薬の買い物は「子供のお遣い」にならぬよう

 奥さんが発熱したというお客様から『エスタックFT』の効果を尋ねられたが、発熱以外の症状を聞いてきていないとのことで、より処方のシンプルな『ルルアタックFX』を案内してみた。
 すると、お会計の段になって授乳中というお話が出たため、授乳してから『麻黄湯』を使う方法もあることをお話して、この後の体力の低下に備えて『柴胡桂枝湯』を提案し、『柴胡桂枝湯』に変更となった。
 脳の方は風邪と戦うためにエネルギーを求めて、お腹が空いたという信号を送るかもしれないけれど、内臓の方は発熱ですでに弱っていると考えられるので、食欲があっても食事の量は控えるようにと伝えた。
 それにつけても、授乳中という重要な情報が後から出てくると焦る。
 まぁ、確認を怠るコチラも悪いんですが。
 世のお父さん、「子供のお遣い」にならないように気をつけましょうね(。・ω・)ノ”

 上記のお客様との会話を後ろで聞いていたらしい別のお客様から、ご主人が喉の痛みと咳を訴えているという相談を受けた。
 こういうことがあるから、できれば他の人に話を聞かれない相談スペースが欲しいところではある。
 しかし同時に、相談している様子を見て自分も相談しようと思うお客様もいるのが面白いというかなんというか、悩ましいところである。
 ご主人は鼻水があるというものの色については不明で、喉の痛みの他に夜中に咳をしているとのこと。
 『パブロンエースAX』を考えたが、熱は無いようなので『ルキノンせき止め錠』と『五虎湯』を案内した。
 しかし本人は、咳よりも喉の痛みを辛そうにしているというため『駆風解毒湯』を勧めてお買上げいただいた。
 胃炎の可能性をお話すると、数日前に胃痛を訴えていたらしく、しかし本人は気合で治すタイプで酒飲みのうえ大食漢とのこと。
 せめて今だけは量を控えてもらい、本人が好きだという卵料理を作ってみてはと勧めた。
 卵料理は腹持ちして、咳によるエネルギーの消耗を補うので。

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