝えるようお話した。
     すると、また相手に連絡を取り旧製品の『パブロン鼻炎カプセルS』を買っていかれた。
     やはり、カプセルが欲しいんだそうな。
     服用したら、車の運転は避けてくださいねー(」´Д`)」!!!

     

  • 大手製薬メーカーの陰謀(嘘)

     お客様から睡眠薬が欲しいと注文されたけど、市販には睡眠改善薬しか無いことをまずは説明。
     台湾人だそうで、日本に呼び寄せた高齢の母親が台湾で処方されていた睡眠薬を忘れてきてしまったという。
     ありゃん、それは困りましたねぇ(;´・ω・)
     ただ、不眠症と一口に言っても、寝るまでに時間が掛かる寝付きが悪いのと、中途覚醒や早期覚醒といった短時間睡眠の場合と、寝てもウツラウツラとして眠りが浅いのとでは、原因も対応も変わる。
     もちろん現代薬では、いずれに対しても眠気を催す成分が入っていれば、作用機序は違っても似たような効き目だから、相性さえ合えばどれを選んでも大差は無いという考えたかもあるけど。
     だけど、今回のように環境が変わったことも加味すると、現代薬で良いのかという迷いもある。
     先の不眠症の例で云えば、寝つくまでに時間が掛かるのは肝臓が無駄に働き過ぎるからで、中途覚醒は腎臓機能が低下しており、眠りが浅くなるのは胃に不要な水が溜まる胃内停水が原因。
     そのうえ、歳を取ってくると心臓の機能も低下し、心臓の場合は機能の低下を過活動で補おうとするため動悸が激しくなり、これがまた寝つきを悪くしてしまう。
     あくまで一時的に睡眠補助剤を使うのは良いとして、原因とつながっている体内の異常は見過ごさないように注意したいところ。
     お客様に本人と連絡を取ってもらい確認したところでは、寝付きが悪いのと浅いのとの複合というお話だった。
     ひとまず本国に帰れば睡眠薬はあるのだから、あくまで一時的な用達で良いだろうと『ドミーリオ』と『ウット』を案内したうえで、慣れない土地に来たことでの心身の疲労の可能性をお話して、『ナイトミン』(酸棗仁湯)も紹介した。
     『酸棗仁湯』は、夜勤をされる人や高齢者に向いていて、「疲れ過ぎて寝られない」ときに適応する。
     人間は疲れが極限に達したり、加齢により体が弱くなると防衛機能が働くのかセンサーが鋭敏になり、ちょっとした物音に反応したりして寝つきにくくなってしまうのだ。
     自分の心臓の鼓動さえ気になってしまうという人は、お試しあれ。
     お客様は『酸棗仁湯』に興味を持たれたが、本日のところは『ドミーリオEX』を試して頂くことになった。
     あと、詳しく本人について訊いたところでは、昼寝はされているようなので、夜に眠れないことを気にし過ぎると余計に体の負担になるため、ノンカフェインの温かいお茶などを飲んで夜を過ごす方法を提案した。

     やや高齢のお客様から、『コンドロイチンZS』とサプリメントとの違いを質問された。
     医薬品とサプリメントの比較って、難しいんだよねぇ。
     医薬品のほうが治験データを取っていて信頼できるという考え方もあるけど、治験データを取って医薬品として申請するのには莫大な費用が掛かるから、ある程度の効果と安全性を確認したら、あえて健康食品として売り出すということもあるため、評価しづらい。
     また、関節痛の原因は骨だけの問題ではなく、神経や血流といったことも関係するため、本格的にコンドロイチンを摂取するのであれば、一度は病院で診察を受けてから検討するのが良いだろう。
     そういうお話をしたら、実はサプリメントのグルコサミンをすでに飲んでみたら膝の痛みを感じなくなり、使い切ったため医薬品に変更するかを迷っているそう。
     ふむぅ、そういうことであれば強くは勧められない方法だけど、そのサプリメントをやめてみて症状が再発するかを観察してみるという手はある。
     例えば、よく目に良いとされているブルーベリーの効果は、眼科医によれば確かにあるそうで、ただし摂取をやめると効果も無くなる一時的なものなのだというのだけれど、それはつまり体感できるという事。
     結果が判明したら、教えてください(o ̄∇ ̄)o←マテ
     お客様はゴルフを良くしていて、打ちっぱなしにも通っているというから、運動自体が歳相応に負担になっているとも考えられるため、『牛車腎気丸』を紹介してみた。
     本日のところは、サプリメントのグルコサミンを購入された。
     そうそう、今回の件で思い出したけど、以前に某製薬メーカーの学術部員さんから、とある市販薬の開発苦労話を聞いたことがある。
     医療業界の陰謀論を唱える人は、厚生労働省と大手製薬メーカーが結託して好きなようにしてるみたいなことを喚き立てているけど、そんなことは無いんである。
     その市販薬を『製品X(仮名)』とすると、以前から主成分を1錠に10mg含有して販売しており、「症状A」に効くものとして売っていた。
     そして、1錠への主成分の含有量を倍の20mgにして治験データを取ったところ、「症状A」に対しては頭打ちで優位な差は確認できなかったものの、「症状B」と「症状C」にも効果があることが分かった。
     そこでメーカーは、いずれ「症状B」と「症状C」に対する効能を申請するものとして、先に市場を開拓しておくために「症状A」の効能で20mgの薬を発売しようと厚労省に申請したら突き返されてしまったそうな。
     今まで10mgで効能があることが確認されているのだから、20mgにする必要は無いと。
     しかし、実は同じ主成分の薬は医療用では、すでに20mgが主流になっている。
     だから、安全性さえ証明できれば市販薬にも適応できるはずとメーカー側は考えていた。
     しかも、小さい製薬メーカーからはすでに同じく20mgの物が発売済みなのだ。
     なのにどうして申請が通らないのかといえば、書類上では「20mgにする必要は無い」ということだったけど、厚労省の担当者からは「大手だから自重して」というようなことを言われたそう。
     つまり、大手が市場を開拓するのを目的に、やたら主成分の濃い製品を発売したら、中小のメーカーまでこぞって同じすることをするから、それでは医療行政に問題が生じて困ると。
     で、研究チームは改めて治験データを取り直し、今までは10mgと20mgを使った人を対象に「症状が改善した人と、やや改善した人と、改善しなかった人」での比較をしていたのを、さらに踏み込んで「症状が改善した人」の中から「10mgを使用した人」と「20mgを使用した人」を比較して、20mgを使用した人のほうが10mgを使用した人よりも約10%だけではあるけれど、優位性が確認できたという資料を付けて再申請し、やっと発売にこぎつけたという。
     そして学術部員さんの話では、ここまでやったのだからてっきり一緒に申請した「症状B」と「症状C」の効能の許可も下りると思ったら、結局「症状A」の効能でしか許可を取れなかったそう。
     ここがこの話の面白く、また市販薬の効能書きだけを見ているだけでは分らない事なんだけど、そもそもの主成分を開発したメーカーが「症状B」と「症状C」での効果を認めていないから駄目だと判断されたという。
     正確に言うと、主成分の開発元は外国の製薬メーカーで、その主成分で儲けて開発費も回収済みなため、新たに莫大な費用を掛けてまで、同じ主成分で別な症状の薬を売り出す気が無く、その費用を肩代わりするとかでもしないと協力を得られないらしい。
     もし費用を肩代わりして新たな効能を証明したとしても、今度は費用を肩代わりしたのに開発元のメーカーの主成分を使う訳だから、納入してもらう代金は当然必要だし新たな製品の製法を教えない訳にもいかないしで、そこまでしてでも売れる算段が無いことには実現することはできないという訳。
     少なくとも、厚労省の方針が変わらない限りは。
     なので、本当は「症状B」と「症状C」に効くとは分かっていても、市販薬としては「症状A」についての効能しか添付文書にもパッケージにも書けない。
     まぁ、もっとも素人が自分で調べただけで、薬の応用をするのは危ないからしない方が良いんだけどね。
     それでも興味があれば、効能が違うはずの薬同士に同じ成分が含まれていたら、そのへんの関係を考えてみると面白いし、災害時などの非常事態には役に立つこともあるので、薬を買う時には効能書きだけでなく成分表示にも目を通してみてください。
     そして、使った薬はお薬手帳などに記録しておくのをお忘れなく。

     

  • 寝つきが悪くても眠ることにこだわらずに

     口内炎で訪れたお客様から「貼る物で一番効くのを」と注文されたけど、薬の強弱だけでなく相性も関係することと、痛みや患部の状態によって鎮痛消炎を優先するのか、患部の再生を促すのを優先するのかといった目的によって選択する薬が変わることを説明した。
    「一番効くのを」と言われるお客様の中には、本当に一切の話を聞いてくれない人も少なくないため、地雷を踏みやしないかとヒヤヒヤする(;´Д`)
     今回は、そこからヒアリングに移ることが出来て、ひとまずホッ=3
     貼る物というリクエストがあったため、貼る物の中からステロイド系で消炎作用の強い物と、紫根エキス配合で患部の再生を促す物の案内を先にした。
     それから、内服薬もありますと付け加え、同じ流れで抗炎症タイプの『トラフル錠』と『黄連解毒湯』に、患部の再生を促す『トラフルBBチャージ』、それから口内炎は胃で起きている症状が表に出てきていると考えられるため『半夏瀉心湯』を紹介した。
     そして、痛みはそれほどではないという話から、内服薬の中で『トラフルBBチャージ』を購入された。

     やや高齢のお客様から、「睡眠導入剤を」とリクエストされた。
     市販薬にあるのは、あくまで「睡眠補助剤」であることを説明し、ひとまず『ウット』と『ドリエル』を案内した。
     個人的には『ウット』に入っているブロムワレリル尿素には依存性があるから、勧めたくないところだけど。
     まぁ、眠れない時に主成分のジフェンヒドラミンの入ったアレルギー薬で代用した事がある私が偉そうなことを言えませんが。
     なにしろ、ブロムワレリル尿素より弱いとはいえ依存性があるのは変わらないので。
     そのうえ、ジフェンヒドラミンへの体側の耐性は比較的容易に形成されるとも云われている。
     つまり、数日と経たずに慣れてしまい効かなくなるのだ。
     だから、睡眠補助剤として一時的な使用に留めないと、後は買うだけ無駄。
     もし連用して効いてるとするのなら、それはとっくにプラシーボ(偽薬)効果になっているということ。
     そして発現率は少ないものの、副作用として精神不安や怒りっぽくなるといった報告もあるため、ますます眠れなくなる可能性は否定できない。
     そんな訳で私は漢方薬の方を勧めるんだけど、今回のお客様は眠るまでに時間が掛かるというお話から『柴胡加竜骨牡蛎湯』を案内し、肝臓を助けることで感情の昂ぶり抑えることを説明すると、いつもお酒を飲んで寝てるという。
     ありゃん(;´Д`)
     一応は、アルコールで眠くなるのは失神してるのと同じだと理解はしてる模様。
     そして、『ナイトミン』(酸棗仁湯)に興味を持たれたので、そちらは心身がともに疲労して神経過敏、すなわちちょっと物音がするとハッと目が覚めてしまうような時に適応することを説明した。
     すると、心臓を患っていてニトロを使用していると言われた。
     それは、最初に言って頂きたく……。
     いや、最初に尋ねなかった私のミスなんですがσ(^◇^;)。
     心臓もまた睡眠には影響し、肝臓の不調がイライラするタイプだとすれば、心臓はよりカッと瞬間的に火を吹くような感情の起伏を呼び起こすことが寝つきの悪さにつながる。
     となると、神経の働きを鎮める『酸棗仁湯』というのは悪い選択ではないかもしれない。
     でも、漢方薬を使うにしても担当に相談するよう勧めた。
     また、お酒自体は好きではないそうなので、まずやめるようお話した。
     私みたいなお酒好きは、たまに酔い潰れるのか楽しいからやめられない訳で。←ヤメレ
     あっ、そうだ、これもまた肝心なことを聞き忘れていましたよ。
     日中に強い眠気を感じたり、ボーッとしてしまうことはありますか?
     すると、目覚めてからは眠気がすることは無いそうな。
     むぅ、もしかすると睡眠を必要としない体質なのかもしれません。
     かのナポレオンは居眠りの達人だったという説があるけど、まとめた睡眠を取らずに分散型の多相性睡眠だったとか、そもそも体さえ休まれば脳の休息をあまり必要としない短時間睡眠だったという説もある。
     毎日同じリズムでの生活が、心身にとっても安定するというのは間違いではないものの、みんながみんな同じリズムで生活するのが良いと限らない。
    「毎日決まった時間」に「毎日同じ睡眠時間」というのが、なかば脅迫的に刷り込まれてるとすれば、その方が問題だろう。
     寝つきが悪くても、日中に急に眠くなるといった障害が無いのであれば、眠ることにこだわらずに、枕元でラジオや音楽などを聞いて過ごしてみてはいかがでしょうと提案した。
     今回の客様には関係無いけど、枕元で明かりを消してスマホを見るのは、目にも脳にも悪いから、やらない方が良いですよん。
     スマホ度音楽を聞きながら、画面は見ないというのがお勧めかと。
     ん?
     チャットやメッセージを、音声操作で文字入力して、テキストを読み上げさせるのはどうなんだ?
     あっ、誰かと会話するとなると頭を使うから、やっぱり駄目だな。
     目と頭を使わないようにってことで(・v<)

     

  • 「勧善懲悪」の誤解

     以前に、『肝油ドロップ』の質問をされ、『DHA・EPA』のサプリメントを買っていかれたお客様が再訪。
     『DHA・EPA』を飲んでみて、調子が良いという。
     劇的に何か効果があるとは思えないけど、そう感じてるなら良しとしておくべきか。
     そうそう、漢方の専門医から不眠に『当帰湯』が処方されたというのは、お客様の勘違いだったらしく、『酸棗仁湯』とのこと。
     ですよね~(´∀`)
     それなら、腑に落ちる。
     高齢だったり、痩せ型で虚弱な人の不眠に適応する物だから。
     それと、もう片方の病院からは『イフェソプロジル』と『ニセルゴリン』が処方されていることが、新たに分かった。
     ありゃ、どちらも脳の血流改善に使う薬じゃないですか。
     どんな薬でもそうだけど、なおさら飲み合わせや食事に気をつけなければならない薬。
     それなのに、双方の医師に服用している薬を知らせていなのは駄目ですよ。
     改めてお客様には、お薬手帳に服用している薬の記録を付けて一元管理するようお話した。
     すると、お客様から不穏な言葉が……。
     『医者に殺されない47の心得 医療と薬を遠ざけて、元気に、長生きする方法』などを著している、近藤 誠医師を大絶賛。
     いや、それで複数の病院に掛かって、それぞれから薬を処方してもらっているというのは矛盾してるんだけど(苦笑)
     

    Screenshot of pseudoctor-science-and-hobby.blogspot.jp

     『医学不要論』を著した内海 聡医師と並ぶ、本職の医師でありながら医学的にも科学的にも間違いかつ不穏当な言説を広めているトンデモ医師の一人をベタ褒めしていて困った。
     まぁ、言論の自由があるから何を公言しても良いとは思う。
     私自身の発言の自由を堅持するためには、他人の発言の自由もまた擁護しなければならないので。
     ただ、近藤医師にしろ内海医師にしろ、本当に患者さんの為を思うのなら、本なんか書いてないで研究を科学誌に投稿したり、学会に発表したりすれば良いのに、何故かそういう事はしない。
     STAP細胞の研究で小保方晴子氏が注目された時に、マスコミの報道で勘違いした人もいるようだけど、そもそも科学誌に投稿したり学会で発表するというのは、「発見したから」とか「確定したから」ということで行われるものではない。
     同じような研究をしている人たちに、「検証してくれ」というために行なうのである。
     だから、STAP細胞が実在したかどうかは本来は重要ではない。
     あの騒動はあくまで、「検証してくれ」と言っておいて、そのデータに不備があったことが問題(捏造だったのか、うかりミスかは別として)だった。
     今後もマスコミを通じて、いろんな発見や開発のニュースが世に出るだろうけど、いちいちそれに反応しても仕方ないんである。(研究にお金を出すという人がいれば別ですが)
     大事なのは、各方面からの検証と検証と検証、継続的な検証によって確実性を高めていくこと。
     でも、近藤医師も内海医師も、その検証のための研究成果を何故か専門家には委ねない。
     それでいて、一般の人に向けて持論を展開するだけという、実に不誠実極まりないのである。
     と批判の言葉が出かかったけれど、今日のところはお客様には言葉を返さなかった。
     大事なのは、近藤医師を批判することではないので。(これは内海医師にも同じこと)
     大事なのは、患者さんをそういう危ない情報から自分を守れるように、また別な情報を提供すること。
     そのためには、話を聞いてもらえる関係性を構築し、信頼を得ることを地道にしていくしか無い。
     それはまた、私自身が変な妄想に捕らわれて流布してしまう危険性を、常に内包しているからに他ならない。
     その昔、作家の川内康範先生が『月光仮面』などのヒーロー物を創作する時に、こだわったのは「正義の味方」だという話がある。
     どういう事かというと、『月光仮面』が「月よりの使者」であって、月の化身ではないように、ヒーローは「正義」そのものではなく、あくまで「正義の味方」であるということ。
     それは同時に、やはり川内先生のヒーローに共通していた、「勧善懲悪」の精神でもある。
     よく「勧善懲悪」は子供っぽい正義感のように勘違いされ、リアル志向のヒーロー物の作品を語る枕詞に「単純な勧善懲悪モノじゃなくて……」と付けられる事があるけど、それは誤用である。
     漢字を見れば分かるはずだが、「善を勧めて悪を懲らしめる」というのが「勧善懲悪」なのだ。
     善行を強制するのでも絶対視するのでもなく、あくまで「勧める」という控えめな態度がそこにある。
     そして悪に対しても、倒すのではなく懲らしめることに留めている。
     そう、「勧善懲悪」は、言うは易し行うは難しなのだ。
     常に自分は間違っている、その可能性を考えて患者さんと向き合わなければ。
     ………フッ、語ってしまったぜ( ´Д`)y─┛~←誰だオマエ

     風邪の相談で来店したお客様から症状を訊き出すと、主訴は鼻水と喉の痛みが昨日からあるという。
     悪寒は無いそうなので、風邪だとしても入り口で止まっていると考えられるため『葛根湯』を候補にしつつ、現代薬を希望されることも考え『ベンザブロックSプラス』を一緒に案内した。
     『ベンザブロックSプラス』の購入を決められ、「咳が出たら病院かしら?」と尋ねられたのには、昼に暑く夜に涼しいことに体がついていけないだけで風邪とは限らないことを説明した。
     もちろん病院に行くのは悪くないんだけれど、かえってウイルスに感染する可能性もあるから、あまり安易に受診するのも考えもの。
     養生として、鼻水が出るのは内臓が冷えていると考えられるため、入浴などで積極的に内蔵を温めるよう勧めた。

     さっきのお客様と同じように、鼻水と喉の痛みの相談で来店があり、同じように『葛根湯』と『ベンザブロックSプラス』を案内すると、眠くなりにくい物をと要望されたので『葛根湯』を推したら、漢方薬は好まなかったらしく『ベンザブロックS』を購入された。
     運転職で、朝までの待機業務らしいんだけど大丈夫かしら(^_^;)
     風邪薬で眠くなって事故を起こされちゃ困る……って、良く考えたら体調不良で勤務するのが問題な気もしますが。
     一応は、あくまで待機で運転するかは未確定ということで売ったけど、くれぐれもご注意を。
     仕事を考えたら、漢方薬の方を選択して欲しかったなぁ。
     お風呂に入って温まってもらいたかったけど、こちらも待機業務では難しいらしく、代わりに食事は消化の良い物にして量を控えるようにとお話した。

     

  • 「四角くて肌色で、貼るとスーッとする」物って、な~んだ?

     お客様から、とあるビタミン剤を置いていないか尋ねられたのだけれど、肝心の商品名を覚えていなくて特定できなかった。
     それを服用すると「寝起きがスッキリする」というお話だったものの、寝起きがスッキリするビタミン剤というのが検討もつかない。
     まぁ、ビタミンB群かなぁとは思うけど、そんなにハッキリと改善するものなのか、不勉強で分からず。
     今までは、他のドラッグストアーで購入していたのが、取り扱いが無くなってしまい探しているという。
     ああ、それでしたら同じ商品を探す時にはJANコードが分かると入荷が可能か調べられますし、成分が分かれば同じ内容に近い物を探せますと説明した。
     ただ、寝起きがスッキリしないという事の方が、気になったけど。
     治療目的ではなかったから今回は案内しなかったけど、寝起きがスッキリしないというのは下半身の冷えや神経の疲労が関係していると考えられるから『柴胡桂枝乾姜湯』『加味帰脾湯』とか『酸棗仁湯』なんかが適応するように思える。
     反対に寝付きが悪い人は、上半身に不要な熱が篭っていたりイライラが募っていたりするから、『大柴胡湯』『柴胡加竜骨牡蛎湯』といった物が使える。
     そういえば、胃腸が弱くて思い悩むタイプの患者さんで、『柴胡桂枝湯』が効いた事があったな。
     効いて良かったけど、効能には「不眠」は無かったから、あくまで胃腸の働きを助けるのをメインにして、柴胡剤だからストレスにも効くだろうと予測しただけなんだけど。
     というような事を、お客様が帰ってから思い出す。
     特定の商品を探しているお客様に、どこまで踏み込んでお話を聞き出して良いものか、加減が分からないんだよねぇ。
     探し物が置いてない段階で、もう「用済み」と思われちゃってるだろうから。

     旦那さんが膝の痛みを訴えてるとの事で、パップ剤を買いにお客様が来店。
     この夏に太り過ぎて、運動不足もあり整形外科に行ったところ、軟骨が減っていると診断されたものの、パップ剤のみ処方されて使い切ったため、同じ物をと求められた。
     でも、それがどんな成分の物かは分からず、「四角くて肌色で、貼るとスーッとする」とは言うものの、たいていのパップ剤が白かベージュ色で、体温よりも冷たい物はメントールなどが入っていなくても冷感がしたりするから、まったく参考にならない(;´・ω・)
     一日に9時間ほどの使用で効いていたというのは、強い物と考えて良いものかどうか。
     とりあえず、太っているという点から、皮膚への浸透力のあるフェルビナク製剤を案内して、お買い上げ頂く運びとなった。
     そして、お会計の前にもう少し詳しく現状を尋ねると、太り過ぎを解消するため運動したいものの、過度の負担になるような運動は医師から止められており、一方で階段の登り降りも膝が痛くて辛いと訴えているという話から、『桂枝加苓朮附湯』を紹介したところ、一緒にお買い上げ頂いた。
     急に太ったという話から、『防已黄耆湯』の方も考えたんだけど、体格自体はガッシリしていて筋肉質らしいので候補から外した。
     ただ、やっぱり本来は、本人を観て判断したいところ。
     パップ剤しか処方されていないという話だったけれど、担当医に相談するか、別な病院で診察してもらう事も検討してみるよう勧めた。
     そうそう、お風呂が短いそうなので、例によって半身浴での長湯も勧めたが、小さい子供が2人いて、ゆっくり入れないようだった。
     う~ん、子供たちを洗い場でオモチャで遊ばせて、自分は湯船に浸かるというのは、どうでしょうと提案した。
     こういうお話も、やはり本人相手じゃないと、情報不足で踏み込みにくい。
     しかし、この時のお話が功を奏したのか、お客様ご自身の相談も受けた。
     鉄不足による貧血と診断されているものの、コレステロール値を低くするための薬を処方されているので、薬が増えるのは嫌なため、鉄剤の処方は断って食事で摂るようにしているという。
     鉄剤は胃に悪いからとも、言っていた。
     ああ、確かに昔は胃に負担がかかるからと胃薬と一緒に処方されていたらしいけど、現在の鉄剤は改良が進んで、それほどの心配は要らなくなったんですけどねぇ。
     まぁ、服用する薬が増えるのが煩わしいのは確か。
     でも、食事でと言っても、コレステロールの事を考えると、レバーを避けたりと、それはそれで難しい。
     ほうれん草ばかり食べるのも、飽きてしまいそうだし。
     あと、貧血の人は、食事に限らずサプリメントでも同じ事だけど、栄養が適切に体に吸収されていない可能性も無視できない。
     やはり栄養を吸収する腸の働きを良くするためには、なんだかもう馬鹿の一つ覚えみたいで恐縮ですが、半身浴での長湯が良いですよ。
     そんな話をしていたら、氷を食べるのが好きだという話が出た。
     テレビの健康番組なんかで、「氷を食べるのは、鉄不足の人に現れる症状の一つ」とやっていた事があるため、お客様もそう理解していた。
     確かにその解釈もあるんだけど、もう一つ胃炎を起こしている事も考えられる。
     胃が熱を持っていて、それを冷やそうと無意識に冷たい氷を食べると一時的に楽になると体が学習してしまっているパターン。
     しかもその場合、氷で急激に冷やされる胃の方は、「ヤベー、冷えると機能が低下しちゃうよ。頑張って温めなきゃ」と頑張って胃熱を起こし、無駄にエネルギーを消費して腸も道連れに機能低下という悪循環に陥ってしまう。
    「じゃあ、やめた方がイイわねー」と言われたけど、その表情は残念そう。
     私も、氷を齧るのは好きだから、その気持ちは分かる。
     デートとかで、氷を全部食べてしまうんで、相手の女性に( ゚д゚)こんな顔を何度された事か。
     ……話が逸れた。
     何かを齧る感触というのは、ガムなんかがそうであるように精神的なストレスを軽減していたりするから、それをキッパリやめるというのも別なリスクが発生する可能性がある。
     そこは、温かい物を先に飲んで胃を温めて準備運動をさせてから、氷を食べるのを楽しんでみてはいかがでしょうと提案した。

     

  • 酸棗仁湯(さんそうにんとう)
    ………心身が疲れ弱って眠れないもの


    適応症状

     心身が疲れ弱って眠れないもの

    用方・容量(顆粒製品の場合)

     1日3回、成人1回1包(2.5g)を食前にお湯または水で服用してください。
     ただし、15歳未満7歳以上は2/3包、7歳未満4歳以上は1/2包、4歳未満2歳以上は1/3包。

    組成(顆粒製品の場合)

     3包(7.5g)中、次の成分を含みます。
      サンソウニン(酸棗仁) 10.0g   ブクリョウ(茯苓) 5.0g
      チモ(知母) 3.0g           センキュウ(川きゅう) 3.0g
      カンゾウ(甘草) 1.0g
      以上の割合に混合した生薬より得たエキス3.25g含有します。

    類似処方鑑別

    帰脾湯
     体力が低下した人の不眠で、顔色が悪く、不安、抑うつなどの精神症状を伴う場合に用いる。

    加味帰脾湯
     帰脾湯よりもさらに体力が低下し、熱感、胸苦しさなどを伴う場合に用いる。

    抑肝散
     体力中等度の人の不眠で、神経過敏で興奮しやすく、腹部は左腹直筋が緊張し、時に筋肉の痙攣などを訴える場合に用いる。

    抑肝散加陳皮半夏
     抑肝散の症状が慢性化している場合に用いる。

    竹じょ温胆湯
     比較的体力が低下した人の不眠で、季肋下部の苦満感および肋骨弓下部に抵抗・圧痛(胸脇苦満)が軽度に認められ、精神不安、心悸亢進、神経過敏、時に咳嗽などを伴う場合に用いる。

    使用上の注意

    1.次の場合には医師または薬剤師に相談してください
     (1)本剤を服用後、症状の改善が認められない場合は、他の漢方薬を考慮する事。
     (2)甘草を含有する漢方薬を長期服用する場合は、血清カリウム値や血圧の測定などを充分に行い、異常が認められた場合は、服用を中止する事。
     (3)複数の漢方薬を併用する場合は、含有生薬の重複に注意する事。(特に甘草を含有する漢方薬の併用には、より注意を必要とする。)


    2.服用に際して、次のことに注意してください
     (1)定められた用法、用量を厳守してください。
     (2)小児に服用させる場合には、保護者の指導監督のもとに服用させてください。
     (3)胃腸虚弱な患者は、下痢を起こすことがあります。


    3.服用中または服用後は、次のことに注意してください
     (1)長期連用により低カリウム血症、血圧上昇、ナトリウム・体液の貯溜、浮腫、体重の増加等の偽アルドステロン症が現れることがあるので、観察を充分に行ない、異常が認められた場合には、服用を中止すること。また、低カリウム血症の結果としてミオパチーが現れる恐れがあります。


    4.保管及び取扱い上の注意
     (1)小児の手のとどかない所に保管してください。
     (2)直射日光をさけ、なるべく湿気の少ない涼しい所に保管してください。
     (3)1包を分割した残りを使用する場合には、袋の口を折り返して保管し、2日以内に使用してください。 


    5.その他
     本剤は生薬(薬用の草根木皮等)を用いた製品ですので、製品により多少色調等が異なることがありますが効能・効果には変わりありません。