薬選びは、ときに連想ゲームのように

 お客様から睡眠導入剤について尋ねられ、市販には睡眠補助剤しか無いことを告げたうえで、『ウット』と『ドリエル』を案内したところ、寝つきが悪くお酒に頼ってるという話があったため、アルコールは覚醒剤であることを説明した。
 アルコールに頼ると、かえって肝の働きを悪くして、それが寝つきが悪くなる原因になるので、『柴胡加竜骨牡蛎湯』を紹介した。
 すると、近くの棚にあった『ヘパリーゼプラス2』を手にされたので、腸肝循環により消化器系のメンテナンスをする物として『タナベ胃腸薬ウルソ』を紹介すると共に、効能に肝機能障害と明記されているある『ネオレバルミン』も案内してみた。
 『タナベ胃腸薬ウルソ』は、あくまで胃腸薬としての許可しか取っていないため効能には謳っていないけれど、病院で処方される際には肝機能障害の治療薬として使われるウルソデオキシコール酸なので、肝臓の働きを助けることは充分に期待できる。
 メーカーの方も、ちゃっかりパッケージには、胃と腸と肝臓を循環するイメージイラストが載せている。
 まぁ、公言はできないだろうが。
 肝臓に関する薬を市販するのは、それだけハードルが高くて大変なんである。
 『ネオレバルミン』なんか、よく許可が取れたなと不思議でならない。
 本日は、『タナベ胃腸薬ウルソ』をお買い上げいただいた。
 最初の相談は入眠困難だったけど、途中でアルコールの摂りすぎと分かり、それなら胃腸の働きも悪くなっているだろうから、その症状に合わせた選択……ということです(||´Д`)o=3=3=3 ゲフンゲフン
 また、入浴せずにシャワーのみで過ごしてると言うので、せめて食事の前に温かい飲み物をとお話をした。
 寝入った後の睡眠の質は胃が司っているので、胃に準備運動をさせて少しでも負担を減らすのが良い。

 やや高齢のお客様から『ケアセモ』と他の『ユースキンあせもクリーム』などとの違いを尋ねられ、『ケアセモ』にメントールが入っていること以外は同じ処方であることを説明したうえで、痒みが強ければ局所麻酔が入っている『テオドランホワイト』や『タクトローション』をと勧めた。
 そして、掻きむしるほど痒い場合にはステロイド剤を使うことを提案すると、家に『ロコイダンクリーム』があるそうなので、まずはそれを先に使ってみるよう話しした。
 そのため、今回はお買上げは無し。

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