風邪薬は使うタイミングを見極めて

 成人の娘さんが一昨日に転んで打撲を負ったとのことで、外用消炎剤を買いにお客様が来店。
 患部の腫れは引いたものの、痛みが残っているという。
 急性でもあるので『フェイタスZ』を案内したけど、家には『バンテリン液』があるそうな。
 でしたらそれを使ってみてはと言うと、本人が貼る物を希望しているのだとか。
 ふむぅ、急性だからと『フェイタスZ』を案内したものの、日が経ったことを考えると、鎮痛効果を落として浸透力のあるフェルビナク製剤のほうが良いかな。
 残っている痛みの程度が不明ではあるけれど、もう3日しても痛みが残るなら剥離骨折をしているということも考えられるため、その時には病院を受診するようにとお話して、『フェルビナク5.0』を購入して頂いた。
 あと、内服薬として『桃核承気湯』を紹介した。
 貼る物にしろ塗る物にしろ飲む物にしろ、剤形を初めから決めてしまうと選択範囲を狭めてしまうから、知っておいてもらいたいなと。
 特に、打撲で内服薬というのは考えないだろうから。

 お客様から喉の痛みの相談を受け詳しく訊くと、ツバを飲むのも痛いそうで『パブロンエースAX』は効かなかったという。
 体感としては発熱しそうという話だけど、だとすれば使うタイミングが早かったのかもしれない。
 総合風邪薬には、解熱だ咳止めだ鼻炎を抑えるだのと色々と入っているため、特定の症状しか出ていない時に使うと、出ていない症状に対する薬効成分は無用なだけでなく体に余計なダメージを与えてしまいがち。
 なによりも、主訴への効き方が弱くなる。
 喉が痛いだけなら『駆風解毒湯』でも良さそうだが、発熱しそうという感覚を無視する訳にもいかず、お客様に安心してもらうために『銀翹散』を勧めて、お買い上げ頂いた。
 『銀翹散』は喉の痛みだけでなく、発熱にも対処できる。
 漢方薬だからという訳ではないけど、こと風邪薬では漢方薬は予防的に出ていない症状に先んじて使うことができる点が便利。

 お客様から口内炎の塗り薬を要望されたので、痛みが強い時に炎症を抑える物と、痛みはそれほどではなく患部の再生を促す物を案内した。
 今回は珍しくお客様から相談を受けたから案内できたけど、自分で選んで買う人は違いに注意。
 そして今回のお客様は、よく口内炎ができて、毎回同じ場所ではないという。
 同じ場所にできるようだと、歯が当たっているせいだったりするから、そういう場合には歯科医に相談を。
 今回は、お話からすると胃が原因と考えられることを説明し、神経性胃炎に使う『半夏瀉心湯』を紹介した。
 ストレス性の胃の不具合は思い当たるらしく、ついでながら『安中散』『四逆散』を合わせた『爽和』と、『リフレライフ』(安中散加茯苓)も案内してみた。
 『爽和』の方は環境や対人といった外部からのストレス向けで、『リフレライフ』は起きていないことを心配してしまうような内面的なストレスに適応することを説明すると、『リフレライフ』の購入を決められた。
 じゃあ当初の口内炎についてはどうするかというと、『バファリン』などの鎮痛剤を使うのはどうかと訊かれた。
 『バファリン』は胃に優しい方ではあるものの、やはり避けたほうが良いでしょうとお話した。
 痛みはそれほどではない事から、塗り薬をやめて『チョコラBB』の液剤を使ってみますと、お客様自身が選択された。
 ちなみに、痛みが強い場合の口内炎で漢方薬を使うとすれば、夏場の日焼けにも使う『黄連解毒湯』が適応します。

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