テレビでの情報は再確認を

 テレビで漢方薬の特集を見たというお客から、成人の娘さんの成生理痛の相談を受けた。
 番組では、風邪だからといって『葛根湯』とは限らないという話もやっていたそうで、それはちょっと見てみたかった。
 娘さんは普段は『ロキソニ』を利用しており、テレビでは『当帰芍薬散』のみを取り上げていたようなので、『桂枝茯苓丸』も紹介し、併用する使い方もあることを説明した。
 一概には言えないが、『当帰芍薬散』は肌が色白あるいは蒼黒く疲れやすい血行不良のタイプに適応し、『桂枝茯苓丸』は普段は体力がありシャキシャキとしていて、しかし動くのをやめると額に汗をかきながら手足が冷えているようなタイプに適応する。
 いずれも、生理予定日の一週間前くらいから服用しておくと、生理痛や随伴症状を軽減することが期待できる。
 また、生理痛の痛み止めとして現代薬の中では『エルペインコーワ』が、生理時の子宮の収縮による痙攣を抑える成分も入っているので、鎮痛薬だけよりも効果的なことをお話した。
 他に、お客様自身の動悸についても相談され、安静にしていても起きるものの、検査では不整脈以外は無く更年期障害かもというお話から、『加味逍遥散』を紹介し、まずは二人で『当帰芍薬散』を試していただくことになった。
 あと、娘さんについては鎮痛剤の多用は、将来的に鎮痛剤の効き目が鈍くなったり、生理痛が重いのが当たり前と思っていると大きな病気を見逃す可能性もあるので、定期的に病院での検診を怠らないようにと伝えた。

 お客様から、『新ルルA錠』と『新ルルAゴールド』の比較を尋ねられたが、主訴は悪寒と頭痛と関節痛ということなので、発熱前であれば『葛根湯』をと提案したところ興味を持たれたので、発熱時の『麻黄湯』と、解熱後の『柴胡桂枝湯』も紹介した。
 出先に持ち歩くには顆粒が便利なことをお話ししたが、苦手とのことで『葛根湯』の液剤を購入された。
 『葛根湯』は、悪寒などの予感がした段階で早め早めに服用して、時に空振りするくらいのタイミングで服用するのが効果的なれど、仕方ないか。

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テレビでの情報は再確認をへの2件のコメント

  1. アバター はぐれ薬剤師
    はぐれ薬剤師 コメント投稿者

    テレビに限らずネット情報も気お付けなくてはいけません。特に医療関連です。見る方、検索する方の理解度、ライフスタイルは考慮していません。誰にも当てはまるものではないのは明らかです。医療関連は必ず全く正反対の説が存在しますから、普通の方が見極めるのは不可能でテレビの場合は不適切な場合が多いですね。かつて思いっきりテレビがなくなったのもこんな理由でした。自然感が有れば解りますね。

     
  2. アバター 北村俊純
    北村俊純 コメント投稿者

     仕事でもなければ、内容の違うモノを相互検証しようとは思わないでしょうからね。
     それはそれで仕方がないですし、せめてその労力を専門家に転嫁して頼るというのでも良いのですが……。
     簡単な答えに飛びつくのは、困ったものです。