• タグ別アーカイブ: 柴胡桂枝湯
  • ≪通巻36号≫
    “手続き”と“緊急”のバランス/客には客の物語がある/奥さんを病院に放り込むまで/子供の風邪

      ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
      ★彡☆-=★彡  それさえもおそらくは平凡な薬局  ★彡☆-=★彡
                     ≪通巻36号≫
      提供 : まぐまぐ http://www.mag2.com/
      発行 : 北園薬局 http://plaza2.mbn.or.jp/~kitazono/
      編集 : 北村俊純
      窓口 : kitazono@a1.mbn.or.jp
      ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
    ~~~~~~~~~~~~~ 今回の日記の主な話題 ~~~~~~~~~~~
    ※11月11日(火)……“手続き”と“緊急”のバランス
        
    ※11月12日(水)……客には客の物語がある
    ※11月13日(木)……奥さんを病院に放り込むまで
    ※11月14日(金)……子供の風邪
    ************************* 先週の平凡な日記 *************************
    ◆11月11日(火)/2003年◆
     冷え症の相談に患者さんが来店。
     しかしお話しているうちに、あれやこれやとかなりの心配性な印象を持った。
     印象だけでは判断できないので、夜はよく眠れているかを尋ねたところ、やはり寝つきが良くない模様。
     そこで、柴胡桂枝乾姜湯(さいこけいしかんきょうとう)を勧めてみた。
     循環器疾患に用いる漢方薬で、冷え症のある人で神経質な人の不眠に効果がある。
     神経質な人は血管が収縮したりして血の流れが悪くなり、それが冷え症に結びつく事がある。
     その場合は、体を温めたりする漢方薬よりも、まずは鎮静作用のある方が合うだろう。
      
     病院で貰っている薬の相談に患者さんが来店。
     高脂血症の薬を飲むとだるくなるとの事。
     それならば、まずは医師に相談をしてもらう方が早いのだけれど。
     ウチでは、薬の説明をしたりするのは可能だが、服用をやめましょうとまでは言えない。(もちろん急な症状の悪化などがあれば服用を中止した方が良いが。)
     なにより、ウチで処方した訳ではないので、ウチから病院に連絡するという訳にもいかない。
     とにかく、やめるにしてもまずは担当の医師に連絡するように伝えた。
     どうも、医師に対して相談するのを臆する人がいるが、医師もまた客商売である。そして、扱っているのは患者さん自身の健康である。客商売は、「お客様は神様です」が基本。健康をお金を出して“買う”以上は、どんどん相談した方が良い。
     とはいえ、ケンカごしに質問して、肝心な事はなんにも耳に入らない患者さんもいるんだよなぁ(苦笑)。
     癲癇(てんかん)の予防になるような漢方薬はありませんかと、相談に患者さんがみえた。
     一口に癲癇と言っても、原因が様々なので難しい。脳の障害が原因の場合には、さすがに漢方薬ではどうにもならない。
     子供の癲癇には、小柴胡湯(しょうさいことう)を用いるのが基本。
     今回の患者さんの場合は、症状そのものは重くなく、頻繁になる訳ではないとの事。ただ、季節的なものが関係していて、寒くなってくると自覚症状が現れるらしい。
     そこで、軽度の癲癇の予防として、桂枝加芍薬湯(けいしかしゃくやくとう)を勧めた。
     効能書きには“しぶり腹”や“腹痛”としか書いてないのだが、芍薬(しゃくやく)には緊張を解いたり痙攣を抑える作用があり、癲癇にも効果があると考えられる。
     また、便秘を伴う場合には柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)を用いると良いようだ。
     柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)桔梗湯(ききょうとう)を求めて患者さんが来店。
     以前から漢方薬を使っていただいている患者さんなので、風邪の時に使う漢方薬を覚えていた模様。
     ところが商品の会計をする段になって、患者さんの職業が咽喉を使う職種だという事を知らされた。
     となると、扁桃腺炎に使う桔梗湯よりも、肺から咽喉にかけて潤いを与える麦門冬湯(ばくもんどうとう)の方が合うと思い勧めた。
     職業の事を訊かれるのを嫌がる人もいるので、なかなかキッカケが掴めないと難しいのだが、もう少し早く尋ねておけば良かった。
     漢方薬に限った事ではないが、職業上の環境なども治療のための大事な情報となる。こちらとしてもイキナリは訊きにくいので、できれば相談する際には教えてもらいたい。
     明日には奥さんを入院させる予定なので、医療センターへ入院手続きに行った。
     受付で入院手続きについて尋ねると、入院受付窓口に行くように教えられたのでそちらに向かう。
     医師からはすぐにでも入院をと言われていたので手続きは事務上の事だけだと思っていたら、事務員には「医師の指示書が無いと入院手続きはできません」と言われてしまった。
     医師からは口頭で入院を勧められた事、昨日電話で問い合わせた時には今日にでも来て下さいといわれた事を話したが、「まず医師の診察を受けて下さい」と言って譲らない。
     実は、こういう医師と事務方の対応の違いというケースはかなりある。
     女友達のAさんなどは妊娠8ヶ月目で陣痛が起きてしまい自力で病院に行ったところ、待合室で破水してしまった。
     医師は急いでベッドの用意を看護士に指示したものの空きベッドが無く、やむなく癌などの重病患者の病棟に運び入れた。
     ところが、事務方が「入院手続きをしていない」という事で医師に抗議したという。
     そのやり取りをベッドで横になっているAさんのそばでするもんだから、なんだか自分が悪い事でもしたかのようで不安になってしまったとか。
     ちなみに、Aさんは無事に出産する事ができた。
     ただし、この“手続き”に拘(こだわ)るというのは、ミスや事故を防ぐためには大事な事でもある。予定の無い病棟に患者を入れて、後で患者の取り違えでも起こったら、それこそ大変である。
     人間なんて勝手なもので、“自分の都合が優先”されないと腹が立つクセに、後でそれがどんな結果を招くかまでは考えずに「お役所仕事するんだから」と怒る。
     一方で、手続きに拘るあまり、緊急時の対応ができなくて手遅れになるケースもある。臨機応変にと言うのは容易(たやす)いが、難しい問題だ。
     一応今回は、緊急性はあるものの、これから世話になるのに最初からケンカしても不都合なので、とりあえず事務方の顔を立てて、「では診察を受けてから入院するという事でどうでしょう。ただし最短の日程で」と提案した。
     事務員が産婦人科病棟に連絡をして、明後日の診察の予約が取れたので、ひとまず解決。
     でもまぁ、本来なら医師と事務方の間のスリ合わせは、患者が考える事じゃなくて、病院側でやる事だよなぁ(・_・)

    ◆11月12日(水)/2003年◆
     アレルギー性の皮膚炎の相談で患者さんが来店。
     以前からピアスをしていたのに、最近になってピアスの周りが赤味を帯びて痒くなってきたという。
     この、“今まではなんともなかった”というのは花粉症と一緒で、ある日突然症状が現れるのがアレルギー性疾患においては珍しい事ではない。
     イメージとしては、コップに少しずつ水滴を垂らしていく様子を想像してもらうといい。コップのサイズは人それぞれである。
     少しずつアレルギー物質が体内に蓄積されて(より正確には物質に対する抗体が蓄積されて)、コップが一杯になるまではなんの反応も出ないが、やがて満杯になり、ある日突然水が溢れてこぼれ出す───。
     だから今は大丈夫でも、誰がいつ発症するかは分からないのだ。
     アレルギー性の皮膚炎の場合、まず最初に選ぶ漢方薬としては、ウチの場合は十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)となる。
     または、冷え症な人の慢性湿疹には当帰飲子(とうきいんし)を用いる。
     しかし、今回の患者さんの場合は、見た目では色白く、やや水太りの傾向がある。本人にじかに「水太り体質ですね」とは言えないから、「もしかしてダイエットなどはした事ありますか?」と尋ねてみた。
     ダイエットをすると栄養が偏って皮膚に異常が出ることもある、という嘘ではないがちょっと横道から話をもっていく。
     水太りの人は水の代謝が悪いからであって、それがアレルギー症状を激しくしている事がある。その場合、防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)を使うという方法がある。
     以前に水太りの傾向があって金属アレルギーの患者さんがおり、その患者さんは防已黄耆湯を1ヶ月ほど続けたところ、今ではネックレスやイヤリングを装着しても大丈夫になったのだ。
     今回の患者さんは、痒み止めの軟膏をすでに使っているという事だったので、その軟膏を使いつつ防已黄耆湯の服用を勧めてみた。
     また、ピアスをしばらく付けていないと穴が塞がってしまう事を心配されていたので、行き付けのアクセサリーのお店があるようだったら、そのお店で材質の相談をするように勧めた。
     一口に金属アレルギーと言っても、特定の素材にだけ反応するのであれば、別な素材の物を見立ててもらう事で軽減する事もできる。
     
     胃が痛むという患者さんが来店。
     胃薬をとの事だったが、念のために“痛くなる時の条件”を尋ねてみた。
     お腹が空くと痛くなるのと、食べて痛くなるのとでは、用いる薬はおのずと変わる。
     初めは空腹や満腹とは関係無さそうという事だったが、お話をしているうちに、「疲れると胃が痛くなるようだ」と言われた。
     疲労から来る胃腸障害という事は、体が栄養不足で悲鳴をあげているのだろう。普通は風邪などに使うのだが、柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)を勧めてみた。
     胃腸が疲れた時に胃薬を使えば、その成分を分解するのに肝臓が余計に働かないとならなくなって、ますます体が栄養不足になってしまう事がある。胃痛がするからと、簡単に胃薬を使うよりは“養う”方が良い事もあるのだ。
     奥さんに入院前の夕食に何を食べたいかメールで訊いたら、ピザという答えが返ってきた。
     それも『ピザハット』である。入院前の最後の食事が宅配ピザかい(笑)
     http://www.pizzahut.jp/
     家のすぐ近くに店舗があり、直接取りに行くと割引になるので、電話で注文してから受け取りに行った。
     実のところ私もピザは好きで、奥さんが「疲れた~。今日は夕飯作りたくない~」と月に1~2度は言うので、その時に利用してきた。
     で、今日は商品を受け取る時に、ウチの奥さんが入院するのでしばらく来れないかもしれません、とアルバイトの店員に挨拶した。
     こんな挨拶、余計な事でしかないのだが、このお店、マニュアルがどうなっているのか、店員の質の落差が激しい。そのうえアルバイトの入れ替わりが激しいため、ものすごく良い店員さんに出会った後に、客を客とも思っていないような店員に当たる事もしばしばであった。
     でも、知っておいてもらいたいのだ。余計なお世話だけれども、“客には客の物語がある”のだよと。
     例えば、医師や看護婦などは“患者(お客)と死に別れ”という事は当然のように珍しくない。
     薬局だって、“お得意様”がお店に来なくなった時、元気になったか、他のお店に行くようになったかの他に、「このあいだ亡くなったのよ」という話が伝わってくる。
     ウチの奥さんは、入院の準備のために日用雑貨をコンビニで買ってきた。
     今回の入院は、本人自体はそれほど重篤な訳ではないけれど、もしかしたらコンビニで歯ブラシを買ったその人は、自分のためではなく誰か入院した家族のためかもしれない。
     ファーストフードでハンバーガーを買ったその人は、事故で亡くなってそれが最後の食事となるかもしれない。
     そんなお客の物語や運命などは、売る側からはなんの関係も無い事だ。しかし、想像はして欲しい。
     マニュアルさえあれば誰にでもできる仕事だったとしても、自分にしかできない最高のサービスを目指して欲しい。
     そんな思いから出た言葉だった。
     今日のアルバイトの人にどう受け止められたかは分からないが、少なくとも自分もまたそうあらねばと、思いを新(あら)たにした。
     思い出したので、補足トリビア。
    「新しい」は……、「あらたしい」と読むのが正しい。「あたらしい」は、間違った読み方が広まったもの。

    ◆11月13日(木)/2003年◆
     今日は奥さんを病院に放り込む予定で、叔父に車を出してもらった。すでに入院に必要な着替えなどの荷物をまとめておいたので。
     10時の予約時間前に病院に到着して待合室で待っていると、前回と同じように担当のT医師の名前が、患者の順番を表示してあるモニターから消えてしまった。
     またも、緊急手術が入った模様。
     (11月10日の日記参照)
     このまま叔父に待ってもらうのも悪いので、順番が回ってきて入院手続きが済んだらまた来てもらう事にした。
     そのまま、お昼近くまで待ってみたものの、一向にT医師は診察に戻ってきそうもない。
     私は私で、正午からサトウ製薬の新製品の説明会に出席しなければならないため、奥さんを残して一度お店に戻る事にした。
     お店に戻ってメールチェックをすると、数件の健康相談と漢方薬の注文が入っていた。
     説明会が何時に終了するのか分からないので、処理してから出かける事に。
     やや焦っているので、メールを返信する前にいつもより念入りにチェック。
     思ったより時間がかかってしまい、30分以上遅刻して会場のワシントンホテルに到着した。道に迷ったのも痛かった。何度も来た事のあるホテルなのに。
     ホテルの出入りの業者による弁当が昼食としてテーブルに用意されていたが、ほとんどの人がすでに食べ終えていて、説明会が始まるところだったので、終わってから食べる事にした。
     ああ、お茶くらいは欲しかったな。
     サトウ製薬の新商品に関しては、サトウ製薬のホームページに記載してあるので、そちらを参照されたい。
     http://www.sato-seiyaku.co.jp/
     いずれにしろ、ウチでは店頭売りだけで、基本的には通信販売では扱わない予定。どうせ、ドラッグストアーで取り扱いを始めたら値崩れするのは必至。
     情報としては、沖縄県と長崎県では、9月にインフルエンザの患者を確認したそうである。これは例年よりも早く、おそらく今後急速に広まるであろう。なので、風邪関連の商品を充実しておきましょうという話。
     みなさん、風邪の漢方薬セットをよろしく(笑)(現在は中止)
     説明会が終わって、他の参加者たちが営業マンから実際の商品を前に説明を受けているうちに、出された弁当をかき込む。あいかわらず、このホテルに出入りしている業者の弁当はセンスが悪い。焼き魚を2種類も入れて、なんの意味があるのか。せめて美味しければいいが、身はパサパサでタレはまったく魚自身の味を引き立てていない。
     ホテルなんて費用のかかる会場を借りて、高い弁当を用意して、本当に営業費として採算が合うのだろうか。ねぇ、サトウ製薬さん?
     ただし、先に載せたサトウ製薬のホームページを見ると分かるが、お金をかけるべきところにはしっかりかけているのも確か。製薬会社の中では、一般の患者さんにとっても販売店にとっても、使いやすくて役に立ち、それでいてセンスの良いホームページを作っている。
     ウチの、ショボイホームページもなんとかしないとなぁ。
     15時頃には説明会も終わって、すぐにお店に戻った。
     さすがに奥さんの方も診察を終えて入院手続きを終えているかと思いきや、お店に電話してきて、お母んに「帰ります」と言ったらしい。おいおい(^_^; 
     なんでも、T医師からは切迫流産の可能性があると言われ、すぐにお腹の張りを緩める点滴をするように勧められたのだが、入院費込みで月に20万円くらいの費用がかかるとも知らされて、断ってしまたのだとか。
     アホーーーーーーーーー!!!
     切迫流産といったら、まさに流産しかかっている緊急状態である。
     普通、切迫流産の可能性アリと診断されたら、「妊娠を継続“できる可能性”もあります」という、マイナスの方に大きく傾いているという事だ。
     私は自分の子供なんて欲しくないけど、欲しがっていたお前がそんな事で迷ってどーする。
     まぁ、お金の心配をさせてしまう私の甲斐性ナシも悪いのだけれど_(._.)_
     とにかく、「金で命が買えるなら買っとけ」というのが我が家の家訓である。(今できた。)
     ちょうどまた奥さんから電話が今度は私の携帯にかかってきたので、病院で待っているように言い聞かせて駆けつける事に。
     スクーターを飛ばして(交通法規は守りましょう)病院に到着すると、呆れた事に奥さんは待合室で待っていた。
     点滴だけでも受けとけよぉ(^-^;;;
     私が到着した事で看護婦さんがT医師を呼びに行った。すると、T医師はなんと手術着で現れた。帽子も被り、両手には手術用の手袋をはめている。
     これから手術をするところだったらしい。午前中にも手術をして診察もしていたはずである。いったい、いつ休んでいるのか。こんな労働環境じゃ、そりゃ医療ミスも起こるよな、と別な事を思ってしまった。
     そして、T医師が「どうなさいますか?」と訊いてきたので、「入院させます」と即答した。
     一応T医師は「奥さんの意思の方は?」と尋ねてきて、奥さんが何か言おうとしたのを見て私は、余計な事は言うなよーと心の中で思ったのだが、今度はアッサリと「入院します」と答えた。
     ズコーーーッ(・_゚)!!!
     だったら、早く決めとけよー。なにも私が来るのを待つこと無い。
     T医師の方は、なんでもこれから、子宮筋腫が10個もある患者さんの手術をするのだとか。手術前に煩わせて申し訳ない。
    「それじゃ、ベッドの方は用意できていますので」とT医師は手術室の方へと消えていった。
     代わって看護婦さんが病室の方に案内してくれた。
     本当に点滴が用意してあって、完全に病院の方は入院の準備を整えていてくれたようである。それを直前に断りやがって( ̄▽ ̄)
     ベッドに横になるように指示された奥さんは、先に点滴を始めてから、入院にあたっての書類に看護婦さんが口頭で質問しながら記入していく。
     何か質問はありますかと訊かれて、奥さんはテレビの事やお風呂の事などを質問した。そりゃまあ日常生活に関する事を訊きたくなるのは分かるけど、手を焼かせた上に恥をかかさんでくれーσ(^◇^;)。
     入院のために用意した荷物の他に、いろいろと必要な物を思い出したので、叔父に電話して私が足りない荷物を用意してから改めて一緒に病院に運んでもらう事にした。
     しかしなんだな、病院の中は携帯電話の使用は禁止だから、そのたびに外に出るのは面倒臭い。
     病院の壁には、「医療スタッフが使用しているのは医療用のコードレスホンです」という張り紙があるが、何の事はない、ようはPHSだ。
     よく携帯電話とPHSは一緒くたに扱われるが、実はまったく別な技術と思想によって生まれた物である。
     携帯電話は、初めから個人用途の携帯電話として開発されたが、PHSの方は家庭電話を“外に持ち出す”ために開発された。だからPHSは電波の到達距離が短く、発売当初は通話圏内が限定され、携帯電話にシェアを大きく引き離されてしまった。
     その後、PHS会社は至る所にアンテナを設置して、通話圏内を広げていく過程において、“携帯電話と同じ”というコンセプトで販売台数を伸ばしていった。
     ところがである。携帯電話が医療機器に障害を及ぼす事があるという情報が世間に広まった時に、逆にPHSの優位性をアピールしずらくなってしまった。
     その優位性とは、医療機器に影響を及ぼさないという事である。5年ほど前の実験データによると、携帯電話の電波の影響距離が半径3mなのに対して、PHSはわずか20cmだったという。
     だから、鉄道などの車内放送では「心臓ぺースメーカ等に影響があるので」とアナウンスしているが、実は心臓ぺースメーカーなどの医療機器を体内に入れている人たちは、以前からPHSを使用しており、なんら問題は無いのだ。
     さらに、最近では携帯電話の機能が飛躍的に向上して、ネット機能やカメラ機能が搭載されるようになっただけではなく、電波の影響距離も今や20cm以下となっているのだ。
     病院では万全を期すために携帯電話を使用禁止にするのは当然かもしれないが、そろそろ全面的な使用禁止以外の対応を検討する時期に来ているのではないだろうか。
     例えば、家のセキュリティや子供の安全のために携帯電話を利用するサービスがすでに始まっている。病院で診察を待っている間、入院している間、お見舞いに来ている間、それらの機能を利用できなかったら、せっかくの安全対策が活かされない事になる。
     
     とりあえず奥さんの方は、これから数日の間は、毎日16時間ほど点滴を続けて様子を見る模様。
     なんとか病院に放り込んで、ヤレヤレである。
     帰りぎわに、自分が入院している間に浮気をしてもいいけど家には連れ込まないように釘を刺された。うう、読まれてる(苦笑)。
     家に連れ込んだ方がホテル代が浮くという私の提案は却下された(・_・)ノ

    ◆11月14日(金)/2003年◆
     子供が風邪をひいたという事でお客さんが来店。
     いつもならば、子供の風邪には麻黄湯(まおうとう)を勧めているのだが、症状を詳しく尋ねると吐き気がしているらしい。吐き気があるのでは、麻黄湯は使えない。何故ならば、麻黄湯は熱を出すことで体が風邪と戦うのを支援する漢方薬である。それゆえに自身のエネルギーを必要とし、胃にも負担がかかる。
     吐き気がするという事は、すでに風邪が胃腸に影響を与えている訳で、次の選択としては柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)が候補に上がる。
     しかし、普段から体が弱くて風邪をひきやすい方だという話も伺ったので、小柴胡湯(しょうさいことう)の方を勧めた。小柴胡湯は、胃と肝臓に栄養を与えて、体の土台を整える。子供の風邪の予防としても使えるので、冬場には1日の回数を減らして服用するのも良い。
     また、もしも吐いた時には二陳湯(にちんとう)を合わせて服用するように勧めた。乗り物酔いなど、吐き気や嘔吐一般に用いる漢方薬である。
     午後になって、奥さんから頼まれていた着替えなどを病院に届けた。
     ベッドが硬くて寝にくいだの、食事が不味いだのと愚痴をこぼす。
     自覚症状が無いだけ、まだマシなもんである。私が顎の手術を受けた時には、流動食用の管を胃に入れたままでそれが胃壁に当って痛くて夜も寝られなかった。そのうえ、食事は流動食だったから、注射器のような道具で胃に流し込んでハイおしまいという味気無さ。
     まぁ逆に言えば、流動食だったから味は関係なかったけれど、食べれるのに美味しくないのは、それはそれで苦しいか。
     確かに医療センターの食事は美味しくないという評判が高い(低いのか)。
     JR西川口駅の方にある埼玉県済生会川口総合病院の方などは、入院していた患者さんが「食事が美味しくてねぇ、退院するのが残念だったわ」と言うくらい美味しいらしい。
     http://www.saiseikai.gr.jp/
     しかし、奥さんが入った部屋は2人部屋である。ここしか空いていなかったのだ。そのうえ、今は片方のベッドは空いているので、実質個室である。贅沢なのよ、分かってる?
     4人部屋は、テレピがプリペイドカード方式で見放題という訳にはいかないし、他の患者さんのお見舞いの人が出入りして落ち着かない。
     ところが、奥さんはそっちの方がいいと言う。1人で部屋にいるのは嫌だとの事。
     私なんか、1人の方がいいけどなぁ。
     まぁ、そう言うのならば差額ベッド代が馬鹿にならないので、看護婦さんの方に4人部屋に空きができたら回して下さいと伝えた。
     社民党の土井党首が辞任というニュース。
     先の衆議院選挙の敗北の責任と、自身の小選挙区での落選を踏まえてのものだとの事。
     マスコミの方は、土井氏の軌跡を辿って“栄光と挫折”というように扱っていた。それも、かなり意地悪な編集で。
     しかし、私は平和を声高に叫びながら一切の具体策を提示しない、それこそ流行語(?)にもなった「ダメなものはダメ」という思考停止のような土井氏は大嫌いだが、全盛期の旧社会党と現在の社民党を比較して、土井氏を責めるのも少し酷ではないかとも思う。
     そもそも社会党は労働者のための政党として活動してきて、主に労働組合などの組織票に支えられてきた。
     そこに市民運動家などが流れ込んできて、“庶民の味方”という政党イメージをアピールして政界の中で一大勢力となっていった。
     ところが、時代の流れで「搾取する経営側と、搾取される社員」という対立構造は崩れ、バブル崩壊後の平成大不況においては経営者と社員は協力関係を築くようになり、社民党の中で労働組合派と市民運動派が対立。そしてついに社会党は分裂し、労働組合派は民主党に合流し、市民運動派が社民党になって残った。
     つまり、現在の社民党は実質的には旧社会党の支持基盤であった労働組合ではなく、市民運動家を中心とした別な政党であり、本来の旧社会党の労働組合派は民主党と合流する事で、すでに旧社会党は消滅しているのだ。
     市民派の政党として2大政党制を目指す民主党の方が、組織票に頼る旧社会党の労働組合系の議員を取り込んだというのは、なんとも皮肉な成り行きである。
     昨年の2月に、交差点を乗用車で右折中、直進してきた原付きバイクの男性をはねて重傷を負わせたとして、業務上過失傷害罪に問われた都内に住む主婦に対し、無罪(求刑・罰金20万円)判決が出たというニュース。
     略式起訴を退けられた末に無罪となるのは極めて異例だとの事なのだが、事故の概要からすると、なんで起訴されたのかの方が不思議。
     当時、主婦の対面信号は赤に変わっており、右折しようとしたところ、原付バイクが直進してきたという。それならば、赤信号で交差点に侵入してきた原付バイクの方に過失があるのは明らかなはず。
     ところが担当した検事は主婦に対して、「赤信号を無視する車両があることはよく経験することで、この交差点でも十分予想できた。」として供述調書に署名させて略式起訴したのだとか。
     そりゃ、確かに赤信号を無視して直進してくる車やバイクはあるけれど、違反している方の過失を問わないってのは、どういう事なのか。単に自分が仕事を楽したかったからとしか思えない。
     今回の判決で、裁判官が「当時、主婦の対面信号は赤だった。『赤信号を無視して新たに進入する車両はない』と判断して右折を開始したのはごく自然であり、犯罪の証明はない」と述べたというのは当たり前に過ぎるだろう。
     ところが呆れた事に、東京簡裁が略式不相当として裁判を始めると、検察の方は信号に関する目撃証言を「事故当時の信号は黄色だった」と変更したのだそうだ。
     さすがに裁判官の方は、「信用性に重大な疑問がある」として退けた。そりゃそうだろう。人を馬鹿にするのにもほどがある。
     とかく事故を起した時には頭が混乱してしまい、警官や検事に言われるままに書類に署名してしまう事があるというから、自分が冷静になるまで、あるいは弁護士が決まるまでは気をつけなければならないだろう。
     ちなみに、逮捕拘留されると基本的に私物は取り上げられ、自分の手帳なども見せてもらえないそうである。つまり、家族と連絡がつかない場合、他に連絡をしようとしても電話番号を確認する事もできないのだ。
     最近では携帯電話などに電話番号を入力しているため、電話番号を記憶しているという人は少ないそうだから(私もそうだし)、いざという時に連絡しようと思う人の電話番号は暗記しておいた方が良い。
     と、以前に逮捕拘留された知人が申しておりました(苦笑)。

    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
    今回の日記の内容は、いかがでしたか?
    【感想アンケートのURLはコチラです】
    http://www111.sakura.ne.jp/~kitazono/votecom_kitazono.htm
    ☆締切:2003年11月24日から3日間
    ■■■■■■■■■■■■■■■□免責事項□■■■■■■■■■■■■■■
     記載内容を利用して生じた結果につい
    て、当方では責任がとれませんのでご了承ください。
     また、筆者が思った事や感じた事を率直に書いている事柄に関しましては、反証可能な事実誤認以外の訂正には応じられません。
     URLで紹介した先のページの著作権は、そのページを作成した人にあります。
     URLを紹介する事に違法性はありませんが、文章等を転載する場合は、作者の許諾が必要となります。
    *************************** 趣味の活動 ***************************
    ◆TRPGのサークルに所属しています。
     卓上ゲームが好きな人や、興味のある方は覗いてみて下さい。
     また、『コミュニケーション』のコーナーでWEBラジオ番組『幻想時間』を公開しています。
     私は主に、映画についてトークをしています(・v<)
     http://www.snake-eyes.gr.jp/
    ------------------------------------------------------------------------
     このメールマガジンは、『まぐまぐ』 http://www.mag2.com/ を利用して発行しています。
     解除はこちら http://www.mag2.com/m/0000109927.htm から。
    ------------------------------------------------------------------------

     

  • ≪通巻35号≫
    体験! ジェットコースタードラマ/選挙があると薬屋は儲かる?/子宮筋腫のCT画像

      ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
      ★彡☆-=★彡  それさえもおそらくは平凡な薬局  ★彡☆-=★彡
                       ≪通巻35号≫
      提供 : まぐまぐ http://www.mag2.com/
      発行 : 北園薬局 http://plaza2.mbn.or.jp/~kitazono/
      編集 : 北村俊純
      窓口 : kitazono@a1.mbn.or.jp
      ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
    ◆お詫び
     諸般の事情により、メールマガジンの発行が大幅に遅れて申し訳ありません。
     10日(月)の日記で一部触れていますが、詳しくは次号の日記に書く予定です。
     健康相談と商品の注文には遅滞の無いようにいたしますので、今後ともよろしくお願いいたします。
    ~~~~~~~~~~~~~ 今回の日記の主な話題 ~~~~~~~~~~~
    ※11月8日(土)……体験! ジェットコースタードラマ
    ※11月9日(日)……選挙があると薬屋は儲かる?
    ※11月10日(月)……子宮筋腫のCT画像
    ************************* 今回の平凡な日記 ***************************
    ◆11月8日(土)/2003年◆
     今日は、毎月開催しているSNAKE-EYESのTRPGコンベンションである。
     私もスタッフとして関わってから5年ほど経つが、土曜日の開催というのは初めて。
     以前から参加者から土曜日開催の希望があった事、学校の週休2日制が定着した事、会場の予約が完全抽選になり土曜日の方が倍率が低い事など条件が揃い、実際にどの程度の参加者数があるのかを確かめてみたいという算段もあって今回の日程に決めた。
     会場に到着すると、入りは定員の半分程度。こりゃまた少ない。
     一方で、いつもは半分しかいないスタッフが、珍しく勢揃いした。一般参加者2人に対して、スタッフが1人という構成である。
     それならばと、今回はスタッフ全員が各ゲーム卓に入ってゲームに参加する事にした。通常は受付に事務スタッフを2名は残すのだが、まぁ今回は目が届くだろうという事で。
     TRPGについては、8月3日の日記を参照。
     今回私が入った卓のゲームのタイトルは、『もう誰も横浜の果てで涙と言う名の同窓会だけ見えないRPG』。
     ピンと来た人は、90年代にトレンディドラマならぬジェットコースタードラマを観ていた人だろう。
     念のために書いておくと、ジェットコースタードラマとは、10分でも見逃したらストーリーが分からなくなる程の急展開があり、なんの脈絡も無く殺人事件が起きたり、伏線も無くドンデン返しがあったり、重要だと思っていた登場人物がいつの間にか出なくなったりという、そういう事が“許された”時代の仇花のようなドラマの事である。
     いや、最近もそんなドラマがあるらしいけど、とんと見ていないので知らない。
     
     で、まずプレイヤーはゲームの中で使う登場人物=キャラクターの設定を決める。自分で考えても良いのだが、キャラクターを作るための表があるので、それを使う事にした。6面体ダイス(サイコロ)を振って、その出目に対応した事柄をキャラクターの設定として使うのだ。
     例えば私のキャラクターは、表の顔として“普通”の“飲食店経営”で“お金に困っていない”となった。もちろん、これだけでは面白くないので、裏の顔もダイスを振って、表を当てはめる。すると裏の顔は、“悪徳”の“医師”で、“誰かの財産を狙っている”し、“逮捕歴がある”し、“隠し子がいる”となった。
     何故みんな、(゚゚)(。。)(゚゚)(。。)ウンウンと頷くんだ。特に、“隠し子がいる”というところで(笑)
     このままだと整合性がまったく無くなってしまうので、細かい設定の調整は自分でやる。今回は、どういう偶然か他のプレイヤーさんたちのキャラクターが高校生や高校の教師などに偏り、舞台設定を高校にしようという事になったので、私は高校の近くの喫茶店のマスターという事にした。ただし、裏の顔が悪徳医師という事なので、ヤクザなどの裏家業の人たちを相手に治療したり、時には暗殺を請け負う闇医者という事にした。
     ちなみに、他のプレイヤーさんたちのキャラクターは以下の通り。
     最初の、手塚真というキャラクターが私のキャラである。
    『手塚 真』……喫茶店『マンハッタン』経営。裏の顔は闇医者。隠し子がいる。
    『手塚恭平』……真の養子で男子高校生。裏の顔は番長で、実は真の実子。
    『山中裕季』……ミュージシャンで恭平の先輩。『マンハッタン』に居候しており、実は恭平とは異母姉弟。
    『安斉和也』……高校の養護教諭。裏の顔は、研究者でバイセクシャル。
    『石川 均』……高校の事務員。裏の顔は、プレイボーイで恭平を狙っている。
    『針谷響子』……高校教師で和也にぞっこん。裏の顔は風俗嬢のバイトをしている。
     そして、さらに関係が複雑な事に、真と響子と均の3人は某金持ちが愛人に産ませた異母兄弟で、真と均だけがその事を知っている。
     だって、ダイスを振ったらそうなっちゃったんだもの(^_^;
     しかも、どう見ても生徒も教師もまともじゃないため、ゲームのタイトルに合わせて学校名を『横浜第二高校』とした。なんとなく、頭悪そうな学校だよねって事で。ホントにあったらゴメンなさい(苦笑)。
     さて、物語の進行だが、これは“運命濁流表”というもので決まる。キャラクターを作った時と同じようにダイスを振ることによって、その出目と対応した表があり、それによって状況が決定付けられるのだ。
     そして、その状況にキャラクターがどういう行動を起こすかをプレイヤーはアドリブで演じていく。
     例えば、響子は上司に呼び出されることになった。高校の上司であるから、校長か教頭という事になる。響子の裏の顔は風俗嬢であるから、もしかするとその事かもしれない。さて、どうするか?
     今回はプレイヤーが素直に従う事を選択した。すると、呼び出された理由は担当しているクラスの宿題の提出率が悪いという事で注意を受けたのだ。下手に何か別な行動を起さなくて正解だった訳だ。
     そんな調子で、ドラマの第1話にあたる最初の30分は、登場人物の紹介という感じになった。
     これがまぁ、ロクな登場人物がいない(笑)
     養護教諭の和也がいる保健室には、常時生徒が寝に来ていて、ベッドの予約まで入っている始末。
     私のキャラクター、真が経営している喫茶『マンハッタン』には昼間っから生徒がダベッているは、居候の裕季は後輩に学校をサボらせてバンド活動をしているは、その高校の事務員は教師も生徒も関係無くたらしこんでるは、ひどいもんである。校内暴力で荒れてる高校の方がマシじゃあないのか(笑)?
     30分で、だいたいドラマの1話という事で区切りをつけて第2話目に入る前に、再び“運命濁流表”に基づいてダイスを振った。
     ここで決まった事が、いわば第2話の予告となる。
     すると、私のキャラクターである真が“子供を殺す”という事になった。早くも第2話でそんな展開かい(^_^;
     同じように、他のキャラクターたちも“見せ場”となる展開が決まった。第2話目では、どんな形でもいいからアドリブでそのシーンを演じなければならないのだ。
     そして、第2話目を開始。コーヒーの出前の注文を受けた真は、車で配達に向かう途中で子供を跳ねてしまう。すぐに飛び出して子供の状態を確認し、病院へ連れて行ったが死亡。これにより、とりあえず“予告”の内容はこなした事になる。
     しかし、それではドラマは面白くならない。闇医者である真は知り合いの武井代議士に事件の揉み消しを依頼した。唐突に悪徳代議士が出てきて事件を揉み消すのは、この手の安っぽいドラマの常套手段だろう(笑)。
     そうやって物語が転がり始めたら、他のプレイヤーも乗らなければ物語の蚊帳(かや)の外に置かれてしまう。
     そこで、実は死んだ子供はプレイボーイの事務員である均の1人息子という事にして、武井代議士から遣わされた秘書から多額の見舞金を受け取り、均はその金を自らの借金の返済に充ててしまう。だが妻はそんな事では納得できずに警察の捜査に不審な点があるとして真相究明のための市民活動を始める。
     そうしてまた一区切りついたところでダイスを振り“運命濁流表”で次の話の“予告”を決めていった。
     このまま全編を書くと本当にドラマが1本できてしまうので(しかも支離滅裂な)割愛するが、一応この後の荒筋はこんな感じである。
     
     高校教師の響子は恋人の和也に風俗嬢のバイトをしている事を知られ、寝ている和也の部屋に火を点けて心中を計ろうとしたものの気づかれて失敗してしまう。そして数日後に学校に行くと、風俗でバイトをしているという事で退職を迫られた。後任には、なんと和也の大学時代の“彼氏”が赴任する事が決まっていた。傷心の響子は高校を退職し、風俗嬢として生きる事を選択した。
     そんな響子に、武井代議士の息のかかったスナックのママをやらないかという話が持ち込まれる。いわば、政治家が表立っては取引のできない事をやるための場所だ。自ら堕ちていく事を選んだ響子は、その話を受ける。
     一方、私のキャラクターである真は、武井代議士の依頼により、広瀬という女性ジャーナリストの暗殺を依頼される。しかし、広瀬は真の旧来の友人の1人であった。なんとか広瀬を殺さずに、しかし武井代議士に任務を遂行したと思わせる方法は無いかと思案したが……。
     残念ながらゲームが時間切れで、この件に関しては未解決となってしまった。
    まぁ、ジェットコースタードラマには、そんなふうに張られた伏線が解決しないまま最終回を迎えて、「そういやアレはどうなったんだ?」という事が多かったから、これはこれで良し(笑)
     響子を裏切った和也は、かつての“彼氏”と再び恋仲にとなるはずが、その彼氏が麻薬の密売をしている事を知り愕然とする。麻薬で頭のおかしくなった彼氏に警察に自首するように勧めた和也は、結局は響子を失い、元恋人の彼氏も失ってしまった。いと哀れ。
     子供を交通事故で失った均は、お金を受け取っておいて真が起した交通事故の真相追究を妻がしようとするのを抑えられないのは裏切り行為だとして、武井代議士が雇った刺客に刺されてしまう。その時に、自分の子供を殺したのは異母兄弟である真だという事を知り、瀕死の状態になりながら真のいる喫茶店に向かった。
     喫茶店に入り、実の兄である真を殺そうとナイフを握り締めてカウンターに近づき、悟られないようにコーヒーを注文する均。真の方も均が自分に復讐をしようとしている事に気がつき包丁を手にしながらコーヒーを差し出す。
     お互いが相手を殺そうとしたその瞬間、均の方が先に椅子に座ったまま絶命した。真は、周りの客に気づかれないように「お客さん、具合でも悪いんですか」と声をかけて、均の遺体を運び出した。
     裏で番長をしている恭平は、バンド仲間の少年がやはり同級生の少女を妊娠させてしまいバンドも学校も辞めて働く姿に感動(?)して、自分も愛に生きてみたいと思うようになっていた。そんな恭平の前に、キャピキャピした(死語)女子生徒が転向してきて(苦しい時の転校生頼み)、一目ぼれされた恭平は追い回されることになった。今回のドラマ中、唯一救いのあるオチのような気がする(笑)。
     バンドをやっている、ミュージシャンで真の喫茶店に居候をしている裕季は、1人カウンターで新しい曲を完成させた喜びに浸っていた。
     ドラマの重要な位置にいながら、ちっとも本編に関わってこないヒロイン(笑)
     なんだか打ち切りドラマのようになってしまったが、久しぶりにバカなゲームをやってかなりリフレッシュした気がする。
     本当はそのまま撤収作業をして反省会までいたかったのだが、今日は別な用事があり、早めに辞去した。手伝いをせずに申し訳ない。
     別な用事とは、地元で某同窓会があるのだ。
     メンバーが一同に介するのは約10年ぶりくらいになる。
     ほぼ全員が出席するという連絡をもらっていたので、行かない訳にはいかない。
     会場には、1時間遅れで到着。
     まだ食べ物が残っていた。良かった(⌒▽⌒)
     SちゃんやMちゃんやKちゃんなどが、飲み物と食べ物を揃えてくれる。
     みんな、少女からイイ女になったねぇ。
     まずは一杯飲んでから、少し食べ物をお腹に入れて、他のメンバーに挨拶回り。
     誰だか思い出せないカッコイイ男がいて、さりとて本人には訊きにくいので、同じくメンバーの1人であるT姉に尋ねたら、なんとTくんだとの事。私の記憶の中では、チョロチョロと落ち着きの無い男の子だったのだが、女性陣と同じく、少年からイイ男になったようである。
     最後に会ったのが確か中学生くらいだったKくんが「ボクの事分かります?」
    と尋ねてきたが、こちらは成長しても昔と印象が変わらない。昔から落ち着きのある男の子だったからか。
     Kくんに名刺を渡すと、「自分、こういうのもらった事ないんですよ。どうしたらいいんですか?」と訊いてきた。
     なんでも就職の内定が決まったらしい。それはメデタイ。
     まぁ、ビジネス書にも書いてある事だが、受け取る時には両手で受け取る事、必ず名前と役職を声に出すなど確認をして相手の事を覚えようとしている姿勢を示して、目の前で名刺入れなどに仕舞う事で大切に扱うという態度を見せるように言った。
     そして、自分も名刺を渡す時には必ず相手が出した時よりも低い位置から差し出し、関係者間ならばお辞儀の角度は30度、お得意先ならば45度と伝えた。
     もっとも、最近ではそんな“シキタリ”を守る人の方が少ないかもしれないが。
     しかし驚いた事に、Kくんはすぐさま言われた通りにやってみせて、「どうですか?」と確認してきた。ううむ、立派なヤツ。もとより誠実な人柄だから、先輩や上司に可愛がってもらえるだろう。いや、できすぎてかえってイジメられるか(苦笑)?
     Fくんからは、「結婚したなんて知らなかったよー」と言われた。私が結婚した事が不思議で仕方ないらしい。私も同感(笑)。
     結婚前に付き合ってた女性たちはどう整理したのかと聞かれたので、「まったく整理しなかった」と答えたら、「ええー!?」とまた驚かれた。
     するとそこへT姉が割り込んできて、「Fくんは純粋なんだから汚れた大人の恋愛なんか教えちゃダメ」と言う。
     私よりも輪をかけて汚れてる人がナニを言う(笑)
     そう言えば、今日のメンバーの中の男性陣をつまみ食いしていたT姉も、このFくんにだけは手を出さなかったな。純朴すぎて少ない理性が働いたか。
     そのFくんは今は、大手パソコンメーカーに就職していると聞いて、今度はこっちがビックリ。私の弟と同じ会社である。大きいから顔を合わせる事は無いだろうが。
     1次会がお開きになって、2次会のカラオケ屋に向かう途中で帰るメンバーがいるという事で揃っているうちに記念撮影をしようという話になった。
     それはいいのだが、全員が写真に入るために、なんとゲームセンターの店員にシャッターを切るのを頼んでしまった。そのゲームセンターで遊ぶ訳でもないのに。これだから、酔っ払いは(苦笑)
     そしてカラオケ屋では、最初は普通にJ-POPなどを歌っていたのだが、誰が始めたのか(私もその1人なのだが)、途中からアニソン・特撮ソングが混じりだしてしまった。女性陣が引くんじゃないかと心配したけれど、まぁ女性陣は女性陣で会話が盛り上がっていた模様。
     私としては、心の師匠である山本正之御大の歌を一緒に歌えるメンバーだったのが良かった。なにしろマイナーな歌手なので滅多に歌う機会が無い。
     http://www.bellabeaux.co.jp/yamamoto/
     1次会ではもっぱら男性陣と話をしていたのだが、ここでは歌っていない時に女性陣ともお話をした。
     K子ちゃんから、結婚したと聞いてビックリ。
     いやぁ、中学時代のツライ恋愛を経て結婚しましたか。おめでとう。
     と思ったら、すっかりヤサグレていた(笑)
    「ねーねー、男を紹介してよ~」などと言う。あんなに一途な女の子だったのに(p_;)
     なんでも旦那さんはものすごい心配性で、今日の飲み会に参加するのも10年ぶりの友達と会うからという事で許してもらったらしい。
     で、旦那は旦那として愛しているけど、男遊びをしたいと。
    「浮気を許してる奥さんなんてできすぎー。バチ当るよ」と言われた。
     そうでした、コチラがK子ちゃんの過去の恋愛遍歴を知っているように、K子ちゃんも私の恋愛遍歴を知っているんでした(^_^;;;
    「小学生から女子大生まで揃えてるなんて贅沢よ」と言われたので、それには反論。「今はフラれ続けて1人しか残ってない」と。ん? 反論になってないか?
     逆に「それは、釣った魚に餌をあげないアンタが悪い」とお説教された。やっぱり強くなったなぁ(笑)
     カラオケの方は延長に次ぐ延長で、終電はとっくに過ぎて始発を待った方が早いくらいの時間になってしまった。
     私を含めて明日も仕事があって近場のメンバーは、始発待ちの3次会には出ずに帰る事にした。と言っても、私はちっとも近場じゃないのだけれど、始発まで待っているよりは歩いて帰った方が早く寝られる。
     そう判断して歩き始めたものの、さすがに4駅分は遠くて60分ばかりで着くと思ったのに90分もかかってしまった。やや、足が痛い。
     しかし、歩こうと思えば歩けるもんだなとも自分で感心。
     中学校時代に学校行事で『夜行軍』があったせいかもしれない。
     『夜行軍』というのは、22時から翌日の6時までの間に山を歩いて越えるという“遠足”みたいなもので、登山を趣味にしていた担任教師の発案で行われた。なにしろ、「登山するため」という理由で有給休暇で学校を休むような人だった(笑)。
     あまりにも過酷ということでPTAから反対の声が出て1回限りの行事のはずだったのだが、生徒の間からはまたやりたいという声が上がって翌年も、その次の年も行われた。
     しかし、私たちが卒業した後はやらなかったそうだから、後輩たちには不評だったのかね。不評だろうなぁ、夜通し歩き続けるんだから(笑)。
     とにもかくにも明け方近くに家に着いて、お風呂に入ってグー( -.-)zzzZZZ。
    //////////////////////////////////////////////////////////////////////
     感想や健康相談はコチラ(・v<)
     http://www111.sakura.ne.jp/~kitazono/bbs_kitazono.htm
    //////////////////////////////////////////////////////////////////////
     
    ◆11月9日(日)/2003年◆
     昨日の無理が祟って、体調は極めて不良。
     地竜(ぢりゅう)を飲んでみたがどうか。
     風邪をひいたまま長引いているという患者さんが来店。
     咳も出ているようなので、体力をこれ以上消耗させないために柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)と、咳を抑えるために麦門冬湯(ばくもんどうとう)を勧めた。
     替わって、鼻風邪をひいたという患者さんが来店。
     鼻水が出るという事で、ひとまず小青龍湯(しょうせいりゅうとう)を飲んで様子を見てもらう事に。夜になって寝る頃になると鼻が詰まるという人もいるので。その場合は、葛根湯加川きゅう辛夷(かっこんとうかせんきゅうしんい)を併用する事になる。
     
     咳が止まらないという患者さんが来店。
     痰のからむような「ゴホンゴホン」という咳なのか、それとも「コンコン」というような乾いた咳なのかを尋ねてみたが、こちらの説明が悪いのか良く分からないという。
     それでは咳が出るのは体が冷えた時か、それとも温まった時なのかも尋ねてみたが、やはり良く分からない模様。
     さてどうしたものかと思ったら、目の前で患者さんが激しく咳き込んだ。
     お店の中は外よりも暖かい。そして咳の方は咽喉に痞(つか)えるような咳だった。
     となると、肺の潤い不足が原因だろう。例によって、体内の水分が上手く体を巡っていないという事だ。こういう時には麦門冬湯(ばくもんどうとう)が適応するはず。
     こうやって目の前で咳をしてもらえると一番良く分かる。
     簡単なメモでも良いから、症状がひどくなる時の条件、気温の変化や時間帯などを記録しておくと、お店で相談する時の重要な情報となるので、ぜひやって欲しい。
     子供が風邪をひいたという事で葛根湯(かっこんとう)を求めにお客さんが来店。
     葛根湯は風邪の初期に用いると効果的だが、よほど虚弱な子供でなければ、早々に体温を上げて熱を出させてしまった方が早く治ってしまう。見分け方としては、食欲があるか、目に元気があるかなどが指標となる。
     その辺りを尋ねてみたところ、本人は元気に遊んでいるそうなので、麻黄湯(まおうとう)を勧めた。
     今日は日曜日の割りには、よくお客さんが来てくれた。珍しい事もあるもんだと思ってハッと思い出した。衆院選の投票日である。どうりで、人通りがあるはずだ。
     慌てて公民館に投票に出向いた。
     19時の時点で投票率は40%を越えたところだった。いいのかね、こんな事で。
     投票に行かなかった人は、次の選挙まで政治に愚痴をこぼす資格を失う事になると私は思うのだけれど。
     友人たちとは、昔から選挙には行こうと約束していたものである。
     前回の衆院選の時だったか、遊びに行く約束をしていて、選挙に行ってから集合という事にしていたのに(しかも、選挙に行くのならば遅刻可)1人が投票に行かずに来た事が判明。
     車で、彼の選挙区の投票所まで乗り付けて投票させた。
     悪口を言うためには義務を果たさんと(笑)
     
     テレビで選挙速報を見てみると、戦後2番目に低い投票率だったらしい。
     確かに今回は、党のマニフェストと候補者の公約が一致していないなど“ネジレ選挙”と言われているが、それならそれで白票を投じてくれば良いのに。
     妙に冷めて「どうせ誰がなっても同じ」と言い訳する前に、自分の意思を示しておくべきじゃないのかね。
     それこそ、投票率が90%を越えて白票(無効票)が半数を占めたりすれば、政治への関心が高いのに信頼できる政治家がいないという事を突きつける事になると思うのだが。
     選挙速報、自民党の圧勝とならず面白い感じではあったが、昨日の不摂生を引きずった体力では眠気に勝てず没落、もとい脱落して就寝。
    //////////////////////////////////////////////////////////////////////
     感想や健康相談はコチラ(・v<)
     http://www111.sakura.ne.jp/~kitazono/bbs_kitazono.htm
    //////////////////////////////////////////////////////////////////////
    ◆11月10日(月)/2003年◆
     小雨が降っている中、市の医療センターへバスで奥さんと向かった。
     子宮筋腫の件で、担当のT医師から夫婦で出頭するように言われたのだ。
     産婦人科の待合室で待っているのは女性ばかりで、さすがに居心地が悪い。
     しかも、予約時間を過ぎてもなかなか呼ばれない。モニターには受付番号が表示されていて、そこに自分の番号が出たら、さらに奥の待合室に移動する事になっているのだが、肝心の担当のT医師の名前がモニターから消えてしまった。
     受付の人に尋ねてみると、緊急手術が入ったそうな。
     ううむ、それは大変だなぁ、待つ方の患者も、診察をしながら緊急手術をしなければならない医者も。
     午後にズレ込むかとも思ったが、しばらく待っていると手術が終わったのかT医師が戻ってきた。
     そして、お昼になる前に順番が回ってきた。
     基本的に産婦人科の診察室には男性は立ち入らないように注意書きがあり、まず奥さんが入っていった。しばらく待っていると、奥さんが出てきて手招きしたので私も中へ。
     回りくどい尋ね方をしても時間の無駄なので、単刀直入に現在の状況を尋ねると、CTスキャンの画像を見せられた。
     明らかに筋腫が大きくて、胎児がスミの方に追いやられている。
     そしてT医師の話では、「ひっそりと生きています」との事。
     普通ならば、「元気に」とか「スクスク」というところだが、「ひっそり」とはまた文学的な表現をするものである。
     などと感心している場合ではない。
     思っていた以上に深刻だ。
     T医師がすぐにでも入院をと勧めるのに、ウチの奥さんの方は今まで入院した経験が無いせいか、入院期間や入院すれば大丈夫なのかなどとあれやこれやと質問をして入院を回避しようと抵抗。
     T医師の方は、「強制はできませんから」とあくまで患者の自己選択に委ねる。それはそうだろう、医師は神様ではない。治療の結果を断定する事などできない。特に医療ミスが大きな問題としてマスコミに取り上げられる昨今の状況では、なおさら慎重な発言となるのも無理は無い。
     こういう時、本当は医師がビシッと「入院するべきです」と言ってくれた方が、逆に逡巡している患者にとっては良い事もあるのだが、そういう事は残念ながらマスコミや、純粋真っ直ぐな正義を振り回す輩は省(かえり)みない。
     奥さんの質問の仕方では埒が明かないので、現状から考えられる今後の状況を尋ねると、良くて流産か早産。また、筋腫が動脈と接していれば、今回流産したら次の妊娠は無いという事だった。
     事態は深刻どころではない。最悪である。入院を迷う選択など無い。
     しかし、奥さんの方は余計に動揺してしまい、ますます判断力を喪失してしまったようだった。
     しょうがない、このまま病院に放り込んでやりたいが、とにかく本人が入院する意思を固めない限りはそうもいかない。
     もう一度良く考えてみますとT医師に答えて、来週の月曜日に予約を入れて胎児の状態を詳細に検査してから入院するか決める事にした。
     結局帰ってきてしまったため、お母んには怒られてしまった。
    「医者が入院を勧めてるならアンタが入れてこなきゃダメでしょう」
     まぁ、そりゃそうなんですが、落ち込んだまま入院させると余計に気が滅入ってしまうだろうから、ちょっと元気づけてからという事で。
     お昼になったので、奥さんが以前から一度行ってみたいと言っていたレストラン『サザンクロス』に連れて行った。
     場所はJR東浦和駅を出て右に曲がり、さらに右に曲がってゆるい坂道を下ってイタリアレストランの『サイゼリヤ』を通り過ぎた先にある。
     お店の売りは、南欧の家庭料理のようである。
     家庭料理としては、やや値段が高い印象。
     私は上海蟹のパスタを食べたのだが、味と比べると特にそう思った。美味しいけれど、値段とは比例していない感じ。
     しかし、奥さんの方は満足したようで、やや気持ちも持ち直した模様。入院する事に決めた。
     となると、来週に診察の予約を入れたけれど、先に入院する手続きを取らなければ。
     私はお店に戻り、午前中に来ていた健康相談に返信したり、注文を順次処理していった。
     手が離せないので、奥さんに病院に問い合わせるようにメールで連絡。
     
     先日、咳止めに麦門冬湯を渡した患者さんが来店。
     麦門冬湯だけでは咳が止まらなかったようなので、麻杏甘石湯(まきょうかんせきとう)を足すことにした。
     服用しすぎると体を冷やしすぎてしまうが、夜になると、つまり体が温まると咳がひどくなる場合に有効である。
     病院からFAXで入った処方箋に、在庫の無い薬があった。
     問屋さんに頼めば、夜までには届けてもらえると思って値段を確認したら、1錠で360円もする薬だと判明。
     100錠単位で注文するとなると、ちょっと在庫を抱えるのは怖い。
     なので、必要な分だけ備蓄センターに貰いに行くことにした。その備蓄センターは医療センターの隣にある。
     もっと早くFAXが入っていれば、奥さんの診察の時についでに貰ってきたのに(苦笑)。
     家に帰って病院に電話したか奥さんに尋ねたら、明日にでもどうぞと言われたのに断ってしまったらしい。
     入院するための準備が必要だからと答えたのだとか。
     準備なんて、いらんわ(^_^;)
     どうもまだ、自分の状況が分かっていないようである。それとも、無意識に理解するのを拒否しているのか。マッタク=3 
     テレビでは、昨日の選挙結果について特集を組んで放送していた。
     ウチの方の地元では、自民党の新藤義孝氏が落選したようだ。比例名簿に載せていなかったらしい。絶対に受かると思っていたのか、名簿に載せてもらえなかったのか。
     だいたい新藤氏の場合、地元に後援会を持っておらず、複数の団体の組織票に頼っていた。それでいて地元には1回も挨拶に来なかったのだから、落ちて当然という気もする。
     マスコミはやたらと自民党の辛い勝利、民主党の躍進という捉え方をしているが、それを小泉首相の選挙に強いという神話が崩れたという方向に持っていこうとするのは、やや違和感を感じる。
     確かに小泉首相の盟友である山崎氏は落選したが、どちらかというと本人の責任で、地方の当落結果を見てみると郵政民営化を反対している人など反小泉といえる人たちがかなり落選している。
     これは、小泉首相があえて応援に行かなかったからだとも言えるが、代わりに安倍幹事長が駆けつけたりしているのだから、投票には直接は関係無いだろう。
     自民党は議席を減らしたが、小泉首相自身は改革をやりやすくなった訳で、下手に改革の足を引っぱるような事をしたら、次の参院選でさらに民主党の支持を得るというのは難しいのではないか。
     小泉首相の改革が上手くいけば自民党の株が上がり、邪魔をすれば改革が遅いのは民主党のせいという事になって、どっちに転んでも苦しい事になるように思える。
     一方、社民党と共産党は、自民党vs民主党の対決のあおりを食って大幅に議席を減らした模様。特に社民党は土井たか子氏が小選挙区で落選し、比例区でなんとか生き残るという散々たる結果だった。
     私はマニフェストなんて、現実路線で考えれば確約できるはずもないと思っていたから投票の参考にはしなかったが、社民党と共産党が共に議席を減らしたのは、戦後50年を過ぎて変わらず掲げている“護憲”と“平和”に関してマニフェストを示す事をしなかったからではないか。
     連立政権がイラク特措法に基づいて自衛隊を派遣するのはアメリカに恩を売っておくためだし、多額の援助金を出すのは日本の安全を金で買うためである。
    自衛隊の派遣時期については未だに決まっていないが、アメリカに擦り寄る事で安全を確保しようという姿勢はハッキリしている。
     だが、社民党も共産党も日本の平和を守るためにどんな手段を講じるのかは今まで一切語っていない。
     敵が攻めてきたら、両手を挙げて降伏しますと言うのであれば、それこそ国民の合意が必要だろう。
     それに憲法9条については、重大な見落としがある。
     http://www.9joren.net/
     条文によると、「国権の発動たる戦争」と明記してある。そして、「国の交戦権は、これを認めない」とある。
     つまり、あくまで第2次世界大戦当時の“国同士が戦う”という戦闘を想定しており、現在の“国ではない相手”、すなわちテロリストやゲリラとの戦闘をまったく考慮していないのだ。こと国家が相手ではない現状では、それこそ自衛隊は合憲ということになる。現在の9条の規定では、相手が国家でなければ武器を持って戦っても憲法に違反しないのだ。
     平和憲法の理念を尊守し、より恒久的かつ崇高な人類史上の理想となるものにするのであれば、“護憲”はむしろ共産党や社民党の掲げる“平和”の実現を阻むモノでしかない。
     ああ、難しい事を考えたら知恵熱が………(#-_-#)
     奥さんの入院までの顛末は、次号に続く。(←日記で「つづく」ってなんだよ。)
    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
    今回の日記の内容は、いかがでしたか?
    【感想アンケートのURLはコチラです】
    http://www111.sakura.ne.jp/~kitazono/cgi-bin/votecom/votec.cgi
    ☆締切:2003年11月18日から3日間
    ■■■■■■■■■■■■■■■□免責事項□■■■■■■■■■■■■■■
     記載内容を利用して生じた結果について、当方では責任がとれませんのでご了承ください。
     また、筆者が思った事や感じた事を率直に書いている事柄に関しましては、反証可能な事実誤認以外の訂正には応じられません。
     URLで紹介した先のページの著作権は、そのページを作成した人にあります。URLを紹介する事に違法性はありませんが、文章等を転載する場合は、作者の許諾が必要となります。
    &&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&& 趣味の活動 &&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&
    ◆TRPGのサークルに所属しています。
     卓上ゲームが好きな人や、興味のある方は覗いてみて下さい。
     また、『コミュニケーション』のコーナーでWEBラジオ番組『幻想時間』を公開しています。
     私は主に、映画についてトークをしています(・v<)
     http://www.snake-eyes.gr.jp/
    ------------------------------------------------------------------------
     このメールマガジンは、『まぐまぐ』 http://www.mag2.com/ を利用して発行しています。
     解除はこちら http://www.mag2.com/m/0000109927.htm から。
    ------------------------------------------------------------------------

     

  • ≪通巻34号≫
    浮浪者も大事/国政選挙で地元から推す意味/子宮筋腫発見!/風邪の患者さんが次々と

      ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
      ★彡☆-=★彡  それさえもおそらくは平凡な薬局  ★彡☆-=★彡
                       ≪通巻34号≫
      提供 : まぐまぐ http://www.mag2.com/
      発行 : 北園薬局 http://plaza2.mbn.or.jp/~kitazono/
      編集 : 北村俊純
      窓口 : kitazono@a1.mbn.or.jp
      ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
    ~~~~~~~~~~~~~ 今回の日記の主な話題 ~~~~~~~~~~~
    ※11月4日(火)……浮浪者も大事
        
    ※11月5日(水)……国政選挙で地元から推す意味
    ※11月6日(木)……子宮筋腫発見!
    ※11月7日(金)……風邪の患者さんが次々と
    ************************* 先週の平凡な日記 ***************************
    ◆11月4日(火)/2003年◆
     病院からの処方箋を持ってきた患者さんの薬で在庫に無い物があったので備蓄センターまで取りに行く事に。
     注文してお店を出ようとしたら、お母んに「たまには運動しなさい」と言われて、自転車で行くことにした。確かに。
     天気も良くて、土手沿いに行くと風が気持ち良く、土手の斜面に咲いている花も綺麗で心が和む。
     ………って、これってマズイんじゃ(^_^;
     花粉症になるぞ俺(苦笑)
     
     原沢製薬の営業マンが来店。
     たまたま近くに来たので立ち寄ったとの事。
     『アスタロン』を立て続けに発注しているので、どうしたんですかと尋ねられる。
     どうしてなのかは、コチラも謎(笑)
     あ、いやいや、固定客がついてくれたお陰で入荷をすると右から左へと売れていくのだ。
     医薬品ではなくあくまで健康食品なのだが、飛蚊症(ひぶんしょう)が軽減したり、目の疲れが改善したりと結果を実感できるらしく、試した人がほとんど継続してくれるうえ、どうやら人にも勧めてくれているようなのだ。
     一方で、なかなか売れないのが『ネオレバルミン』
     国内の薬局で販売できる肝臓疾患の薬としては効果も相当に期待できるものの、いかんせん肝臓疾患はちょっとやそっと改善しても自覚できない。なにしろ、自覚するくらい症状が悪化していたら入院しなきゃならないくらいだし、血圧のように日常的に肝臓の働きを測定できる訳ではないから、客観的な判断ができないのが、今ひとつ購買につながらない要因だろう。
     “肝臓病を治す奇跡の薬!!”とか宣伝したら売れるのだろうか(^^ゞ
     お店に近所の人から電話が入った。
     商店街のシャッターの下りたお店の前に浮浪者がいるという。浮浪者がいるのが不安なのだろうとは思うが、なんでわざわざウチに電話してくるのか。
     しばらくすると、やはり近所のお店の主人がウチに来て、浮浪者がいて不安だと漏らす。さらに、警察を呼ぼうかとまで言い出した。
     何をそんなに騒いでいるのかと思って、その浮浪者を見に行ってみたら、なんの事はない。以前から、この辺りで寝泊りしている人だ。
     近所の人たちも知っているはずである。商店街の方に来るのは珍しいが、夕方から雨になったから、雨をしのぐために軒先に屋根があるお店の前に来たのだろう。
     誰かが本当に警察に連絡したらしく、パトカーが来て、浮浪者はどこかへ行ってしまった。
     呼んだ当人かどうかは分からないが、警官に「来るのが遅い」と文句を言っていた。
     しかし、浮浪者がいて何が悪いのかね。
     そりゃあ確かに気味悪いとか不潔そうだとかは思うが、別に実害がある訳でもなし。
     それどころか、実は浮浪者は大事な存在なのだ。
     例えば空き巣や泥棒が入るのは、“人目(ひとめ)”が届かない所だろう。閑静な住宅街が狙われるのは周知の通り。
     浮浪者がいるという事は、人目がある訳だから空き巣や泥棒はまず避ける。
     また、警察官の友人に聞いた話だと、事件や事故の目撃者捜しの時に、浮浪者は重要な情報源になるのだとか。
     実際、深夜など人通りが少ない時間帯の場合には、屋外で寝泊りしている浮浪者ならば見ている場合があるし、毎日同じ時間帯に通りがかる人の顔を覚えていたりするため、見知らぬ人がいたり、いつも見かける人が違う時間帯に通ったりすると良く覚えているのだとか。
     いわば、浮浪者が監視カメラと同じ役割を果たす事があるのだ。
     だいたい、日々の事件のニュースを見れば、浮浪者が被害にあったり、浮浪者同士の喧嘩などはあっても、浮浪者による凶悪犯罪というのはあまり無いはず。それなのに、どうしてそんなに警戒するのか。
     私はまだ浮浪者になった事はないけれど、浮浪者の側からしてみれば居場所を転々とするよりは、落ち着ける場所は大事にしたいと思うのではないだろうか。初めて見る顔ならば警戒する必要もあるだろうが、いつも見かけるのならば気にする必要は無いようにも思う。
     奥さんが珍しくお寿司を食べたいと言うので、JR東浦和駅の近くの『赤坂』に行く事にした。
     場所は、JR東浦和駅を出て左に曲がってまっすぐ行くと、ゆるい下り坂の左側にある。
     一応ここは回転寿司なのだが、いわゆるチェーン店の回転寿司とは違い、日本料理屋の隣、と言うより一部のようなお店で、ネタの味がかなり良い。
     行った時間が21時を回っていて遅いためかコンベアーには何も乗っておらず、食べたい物を順次注文していく。
     まぁ、この方が握りたてを食べられるので不都合も無い。
     笑ったのが、イクラやウニなどの高めのものを注文すると職人さんが「少々お待ち下さい」と言って姿を消し、隣の日本料理屋から運んで来た事。
     ネタを日本料理屋と一緒に仕入れているのだろう。ウニは、たまたま一切れ分が余るという事で、通常は2個のところを3個にオマケしてくれた。
     そして、甘エビを尾頭付きで出されて、身の部分を寿司として食べた後に、頭を食べたそうにしているのを見て取ったのか(どんな顔をしていたのかは謎だが)、「頭を焼きましょうか」と言ってくれたので、お言葉に甘えて焼いてもらった。
     家でも甘エビの刺身を焼いてお酒のオツマミにしたりしているが、さすがにネタの鮮度が違うのと、プロの職人さんが焼いてくれただけあって抜群に美味しい。
     奥さんは「いらな~い」と言っていたけれど、こんな美味しい物お前にはもったいなくてあげられんわ(笑)。
     美味い美味いと、ずいぶんと食べたつもりだったが、2人合わせて5千円に収まったのは安かったからなのか、私たち夫婦が小食だったからなのか。
    //////////////////////////////////////////////////////////////////////
     感想や健康相談はコチラ(・v<)
     http://www111.sakura.ne.jp/~kitazono/bbs_kitazono.htm
    //////////////////////////////////////////////////////////////////////
     
    ◆11月5日(水)/2003年◆
     目薬を欲しいというお客さんが来店。
     製品名を指名されたもののウチには置いていないので問屋さんに注文が必要。
     指名された目薬が抗菌目薬なため症状を尋ねたところ、人に頼まれて買いに来た模様。
     抗菌目薬ならば、特に使用感が変わるわけでもなく同じような成分の別製品がある。すぐに必要ならば、その方が良い。
     そうお話をすると、携帯電話で依頼主に電話してみたようだが、無ければいらないとの事。
     何故に製品を限定しなければならないのかコチラとしては謎だが、好みだかなんだか拘る事柄があるのだろう。
     とりあえず買いに来たお客さんには、症状に合わせて選ばないと、目薬のように数社から何種類も同じような商品が出ているのを指名で捜すのは難しいと伝えておいた。
     風邪が治らないという患者さんが来店。
     何か薬を飲んでいるのかを尋ねたら、葛根湯(かっこんとう)を飲んでいるとの事。
     しかし、風邪の方はもう一週間ほど経っていて、咳も続いているらしい。
     それならば、もう葛根湯の適応ではない。激しい咳や咽喉の痛みは引いて、最後の後押しが必要な感じだったので、柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)の方を勧めてみた。
     今日はお店を早くあがって出かけなければならない。
     行きたくはないのだが、選挙の応援である。
     川口市には医師会・歯科医師会・薬剤師会からなる『川口三師連盟』というのがあり、今回の選挙では自民党の新藤義孝氏を推すと言う事で、その集会があるのだ。ヤレヤレ=3
     http://www.sainet.or.jp/~shindo/
     集会の便宜上のタイトルは『より良い医療を求めて! 川口市民の医政を語る会』となっていた。
    「なっていた」というのは、全然そんな話など無かったから(笑)
     開会の挨拶を歯科医師会会長が、主催者挨拶を医師会会長が、〆の挨拶を薬剤師会会長が行ったのだが、それぞれ挨拶と共に“自分の主張”を唱えていた。肝心の新藤氏は、それらに「必ずやります」と言っていたが、どれを実行するんだよ(笑)
     しかも、新藤氏は堂々と小泉首相の改革に反対する姿勢を示している。
     以前から私は、「反対するなら力の無い野党より政権政党の中でやるべき」と思っているので、それ自体は良い。
     しかし、自分たちの既得権益しか考えていないように思える集会を票集めのために利用するという姿勢はどうか。
     今日の集会にしても集まり具合は7割以下で、とても組織票は望めない。小泉改革の是非は別にして、小泉首相が言ったように特定の組織に頼らずに選挙運動をするべきではないのか。
     そして、そのような特定の組織における集会だからなのかもしれないが、やたら川口市のためという利益誘導の発言も、私は国政選挙という事を考えれば納得できない。
     企業誘致や、今回の集会で言えば川口市の医療行政に関して何かをやるのは地方選挙で選ばれた議員たちがやる事で、国会議員がやる事ではない。
     川口市民の国政への意見を国会に“持っていく”のが国会議員の仕事であって、別に国から地元に“持ってくる”必要は無い。
     いくら良い事だとしても、国から何かを地元に持ってくるというのは、とかく悪く言われる建設業や道路行政と根っこが同じで、私は推す気になれない。
     国会議員に地元への利益を期待する有権者の方も問題かもしれないが、だからこそ特定の組織の票に頼る事を新藤氏にはやめてもらいたい。
    //////////////////////////////////////////////////////////////////////
     感想や健康相談はコチラ(・v<)
     http://www111.sakura.ne.jp/~kitazono/bbs_kitazono.htm
    //////////////////////////////////////////////////////////////////////
    ◆11月6日(木)/2003年◆
     朝早くに病院の検診に出かけた奥さんから電話。どうやら、子宮筋腫が見つかったらしい。それも、かなり大きいようである。
     お店に来たので詳しく訊くと、妊娠できたのが不思議なくらいの状態らしい。
     しかし、半分は自業自得である。実は以前から奥さんは生理の時の出血が多く周期も安定していないため、体質的に子宮筋腫になる確率は高いと思っていた。そこで予防のために当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)を渡しておいた。
     ところが、3日も飲まずにそのまま服用をやめてしまったのだ。
     他にも、病気をした時にはすぐに薬をあげるのに、大抵は勝手に使うのをやめて、症状が重くなってから大騒ぎする“常習犯”なのだ。悪い患者の見本である。
     言うこと聞かない患者さんの事なんて知りません(・_・)
     そして医療関係者は、身内には冷たい(笑)
     赤の他人である患者さんには親身になって治してあげなければと使命感に燃えるが、身内だとよほどの大病でもなければ「まぁ、大丈夫でしょ」となる。
     なので、お母んも「大騒ぎするんじゃないの」と、奥さんを嗜(たしな)めた。
     私は私で、「これはメールマガジンのネタになるかも」とヒドイ事を思う。
     とはいえ診察した医師からは、出産するまでの入院を勧められたというから楽観はできないようだ。
     もとより、通常は流産の確率というのは一般に思われているよりも高い。一説には、3割近いという。
     それが現在、一般的に「妊娠したら生まれて当たり前」というように考えられるようになったのは、医療技術の発達と日本の生活水準が向上したからにほかならない。
     国生さゆりが離婚した原因の1つとして、2度の流産の事が報道されているが、本来ならば2度の流産も珍しい事ではないのだ。
     同じく子宮筋腫も珍しい病気ではない。子宮筋腫自体は多くの女性がなる病気であり、そのほとんどは小さくて検査でも分からないか、出産後の子宮の収縮と共に筋腫も小さくなって治癒してしまう。
     だから、子宮筋腫ができている事を医師から告げられたとしても、そう驚くことはない。まずは落ち着いて、冷静に医師の話を聞く事が大事だ。
     奥さんの方は、来週の月曜日にもう一度診察をするという事で、「旦那さんも連れてくるように」と言われたらい。
     ガーン!!Σ( ̄□ ̄;)
     いや、癌だったら来週なんて悠長な事は言わんか。
     しかし、メンドクサイな。 
     病院でもらっている薬が無くなったから分けてくれという患者さんが来店。
     しかし、処方箋の無い患者さんに薬を渡す訳にはいかない。
     本人は薬をもらうだけで診察を受けるのは面倒だと言う。診察に行っても、特に調べられたりする訳でもなく、二言三言話すだけで意味が無いと思っている模様。
     確かにそう思うのは仕方の無い事かもしれないが、お医者さんとは顔を合わせるだけでも大事なのだ。
     診察に来た患者さんと挨拶するだけで、医師は患者さんの肌の状態や目の色などを観察していたりする。それで症状が安定していると判断できれば、とりあえず症状に変化は無いものとして患者さんを帰す。
     中には、本当に“なんにも診ない”医師もいるようだが、それはまた患者さんの方で医師を観察して、信頼できないと思えば病院を変えれば良いだろう。
     診察はメンドクサイと言わずに、まずは病院で医者と顔を合わせるように伝えた。
     私も、奥さんからの又聞きでは良く分からないから、行かねばならんか。
     大阪府河内長野市で起きた男子大学生と女子高生による家族殺傷事件に絡んで、またぞろマスコミでは“心の闇”という言葉を使い始めた。
     この“心の闇”という言葉は、私には言外に「端(はな)から理解するつもりはない」というニュアンスを含んでいる気がして嫌いである。
     女子高生が公開していたというホームページの日記を取り上げて、「親がうざい」と書く一方で親と旅行をして楽しかったと書いていた事に対して、“複雑な心境を覗かせている云々”と論じていたが、そんなに奇異な事だろうか。
     時に親に殺意にも似た感情を抱き、同時に親愛の情を抱くというのは、それこそ多くの人が思春期に通る道ではないのか?
     それが本当に殺人に結びつく事は稀だろうが、自分を振り返ってみれば、絶妙のバランスで自分はやらずに済んだというだけだと安堵するのは私だけではないと思うのだが。
     それとも、“複雑”とか“心の闇”としてこの事件を捉えようという人たちは、純粋真っ直ぐになんの迷いも無く生きてきたとでもいうのか。
     ただ興味深いのは、同世代の人たちも「理解できない」と取材に答えているらしい事。
     確かに実際に殺すところまでいくというのは理解できないかもしれないが、家族への殺意も理解できないというのは私には不可解。自分の価値観の型にはめようとする親が最近は少なくなったのかな。
     もしかして、“親に反発しながら子供は育つ”という私の考え方が、すでに古いのかもしれない。私まだ30代なのに(苦笑)。
     
    //////////////////////////////////////////////////////////////////////
     感想や健康相談はコチラ(・v<)
     http://www111.sakura.ne.jp/~kitazono/bbs_kitazono.htm
    //////////////////////////////////////////////////////////////////////
    ◆11月7日(金)/2003年◆
     サトウ製薬の営業マンが来店。
     来週の木曜日に新商品の説明会が、さいたま市のワシントンホテルであるので出席してもらいたいとの事。
     う~ん、タダメシをいただくのになんだが、ワシントンホテルの料理って美味しくないんだよなぁ(苦笑)
     先日、雨が降った時にお客さんに傘を差し上げたら、お礼にお菓子をいただいてしまった。
     一応、傘を渡す時に、以前にプレゼントキャンペーンをやった時の余り物ですと申し添えたのだけれど。
     プレゼント用の傘でお礼をもらってしまった。かえって申し訳ない。
     風邪の患者さんが立て続けに来店。これで全員に総合感冒薬をポンと渡せば簡単ではあるが、それでは自動販売機と同じ。
     風邪が長引いて食欲が落ちているという患者さんには、風邪の後期に用いる柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)と、食欲が落ちていて栄養不足になるのを防ぐために地竜(ぢりゅう)を渡した。
     風邪は治って食欲なども回復したものの、咳だけが残った患者さんには、咳止めとして麦門冬湯(ばくもんどうとう)と、風邪をぶり返さないために地竜を合わせて勧めた。
     風邪をひきそうだという患者さんにはまず葛根湯(かっこんとう)を案内した。しかし、すでに吐き気がなんとなくするそうなので、小柴胡湯(しょうさいことう)のドリンク剤を合わせて使う事を勧めてみた。
     総合感冒薬は、症状が多岐にわたって判断がつかない時や、旅行などに手軽に持って行くのに便利ではあるが、できれば症状に対してピンポイントで使う漢方薬を選ぶ方が治癒も早くお金もトータルで安くつく。
     国連平和維持活動(PKO)のため10月に東ティモールに派遣された陸上自衛隊員約400人が、9日の衆院選挙での投票が不可能だというニュース。
     海上自衛隊員は公職選挙法で“船員”扱いとなるため、護衛艦や補給艦内で不在者投票が可能なのに対して、陸自隊員は帰国して住民票がある自治体に戻らなければ投票できないのだとか。
    「3カ月以上の現地滞在」などを条件に、海外の日本人有権者に衆・参比例代表への投票を認める在外投票制度もあるものの、今回は10月からの派遣で「3カ月以上」の条件を満たしていないため、投票権が発生しないという。
     10月には衆院選の予定が立っていたんだから、先に手を打っておいてやれよ、小泉さん(^_^;←なぜ親しげ。>俺
     遅まきながら、防衛庁は選挙権が行使できるよう総務省に相談しているそうだが、さすがに今回は間に合わない模様。
     自衛隊を容認している政権政党が気づかないのもマヌケだけれど、二大政党制を叫んでいる民主党もこういうところから突っ込めば選挙を大事にしているというイメージ作りができるのに、このネタを使わないんだからもったいない。
    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
    今回の日記の内容は、いかがでしたか?
    【感想アンケートのURLはコチラです】
    http://www111.sakura.ne.jp/~kitazono/votecom_kitazono.htm
    ☆締切:2003年11月11日から4日間
    ■■■■■■■■■■■■■■■□免責事項□■■■■■■■■■■■■■■
     記載内容を利用して生じた結果について、当方では責任がとれませんのでご了承ください。
     また、筆者が思った事や感じた事を率直に書いている事柄に関しましては、反証可能な事実誤認以外の訂正には応じられません。
     URLで紹介した先のページの著作権は、そのページを作成した人にあります。
     URLを紹介する事に違法性はありませんが、文章等を転載する場合は、作者の許諾が必要となります。
    &&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&& 趣味の活動 &&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&
    ◆TRPGのサークルに所属しています。
     卓上ゲームが好きな人や、興味のある方は覗いてみて下さい。
     また、『コミュニケーション』のコーナーでWEBラジオ番組『幻想時間』を公開しています。
     私は主に、映画についてトークをしています(・v<)
     http://www.snake-eyes.gr.jp/
    ------------------------------------------------------------------------
     このメールマガジンは、『まぐまぐ』 http://www.mag2.com/ を利用して発行しています。
     解除はこちら http://www.mag2.com/m/0000109927.htm から。
    ------------------------------------------------------------------------

     

  • ≪通巻33号≫
    “良く効く薬”とは?/JPS製薬全国大会レポート/JPS製薬栃木工場見学レポート

      ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
      ★彡☆-=★彡  それさえもおそらくは平凡な薬局  ★彡☆-=★彡
                      ≪通巻33号≫
      提供 : まぐまぐ http://www.mag2.com/
      発行 : 北園薬局 http://plaza2.mbn.or.jp/~kitazono/
      編集 : 北村俊純
      窓口 : kitazono@a1.mbn.or.jp
      ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
    ~~~~~~~~~~~~~ 今回の日記の主な話題 ~~~~~~~~~~~
    ※11月1日(土)……“良く効く薬”とは?
    ※11月2日(日)……JPS製薬全国大会レポート
    ※11月3日(月)……JPS製薬栃木工場見学レポート
    ************************* 今回の平凡な日記 ***************************
    ◆11月1日(土)/2003年◆
     柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)を求めて患者さんが来店。
     風邪のひき初めとの事だったが、葛根湯(かっこんとう)の方は家にあり、すでに飲み始めているそうだ。
     今回は、さらに症状が進んだ時に備えて柴胡桂枝湯を買いにみえたという。
     進まなければ良いが、備えは大事。備えあれば憂い無しである。
     旦那さんが胃が痛むという事でお客さんが相談にみえた。
    「良く効く薬をちょうだい」と言われたものの、もう少し細かな情報が無いと選びにくい。
     症状や体質に合う薬が“良く効く”のであって、薬の方で“良く効く”という物は無い。
     空腹時に胃が痛くなるようだと胃酸過多だったりするが、食べると胃が痛むとの事。
     また、体格はいい方なのだが風邪をひきやすいらしい。
     食べ過ぎて胃が痛くなるようであれば胃熱が考えられるから半夏写心湯(はんげしゃしんとう)を服用しつつ、痛みが強ければ芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)を合わせて飲むように勧めた。
     ちなみに、胃潰瘍があったり風邪をひいているようであれば柴胡桂枝湯の方が良いだろう。
     近所の患者さんの家のパソコンが故障したようで、ちょっと見て欲しいと頼まれて訪問した。
     パソコンが起動しないという事だったのだが、HDD(ハードディスク)のランプが点灯せず、BIOSもチェックしたものの、どうにも原因が分からない。
     急ぎでプリントアウトしたい物があるという事で、じゃあ代わりにウチで入力して差し上げましょうと申し出た。
     安請け合いもいいところである。プリントアウトしなければならないという物が、名簿なのだ。名前の入力は漢字変換で意外と手間がかかる。
     できれば明日にでもという事で、正直ウゲェと思った。
     明日は私もJPS製薬の全国大会に出席しなければならないのに、今から間に合うかしらんσ(^◇^;)。 
     その後は美容院で散髪して、新調したスーツの裾上げを頼んでおいた紳士服のお店に行った。
     新調したと言っても、今まで来ていたのとあまり変わらないデザインで茶系のスーツ。
     本当は、20代の頃に購入したのと同じ若草色のスーツが欲しかったのだが、時はバブル絶頂の頃で、現在はそのような明るい配色のスーツは無いとの事。
     仕方なく、紺や灰色を排除していくという消去法で選んだ。
     なにも不況だからって、暗い色のスーツを買う事もないと思うのだがなぁ。こういう時代こそ、明るい雰囲気を自分で演出した方が良いのではないか。
     しかし、さんざん探し回ったにも関わらず、仕立てるための生地からして明るい色が無く、断念した次第。
     奥さんにも、お母んにも「同じようなのを買ってもしょうがないでしょ」と言われたが、とりあえず着ている人が少ない配色の方が、会った人に覚えてもらえる。
     家に帰ってから、ダダダダダという勢いで引き受けた名簿をパソコンに入力していく。
     ところが、体調が思わしくなく落ちそうなほどの眠気に襲われて中断。
     続きは朝にやる事にして、ゴソゴソと寝床に入った。
    //////////////////////////////////////////////////////////////////////
     感想や健康相談はコチラ(・v<)
     http://magical-shop.web.infoseek.co.jp/bbs_kitazono.htm
    //////////////////////////////////////////////////////////////////////
     
    ◆11月2日(日)/2003年◆
     早く起きるつもりが起きられず、朝食もそこそこに名簿の入力の続き。
     名前の漢字変換に悪戦苦闘。IMEを人名優先にしても、結局のところ人名に使われる漢字の読みは一発で変換される事は少なく、別な読みで一文字ずつ変換する事になる。
     なんとか頑張ってみたものの、あと三分の一を残して出発時間になってしまった。
     会場はJR新横浜駅の近くの新横浜プリンスホテルなので、方向音痴の私でも駅から道に迷う事は無いだろうが、いかんせん電車の接続時間によって1時間半で到着するか2時間かかるか幅が広くて見当が付かない。
     泊まりだというのに泊まりの用意もしてなくて(馬鹿だねどうも)、慌ててバッグに必要な物を詰めて家を飛び出した。
     駅に向かう途中で、頼まれていた名簿の方は明日届けますと電話で連絡。電車の中でやる算段。大甘である。
     行きは電車が込んでいて座ることができず、当然作業もできなかった。
     しょうがない、ホテルの部屋でやるか。
     道に迷わないはずが、JR新横浜駅の目の前には『新横浜国際ホテル』があり、『横浜プリンスホテル』を捜すハメに。
     http://www2.princehotels.co.jp/app_room/piq0010.asp?hotel=015
     おそらく混乱を避けるためなのだろうがJPS製薬からの案内状には、『新横浜国際ホテル』が書いてなくて、『新横浜プリンスホテル』との位置関係が良く分からない。
     ぐるりと周囲を大きく回って、30分遅れで到着した。
     社長の挨拶などはすでに終わった模様。大抵の社長挨拶は聞いても役に立たない事が多いので、まぁ良し。
     ちょうど特別講演が始まったところで、講師は木村政雄氏。吉本興業で、やすし&きよしのマネージャーを務め、吉本新喜劇を立て直して東京進出を果たした立役者である。現在は吉本興業を退社して、フリープロデューサーとして活躍しているようで、吉本興業を退社したのは偉くなって現場を離れてしまう事が、逆に自分の“賞味期限”が切れるかのように思っての事らしい。
     そんな木村氏の今回の講演のテーマは、「不透明な時代を打ち破る、オンリーワンのすすめ」というもの。不況になってからというもの、この「ナンバーワンよりオンリーワン」というのは良く言われている言葉。
     しかし、いかにも旧態依然としたJPS製薬には合うんだか合わないんだか分からないテーマだな(笑)
     http://www.jps-pharm.com/index.html
     木村氏は、かつて日本マクドナルド社の藤田田氏が言った「富国強兵から富国楽民」という言葉を引用し、「人間の背の成長は二十代で止まっても人格成長は続く」と説いて、常識を捨てて新たなモノを獲得していく時代になったと力説する、いかにも芸人を育ててきたという感じで、普通の会社人とは違う印象。
     人格が成長するものかどうかは、やや疑問だが(苦笑)。
     それとは別に、歳をとっていくと人間は「否定する事でしか自分のアイデンティティを持てなくなる」という言葉には同意できるが、それがマイナスになるという捉え方は私は賛同しかねる。
     年寄りが若者のする事にあれやこれやと文句をつけてくれないと、今度は若者の方が自分の立ち位置を見失ってしまう。若者は、年寄りに反発する事で自分のアイデンティティを確立していくのだから。
     私が特に「そうだそうだ」と思ったのは、今まではライバルは同業同士だったが、これからは異業種間で競っていく事が必要という話。
     その例えとして、吉本興業の東京進出の話を持ち出した。
     吉本興業はかつて“お笑い”という同じカテゴリーの中で勝つ事を目指してきたが、時代とともにジリ貧になっていくばかり。そこで、ライバルをジャニーズと定めて新しい展開をしていく事で吉本興業は東京進出を果たして成功する事ができたという。
     日本人は、奇妙な仲間意識を持つという事の例えでは、タイタニック号の話を持ち出した。
     実際に以下のやり取りがあった訳ではないだろうが、沈みゆくタイタニック号で数に限りがある救命ボートに女子供を優先的に乗せるにあたっての国ごとの説得方法の違いに笑う。
     ドイツ人には、「規則ですから」。
     イギリス人には、「貴方は紳士でしょう」。
     アメリカ人には、「ヒーローになりたくありませんか」。 
     そして日本人には、「みんなそうしてますよ」。
     そして木村氏の話の中で何度も何度も繰り返し出てきたのが“賞味期限”という言葉。人間にも賞味期限がある。その賞味期限を延ばすためには、自分を変えなければならない時があると。
     現在は画家になったジミー大西は、芸人としての伸びは限界に近づいていたが、画家への道を選ぶ事で新しい人生が拓けた。
     やすし&きよしは初めはやすしがツッコミで、きよしがボケをやっていた。
    ところがやすしが不祥事を起し再び漫才界に戻るには、何か違う味付けをしなければ難しい。そう判断した木村氏はツッコミとボケを入れ替えるように勧め、それによってやすし&きよしの漫才コンビが延命したという。
     また、島田伸介をニュースキャスターに推したのも木村氏だそうである。暴走族あがり(この一点だけで私は大嫌いなのだが)のイメージを払拭して新しいファンを作らなければ寿命が尽きると読んで、テレビ局側に持ちかけたのだとか。意図からすれば、大成功である。(でも嫌い。)
     特別講演が終わり、おそらく社員の女性だと思うのだが「素晴らしいお話をしていただき、新しい事に挑戦する大切さを教わった気がします」と感想を述べた。でもそれを、原稿に目を落としながら棒読みしてどーする(笑)
     講演の内容とは関係無いが、ジミー大西が病院で点滴を受けた時に女友達から電話があり、早く会いに行きたいと思ったジミー大西は点滴の残りを飲んでしまったというのには爆笑(笑)
     そりゃあ、飲んでも害は無いかもしれんが(無いことも無いけど)、飲むかね普通。
     ちなみに私は私で入院中に、「この点滴、甘すぎて気持ち悪い」と言って種類を変えてもらった事がある。
     その時の看護婦さん曰く、「点滴の味を言われたのは初めてです」との事。
     だって、ホントに甘い味が口の中でしたんだもん(^_^;
     休憩を挟んで、特に売り上げの伸びたお店による報告。
     そもそも立地条件が違ったりして参考になる事は少なかったりするものの、双参(そうじん)を風邪の漢方薬とセットで販売するというのは、なるほどと思う。
     ウチでも風邪用漢方薬セット(症状別・医薬品)を始めたが、双参とのセットも加えてみようか。
     それと、「来るのが楽しいと思える薬局」というのは大いに頷いた。
     そもそも薬局は病気や怪我をした時に用がある所で、本来ならば用が無いにこした事ない。そして、一度治れば次に体調を悪くするまで普通は来ないという、商売としては矛盾を抱えている。
     そこで大手のドラッグストアーでは、薬と相反するんじゃないかと思えるような、あまり健康によろしくない菓子類などの販売を行う事で、顧客の獲得に成功している。
     実店舗の方は小さいので、ちょっと畑違いの物を置くスペースは無いし、なにも体に良くないと分かっている物を置くつもりも無いが、ホームページの方は薬を求めに来る人ばかりではなく、何か別な楽しみで来てくれる人を開拓したいところ。
      
     その後さらに、痛みに関する漢方薬での治療や新商品の紹介などがあったのだが、まとめないと混乱するだけなので割愛。
     3~4時間ほど勉強と相成ったものの、内容に対する時間が不足しており、いや正確には時間に対して内容を詰め込み過ぎてて駆け足気味だったため、結局は時間が無駄になった感じ。抜け出して、近くのビッグカメラにでも行ってれば良かった=3
     食べるのが楽しみな私としては、今回参加したのは夕食が目当て。(あとは、明日の工場見学。)
     JPS製薬の全国大会には初参加なため顔見知りは地元の薬局の人たちくらい。地区別のテーブル配置だったが、誰が誰やらまったく分からない。
     そこで、苦手だけれど少々挨拶回り。どうぞヨロシクお願いします。何をヨロシクするのは自分でも良く分からんが。
     各支部の支部長が壇上にあがって乾杯……というのは、やはり定番なのだろうか。儀式といえばそれまでだが、古臭い印象は否めない。
     http://magical-shop.web.infoseek.co.jp/photo/200311/index.html
     オードブルは、サーモンやハムなど。それからリンゴを甘く煮たもの。期待していなかったけど、美味しくて満足。
     食べるのが好きな割りには詳しくなくてなんだが、まぁ食べ物は頭で食べるモノじゃないのでと言い訳。(誰に?)
     刺身も美味しかったと私は思ったのだけれど、何故か残す人がいて譲ってもらった。意地汚いことこのうえない(苦笑) 
     スープは、おそらくフカヒレスープ。とろみが付いていて、飲むほどに食欲が増す感じ。
     サラダは、帆立貝とブロッコリー。ドレッシングが軽めのもので、素材の味が楽しめたのが好印象。 
     メインディッシュは牛ヒレよりも、添えてある黄色い揚げ物の方が美味しかった。なんだったんだろう(^_^?
     ホテルでの料理の〆に茶蕎麦が出る事があるが、これは感心しない。ツユに入れられているせいで、麺が伸びており、口の中でボソボソとして今までの料理が台無し( ̄^ ̄)
     デザートには、チーズケーキ、
    ストロベリーケーキ、チョコレートケーキの3種類が用意されており、好きな物を選べるということで、3つとも食べてしまった(苦笑)。甘さ控えめで美味しかったんだよぅ(^_^;
     そして、給仕をするホテルマンの方だが若手のホテルマンは「少々お待ちくださいませぇ」とか「畏(かしこ)まりましたぁ」と、語尾伸ばしと語尾上がりの合わせ技で、まるで居酒屋のようだった。
     言葉遣いには私は拘(こだわ)らないけれど、できれば“非日常”の演出は心がけて欲しいところ。せっかくの料理が、一気に大衆酒場のオツマミになってしまう。
     ただし、言葉遣いと心遣いは必ずしも一致しない。
     頼めばワインなどの飲み物は持ってきてくれるのだが、忙しそうなのを煩わせるのもなんなので、自分で飲み物のカウンターに取りに行った。
     何度かそうしていたら、若いホテルマンはすかさず他の手を休めて注文を尋ねたり、「お注(つ)ぎします」とグラスに注いでくれたりした。
     ところが、上の人間らしいホテルマンに「(ワインの)白はどれですか?」と尋ねたら、ふんぞりかえって「こちらです」と瓶を手で示すだけ。何か別な作業をしている訳でもない。ニコリともしない。なんなんだ、この偉そうな態度は(-_-メ)
     言葉遣いの丁寧さよりは、心遣いの方がいいなぁ。
     食事の後には別室にて軽食をつまみながら親睦会。
     そこでも他のお店の方たちにご挨拶。
     丸テーブルに椅子が置いてあるため、皆座ったら動こうとせず、イマイチ交流の場になっていないように思う。
     座りたい人のための椅子は壁際に並べて、立食のようにした方がいいのではないか。
     それでもホームページを開設しているお店の人たちと、しばしホームページの活用の仕方と、苦労話などの情報交換。
     インターネット上では、他店との値段の比較が容易なため、価格で競争してもまず勝てない。
     一方で親身な相談で信用を得ていくにしても、インターネットで相談してくる患者さんの多くは、他の病院や薬局での治療が思わしくなくてという難しい症例だったりする。
     それぞれのお店で得意分野があったりするので、その辺りでの連携を模索しつつ、ホームページへのリピーターを増やす方策も考えなければならいなだろう。
     酔いが回りすぎて頭がクラクラしてきたため早めに部屋へ辞去。
     ニュース番組はあらかた終わっていて、今日一日の世相は分からずじまい。
     たまには、そんな日もいいか。
     そして、お約束(?)の有料放送でアダルトモノを観てみた。どうしてホテルに泊まると観てみたくなるのだろうか。男って馬鹿だねぇ(私だけ?)。
     しばらく観ないうちに、ずいぶんと過激な内容の作品がホテルで観られるようになったんだなぁと妙な感心。
     高校生の頃に修学旅行でホテルに泊まった時には、あらかじめ観られないようにスクランブルがかけてあったのだが、かけ忘れたらしい部屋があって、何人かが集まって観たものである。今思い出しても、わざわざ有料で観る必要も無いソフトな内容ではあったが、先生に隠れて観るのが楽しかった。
     翌日、視聴した分の料金が発生して、先生にはバレバレであったけれど(笑)
     ………あっ、頼まれていた名簿作成の続きをやるのを忘れてた(^-^;;;
    //////////////////////////////////////////////////////////////////////
     感想や健康相談はコチラ(・v<)
     http://magical-shop.web.infoseek.co.jp/bbs_kitazono.htm
    //////////////////////////////////////////////////////////////////////
    ◆11月3日(月)/2003年◆
     今日はJPS製薬の工場見学に行くという事で、6時半に起床。
     7時集合なので、急いで支度して2階のレストランに向かった。
     http://magical-shop.web.infoseek.co.jp/photo/200311/02.html
     朝食はバイキング形式。
     えてしてバイキング形式は、取り放題でも有難くないほど不味かったりするのだが、ここはハズレ無し(∩_∩)
     できればもう少しゆっくりと味わいたかった。
     ロビーに集合したものの、集まりは良くない様子。
     JPS製薬の社員が、参加予定者をロビーに集めるのに奔走していた。
     待っている間に、ロビーに展示してあったホテルの模型を撮影。
     どうせなら、近くを走っている新幹線などの模型も一緒に組み合わせて作ってあれば面白いのにな。 
     参加者が揃ったところでホテルを出発。
     関東地区で工場見学を希望したのは私だけだったらしく、九州地区の人たちと同じ班になった。
     JR新横浜駅から東京駅で乗り換えて宇都宮駅へと向かう。
     たかだか新横浜駅と東京駅の間を新幹線で行くなんて、普通はしないだろう。わずか10分の乗車。なんだか、ものすごく贅沢な事をしたような気分。
     途中で品川駅に停車して、「そういえばそうだった」と思い出した。“新幹線品川駅開通フィーバー”は、今はいずこへ。
     東京駅で乗り換える時に、乗車券と特急券と乗り換え用の乗車券の3枚を自動改札機に通すように駅員から案内された。
     自動改札機の挿入口を見ると、手書きで「3枚同時にお入れ下さい」とある。なぜ手書き(笑)?
     引率する営業マンのT氏からは、「若先生、若先生」と何度も呼ばれたが、こういうのに慣れると人間ダメになるんだろうな。気をつけよう。
     宇都宮駅で観光バスに乗り換えて、JPS製薬の栃木工場へ到着。
     http://www.jps-pharm.com/quality.html
     周りには民家らしい民家は無く、ホンダなどの様々な業種の工場が立ち並んでいた。
     ただし、工業地帯という感じでなく、空気も良い。また、排出する水に関しては厳しい規制が設けられており、そのお陰で近くを流れる鬼怒川も綺麗なのだそうだ。
     それと、この近くにキリンビールの栃木工場があるとも教えられた。以前にアルバイトをしていた事がある。
     何をしていたかというと、瓶の蓋のチェックである。ベルトコンベアーを流れてくる瓶の蓋を見つめ、異常が無いかを4人一組で目視確認をするのだ。
     異常を発見したらその瓶を取り除くのだが、ベルトコンベアーを止める訳にはいかないので、瞬間的に手を動かして取り出さなければならない。そして、異常が無かった場合は元の位置へ戻さなければならない。
     最初の頃は取り損なったり、異常が無い物を戻すのが遅れ、何度かベルトコンベアーを止めてしまった。
     恐ろしく集中力が必要で、まばたきをした瞬間に目の前を通り過ぎてしまうため目は開きっぱなしで、15分づつの交代でこなしていた。
     懐かしいなぁ。2度とやりたくないなぁ(苦笑)。
     工場では、所員の方たちが出迎えてくれた。今日は休日のはず。休日出勤という事だろうか。
     工場内では写真撮影はできないという事なので、外観のみを写真に収めた。
     生薬の標本なんか、ぜひ写真に撮りたかったのだが、残念。
     工場の中を見学する前に、工場の概要の説明などを聞く。
     科学的な合成薬と比べて漢方製薬の難しい点は、原料が天然なため成分の含有率が一定でないこと。しかし、製品はもちろんグラム中の成分量は一定でなければならない。
     また、同じ原料でも色や匂いが違ったりするのだが、服用する方は色が毎回違ったりすれば不安を感じてしまう。だから、色や匂いを安定させるというのにも工夫をしている。
     さらに生薬のほとんどはいわば農作物と同じなので、洪水や虫害などの被害が出た場合に備えて、複数の産地と契約している。しかし、産地が違えばやはり成分の含有量も色や匂いが違うのはもちろん、農薬の使用状況も異なるため、入荷した材料に対しては納入業者の申告だけに頼らずに自社で厳しい検査を行っているとの事。
     そして、生薬の中には通常1g中に10の100万倍個もの細菌がいるそうで、それを熱処理で1g中に10個~100個程度になるように殺菌するのだという。この時に、細菌は殺しても有効成分がダメにならないようにするのが、技術的に大変だったようだ。
     そしていよいよ、工場の内部を見学。
     白衣に着替えて帽子とマスクを装着すると、まるでパナウェーブ研究所の関係者みたいである(笑)。
     手を洗って空気洗浄室を通ってから工場の中に入った。
     空気洗浄室は狭い部屋なので2人ずつ入って下さいと説明されていたのに、3人で入るオッサンもおるし(苦笑)
     工場内部は気圧が高く、外部の空気が入らないようになっているそうで、確かにやや耳がツンとする感じ。
     なんだか漬物工場でアルバイトをしていたのを思い出した。漬物工場では、午前中に漬物をどんどん作っていって、今度は午後いっぱい時間をかけて機械の洗浄をするという、神経は使うは肉体的には疲労困憊になるはで大変だった。
     ………なんか、色々やってるな、オレσ(^◇^;)。
     見せてもらったのは麦門冬湯(ばくもんどうとう)を造る過程。
     麦門冬湯の原料を機械で攪拌(かくはん)しているところでは、思わず拝んでしまった。なにしろ喘息持ちの私にとっては命綱である。
    「いつもお世話になっています( ̄人 ̄)」
     
     工場の内部は細い階段が入り組んでおり迷路のよう。
     置いてかれたら、自力で出入り口にたどりつける自信が無い。
     殺菌処理を終えて乾燥させている機械の中を覗かせてもらうと、乾燥機のように高速で回転していて、横殴りの雨みたいに見えた。1時間で約8tの水を飛ばすそうである。そうする事で、成分の分解や酸化を抑えるのだそうだ。
     葛根湯(かっこんとう)のように糖類の多い漢方薬の場合は、壁に付着してしまい、かなりのロスが出るらしい。また、大黄(ダイオウ)のような生薬が含まれていると、黄色い色が付着してしまい、機械の洗浄が大変との事。
     
     乾燥処理をした後には圧力をかけて板状にしてから砕くという工程を3回繰り返して顆粒にする。
     板状の漢方薬をポリポリ食べられたら面白そうだけど、味付けが問題か。
     顆粒の場合の製品チェックも厳しいが、錠剤の方もかなり頻繁にサンプルとして取り出してチェックをしていた。錠剤の場合は、成分はもちろん大きさも専用の定規で測っている。
     見学していて気がついたが、原料の投入や機械の清掃、品質チェックまで、ほとんどが手作業だった。
     特に原材料の異物検査では、ベルトコンベアーを流れてくる原料の中から規格に合わない物を手で排除している様子を見させてもらったが、排除した方のどこが悪いのか皆目分からない。経験が頼りというところか。
     金属類などであれば磁石を使って取り除くという事も可能だが、他の植物の根だとかそういう物はどうやったって機械的に排除するというのは、やはり難しいのだろう。
      
     倉庫の方へ移動すると、厳重な温度と湿度管理の下で原料となる生薬が山積みにされていた。
     生薬の匂いがするという事は空気中に成分が漂っているという事だと思うのだけれど、という事はもしかしてここにいると健康にいいのかな(笑)
     一部の箱のラベルを見ると、輸出元の欄に北朝鮮と書かれていた。万景峰(マンギョンボン)で運んだのかな。
     麻薬の輸出元としても有名な北朝鮮だが、“業界”の人の話によると質はあまり良くなくて、末端価格もそれほど高くないのだとか。値段が安いから中高生でも入手しやすいのかもしれないが、どうせ麻薬なんて体に悪い物を使うのなら、せめて質の良い麻薬を使いたいものだ。(不謹慎)
     しかし、漢方薬の生薬としては北朝鮮の作物は悪くないらしい。軽水炉の援助なんかよりも、漢方薬の生産技術を向上させるための支援なんかも良いのではないだろうか。
     研究室の方も案内してもらい、そこでは品質管理のためのデータの分析と、新製品の開発が行われていた。
     新製品を販売するためには、国に申請してから審査が通るまで1年以上かかるとの事。という事は、開発期間も入れると3年以上はかかるという事か。
     資料室には膨大な文献と製品のデータがあり、服用による事故や苦情があった場合には、この資料室にある情報とつき合わせて調査をするそうだ。
     最近では『プロジェクトX』が流行った事もあり、商品開発の苦労話などは一般の人もかなり興味を持ってくれる。その辺りのお話もぜひ伺いたかったのだが、残念ながら今回は時間が無かった。
     工場長さんには、ぜひそのうち取材をさせて下さいとお願いした。
     工場見学を終えて、昼食を食べるためにバスが出発すると、昼食を予定しているお店に着くまで、営業マンが俄(にわ)かバスガイドを務めた。私が乗車したバスの担当者は関西出身の人なのだが、人前で喋るのが苦手な様子。関西人の皆が皆、芸人さんという訳ではない(苦笑)
     なのに、おそらくインターネットで事前に調べたのであろう、栃木県の県名の由来や名産物の解説をしていると、江戸時代に統治していた殿様は誰かという質問が参加者から出た。
     そんなの聞かれたって分かる訳ないだろが(笑)
     しかしそこは営業マン、「帰るまでに調べておきます」と答えた。偉いなぁ。
     http://www.pref.tochigi.jp/
     昼食は『宇都宮餃子館』。
     http://www.rakuten.co.jp/gyozakan/
     ものすごく交通の便の悪い所にあるのだが、それでも来る人がいるという評判のお店らしい。
     お店の入口には、なんともコメントに困る石像が。『スタミナ健太』という名前で、このお店のマスコットキャラだそうだ。可愛い顔して、チカラコブが逞しいところがイカシてる(笑)
     食べたのは餃子定食とでもいうのか、蒸し餃子・水餃子・焼き餃子のセットでボリューム満点。
     とりたてて美味しいとは思わないが、悪くもない。『ナンジャタウン』の餃子スタジアムに出店しているお店の方が美味しいかも。
     ところで、私だけ焼き餃子が出てこなかった(T-T)
     私って、そういう目に当たりやすいのか?
     注文した烏龍茶も来ない(;_;)
     とりあえず焼き餃子だけは席を立つ前に来たけれど、結局烏龍茶だけは来なかった。
     なので、ここでお土産を買うのはやめてしまった。
     JR宇都宮駅で解散して、帰りのホームに向かう途中でお土産を購入。
     Iちゃんからは御当地限定の『餃子キティ』のキーホルダーを頼まれていたので、それを買う。お店の人の話だと、やはり出張などで頼まれたという男性が買っていく事が多いらしい。
     ウチの奥さんには餃子とお菓子。食べ物の方が喜びそうなので(笑)
     体の方は疲れていたが、電車の中でゆっくり休んでいる訳にはいかない。頼まれていた名簿を仕上げて今日中に届けなければ。
     電車の中でノートパソコンを開けてババババと入力していく。
     途中で、普通電車なのに珍しく車掌の乗車券の点検があった。こんな所で作業をしている私もなんだが、集中している時に中断させられるのはやはり嫌なものだ。
     Suicaを使っているのでそれを示したら、特にチェックするでもなく「はい、結構です」と言われた。
     http://www.jreast.co.jp/suica/
     Suicaの電波の到達距離は意外と長いそうなので、早いところ示さなくても車掌が確認できるようにしてもらいたいなと思う。
     寝ている時に起されるのも不快だしね。
     
     なんとか名簿を仕上げて、家に帰ってからプリントアウトした物を先方に届けた。
     それでやっと本当に一息つけた感じ。
     奥さんにお土産を渡して、Iちゃんにも買ってきた事をメールで知らせて、夕飯を食べた後はお風呂に入るのも面倒になってグー。
     (_ _)(-.-)(~O~)ファ…(~O~)(-.-)
     ……ガク( -.-)( _ _)zzzZZZ。
    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
    今回の日記の内容は、いかがでしたか?
    【感想アンケートのURLはコチラです】
    http://magical-shop.web.infoseek.co.jp/votecom_kitazono.htm
    ☆締切:2003年11月8日から4日間
    ■■■■■■■■■■■■■■■□免責事項□■■■■■■■■■■■■■■
     記載内容を利用して生じた結果について、当方では責任がとれませんのでご了承ください。
     また、筆者が思った事や感じた事を率直に書いている事柄に関しましては、反証可能な事実誤認以外の訂正には応じられません。
     URLで紹介した先のページの著作権は、そのページを作成した人にあります。
     URLを紹介する事に違法性はありませんが、文章等を転載する場合は、作者の許諾が必要となります。
    &&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&& 趣味の活動 &&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&
    ◆TRPGのサークルに所属しています。
     卓上ゲームが好きな人や、興味のある方は覗いてみて下さい。
     また、『コミュニケーション』のコーナーでWEBラジオ番組『幻想時間』を公開しています。
     私は主に、映画についてトークをしています(・v<)
     http://www.snake-eyes.gr.jp/
    ------------------------------------------------------------------------
     このメールマガジンは、『まぐまぐ』 http://www.mag2.com/ を利用して発行しています。
     解除はこちら http://www.mag2.com/m/0000109927.htm から。
    ------------------------------------------------------------------------

     

  • ≪通巻32号≫
    バイアグラは精力剤ではありません/閉店の噂が独り歩き/暴走族は産業廃棄物/大多数の“中途半端”

      ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
      ★彡☆-=★彡  それさえもおそらくは平凡な薬局  ★彡☆-=★彡
                      ≪通巻32号≫
      提供 : まぐまぐ http://www.mag2.com/
      発行 : 北園薬局 http://plaza2.mbn.or.jp/~kitazono/
      編集 : 北村俊純
      窓口 : kitazono@a1.mbn.or.jp
      ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
    ~~~~~~~~~~~~~ 今回の日記の主な話題 ~~~~~~~~~~~
    ※10月28日(火)……バイアグラは精力剤ではありません
        
    ※10月29日(水)……閉店の噂が独り歩き
    ※10月30日(木)……暴走族は産業廃棄物
    ※10月31日(金)……大多数の“中途半端”
    ************************* 先週の平凡な日記 ***************************
    ◆10月28日(火)/2003年◆
     滅菌ガーゼを買いに来たお客さん、「同じ物を下さい」とパッケージを切り抜いた物を取り出した。
    「子供のお遣いみたいで恥ずかしいけど」と言っていたが、実物を持ってきてもらえるのがコチラとしても助かる。一目で扱っている商品かどうか分かるし、間違えることも無い。
     英国南部の中学校で今月中旬、13歳の生徒6人が校内で性的不能治療薬『バイアグラ』を服用し、“元気”になりすぎたのが教師にバレて、病院送りとなるという事件が起こったとのニュース。
     6人は効き目が消えるまで、病院に“お泊まり”させられたという。
     英大衆紙サンなどによると、生徒の1人が16日、父親のものと思われるバイアグラを自宅から持ち出し、昼休みに同級生5人に見せびらかせ、度胸試しのつもりで1人1錠を服用して午後の授業に出たところ、同級生の告げ口で教師にバレたとのこと。
     バイアグラは通常、勃起力が低下した成人男性なら、服用から30分~1時間で効果が出始める。6人は教師に病院に連れて行かれ、効果が無くなるまで病室で安静にさせられた。副作用は起こらず、無事に退院したらしい。
     しかし、日本でも多くの人が誤解しているようだが、あれは勃起させるだけで精力を高める訳ではない。
     陰茎を弛緩させて、血流を多くするだけの話である。ぶっちゃけて言えば、正座をしていて急に立ち上がると一気に足先に血液が流れて足が痺れた状態と同じで、聞いた話によると“感度”は良くないそうだ。
     男なら分かるだろうが、やはり椅子に深く座っていて立ち上がると陰部が痺れて、まるで“アソコが無い”感覚になるが、アレと同じ状態である。そんな状態でセックスしても、あまり楽しくはないのではないかと思う。
     そして、心臓発作などの血液循環に関する副作用が起きる事があるのも、この薬理作用によるものであって、決して興奮してという訳ではない。身体的かつ他に方法の無い不能でもない限り、わざわざ個人輸入に頼ったりして危ない橋を渡っても、あまりにもリスクの方が大きすぎるだろう。
     そう言えば、女性用の性欲を高めたり陰部を潤おしたりする薬や健康食品を“女性用バイアグラ”なんて称して販売しているようだが、薬理作用から考えると「そんなバカな」と言わざるをえない。
     誤解を拡げてどうするのか。
     今日は雨なので、病院からの処方箋は別にして、一般の店売りのお客さんは来ない。
     実は今、ホームページのリニューアルを計画していて、その準備を少しずつしているのだが、せっかく来店者が少ないので(嫌な理由だ)、薬剤師会の中央薬局と保健所で済まさなければならない用事を片付けることにした。
     薬剤師会の方には、今年の6月に『基準薬局』としての看板を申請していたのに、なかなかその看板が来なくてすでに申請した事も忘れていたら、つい先日「取りに来て下さい」という連絡があったのだ。なんだかなぁ。
     で、その看板を雨の中スクーターで抱えながら(危険運転だぞオイ)持ち帰る途中、保健所に新しく雇った薬剤師さんの登録を届けるために立ち寄った。
     ところが、登録申請にはその薬剤師さんの免許証の原本が必要だとの事。
     うう、事前に申請方法を問い合わせた時には、そんなこと言われなかったぞ。
     保健所の方は後日出直す事にしてお店に戻った。その間も、ほとんどお客さんは来なかったようである。
     雨の中、スクーターで1時間ばかり走ったのが災いして、クシャミが止まらなくなる。そういや、先日から風邪気味でしたなと他人事のように思いながら、麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう)で体を温めることにした。
     しかし、麻黄の入った漢方薬を続けて服用すると私のような虚弱体質だといずれは胃に負担がかかって、なおさら具合を悪くする。
     そこで、柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)も合わせて飲んだ。
     こんな、いい加減な服用の仕方でいいのだろうか。(いくない←日本語は正しく。良くない。)
     自分の体に責任を持ちましょうと言いつつ、自分の体だからといい加減に扱ってしまう心理の妙。
     朝鮮中央通信によると28日、日本人女性1人が最近、第三国を通じて北朝鮮に亡命したらしい。
     女性の詳しい身元や「第三国」の国名、入国経路などには触れていないが、 北朝鮮から連絡があったのと同じ名前の女性が今年4月に中国・瀋陽の日本総領事館を訪れ、「北朝鮮への亡命申請を希望している。手続きについて教えて欲しい」という問い合わせはあったそうで、総領事館では、亡命申請をやめるように促したという。
     誰もが、「何を好き好んで」と思うだろうが、それだけになかなか興味深い。
     亡命というのは、普通は命からがらというところだが、なにしろ日本は1人や2人殺したって簡単には死刑にならない“おおらか”な国である。普通は外国、それも国交の無い国に逃亡しようとはしないだろう。
     このご時世だから、借金取りに追われてとかだったら少しは同情できるかもしれんが。
     まさか、誰か選挙に合わせて手引きしたんじゃあるまいな(笑)
     ネットでの通信販売の注文で、オーダーシステムの不具合を指摘された。
     『防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)』をクリックしても、表示が『猪苓湯(ちょれいとう)』になってしまうというもの。
     ギャッ!!Σ( ̄□ ̄;)
     失礼いたしましたと恐縮。
     原因を調べてみたら、システムのセキュリティーに関わるので詳しくは言えないが、プログラムの表記を一段間違えるという初歩的なミス。
     なんで、こんなコトに気がつかなかったのかという感じ。
     だからこそ初歩的なミスな訳で、事の大小に関わらず気をつけなければと自戒。
     衆院選の公示が成された。
     民主党は「二大政党を」と訴えているが、もはや二大政党というものも時代遅れだと思うのだがどうか。
     例えば、道路行政の政策には賛成だが郵政事業に関する政策には反対というように、思想に基づいて政党を支持するよりも、本当は政策それぞれに賛成や反対をしたいという人の方が多いのではないだろうか。
     いわゆる“無党派層”というのは、その名前の通り政党には興味が無いか、政党を頼ろうとは思っていないわけで、いくら党としてのマニフェストとやらを掲げられても、選びようが無いように思える。
     それこそ民主党が、政策集団として党を越えて意見集約していく事を公約するのならば、それでいいのだけれど。『脱政党党』とか名前を変えて(笑)
    //////////////////////////////////////////////////////////////////////
     感想や健康相談はコチラ(・v<)
     http://magical-shop.web.infoseek.co.jp/bbs_kitazono.htm
    //////////////////////////////////////////////////////////////////////
     
    ◆10月29日(水)/2003年◆
     近所のニシワキという薬局が本当に閉店してしまった。
     (10月16日の日記参照)
     商店街がますます寂れるのも問題だが、一番の問題は噂が独り歩きする事。
     どうやら、ウチが閉店したという話が近所に伝わっているらしい。
     ウチはまだ営業しています(^-^;
     勘違いの理由は2つある。
     1つは、ウチとニシワキは同じ商店街の同じ通りの、同じ側に何件かのお店を挟むという立地条件になっている。
     そして、商店街は『北園商店街』という名前なのだ。
     つまり、「北園商店街のニシワキ薬局が潰れた」という話が人から人へと伝わるうちに、だんだんと簡略化されて伝言ゲームとなり、「北園商店街の薬局が潰れた」からさらに間が省略されて「北園薬局が潰れた」となっているようなのだ。
     おかげで、来るお客さん来るお客さん、みんな「お宅、お店閉めちゃうんだって?」とか、「閉めたって聞いたけど」と言われる。
     さらに電話でも、「お宅やめちゃったらしいけど、まだ買えるかね?」などと尋ねられる始末。
     それでもまぁ、お店に来てくれたり電話で問い合わせてくれるお客さんはまだいいとして、近所にはドラッグストアーが犇(ひし)めき合っている。中には、閉店したという噂を信じて、他のお店に流れてしまった人もいるんじゃないかと心配。
     どうしよ~(@_@)
     分裂を始めた人間の受精卵(ヒト胚(はい))を使う研究について話し合ってきた総合科学技術会議の生命倫理専門調査会が28日、2年あまりの論議を中間的な報告書にまとめ、国民から幅広く意見を聴くことを決めたとのニュース。
     焦点は(1)研究のためにヒト胚を作っていいか、(2)ヒトクローン胚を作っていいか。いずれも現在は禁じられている。
     21人の委員の意見は鋭く対立しており、論議の行方に注目が集まっているそうだ。
     東京大人文社会系研究科教授の島薗進氏は「医学の有用性を追求するほど、人を手段として使うことになり、医学と幸福が遠くなる」と語り、国立がんセンター総長の垣添忠生氏は「助けを求めている人の幸福や尊厳もある。有用な研究なら、非常に厳しい審査のもとで進めればいい」と語っているとの事。
     ヒト胚からは、「万能細胞」とも呼ばれるES細胞を作ることができる。
     しかし、作る過程で胚を壊すため、「生命への尊厳を損なう」との意見があり、またヒトクローン胚は、拒絶反応のない組織や臓器を作る研究に期待が高いが、クローン人間につながる恐れもあるというのが主な争点。
     調査会は、ヒト胚を「ヒトの生命の萌芽(ほうが)」とし、最大限の尊敬を払うことでは一致しているものの、研究については、積極的な意見と、反対意見が対立したままなのだとか。
     先の島薗氏の発言などは、「研究者らしい意見」だと思うし、対する垣添氏の発言は「目の前に助けるべき人がいる人の意見」だというのは分かる。
     さらに、岡崎国立共同研究機構基礎生物学研究所長(長いな)の勝木元也氏は「研究の恩恵と生命の尊厳は比較できるのか」という単純な二元論にならない意見を語っており、着地点は見えてこない。
     2年にわたる論議の中では、宗教、倫理、生殖など60人以上の専門家から意見を聴いたそうだが、私はぜひSF作家などの意見も聞いてもらいたいと思う。というのも、ヒト胚の倫理的な解釈は別にして、クローン人間については多くの人が勘違いしているように感じるからだ。
     よくSF作品にはクローン人間が出てくる。
     そこに出てくるクローン人間は歴史上の人物だったり、作品中の登場人物だったりと様々だが、大抵は“成長した姿”で現れ、“記憶を共有”している。
     だが、クローンの技術と“急激な成長”を促す技術、また“記憶を再生”する技術は、それぞれまったくの別物である。
     成長に関して言えば、仮に成長を促進させる事が可能だとしても筋力を鍛えなければクローン人間は立つことも寝返りを打つことすら出来ないだろう。
     そして、記憶を植えつけるにしても言語などをどうやって学習させるのか、よしんば記憶を植えつけることが出来たとしても、元の人物の思い出的な記憶だけではなく膨大な知識なども刷り込まなければ、クローン人間を“誰かとすり替える”などというような使い方はできない。
     つまり、クローン人間を創る事がすでに可能だったとしても、SF作品で描かれているようなクローン人間は誕生しえないのだ。
     SFは空想科学と訳されるように空想の産物でしかない。その空想を前提にクローン人間を危険視するというのは、空想と現実の区別がついていないようなものである。
     もし、亡くなった肉親などをクローンとして再生しても、残念ながら赤ん坊として再生することしか出来ない。それでもいいと思う人もいるかもしれないが、それこそDNAが同じなだけの“赤の他人”を育てるだけという、より哀しい事にしかならないだろう。
     クローン人間に希望があるとすれば、それこそ赤ん坊が亡くなった時に再生するという方法かもしれないが、それであれば人工授精とあまり変わらない。
     むしろ私は、クローン人間の人権についての議論も進めておくべきだと思うのだが、どうか。
     JPS製薬の営業マンが来店。
     このあいだ来てもらった時に『サースモン煌樹』を120本注文しておいたのだが、後で調べてみたら今までの注文量と比べてもかなり多いので心配された。
     しかし、『サースモン煌樹』の売り上げは順調なのだ。
     ウチではメジャー商品を抑えてダントツの売り上げがある。(お店全体での売り上げは低迷ではあるが)
     飲んで“効いた気がする”だけという物ではなく、本当に元気が出るからであろう。
     なにより、単なる栄養剤と違って胃腸を助ける効果もあるので、元気が持続するのだ。
     そして、葛根湯加川きゅう辛夷(かっこんとうかせんきゅうしんい)乙字湯(おつじとう)のドリンク剤について詳しい説明を受けた。
     10月14日の日記で書いていたドリンク剤の新商品とはコレの事である。
     葛根湯加川きゅう辛夷の方は鼻づまりや蓄膿症、慢性鼻炎などに用いる。
     本格的に必要になるのは、やはり花粉症の流行る春先だろうが、寒くなってきて体内に熱を溜め込んでしまうような人は鼻づまりを起しやすいので、その場合に用いると良いだろう。
     乙字湯の方は、痔や便秘の治療に用いる。
     特にタクシーの運転手などのように、一日中座り続けていながら、顆粒や錠剤などのように水が必要だと不便な場合はドリンクタイプの痔の薬は有用だと思う。
     ただし、今回の新商品の入荷に関しては、やや納得しかねる面もある。今年度のJPS製薬の全国支部長会において、「新製品については会員店全店取扱をお願いする」という事になったのだ。
     もちろん、それだけに提案される新商品は幹事会の承認を得た、いわばお勧め商品なのだが、強制になりかねない方法で好ましくない。
    「お願い」と言いつつ、言外に“必ず”という意味合いが含まれている感は否めない。
     これでは、頭を下げる営業マンも大変だろうと、いらぬ同情をしてしまう。
     とはいえ、先に書いた通り商品自体はきっと必要としている患者さんはいるはずなので、積極的に売り込んでいこうとは思っている。
     今週末にはJPS製薬の全国大会に出席するが、口にチャックして余計な事を言わないように気をつけねば(苦笑)
     ところで、鼻づまりに対して鼻水が出る場合に服用する小青龍湯(しょうせいりゅうとう)のドリンク剤は? と思われた人もいるかもしれない。
     他のメーカー製である事はあるのだが、ウチでは取り扱っていない。
     何故なら、ちょっと許せないほど不味いのだ。
     JPS製薬でも商品化に取り組んだことはあるそうなのだが、今のところ味を改善する事ができなくて、目処は立っていないそうである。
     ドイツの首都ベルリンの南東の町の町会議員選挙でドラキュラ伯爵の子孫を名乗る人物が当選したとのニュース。
     なんじゃらほいと思って調べてみると、その町会議員はオットマール=ロドルフ=ブラッド=ドラキュラ=プリンス=クレツレスコという長い、しかもどこまでホントか分からない名前の男性で、普通はオットマール=ベアビークの名で通しているとか。通してるって、それも偽名かなんかなんじゃ(苦笑)?
     726票を獲得して当選したというから、本当に小さな町らしい。
     なんでも彼はトランシルバニア(現在のルーマニア西部)の吸血鬼のモデルとされた15世紀のブラッド=ドラキュラ伯爵の血縁者ではなく、1987年にその直系子孫の養子になったとの事。
     ブラッド伯爵は昔、トルコ人捕虜たちを串刺しにしたことから、「串刺し屋のブラッド」と呼ばれ、アイルランドのブラム=ストーカーが19世紀末にこの逸話にヒントを得て小説『ドラキュラ』を書いたとされる。
     今回のベアビーク氏はベルリンで菓子職人およびアンティーク商をやっていた人物で、ドラキュラ家の養子になった事からドイツのシェンケンドルフに居城があるというからやはり今は金持ちなのかと思ったら、ドラキュラの城として毎年10万人が訪れているそうで、どうやら商売人のようだ(笑)。
     城は石造りの門や物見の塔の他、棺桶を調度品とする中世風レストランなどがあり、ドイツ赤十字のために献血パーティーもやっているというから、なにやら洒落好きの慈善家のようでもある。
     こーゆー、どうでもいいニュースって心が和んでいいなぁ。……変(苦笑)?
    //////////////////////////////////////////////////////////////////////
     感想や健康相談はコチラ(・v<)
     http://magical-shop.web.infoseek.co.jp/bbs_kitazono.htm
    //////////////////////////////////////////////////////////////////////
    ◆10月30日(木)/2003年◆
     咳止めが欲しいという患者さんが来店。
     まずは症状の確認。痰が絡んでいるという事で、麦門冬湯(ばくもんどうとう)を勧めてみた。
     しかし、漢方薬はお気に召さないらしい。
     もちろん、そういう人はいるので無理に売りつけるつもりは無い。
     そこで、他の咳止めの薬を勧めた。
     咳なら咳というように、止めたい症状の主訴がハッキリしている場合は総合感冒薬などよりは、ちゃんと咳止めを謳っている薬の方が良い。
     ところが、その患者さん他の咳止めも嫌だという。
     ハテ(・_・?
     こちらの応対が悪いのかと恐縮しつつ、どのような薬を希望しているのか尋ねたら、一言こう返された。
    「咳止めは大正製薬でないと効かないのよ」
     ??????????????????
     ど、どういう根拠というか経験に基づくものなんでしょうか……(汗)。
     残念ながら、大正製薬の咳止めは置いていないので、他のドラッグストアーを案内した。
     うう~む、理由を深く考えても無駄だろうかσ(^◇^;)。
     茨城県三和町で6月、所属していた暴走族からリンチを受けた少年が死亡した事件で、水戸家裁下妻支部の裁判官が、傷害致死罪で起訴された少年2人を「君らは犬のウンコより悪い」と糾弾していた問題が波紋を広げているとのニュース。
     どこに問題があるというのだ?
     ニュースによるとネット上で議論が大爆発し、掲示板などへの大半の書き込みは「よくぞ言った」と擁護し、同家裁にまで賛否両論の電話が多数寄せられたとか。ところが、テレビの情報番組や新聞などでの識者の論調は批判的な感じである。
     問題発言とされる言葉を裁判官が発したのは、水戸地裁で27日に開かれた高校1年の少年(15歳)と運送会社作業員の少年(16歳)を被告とする刑事裁判の公判だったそうで、事件の概要は加害者である2人の少年が、暴走族仲間らと、グループを抜けようとした少年(当時15歳)を『締め会』と称して、殴る蹴るの集団リンチを加えて死亡させたというもの。
     水戸家裁下妻支部の少年審判は「刑事処分が相当」とし、2人は同地裁に検察官送検され、傷害致死罪で起訴された。
     その公判で、少年を担当する弁護士が、被告人尋問などを通じて、「(7月22日の)少年審判で、裁判官から(少年たちが)犬のウンコ以下と言われた」と明らかにしたのだそうだ。
     少年の父親は「裁判官から『暴走族は犬のウンコより悪い。犬のウンコは肥料になるが、お前らは産業廃棄物でどうにもならない』と言われた。更正するのに、落っことされた感じがした」などと証言し、母親の方は「息子が人間じゃないと言われている気がした」と言ったらしい。
     人間じゃないでょ。更生は人間がするもんだよ。
     情報番組でのコメンテーターもそうだが、今回の件で裁判官の発言をケシカランと言う人たちは、どうも暴走族というものに対して寛容というか、たいした事じゃないという認識があるようだが、被害者の事を考えていないんじゃなかろうか。
     同じように軽く認識されているモノに、万引きもある。
     以前に書店で中学生が万引きをして、110番通報で駆け付けた警察署員に連絡先などを言わなかったため任意同行しようとしたところ逃走し、遮断機の下をくぐって踏切に入り特急にはねられて死亡したという事件があった。
     その後、市民から「人殺し」とか「配慮が足りない」といった非難の電話などを受けた書店は、店頭に謝罪文を張り出し、とうとう廃業に追い込まれた。
     確かその時には、加害者の少年の父親は「あの店が閉店してくれてよかった。店の前を通るとつらい」と言っていた。(のちに本屋に謝罪した模様。)
     しかし、冗談ではない。
     仮に1個100円の物を万引きされたとしたら、その損失を取り返すためには利益率にもよるが最低でも5個以上は売らないと取り返せないだろう。しかも、それでも損失を取り返しただけで儲けにはならない。万引きされるという事は、店側からしたら弄(なぶ)り殺しにされるようなものだ。ウチが被害者なら、私の手で絞め殺したい。
     翻って暴走族の方に戻れば、ウチの近くは4車線の道路があり暴走族が良く通る。交番の前を通っていくのだから、警察もナメられたもんである。
     そして、その騒音で眠れないとか、神経が鎮まらないと相談に来る患者さんも多い。
     先に書いた事と矛盾するかもしれないが、万引きならば少なくとも被害者側に謝って損失を補填すれば許されない事もない。
     だが、今は真面目にやってますという元暴走族の輩がいるが、“オトシマエ”もつけずに、ただ「やめました」で済まそうというのであれば大甘だ。
     暴走族をするには、バイクを手にいれ、走るための“労力”をかけている。
    いわば、“つい出来心で”とは違い、完全に“意図的な”行為だ。
     そして、被害は広範囲に渡る。暴走族をやめるにさいして、自分が迷惑をかけた人たちに頭を下げて回ったというのなら“更生”というのに値するだろうが、それをしないでやめただけならば、悪臭を振り撒いて迷惑をかけた生ゴミのままである。
     ただのオチコボレならば本人のせいだけではないけれど、自分でバイクを手に入れて自分の意思で乗り回すという、自分の意思で人の道を外れてゴミになる事を望んだのだから、更生させる必要がどこにあるのか。
     更生させるのに税金を使うのも無駄だと思う。
     他人の手を煩わせないように、自分で自分を葬ってくれればいいものを、自分を人間だと錯覚してるのだとしたらホント迷惑な。
     暴走族ならば目の前で事故って瀕死の重傷でも、絶対に助けない自信があるぞ。法的には自分に可能な範囲で救助行為(救急医療への通報など)をしないと罪に問われる場合もあるのだが、その暴走族が生存する事で迷惑をこうむる被害者の事を思うと、被害者の方を助けたい。
     そして、今回の件では殺人までしているのだから、肥料としてならリサイクルできない事もない生ゴミではなく、使いようの無い、再利用の利かない産業廃棄物だと指摘した裁判官の見識は的を射ているだろう。
     今回の騒動について、司法ジャーナリストの鷲見一雄氏は「(弁護士が裁判官の発言を明かしたのは)非常識な裁判官だという世論を作り、地裁の裁判官に被告の言い分を認めさせようという法廷戦術」と分析していた。
    「弁護士の話は依頼者の立場に立ったもので、裁判官の話は社会正義や社会秩序を守るという視点でなされた。だから、必ずしも弁護側が正しいわけではなく、裁判官の言葉尻だけをとらえることにも問題がある」というコメントには、こと人権問題ではなにかというと弁護士の意見が絶対の正義のように持ち上げて、判断をするのは司法だというのを忘れているかのような人がいるので、そういう人にはしっかりと考えてもらいたい。
     ただ鷲見氏の、「裁判官は諭そうとしたのだろう」というフォローには私は同意できないが。
     それと良く分からないのは、他の裁判のニュースではたびたび裁判官の“市民化感覚との乖離(かいり)”を指摘する向きがあるのに、どうして今回のような極めて市民感覚に沿った発言が問題になるのか。
     市民感覚とユーモアを持った、実に人間らしい裁判官だと思うのに。
     ところで、『暴走族』という名前がカッコイイというイメージを作り上げてしまうから、『珍走団』とか『珍走族』と呼ぼうという提案をしている人たちもいるようだ。
     ならばついでに、『暴力団』も『お馬鹿の集団』とか呼んでみるのはどうか。
     法律や条令では暴走族や暴力団という名称が使われているが、マスコミの報道などでは法律用語を別な言葉に置き換える事はしばしばあるのだから問題無いだろう。
     ニュースなどで、「珍走行為を繰り返していた珍走団のメンバーが検挙されました」とか、「昨夜繁華街で発砲事件があり、拳銃を所持していたお馬鹿の集団の構成員が逮捕されました」とか、激しく情けなくて良いと思うのだけれど。
    //////////////////////////////////////////////////////////////////////
     感想や健康相談はコチラ(・v<)
     http://magical-shop.web.infoseek.co.jp/bbs_kitazono.htm
    //////////////////////////////////////////////////////////////////////
    ◆10月31日(金)/2003年◆
     乙字湯(おつじとう)の液剤が入荷。
     黄色とオレンジの派手なパッケージに少し引いた(笑)
     これからの季節、痔の薬は主力商品になるので、商品の“顔見せ”を兼ねてお店の真ん中に山積みにしてみた。
     でも、黄色は色褪せしやすいのであまり長くは店頭に置いておくのは避けておいた方がいいだろう。
     
     消毒薬を買いにお客さんが来店。
     糖尿病(生活習慣病)の患者さんで自分で注射をする人などがよく消毒薬を買っていかれるので、普段は売る時にも特に気にすることはしないのだが、念のために何に使うのかを尋ねてみた。
     すると買いに来た本人ではなく、会社の同僚が手に怪我をしたとの事。
     それならば消毒薬よりも、傷薬の方がいいので会社に置いてあるのかを訊くと、無いとの返事。
     しかし、消毒薬が欲しいという。
     うう~ん、血が出ているのであれば消毒薬なんて気休めにもならない。水で傷口を洗い流したら、止血して傷薬を塗った方が確実なのだが。化膿止めの傷薬には殺菌作用もあるし。
     どうも怪我した本人が消毒薬をと言っているらしい。分かっててそう言っているのか、分からなくて消毒さえすればいいと思っているのか判断が付かない。
     とにかく頼まれて来ている人も勝手に決める訳にはいかないだろうし、やむなく消毒薬を売った。
     売ればどのみち儲けにはなるからいいのだけれど、心配だなぁ。できれば本人にも消毒だけじゃなくて傷薬を使うように言ってやって下さいと伝えたが。
      
     物静かなお婆さんが来店。
     龍角散が欲しいとの事で差し出したが、訊くとここ数日咳が止まらないのだとか。
     それならば、龍角散よりも漢方薬の麦門冬湯(ばくもんどうとう)はどうかと勧めてみた。
     お年寄りの咳は体内の“潤い”が不足する事に起因することが多い。麦門冬湯は潤いを与えて咳を出にくくすることができる。
     胃が痛むという患者さんが来店。
     特に原因として思い当たることは無いと言っていたが、何か悩み事とかは無いかと尋ねてみると、ちょいと孫の事で心配事があるとのお話。
     もしかすると、神経性のものかもしれない。肩こりもあるというので、その肩こりも胃から来ている可能性もある。
     ひとまず、半夏写心湯(はんげしゃしんとう)を試してもらう事に。
     医者からもらった血圧関係の薬の事で相談に患者さんがみえた。
     医者からもらった薬の中で“飲まなくても良い物はどれか”と。
     そんなコト、薬局では言えません。医師の指示に基づいて飲んでもらわないと。
     しかも、ウチで処方箋を受け付けて出した薬ではないから、ウチから医師に問い合わせて服薬指導をする訳にもいかないし。
     どうしても飲みたくないのであれば、直接担当の医師に相談してみてはとお話したら、夜はどうしても薬を飲みたくないのだと力説する。
     その理由は、「夜は酒を飲むから」だとか。
    「医者に『どうしてもダメですか』と訊かれたから、『だったら薬は飲まない!』と言ってやったよ」と嬉しそうに語る。
     なんなんだ(^-^;;;
     可哀相な医者。
     案の定、その医師は「嫌な顔してたよ」との事。心中お察し致します( ̄人 ̄)
     まぁ、顔に出しちゃダメだけどねー。きっと腹立ったろうなぁと(笑)
     患者さんの趣味や嗜好を取り上げる訳にもいかない。しかし、病気を治してあげたいとも本気で思っている。
     完全な健康体の人間など存在しないし、同じく絶対に完璧に治療する事など神ならぬ人間にはできようはずもない。だから、病気の治療に最低限必要な事柄と、楽しい生活を送るためのバランスが大事なのだが、これがまた難しい。
     いつだかの人のように、「俺は楽しんで死ぬ」と豪語するところまで達観しいてる人なら、「好きにして下さい」とも言えるけど(ことの是非はともかく)、この人のように中途半端に治したくない訳じゃないけど楽しみは取っておきたいというのは、どうにも手を焼いて困る。気持ちは分かるだけどね(笑)
     おそらく、この“中途半端”が大多数だろうし。
     とにかく、今回のところは医師とお話して下さいとお願いするしかなかった。
    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
    今回の日記の内容は、いかがでしたか?
    【感想アンケートのURLはコチラです】
    http://magical-shop.web.infoseek.co.jp/votecom_kitazono.htm
    ☆締切:2003年11月3日から4日間
    ■■■■■■■■■■■■■■■□免責事項□■■■■■■■■■■■■■■
     記載内容を利用して生じた結果について、当方では責任がとれませんのでご了承ください。
     また、筆者が思った事や感じた事を率直に書いている事柄に関しましては、反証可能な事実誤認以外の訂正には応じられません。
     URLで紹介した先のページの著作権は、そのページを作成した人にあります。
     URLを紹介する事に違法性はありませんが、文章等を転載する場合は、作者の許諾が必要となります。
    &&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&& 趣味の活動 &&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&
    ◆TRPGのサークルに所属しています。
     卓上ゲームが好きな人や、興味のある方は覗いてみて下さい。
     また、『コミュニケーション』のコーナーでWEBラジオ番組『幻想時間』を公開しています。
     私は主に、映画についてトークをしています(・v<)
     http://www.snake-eyes.gr.jp/
    ------------------------------------------------------------------------
     このメールマガジンは、『まぐまぐ』 http://www.mag2.com/
    を利用して発行しています。
     解除はこちら http://www.mag2.com/m/0000109927.htm から。
    ------------------------------------------------------------------------

     

  • ≪通巻31号≫
    映画評『キル・ビル』/テレビ評?『開運! なんでも鑑定団』/神経性の食道狭窄

      ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
      ★彡☆-=★彡  それさえもおそらくは平凡な薬局  ★彡☆-=★彡
                     ≪通巻31号≫
      提供 : まぐまぐ http://www.mag2.com/
      発行 : 北園薬局 http://plaza2.mbn.or.jp/~kitazono/
      編集 : 北村俊純
      窓口 : kitazono@a1.mbn.or.jp
      ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
    ~~~~~~~~~~~~~ 今回の日記の主な話題 ~~~~~~~~~~~
    ※10月25日(土)……映画評『キル・ビル』
    ※10月26日(日)……テレビ評?『開運! なんでも鑑定団』
    ※10月27日(月)……神経性の食道狭窄
    ************************* 今回の平凡な日記 ***************************
    ◆10月25日(土)/2003年◆
     今日は、奥さんの妹さんが上京してくるという事で部屋の片付け。
     昨日の内にしておけよという感じではあるが、私は夏休みの宿題は最後の日にやるタイプなので。(より正確には、夏休みが明けてからやっていたが)
     私の座っている周りには、本が山積みで、それこそ文献やら漫画やら書類やらが雑多に置いてあり、特にエロ本は目の届かない所に仕舞うように奥さんから念押しされる。手近な所にある方が使いやすいのに。(ナニにだ?)
     本の方はあらかた本棚に、書類は段ボール箱に、エロ本は押入れにと片付けて、じゃあコルクボードに貼ってあるヌードポスターもはずしておかなきゃならないかと思って訊いたら、「それくらいならいい」と言われた。基準が良く分からん。
     倉橋のぞみのヌードポスターなのだが、胸が無いからいいのか(笑)?
     http://www.kurahashinozomi.com/index.shtml
     倉橋のぞみといえば、Aカップのモデルとして有名(?)で、3年ほど前に久しぶりに写真集が刊行された時には、同じくファンの友人たちと、「やっぱり倉橋は胸が無いのがいいよね」とか「胸が出てたら倉橋の魅力が台無しだよ」と、大変失礼な感想を漏らしたものである。
     ……って、何故に力説している。>俺
     巨乳アイドルが跋扈(ばっこ)しているから、判官贔屓(はんがんびいき)というヤツかもしれない。(日本語誤用)
     妹さんは新宿駅に午後に到着するという事で、ひとまず迎えに出かけたが、やや早く出かけ過ぎて2時間ほどの余裕ができてしまった。
     それなら待つ間に映画を1本観ようと、映画館でちょうど時間の合うものを物色。
     そして、観たのが『KILL BILL(キル・ビル)』。
     http://www.killbill.jp/

     今年最高のバカ映画と前評判が高い(?)この映画、私はてっきり物好きしか観ないだろうと思ったら、行列ができていて驚いた。
    「こんなに物好きがいるのか!?」(自分を棚に上げて)
     いつもならば、以下はネタバレなので、これから観る人は読み飛ばして下さいと言うところだが、バレて困るような深い内容もストーリーも無い(笑)
     なおかつ、今回の作品はクエンティン=タランティーノ監督の好きな映画をコラージュして創ったような作品なので、ネタを知っていた方が楽しめるかもしれない。
     それでも、なんの情報もナシに観に行こうと思っている人は読み飛ばしていただきたい。
     ただし、ネタバレ警報は発令しません(笑)
     一応ストーリーらしきものは、ヒロインのザ・ブライド(ユマ=サーマン)は、かつて史上最強と云われた暗殺者だったが、組織を抜けて普通の生活をしようと結婚することを決めた。ところが自分の結婚式当日に、元ボスだった男とその部下、つまり元の仲間たちに襲われて、夫とお腹の中の子供を殺されてしまう。自身も重傷を負い5年もの昏睡状態から目覚めたブライドは、復讐の旅に出る。
     中身が無いとはいえ、テーマとしては重々しい。少なくとも、このテーマに縛られて観ると、数々の残酷なシーンは、ひたすら残酷にしか見えず不快感を覚えるかもしれない。なにしろ、血飛沫(ちしぶき)に次ぐ血飛沫、腕が飛ぶ足が飛ぶ首が飛ぶ、画面めいいっぱいに死体と血の海が広がり、アメリカ上映版では血の色を黒く加工したくらいだ。
     しかし、監督自身が「ここまでやれば笑えるだろう?」と語っているように、フィクション(つくりもの)と思って観れば、腹を抱えて笑うのが精神衛生上もよろしい。
     そして、飛行機の機内の座席に刀を置いておくホルダーがあったり、何故か日本料理屋の青葉屋にはステージがあったりと、思いっきり“間違えた日本像”も、「知らない」んじゃなくて「知っててやっている」ところがニクイ。
     間違った日本が描かれた映画の代表としては、日本軍が野外で陣幕を張って軍議を開いていた『パール・ハーバー』や、自衛艦の中に畳部屋があった『コンタクト』などがあったが、あれは完全に取材不足による“いい加減”なせい。
     ところが、タンティーノ監督は自分が好きになった日本映画からのイメージを“大好きだから”やったという。
     その“大好き”として取り入れた日本映画が、『修羅雪姫』(2001年版にあらず)、『吸血鬼ゴケミドロ』、『バトル・ロワイヤル』、『攻殻機動隊』などなど、どれもこれも日本国内での評価はあまり高くない作品ばかり。






     まるで、浮世絵が海外に持ち出されて海外での評価が高まってゴッホなどの有名な画家が自分の作風に取り入れたかのようで、日本人としては喜んでいいのやら、複雑な心境ではある。
     さて、なんとか真ん中の前の方の席を確保して始まるのを待つだけという段になって、奥さんがお腹が空いたと言い出した。
     私は、映画館で観る時には物を食べるのは大嫌いである。自分がされると嫌だから。
     しかし、ちょっと考えてみると、今回の『KILL BILL』は場末の映画館でポップコーンとコーラを手にして観るのが正しいような気がしてきた。
     奥さんのためではなく、ここは“映画を観る”という行為を演出するためにと買う事にした。馬鹿だね、どうも(苦笑)
     そして始まると冒頭に、ショウ・ブラザースのタイトルが出て椅子からズリ落ちそうになってしまった。いきなりコレかい(笑)!!
     続けて深作欣二監督に捧ぐという字幕が現れ、フランク=シナトラの娘ナンシーが歌う『バン・バン』が流れてくる。
     知らない観客は、冒頭から置いてけぼりだろう。
     それにしても、「子供の頃のピストルごっこでバン・バンと撃たれたみたいにハートがブレイクしちゃった」という失恋の歌を、本当に主人公が銃で撃たれてるシーンに使うとは、どうぞ笑って下さいと言わんばかりである。
     おそらく意図が分かったのであろう、一部の観客だけが笑い声を上げていた。
     この時点では私はまだ笑っていいのか戸惑っていたので笑わなかったのだが、その後も普通の映画のように観客が皆でドッと笑うよりは、自分が分かる所でだけそれぞれが笑うという事でいいんだと理解して、遠慮無く笑うことにした。
     なにしろ、シーンが変わって、最初の復讐のシーンでは、いきなり「武士たるもの……」と服部半蔵(千葉真一)のナレーションまで入ってしまうのだからたまらない(笑)
     で、ストーリーの方を追っても先に書いたようにストーリーは無きに等しいので割愛。ただし、時系列を入れ替えたりしているので単調ではなく、充分に観客を楽しませるための工夫をしている。タランティーノ監督は趣味人だが、職人としての映画監督ではなく、サービス業の映画監督なのだろう。とにかく、自分の趣味を前面に押し出しつつ、「サービスサービス!」というサービス精神旺盛な人のようである。
     そんな訳で、以下は印象に残ったシーンの羅列となる。と言うか、私も自分の分かる所しか感想の述べようが無いσ(^◇^;)。
     復讐相手の1人である女親分のオーレン=イシイ(ルーシー=リュー)の過去は、アニメで描かれる。いきなりアニメのシーンが挿入された時には、周りの観客からは戸惑いの声も聞こえた。
     しかし、今回監督はなんとしてもアニメを入れたかった、いやアニメ作品を手がけてみたかったそうで、わざわざ自分が好きだったアニメ『マッハGoGoGo』や『攻殻機動隊』を製作した日本のアニメスタジオであるプロダクションI.G.を訪ねて依頼したそうな。
     その上、ただ脚本を渡してお任せではなく、コマ割りごとの細かな指定をしたらしい。
     その甲斐あって、日本製のアニメとも違う、アメリカ人がモノマネしたアニメとも違う、まぎれもなくタランテイーノ監督のアニメ作品を現出する事に成功していた。
     こんなモノを見せられては、諸外国から“ジャパニメーション”と祭り上げられて喜んでいる場合ではない。もはや、危機感を抱かなくてはならないと感じた。ディズニーアニメは怖かないけど(笑)
     ブライドが飛行機で日本に来るシーン。いかにも作り物な真っ赤な夕日をバックにミニチュア然とした旅客機が飛んでいく。そのチャチさがいい(^.^)
     なんでも監督自身がスタッフに『吸血鬼ゴケミドロ』のようにしてくれと指示したそうな。この映画、超低予算で作られた脱力B級恐怖映画で、だからこそそんなシーンしか作りようが無かったんだけど、わざわざ何十億円もの予算をもらっておいて、そんなシーンを再現するかね普通(笑)。
     そして沖縄で服部半蔵に刀を譲ってくれと頼み込むのだが、なんとこの服部半蔵に千葉真一という配役、単にテレビシリーズ『影の軍団』へのオマージュかと思ったら、ホントに『影の軍団』の頭領、服部半蔵その人という設定らしい(^_^;
     しかも念の入った事に、部下のがま八を演じた大葉健二を今回の服部半蔵の部下に配していた。同じくスキンヘッドにさせて(笑)
     今回の劇中で半蔵が「このハゲ!」と部下を怒鳴り、部下の方がブライドに「ハゲではない! 剃ってるだけだ!」と言うシーンがあるのだが、公式サイトのBBS(掲示板)には「笑えなかった」という書き込みがあった。ううむ、やはり知ってる人しか笑えないか。
     大葉健二は『コータローまかりとおる!』という映画に天光寺輝彦という、これまたスキンヘッドで出演したことがあり、その時に同じ「ハゲではない! 剃ってるだけだ!」というセリフを言っているのだ。一部の人だけ笑っていたが、知ってて笑ったのか純粋にセリフに受けたのかは謎。
     劇中ではブライドを始め、女親分のオーレンやその部下のソフィ=ファタール(ジュリー=ドレフェス)などが珍妙なアクセントの日本語を操り、公式サイトのBBSで批判の対象にされていたが、これもまた監督は意図的にOKを出したようである。
     その、たどたどしい日本語に頭がクラクラきてしまい、しまいにはカッコイイとまで思ってしまった。完全に監督の罠にはまってるよ(苦笑)
     その辺りのシーン、DVD化の時に日本語吹き替えなどはどうなるのか今から楽しみである。半蔵が英語を喋るシーンでは千葉真一が声をあてるのだろうかとか(笑)
     また、オーレンが「ココカラハ英語デオ話シイタシマス」と言って、その後の英語を部下が同時通訳するシーンなど、“言葉の壁”そのものをギャグにしていて、これを観てわざわざ下手なままの日本語を喋らせた事に納得いった。
     ところで、この同時通訳のシーン、映画の翻訳業界の女王である(本人はさすがに自称はしていないが)戸田奈津子氏に喧嘩を売ってるとしか思えないんですけど(苦笑)
     洋画の日本語字幕では見かけないことの方が少ない戸田氏は、近年ではあの『ロード・オブ・ザ・リング』で日本語字幕を製作するにあたって監修者を付けることを拒否し、誤訳しまくったまま上映という暴挙に出て、原作ファンの批判を受けたためDVD版では一部の字幕を修正したというエピソードがある。
     http://www.interq.or.jp/blue/zhenyizi/lor/trans.htm
     戸田氏は同じく映画の日本語字幕を製作している清水俊二氏から「映画字幕は翻訳にあらず。日頃から、全ての物事に興味を持ち、雑学博士となれ」と言われた事を今でも忘れられないと語っていながら、やっていない訳である。
     それを踏まえて、先の同時通訳のシーンを観ると、監督が「ここは、こう訳してくれ!」とイヤミを言ってるように見えるワケだ。
     今回の映画で、なんと言っても記憶に残ったのはオーレンのボディーガードである女子高生の制服を着たGOGO夕張(栗山千明)である。
     なんちゅうネーミングやねんと思う名前だが、なんでも『マッハGoGoGo』と、北海道で行われた『ゆうばり国際ファンタスティック映画祭』に参加した時に夕張を大層気に入った事に由来するそうな。理由が分かっても良く分からん(笑)
     栗山千明を起用した理由は、『バトル・ロワイヤル』での彼女の演技に惚れ込んだからだそうで、「彼女がいなければ完成しない」とまで熱を入れあげて今回の出演となったというだけあって、その使い方も揮(ふる)っている。
     鋭い刃が複数付いた鉄球(ゴーゴーボール)を鎖でブン回すのだ。最初、この武器は大した事ないと思っていた。鎖で振り回しても回転が遅く、攻撃を見切るのは簡単に思えたから。しかし、これもまた嬉しい裏切り方をしてくれた。
     どうするのかと思っていたら、足で蹴ったりしてタイミングを狂わせ、相手の意表を突いて攻撃するのだ。
     そして、なんとブライドを追い詰めてしまう。ハリウッド初進出の女優としては、あんまりといえばあんまりな役どころだが、同時に美味しすぎる役である。
     それでいて、観ているコッチが「え?」となるほどあっけない殺され方をしてしまう。やはり、タランティーノ監督あなどりがたし。
     そして山場のオーレンとの決闘。青葉屋の障子を開けると雪が降り積もっていて(いつのまに)、流れてきた曲が『修羅の花』!!
     そこまでやりますか、旦那(タランィーノ)!!Σ( ̄□ ̄;)
     この時にオーレンが、高草履を片方ずつ脱ぐシーンがあり、この演出に痺れてしまった。ここまでやられたら、もうただただ呆れて感動するばかり。
     今回の映画ではやはり役者陣の殺陣の甘さが観た人たちから指摘されているが、CGを最低限度に抑えてあくまで役者本人によるアクションを見せる事に拘(こだわ)った事に拍手を送りたい。
     『マトリックス』以来の、肉体を感じられないアクションなどクソくらえである。
     でもって、オーレンの殺され方が絵的に美しくない最後にした事で、キッチリとこの決闘が復讐であった事を表現していたのに脱帽。
     その後はパート2に繋ぐシーンとなり、エンディングタイトルが流れた。
     この時、エンディングタイトルで席を立ってはいけない。あえて言おう、立つな!!
     いや、ホントに。エンディングタイトルで席を立つようなヤツは、家でビデオで観賞していれば良い。好きな所で切れるんだから。
     なにしろエンディングでは、梶芽衣子の『怨み節』がフルコーラスで流れるのだ。外国映画なのに!!!
     映画館で、客席から拍手が湧き上るのを体験したのは久しぶりである。映画なのだから、演劇とは違い関係者がそこにいる訳ではない。
     それでもやはり、拍手を送られずにはいられなくなった気持ちは良く分かる。
     そんなこんなで興奮して劇場から出た時には、もう妹さんが到着している時刻だったのだが、どこだかの映画雑誌のアンケート調査に声をかけられ、奥さんが急ごうと言っているのにもかかわらず、つい応じてしまった。
     アンケートには、「満足度サイコー、脚本サイテー」と回答。
     妹さん、お待たせしてゴメンなさいm(_ _)m
    //////////////////////////////////////////////////////////////////////
     感想や健康相談はコチラ(・v<)
     http://www111.sakura.ne.jp/~kitazono/bbs_kitazono.htm
    //////////////////////////////////////////////////////////////////////
     
    ◆10月26日(日)/2003年◆
     午前中は、奥さんが妹さんを連れてお買い物。
     女性の買い物に付き合うのは、いかにも大変なので私はお店に。
     旦那さんがダニに喰われたというお客さんが来店。
     腹部だけが痒くて、塗り薬のムヒが効かなかったとの事。
     ダニなのに腹部だけが喰われるというのも不思議。患部を実際に見てみたか尋ねたところ、奥さんは見ていないという。
     旦那さんは、とにかく痒みが治まる強い薬をとの事らしいのだが、ううむ、どうしたものか。
     とりあえず、頼まれて買いにきているのでは、旦那さんの言うとおりに効き目の強い薬を出すしかない。あまり長くは使わないようにと、一度患部を見てから、また相談に来て下さいと伝えた。
     私が売る時に一番緊張するのは皮膚の痒みの塗り薬だ。合わない物だと、余計に悪化してしまう事がある。
     ところが、患者さんが気軽に指名して買っていってしまうのも塗り薬。湿疹なのか、虫刺されなのか、あるいは水虫のような菌による疾患なのか、良く確かめてもらいたいと思うのだけれど、痒みでイライラしていると冷静な判断よりも、とにかく痒みさえ治まればと考えてしまうのも仕方の無いことなのかもしれないが………。 
     午後から出てくるように奥さんに言われていたので、渋々出かけた。
     行き先は、川口駅前の川口総合文化会館リリア。
     今日は、ここでテレビ東京の『開運! なんでも鑑定団』の出張鑑定のテレビ収録があるのだ。
     それに奥さんが観覧の応募をしていて、チケットを入手していたのである。
     http://www.tv-tokyo.co.jp/kantei/
     行ってみると、まだ開場1時間前だというのに長蛇の列になっていた。私は早くも疲れてしまった。いや、まぁ興味が無い訳でもないんだけどね。
     奥さんと合流して会場に入ると、満席も満席。約2千席がめいいっぱい埋まっていた。
     会場に到着したのが遅かった事もあり、3階席まである会場の2階席になんとか滑り込んだ。 
     まずは市長の挨拶。今回の出張鑑定は、川口市の市制70周年記念事業の一環なのだ。安易な企画ではあるが、経費削減の観点から言えば良い事だろう。
     現在の川口市の市長である岡本幸四郎氏は、地元民だから言う訳ではないが、凡百の首長連中の中では、なかなかに有能な人だと思う。前の市長だった永瀬洋治氏が悪すぎたというのもあるが(苦笑)。
     なにしろ当選してまず手をつけたのが公共事業の見直し。新規の建設をほとんど白紙に戻してしまい、あり物の施設をフルに活用するように指示したのだ。
     そして、なんと言ってもノリが良い。
     以前に、市の事業で子供たちに忍者の格好をさせて市内をウォークラリーするというという企画に私が携わった時に、私は蛍光グリーン(!)の忍者装束を着て子供たちの誘導をしたのだが、その実行委員の提案で市長に総大将をお願いしたところ、「やっぱり自分も忍者の格好をした方がいいかね」という事で、当日本当に忍者の格好をしてくれたのだ。やるとは思わなかった(笑)。
     で、大抵は退屈な市長挨拶も今回は番組にからめて市が取り組んでいるゴミの分別とリサイクルに触れて、「今年は皆さんが分別したゴミを売って○千万円の売り上げがありました」とか「ゴミも宝になるんです。もっとゴミを出して儲けましょう」と語った。
     番組収録前のツカミとしても上手いと感じた。
     奥さんも、「なんかハキハキとして元気な人ねぇ」と言っていた。と言うか、その口ぶりだと市長を知らなかったな、お前(笑)
     そして本番が始まる前には、ADさんが出てきて拍手の練習。やはり、こういう事をやるのね、と付き合う。
     そして、拍手の練習が終わったら、続いて「オオォォ!」というドヨメキの練習をしますと言われた(笑)。
     いやぁ、拍手まではいいけど、なんにも無いのに驚きの声を上げるというのは難しいな。ナニゴトも経験である。
     その練習も終わって、いよいよ収録開始。
     ……かと思ったら、その前に司会者である松尾伴内氏の挨拶があった。収録前に観客のテンションを上げようとするのだが、いかんせん2千席は1人では(プラス、アシスタント1名)会場として大きすぎる。ちょっと気の毒である。
     今回のアシスタントの名前は失念。鑑定士は中島誠之助氏と安河内眞美氏の2人だった。という事は、今日のメインのお宝は焼き物などの陶芸と、書画などの掛け軸だろう。
     詳しくは本放送までは公表する訳にはいかないので、大まかな感想のみ。
     放送は関東圏で12月2日(火)だそうである。
     まず驚いたのが、依頼人1人にかける時間の長さ。15分~30分はかけていた。それも、鑑定している間の時間稼ぎではなく、お宝の由来についてなどの云わば前フリだけで10分以上を費やしている。
     本放送では、カットしているのだろうとは当然考えていたが、ものの1~2分だから実際も5分程度だろうと思っていたので、こんなに長いとは思わなかった。
     依頼人の方はテレビ出演に関しては素人だから、少しでも多く喋らせて面白そうな場面を拾っておこうという事なのだろう。
     そして私が一番興味深かったのは、そうやって依頼人がトークをしている間、鑑定士が何をしているのか。
     中島氏は、もうニッコニッコして依頼人のトークに頷(うなづ)き、実際はどうだか知らないが話を聞いているふうに見える。
     対して安河内氏の方はというと、あからさまに退屈そうで「早く終わらないかしら」と言っているかどうかは分からないけれど、全身から退屈オーラを放っていた。依頼人が喋っている間、ずっと下を向いているか、ときおり自分の服を整えていたりする。
     その2人の違いは、鑑定の仕方にも現れていて、中島氏はいずれも興味深そうに観察するので、鑑定額が上がるのか下がるのか予想がつかない。
     しかし、安河内の方は明らかに素っ気無く観て席に戻る時と、じっくり観察する時とで、鑑定額がどうなるのか予測できてしまう。
     そして鑑定後のコメントも、中島氏が金額が上がった時にも下がった時にも、依頼人が喜ぶであろう言葉を添えたり慰めの言葉をかけたりするのに対して、安河内氏は容赦が無い(笑)。
     番組サイドの方で、そういう演出を依頼しているのかどうか。依頼しているのであれば、中島氏も安河内氏も大した役者である。
     ただ、個人的には私は“客商売”の観点で捕らえてしまうので、やはり中島氏の方が好感が持てる。
     もし本当に自分は鑑定だけでタレントじゃないと思っているのであれば、安河内氏は番組の出演依頼を断ればいいんじゃないのと思ってしまう。鑑定がシビアなのはいいとしても、依頼者の話を聞かないという態度は演出というよりは、素の様な気がするのだけれど、ホントのところどうなのだろう。
     愛想が良ければいいというものではないが、普通に客商売で考えたら失礼としか思えない。
     そんなこんなで、予想していたよりは休憩ナシで2時間というのは長く感じて少し疲れた。
     ただし、この疲れはどうやら風邪の前兆だったようである。
     終わってから、奥さんの妹さんを新宿まで送って帰宅。
    //////////////////////////////////////////////////////////////////////
     感想や健康相談はコチラ(・v<)
     http://www111.sakura.ne.jp/~kitazono/bbs_kitazono.htm
    //////////////////////////////////////////////////////////////////////
    ◆10月27日(月)/2003年◆
     夕べ、夜中に寒気がして目が覚めた。
     気温が下がったからかなとも思ったが、布団を被っても寒いので、悪寒に間違いないだろう。
     無汗で悪寒がするような風邪のひき初めには、やはり葛根湯(かっこんとう)である。
     ところが、家の常備薬のケースを探しても、葛根湯が見つからない。おかしいなと思い、他の漢方薬を仕舞ってある袋なども漁ってみたが、見当たらない。
     見当たらないはずである。虚弱な私は、普段は葛根湯など使わないのだ。だから、家には置いていない。
     グハァッ! と血を吐いてる場合ではない。(血など吐いてないだろう。>俺)
     さりとて、まだ汗の出ていない時の風邪に何を使ったもんかと、夜中に目覚めた朦朧とした頭で考えても思い浮かばない。
    「そうだ、自分の所のホームページを見れば載ってるじゃん」とパソコンを立ち上げた。すぐ近くの本棚にある、漢方薬の処方一覧を見る手間が面倒臭かったらしい(苦笑)。
     そして、見つけたのが香蘇散(こうそさん)。香蘇散ならば、たくさん置いてある。
     そう言えば、香蘇散の効能は「胃腸虚弱で神経質な人の風邪の初期」。私はいつもは、アレルギー性のクシャミや湿疹という、適応外の目的で使っていたので、すっかり忘れていた。
     普通は、香蘇散なんて効き目が弱くて、お店で売る機会などもほとんどない。
     その香蘇散を飲んで寝なおすと、明け方近くになって今度は寝汗をかいて目が覚めた。どうやら、効いたようである。
     一度着替えてから、さらに香蘇散を飲んで、合わせて地竜(ぢりゅう)も飲んだ。
     目覚めは快適とはいえないが、とりあえず動けない事もない。汗を流すためと体温を上げるためにお風呂に入った。
     風邪をひいた時には体力を消耗したり湯冷めすると良くないので、お風呂に入るのはあまり人には勧められないが、私のように虚弱体質で自分で熱を出せない場合には、入ってしまうという手もある。
     お風呂から上がって、麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう)を飲んだ。
     お年寄りの場合は、体力が低下していて自分で熱を出す力も不足している。そういう時に使う風邪薬である。うう、年寄りなみの体力(^_^;)
     上手くいけば、このまま症状が先に進まずに治るだろう。
     肩こりがするという患者さんが来店。
     初めは塗り薬だけを頼まれたが、詳しく話を訊いてみると一年中肩こりがするとの事。しかも、職業的なもので、塗り薬を使っても楽になる訳ではないらしい。
     それならば、何か別なアプローチもした方が良いと思い、五積散(ごしゃくさん)を勧めてみた。
     薬を飲むと胃がムカムカするとの事で、あまり気乗りしないようであったが、肩こりも胃腸の働きが弱い事に起因する可能性がある事もお話ししたところ、一週間分づつの顆粒ではなく、260錠入りの瓶で買っていかれた。
     子供が風邪だというお客さんが来店。
     子供と言っても、中学生との事。
     そして症状を詳しく尋ねると、エヘンエヘンと咽喉が痞(つか)えているようで、鼻水がやや出るものの、熱などはないという。
     この時期ならばもしかして……と思い当たる事がある。中間試験である。
     テストが近いのではないかと尋ねたら、その通りだとか。
     風邪に似てはいるけれど症状が激しくなくて、咽喉が痞えた感じがするという事は、神経性の食道狭窄かもしれない。
    「梅の種が咽喉に引っかかったような状態」に例えられる、『梅核気(ばいかくき)』だ。
     だとしたら、半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)が効くはずである。
     この漢方薬は、神経を鎮め緊張を解くので、受験シーズンに良く売れる。
     もし、エヘンエヘンと咽喉が痞えている感じがするのに強い咳にならず長く続くようであったら、一度この神経性の食道狭窄を疑ってみた方が良い。間違えて咳止めや咽喉の痛み止めの薬などを服用したりすると、かえって痰がからんだりして悪くなってしまう。
     それと、今回の場合は数日前に風邪をひいていたのも確かだそうなので、胃と肝を養うために、柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)を合わせることにした。
    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
    今回の日記の内容は、いかがでしたか?
    【感想アンケートのURLはコチラです】
     http://www111.sakura.ne.jp/~kitazono/cgi-bin/votecom/votec.cgi
    ☆締切:2003年10月31日から4日間
    ~~~~~~~~~~~~~~ ≪読者より一言≫ ~~~~~~~~~~~~
    通巻30号より

    ☆面白かった
     ちなみに私もキリスト教徒です (^_^#)ゞ
     でも、セフレもいるし、酒もガンガン飲むし、不真面目そのものです。(真面目に不真面目をする、というのか??)
     わはは・・・・。敬虔なクリスチャンのイメージが・・・・。
    (MIKA)
    ★不真面目な方が他の宗派や無宗教の人たちとの軋轢も少なくていいです。と、言い訳してみるテスト(笑)
     余談ですが、よく宗教家や信者で「信教の自由を侵害するのか」とか「私たちには信教の自由があるんです」と声高に言う人がいますが、そういう時には、こう諭してあげて下さい。
    「信教の自由は認められているが、宗教の自由までは認められていない」
     どういう事かというと、“思想の自由”に置き換えて考えてみると分かります。
     例えば「セクハラオヤジは殺してしまえ」と考えたとしても、そう考える事自体はなんら罪には問われません。考えるのは自由です。よしんば、人に語るのも自由でしょう。
     しかし、本当に自分の手で殺したら罪に問われます。また、人に勧めたり命令したりしても罪になります。
     つまり、“信教の自由”としてどんな宗教を、それこそ悪魔を崇拝する宗教を信仰する事も確かに憲法で保障されています。
     しかし、信仰に基づいて行う行為、すなわち“宗教の自由”までは憲法でも法律でも保障していません。
     その区別をつけられない人には、一言云ってやりましょう。
    「バ~カ(⌒▽⌒)」
     ……争いを誘発してドースル。>自分
    ■■■■■■■■■■■■■■■□免責事項□■■■■■■■■■■■■■■
     記載内容を利用して生じた結果について、当方では責任がとれませんのでご了承ください。
     また、筆者が思った事や感じた事を率直に書いている事柄に関しましては、反証可能な事実誤認以外の訂正には応じられません。
     URLで紹介した先のページの著作権は、そのページを作成した人にあります。
     URLを紹介する事に違法性はありませんが、文章等を転載する場合は、作者の許諾が必要となります。
    &&&&&&&&&&&&&&&&&&& 趣味の活動 &&&&&&&&&&&&&&&&&&&
    ◆TRPGのサークルに所属しています。
     卓上ゲームが好きな人や、興味のある方は覗いてみて下さい。
     また、『コミュニケーション』のコーナーでWEBラジオ番組『幻想時間』を公開しています。
     私は主に、映画についてトークをしています(・v<)
     http://www.snake-eyes.gr.jp/
    ------------------------------------------------------------------------
     このメールマガジンは、『まぐまぐ』 http://www.mag2.com/
    を利用して発行しています。
     解除はこちら http://www.mag2.com/m/0000109927.htm から。
    ------------------------------------------------------------------------

     

  • ≪通巻25号≫
    北園薬局メールマガジン★咳止めの漢方薬め/ニキビの漢方薬/皮膚病はまず病院へ

     ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
      ★彡☆-=★彡  それさえもおそらくは平凡な薬局  ★彡☆-=★彡
                      ≪通巻25号≫
      提供 : まぐまぐ http://www.mag2.com/
      発行 : 北園薬局 http://plaza2.mbn.or.jp/~kitazono/
      編集 : 北村俊純
      窓口 : kitazono@a1.mbn.or.jp
      ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
    ★川口薬剤師会主催による市民介護講習会が下記の内容で開催されます。
      会場に来れる方は、ぜひご参加下さい。参加費は無料です。
     日時 2003年10月11日(土) 13:30~16:00
     会場 リリア11階大会議室(JR川口駅西口徒歩1分)
     内容 『くすりの正しい使い方Part4』
        ~生活習慣病と薬物療法~
     講師 川口医療センター薬剤長 福田太仁夫先生
     定員 100名
     主催 川口薬剤師会
     後援 川口市
    ・リリア
     http://www.lilia.or.jp/
    ・川口薬剤師会
     http://www.yakuzaishikai.com/
     参加を希望される方は、メールにて当店までお問い合わせ下さい。
     メールの件名は『くすりの正しい使い方』として、本文には氏名・住所・電話番号・メールアドレスを書いて下さい。
    ~~~~~~~~~~~~~ 今回の日記の主な話題 ~~~~~~~~~~~
    ※10月4日(火)……咳止めの漢方薬
    ※10月5日(水)……ニキビの漢方薬
    ※10月6日(木)……皮膚病はまず病院へ
    ************************* 先週の平凡な日記 ***************************
    ◆10月4日(土)/2003年◆
     咳止めの漢方薬を求めて患者さんが来店。
     以前から漢方薬を買いに来てくれる人なのだが、いま一つ自分では覚えてくれないのが困ったところ。
     今回は咳が出て、家に置いてあった五虎湯(ごことう)麻杏甘石湯(まきょうかんせきとう)の両方を飲んだのに咳が止まらないと言う。
     うう……、それでは治りません(^-^;;;
     どちらも咳止めの漢方薬には違いないが、適応する咳の種類が違う。
     五虎湯の方は悪寒や発熱などが無くて激しく咳込む場合で、どちらかというとゼーゼーと濡れた咳に使う。
     一方、麻杏甘石湯は熱感などがある場合で、コンコンと乾いた咳に使う。
     しかし、いずれにしろ両方とも激しい咳込みに使うので、痰の絡むような咳の場合は、まず麦門冬湯(ばくもんどうとう)を使うのが良い。
     今回の患者さんの場合も、咳込んでいる訳ではなく痰が絡んでいるようなので、麦門冬湯を勧めた。
     今日は午前中にお店をあがって、午後からIちゃんとのデートに出かけた。
     本当は来週の土曜日に予定していたのだが、『くすりの正しい使い方』という市民介護講習会があるので、予定を繰り上げたのだ。
     半日しか一緒にいられないが、月の後半はIちゃんの方が試験シーズンに突入してしまうので、無理矢理予定を突っ込んだ。
     今回Iちゃんに案内されたのは、茨城県陶芸美術館。
     http://www.edu.pref.ibaraki.jp/tougei/
     『ロシア・アヴァンギャルドの陶芸』が最終日前日という事で、私の好きな物を良く分かっていらっしゃる(⌒▽⌒)
     20世紀初頭のロシアにおいて、美術・音楽・演劇など様々な分野にわたって展開された前衛的な芸術運動であるロシア・アヴァンギャルドの芸術から主に陶芸作品が展示されており、作品点数は少ないながら楽しむ事ができた。
     1917年のロシア革命の前に制作された作品群の中にあった真っ白なティーセットが特に気に入った。ただし、形がティーセットとしては使いにくそうだったけれど(苦笑)
     塩入れの塩の出る穴が容器の横に開いてる物があって、欲しいなぁと思ったのだが、現在は見かけないところをみると、開け口が横に付いていると使いにくいのだろうか。
     ロシア革命の翌年以降の作品になると、「働かざる者食うべからず」などのスローガンが書かれた皿などが多く製作されたらしい。毎日、そんなスローガンを目にしながら食事をするのは嫌だなぁ(苦笑)
     しかし日本人だからロシア語もデザインの一部として見れるという事もあるのだろうが、カラフルで芸術性と機能性が上手く融合したデザインになっていて感心。このままレプリカを作ってくれたら、ぜひ使いたいと思った。
     残念ながらロシア・アヴァンギャルドの芸術作品は、1932年に国家統制によって有害と見做され終焉を迎えてしまった。
     しかし今回の展示会では、ロドチェンコのデザイン画を元に岐阜県の工芸工場がカップ&ソーサーを製作して販売していた。模様はプリント印刷なので、味わいの点では今一つだが、洗練されたデザインの過去の食器が使えるというのは面白い試みだろう。
     私としては、マレーヴィチの食器をぜひ作って欲しかったが。
     今日は午後からのデートだったため食欲の方は置いといて、先に性欲の方を満たすためにホテルへ(笑)。
     車の運転がIちゃんなので、「連れ込むみたいでイヤ~」と言っていた。
     ホテルの中での事は割愛。
     お風呂場が無駄に広くて遊べる良い所だったのだが、紹介しようにもホームページなどは無い模様。
     もっとも、ほとんど満室状態なので利用する側としても、あまり知られたくはないと思ってしまったり(笑)。
     あっという間に時間は過ぎて、さすがにそろそろ帰らねばというくらいに外も暗くなってきてしまった。
     できるだけ長く一緒にいようと、夕食はこっちで食べていく事に。
     しかし入ったお店は『とん楽』というトンカツ屋。ムードもヘッタクレも無い(笑)。
     通りかかっただけのお店だったが、ネットで検索してみると評判はなかなか良いらしい。
     http://sagisou.sakura.ne.jp/~arakawas/backn003/tonraku/tonraku.html
     実際、食べてみた味としては大満足。お店に入った瞬間には「値段が高い」と思ったのだが、味と値段を比べれば値段以上に美味しいと思えた。
     ただしボリュームたっぷりで女の子には多すぎるかもしれない。Iちゃんが少し残したので、それも私が食べた。
     最初にメニューを選ぶ時に、店の主人があれやこれやと勧めてくれて、それがちょっと鬱陶しいと思ったものの、この味からすると自信の表れなのだろう。
     
     食事も終わって駅に向かう時に、Iちゃんに「こっちに住んではくれないよね」と言われてドキリ。
     次の瞬間には「ゴメン、あたしらしくなかったね」と照れてみせたが、本音を言うような子ではないので、かえってその言葉は重かった。
     
     帰りの列車に乗る段になって、奥さんから可愛い小物をお土産に買って来いと頼まれていたのを思い出して、慌てて売店で御当地限定の『キティちゃん』のストラップを購入。
     ところが家に帰って渡したら、「これ前にもらったよ」と言われてしまった。
     あうっ(^_^;
     夜中に実家のお母んから電話。
     爺ちゃんが体調が悪くなって、夕方にお店から帰したのとの事。
     明日は休ませたいという。それには私も同意。
     しかし問題が一つある。明日は、SEのコンベンションなのだ。
     私が欠席すると、今回はMちゃんもS氏もお休みなのでスタッフが3人だけになってしまう。
     慌てて現場責任者の武井くんに連絡。事情を話して相談したところ、明日の参加者は少ないと予想しているのでなんとか乗り切れるだろうと言われた。
     しかし、そう言うのは武井くんならば当然。申し訳ない。
    //////////////////////////////////////////////////////////////////////
     感想や健康相談はコチラ(・v<)
     http://www111.sakura.ne.jp/~kitazono/bbs_kitazono.htm
    //////////////////////////////////////////////////////////////////////
     
    ◆10月5日(日)/2003年◆
     SEのコンベンションは欠席としたので、朝はのんびりと起きた。
     日曜日だから、お店自体は人はほとんど来ないのがなんとも歯がゆい。
     ニキビの治療に使える漢方薬を求めて患者さんが来店。
     それほど多くは無いが、顔に何箇所かニキビができている。今回は、特に鼻の頭にできた面疔(めんちょ)が痛いので、それを治したいとの事。
     ニキビの治療には清上防風湯(せいじょうほうふうとう)を使う事が多いのだが、化膿していて痛みが強い場合には排膿散及湯(はいのうさんきゅうとう)の方が良い。
     排膿散及湯は、名前の通り膿を散らして排除する事ができる。これを短期間に集中して服用すると効果的だ。
     化膿するまでいかない、赤い発疹のようなニキビは、清上防風湯を少し長めに服用すると良いだろう。
     今回の患者さんは、両方を買っていった。
     当然ウチとしても儲けになるから良い訳だが、賢い選択である。
     夕方近くになって、お客さんも“ますます”来なくなり、お母んがお店をあがって良いと言うので、SEのコンベンションに向かった。
     閉会式に、もう少しのところで間に合わず、もはや時間潰しに行った感じ。
     せめてもと、机の片付けなどの撤収作業で労働力を提供することに。
     参加者の方は予想通り少なかったらしいのだが、不思議なことに初参加者は予想より多かったとの事。
     時期的に他の地域でもTRPGのコンベンションが開催されているので、ヘビーユーザーはそちらに流れたのかもしれない。
    「濃い層がいないだけで、こんなにも快適なゲーム環境になるとは」とH氏の弁。
     撤収作業を終えて、『ジョリーパスタ』で打ち上げ兼反省会。
     ネットで調べたら、『サンデーサン』の系列だった。
     http://www.sundays-sun.co.jp/top.html
     このお店は、ファミリーレストランの括りに入れるのがもったいないくらい、値段に比して味が美味しい。
     調理担当者によって味のレベルが違うのがタマニキズだが、今のところ『サイゼリヤ』のような大ハズレに出逢ったことは無い。
     今回はハーフ&ハーフでパスタは『ボローニア風ミートソースとモッツァレラチーズ』を、ピッツァは『トゥレフォルマッジ』を注文した。
     美味しい物を食べると余計にお腹が空くという事があるが、まさにそんな感じで、デザートに『ミックスベリーのパルフェ』まで注文してしまった。
     惜しむらくは、ハーフ&ハーフのドリンクにホット紅茶を頼んだら、ポットにお湯が先に入れられていて、ティーバッグが別に添えられて出された事。
     紅茶の葉にお湯を叩きつける事で渋みが出るのを抑えて香りが広がるのに、先にお湯を入れられてしまっては、どうやってもティーバッグはお湯に沈まず、無理矢理スプーンなどで沈めても渋みが出てしまい、どうにも困ってしまった。
     お湯を先に入れておくというのは、マニュアルで定められている事なのだろうか?
     できれば、美味しい料理をしめくくるための紅茶も美味しくいただきたい。
     ところで、日本では紅茶を注文すると「レモンにしますか? ミルクにしますか?」と尋ねられる事が多いが、これはどういう歴史によるものだろう。
     一説には、紅茶にレモンを添えるのは、保存技術が発達していなかった頃の名残(なごり)で、“謙遜”として添えてお客に出した物だとも伝えられている。
     いわば、「レモンで香りを付けないといけないほど粗末な紅茶ですが」という意味で、添えられたレモンを本当に入れるのは失礼に当るのだとか。
     実際、香りの良い紅茶にはレモンは強すぎて邪魔になる。ミルクも良い物でないと味を濁らせてしまうだけだ。
     その場合はストレートティーとなる訳だが、オレンジなどを入れたフレーバーティーや、ジャムを入れて飲むのも楽しいし美味しい。
     ぜひ、紅茶の専門店でなくても紅茶をもっと楽しめるメニューを充実しているレストランが現れて欲しい。
     メールでIちゃんから、「生理が来ないのよね~」と送られてきて蒼くなる。
     ところが何故か奥さんにまで、「妊娠してるかも」と告げられた。
     うう、Σ( ̄□ ̄;)どうなる!?
     待て、次号!!
     ……ドラマじゃ済まんぞ。>俺 
    //////////////////////////////////////////////////////////////////////
     感想や健康相談はコチラ(・v<)
     http://www111.sakura.ne.jp/~kitazono/bbs_kitazono.htm
    //////////////////////////////////////////////////////////////////////
    ◆10月6日(月)/2003年◆
     朝から小雨。雨を涼しいというのではなく、寒いと感じるようになってきた。
     風邪の患者さんが増えて、売り上げをUPするチャンスである。(←マテ)
     踵に水虫ができたいとう患者さんが来店。
     確かに踵にできない事もないけれど、珍しい。しかも痒いかを尋ねたところ痒みは無いとの事。
     そこで実際に患部を見せてもらうと、プツプツと小さな泡のような物ができており、その周りは血色が悪く紫色になっている。
     確証は持てないが、掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)のようだ。
     この皮膚病は汗疱状白癬症(水虫の一種)に酷似しているが、まったくの別物。
    さらに、患部ではなく体の別な部位に原因となる菌が潜伏していることがあり治療が難しい。
     虫歯や扁桃腺炎を治療する事で症状が改善する事があり、皮膚科でこの病気と診断されると歯科に行って下さいとか、内科に行って下さいと指示される事もある。
     なんにしても、皮膚病は専門医でさえ誤診をしやすいと言われている難しい疾患である。患者さん自身が自己判断するのも危ないし、町の薬局で判断できる代物では無い。
     今回の患者さんには、薬を買う前に病院での診察を受けるように勧めた。
     水虫の薬を自分で買う前に相談してくれて良かった=3
     子供が風邪をひいたというお客さんが来店。
     小学生で、以前に地竜(ぢりゅう)を飲ませたところ早く治ったという事で、それと合わせて柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)を購入された。
     熱が出やすい事を心配していたが、「それは体力が充実している証拠ですから」と安心するようにお話した。
     私のような虚弱体質だったりすると、風邪と戦って熱を出す事もできず、かえって風邪が長引いたりする。
     熱が出るという事は、肺炎のような異常な高熱が出るのではなければ、熱を出して風邪と戦う基礎体力がある証拠なのだ。
     沖縄県石垣市川平(石垣島)の沖合で5日午後、遊泳中に行方不明になっていた69歳のお年寄りが6日朝、無事に自力で岸まで泳ぎ着いたとのニュース。
     このご老人、5日午後0時半ごろから、約1キロ沖のリーフ(環礁)沿いで潜りを楽しんでいたところ、同3時頃に潮流でリーフ外に出てしまったのに気付き、体力を消耗しないよう、ウエットスーツの浮力を使い、立ち泳ぎをしたり、仰向けになったりして、潮流が変わるのを待ち、6日の朝になって陸に向かう潮の流れに乗って泳ぎ、午前7時過ぎに岸にたどり着いたとか。
     泳ぎが得意な人ほど自分の泳ぎを過信して溺れたりするそうだが、潮の流れに逆らわず、冷静な判断で体力を温存したのが功を奏したらしい。
     生き残るのにも“知恵”が必要なのだ。
     私のように“知識”があるだけでは、とうてい生き残れないだろう。
     『まぐまぐ』のページを見てみたら、気になる記事を発見。
     『個人ルールの大法廷』というページの8月分に『ニキビができたら 』というのがあり、多数の人が「ニキビは必ず潰します!」と回答しているのだ。
     http://www.mag2.com/vow/daihoutei/200308.htm
     ううむ、みんなそんなにニキビの痕を残したいのか( ̄▽ ̄|||?
     ニキビの中心の白くなっている芯のような所は、いわば細菌と戦っている戦場である。そこを潰してしまっては、敵味方の別無く爆撃するようなもので被害甚大である。
     できれば放っておくべきだし、もしどうしてもという事であれば吸い出し用の塗り薬を使って、手は出さないようにして欲しいところだ。
     さらに、編集部のコメントとして「皮膚を清潔にしておくのがニキビ予防には一番ですかね。」と無責任な事を書いているが(まぁ、バラエティ企画のコメントに責任ある発言を求めるのは野暮とも言える)、いささか誤解を招いてしまう。
     人間の皮膚は皮脂によって外敵(細菌など)から守り、かつ水分の蒸発を防いでいる。
    「清潔に」というのは、汚れた皮脂や皮膚細胞の死骸(垢)が毛穴などに残って細菌に侵されるのを防ぎましょうという意味である。
     だから、ただ清潔にしようとしてやたらに洗ったりすると、皮脂が皮膚を守る事ができなくなり、かえってニキビの原因となってしまう。
     より的確な予防方法を助言するとすれば、あまり強力ではない石鹸などで、汚れは落としつつも皮脂を失わないように適度に洗いましょうという事になる。
     また、清上防風湯(せいじょうほうふうとう)のような漢方薬で、体質から整えるのが良いのだが、まぁそれはウチの商売上のアドバイスとなるので、『まぐまぐ』には関係無い。
     なんにしても、“裏付け”が必要なテーマを取り上げる時には、もう少し周辺情報を調べてもらいたいなぁと思う。
     
     Mちゃんに送ったつもりの不倫メールが、携帯電話の操作を間違えて奥さんに送ってしまった(^-^;;;
     奥さんからは一言「アホ」との返信。
      
     某サイトのチャットで「どうやったら多くの女性と付き合えるのか教えて下さい」と質問された。
     そのうえ、どうしたら女性とセックスできますかと訊かれてもねぇ( ̄▽ ̄|||
     したいだけならお金で買えばと答えたら、今度は「どこで買えますか?」とまで訊かれたのにはさすがに呆れてしまって何も言う気が無くなってしまった。
     相手を“生きた人間”として認識してないんじゃ、買春するにしたってセックスする資格も無いのでは?
     関係無いが、中国広東省の珠海市を慰安旅行で訪れた日本人団体客が集団買春したというニュースの方は、なんだか訳の分からない事になっている模様。
     そもそも発覚したのは、同ホテルを利用していた中国人の会社社長が中国紙に対して行った証言が元だというのだが、集団買春をしたとされる日本人団体客がホテルのロビーに日の丸を掲げるように要求したうえ、宴会でも軍隊調の音楽を流していたと伝えられていて、「ホントかよ?」という内容なのだ。
     そもそも満州事変72周年の直前に起きたというのも出来すぎだし、日本国内における中国人による犯罪の報道は中国では一切報道されていない。
     それに、手配したとされるブーローカーは中国人のはずなのに、「中国に来る日本人が中国の法律を守るよう教育してほしい」と言われる筋合いは無いだろう。それなら、中国に対しては「中国に住む中国人が中国の法律を守るよう教育してほしい」と返しても良いのでは?
     政府が未だに国民を統制しようとしている中国での事を、政府に対する批判を公然とする自由がある日本と同じに考えて、安易に“申し訳ない気持ち”になって謝ってしまったら、ますます日本の立場を危うくしてしまうだろう。

    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
     今回の日記の内容は、いかがでしたか?
     【感想アンケートのURLはコチラです】
     http://magical-shop.web.infoseek.co.jp/votecom_kitazono.htm
     ☆締切:2003年09月9日から4日間
    ■■■■■■■■■■■■■■■□免責事項□■■■■■■■■■■■■■■■
     記載内容を利用して生じた結果につい て、当方では責任がとれませんのでご了承ください。
     また、筆者が思った事や感じた事を率直に書いている事柄に関しましては、反証可能な事実誤認以外の訂正には応じられません。
     URLで紹介した先のページの著作権は、そのページを作成した人にあります。URLを紹介する事に違法性はありませんが、文章等を転載する場合は、作者の許諾が必要となります。
    &&&&&&&&&&&&&&&&&&&& 趣味の活動 &&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&
    ◆TRPGのサークルに所属しています。
     卓上ゲームが好きな人や、興味のある方は覗いてみて下さい。
     また、『コミュニケーション』のコーナーでWEBラジオ番組『幻想時間』を公開しています。
     私は主に、映画についてトークをしています(・v<)
     http://www.snake-eyes.gr.jp/
    ------------------------------------------------------------------------
     このメールマガジンは、『まぐまぐ』 http://www.mag2.com/ を利用して発行しています。
     解除はこちら http://www.mag2.com/m/0000109927.htm から。
    ------------------------------------------------------------------------

     

  • ≪通巻21号≫
    お金は大切に/『アスタロン』が効いています/箱書き(注意書き)を読みましょう/風邪に『地竜(ぢりゅう)』はいかが?/膀胱炎に猪苓湯(ちょれいとう)/映画評『座頭市』

    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
    ★彡☆-=★彡  それさえもおそらくは平凡な薬局  ★彡☆-=★彡
                    ≪通巻21号≫
    提供 : まぐまぐ http://www.mag2.com/
    発行 : 北園薬局 http://plaza2.mbn.or.jp/~kitazono/
    編集 : 北村俊純
    窓口 : kitazono@a1.mbn.or.jp
    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
    ~~~~~~~~~~ 今回の日記の主な話題 ~~~~~~~~
    ※9月9日(火)……お金は大切に
    ※9月10日(水)……言葉の壁
    ※9月11日(木)……『アスタロン』が効いています
    ※9月12日(金)……箱書き(注意書き)を読みましょう
    ※9月13日(土)……風邪に『地竜(ぢりゅう)』はいかが?
    ※9月14日(日)……膀胱炎に猪苓湯(ちょれいとう)
    ※9月15日(月)……映画評『座頭市』
    ******************* 先週の平凡な日記 *********************
    ◆9月9日(火)/2003年◆
     ウチは自民党所属なので(特に支持してるワケじゃないけど)、総裁選の投票用紙が届いた。
     実は数日前から、亀井氏の事務所からは投票をお願いする電話が4回もあった。そのため、お母んは「お金を無駄遣いするよう人に任せられない」と呆れていたのだが、私も同感。
     本来、経済活動など政治がどうこうするモンじゃない。せいぜいが、交通整理程度で良い。
     それを、景気対策を名目に財政出動させようなんて、自分の金じゃないから、まぁ景気のいい話で。まさに、戦後高度経済成長期の亡霊のような人。亡霊は早いトコ成仏してもらいたいものだ。
     藤井氏と高村氏は、out of 眼中。言ってる事が亀井氏と変わらないなんて、いったいなんのために出てきたのか。小泉首相の“ハッタリ”を見習って出直して来い(笑)
     病院からの処方箋で、在庫の無い薬が出た。
     値段を調べてみると、最小仕入れ単位でも5万円以上する代物。
     同じ患者さんが継続して来るのであれば一括して仕入れても良いのだが、もし治ってしまったり(失言)、亡くなってしまったら(大失言)大損となる。
     そう言えば、以前にも高い薬が出て仕入れたら、その後使用する患者さんがパッタリと来なくなってしまい、他の薬局で必要としている所があったので譲った翌日に、実は入院していましたとの事で来られた事があったな。
     あれはあれで困ったものよ。
     とりあえずここは安全策で、備蓄センターに小分けを取りに行くことにした。
    //////////////////////////////////////////////////////////////////////
     感想や健康相談はコチラ(・v<)
     http://www111.sakura.ne.jp/~kitazono/bbs_kitazono.htm
    //////////////////////////////////////////////////////////////////////
    ◆9月10日(水)/2003年◆
     アラブ系の患者さんが来店。
     ウチの地域は外国人が多く、東南アジア系とアラブ系の患者さん自体は珍しくない。
     ところが今回の患者さん、日本語がほとんど喋れない様子。カタコトの日本語も喋れない人というのは珍しい。
     うう~、何を言っているのか分からない~(>_<)
     そうだ、英語は………私が喋れない~(^-^;
     向こうも話が通じないと思ったのか、ポケットからチューブ状の物を取り出した。そして、腕に塗る動作をする。
     チューブの方はずいぶんと潰れていて中身が空のようだ。
     そうか、同じ物が欲しいんだなと思い、そのチューブを受け取った。
     するとチューブにはなにやら文字が書かれているのだが、どっかで見た事だけあるよ……。このミミズののたくったような文字は、確かアラビア文字とかいうものでは………。(違うかもしれないけど。)
     効能書きなどが書かれているのだろうと予想はつくけれど、全然全く完璧に分からない。
     患者さんは、どこの言語とも分からない言葉を早口でまくしたてて、これまた全く糸口がつかめない。
     すると、患者さんが『ベトネベート』という単語を口にしたように聞こえた。
    「ベトネベート?」と私が言うと、「ベトネベート!」と笑顔で返してきた。
     そしてもう一度チューブの方をグルリと見回してみると、一箇所だけアルファベットの表記があるのが目に止まった。
    『BETNEVATE』と書いてある。ミミズののたくったような文字に囲まれて。
     やっと患者さんが求めている薬の正体が分かり、持ってきたチューブに書かれている文字の綴りと、お店に置いてある薬のパッケージに書いてある文字の綴りを並べて見せて、同じ物であることを確認してもらい、買っていただいた。
     薬の名前だけでもアルファベットで良かった。
     もし中国語圏だったりすると、全部漢字だったりするのだろうか。
     自民党の野中広務元幹事長が引退を表明したとのニュース。
    「自ら退路を断ち、最後の情熱と志を、今回の小泉政権を否定する最大の戦いに燃焼し尽くしたい」と語ったが、それならもっと早く言うべきだったのではないか。
     すでに情勢が小泉首相に傾いている事が分かってからでは、敗軍の将について行く者はいないだろう。
     村木氏や青木氏への苦言も、この期に及んでは悪口にしか聞こえない。それを涙ながらに語るというのは、むしろ権力にしがみもつこうとした鈴木宗雄氏の醜悪さと重なる。
     私は、反対の立場をとる時に相手と違う組織に属するのは自己満足に過ぎないと思っている。“実行力を伴って反対する”のなら、主流派の中にあって少しでも自分の意見を盛り込んだ方が反対意見の命脈を保てる。そういう意味で、小泉首相の政策に対して反対意見を述べながら応援する事に決めた青木氏の方が、責任ある態度ではないだろうか。
     野中氏はたびたび小泉氏を「独裁者だ」と批判していたが、実際には小泉首相は妥協に妥協を重ねたために、国民からは改革が進んでいないという批判がなされた。見方を変えれば、「まったく改革されないよりは良い」と言えるし、同時に「激変して混乱するよりは良い」とも言え、トータルではバランスが取れている。
     イラク特措法にしても、“完全なる非戦”から見れば暴挙に映るかもしれないが、“国家の安全”を守るためと称して核武装まで持ち出す北朝鮮と比べれば、積極的に戦争をするために成立させたわけではなく、現実に即した対応だったと私は考えている。
     本来なら野中氏のような旧態依然とした保守派が後方を守り、革新派が改革を進めるというのがバランス的に理想なのに、その後方の守りから降りてしまうというのは、私には政治家として無責任だとしか思えない。
     笑ってしまうのが、民主党や社民党、共産党などが野中氏に好意的なコメントを出している事。
    「気骨ある発言」とか、「強い信念の持ち主」とかって、自分の思い通りにならないからと投げ出すような人に言う言葉じゃないと思うのだけど。
     理念だけでは政治家は務まらないという事を、まったく学ばないらしい。
     ところで、奇しくも解散総選挙が来月にもと報道されているが、今月には日朝会談から一周年を迎えることになる。となると、社民党や共産党の過去の拉致問題に対する姿勢が取り沙汰されるのは必至。
     総選挙後に生き残れるんだろうかね?
    //////////////////////////////////////////////////////////////////////
     感想や健康相談はコチラ(・v<)
     http://www111.sakura.ne.jp/~kitazono/bbs_kitazono.htm
    //////////////////////////////////////////////////////////////////////
    ◆9月11日(木)/2003年◆
     外務省の田中均・外務審議官宅に不審物が仕掛けられた事件について、石原都知事が「爆弾が仕掛けられて当たり前の話だ」などと発言したというニュース。
     相変わらず率直な(苦笑)
     確かに公人としては不穏当な発言ではあるから、外務省が11日に予定されている茂木敏充副外相の記者会見で「遺憾の意」を表明する方向で調整するのは当然だし、小泉首相が「(不審物を)仕掛けられた方は悪くない。仕掛けたほうが悪い」とコメントを出したのも対外的には必要だとしても、民主党の枝野幸男政調会長の「大衆迎合のポピュリズムで許しがたい」という批判は的外れではないか?
     石原都知事のアレは、大衆迎合じゃなくて本心だろ(笑)。
     以前に誰かが「言っていい事と悪い事があるのではない。言っていい事と言いたくても言えない事がある」と語っていたのを何かの本で読んだが、石原都知事は言いたい事を率直に口に出しているに過ぎない。
     だいたい、「大衆迎合」って事は、枝野氏も「大衆(多くの人)はそう思ってる」という事を認めてる事になると思うのだけれど、自分で言ってて気づかなかったのか(笑)?
     ウチで使用している調剤管理のソフト『調剤くん』を納入しているシステムブレイン社の営業マンが来店。
     今日は近くの別の店に寄ったついでだとの事。
     こちらもついでに、操作上の不明な事をいくつか質問できて助かった。
     http://www.gai.co.jp/chouzai/dairiten/dairiten.html
     システムブレイン社も、やっとホームページを開設したそうなので覗いてみようと思ったら、まだサーバーに情報が載っていない模様。
     後日、再度アクセスしてみよう。
     目の栄養として販売している『アスタロン』を、続けて服用したいという患者さんが来店。
     医薬品ではなく健康食品なのだが、服用してから飛蚊症(ひぶんしょう)が改善してきているとの事。それはなにより。
     そうかぁ、これだけ良くなったと言う患者さんがいるのなら、その声を集めて宣伝に使えばいいんだ。
     ……と思ったものの、そういうのって胡散臭く見えるんだよなぁ(苦笑)
     もしかすると、その方が大々的に売れて儲かるのかもしれないが、なんかイヤσ(^◇^;)。
    //////////////////////////////////////////////////////////////////////
     感想や健康相談はコチラ(・v<)
     http://www111.sakura.ne.jp/~kitazono/bbs_kitazono.htm
    //////////////////////////////////////////////////////////////////////
    ◆9月12日(金)/2003年◆
     子供の腕に湿疹ができたという患者さんが来店。
     子供を連れてきていたので実際に患部を見てみると、肘の内側に掻き毟(むし)った痕がある。どうやら、汗疹(あせも)が悪化したもののようだ。
     親の話だと、オロナイン軟膏を塗ったのだが効果が無かったとの事。
     そりゃあ無いでしょうねぇ。オロナイン軟膏は殺菌消毒剤で、皮膚疾患を治療する成分も、痒みを抑える成分も入っていませんから(^-^;
     さらにその後に、今度はメンソレータムを塗ったとか。ズゲッ!!Σ( ̄□ ̄;)
     メンソレータムは、ヒビやあかぎれを改善する塗り薬で、湿疹や汗疹とは縁も所縁も無い。汗疹が悪化した直接の原因ではないとは思うが、そこまでで止めて来てくれたのは御の字か。
     突発的な事故で気が動転してというのであればまだ分かるが、せめて箱書きか説明書を読んで欲しいな。
     20代と思わしき女性が来店。
    「いらっしゃいませ」と迎えたが、無視をしてお店の中をウロウロと見て回る。
     薬局には生理用品などを買いに来る人も当然いるので、しばらくはそのままこちらもお客の視界に入らないように別な作業をして、気にかけないフリをする。
     しかし、何度も同じ所を行ったり来たり。そこは避妊具のスペースである。
     ウチはお店が小さいこともあって商品の種類はかなり絞ってある。探している物は大抵“置いてない”事の方が多い(苦笑)
     そこで「何かお探しですか?」と尋ねると、そっと近づいてきて小声で(周りには誰もいないのだが)「女性用のコンドームはありますか」と言われた。
     ああ、やっぱり。残念ながらウチには置いていない。
     ドラッグストアーならばどうかと思ったが、近隣のお店はすでに見てきて、置いてなかったそうだ。
     インターネットをやっていれば通販でという手もあるが、家にはパソコンは無いらしい。
     それならばと、『コンドマニア』の原宿店を教えた。
     http://www.condomania.co.jp/
     ウチからならばJRを利用して1時間もあれば行ける。今すぐにという訳でなければ、そこに行った方が確実だろう。なにしろ、“無いコンドームは無い”くらいなのだから。
     ホームページを検索して地図を渡すと、やたら感謝されてしまった。
     いい事をした……のか(笑)?
     後でホームページの方を覗いてみたら、“波動共振加工を施した”というコンドームを見つけた。“波動”なんて、まさに「無いもの」をどうやって用いてコンドームを加工したというのか。言い訳がましく、「波動共振による効果は100%保証される物ではありません。」と但し書きがあるのが微笑ましいぞ(笑)
     個人的には『四十八手コンドーム』というのに興味があるな。この“四十八手”というのはわりと目にするものにも拘らず、文献や資料によって内容が違っており、一説には百手以上になるらしい。このコンドームには、四十八手の解説が添付されているそうで、自分が知らない手があったりしたら面白い。8千円で、ちゃんとコンドームも48個入っている模様(笑) あれ? でも、椋鳥(むくどり)や岩清水にはコンドームはいらないよなぁ。余ってしまうぞ。
     う~む、通販で買ってみようかな。
     
    //////////////////////////////////////////////////////////////////////
     感想や健康相談はコチラ(・v<)
     http://www111.sakura.ne.jp/~kitazono/bbs_kitazono.htm
    //////////////////////////////////////////////////////////////////////
    ◆9月13日(土)/2003年◆
     娘さん(30代)が出血性の痔との事で相談された。
     排便をすると、その後に必ず出血してしまうという。しかし、痛みは無いらしい。
     内臓が弱っていて痔になってるのかとも思ったが、肌の色つやは良く他に健康上の問題は無いと言うので、ハテと悩んでしまった。
     ところが、もう少し詳しく話を訊いてみると、貧血気味になる事はあるとの事。貧血をすでに日常的な事と捉えていて、健康上の問題だとは思っていなかった模様。
    「他に、何か症状はありますか?」と型通りに尋ねるだけだったら、危うく見逃すところだったかもしれない。
     貧血を伴う出血性の痔の治療には、きゅう帰膠艾湯(きゅうききょうがいとう)が適応するだろうと思い勧めた。
     子供が風邪をひいたと言う患者さんが来店。
     そろそろまた花粉症の季節なので、症状を良く確かめないと花粉症と気づかずに風邪薬を服用してちっとも治らないという事がありえる。
     今回は、寒気がして咳も出ており、すでに咽喉も痛いとの事で風邪には間違いないようだ。
     風邪のひき始めならば葛根湯(かっこんとう)が良いが、咽喉が痛いとなると麻黄湯(まおうとう)の方が効果的である。ところが、吐き気もあるという。吐き気がするのでは麻黄湯は効き目が強すぎて、余計に吐き気が酷くなるかもしれない。風邪の症状を感じたのも、3日前くらいからだという。
     ううむ、もう少し早く気づいてもらいたかったが、子供が学校に行っていると1日に顔を合わせるのは数時間も無いから、難しいのかもしれない。
     胃腸を助けながら風邪を治療するために、柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)を勧めた。
     風邪は目まぐるしく症状が進んでいく。それに合わせて服用する漢方薬も次々と変えていくのが大事である。そのためにも、葛根湯(初期)→麻黄湯(中期)→柴胡桂枝湯(後期)の3種類の漢方薬は普段から揃えておくのが良いだろう。
     ところで、実は通信販売のページに載せていないのだが、とてもよく効く風邪薬が1つある。私としてはぜひお勧めしたいのだが、果たして買う人がいるかどうか。
     店頭でなら、詳しく説明するので大抵は納得して買ってくれて、一度使うと次に風邪をひいた時のためにと、まとめ買いをしてくれるくらい良く効く。
     ソレは何かと言うと、『地竜(ぢりゅう)』である。
     地竜ではなんだか分からないかもしれない。“地”の“竜”とは、“ミミズ”の事である。
     ミミズと聞いて引いた人は、ゴメンなさい(^-^;
     しかし、このミミズというのは風邪に効果覿面なのだ。
     いや、日本での効能は“熱さまし”としてでしか認められていないのだが、実際のところは応用範囲がものすごく広い。
     頭痛、関節痛、気管支喘息、高血圧、動脈硬化などにも効果があるのだ。成分的には、脂肪、脂肪酸、コリン、核酸分解物等を含んでおり、ちゃんと裏付けがある。
     栄養的にも、昔から「山で道に迷った時にはミミズを食べれば生き延びられる」と言われているほどで、栄養価が高い。そのため、男性ならば精力剤としても使える。その辺の安い栄養ドリンクなどよりよほど効くだろうし、バイアグラなんて危険な物を服用するよりは、ミミズで元気になった方が良い。
     そう言えば都市伝説で一時期、「マクドナルドのハンバーガーはミミズの肉が混じっている」なんてヨタ話があったが、冗談ではない。国産の牛肉と比べても同じグラム数なら10倍以上も値が張る高級品である。とても、ハンバーガーに使うなんて贅沢な事はできようはずもない。
     ちなみに、ミミズには微量の毒があるので生食はしないように。必ず、煮るか焼くかして火を通す事。食感は、伸びたウドンのようだそうである。…って、別にミミズを食べるのを勧めているのではなくて、そのミミズを原料に用いた薬を通信販売して、注文する人がいるかどうかという事。
     一応、粉になっているからミミズとは分からないし、乳糖を添加してあるので、ミミズの味がする訳ではない。あくまで、イメージの問題である。
     ウチでは一週間分を2千百円で販売しており、これを先に挙げた風邪のための漢方薬と一緒に飲めば、相乗効果で早い回復が期待できる。私なんかは、スキーに行った時に風邪をひいてしまい、夕方から夜にかけて『地竜』をどんどん飲んだら、翌日には治ってスキーを楽しんで帰ってきてしまったくらいだ。
     さて、通信販売のページに掲載しようかどうか。検討中………(・_・)
    //////////////////////////////////////////////////////////////////////
     感想や健康相談はコチラ(・v<)
     http://www111.sakura.ne.jp/~kitazono/bbs_kitazono.htm
    //////////////////////////////////////////////////////////////////////
    ◆9月14日(日)/2003年◆
     今日は町内会の運動会。
     私はお店番だから参加はしない。やれ、助かった(笑)
     喘息の患者さんが来店。
     私もここ数日息苦しく感じていたので来るかなと思ってました(苦笑)
     この患者さんの住んでいる所は近くに工場が多くあるため、晴天と高い気温が続き、公害の影響もあるものと思われる。
     前回勧めた麦門冬湯(ばくもんどうとう)が効いたようで、今回も買っていかれた。
     飲み物に関しては、体に余分な水分を溜めやすいコーヒーや烏龍茶は避けているとの事。体に余分な水が溜まると、喘息は酷くなるので。
     膀胱炎ではないかという患者さんが来店。
     今までに膀胱炎になったことは無く、病院での診察も受けておらず、あくまでそう思ったとのことなので、詳しく症状などを尋ねてみた。
     喉が渇き、夜間にトイレに起きるのだが、残尿感があるようである。痛みは無いそうなので、もし膀胱炎だとしても軽度のものだろう。
     疲れやすいとか冷え性とかも無いようなので、猪苓湯(ちょれいとう)で様子を見てもらう事に。
     もし膀胱炎でなかったとしても、猪苓湯は体が水を上手く捌(さば)けないのを助ける作用があるので、体調は良くなるはずである。
     逆に症状が改善しない場合は、病院に行ってみて下さいとお願いした。
    //////////////////////////////////////////////////////////////////////
     感想や健康相談はコチラ(・v<)
     http://www111.sakura.ne.jp/~kitazono/bbs_kitazono.htm
    //////////////////////////////////////////////////////////////////////
    ◆9月15日(月)/2003年◆
     関節痛の患者さんが来店。
     前に相談にみえた時に牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)を勧めたのが効いているそうで追加を希望された。
     牛車腎気丸は主に、加齢による全身の機能の低下を抑える効果があり、特に排尿困難、多尿、頻尿、排尿痛などを改善するのだが、腰痛や下肢痛を和らげる事もできる。
     本来ならば桂枝加朮附湯(けいしかじゅつぶとう)の方が関節痛には良く効くとも思ったが、連日の残暑で体力が落ちている事を考慮したのが功を奏したのだろう。
     それと喘息も患っているので最近の様子を尋ねてみると、寝る前や明け方に息苦しさを感じているとの事。
     念のために、半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)を勧めた。
     同じ喘息でも咳が強い場合は麦門冬湯(ばくもんどうとう)を使う事が多いが、咳は目立たず、代わりにヒューヒューという喘鳴がする場合は、半夏厚朴湯を用いた方が体力の低下を防ぐ事ができる。
     午後はお店が落ち着いてしまってポツネン(・_・)
     そう言えば今日は休日なんですね。忘れてました(苦笑)
     しかも敬老の日であった。敬老の日なんて、生まれてこの方ずっと忘れてます(エッヘン)。
     お母んが今日はあがっていいと言うので、これ幸いと映画を観に行くことにした。
     1人で行こうと思っていったん家に戻ったら奥さんがいて、一緒に行きたいと言う。
     忘れてたよ、お休みだったのね=3
     新宿まで出て観たのは、北野武監督・脚本・編集、ビートたけし主演の『座頭市』。
     http://www.office-kitano.co.jp/zatoichi/

     この映画、観に行くかどうか自分としてはかなり迷った。
     私は話題になった映画はあまり観ようとは思わない。私が観なくても誰かしら観る訳だから、それだったらマイナーな映画を観て後世に伝えていかなければならないと思うから(苦笑)。
     それがベネチア国際映画祭で銀獅子賞を受賞してしまい、がぜん世間の注目を集めるようになっては、もはや評判が先行して観る必要が無い。
     しかし北野監督の作品は『その男、凶暴につき』の頃からのファンである。
    当時は芸人が映画を撮るという事でイロモノとして観られていたのが、今では世界の北野監督となってしまった。
     俺は昔から好きだったんだぞという歪んだファン心理が、無意味に葛藤を起してしまってどうにも素直に観れそうにない。
     それでも結局は、「嫌いな役者が出ていない」という理由で観ることにした。
    (私は嫌いな役者が出ていると、好きな監督作品や好きな役者が出演していても観ない事がある。後藤久美子が出演したジャッキー=チェン主演・監督の『シティーハンター』とか)
     だが、映画館に到着して「しまった」と思った。
     上映1時間前だというのに、すでに長蛇の列なのだ。こんな列に並んで疲労すると作品の良し悪しに余計なファクターがかかってしまう。
     『タイタニック』の時は苦労した甲斐があったとプラスに働いたが、『もののけ姫』の時には待ち時間も含めて無駄にしてしまったとマイナスに働いてしまったのだ。
     うう……、不安だ。
     それでも、ど真ん中の席を確保できたのでホッとした。
     ここから先はネタバレがあるので、これから観るのに余計な情報はいらないという人は、下記のアンケートまで飛ばして下さい。
     ネタバレ警報発令!ネタバレ警報発令!ネタバレ警報発令!
     今回の物語は、三組の旅人が同じ宿場町で出逢うところから始まる。
     一組目は当然、盲目の居合いの達人である座頭市(ビートたけし)。
     二組目は故あって脱藩してきた浪人の服部源之助(浅野忠信)と妻おしの(夏川結衣)。
     三組目は幼い頃に盗賊に家族を殺され復讐相手を捜している旅芸者のおきぬ(大塚由祐子)と、おせい(橘大五郎)の“姉妹”。
     そして宿場町では、ヤクザたちのショバ争いが起こるという次第。
     まず、導入部で登場人物たちがほとんど勢ぞろいするのだが、これは往年の時代劇の作劇法を踏襲したとの事。しかし、三組の“生業(なりわい)”をフラッシュバックのように挿入したりと、始めから物語の世界に引きずり込んでくれる。
     いわば観客の側は、ぼうっと観ていても映画の方で勝手に引き回してくれる訳だ。こいつぁ楽だ(笑)
     ただし、その引き回し方もハリウッドメジャー作品のような乱暴な引き回し方ではなく、座頭市に助けられた野菜売りのおうめ(大楠道代)が盲目の座頭市の手を引いて道案内するように、安心して着いていける。
     一方で切り合いのシーンは、鍔迫り合いなどは無く、かなり淡白な印象を持った。これは、リアルな“殺し合い”を目論んだのかもしれない。それだけに、切られるシーンなどは“痛み”を感じて迫力があった。
     最近のストップモーションでの格闘シーンに食傷気味の人には、爽快感があるかもしれない。もしかすると、ベネチア国際映画祭で評価されたのも、その点なのでは。
     視覚的な面白さが切り合いのシーンだとすれば、聴覚的な面白さは随所に散りばめられた“リズム”だろう。
     農民が畑を耕すところや、雨のシーンなどで様々なリズムを聞かせてくれて、それがラストで下駄でのタップダンスへとつながっていく。
     映画というものは日々の退屈な日常から一時離れる“祭り”でもある。この作品は、まさしく娯楽に徹した祭りなのだ。
     惜しかったのは、私の隣に座った爺さん2人組が、終始何かを食べていた事。
    いや、食べるのはいい。歌舞伎なんか、物を食べながら観るものだから、そんな観客の耳目を振り向かせるために見得を切るようになったくらいだ。
     ただ、今回の『座頭市』は音も重要な作品の要素となっている。それを、とりわけ音の大きな物を次から次へと食べられて、いささか閉口した。1人で来ていたら怒鳴りつけるか殴り倒していたかも。奥さんと来たのは正解か(^-^;
     そして、やはりベネチアで人気を博した理由の一つはドンデン返しにあったのではなかろうかと思う。
     ヤクザが抗争して最後に銀蔵一家が残るのだが、その大親分の正体が実は……と思わせておいて、そいつもまた操り人形で本当の大親分は───となり、そこにさらに実は座頭市は……という私としては「おいおいおい」とツッコミを入れたくなったのだが、確かに仕掛けは面白い。
     あんまりドンデン返しが面白くて、最大の見せ場となるはずの服部との対決シーンが記憶に残らなかった(苦笑)
     ただし、その服部との対決シーンにも小ドンデン返しが仕組まれていて、「やられた!」という気分にしてくれて面白かったのだが。
     ビデオ化される前に、もう一回くらいは映画館で観ておきたいな。
     今度は、食べ物を持っていない人の隣の席で。
     ちなみに、“座頭市”というのは名前ではないそうな。
     “座頭”も“市”も、それぞれ盲人の身分の事を指すのだとか。だとすると、“座頭市”というのは、“目の見えない盲人”と言っているようなものなのか。なんだか、「頭痛が痛い」とか「馬から落馬した」みたいだな(笑)
     座頭市の由来を知っている人がいたら、ぜひ教えていただきいたい。
     帰りに奥さんが、敬老の日なんだからと“寿”と描かれたカステラを買った。
     それを私から爺ちゃんと婆ちゃんに渡せと言う。
     うう、そんな事やったコト無いよ~(>_<)
     しぶしぶ家に立ち寄って、出迎えた婆ちゃんにカステラを渡したら、なんの偶然か、私が小学生の頃の学級新聞に載った詩を読んでいたと持ち出してきた。
     ひえ~! や~め~て~!!
     そんなモノが残っていたとは( ̄▽ ̄|||
     逃げるように帰りました(笑)
    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
    今回の日記の内容は、いかがでしたか?
    【感想アンケートのURLはコチラです】
    http://magical-shop.web.infoseek.co.jp/votecom_kitazono.htm
    ☆締切:2003年09月18日から5日間
    ■■■■■■■■■■■□免責事項□■■■■■■■■■■■
     記載内容を利用して生じた結果につい て、当方では責任がとれませんのでご了承ください。
     また、筆者が思った事や感じた事を率直に書いている事柄に関しましては、反証可能な事実誤認以外の訂正には応じられません。
     URLで紹介した先のページの著作権は、そのページを作成した人にあります。URLを紹介する事に違法性はありませんが、文章等を転載する場合は、作者の許諾が必要となります。
    &&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&& 趣味の活動 &&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&
    ◆TRPGのサークルに所属しています。
     卓上ゲームが好きな人や、興味のある方は覗いてみて下さい。
     また、『コミュニケーション』のコーナーでWEBラジオ番組『幻想時間』を公開しています。
     私は主に、映画についてトークをしています(・v<)
     http://www.snake-eyes.gr.jp/
    -------------------------------------------------------------------
     このメールマガジンは、『まぐまぐ』 http://www.mag2.com/ を利用して発行しています。
     解除はこちら http://www.mag2.com/m/0000109927.htm から。
    -------------------------------------------------------------------

     

  • ≪通巻20号≫
    霊アレルギー!?/合わない漢方薬を飲むとこうなる(T-T)/“手入れ”/(私の)皮膚疾患解決!/映画評『ドラゴンヘッド』/「必要な物は必要な時に壊れる」/フリーターを“職業”に

    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
    ★彡☆-=★彡  それさえもおそらくは平凡な薬局  ★彡☆-=★彡
                    ≪通巻20号≫
    提供 : まぐまぐ http://www.mag2.com/
    発行 : 北園薬局 http://plaza2.mbn.or.jp/~kitazono/
    編集 : 北村俊純
    窓口 : kitazono@a1.mbn.or.jp
    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
    ~~~~~~~~~~ 今回の日記の主な話題 ~~~~~~~~
    ※9月2日(火)……霊アレルギー!?
    ※9月3日(水)……合わない漢方薬を飲むとこうなる(T-T)
    ※9月4日(木)……“手入れ”
    ※9月5日(金)……(私の)皮膚疾患解決!
    ※9月6日(土)……映画評『ドラゴンヘッド』
    ※9月7日(日)……「必要な物は必要な時に壊れる」
    ※9月8日(月)……フリーターを“職業”に
    ******************* 先週の平凡な日記 *********************
    ◆9月2日(火)/2003年◆
     近所のヒグラシがうるさくて閉口。
     昔読んだ『マカロニほうれん荘』という漫画で、主人公の1人がセミに「うるさいわね! ミンミン鳴くんじゃないわよ!!」と言ったら、セミが「シクシク……、シクシク………」と鳴くというギャグがあったなぁ。
     http://www7.ocn.ne.jp/~sa-kku/makaronimain.htm
     問屋さんの1つが、担当者が代わってから入荷ミス連発。
     注文していない物を持ってきたり、軟膏とクリームを取り違えたり。
     “連発”と書いた通り、注文どおりに入荷した回数を数えた方が早いくらい。
     実は今の担当者は注文してない物を持ってくる事が多いのだが、前任者は注文したのに忘れる事が多かった。2回連続で、ダメ社員が当たるというのは、確率からすれば運がいいのか悪いのか。
     前々任者に戻して~。・゜゜⌒(TOT)⌒゜゜・。
     霊アレルギーの患者さんが来店。
     ……えっと、ウチでは手も足も出ませんσ(^◇^;)。
    「いらっしゃいませ。どうされましたか?」と私が尋ねると、開口一番「霊アレルギーでして───」
     詳しく話を訊くと、貸家をリフォームして住み始めてからというもの、赤ん坊がひどい湿疹になって、旦那さんも疲れやすくなって頭が重く感じ、本人は誰もいないはずなのに「死ね」とか「お帰りなさい」とか聞こえる(「死ね」と「お帰りなさい」では、言う事が違うから複数か?)との事。
     印象としては、シックハウス症候群かなと思ったものの、お話を信じる姿勢を見せて信頼を得てからでないと、どうにも言い出しにくい。
     http://www.ztv.ne.jp/mukaide/seihxou/sickh.htm
     すでに霊能者にお払いをお願いする事を決めているようで、詐欺かとも思ったが、交通費だけでやってくれるという事になっているそうなので、まぁそれで本人が安心するならいいかなと、これについても言い出せぬまま。
     本来なら精神的に休まる薬を勧めたいところだったけど、これもあからさまに疑ってるようで言い出せず、結局は「霊アレルギーの薬は置いていませんので」と謝って、代わりに湿疹などに対するお薬だけ勧めた。
     また来てもらえるか分からないものの、現実に苦しんでいる事柄(病状)があると、どうしていいものやら(^-^;
     ちなみに、子供の頃から4回ほど引っ越しているのだが私は生まれついてのアレルギー体質なため、、私は家財道具を全て運び出した後の家に寝袋で1ヶ月ほど寝泊りして、その間に引越し先で親が毎日家中の窓という窓を開け放して有害成分を散らすという事をしていた。
     それでも、引っ越してから2週間ぐらいは喘息と皮膚炎に苦しむ事になったのだけれど(^-^;
     奥さんが皮膚疾患で病院に行ったので、処方箋で指示された薬を用意しようとして薬歴簿を探したのだが見つからない。
     前回薬を用意した時に、いったいどこにやったのか、棚中を引っ掻き回す。
     そして探しているうちに、ふと気がついた。
     旧姓で探していたのだ。そりゃ見つからんワケだ(^^ゞ
     結婚して、もう3年も経つのに未だに旧姓で呼んでいるのもどうか(苦笑)
     『ドン・キホーテ』で、テレビ電話を使用した薬の販売に厚生省が待ったをかけたとのニュース。
     http://www.donki.com/index.html
     ドン・キホーテの店舗で、薬剤師が勤務していない深夜帯に六本木店に薬剤師を常駐してテレビ電話によって“対面販売”していたのだが、それが「電話での販売は認められない」という主旨で販売中止を勧告したらしい。
     5月13日の日記で、「コンビニでOTC薬の販売は是か否か」という問題を取り上げた時に、私もテレビ電話を使ったらどうかと提案したが、正にそれを実施した訳だ。
     そして勧告されたドン・キホーテ側は、「販売がいけないなら」という事で、薬の無料配布をしたらしい。アッパレ(笑)
     さすがに厚生省側も激怒し、坂口厚生労働大臣が「販売しなければいいというものではない」と記者会見でコメントし、薬事法違反でのドン・キホーテの医薬品販売の免許を取り消す事も視野に入れると表明した。
     もちろんドン・キホーテが薬の無料配布は褒められた事ではないが、ちゃんと薬剤師が患者とテレビ電話で“対面”しているのを、テレビの部分を無視して、電話だからという理由で販売中止を勧告するというのは根拠が希薄で、言いがかりをつけてる感は否めない。
     特に坂口氏は医師である。利権が絡んでいるのがミエミエで、なんともミットモナイ。
     だいたい、すでに薬局や薬店のホームページは稼動しているのだから、テレビ電話での“対面販売”を中止させるのは違和感がありすぎる。
     いや、そもそも実店舗での薬の販売だって患者との“対面”はできていないのが現状だ。この日記でも何度か書いているように、家族が病気になって代わりの人が薬を買いに来るというケースはかなり多い。そのようなケースの場合は、むしろ患者“本人”と電話やメールで詳しく病状を尋ねた方が、代理の人と“対面”するよりも、よほど有効である。
     ウチとしては、近所にもドン・キホーテがあるので脅威になるが、それでもテレビ電話で薬剤師に相談した上で深夜に薬を購入できるシステムの活用は支持したい。
     キャンプに行った女子高生のHちゃんからメール。
    「文化祭に来たい?」
     即座に「来るなと言われても行きたいです」と返事。
     プライドは無いのか(笑)?>俺
     ところが返事を送った後で、その日はお店に出る日だった事に気づいた。
     なのでパートさんにお願いして、お休みを交代してもらった。
     そこまでして女子高の文化祭に行きたいのかお前は?>(゚゚)(。。)うん
    //////////////////////////////////////////////////////////////////////
     感想や健康相談はコチラ(・v<)
     http://www111.sakura.ne.jp/~kitazono/bbs_kitazono.htm
    //////////////////////////////////////////////////////////////////////
    ◆9月3日(水)/2003年◆
     昨日寝てから、全身の痒みが強くなって目が覚めた。
     腕を見ると、蕁麻疹のように赤く腫れあがっている。ズゲッ!!Σ( ̄□ ̄;)
    「なんじゃこりゃーーーーーーーーーー!!(松田優作ふうに)」
     白虎加人参湯(びゃっこかにんじんとう)が合わなかったのか?
     白虎加人参湯の主成分は石膏で、非常に体を冷やす作用があるのだが、どうやらそれに対して体が過剰に熱を出している模様。過ぎたるは及ばざるがごとしという事だろうか。
     それと、含まれている生薬の種類が少ない漢方薬ほど、効果が鋭く出る事がある。体の防御機能が働いて、抵抗しているのかもしれない。
     なんとも情けない限りだが、完全な誤用だったようだ。
     蕁麻疹として現れたという事は、血の循環と水の代謝が悪くなってしまったという事でもある。
     こうなると十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)か温清飲(うんせいいん)が候補だが、今回の痒みには十味敗毒湯は最初に試して効果は無かった。温清飲も血の循環は改善するかもしれないが、どちらかというと精神的な疲労などが原因の場合に用いるから、ちょっと合うとも思えない。
     血の循環を改善する地黄(ジオウ)と、赤く腫れたのを抑える当帰(トウキ)の入った物がいいな……、と漢方薬の一覧表を探してみたら、消風散(しょうふうさん)が目に付いた。
    「長年治らない頑固な皮膚疾患」に使うというように覚えていたので、今までまったく使う事を思いもしなかった。
     しかし、肌が乾燥していない痒みで試していない漢方薬は、あとはこれくらい。石膏(セッコウ)が入っているのが気になるが、白虎加人参湯の五分の一で他の生薬の種類が多いから、相互補完でそれほど強くはないだろう。
     それで試しに飲んでみたら、1時間もしないうちに症状が落ち着いて肌の色が元に戻った。
     難しい事は後で考える事にして、ホッと一息ついたところで寝直した。
     寝直した後は、グッスリ眠る事ができて意気揚々とお店に出た。
     天気も良くて気分は上々。
     全身の痒みも、腕にやや弱い痒みが残っているが、おおむね沈静化している。
     どうやら、消風散が効いている模様。
     地黄と当帰が上手い具合に効果を現しているのか、それとも単に白虎加人参湯の石膏が多すぎたのが災いしただけなのか。もう少し経過を観察してみよう。
     自民党総裁選に亀井静香前政調会長が立候補を正式に表明したというニュース。
     出馬にあたって明言している事がスゴイ。
     “内需拡大”って、今頃「戦後は終わった」みたいな事を言われても……。
     また、「経済的な荒廃が社会の荒廃を生んでいる」として、治安対策強化の必要性を強調しているが、それならバブル期には今と比べて犯罪が特筆するほど少なかったとでも?
     小泉首相が経済政策に関して何もしていない事を失政のように言っているが、むしろ経済活動に政治が直接的には介入しないという事こそが、今後の日本の発展のためには重要な事なのではないだろうか。
     政府からのお金(税金)を当てにしているような企業に発展性があるとも思えないんだけどなぁ。
     天気が良すぎて、今日はお客さんがほとんど来ない。
     私のお母んからして、学校に絆創膏などを配達するのを夕方にしようなどと言う始末。
     そうしたら、夕方になって雷雨になった。
     風も強く、外の商品が危ないのでお店の中に引っ込めた。
     そうこうするうちに停電になった。どこかに雷が落ちたらしい。
     灯りをと思い携帯電話の画面のバックライトを点灯すると、圏外という表示になっていた。
     そうか、停電になると携帯電話の中継アンテナも電力が供給されなくて使用不能になるのか。
     当たり前と言えば当たり前だけど、それはちょっと不安だな。
     停電の方は、1分もしない内に回復。
    //////////////////////////////////////////////////////////////////////
     感想や健康相談はコチラ(・v<)
     http://www111.sakura.ne.jp/~kitazono/bbs_kitazono.htm
    //////////////////////////////////////////////////////////////////////
    ◆9月4日(木)/2003年◆
     いつの間にか連載のようになっている全身の痒みの方は沈静化。
     消風散が効いているようである。
     ところが、左腕だけに発疹が残り、これだけが痒い。ハテ(・・?
     額にガーゼを絆創膏で貼ってある患者さんが来店。
     脱脂綿が欲しいとの事で差し出したが、それは違うと言う。
     代わって脱脂綿をカットしてある『カットメン』を出したのだが、それもまた違い、もっと小さいのと言われる。
     しかし、ウチで扱っている脱脂綿は一番小さいのでも50gの物くらいだ。
     これ以上小さな物は置いてない。
     そこで、何に使うのかを尋ねてやっと分かった。額の傷のガーゼを貼りかえるのだそうだ。
     つまり、最初から患者さんが求めていたのは脱脂綿ではなくガーゼだったのだ。
     ううむ、額の手当ての跡を見ていながら、患者さんの言い間違いに気づかないとは、なんたる想像力の欠如か。反省。
     肌荒れしているという患者さんが来店。
     お話を訊くと、お風呂で体を洗う時のスポンジが硬くて痛いという。
     それならばと、ウチには置いていないが近所のホームセンターで良いスポンジがあるのでそれを勧めたのだが、そんな物は見たことが無いとの事。
     んん~(?_?)
     まさかと思い、いつもドコの売り場でスポンジを買っているのかを尋ねたら、台所用品売り場で食器洗い用のスポンジを買っている事が判明。
     食器洗い用のスポンジで体を洗ったら、痛くて当然だと思う( ̄▽ ̄|||
     体を洗うためのスポンジはお風呂用品の売り場にあるという事を教えたら、ものすごく感謝されてしまった。
     お役に立ててなによりだが、なんだか釈然としない(苦笑)
     マックスファクターの営業マンが来訪。
     ………って、事前に連絡寄こせよ(^-^;;;
     なんで毎回毎回いきなり来るかね。飛び込みの営業じゃあるまいし。
     それで毎回、ウチのお母んとすれ違い。
     ウチのお母は学校薬剤師をしているから、検査や配達で留守にする事があると何回言えば覚えるのか。学習能力が無いのかね。
     夕方に“手入れ”を受けた。
     保健所による抜き打ち調査である。
     先月分のレセプトを提出するために処方箋のチェックをして忙しい時に(^-^;
     もちろん、抜き打ちでなければ意味は無いのだが。
     特段の違反などは無いという事で、ひとまずホッ=3
     ただし、2~3点だけは改善するように指摘された。
    「劇薬物の棚には鍵を付けて下さい」と。……確かに。
     一方で、医薬品と健康食品を別な棚に置くように言われても、ウチのような小さなお店では、ちと困る。どう並べたって隣同士になってしまう。
     それに、医薬品にしろ健康食品にしろちゃんと説明しているし、お客さんの希望のままに売るという事もしていないから、お客さんが間違えて買うという事も、お客さんに誤解させたまま売りつけるという事もしていない。……はず。
     まぁ、努力はしますが、ムニャムニャ。
     ハッ!!Σ( ̄□ ̄;)
     保健所の人とお話していて、薬の注文を問屋さんにするの忘れた………。
     目の疲れのための目薬が欲しいという患者さんが来店。
     ところが勧めた目薬は、どれも嫌だと言う。
     曰く、「テレビで有名な俳優が宣伝しているのは嫌いなの」、「薬は高いのしか買わない事にしているの」だとか。
     はぁ、そうですか(^-^;
     メディアの戦略に乗らないというポリシーは良いと思うけど、そこまで言うのであれば、どうせなら成分や効能で選んでもらいたいなと思ったり。
     特に目薬は、値段と効能に関連はほとんど無い。成分の含有率が違うだけで、ほとんどは同じ内容と言っても差し支えないし。
     で、結局、疲れ目関係の目薬の成分表を見てもらい、どれもたいして違いのない事を確認してもらって、患者さんに選んでいただいた。
     それにしても、値段の高い目薬って、普段はどんなのを買っているんだろうか。そっちの方が気になる。
    //////////////////////////////////////////////////////////////////////
     感想や健康相談はコチラ(・v<)
     http://www111.sakura.ne.jp/~kitazono/bbs_kitazono.htm
    //////////////////////////////////////////////////////////////////////
    ◆9月5日(金)/2003年◆
     旦那さんに栄養ドリンクを頼まれたというお客さんが来店。
     安いのと高いのと、どちらが良いかと尋ねられた。
     一概には言えないが、高い栄養ドリンクの方には漢方薬に含まれるような生薬が入っており、安い方にはビタミンやタウリンなどの栄養素が入っている。
     使い分けとしては、疲れててもまだ頑張らなきゃいけないという時には高い物を、あと一頑張りすれば休めるという時には安い物で良いだろう。
     ところが詳しく話を訊いてみると、熱が出て咽喉が痛いと言っているとか。
     それって、風邪なんじゃ……。しかし、本人は風邪じゃないと言い張っているとか。ううん、どうゆう事なのだろう。
     熱があってそれを下げたいのならば薬を飲んだ方が良いと勧めたのだが、薬は本人が嫌いだとの事。それならば漢方薬はどうでしょうかと勧めたが、漢方薬は効くのに時間がかかるから嫌(そんな事実は無い)だと言う。
     まぁ、確かに頼まれて買いに来たのだから違う物を買っていく訳にもいかないか。
     それにしても、効くかどうか分からない栄養ドリンクは飲んでも、より効果が期待できる薬の方は嫌いというのは私には良く分からない。その気持ちを理解しなくてはいけないのだろうが………。
     JPSの営業マンが来店。担当者が代わるとの事。
     ウチではJPSの漢方薬は、主に錠剤を取り扱っているのだが、一週間単位で購入できるツムラ製品の方が良く出るので申し訳ない。
     しかしJPSは元々、薬局販売のための漢方薬を開発してきただけあって、営業マンも漢方薬の知識が豊富。
     このところ私が苦しんでいる皮膚の痒みに関して、色々とサジェスチョンを受けた。
     やはり、胃腸虚弱な私が白虎加人参湯(びゃっこかにんじんとう)を服用したのは乱暴だったようだ。
     ついでに詳しく聞いたところによると、石膏(セッコウ)が“体を冷やす”というのは、内臓ではなく体表部、皮膚の内側なのだそうだ。となると、先日試してみた時に発疹が酷くなったのは、やはり体が抵抗をしたという事か。
     確かに胃炎の時などに使う黄連解毒湯(おうれんげどくとう)などに含まれる黄連(オウレン)は、同じ“体を冷やす”のでも内臓に作用する。
     という訳で皮膚の痒みの方は消風散(しょうふうさん)で順調に回復してきている。やはり、自分の体質に合わない漢方薬は飲まない方が良いというのを身をもって体験したのは勉強になった。(それを日記に書いて、メールマガジンで逐一公開したのは信用を失ったかもしれないが(^-^;)
     他には、健康維持食品の『蠣源(れいげん)』が、皮膚疾患に効果があるという話をされた。
     ウチでは、“買い物カゴ”の“健康食品(錠形)”の欄に掲載している。 
     今ひとつ売れ行きが芳しくないのだが、どうもテレビなどで「味覚障害の改善には亜鉛が良い。亜鉛は牡蠣に含まれている」と宣伝されてしまったのが裏目に出たようだ。
     味覚障害など、気にならない人は気にしないのだから、取りたてて実害を感じないため、特に必要だと認知されていない模様。
     そこで、メーカーとしては「皮膚の栄養になる」という方向性を打ち出して販売を拡げたいとの事。
     私は『蠣源』を飲んだ事は無いのだが、営業マンが「噛んで食べるととお酒のオツマミにもなりますよ」と冗談を言うので、試しに一瓶を開封して(売れ残っているので)食べてみた。
     すっぱ~(>_<)
     確かにスルメのような味がするが、これは酸っぱすぎ。やっぱり直に食べるもんじゃないぞ(笑)
     とりあえず開けてしまったので、しばらく飲んでみよう。
     効果が実感できれば、売り込みをかけてみるという事で(⌒▽⌒) 
     病院からの薬をお渡しした患者さんから電話。
    「薬が1つ入っていないんですが………」
     すわっ! 渡し忘れか!?
     いやいや、確かに渡す時にその薬は「冷蔵庫に入れておいて下さい」と説明までした記憶がある。
    「あのぅ、冷蔵庫に入っていないでしょうか?」と尋ねてみた。
     すると、やはり冷蔵庫に入っていたとの事。冷蔵庫に入れたのを忘れてしまったらしい。
     ああ、良かった=3
    //////////////////////////////////////////////////////////////////////
     感想や健康相談はコチラ(・v<)
     http://www111.sakura.ne.jp/~kitazono/bbs_kitazono.htm
    //////////////////////////////////////////////////////////////////////
    ◆9月6日(土)/2003年◆
     今月は、病院からの患者さんの出足が鈍い。
     先月、お盆がはさまり長期間分の薬を処方された患者さんが多かったというのもあるとは思うが、やや不安。
     なにしろ、医療センターの前に新規の薬局が開店して、浴衣を着た女性スタッフたちがチラシを配るなんて事までしたそうである。見たかったな。(←おい)
     それでもやはり土曜日は、小児患者が何件か。
     うち一件は、取り扱った事の無い薬だったので、他の薬局に問い合わせて薬があるというので取りに行った。
     そのお店の話では、備蓄センターに指定されている薬局ではないのだが、近隣の薬局の中で多種類の薬を揃えているので、頻繁に薬を求められるらしい。
     で、中には図々しいのか、そもそも思い至らないのか、手ぶらで取りに来るのだとか。この手ぶらというのは、別に代金の上乗せをという事ではなく、薬を入れる袋を持たずにという事である。
     薬局間での薬の取引は薬価(いわば原価)でやり取りするから、薬を渡せば渡すだけ袋代が負担になってしまう。それを気にしないなんて、困ったモンだ。
     先々週に行ったキャンプに関連して、浦和市などの他の地域の人たちと『キャンプ経験交流会』が明日行われるという事で、急遽頼まれたキャンプの時の写真をプリンターで印刷して事務所に届けた。
     すると、会場にはビデオがあるという事で、ビデオも上映できないかと相談された。今日の明日でかい( ̄▽ ̄|||
     今から帰って編集すれば間に合わない事もないけれど、ついさっき今日のお店が跳ねたら映画を観に行くと奥さんと約束したばかり。
     明日は、SEのコンベンションで奥さんをかまってあげられないし、その後はデートや文化祭見学など1人で遊びに行く予定を入れてるので、今のうちにご機嫌をとっておかなければならない。(「ならない」ってのもなんだが。)
     うーむと唸ってはみたものの、結局は引き受けてしまった。
     後でどーなっても知らんぞ。>俺
     お店をあがってから奥さんと新宿へ。
     リクエストは、『ドラゴンヘッド』であった。
     http://www.dragonhead-movie.jp/

     私は原作付きの作品でも、映画とは別物と思っているので、あえて比較はしない。だから、原作と同じシーンでも、それを使った事に対しての良し悪しで感想を書く。
     以下、しょっぱなからネタバレを書くので、これから観ようという人は、翌日の日記まで飛ばして下さい。
     ───ネタバレ警報発令!ネタバレ警報発令!ネタバレ警報発令!
     20世紀末には、最後の最後に希望の片鱗が残っているかいないかに関わらず、破滅的なラストを迎える作品が多かったものの、新世紀に入ってから激減した。
     一部に期待感のあった、ノストラダムスの大予言に記されていた(とされる)人類滅亡が起こらず、現実感が薄れたというのもあるのだろう。
     しかし、米国での同時多発テロやイラク戦争などで、なおも人類の危機が続いている事を意識したのか、最近また人類滅亡のシナリオを用いた作品が増えたように思う。
     そういう意味で、最後まで救いの手が差し伸べられないまま終わるこの『ドラゴンヘッド』の原作が世紀末に世に出て多くのファンから支持を得たのは当然だし、新世紀になって映画化の企画が通ったというのは、決して「遅すぎた」という事は無いだろう。
     物語は、修学旅行帰りの高校生の主人公、青木テルを乗せた新幹線が、トンネルの中で脱線転覆した後のシーンから始まる。
     クラスメートは全員即死しており、他に生存者はいないかと探すと、瀬戸アコと高橋ノブオと出会う。
     しかし、新幹線の乗客乗員で生き残っているのは、この3人だけ。しかも、イジメラレっ子であったノブオは、イジメっ子やそれを助けてくれなかった教師が死んだ事からの開放感か恐怖からの絶望感からか、狂ってしまう。
     テルとアコは、恐怖から逃れるためトンネルから脱出するが、外は一面の白い灰に覆われていて、荒廃した大地が眼前に広がるだけだった。
     それでも2人は、絶望感を振り払い東京を目指す。
     その途中で、狂った人々が殺し合い全てを無かった事にしようとする町の人々に襲われたり、この破滅的な状況を楽しんでいる節さえある自衛官と出遭ったり、恐怖を取り除いてあげようとした両親によって脳を改造されたため一切の感情を持たない双子を廃墟で見つけたりする。
     そして、東京に辿り着くと渋谷駅の地下に生き残った人々がいたが、みな虚ろな表情で語り合うことも無く、ただ“生きている”とうそれだけだった。政府が配布した非常食には、感情を失う成分が含まれていたのだ。この滅亡の恐怖の中で救われるのは、感情を失う事しか術は無いのか……。
     しかしテルとアコは、感情を持ったままで生き残る事を誓うのだった───。
     こうしてストーリーを書き出してみると、テーマは人類の滅亡や未来への希望云々ではなく、極限状態で人は人として生きられるのか、あるいは人が人である事が幸せなのかという、かなり観念的なもののように思える。
     出てくる登場人物も、テルとアコ以外はほとんど現在の常人と自認している人から見れば、キチガイ(放送禁止用語)ばかりだ。だが、はた目から見れば不幸にも思える人たちも、狂っていてその事を認識していないのだから、それで幸せなのもしれないという妄執を抱かせる。
     だから、テルとアコがトンネルを脱出する時に、狂ったはずのノブオが一瞬我に返った表情をして、崩れるトンネルの中に取り残されるシーンは、観ていて可哀相になってしまった。死ぬ時まで狂っていれば楽だったろうにと。
     観ている側にそう感じさせておいて、ラストで「絶対に生き残ってやる」とテルに叫ばせたのは、私には絶望感を強くするだけだと思えたのだが、どうなのか。もしかすると、たとえ絶望と恐怖に包まれても人間として死にたいという“希望”を描いたのではないかと私は思ったのだが、やや深読みのしすぎかもしれない。
     そんな深読みを脇に置いておいても、テルとアコの描き方には好感が持てた。
     状況の急激な変化の中で、いきなり逞しくなったり大人っぽく成長する事が無く、時に弱気になり時に優しくなりと感情のブレが描かれていて、映画館の座席で観ているという現実の中の観客から離れすぎないのが良い。
     また、テルもアコも銃を手にするシーンがあるのだが、いずれも自分の意思によって引き金を引くことは無い。あそこで撃っていたら、それこそこの作品は別な世界へと行ってしまっただろう。それを踏みとどまった点でも、この映画は高く評価したい。
     ただ、映像に関しては少し不満が残る。
     荒廃した大地、廃墟となった街の“汚さ”が映像的にキレイすぎるのではないか。
     ウズベキスタンでのロケは、確かに日本では撮れない映像だったと思うが、映像に漂う“空気”が澄み過ぎていて、現実の世界の閉塞感からすると、廃墟となった街並みの方が開放感があって、かつてのノストラダムスの終末予言に対する絶望への“希求”を抱いてしまう。
     死体があちこちに転がっているのに、まったく陰惨な感じがしないのだ。
     それも監督の狙いなのかとさえ邪推するのは、もはや私の妄想だとは思うのだが、やはり荒廃した映像には“汚さ”に通じる“雑さ”が欲しい。美術スタッフや撮影班の頑張り過ぎか。
     とにもかくにも、この映画は「絶対にお薦め」とは言えない。観た後の疲労感もまた映画の醍醐味と思える人なら、悪くはないだろう。
     実は観終わった直後は、観た事をちょっと後悔したのだが、こうして思い出しながら感想を書き連ねていたら、そんなに悪くはなかったなと変わってきた次第。ウチの奥さんは、『最終兵器彼女』の方が良かったと言っていたが。
     http://www.saikano.net/

     ところで、松田聖子の娘のSAYAKAって、古臭い顔のつくりをしてるんだねぇと再確認。
     70年代~80年代のアイドルの顔で、果たしてやっていけるのか思ったが、最近のピンクレデイーの復活などからするといらぬ心配か。
     ぜひ、衣装も70年代の物でコンサートなんかをしてもらいたい。誰か企画しないかな。
    //////////////////////////////////////////////////////////////////////
     感想や健康相談はコチラ(・v<)
     http://www111.sakura.ne.jp/~kitazono/bbs_kitazono.htm
    //////////////////////////////////////////////////////////////////////
    ◆9月7日(日)/2003年◆
     結局、昨日家に帰ってからキャンプのビデオの編集をしたのだが、徹夜作業になってしまった。
     しかし今日はSEのコンベンションでスタッフも努めなければならない。
     http://www.snake-eyes.gr.jp/
     ノートパソコンで作業をしたので、ファイルをデスクトップに移し、動画をビデオにダビングして、キャンプの実行委員に手渡せば、とりあえずキャンプに関する私の役目は終わる。そうすれば、SEの方に安心して専念できる。
     ところが、ファイルの転送に思いのほか時間がかかった。やはり、いつまでもUSB1.0の環境というのは現実的ではないようだ。それでも転送が終わり、後はビデオにダビングするだけと思ったら動画が正しく再生されない。「コーデックが見つかりません」とエラーメッセージが出た。
     編集作業に『VideoStudio7』を使用したのだが、MPEG2に変換した時に独自のコーデックを使っていてプレイヤーで再生できなかったらしい。MPEG2って、共通仕様のはずじゃなかったのか?
     慌ててデスクトップパソコンにコーデックを組み込んだが、今度はテレビに映像が出力されない。ビデオカードのドライバをチェックすると、勝手に更新されていた。どうやら『Windows
    Update』の弊害らしい。
     ビデオカードのドライバーを入れようと思ったが、そこで時間切れ。もう家を出なければSEのコンベンションに間に合わない。私の役目は、駅まで参加者を迎えに行くことだから遅刻はできないし、なにより今回はスタッフがの出席率が半分以下で人手が足りないのだ。
     もっとも、SEのスタッフ間では欠席については暗黙の了解がある。
    「デートは優先しろ」
     SEはあくまで趣味のサークルだ。そして、デートは1回逃せば、それで人生が決まる事もある。だから、デートで欠席するのはOKという事になっているのだ。
     そんな訳で、今日はそれが重なってしまっている。
     とりあえず、ノートパソコンだけ抱えてコンベンションを開催する会場の最寄り駅、JR八王子駅に向かった。
     家を出る時に現場責任者の武井くんに「出発しました」とメールを打ったつもりが、間違えてウチの奥さんに宛てて送ってしまった。徹夜で判断力が相当に鈍っている。
     八王子駅に到着すると、参加者で待っているのは1名のみ。それも、常連者であった。
     グハァッ!! 俺必要無いじゃん!!!
     という訳にもいかないので、参加者を会場まで案内。
     今回は参加者が半分程度だった。時期的なせいか、それとも最近はマナーの悪い参加者を追い出す方向で活動しているので、それを嫌って参加者が減ったのだろうか。
     まぁ、参加者が少ないと進行もスムーズで、事務作業も楽だから良いのだけれど。
     参加者のテーブル分けが終わったところで、武井くんに謝って途中退席。キャンプのビデオをなんとかして、交流会の行われている会場に届けなければならない。
     電車の中で動画を再編集しながら、頭の中で彼是(あれこれ)と手順を整理する。
     とにかくビデオドライバをインストールし直して試してみない事には次の手が打てない。
     しかし1つだけ重要な心配事として、そもそも会場にビデオを上映する機器が本当にあるのかという疑念があったので、キャンプの実行委員のKくんに宛てて「会場に到着したら、ビデオの機器が使えるのか確認して連絡を下さい」とメールを打った。
     すると、即座に返信があって「事務局の人に確認したところ使えるそうです」との事。使えなければいいのに(苦笑)
     使えるとなると、やっぱりなんとしても届けない訳にはいかない。しかし徹夜明けで判断力が落ちているので、逆に落ち着くように自分に言い聞かせる。
     特に駅と家の間のスクーターでの行き来で事故を起さないように。
     家に着いてから、再編集したファイルをデスクトップに転送してから、ビデオドライバをインストールし直した。ビデオファイルを再生してみると、ちゃんとテレビにも出力されている。
     これでやっとビデオにダビングできると思ったら、今度はビデオの方の調子が悪い。うがぁ!!Σ( ̄□ ̄;)
     急いで他のビデオデッキに配線し直して(捨てないでおいたら6台も溜まってしまった)ダビングした。古いデッキを捨てないでおいて良かった良かった。
     時計を見ると、すでに交流会が始まっている時間。慌てて飛び出し、しかし事故には注意して、さいたま市の会場までビデオを届けた。
     で、ビデオを届けたところでお役御免とばかりにSEの方に戻ろうとしたら、会場のビデオが故障している事が判明。ガーン!! 私の苦労はいったい……。
     だーかーらー、「会場に到着してから、使えるのかを確認して」とメールを打ったのにィ。「使える」というのは「使える」という意味であって、「ある」だけじゃダメなのよ、Kくん。まぁ、即座に返信があった事で安心して、念を押さなかった私にも落ち度はあるが。やはり、徹夜によって判断力が低下しているのが災いした。
     しかし、会場にいらっしゃっていたキャンプの統括責任者でもある運営委員長のF氏がビデオデッキを車に積んでいるとの事。貸して下さると言うので、会場に運び込んだ。何故、ビデオデッキが普通に車に積んでいたのかは謎だが。
     なんとかキャンプのビデオも上映できて肩の荷が降り、ホッと一息。
     さて、本気でそろそろSEの会場に戻ろうと思ったら、せっかく川口市とさいたま市の子供たちがキャンプという共通の事で交流ができた事だし、川口市のキャンプでやったゲーム『クマ狩り』をみんなでやろうという話になった。
     だが、どうにも子供たちのまとまりが悪い。お互いに自分たちの連れてきた子供たちの面倒を見るのが精一杯で、全体でまとめる役の人がいないのだ。
     余計なおせっかいとは思ったが、なんかここで「失礼します」と去るにも去れず、まとめ役を買って出てしまった。自分に呆れ。
     『クマ狩り』については、8月20日(金)の日記を参照。
     近くの公園で、『クマ狩り』を始めると、周りの人たちが不思議そうに見ていた。
     まぁ、30人くらいの子供たちが突然現れて、ワーワーキャーキャーと走り回ったらビックリするわなぁ(苦笑)
     一応迷惑にならないように、人がほとんどいない一画をフィールドにしたのだが、良く考えたら子供たちが遊んでいない公園というのも異様かも。
     一時間ばかり『クマ狩り』をして会場に戻ったところで、さすがに辞去。
     その時に実行委員会の三役の1人であるTくんに、参加者への配布方法などキャンプの写真と動画の今後の取扱について決まったら連絡を早めにおくれと話した。今回のように、今日明日で編集してくれと頼まれても困るので(^-^;
     ところが、自分は事後の担当に関わっていないからと、なんとも頼りない返事。
     もう1人の三役であるFくんにも、同じように伝えたところ、やはり自分は担当者ではないからと、今回の依頼が突然だった事も関わりが無いという態度。
     おいおいおい、企業ならともかく実行委員会形式でその中心であり頂点でもある三役が担当者まかせで良いのか?
     実行委員会の会議の時には、あれだけ厳しく実行委員に厳格な運営姿勢を求めていたくせに、とりあえず本番が終わったら後は大人任せかね。
     子供キャンプの主旨は、子供自身による子供の自治にあるのだから、最後まで責任を持って運営して欲しいぞ。
     君達は、何十人もの子供たちの命を預かって何十万円ものお金を動かしてキャンプを実行したのだ。それは将来、何かをする時に経験として生きてくるはずだと思っているからこそ、大人は最低限の社会的責任を負って裏方に回っているのだ。
     大人が勝手に抱いている期待に応える必要は全然無いが、最後まで自分たちでやり通す気概は見せてくれないと、協力者を失う事になるぞ。
     という所まで話す時間的な余裕は無かったので、とりあえず胸に仕舞ってSEの会場の方に急いだ。
     SEの会場には、閉会式ギリギリに到着。急いで開催中の様子を撮影した。
     私の留守中には、特にトラブルはなかったとの事でホッとする。
     1人だけ、注意事項を守らなかった参加者がいるので、イエローカードを出すかレッドカードを突きつけるか意見交換。
     違反行為自体は前回と合わせて2回連続なので武井くんはレッドカードをと言ったが、私は前回の時に注意勧告していないのなら今回はイエローカードで良いだろうと主張し、とりあえず今回のところは本人を呼び出して注意勧告のイエローカードという事になった。
     会場を撤収して、居酒屋へ移動。
     今回は誰も車で来ていないので、みんなでビールで乾杯。
     お酒に強い訳ではないが、誰も泥酔する事もなかったため、今後の活動についてを話し合った。
     その中のアイデアの1つとして、試しに1回だけ参加費無料でコンベンションを開催したらどうだろうかと。ただし、参加基準はスタッフが恣意的に決めるという事で。
     私は一瞬反対しようかなと思ったが、“勘違い客”を一掃するためには面白いかもしれないと思い直した。
     ゲームのイベントであるコンベンションは、企業主催のものとサークル主催のものとがある。企業主催ならば営利活動なのだから客は「お客様は神様です」
    という事になるが、サークル主催の場合にはホームパーティーみたいなもので、客は「招待した人だけ」と同じで誰でも良いという事はない。
     ところが近年、サークル主催のコンベンション参加者の中に明らかに「俺はお客様だぞ」という人が増えてきていて、運営に支障をきたしている。
     そして困った事に、私をはじめとしたスタッフのほとんどが普段は客商売をしているため、つい企業的な客として扱ってしまい、さらにつけ上がらせるという悪循環を招いているのだ。
     ここらでハッキリと、“呼びたくない客”の選別を表明しておくべきかもしれないという訳だ。
     ちなみに、“呼びたくない客”というのは“招かれざる客”と言うのではないのかと思う人もいるかもしれないが、それは間違い。
     “招かれざる客”というのは、「呼んでもいないのに“素晴らしい客”が来た」という時に使うのが正しい。
     という訳で、毎月開催しているコンベンションのどの時期にそれを行うかを検討する事に。
     他には、最近の若者は(って自分たちは30代前半だが)自分のレールを自分で敷く事をしなくてケシカランという話など。
     なので私たちは自分たちで敷いたレールは、後に続こうとする者たちの将来のためにも撤去しましょうとイジワルク笑い合う。
     その後は、とりとめのない雑談に。
     先月、広島の平和記念公園で折鶴に放火した馬鹿な大学生がいたが、その後に今度は折鶴を何万羽も届けた馬鹿な大学生がいた事の後日談。
     新聞などでは、放火事件を知った大学生たちがインターネットの掲示板で折鶴を届けようと呼びかけて、数万羽の折鶴が広島市役所に寄贈されたという事で美談のように取り上げられていたが、実際のところは保管に困ったそうな。
     そりゃそうだ。善意で届けられた物だから捨てるにも捨てられず(捨てた事がバレたらマスコミに糾弾されるのは目に見えている)、市役所では途方に暮れているらしい。
     どうせ折鶴を送るなら、日本では古くから供養という意味合いで焼いたりする風習があるのだから、一言「焼いて下さい」とでも書き添えておけば気が利いてるのに。
     相手の迷惑を考えない善意ほど迷惑なモノはない。
     それから、『喫煙喫茶』を誰かやらないだろうかとか。
     日記では私は、禁煙場所での喫煙に怒って注意したり、飲食店で禁煙席を頼んだのに隣が喫煙席では意味が無いと店員に文句を言ったりしているので、嫌煙家だと思われている向きもあるようだが、私は煙草は大好きである。
     大好きであるがゆえに、毎日のように吸っていては楽しみが薄れてしまうので、仕事が終わってからとか、ゆっくり読書をする時とか、自分で制限している。(そんな吸い方なので、大抵は一箱吸い尽くす前にシケってしまうが。)
     前々から疑問に思っているのだが、“煙草好き”と言う人は本当に煙草が好きなのだろうか。“コーヒー好き”な人ならば、自分の好きな銘柄を別格に置いて、新しい物や珍しい物は試してみたくなるものだし、その日の気分によって違う銘柄を楽しんだりする。しかし、“煙草好き”と言う人は、ほとんど同じ銘柄を吸い続けて、あまり他の物を楽しむというのを見かけない。
     他人の楽しみ方をとやかく言うのは野暮ってもんだろうけれど、漫然と吸い続けているのでは健康を害しながら高い税金を払っている訳で、ずいぶんと太っ腹な生き方だなぁと思ってしまう。
     で、この酒の席(反省会じゃなかったのか)で出たアイデアが『喫煙喫茶』というわけ。
     JTBがやっている喫煙車のような味気の無いものではなく、「煙草を吸う」という行為を完全な娯楽として楽しむためのお店である。
     例えばお店の造りは、木製のロッジ風にしてヨーロッパ的なオシャレな雰囲気を演出し、煙草は2本ずつ購入できるようにする。そうすれば、違う銘柄も気軽に楽しめる。
     そして、煙草というのは刺激物でもあるのだから、煙草に合わせた飲み物や食べ物という物もあるはず。お酒のオツマミのように、それらを提供するのである。
     現在は煙草が気軽に手に入れられるものだから未成年者も簡単に楽しんでしまうわけだが、煙草をもっと“大人の嗜好品”にしてしまえば、子供が吸っている姿が滑稽に見えるのではなかろうか。
     しかし、残念ながら今日のメンバーは、煙草をまったく吸わないか、たまにしか吸わないので、お店を始めるまでの情熱はナシ。誰かアイデアに乗ってくれる人がいたら、ぜひ協力はするのだけれど。
     それにしても、今日は1日クタビレタ日だった。
     先日、『ピザハット』のキャンペーンで、代金を支払う時にクジを引くというのがあって、全額無料の大当たりで運を全部使ってしまったのではないかと思ってしまった。なんとも、安い運である。
     そして、今日の教訓。
    「必要な物は必要な時に壊れる。」
     マーフィーの法則も懐かしいな(苦笑)
    //////////////////////////////////////////////////////////////////////
     感想や健康相談はコチラ(・v<)
     http://www111.sakura.ne.jp/~kitazono/bbs_kitazono.htm
    //////////////////////////////////////////////////////////////////////
    ◆9月8日(月)/2003年◆
     昨日の疲れが残っていて、やや頭が重い。
     栄養補給に、補中益気湯(ほちゅうえっきとう)を飲んだ。
     今日の体調不良は自業自得。
     それを狙いすましたかのように、備蓄の無い薬が処方箋で次々と出され、備蓄センターまで何度も往復。
     やっぱり、先週ピザ代が無料になった事で運を使い果たしたか?
     血尿が出て膀胱炎になったという患者さんが来店。
     病院で診察を受けて抗生物質をもらったものの、服用すると余計に具合が悪くなるので、漢方薬を欲しいとの事。
     誰も彼もにとはいかないが、咽喉の渇きを確かめたところ、あると言うのでファーストチョイスに猪苓湯(ちょれいとう)を勧めた。
     ところが葛根湯(かっこんとう)も欲しいと言うのでさらに詳しく話を訊くと、風邪気味で昨日麻黄湯(まおうとう)を飲んだら気持ち悪くなって吐いてしまったらしい。それはそうだろう、膀胱炎を起していて体力が低下している時に麻黄湯を飲んだのでは、体の方がビックリして拒絶してしまう。
     その上、体力が落ちているからとポカリスエットを飲んだと言う。
     確かに風邪を引いた時にポカリスエットを飲むのを勧める人もいるが、あれは運動をしたり同じ風邪を引くにしても「体力があって高熱を出し汗をかいた場合」である。つまり、体力がある時に「維持するために」飲むのであれば良いが、すでに体力が落ちている時に飲んでは、体の方で含まれている成分を処理できなくて、ますます体力を落としてしまう。
     さらに、膀胱炎にはお茶類が良いだろうと思って烏龍茶も飲んだとか。同じお茶類でも烏龍茶は“冷やし薬”である。温めて飲んでも、体を冷やす働きがあるのだ。膀胱炎の時に体を冷やすお茶を飲んだのでは、悪化するだけである。
     ううむ、何とかしようという気持ちは分かるが、悪い方物を悪い物をと選択しているのには苦笑するしかない。……って、ついこのあいだ自分も同じ事をしていたワケだけどσ(^◇^;)。
     さてそうなると、葛根湯にも麻黄が入っているから、やはり合わないだろう。
     もともと痩せ型の患者さんなので胃腸も弱そうだという事を考慮して、柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)を勧めた。
     今回は膀胱炎が主訴なのと、すでに体力が低下しているようなので柴胡桂枝湯を勧めたが、通常の風邪のプロセスであれば初期(風邪かなという時)は葛根湯→中期(悪寒・発熱など)は麻黄湯→後期(治りかけ)は柴胡桂枝湯というように、次々と変えていった方が総合感冒薬などよりも早く治る。
     夕方に、子ども劇場おやこ劇場埼玉センターのK氏より事務所の引越しが完了したのがパソコンの接続が分からないので助けて欲しいとの救援要請の電話。
     来店のピークが過ぎてから、新しい事務所があるさいたま市に駆けつけた。
     なんと、新しい事務所は郵便局の建物内だった。どんな小ズルイ手でこんな良い物件を入手したんだ(笑)
     とりあえず明日からの業務ができるようにパソコンを2台だけセットアップして、電話回線でインターネットにも接続できるようにした。光回線の申し込みをしていて工事待ちとの事なので、一時しのぎで充分だろう。
     問題は、まだ4台もパソコンがあり、これをLANでつなぐ事。OSが、XPだのMEだの98だのと、Windowsシリーズではあるけれど、てんでバラバラなので、私の手に負えるかどうか。
     残りのパソコンについては、光回線が開通してから手をつける事にした。
     Kさんがお礼に奢ってくれるとの事なので、近くの『バーミヤン』中浦和店に入った。
     このお店はプラザホテルの2階にあるのだが、これがもう「ナンデ営業デキルノカ」不思議なくらいに酷かった。
     テーブルには店員を呼ぶためのベルが置いてあるのに、何度押しても待てど暮らせど来やしない。
     通りかかったところを捕まえて注文。ところが、メニューを指差して、ちゃんと商品名を復唱したのに出てきたのは別な物。かてて加えて、箸も何も持ってこない。どうやって食べろというのか。
     後ろの方で別な客が怒鳴っているのでナニゴトカと思って振り返ってみると、どうやらフリードリンクの所の氷がカラになっていたらしい。店員が誰もチェックしていないのか。
     そして、作り直してもらって食べた料理は……。
    K氏「おいしくないねぇ」
    私「食べ切れませんよね、コレ」
     他のバーミヤンで同じ物を食べた事があるが、まるで別物と言ってもいいくらいのマズさであった。
     バーミヤンの料理は中華料理とは言いがたい。中華風料理と言った方が妥当だろう。それは決して、質が悪いということではない。値段とのバランスを考えれば、充分に美味しい。
     しかしそれも、マニュアルに従って作った時の最低限のラインを守ってこそであって、この時のマズさは明らかにマニュアルを無視したからだ。
     ここまで酷いと、文句をつける気力も失せる。もしかして、そういう作戦か?(なんのだよ)
     バーミヤンで食べ残してしまったので小腹が空いて、帰りに近所のセブンイレブンに立ち寄った。
     ここのセブンイレブン、ご主人が脱サラして始めたようなのだが、これがまぁ「客商売は無理でしょ」というくらい愛想の無い人で、いや愛想が無いだけならまだしも、「お店に出てこない方がいいよ」というくらい無礼な人。
     しかし、奥さんの方は大変に気さくで、またお客さんを大切にする人で、何度かアルバイトを叱っているのを見かけたが、とても的確に指導していた。(それを客の前でやるのはどうかと思うが。)
     そして旦那さんや男性のアルバイトは夜間で、奥さんや女性のアルバイトは昼間という事が多かったので、夜はちょっと立ち寄りたくない(苦笑)
     ところが入ってみると、なんだかいつもと雰囲気が違う。
     何が違うという具体的な事は説明のしようがないのだが、なんだか落ち着く感じなのだ。
     いつもなら、目的の物をパッと選んでサッと帰ろうと思うのだが、落ち着いて選ぶ事ができる。
     コンビニでバイトをした経験から言えば、あれやこれやと商品を選ぶ客は邪魔である。棚の商品を揃えたり、掃除をしたりという作業をしながら、いつレジに客が来てもいいように神経を研ぎ澄ましていなければならないからだ。もちろん、そんな事は客には関係無い事なのだが。しかし同時に、それをちゃんとやる事で、客に“待たせない”というサービスを提供する事ができる。
     かくして、私が商品を選び終えてレジへ向かうと、サッと店員がカウンターに入ってきた。慌てている様子はまったくない。実にスマートな身のこなしだ。
     おそらく、私の動きをそれとなく観察していたのだろう。(ジッと見つめられていては、かえって気分が悪い。)
     そして、テキパキと商品のバーコードをレジで読み取っていくばかりか、お金を受け取ってお釣りを渡すさいの動作も無駄が無い。
     極めつけは、ビニール袋に整然と商品を入れてビニール袋を差し出された時の、自然な満面の笑みだった。
     まっ、負けた!!(なんの勝負だ。)
     完璧である。さっきのバーミヤンの店員が酷すぎたせいで良く見えるのだという事を差し引いても、この店員は只のアルバイトではない。
     こう言って良ければ、アルバイトのプロだ。
     厚生労働省は、フリーターや無職の若者が企業で有給の実習をしながら職業教育訓練を受けられる『教育連結型実践訓練システム』を04年度から導入する方針を決めたそうだが、フリーターと無職を同列に扱い、いずれは定職に就かせようというのは、やや的外れなのではないだろうか。
     現在の『フリーター』の定義は「アルバイトのみで定職に就かない人」というのが一般的な認識のようだが、すでにアルバイトは職種を問わず“即戦力”となっていて、まぎれもなく“現場”を支えている。アルバイトがいなければ、それこそ日本経済は成り立たないだろう。
     とすれば、そろそろアルバイトに特定の地位を与えても良いはずだ。
     企業における正社員とは、会社を継続的に運営するための人材だと仮定すれば、アルバイトは先にも書いたとおり、頻繁に入れ替わりつつも現場で即戦力となって働く人材だと言える。
     それなら例えば、接客業の能力に長けている人には、そのお墨付きを与えるというのはどうだろうか。いわば免許証のような物だ。雇い主や客からの苦情が相次げは減点となり、それが累積すれば失効。一定のスキルを保ち、点数が上積みされていく事で、アルバイトとして雇われる時にも待遇面などで優遇されればなお良いだろう。
     すでに人材派遣業というものはあるが、人材派遣の場合は会社の取り分が30%~50%とかなり多く、実働で働く側の労働対価はかなり低い。
     私も人材派遣業の会社に登録していた事があるが、1日分の手取りが8千円で、派遣先の会社の人にコッソリと支払っている代金を尋ねたら1万4千円だと聞かされて驚いた事がある。「だったら、直接雇って下さいよ」と(笑)
     ちなみに、登録する時に「派遣先と直接交渉しません」という誓約書を書かされた。さもありなん。
     つまり私が言っているのは、個人で“現場”となる仕事先を渡り歩く、アルバイトのプロの社会的地位を確立しようというのだ。これこそ、『フリーアルバイター』、略して『フリーター』という呼び方が相応しいと思う。
     無くてはならない存在のアルバイトの地位を低い所に置いているから、アルバイトをする側にも腰かけ程度にしか思わず手抜き仕事をする輩がいるのだ。
      
    //////////////////////////////////////////////////////////////////////
     感想や健康相談はコチラ(・v<)
     http://www111.sakura.ne.jp/~kitazono/bbs_kitazono.htm
    //////////////////////////////////////////////////////////////////////
    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
    今回の日記の内容は、いかがでしたか?
    【感想アンケートのURLはコチラです】
    http://magical-shop.web.infoseek.co.jp/votecom_kitazono.htm
    ☆締切:2003年09月10日から7日間
    ■■■■■■■■■■■□免責事項□■■■■■■■■■■■
     記載内容を利用して生じた結果につい
    て、当方では責任がとれませんのでご了承ください。
     また、筆者が思った事や感じた事を率直に書いている事柄に関しましては、反証可能な事実誤認以外の訂正には応じられません。
     URLで紹介した先のページの著作権は、そのページを作成した人にあります。URLを紹介する事に違法性はありませんが、文章等を転載する場合は、作者の許諾が必要となります。
    &&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&& 趣味の活動 &&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&
    ◆TRPGのサークル『SNAKE-EYES』に所属しています。
     卓上ゲームが好きな人や、興味のある方は覗いてみて下さい。
     また、『コミュニケーション』のコーナーでWEBラジオ番組『幻想時間』を公開しています。
     私は主に、映画についてトークをしています(・v<)
     http://www.snake-eyes.gr.jp/
    -------------------------------------------------------------------
     このメールマガジンは、『まぐまぐ』 http://www.mag2.com/ を利用して発行しています。
     解除はこちら http://www.mag2.com/m/0000109927.htm から。
    -------------------------------------------------------------------

     

  • ≪通巻15号≫
    URLを変更するかどうか/死は誰のためか/アトピー性皮膚炎治療のための漢方薬/日焼けの処置に注意/献血者の輸血によるB型肝炎/怪盗法のある世界/虫歯は不治の病

    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
    ★彡☆-=★彡  それさえもおそらくは平凡な薬局  ★彡☆-=★彡
                    ≪通巻15号≫
    提供 : まぐまぐ http://www.mag2.com/
    発行 : 北園薬局 http://plaza2.mbn.or.jp/~kitazono/
    編集 : 北村俊純
    窓口 : kitazono@a1.mbn.or.jp
    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
    ~~~~~~~~~~ 今回の日記の主な話題 ~~~~~~~~
    ※7月29日(火)……URLを変更するかどうか
    ※7月30日(水)……死は誰のためか
    ※7月31日(木)……アトピー性皮膚炎治療のための漢方薬
    ※8月1日(金)……日焼けの処置に注意
    ※8月2日(土)……献血者の輸血によるB型肝炎
    ※8月3日(日)……怪盗法のある世界
    ※8月4日(月)……虫歯は不治の病
     前回は《クリックアンケート》に協力していただき、誠にありがとうございます。
     回答していただいた集計結果を今号に掲載しようと思いましたが、さすがにメールマガジンの内容が長くなりすぎるようなので、のちほどコメントも付けたうえで増刊号として発行しようかと思います。
     また、今回は前回使用した《クリックアンケート》では回答の選択幅が限られてしまうため、試しにcgiを使って新たにアンケートページをホームページ内に設置してみました。
     メールから直接投票できるのと、どちらが使い勝手が良いかも検討したいと思いますので、ご協力をお願いしますm(_
    _)m
     アンケートのURLは、日記の最後にございます。
    ******************* 先週の平凡な日記 *********************
    ◆7月29日(火)/2003年◆
     高齢の患者さんが来店。
     ウチの祖父は何歳かと尋ねられ、「87です」と答えると「元気でいいねぇ」と言われる。
     なんのなんの、「自分の足で買いに来られるんですから、まだまだ大丈夫ですよ」と答えた。
     FAXで入った処方箋の解読に悩まされた。
     字が汚くて判読しにくいうえに、薬の量の単位を間違えていて、正確な量を計算し直す。
     さらには、患者さんの保険番号が未記入で、処方日の日付も間違えていた。
     そそっかしい医師なのか、定年間際でボケが入ってるのか。
     書き間違い程度ならまだこちらで対処できるが、ちゃんと診察はできてるのかと、そちらの方が心配。
     喫茶店でお酒を飲んでて薬を置き忘れてきてしまい、あと3日分が足りないので薬をもらえないかと言う患者さんが来店。
     気がついてその喫茶店に戻ったのだが、どうやら捨てられてしまったらしい。
     うむぅ、心情的には出してあげたいのはやまやまだが、それをやってしまうと犯罪になるので丁重にお断りするしかなかった。
     患者さんの方も一応は納得してくれた様子で、これから病院の方に行ってみるとの事。
     利用しているISPの1つ『MBN』から合併後のサービスの変更についての連絡が物理メールで届いた。(友達の間では、電子メールに対して郵便で届く手紙の事を、物理メールと呼んでいる。)
     http://www.mbn.or.jp/
     当初は合併後もメールアドレスは変更されないという事で契約を更新する事に決めていたのだが、届いた書類によるとホームページのURLは変更になってしまうとの事。
     先に言えよー。せっかく8年かけて薬局のURLも浸透してきたのに、今さらURLが変わるなんて。
     う~む、独自ドメインを取っておくべきだったか。毎年の更新料がもったいないと思ってケチしていたのがマズかったか。
     ただし、パソコン雑誌の調査によると、最近ではURLを入力して訪問する人は少なくて、大抵は検索エンジンで調べたい内容を検索しているうちに辿り着く人が多いので、URLの変更はそれほど影響は無いという記事を見かけた事もある。
     このままISPの合併で自動的にURLが変更になるのを受け入れるか、それともいっそのこと解約して別なサーバーに移転するか。ちょっと考えよう。
    //////////////////////////////////////////////////////////////////////
     感想や健康相談はコチラの掲示板へ(・v<)
     http://www111.sakura.ne.jp/~kitazono/bbs_kitazono.htm
    //////////////////////////////////////////////////////////////////////
    ◆7月30日(水)/2003年◆
     今日はお店を開けてから、次から次へと処方箋がFAXで入ってきた。
     長期治療の患者さんが、お盆になる前に薬をもらいに病院に行っているのかもしれない。
     そのせいか、これだけ患者さんが来ても、日記に書くような特徴のある患者さんはいらっしゃらない。
     ゆえに、書くネタも無し。
     人間、平凡に過ごしていると刺激が欲しくなり、ひとたびトラブルがあると、どうしてこんな目に……と嘆くもののようで。
     落ち着いたところで、ネットで相談の来ている患者さんたちに返信。
     スタッフの1人が、「便利になったもんだわね~」と言うと、「でも自殺サイトとか怖いよねぇ」と別なスタッフが。
     すると、「でも……」と私。
     かつては自殺しようとする人は1人で寂しく死んでいくか、1人は寂しいからと他人を巻き込んで自殺する人がいた。もちろん、今でもいるが。
     しかし、死にたいと思っている人たちが出会って、関係無い人を巻き込むこと無しに、1つの目的を共有して死ねるというのは幸せではないかとも思う。
    「生きてれば良い事もある」と言う人も、そんな保証はできない訳だし、「頑張ってる人もいるのだから」と言う人は、自分が努力してるからと他人の痛みや苦しみなど分からぬ人ではないのか。
    「あなたが死ねば悲しむ人がいる」と諭すのは、生きる気を起させるかもしれないが、それは拷問ではないのか。
     漫画版の『花の慶次』では、こんなセリフがあった。
    「生きるのは人のため。ならばせめて、死ぬのは自分のためであろう」
     記憶で書いてるので、ちょっとニュアンスが違うかもしれないが、現代医学の前では死ぬ事すらままならない事を思うと、より死にたい時に死んだ人を羨んでしまう。
     http://www8.ocn.ne.jp/~porco/keijisyoukai.html

     とはいえ、人間が一生のうちに得られる知識や体験は限られている。
     苦しみから逃れたいという耐え難い“希望”にすがりつくために自殺するのならともかく、繰り返す日常に飽きて死ぬようなのは「もったいない」と思う。
     少なくとも私は、来年の春に『イノセンス』(押井 守監督作品)を観るまでは死ねない。
     いいのか、そんな単純な事で(苦笑)?
     http://www.production-ig.co.jp/anime/innocence/

     さて、そろそろ寝ようかという深夜2時頃に、お母んから電話があった。
     いったいナニゴトかと思ったら、「今日の(日付変わってるぞ)『ためしてガッテン』観た?」と訊かれた。
     観ていません。と言うか、それで深夜に電話してきたんかい(^-^;
     http://www.nhk.or.jp/gatten/
     30日の番組内容は“アレルギー体質改善の切り札”という事で、幾つかの漢方薬が紹介されたらしい。
     で、例によって買いに来る人がいるかもしれないから、調べておけと。
    //////////////////////////////////////////////////////////////////////
     感想や健康相談はコチラの掲示板へ(・v<)
     http://www111.sakura.ne.jp/~kitazono/bbs_kitazono.htm
    //////////////////////////////////////////////////////////////////////
    ◆7月31日(木)/2003年◆
     早朝の天気予報では関東は曇りのはずだったのだが、見事なピーカンになってしまった。
     いや、天気が良いのは気持ちも良くていいのだが、あまり暑くなり過ぎるとお客さんが来なくなるので困る(苦笑)
     夜中にお母んが電話してきた『ためしてガッテン』の件で、番組の方は未見なので、番組のホームページで確認すると、確かにアトピー性皮膚炎の治療薬として漢方薬が紹介されていた。
     痒みを止めるのに白虎加人参湯(びゃっこかにんじんとう)を、アレルギーを抑制するのに梔子柏皮湯(ししはくひとう)を勧めている。
     うう…、どちらもウチには置いていないσ(^◇^;)。(※注・白虎加人参湯はその後取り扱い開始) 漢方薬にも流派があって、一番大きな分け方としては、中国での古い流れを組む『中医学』と、インドでの研究が進められてきた『アーユルヴェーダ』と、日本で比較的近年になって開発されてきた『日本漢方』の3つだろう。
     私は『アーユルヴェーダ』については資料を持っているだけであまり読み込んでいないのでちょっと脇に置いておくが、『中医学』と『日本漢方』については講習会などで勉強している。
     そして、『中医学』と『日本漢方』は同根ではあるが、その応用となるとかなり違いがある。
     例えば、『中医学』では熱風邪に黄麻湯(まおうとう)を用いる事が多いが、『日本漢方』ではあまり用いる事は少ない。
     その理由は、気候風土の違いが大きい。まず、原料に含まれる成分の割合が違う。中国で黄麻湯(まおうとう)を購入すると、日本で購入するものより効き目が強く、心臓がドックンドックンとして元気になりすぎて具合が悪くなるそうだ。
     また、日本の方が湿度が高く、それゆえに日本人は体内の水分に起因した病気が多いため、胃腸の調子を整えるのが風邪の治療に有効だったりする。すると、黄麻湯は胃腸に負担をかけるので『日本漢方』では選択肢からはずれる事となる。
     で、今回の番組で取り上げてる漢方薬の選び方から推察すると、断定はできないが、どうやら『中医学』の理論に基づいているように思える。
     と言うのも、白虎加人参湯は日本で医薬品としての販売許可を得ている効能は「咽喉の渇き」で、皮膚疾患での効能書きは認められていない。しかし、成分を調べてみるとセッコウ(石膏)が入っていて、これは炎症を抑える効果があるので、咽喉の渇きを抑えるのと同じように皮膚の炎症を抑えられるであろう事は容易に想像できる。
     ただ、効き目が強いので冷え性の人には私としては勧められない。それに、もしウチで仕入れたとすると値段が一週間分で2千8百円になってしまう。
     それならば、セッコウの量が半分で劇的な効果は無いが体に負担をかけない十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)の方が良いだろう。値段も一週間分で1千8百2十円で済む。
     梔子柏皮湯となると完全に『中医学』の処方で、『日本漢方』をメインにしているお店では入手は難しいかもしれない。
     主成分のサンシシ(山梔子)とオウハク(黄柏)を含んでいて入手しやすいのは、黄連解毒湯(おうれんげどくとう)だろう。
     ウチでも入荷するとなると、問屋さんに調べてもらわないと梔子柏皮湯の値段は決められない。黄連解毒湯ならば一週間分で2千3十円で、おそらく梔子柏皮湯と比べてもそう高くは無いと思われる。
     番組のホームページではちゃんと、十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)補中益気湯(ほちゅうえっきとう)など他の漢方薬もある事を示して、体調や体質によって効果が違う事も案内しているのは好感が持てる。
     ただ、「漢方薬を扱っている医療機関、薬局で手に入ります。特別な薬ではありません。」というのは余計だなぁ。
     白虎加人参湯はともかく、梔子柏皮湯の方は漢方薬の老舗メーカーのツムラにも無いし、大衆メーカーのカネボウでも出してないし、これまた薬局販売の大手メーカーのJPS製薬でさえ取り扱っていない。
     NHKだから番組のスポンサーが噛んでるという事はないだろうが、番組に出演した漢方薬の研究者が梔子柏皮湯を製造しているメーカーと関わってるんじゃなかろうかと邪推したり。
     ちゃんと話を分かってくれる人なら、成分と効果を案内すれば番組内容と違う漢方薬を勧めても大丈夫だろうが、中には商品名をメモしたら「同じ物じゃないと」と納得してくれない人もいるので、来店に関しては、期待半分憂鬱半分といったところか。 
     震度6の地震が相次いだ宮城県では、これからが夏のイベントや祭りの本番。
     県外からは「宮城は大丈夫なのか」との問い合わせが相次いでいるものの、県全体では特に震源地に近かった所など一部を除き、予定通り開催するとの事。
     そう言えば、普通は避けるものなんだなと苦笑した。
     ウチのお母んなど、「今年は仙台の方に旅行に行ったら?」などと勧めてくる。
     どうもウチのお母んの教育の賜物か、人が避ける時を狙って遊びに行くようになってしまった。
     例えばディズニーランドなども、台風が接近してる時に行ったりする。屋外でのアトラクションは楽しめないが、なにより空いてるのがいい。屋内施設の乗り物など乗り放題である。
     伊豆の群発地震の時などは天候が良かったうえに、宿泊施設はもちろん遊技場やお土産屋さんも最高のサービスをしてくれて楽しめた。どうして、みんなこうゆう時に繰り出さないのかと思ったものである。
     被災地のためなんて言わない。人の不幸につけ込んで得をするチャンスである。それでいて誰に迷惑をかけるワケでは無いのだから、良心も痛まないという事で(^.^)
     東北3大祭りの1つで、毎年200万人以上が訪れる『仙台七夕まつり』も8月6~8日の開催に変更は無いそうだから、できれば行ってみたい。
     あっ、でも、みんなが繰り出してしまうと人がごった返してしまうので、やっぱり「行くのに不安がある人」は行かなくていいです( ̄▽ ̄)
     酢酸エチルを求めてお客さんが来店。
     酢酸エチルは、揮発性が高く、発火点も低い危険物であり、取り扱いも正式な許可がいる薬品なので何に使うのかと思ったら、昆虫採集に使うそうな。
     調べてみると、確かに昆虫標本にするさいに使用するようだ。
     使い方は、酢酸エチルを染み込ませた綿花をビンに入れて、直接昆虫に触れないようにしきりをして(触れると変色する)
    10分~1時間ほど密閉するとの事。
     なんにしても、普通は薬局でも常備している物ではないので、問屋さんに注文する事になった。
    //////////////////////////////////////////////////////////////////////
     感想や健康相談はコチラの掲示板へ(・v<)
     http://www111.sakura.ne.jp/~kitazono/bbs_kitazono.htm
    //////////////////////////////////////////////////////////////////////
    ◆8月1日(金)/2003年◆
     旦那さんが胆石らしいというお客さんが来店。
     お腹が痛くて吐いたりしていたが、仕事に行ってしまったという。
     ええ~!?
     胆石での腹痛なら、歩けないくらいだと思うのだけど、病院での診察は受けたのだろうか。
     そう尋ねると、病院には行っていないとの事。
     なんでも、救急車を呼ぼうかと旦那さんに言ったら、「みっともないからいい」と断られたのだそうな。
     うう、それほど痛かったのなら救急車呼んで下さい。みっともなくたって、間違っていて笑い話で済むなら、その方がいいです。
     そりゃ、救急車で運ばれた人の半分近くが必要なかったというデータもあるけれど、普段から簡単に救急車を呼びつけたりしてる訳ではないのなら(中にはそうゆう人もいるらしい。そうゆう人は論外)、遠慮しないで呼んでいただきたい。
     胆石と断定できれば思い切って強めの漢方薬も勧められるが、分からないと手の打ちようが無い。
     少なくとも痛み止めには芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)を使うとして、普段から体力があるのなら柴胡という成分の入っている漢方薬が候補に上がる。
     小柴胡湯(しょうさいことう)大柴胡湯(だいさいことう)か、いやいや柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)ならば風邪にも使えるから、胆石でなかったとしても症状を緩和する事ができるはず。
     とにもかくにも、旦那さんを明日絶対に病院に連れて行って下さいと念を押して、芍薬甘草湯小柴胡湯を勧めた。
     うむぅ……、心配σ(^~^;)。
     日焼けでヤケドした患者さんが来店。
    「ヤケドの薬が欲しい」と言う。
     顔が真っ赤に腫れていて、分泌物が滲んできている。
     雨や曇りが続いていたから、たまの晴れで油断してしまったらしい。
     ヤケドの厄介なところは、“ヤケドを治す”という薬は存在しない事だ。
     切り傷などもそうだが、ヤケドは皮膚が自然に再生するのを待つしかない。
     なので薬は、皮膚が再生するまで雑菌で化膿したりするのを防ぐという消極的な治療をするのみなのだ。
     お話を聞いてみると、別なドラッグストアーで冷やす物は購入したとの事。
     だが、日焼けしたのは昨日である。今さら冷やしては、逆に血管が収縮して皮膚の回復が遅れる事になる。
     しかも、念のために何を買ったのかを確かめてみて、ビックリ。
     フェイスマスクタイプの冷却剤だった。成分を見ると、メントールが入っている。
     おいおいおいおい、どこだよ。こんなのを売りつけたドラッグストアーは。
     メントールは確かにスーッと冷たい感じがするが、立派な刺激物だ。
     こんなのをヤケドした所に着けたら、それこそ皮膚が炎症を起して悪化させてしまう。使っていたら危ないところだった( ̄▽ ̄|||
     とりあえず患者さんには、化膿止めのクリームを勧めて、患部を冷やしたり刺激したりしたりしないように伝えた。
     これから海などに行った場合は、日焼けは立派なヤケドなので処置を間違えないように気をつけてもらいたい。
     まず、日焼けした当日は日焼けした所を冷やす事。できれば冷たい流水で30分以上冷やすのが理想なのだが、体温が奪われると危ないので、冷却剤などを薄手の布でくるんで特に痛む部分を冷やすのが良いだろう。
     最近は水枕のような大型で柔らかい冷却剤もあるので、それを使う事をお勧めする。
     そして、冷やすのは最初の1日目だけである。翌日からは、早く皮膚を再生させるために肌触りの柔らかい服を身につけ、赤く腫れているようであれば、炎症を抑えるクリームなどを塗る。
     さらに、ビタミンBの含まれている栄養剤を飲むと、皮膚の原料になる。
     閉店間際に、市内の調剤薬局のTさんから電話。
     調剤専門でやってきたが、市販のOTC薬も置こうと思うのでどんな物を揃えたら良いかという相談。
     しかし、Tさんの薬局の近くにはドラッグストアーがある。
     ウチだって近所に何軒ものドラッグストアーがあって、仕入れ値より安く売ってる物があると、ドラッグストアーで買ってきてお店に並べてるのに、何を揃えたら良いかと相談されてもなぁ(苦笑)
    //////////////////////////////////////////////////////////////////////
     感想や健康相談はコチラの掲示板へ(・v<)
     http://www111.sakura.ne.jp/~kitazono/bbs_kitazono.htm
    //////////////////////////////////////////////////////////////////////
    ◆8月2日(土)/2003年◆
     お店に出てすぐに、処方箋がFAXで襲来。
     そのほとんどが小児科であった。
     やはり夏休みとはいえ、親が休める時でないと、なかなか子供を病院に連れて行くのもままならないのだろう。
     小児科の薬を用意する時に厄介なのは、薬の分量を小児向けに計量しなればならない事。
     錠剤なら割って、散剤(粉薬)ならば袋から出して音叉振動式電気計量計でコンマ1mgまで計る。
     そして、それをパッケージングしていくので1人分を用意するだけで10分~30分程度を要する。
     それが連続して来ているので、用意しているうちに「あれ、○○ちゃんのはどこまで出来たっけ」とか、「△△(薬名)は、どこ~!?」とか、「それはもう用意したよ」という大混乱に陥る。
     もちろん、それだけに患者さんに渡すまでには何度も確認するのだが、ちょっと患者さんには見せられない光景である。
     しかも、中には兄弟姉妹で受診していて、それが3姉妹であったり双子の兄弟だったりで、二重三重の罠である。(←罠ってなんだ。)
     そう言えば以前にある小児科の先生に聞いた話で、患者の母親から診察を予約する電話があって受けたら、当日連れてくる子供を親が間違えたなんて事もあったとか。
     他にも、病院で診察後にすぐに薬を子供に飲ませる時に、飲ませる子供を親が間違えて昏睡してしまったなどの危ない話も聞いた。
     医療関係者も気をつけるようにはしていますが、親が自分の子供を間違えるという事までは分かりようがないので、くれぐれもご注意下さい(^-^;
     やっと全てを用意してホッとしたところで、炭酸水素ナトリウムが余った。
    主に胃酸過多などの時に処方されたりする。小児科に混じって大人の患者さんの処方箋も来て、その薬を用意する時に使ったのだ。
     余っているのは1g程度。値段は安いので捨ててもかまわないのだが、なんだかもったいない。
     お母んがこともなげに「舐めちゃったら」というので試してみた。
     しょっぱい~(>_<)
     そりゃそうだよ、ナトリウムなんだから。塩と似ている。
     なんでも昔は小学校の家庭科の授業で、お饅頭を作るのに膨らし粉として使っていたとか。
     ン十年前の話だ(笑)?
     献血者の輸血でB型肝炎になったとみられる女性が死亡したとのニュース。
     女性はもともと循環器系の疾患があったため、劇症肝炎が死因と断定はされなかったらしい。
     だとすると遺族が解剖を希望したのか、それとも医療機関の方で解剖をしたいと遺族に申し出たのか。
     いずれにしろ、死因の特定がなおざりにされなかったお陰で今回の事が分かった。
     そして残念だったのが、日赤の対応。
     死亡した女性は手術で複数の人からの献血を輸血され、献血者の一人が献血をした後に「病院でB型肝炎ウイルス(HBV)に感染していると言われた」と日赤に連絡。
     連絡を受けた日赤は保管していた血液を再検査したが、HBVは検出されなかったため、追跡調査を打ち切ってしまったのだとか。
     今やウイルスを検出できない期間(ウインドーピリオド)がある事はマスコミでも報道されていて、素人でも知っている事のはず。
     肝炎ウイルスなどの感染が判明した人が過去に献血していたことが分かった場合、その血液を輸血された患者に検査および治療を呼びかける必要性がある事は明らかなのに、どうして怠ったのか。
     患者と相対している医師でさえ、仕事としてこなしていくうちに患者が人間であるという事を忘れてしまうという。片付けなければならないノルマの1つになってしまうのだ。
     日赤のスタッフもまた、自分たちが扱っている物がなんであるのかを忘れてしまったのかもしれない。
     自分の仕事も流れ作業になっていやしないかと自戒。
     気象庁の発表によると、関東地方もやっと梅雨が明けたようだ。
     ニュースサイトを見てみると、ビール業界や家電メーカーなどは、これからの盛り返しに期待しているとの事。
     ビール業界や家電メーカーなどは季節ごとの業績の事を大手を振るって公言できて羨ましい。
     まさか医療業界が、「今年の夏は天候不順で体調を崩す人が多いと予想しており、収益増を見込んでいる」なんて言えないからねぇ(笑)
     今日は隣の戸田市で花火大会があり、奥さんが観たいと言うので早くお店をあがって出かけた。
     戸田公園駅から花火の観覧場所まで歩いて行くと、通りには屋台が何軒も並んでいる。
     カキ氷の屋台を覗くと、「シロップかけ放題」の文字が。しかも、シロップの入ったケースには蛇口まで付いていた。子供たちは、2~3種類のシロップをかけたりしていた。
     自分はそれはしなかったけれど、ラムネ味に惹かれてカキ氷を食べた。
     その後で「具だくさん」と書いた札を掲げていたヤキソバの屋台を見つけて、試しに買ってみた。後でパックを開けてみるとビックリ。
     屋台のヤキソバなんて、「高い・マズイ・ショボイ」物だと思っていたのだが、他の屋台と同じ値段でありながらボリューム満点だった。
     入っているキャベツやニンジンも大きめに切ってあって、キクラゲやウズラのゆで卵なども入っている。
     麺も太めで食べ応えがあり、味も申し分ない。う~む、女将さんの心意気といったところだろうか。
     とまぁ良い事もあったが悪い事、と言うか嫌な事もあった。
     花火を観覧する土手には、当たり前のように場所取りのブルーシートなどが敷いてある。それでも、誰かしら人がいるのはいい方で、中には誰もいないのに敷き詰めてあったりする。
     それどころか、ハーケンなどの大きな金具でビニール紐などを地面に打ち付けて場所取りをしてあったりするのだから呆れる。多くの人出があるのに、転んだりしたらどうするのか。
     そんな訳で、私もそうだし他の多くの人たちも座る場所に困って右往左往していた。
     そのうちに打ち上げ開始の10分前になった。
     そこで、ロープだけ張って誰もいない所などには、ポツポツと人が座り始めた。そりゃそうだ、誰も来ないのなら空けておく必要はあるまい。
     そもそも事前の場所取りは主催者側も禁止している。
     で、私もすでにどこが取ってある場所だか分からなくなってる所に座った。
     そして、もうすぐ始まるという頃になって場所を取っていたらしい一団がやってきた。
    「なに座ってんのォ! そこ取ってたんだよォ!」とオバサンが怒鳴りつけてくる。
     お怒りはごもっともですが、主催者が場所取りを禁止している以上、違反しているのはそちらです。それに、持ち主が不明で放置してある物は拾得物として扱われる物です。
     そう説明すると旦那さんらしい人が、「理屈を言うか!!」と怒り出した。
     理屈じゃないって。アンタは規則と言うものを知らんのか。
     周りの人たちも戸惑うばかりである。
    「普通、子供がいたら譲るわよねぇ」などとまで言い出して溜息。
     なるほど、子供をダシにするという事は、自分の方が正しくない事は分かってるワケね( ̄▽ ̄)
     とりあえず、もうすぐ花火が始まるのでいつまでも騒がれるのは迷惑。
    「空いてるスペースはあるんですから座ったらいいでしょう」と勧めた。
     すると、「ああ、座るよ! 当たり前だろ、こっちが先に場所取ってたんだから!」と逆ギレ。連れの子供がオロオロしてて可哀相なくらいだ。
     一家族だけじゃなくて三家族ぐらいの一団だが、誰も自分たちが悪いとは思わないらしい。座ってからも文句をブツクサ言うは、周りの人たちを威嚇するは(動物かい(^-^;)、まるでお子様の集団であった。
     なんだかなぁ。子供がまっすぐ育つか心配になる。
     
     花火の方は、不況の影響か玉数が減っているとはいえ、花火師の工夫や腕の冴えとでも言うべきか、タップリと楽しめた。
     何枚かスローシャッターで撮影してみたので、よろしければ覧下さい。
     http://magical-shop.web.infoseek.co.jp/photo/200308/index.html
    //////////////////////////////////////////////////////////////////////
     感想や健康相談はコチラの掲示板へ(・v<)
     http://www111.sakura.ne.jp/~kitazono/bbs_kitazono.htm
    //////////////////////////////////////////////////////////////////////
    ◆8月3日(日)/2003年◆
     今日は私が所属しているゲームサークル『SNAKE-EYES』のコンベンションである。
     予定通りに出発し、会場に向かった。
     http://www.snake-eyes.gr.jp/
     夏休み中で他の行楽に出かけているのか、それともワンダーフェスティバルと同じ日だからなのか、久しぶりに参加者が30人を割った。
     http://www.kaiyodo.co.jp/wf/garage.html
     運営費としては赤字だが、人が少ない方が部屋は快適(笑)
     そして今回は現場責任者の武井くんに勧められて、ゲームに参加する事になった。
     いつもは事務作業をしているので、ゲームに参加するのは久しぶりである。
     1年ぶりくらいかもしれない。
     さて、なんのゲームかと言うと、『SNAKE-EYES』がなんのサークルかをしなければならないかな。
     『SNAKE-EYES』の活動で扱っているゲームは、『TRPG』である。
     これは、『テーブルトークロールプレイングゲーム』の略で、直訳すると『対話型役割演技遊戯』とでもなるだろうか。ひらたく言えば、“ゴッコ遊び”である。(やや、ひらたく言い過ぎかも)
     アメリカでは子供の遊びとしての他に、学校などの教育の現場で活用されたりしており、日本でも一部の学校では取り入れてるところもあるようだ。
     むしろ日本では、子供たちにイジメッ子の役やイジメラレッ子の役をやらせて、その“気持ち”を体験させたりと言う使い方をされていて、やや硬いイメージがあるかもしれない。
     一方でテレビゲームで“トーク(対話)”を省いた『RPG(ロールプレイングゲーム)』として、『ドラゴンクエスト』などの方がメジャーになってしまったために、悪いイメージの方が定着してしまった感もある。
     http://www.square-enix.co.jp/
     とにかく『TRPG』とは、様々な世界で様々な役になって対話しながら楽しむゲームの事だと理解してもらって不都合は無いはずだ。
     様々な世界と言ったが、それこそ各種のゲームがあり、いわゆる剣と魔法の出てくるファンタジーな世界もあれば、現代を舞台にした物や、宇宙を舞台にした物、ホラーやバトル中心の物などがある。
     そして、それぞれの世界でゲームごとのルールに沿ってキャラクター(登場人物)を設定して、そのキャラクターを演じる。
     子供の頃は、やはり演じるなら強くてカッコイイヒーローが良くて、やたらと腕力があったり頭が良かったりと弱点の少ないキャラクターを作成していたが、年を経るにしたがって“弱点のある人物”を演じるのが面白くなってきた。成長したねぇ(苦笑)
     今回は3種類のゲーム卓が立ち、その中の『ガープス・マジカルシーフ』というゲームに参加した。
     この『ガープス・マジカルシーフ』の舞台は、現代の日本である。
     しかし、1つだけ特徴的な法律のある世界だ。
     その法律は、『怪盗法』───。
     私も初めてプレイするゲームなので解説を間違っていたらゴメンなさい。
     私の理解したところによると、ゲーム中の日本では激増する凶悪犯罪を“コントロール”するため、泥棒をしても良いという法律が施行されているとの事。
     ただし、条件が幾つかある。
     まず、盗む前に必ず警察に、「いつ・どこで・何を」盗むかを予告しなければならない。そして、予告時間ピッタリでは盗むのは無理なので、予告時間の前後一時間以内ならばいつ盗んでも良い。ただし、予告をした本人だと証明するために、予告時間の前後1時間以内に必ず一度は警備している人間の前に姿を現す事。
     犯行後、5時間逃げ切れば現行犯ではないものとして追跡されない。そのため、正体がバレても逮捕される事はない。
     それと盗む時には、窓ガラスを割るなどの器物損壊や、人を傷つけるなどの過剰な抵抗はしてはならない。
     これらを守る事で、泥棒が許されるのである。
     さて、そうなると中には人々の人気を集める怪盗団もいたりして、さらにそれを捕らえようとする探偵団も存在する。探偵団の多くは、それこそ人気商売のアイドルグループなどで、これまた多くのファンがいたりするのである。
     今回のGMさん(ゲームマスター/ゲームの進行係であり審判であり監督でもある)の言によると、いわば『ルパン三世』や『キャッツアイ』、『怪盗セイントテール』を演じて楽しむ事ができるゲームだそうだ。確かに。
     そんな世界観の中で、プレイヤーたちは新進気鋭の怪盗団のメンバーを演じるのだ。
     怪盗団のチームは4人。
     おとり役のファワード、変装術を駆使するスカウト、道具を用意するメカニック、策を練るプランナーの中から好きな役どころをという事で、私はメカニックを選んだ。
     自分が演じるキャラクターだから、みんなどうやったら楽しめそうかを考えながら性格や能力などを決めていく。
     さっきも言ったが、オールマイティーで有能なキャラクターを作ってもあまり面白くはない。なにがしか弱点があった方が楽しい。
     なので私は、性格を“誠実で正直”と設定した。泥棒なのに、誠実で正直ってのは間違いなくゲーム(物語)の途中で面白い事になるはずだ。
     女性スタッフには、「北さんが誠実なキャラ? 絶対無理!」と笑顔で断言されてしまったがσ(^◇^;)。
     他のプレイヤーさんたちも、それぞれに自分のキャラクターの設定をしていくのだが、なにげに弱点を作るのが楽しい様子。
     フォワードは目立ちたがり屋(泥棒が目立ってどーする)、スカウトは強欲(金に目がくらんで失敗するタイプだな)、プランナーは深謀遠慮(石橋を叩き続けて渡れないぞ)という具合である。
     そしてキャラクターの設定ができたところで、怪盗団のチーム名と盗む時の登場方法を話し合った。
     プランナーの提案で音楽を流す事になったのだが、理由は後片付けがいらないから(笑)
     確かに逃げなくちゃならない事を考えれば、音楽を流すのは楽な方法。で、その曲目はクラッシックがいいとスカウトが言い出して、私がバッハの『トッカータとフーガ』にしようと言ったら、あっさり通ってしまった。目立ちたがり屋と設定したフォワードは呆れていたが(苦笑)
     と言う事で、怪盗団のチーム名は『旋律のバッハ』と決まった。怪盗団にしてはマヌケな名前である事よ。
     さて、そんなこんなでゲームは開始された。
     以下は、今回のゲームのストーリーである。
     ここまで読んでちっとも興味の湧かなかった人は明日の日記まで飛ばしてもらってかまわない。
     ゲームのストーリーは基本的にGM(ゲームマスター)がシナリオを用意しておくのだが、ゴッコ遊びはアドリブが身上。どんな展開になるのかは誰にも分からない。GMが用意した罠に次々とはまって大波乱の物語になるか、偶然の積み重ねでまったく山場の無い淡々とした物語になるか、神のみぞ知るである。
     それと、各キャラの名前もプレイヤーが設定しているが、著作権が絡んでくるので、ここではフォワード、スカウト、メカニック、プランナーという役割で表記しておきますです。
     先にも書いたように、このゲームの世界では怪盗法によって予告した上での泥棒行為は認められているので、新進気鋭の売り出し中の怪盗団が盗みのテクニックを競い合うテレビ番組などもある。
     我々『旋律のバッハ』も、とある高校の女教師とその生徒たちで結成したチームであり、これから名を売ろうという怪盗団だ。
     そこで、そのテレビ番組に出演し、見事に番組側で用意した賞金を指定された場所から盗み出す事に成功した。
     それで気を良くした私たちは、師匠の家に訪れた。(すでに怪盗が職業として成立しており、ゲームのタイトルに『マジカルシーフ』とある通り、魔法が存在していて、各怪盗たちにはそれらを教える師匠がいるという設定なのだ。)
     すると師匠が倒れていて、介抱する一方で師匠の家にある書斎を調べてみると、特別な魔法の薬が必要だと言う事が分かる。
     しかし、その魔法の薬は高価で、また自分たちには作り出す事ができない。
     そこで、魔法の研究をしている人を頼って譲ってもらえるように交渉に向かった。
     相手は薬を譲るにあたって金銭ではなく、博物館に展示されている古代アステカの石仮面を要求してきた。
     物語の展開としては、当然博物館に盗みに行くところだが、ここで各プレイヤーたちが設定したキャラクターの性格を考慮する事になる。
     私は“正直で誠実”な性格としたので、多少の危険は伴うが依頼された通り博物館に盗みに行こうと主張した。
     ところがスカウトは“強欲”という設定なので、どうせなら石仮面と薬を両方とも盗んでしまおうと言い出した。プランナーも、石仮面はともかく博物館より個人宅から薬を盗む方が楽で安全だと言う。
     しかし私はあくまで「騙すのは良くない」と反対し(泥棒なのに)、“目立ちたがり屋”であるフォワードに「博物館から盗み出した方が目立つぞ」と持ちかけて、みんなを説得してくれるように持ちかけた。
     この交渉こそが『TRPG』の醍醐味である。あらかじめプログラムされたスタンドアロン(ネットに接続されていない環境)のコンピュータゲームでは楽しめない。
     で、やはり名前を売るためには博物館から盗む事にしようと決まった。
     そうなると、まずは警察に予告状を出さなければならない。それを怠ると、逮捕される事になってしまう。
     で、フォワードが「どうせなら予告状も目立つようにしたい」と言うので、予告状自体を博物館の展示コーナーに展示物のように置くという演出をした。
     ちなみに、これらのキャラクターの行動は“行動宣言”という事で、GMに「○○をします」と伝えて、GMが「分かりました」と了承する事で認められる。GMが自分の用意したシナリオに固執するかどうかなど、キャラクターの取れる行動はルールよりも多分にGMの性格と懐の広さに左右される。
     予告状を出したら、次は侵入経路と逃走経路の下調べと、手順の確認である。
     いやぁ、悪巧みって楽しい(笑)
     なんか“いけない相談”をしているみたいでワクワクしてしまう。
     そして予告した時間(ゲーム内の)になり、プランナーが囮のハングライダーを飛ばして警官隊を陽動したところで、フォワードがさらに現場を混乱させて、その隙にスカウトが忍び込んで石仮面を盗み出した。
     あとはメカニックである私のキャラクターが用意した車で逃走するだけである。
     ところがそこに、美形のアイドル探偵が登場。しかも、ただ顔がいいだけじゃなく、実力のある探偵だ。
     警官隊や、探偵などのキャラクターはGMが演じている。1人で何役もこなしつつ、ルールの判定などを行う。
     ルールでは、盗み出す時に過度の抵抗は禁止されている。あまり強力な武器を使う事はできない。
     そこで、目立ちたがり屋のフォワードが特殊な加工をしたトランプを探偵に投げつけた。探偵の服を壁に縫い付けてしまおうというのである。狙い通りに使えるかどうかは、3個の6面ダイス(サイコロ)で判定する。この時にダイスの出目だけでは偶然性に左右されすぎてしまうので、キャラクターの能力値に基づいて判定される。
     例えば、やはり運動能力が高ければ命中率も良い。そこで、キャラクターの運動能力値が15の場合は、15以下の出目が出れば成功となる。(6面ダイス3個の最高値は18だから18が出れば絶対に成功である。)反対に運動能力値が10などの低い数値設定だと、10以下の出目を出さなければ失敗してしまう。つまり、運動能力が低ければ成功率も低い訳だ。
     フォワードが投げたトランプは見事に命中、探偵の足を止める事ができた。
     そこですぐに脱出すればいいものを、スカウトが“強欲”なうえに“好色”という性格設定だったため、カメラ付き携帯電話で美形な探偵の写真を撮っておきたいと言うので撮影した。(当然、プレイヤーが「写真を撮ります」と宣言して、GMがOKを出したからである)
     そんな余計な事をしていたら、探偵の方もトランプを振り払ってしまって、また追われるハメになってしまった。仕方が無いので、フォワードがもう一度トランプを投げつけた。ただし今度は、探偵のズボンのベルトを狙って。
     哀れ美形な探偵は、ベルトを落とされてパンツ丸出しになってしまった。
     そうしたら、スカウトがまたも写真を撮った。おいおい(笑)
     こうして、無事に石仮面の盗みに成功し、石仮面を良く調べてみると額の所に宝石らしきものがはまっていた。すると、なんとスカウトがその石を取り外してしまった。
     曰く、「依頼されたのは仮面なんだからいいでしょ」と。
     えーい、この泥棒め(笑)
     かくして、額の石を取り外した仮面を依頼主に渡すと、約束通りに魔法の薬をもらい、それを師匠に飲ませて一件落着。……と思いきや。
     なんと石仮面には魔物が封印されていたはずだと、目覚めた師匠に教えられた。石仮面の額に埋め込まれていた宝石が、封印だったのだ。
     放っておけば、石仮面を手にした人物が魔物に取り付かれてしまう。かと言って、事情を話して宝石を返すとなると、もしかすると予告無しに宝石を盗んだという事になって逮捕されてしまうかもしれない。
     そこで、今度は石仮面を渡した人物から石仮面を盗み出す事に決まった。
     犯罪の隠蔽のために、また犯罪を犯そうというのだ。ひどい話だな、おい(笑)
     かくして、改めて警察に予告状を出して、周囲からは「なんで個人宅なんて狙うんだ?」と不審がられながら、手はずを整えた。
     ところが、アイドル探偵がこのあいだ恥をかかされたのがよほど悔しかったのか、事前に情報を流していて、ファンの女性たちまでもがアイドル探偵を加勢するために駆けつけていて容易に侵入できない。
     そこでプランナーが立てた計画は、容赦の無いものだった。それは、スカウトが撮影した、前回の恥ずかしい写真を印刷してバラまくというもの。
     ネットを通じてハッキングして画像データを流す方が手軽だが、ファンの女性たちを混乱させるためには、写真という物理的な物が良いという事で、メカニックの私が急遽その画像をプリンターで増刷した。
     そして予告時間、アイドル探偵のパンツ丸出しの写真が何百枚と空からバラまかれた。ヒドイ作戦だね、どうも。
     そのおかげで侵入は成功したものの、こちらの作戦に逆上したアイドル探偵には手を焼いた。あんまり手を焼いたので、動きを封じるためにフォワードが例のトランプでまたも服を切り裂いて裸にしてしまった。なんと、下品な展開。
     しかし、ギャグはそまで。すでに石仮面の封印が解かれていたため、手にした薬をくれた人物は魔物に操られていた。
     本人に危害を加えてしまっては怪盗法違反である。なんとか魔力を封じながら戦うという不利な展開になり、プランナーが策を立てて、なんとか封印のための宝石を石仮面の額に戻す事ができた。
     そして、石仮面ごと持ち去って逃走した。
     ちなみに、本当は変装術が得意なスカウトが、警察官に変装してスリ替えるという方法もあったのだが、強欲なスカウトに宝石を預けると、そのままトンズラしそうだったので、強行的に侵入して苦労するハメになった。同時に、スカウトが好色で、アイドル探偵の写真を撮っていたのが役に立ったのだから、何が幸いするか分からないものであるなと、妙に感心。
     ゲームが終了してから、GMがゲームの展開上使わなかったネタなどの話を聞いた。
     アイドル探偵の服を脱がすというのは予想していなかったので、まさかこんな下品なギャグ物になるとは思っていなかったとの事。
     この、用意したネタにおさまらないところが楽しい。
     それと、やはり私に“正直で誠実”な性格を演じるのは無理だという事が証明されてしまった(苦笑)
    //////////////////////////////////////////////////////////////////////
     感想や健康相談はコチラの掲示板へ(・v<)
     http://www111.sakura.ne.jp/~kitazono/bbs_kitazono.htm
    //////////////////////////////////////////////////////////////////////
    ◆8月4日(月)/2003年◆
     “歯の薬“”が欲しいという患者さんが来店。
     実は何度か来ている患者さんである。歯の薬とは痛み止めの消炎鎮痛剤の事なのだ。
     それが分かってるから、続けて「炎症剤ちょうだい」と言ったのはご愛嬌。
    「炎症させてどーする」というのは野暮なツッコミである。
     それと一緒に、“化膿止め”も欲しいと言う。ウチで化膿止めと言えば、漢方薬の排膿散及湯(はいのうさんきゅうとう)の事である。読んで字の如くの名前で、化膿の原因になっている毒素を排出して散らす事が出来る。
     しかし、まだ歯医者に行ってなかったんですか(^-^;
     何度も勧めているのだが、歯を抜かれるのが嫌で薬だけを買いに来ている。
    だが、消炎鎮痛剤で痛みを抑えて化膿止めで虫歯の進行を遅らせても、絶対に治る事は無い。
     販売を禁止されてる薬じゃないし、もし売らなくても他の店に行くであろう事は目に見えている。
     となれば言い方は悪いが、この患者さんを目の届く所に置いておかないと心配。とりあえず根気良く歯医者に行く事を勧め続けるしかない。 
     どうも『虫歯』という名称が、「痛みはともかく、たいした事は無い」というイメージを与えているのではないかと思う。
     それは大きな間違いで、虫歯は“不治の病”なのである。癌(ガン)でさえ完治する可能性は現代においては大きいと言えるのに、虫歯だけは“完治”する方法は未だに無いのだ。
     現役の歯科医が書いた『歯は中枢だった』と言うトンデモ本があるが、虫歯を内臓疾患に例えれば、臓器移植、しかも人工臓器に交換する以外に治療のしようが無い。
      http://homepage3.nifty.com/hirorin/tondemotaisho2003hahachusu.htm

     普通の病気なら早期発見早期治療によって回避できる病巣の切除も、虫歯の場合はどんなに初期でも削る以外に方法は無く、ただひたすら予防する以外に有効な手立てが無いという、他に類を見ない恐ろしい病気なのである。
     そのうえ、感染症だから虫歯の患者が自分の箸で料理を取り、その同じ皿から他の人が料理を取れば感染してしまう。だから、特に幼い子供がいる場合は、親が使っている箸や皿は絶対に子供が食べる物に触れさせないようにしなければならないのだ。
     ゆめゆめ油断なされぬように。(←何故、時代劇口調なんだ。)
      
     北朝鮮から非政府組織(NGO)『レインボーブリッヂ』が持ち帰った子供の手紙と写真を、政府支援室を通じて拉致被害者が受け取ったニュース。
     『レインボーブリッヂ』事務局長の小坂浩彰氏の記者会見は何度見ても笑える。
     まさか、こんな面白いキャラクターが登場するとは思わなかった。
     http://www.ngo-rb.org/
     当初、小坂氏は写真は政府支援室に預けても良いが手紙は直接拉致被害者に渡したいとゴネていた。その理由が、「手紙には封がされていないから第三者に委ねられない」と言うので、テレビの前でズッコケてしまった。
     だったら、自分が封をすればいいじゃん(笑)
     もしかすると、それを誰かに突っ込まれたのか、結局は政府支援室に預ける事となった。
     『レインボーブリッヂ』の活動を調べてみると、やってる事に関しては人道支援という事で、特に非難されるべき点は無いように思える。
     しかし、分別はつけてもらいたいとも思う。
     私はNPO(特定非営利活動法人)の子供教育の団体に関わっているが、正直なところ“善意”ほどやっかいでハタ迷惑なモノはない。
     なにしろ、自分たちのやってる事は正しいと思い込んでいるものだから、検証するという視点に欠けている。
     だから私は、「子供の教育を国にまかせっきりではいけない」という主旨には賛同しているから関わっているが、距離を置くようにしている。でないと、どうにも危険な気がしてならないのだ。
     肝心の子供たちに目を向けずに、幻想の中の勝手なイメージの子供のための活動をしてしまいそうで。
     今回の騒動も、記者会見やインタビューでの小坂氏を観ていると、なんで騒ぎになってるのか本当に分からないといった顔でキョトンとしてる。
     何を叱られてるのか分からない子供と同じ表情で、おそらく『レインボーブリッヂ』が胡散臭く思えてしまうのは、これからも何をしでかすか分からない警戒心を抱かせるからだろう。
     一方、拉致被害者が政府に対して不信感を抱くのも、政治取引に利用されるのが不愉快なのも良く分かる。良く分かるが、情に流されない対応こそが、必要なのだと私は思う。
     政治取引に使われると言う事は、目的が定められるわけで、目的が定まっていれば道筋も付けようがある。
     少なくとも拉致被害者やその家族はともかく、支援者までが同じ視点で腹を立てるのは感心しない。
     むしろ政府を動かすのに今まで何十年もかかったのは、情に訴えていたせいではないだろうか。
     政治家の既得権益などは良く批判の対象となり槍玉に挙げられているが、実効力を考えれば、もっと早く“人気取り”として使える事を知らしめて働きかければ良かったのにと思う。
     子供の便秘で親御さんが来店。
     子供用の浣腸を下さいと言われたが、念のために便秘の状態を尋ねた。
     訊くと、浣腸してもなかなか出なくて、出ても兎のようにコロコロした便だと言う。
     便がコロコロしているのは、腸が痙攣している可能性がある。
     腸が痙攣している便秘の場合は、いくら浣腸をしても無駄である。むしろ、腸に無用な刺激を与えて腹痛を起こしてしまう事もある。下剤も同じ。
     そして、子供が痙攣性の便秘を起こすのは、ほとんどが精神的なストレスが原因だ。
     そこでさらに詳しく話を訊くと、思い当たる事としては下の子供が生まれてから便秘になったようだとの事。
     おそらくその推測で間違いないだろう。
     親としては、上の子も下の子も同じく接しているつもりだろうが、子供の感じ方はコントロールできるものではない。下の子供ばかりをかまってるように感じて、それがストレスになっているというのはあり得る事だ。
     だとすると、便秘をどうこうというより、精神的なストレスを緩和してあげた方が根本的な治療になる。
     漢方薬では、小健中湯(しょうけんちゅうとう)が有効だろう。
     ところが、ここで問題が。なんでもその子は、大の薬嫌いなのだそうだ。
     ゼリーに混ぜて飲ませるのもダメだという。
     う~む、困ったな。
     ハンバーグのような物に混ぜても分かってしまうかもしれない。
     考えているうちに、ポンッと閃いた。
     カレーはどうだろうか。
     カレーの原料になっているスパイスは、そのほとんどが漢方薬の原料と同じである。あの独特の色も、ウコンが入ってるからだ。
     それにカレーは匂いも味も濃い。漢方薬を入れても気づかないはずだ。
     聞けば、その子もカレーは大好きとの事。
     好きな物を食べるというのもストレスの緩和になる。上手くいくかもしれない。
     親御さんも試してみるという事で、小健中湯を買っていった。
     さて、結果はいかに。
    //////////////////////////////////////////////////////////////////////
     感想や健康相談はコチラの掲示板へ(・v<)
     http://www111.sakura.ne.jp/~kitazono/bbs_kitazono.htm
    //////////////////////////////////////////////////////////////////////
    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
    今回の日記の内容は、いかがでしたか?
    【感想アンケートのURLはコチラです】
    http://magical-shop.web.infoseek.co.jp/votecom_kitazono.htm
    ☆締切:2003年08月07日から7日間
    ■■■■■■■■■■■□免責事項□■■■■■■■■■■■
     記載内容を利用して生じた結果につい
    て、当方では責任がとれませんのでご了承ください。
     また、筆者が思った事や感じた事を率直に書いている事柄に関しましては、反証可能な事実誤認以外の訂正には応じられません。
     URLで紹介した先のページの著作権は、そのページを作成した人にあります。URLを紹介する事に違法性はありませんが、文章等を転載する場合は、作者の許諾が必要となります。
    ≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫ 趣味の活動 ≪≪≪≪≪≪≪≪≪≪≪≪≪≪
    ◆TRPGのサークルに所属しています。
     卓上ゲームが好きな人や、興味のある方は覗いてみて下さい。
     また、『コミュニケーション』のコーナーでWEBラジオ番組『幻想時間』を公開しています。
     私は主に、映画についてトークをしています(・v<)
     http://www.snake-eyes.gr.jp/
    -------------------------------------------------------------------
     このメールマガジンは、『まぐまぐ』 http://www.mag2.com/ を利用して発行しています。
     解除はこちら http://www.mag2.com/m/0000109927.htm から。
    -------------------------------------------------------------------