薬が効かなかったら、「文句の一つも言ってやろう」でも構わないので教えて下さい

 お客様から口内炎の薬を求められ、炎症や痛みが強い場合に用いる薬と、症状はそれほどでもなく患部の修復に振ってある薬とがあり、また剤形も塗り薬とパッチタイプの他に飲む薬も選択肢として考えられることを説明した。

 今回は症状が強いとのことから、ステロイド剤の入った『オルテクサー軟膏』をお買い上げいただいた。

 口内炎にはよくなるそうで、以前に『トラフル錠』を使って効かなかったというお話があり、神経性胃炎も口内炎の原因となるため『半夏瀉心湯』を紹介すると、漢方薬はイライラが続いて病院から処方された『加味逍遥散』が効いた気がせず飲んでいないという。

 しかし、それを調剤した薬剤師にも担当医にも知らせていないというので、効かなかったことを担当医には報告するよう勧めた。

 人間の体は機械ではないから、薬が全ての人に同じ反応をして効くとは限らない。

 ものすごく大雑把だけれど、市販薬なら3分の1の人が「良く効いた」と答え、3分の1の人が「効いた気がする」と答え、残りの3分の1が「効かなかった」と答えるものと思ってもらえると良いだろう。

 3分の2の人に効くのを「スゴい」と思うか、3人家族なら1人は効かない可能性があるから「駄目だ」と思うかは、その人次第である。

 そして薬というのは、強弱で図れる物ではない。

 大事なのは、「体の中で何をしているか」だ。

 私がよく患者さんにする例は、血圧を下げる降下剤。

 市販薬を買いに来た患者さんが自分に処方されている薬を覚えておらず、お薬手帳も持ってきていない場合に「普通の血圧の薬」なんていう事があるけれど、代表的な降下剤だけでも3つのパターンがある。

 一つは「血液をサラサラする」ことで血流を良くする降下剤、もう一つは「血管を拡張する」ことにより血液が通りやすくする降下剤、いま一つは「利尿作用を利用する」という降下剤で、むくみ取りに使うこともある。

 風邪などで何か市販薬を使うにしても、それぞれ血液をサラサラにしてるなら血液の凝固を止めてしまう成分は脳内出血を起こした場合に大変だから避けなければならないし、血管を拡張する薬を飲んでいるのに狭めてしまう成分を飲んでしまっては邪魔になるし、利尿作用があるようだと体内が乾燥するような成分も好ましくない。

 つまり、「何をやってる薬」なのかが分からないと、併用して大丈夫な薬を選ぶことができないのだ。

 同様に、使った薬が効かなかったという場合には、同じ症状を抑える目的の薬でも、違う方法でアプローチする薬を次に試してみるのが常套手段である。

 ところが、医師から処方された薬が効かなかったことを知らせないまま自己判断で使用をやるてしまったり、そのまま通院までやめてしまう患者さんは少なくない。

 でも、診察している医師は次の訪問時には薬を使ってる前提で診察したり検査の結果を判断したりするものだし、最初の薬を処方する段階でも幾つか後に続く候補の薬を検討しているもの。

 なのにフィードパックしなくては、何も良い事は無いんである。

 それから、精力的に研究している医師ならば患者さんからのフィードバックを、学会に発表するとか製薬メーカーに報告するといった事もしている。

 それこそSNSが日常になっている現在ならば、患者さんの個人情報は出さずとも治療に関する情報交換は活発に行なわれている。

 私にしたって、患者さんから「このあいだの薬、効かなかったよ」と教えられると凹むには凹むものの、次の選択を考えるし、交流のある登録販売者さんや薬剤師さんに相談したり、症例研究のデータを調べたりしている。

 だから使った薬が効かなかったら、関係する医師なり薬剤師なり登録販売者に報告してもらいたい。

 ともすると、そこから新しい薬の開発に繋がるかもしれない。

 患者さんもまた、医療の発展のための関係者の1人なのだ。

 思わず力説してしまい、お客様に引かれてしまうかと思ったけれど他に痒みの相談も受け、強めの薬である『プリザS軟膏』を案内しすると一緒に購入された。

 ううん、やはり「強い」「弱い」という表現は、どしても簡単なんで私も使ってしまう。

 なんという矛盾(;^ω^)

 それから、口内炎の治療の補助に『チョコラBB』を紹介すると、同シリーズのドリンク剤について訊かれ、コストパフォーマンスの面で勧められないことをお話した。

 また、息子さんも口内炎になりやすいとのことで、本人に薬を買う練習をさせてみるよう勧めると、「今度させてみます」というお返事だった。


 お客様が『大正漢方胃腸薬』を購入されるさいにヒアリングしてみると、胃もたれにいつも飲んでいるというので、合うようであれば胃の機能が低下してると考えられるため温かい物を積極的に飲んで、胃腸の血流を良くするようお勧めた。

 また、お湯と水のどちらを飲んで楽になるかを試してみる鑑別方法を教えた。

 お湯を飲んで楽になるようなら、先に書いたように胃が疲れているか冷えていると考えられ『大正漢方胃腸薬』の他に『ギャクリア』(六君子湯)も候補になり、水を飲んで楽になるようだと胃炎を起こしている可能性が高く、『半夏瀉心湯』『黄連解毒湯』が候補になる。

 お客様には、いつも合うとは限らないので合わない時にはご相談をと伝えた。

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