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  • 胃腸(急性)

    “胃腸(急性)”

     梅雨どきや夏になると多くなる「胃腸のトラブル」は、身近な症状であるだけに市販薬もたくさん出回っています。
     しかし、合う薬がなかなか見つからず、症状が慢性化してしまっている人も多いようです。
     漢方薬には「主に症状を除くもの」と「主に体質を改善するもの」の2タイプがありますが、今回は「主に症状を除くもの」を中心に解説します。
    【原因・治療】
    1.「胃の症状(寒熱)」と「下痢(湿)」が両方ある方
    湿熱タイプ
     ※主に胃に熱があるかたです。
      お酒の好きな方、ストレスの多い方、暑がりの方に多いです。
     漢方薬:半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)
     「冷え腹」の効能があり、お腹が冷えて下痢をするかたに効果があります。
      内から胃腸を温め、腸間の水分を血中に吸収して小便として排除します。
    寒湿タイプ
     ※主に腸が冷えるかたです。
      冷たいものをよく飲む方、胃腸の弱い方、寒がりの方に多いです。
     漢方薬:胃苓湯(いれいとう)
     飲みすぎ食べ過ぎによる下痢に効果があります。
     胃苓湯は、飲みすぎに使う五苓散(ごれいさん)と食べ過ぎに使う平胃散(へいいさん)を一緒にした処方です。
    2.「胃の症状(寒熱)」だけの方
    胃熱タイプ
     ※お酒の好きな方、ストレスの多い方、暑がりの方に多いです。
      胃に熱を持ったため具合が悪くなっているのです。
     漢方薬:黄連解毒湯(おうれんげどくとう)
     「二日酔い」による胃の灼熱感や体の熱感に(暑苦しく動悸がして寝られない方、口臭がひどい方にも)効果があります。
     処方中の4つの生薬のすべてに冷やす働きがあります。
    胃寒タイプ
     ※冷たいものをよく飲む方、胃腸の弱い方、寒がりの方に多いです。
      胃が冷えたため具合が悪くなってるのです。
     漢方薬:安中散(あんちゅうさん)
     冷たい物の飲みすぎで胃を冷やした場合の食欲増進薬として効果があります。
     安中散は胃を温めて緒症状を改脅します。
     処方の中に牡蠣が含まれていて、牡蠣のカルシウムが神経性症状を緩和します。


    ★薬局での質問のポイント
     夏は暑いので、どうしても水分の摂取が多くなります。
     「どこが悪い」のか「何が原因なのか」が分かれば、最適な漢方薬を選べますし、服用後の効果も抜群です。
    1.「病位」の特定
     「胃だけ」か「胃と腸の両方」か?
    2.「寒熱」の特定
    「冷たいジュース、熱いお茶のどちらが飲みたいか?」
    「最近、冷たい飲料をたくさん飲んで食欲が落ちてないか?」
    「昨晩、アルコールをたくさん飲んだか?」
    ※いろいろ考えたけど、自分でもよく分からない場合は?
     半夏瀉心湯を相談してみましょう。
     半夏瀉心湯は、病因・病位を選ばない便利な処方です。
     胃熱を冷ます黄苓・黄連、弱った胃の働きを改善する半夏、そして冷えた胃腸を温める生姜、弱った腸の働き(漢方用語では脾(ひ))を改善する人参・甘草・大棗(だいそう)という合理的な配合により、消化器症状全般に効力を発揮します。

    ※必ず薬局で“ご相談”のうえ、お求め下さい。

     

  • ≪第10回≫六味丸

    漢方薬症例クイズ≪第10回≫

     実際の症例を元に、患者さんの症例データーを提示します。
     “書いてある内容”から推理して、適応すると考えられる漢方薬の名前を当てて下さい。基本的に当店で扱っている漢方薬としますが、解答としては必ずしも限定しません。「なるほど、その方法もあるか」と思われる解答であれば、正解とする事があります。(生薬のみや民間療法などは除外します。)
     正解者の中から、抽選で3名様にトートバッグを進呈いたします。絶対の正解というものはありませんのであくまで、“あそび”として楽しんでいただければと思います。皆様の参加をお待ちしています。

    トートバッグ

    italy.jpg (301149 バイト)

     イタリーセレクトコレクションのトートバッグを、3名様にプレゼントいたします。

    募集期間:~4月18日(月)
    正解発表予定:4月25日(月)

    問題
     女性。52歳。
     上半身にのぼせを感じ、不快でイライラしがち。自分でも怒りっぽいのを自覚している。
     足腰がだるく階段の昇り降りがつらい。
     白髪が増えて、肌ががさつき、目が乾燥して赤くなる。
     疲れたり寝不足になると、顔がのぼせて汗が多くなる。
     1年くらい前から生理が遅れがちで、数ヶ月無いこともある。
     おそらく、なんらかの原因で栄養が不足しており、普通は体の働きが落ちるところが、その不足を補おうとかえって体が頑張っているため、のぼせなどの症状が現れていると考えられる。
     体が働きすぎるのを抑えつつ、補うのに用いる漢方薬は何か?

    正解
     正解は六味丸です。
     しかし、正解者がいませんでしたので、次選として杞菊地黄丸を正解とします。
     さらに、当選者枠が3名のため、他に適応する漢方薬として温清飲を加えます。

     当選したのは、以下の3名の方です。おめでとうございます。
     杞菊地黄丸と解答された方。
      ※keikoko様…選んだ理由:上半身にのぼせができたのと、目が疲れやすいのと、顔がのぼせるというのを見て間違いないと思いました。
      
    かりん様選んだ理由:まず「のぼせ」という言葉が説明にあったので、よく読んでみたら「乾燥」という症状があって、さらに「目の疲れ」もあり、「イライラ」なども目に付きました。
     
    温清飲と解答された方。
      ※S800PG様…選んだ理由:ナシ

    解説
     主訴はのぼせですが、随伴症状が多岐に渡っているため整理していくことが必要になります。
     すると、上半身はのぼせに関連するかのように、目の渇きや肌のかさつきなどがあるのに対して、足腰のだるさや白髪が増えてきていることから、栄養不足であることが読み取れるでしょう。
     一方で、のぼせる力はあるため、栄養そのものが不足しているというよりも、栄養を運ぶ機能が低下していることが考えられます。
     つまり、栄養を運ぶ血の不足、血虚が疑われます。
     この場合に必要なのは、体には働こうとす力があるので、血液が循環しやすいように体の環境を整える事です。
     六味丸に含まる地黄(じおう)・山茱萸(さんしゅゆ)・山薬(さんやく)はいずれも補性作用があり、茯苓(ぶくりょう)と沢瀉(たくしゃ)が局所的に水分が停滞するのを防ぎつつ、牡丹皮(ぼたんぴ)が血液の循環障害を取り除きます。
     また、六味丸の効能書きには「排尿困難、頻尿」とありますが、これは腎に作用する漢方薬なのだと覚えておくと良いでしょう。
     漢方で云う腎とは解剖学的な腎臓の意味に留まらず、泌尿生殖機能を含む精力と密接な関係があり、生理が遅れがちである事は、加齢による精力の減衰も示しています。

    補足
     六味丸に血管を通る血流を良くする作用のある枸杞子(くこし)と菊花(きくか)を加えたのが、杞菊地黄丸です。
     先に栄養そのものが不足している訳ではないとして六味丸をあげた訳ですが、より栄養不足が顕著な場合には杞菊地黄丸が適しているでしょう。
     解答で興味深いのは、問題には「目の疲れ」とは書いていなかったにも拘らず、2人の方が「目の乾燥」を「目の疲れ」と読んだことです。
     クイズという性質上、書いてある事柄だけから判断しなければならない訳ですが、患者が言っていなかったとしても推測できる事は考慮しておく必要があるという点において、良い判断だと思います。
     温清飲については、他に解答として出ていた漢方薬との比較の中で決めさせていただきました。
     温清飲の基本処方は四物湯で、血液を補い、血の巡りを良くする作用があります。そこに消炎効果があってのぼせを下げる黄連解毒湯を合わせた物です。これにより温清飲は、肌のがさつきや目の乾燥を潤して、主訴であるのぼせも治せるだろうと思われます。
     解答の中には黄連解毒湯もあったのですが、今回は血流の改善と、それによって皮膚の状態も良くなる方が適していると考え候補から除きました。
     さて、解答の中で一番多い見立ては更年期障害でした。
     これは患者さんの年齢からも、のぼせを始めとした不定愁訴からも当然の事と思います。
     そのため一応、それを措いておくための条件付けとして栄養不足の可能性と、補う漢方薬を用いることを示唆しました。
     それを踏まえて、更年期障害に関連した処方についての解答を検証してみました。
     まず、のぼせから桂枝茯苓丸を考えた場合ですが、お血によるイライラ感や月経不順に使えるものの、補う効果が少ない点が適応しないと考えられます。これは、桂枝茯苓丸当帰芍薬散を合方した婦人華にしても同じでしょう。
     では、加味逍遙散はどうでしょうか。加味逍遙散にも六味丸桂枝茯苓丸と同じく牡丹皮が入っており、血液の循環を促して、山梔子(さんしし)や薄荷(はっか)が、のぼせやイライラを取り除く事が期待できます。しかし同時に、山梔子も薄荷も燥性なため、皮膚の乾燥などを示している患者さんには向きません。
     柴胡桂枝乾姜湯においては、か楼根(かろこん)が潤性が強いので乾燥に良く、牡蛎(ぼれい)には鎮静効果があるため随伴症状に効果があるとも考えられますが、のぼせには適応せず、より虚証の人に使うのが良いでしょう。
     柴胡加竜骨牡蛎湯は、やはりのぼせとイライラという症状に対して考えられたものと思われますが、皮膚の乾燥や栄養不足には他の漢方薬に役目を譲った方が適切です。ただ、寒熱のハッキリしない場合でも、かなり広く用いることができるので、応用はできるかもしれません。
     主訴ではなく、栄養不足に目を向けた物として、十全大補湯という解答もありました。解答者は血虚を考えたうえで、燥性の物も避けて選んだとの事で、着眼点は良いと思います。しかし十全大補湯は、病後に用いる事が多いように、全身的な疲労倦怠が強くて、皮膚の乾燥だけではなく顔色も悪いような患者さんに適しています。今回の問題では、足腰のだるさは訴えていますが、そこまでの疲労には言及していないため、除外となります。
     逆に小建中湯は、虚弱体質者に対して強壮作用はあるものの、のぼせを始めとする随伴症状には効果が期待できないため不正解とさせていただきました。
     実は今回の問題は、前回の解答で杞菊地黄丸というのが多かったため、その基本処方である六味丸を用いたケースを探して問題を作成しました。
     そうしたら今度は、正答者がゼロという結果に……。
     面白いというかなんというか、漢方薬の適応を考えるのは大変だなぁと改めて痛感しました。

    解説:北村俊純

    参加者コメントより
     keikoko:クイズをきっかけに漢方に強くなりたいです。
     前回は惜しかったですね。今回は、着眼点が良かったようです。

     かとう:今回は「参加することに意義がある」の意気込みで参加しました。
     私も、皆さんの解答を拝見して勉強させていただいていますm(_ _)m

     K.H:掲示板が和やかな雰囲気で楽しい♪
     なんか、薬局とは全然関係の無い話題ばかりですが(苦笑)

     まりん:とても役立つサイトですね。
     ありがとうございます。まだまだ中途な構成ですので、今後とも頑張ってゆきたいと思います。

     かりん:初めてホームページを拝見させていただいたのですが、とても興味を持ちました。私は腰が冷えたり腰痛になるとすぐに下痢をしてしまうし、少しでもストレスを感じると胃がムカムカして気持ち悪くなるし痛くなります。漢方で治るならぜひ利用してみたいです。いろいろ見てみたのですが見る限り私の症状にぴったり合う薬が見つかりませんでした。今度健康相談カードでお聞きしたいので、その時はよろしくお願い致します。
     はい、相談はいつでもお受けしています。ぜひ、お問い合わせ下さい。お大事に(・v<)

     

  • ≪第6回≫黄連解毒湯とよく苡仁

    漢方薬症例クイズ≪第6回≫

     実際の症例を元に、患者さんの症例データーを提示します。
     “書いてある内容”から推理して、適応すると考えられる漢方薬の名前を当てて下さい。
     基本的に当店で扱っている漢方薬としますが、解答としては必ずしも限定しません。「なるほど、その方法もあるか」と思われる解答であれば、正解とする事があります。(生薬のみや民間療法などは除外します。)
     正解者の中から、抽選で3名様に『水出しアイスコーヒーパック2コ入りを進呈いたします。
     絶対の正解というものはありませんのであくまで、“あそび”として楽しんでいただければと思います。
     皆様の参加をお待ちしています。(終了しました)

    水出しアイスコーヒーパック

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     1リットルの水に1パックを一晩(約8時間)漬けておいて、コーヒーの成分を水に自然に溶け出させる、『水出しアイスコーヒー』です。
     沸騰させたお湯で入れるのとは違い、コーヒー本来の甘味が出るので砂糖もミルクも入れずに、コーヒーの旨味をあますところなく楽しめます。
     当選者の方には、販売元であるコーヒー専門店『こらんしょ』から、水出し用に挽いてもらった豆のパックを直接配送させていただきます。

    募集期間:~6月28日(月)
    正解発表予定:6月30日(水)

    問題
     女性。25歳。
     主訴は、日焼け。
     日差しの強い日に、うっかり日焼け止めクリームを塗らずに外出したら、思った以上に日焼けしてしまった。
     顔は真っ赤に腫れて、分泌物が滲んできている。
     患部はヒリヒリと熱感があり、咽喉も渇きやすいという。上半身に火照りを感じるが、暑気当たりのように食欲が落ちたりはしていない。
     まずは皮膚の炎症を抑える必要があるだろう。
     そして、シミになる事を気にしているようなので新陳代謝を活発にして皮膚の再生を促進させるために、別な漢方薬も合わせる事にした。
     組み合わせた2種類の漢方薬は、何と何か。

    正解
     
    正解黄連解毒湯よく苡仁です。
     両方を一緒に答えた方はいらっしゃらなかったので、まず黄連解毒湯を挙げた方を正解としました。
     当選したのは、以下の2名の方です。おめでとうございます。
    wara納豆様…選んだ理由:ほてりをとり、新陳代謝を活発化する。(他に加味逍遥散)
    エド様…選んだ理由:炎症を防ぎ、体の代謝を活発にするため。(他に清上防風湯)

     次選の漢方薬としては、白虎加人参湯が適していると考えられるので、解答された以下の方を当選とさせていただきました。
    齊藤 誠様…選んだ理由:炎症を防ぎ、体の代謝を活発にするため。(他に消風散)

     また、今回は外用薬を想定していませんでしたが、紫雲膏桂枝茯苓丸を解答された方がいました。適切な治療と考えられますので当選枠を拡げて、同じく当選とさせていただきました。
    寺山雄一郎様…選んだ理由:火傷に一番効くのは紫雲膏を患部に直接塗ることである。シミ防止のために桂枝茯苓丸を服用する。

    解説
     通常の日焼けにおいては、体表部の熱を取り除き、体内が乾燥状態になるのを防ぐ事が治療の目標となります。
     しかし、今回の患者さんのケースでは患部から分泌物が滲んできており、さらに感染症の予防と皮膚への栄養補給が必要となります。
     一方、咽喉の渇きから体内の乾燥も考えられるのですが、食欲は落ちていないようなので、幸いにして暑さにやられながらも暑邪による体内への影響が軽度であったと思われます。これは同時に、全身ではなく上半身、特に顔の部位の症状が顕著な事を意味しています。
     そこで体表部の熱を取る事よりも、上半身の熱を降ろす事に重点を置いて治療します。そのために用いるのが黄連解毒湯です。
     そして、分泌物が滲んでいるという事は体内に雑菌が侵入しやすい状態なので、名前の通り解毒作用が期待できます。
     また、黄連解毒湯は脳卒中の予防効果があり、高血圧による精神不安や不眠を改善する事から、日焼け後の興奮を鎮めるのにも役に立ちます。
     さて、次にシミの予防として新陳代謝を活発にする場合、血行を良くする事が先決となります。
     しかし、今回の場合は明らかに表皮は火傷に近い状態で、体内から皮膚が再生するのを待たなければなりません。
     そのため、直接的に皮膚の材料となる物が必要となります。
     そこで、近年では美白効果も期待されている、よく苡仁を用いる事にしました。

    補足
     まず黄連解毒湯と併用する場合、加味逍遥散は胸脇部から服直筋上部の緊張と炎症を取る作用があり、さらに血液の循環を促す物ですので、使い方としては良いかもしません。ちなみに、加味逍遥散よく苡仁と併用して指掌角皮症の治療に用いる事があります。
     清上防風湯黄連解毒湯と生薬成分を比べると、実は内容的に近い事が分かります。漢方薬では一般的に、成分の種類が少ないほど効果は鋭くなり、多くなるほど穏やかに効くとされています。それを踏まえると、今回のケースよりも軽度の日焼けに用いるという考え方もできます。いずれにしろ、どちらか一方を服用すれば併用する必要は無いでしょう。
     白虎加人参湯は、実は標準的な日焼けに用いる漢方薬ですので、今回のような上半身のみの症状が顕著というようなケースでなければ、正解となる物です。ただし、石膏(せっこう)が多く入っている点には注意が必要です。石膏は打撲のさいに患部に塗って冷やすのに使うほどですので、これを服用する事は強烈に皮膚を冷やすため、日常的に体力の弱い人や冷え症の人に用いると吐き気などをもよおす事があります。日焼け後に、強い口渇があり、水を1日に何杯も飲むような場合に、短期間だけ用いると良いでしょう。
     消風散は、白虎加人参湯と同じく石膏が入っており皮膚を冷やすのに適しています。同時にそれは、併用を避けなければならない事も意味しています。しかしもっとも重要な事として、消風散の効能書きにある「分泌物が多く」というのは、皮膚疾患の原因が血液循環の不良などによる物の場合で、日焼けは例え分泌物が滲んできていても原因は紫外線による火傷であり、皮膚や体内は乾燥していると考えられるので用いるのは好ましくありません消風散を解答された方が多くいらっしゃいますが、注意して下さい。
     紫雲膏は漢方薬の外用薬で、火傷に用いると効果的です。主成分がゴマ油(胡麻油)なので顔に塗るとなるとベタついて不快感があるかもしれませんが、感染症の予防にもなるので日焼けの初期治療としては、もっとも適切だと思われます。
     そして日焼けの後のシミの原因の1つは、毛細血管が破壊されてお血状態になる事ですので、駆お血剤として桂枝茯苓丸を用いるというのは良い判断でしょう。
     その他に、皮膚の炎症という事で十味敗毒湯という解答もあったのですが、生薬成分の防風(ぼうふう)と荊芥(けいがい)が温めながら炎症を発散するタイプなので、外部からの熱により起きた炎症には適しません。
     ウチのお店では今のところ扱っていないのですが、紫紺エキスと茵ちん蒿湯という解答もありました(茵ちん蒿湯はツムラ製135参照)。紫紺エキスは消炎作用と保湿作用がありますので、外用薬として用いるのは適していると思われます。ただ、今回と比べて症状が軽度の場合の方が良いでしょう。そして、茵ちん蒿湯は生薬成分に黄連解毒湯にも入っている山梔子(さんしし)が配合されているので冷やす作用があるのですが、同時に便秘薬として用いる大黄甘草湯に入っている大黄(だいおう)も含まれています。今回の患者さんは食欲不振は訴えていないとはいえ、日焼けの後には胃腸の働きが低下して下痢になる可能性があります。そのため、下剤としての薬効がある大黄が入っている茵ちん蒿湯の使用は避けておいた方が無難だと思われます。
     変わったところでは、麦門冬湯という解答がありました。肺の潤い不足による咳を止める麦門冬湯を用いるというのは、日焼けの後に肺に熱が篭り、乾燥しやすくなるのを防ぐ事ができると考えられるので、実用的で面白い使い方だと思います。
     効能に日焼けと書いてある漢方薬は無いため難しかったかもしれませんが、基本的に日焼けは火傷と同じですので、急性かつ熱性の皮膚疾患だと考えるのが妥当でしょう。今回の問題は、『漢方薬のお勉強会』『肌のトラブル』が参考になるものとして選びました。
     日焼けは一見すると表面上の症状だけのようにも思われますが、実際には体の中で血液の循環が悪くなったり、熱い空気が溜まったままになったりと体内においても悪い影響を及ぼす事があります。くれぐれも、軽視せずに予防と治療に努めてもらいたいと思います。

    解説:北村俊純

    参加者コメントより
     あゆみき:問題面白かったです!
     ありがとうございます。今回は残念でしたが、ぜひまた挑戦して下さいませ(⌒▽⌒)

     齊藤 誠:もうメンドウなんで薬ウサギに食べられて治せ! あとは皮膚科にいくことを薦めておいてください。
     あはははは、そうですねぇ、食べてもらいましょう(^.^) それと、おっしゃられるように、ちょっと日焼けしすぎたと思ったら「日焼け程度」だと放っておかないで病院に行くのが良いでしょうね。

     

  • ≪第3回≫半夏厚朴湯

    漢方薬症例クイズ≪第3回≫

     実際の症例を元に、患者さんの症例データーを提示します。
     “書いてある内容”から推理して、適応すると考えられる漢方薬の名前を当てて下さい。
     基本的に当店で扱っている漢方薬としますが、解答としては必ずしも限定しません。「なるほど、その方法もあるか」と思われる解答であれば、正解とする事があります。(生薬のみや民間療法などは除外します。)
     正解者の中から、抽選で2名様に『花語まぐかっぷを菊と梅をセットで進呈いたします。
     絶対の正解というものはありませんのであくまで、“あそび”として楽しんでいただければと思います。
     皆様の参加をお待ちしています。(終了しました)

    市田ひろみプロデュース
    花語まぐかっぷ

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     服飾研究家の市田ひろみプロデュースによる、蓋付のマグカップです。
     ティーバックで紅茶などを飲む時に、蓋をして蒸らすと美味しくなると云われています。

    募集期間:4月1日(木)~19日(月)
    正解発表予定:5月1日(土)

    問題
     27歳。男性。
     中肉中背。顔色は普通か、やや白い。
     大学を卒業して、新任教師として高校の教壇に立つ事になった。
     生徒の方を向いて授業ができず、もっぱら黒板に書いてばかりの授業をしてしまうという。
     何とか落ち着いて生徒たちの顔を見て仕事ができればとの事。
     授業時には動悸が激しくなり、エヘンエヘンと咽喉が痞(つか)えている感じがする。
     やや胃の辺りが熱いと感じる事があるが、下痢や便秘などは顕著ではない。

    正解
     
    正解半夏厚朴湯です。
     当選したのは、以下の2名の方です。おめでとうございます。
      ※keikoko様…選んだ理由:検索したら、症例とぴったりいっちしたので。   ※すずき様…選んだ理由:自分の症状と似ているので選びました。私の症状ならこの薬を選ぶと思うので。
      
    まろちゃん様…選んだ理由:患者は新任教師として不安を感じており、動悸が激しくなり、咽喉がつかえている感じがするなどの症状がみられることから。
     
    当選枠は当初2名としていましたが正解者が多かったため、せめてもと1名増やさせていただきました。選考のさいには、答えの漢方薬を選んだ理由が書かれている人の中から抽選いたしました。理由を書いておくと当選率が上がりますので、書くだけ書いた方がお得です(^-^)v

    解説
     名前にも付いている通り、この漢方薬の主役となっている生薬の半夏(はんげ)と厚朴(こうぼく)は、どちらも降下作用があるとされています。そのため、緊張して頭がカーッと熱くなり動悸がするような場合に適応します。
     また、他の生薬の茯苓(ぶくりょう)と蘇葉(そよう)も降下作用がありますので、全体としても鎮静効果のある漢方薬だといえます。
     ただしここで勘違いしてはいけないのは、冷やす作用は無いという事です。どういう事かというと、カッと怒った人に「頭を冷やせ」という言い方がありますが、そういう時のイライラ、すなわち“のぼせ”などには効きません。
     半夏厚朴湯の生薬は全て燥性で、かつ茯苓以外は湿性というのが特徴になります。つまり効果が期待できる体質はそれらと反対の人、上半身に余分な水分があり虚症、あるいは手足に冷えのある人という事になります。
     今回の問題では患者さんの体質に関しては言及せず、あくまで症状のみから推測してもらった訳ですが、実際に選ぶ時には注意が必要です。一番の目安は、「咽喉が痞(つか)えている感じ」でしょう。これは、梅核気(ばいかくき)と呼ばれる状態で、梅のタネが咽喉に引っかかった感じがすると例えられています。
     下痢や便秘などの症状が無い事からすると、正解した方たちの解答は適切だと思います。日常的には顕著な症状は無いのに、発表会や試合などで緊張して上がってしまうような人は、ぜひ半夏厚朴湯を試してみて下さい。

    補足
     その他の解答の中には、サルノコシカケというのもありました。そもそも学問的にはサルノコシカケという物は存在しません。正確にはサルノコシカケ目のマンネンタケ科やサルノコシカケ科に属するキノコの総称で、漢方薬の材料としてはマンネンタケやコフキサルノコシカケが使われているものの、それらに鎮静作用があるという報告は私は知りません。
     半夏厚朴湯黄連解毒湯(おうれんげどくとう)加味逍遥散(かみしょうようさん)と合わせて服用するという解答もあり、これは興味深いところです。黄連解毒湯は主に上半身ののぼせ症状を取り除き胃熱も改善するので、お酒を飲みすぎた場合などに良く用います。そして、加味逍遥散は月経困難や更年期障害における精神不安症状を軽減するのに使われたりします。これらを併用するというのは、選択としては悪くないでしょう。ただ、今回の問題では患者さんはのぼせの症状は訴えていませんし、精神不安というよりは緊張によるものとの推測が成り立つので、まずは半夏厚朴湯を単独で試してもらうのが良いと思われます。
     そして、苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)という解答もありました。動悸・息切れ・神経質という症状からすると、あながちハズレとは云えないところです。また、体内の水分の偏りを正常にする働きもあり、その点でも半夏厚朴湯の代わりになるかもしれません。ただ、苓桂朮甘湯は、より内臓への働きかけを目的としており、胃の不快感が強かったり、めまいの自覚症状がある患者に適応すると考えられるので、今回は除外しました。

    解説:北村俊純

    参加者コメントより
    すずき・女性  漢方薬は以前服用していましたが値段が高いので続きませんでした。改善されるのもかなりの時間がかかるんですよね。短時間で体質改善する事は出来ないですかね。
     体質改善というのは、まさに体質そのものを変化させていく事なので、こればっかりは漢方薬でも現代医学でも時間がかかるというのが歯がゆいところです。(北村)

    まろちゃん・女性  素敵なカップのプレゼントに釣られてきたのですが、なんか薬剤師さんかお医者さんになったつもりでクイズそのものも楽しませていただきました。こういう、勉強になるクイズは大歓迎です。来月も挑戦します!性別の選択肢にも心配りが行き届いていて(?)感心しました。ところで、年齢の欄数字を入れるとエラーで先に進めませんでしたので止む無く空欄としましたが、54才です。
     懸賞目的のクイズとしてはやや敷居が高いかもしれませんが、楽しんでいただければ幸いです。
     年齢の欄につきましてはご指摘していただいた箇所を点検したところ不具合の原因が分かり修正いたしました。お知らせしていただき、ありがとうございましたm(_
    _)m(北村)

     

  • ≪通巻38号≫
    漢方薬の講習会『理気剤(りきざい)』/ニキビの相談/“怒り”の醜さ/政府の初動、現場の初動

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      ★彡☆-=★彡  それさえもおそらくは平凡な薬局  ★彡☆-=★彡
                      ≪通巻38号≫
      提供 : まぐまぐ http://www.mag2.com/
      発行 : 北園薬局 http://www111.sakura.ne.jp/~kitazono/
      編集 : 北村俊純
      窓口 : kitazono@a1.mbn.or.jp
      ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
    ~~~~~~~~~~~~~ 今回の日記の主な話題 ~~~~~~~~~~~
    ※11月18日(火)……漢方薬の講習会『理気剤(りきざい)』
        
    ※11月19日(水)……ニキビの相談
    ※11月20日(木)……“怒り”の醜さ
    ※11月21日(金)……政府の初動、現場の初動
    ************************* 先週の平凡な日記 ***************************
    ◆11月18日(火)/2003年◆
     今日は、月に一度の漢方薬の講習会。
     テーマは、『理気剤(りきざい)』である。
     『理気剤』とは、“気滞”を治療する薬の事で、“気滞”とは「気の停滞」、すなわち“気”が阻滞された状態に相当する。
     この“気”というのは、西洋医学には無い概念で、漢方薬を胡散臭いものにしている。なにしろ、血液などのように実体の無いモノだからだ。
     しかし例えば、目には見えなくとも“ストレス”というものは存在する。そして、ストレスが原因の病気があるのも事実である。
     気滞が発生する原因は非常に多いが、気滞だけが独立して現れる事は無い。
     最も気滞に関連が深いのは、やはり精神的ストレスで、漢方では“内傷七情(ないしょうしちじょう)”と言う。“内傷七情”とは、怒・喜・憂・驚・恐・悲・思の七つの心の動きが体をも痛めるという意味だ。
     情緒系・自律神経系に影響して肝気鬱結(かんきうっけつ)と呼ばれる抑うつ・緊張の状態を生じ、これにともなって全身の各部位の気滞を容易に引き起こす。
     気滞は発生する部位によって、1)胸部気滞、2)胃気滞、3)腸気滞、4)肝気滞などに分類される。
     気滞が関連する症状としては、以下のようなものがある。
    1.膨満感=胸・脇・腹などの張り・苦しい・痞(つか)える感じがするなど。
    2.遊走性の疼痛=異所性で時間的に増減する疼痛。
    3.渋滞性の症状=排尿や排便がスムーズではない・呼吸が苦しい・嚥下困難。
    4.気逆の症状=咳・胸が苦しい・悪心・嘔吐・吃逆(しゃっくり)・曖気(げっぷ)。
     理気剤の分類は、気滞の影響を受ける部位と、その症状で整理すると分かりやすい。
    ※『肝気鬱結(かんきうっけつ)』
     別名『肝気滞(かんきたい)』とも呼ばれ、肝臓がストレスを受けた場合を指す。
     症状としては、憂鬱感・怒りやすい・胸脇部の張った痛み・月経痛・月経周期が安定しないなどである。良く耳にする自律神経失調症も、ここに当てはまる。
     治法としては、“疏肝理気解鬱(そかんりきげうつ)”と言われる方法を用いる。
     代表的な漢方薬には、『小柴胡湯(しょうさいことう)』『柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)』『加味逍遥散(かみしょうようさん)』『柴胡加竜骨牡蠣湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)』がある。
     小柴胡湯は肝機能障害に用いられ、B型肝炎やC型肝炎などの治療薬として医療現場では重宝されている。また、応用範囲が広く、神経性の胃炎や過敏性腸症候群にも使われる。特に腹痛によって登校拒否を訴える子供や、出社の途中で下痢をしてしまうサラリーマンなどには良いだろう。
     余談だが、神経性胃炎が進んだ場合には、もちろん胃炎により特化した漢方薬を用いる。その時には、胃が熱を持っているか、胃が冷えているかの見極めが大事である。胃炎だからといって、胃が熱を持っているとは限らないのだ。
     胃が熱を持っている時には『黄連解毒湯(おうれんげどくとう)』を用いる。
     冷たい水を飲むと症状が軽くなり、温かいお茶を飲むと気分が悪くなるというのが見分け方になる。
     逆に胃が冷えている時には『安中散(あんちゅうさん)』を用いる。冷たい水を飲むと胃が重くなり、温かいお茶を飲むと落ち着く時が適応する。
     一般的に漢方胃腸薬といった場合には、この安中散である事が多いのだが、パッケージで内容を確認して服用しないと、症状に合わないというケースもあるので気をつけてもらいたい。
     柴胡桂枝湯小柴胡湯『桂枝湯(けいしとう)』を合わせた物で、胸脇部の張った痛みが強い場合に対応する。メールマガジンでは風邪の後期に用いる漢方薬として紹介しているが、より実際的には風邪の進行具合が不明な場合など、いつでも用いる事ができるので、覚えておくと便利だろう。
     加味逍遥散は特に女性に用いられるのだが、これは血を補う作用があるからで、生理になるとイライラする場合に特に効果がある。
     柴胡加竜骨牡蠣湯は、高血圧の症状があって不眠などを伴う場合に用いる事が多い。
    ※『胸部気滞(きょうぶきたい)』
     症状としては、胸が苦しい・胸が痞える・呼吸が早く荒い・胸痛・咳などがある。
     この場合の治法では、“理気散寒(りきさんかん)”・“理気活血(りきかっけつ)”・“理気化痰(りきけたん)”という方法を用いる。漢字を見れば、この治法の考え方は分かると思う。
     代表的な漢方薬としては『柴朴湯(さいぼくとう)』なのだが、ウチには置いていない。小柴胡湯『半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)』を合わせた物で、胸部気滞は次の“胃気滞(いきたい)”と一緒に扱えるからだ。
    ※『胃気滞(いきたい)』
     この症状には、上腹部の膨満感や痛み・食欲不振・曖気・吃逆・悪心・嘔吐などの強いものなどが該当する。
     治法は“理気化湿”・“理気化痰”を用いる。
     代表的な漢方薬としては、胸部気滞の方が強い場合には半夏厚朴湯を、胃気滞が強い場合には『かっ香正気散(かっこうしょうきさん)』を用いる事になる。
     胃気滞の場合には、時として気が滞るだけではなくて、気が上部に逆流してくる“胃気上逆(いきじょうぎゃく)”という事が起こる場合がある。これが曖気・吃逆・嘔吐などで、半夏厚朴湯を用いると良い。妊婦の場合には妊娠嘔吐(つわり)に使うことが多い。
     また、胃気上逆までいかなくても咽喉に異物感がある人や、緊張すると胸が苦しくなる場合、例えば大事な試験が控えているとか人前に立たなければならない時に症状を緩和する事ができる。ドラマなどで人前で挨拶するシーンに「ん、んん」とか咳払いするシーンがあるが、あの状態の事である。
     精神的な咳にも使え、特にストレスを感じると症状が出る喘息の場合に重宝する。と言うか、自分が重宝しています(^_^;
     そうそう、緊張を軽減するという事で、ウチのお店では受験期に良く売れる。受験生はお試しあれ。また、講師のお話によれば、子供の緊張感が親にも伝播して、親もイライラ感が高まり、それがまた子供に跳ね返って親子間のコミュニケーションがギクシャクしてしまうという場合には、親子で服用するのも良いとの事。
     『かっ香正気散(かっこうしょうきさん)』は、主に胃腸方の風邪(夏風邪)に用いる事が多いので、胃気滞として使うケースは少ない。ただ、胃腸を助ける生薬が入っているので胃腸虚弱だという自覚がある場合は、使ってみると良いだろう。
     この『かっ香正気散(かっこうしょうきさん)』は純粋に日本で近年になって開発された物で、中医学(中国漢方)至上主義の流派からは忌み嫌われている。近年と言ったって千年以上前の事だし、日本の気候風土に合ってるんだから、いいと思うのだけれど、
    ※『腸気滞(ちょうきたい)』
     症状には、腹部膨満感・腹痛・腹鳴・排ガス・排便困難・裏急後重(りきゅうごじゅう)などが強いなどがある。裏急後重というのは聞きなれない言葉だが、下痢の場合はトイレに行って戻ってきてもまだお腹がしぶったり、便秘の場合には便意はあるのに出ない場合の事をいう。つまり、何度もトイレに行きたくなる状態だと思ってもらって良いだろう。
     実は、この腸気滞には「コレだ!」という漢方薬は無い。あえて挙げるとすれば、便秘薬という事になる。
     漢方薬では、『半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)』が最初の選択といったところか。
     講師も、便秘の状態に合わせて臨機応変にと言っていた。まぁ、便秘になると気滞になるから、イライラしやすくなるのは当然と言えば当然。
     講習会の帰りに秋葉原の『LaOX』に立ち寄った。
     http://www.laox.co.jp/laox/index_tone.jsp
     日記には特に面白い事もないので書いていないのだが、今のところ毎日奥さんのお見舞いには行っている。
     ミカン持ってきて、チョコレート持ってきて、漫画を持ってきてと、まぁ贅沢な暮らしをしている(笑)のだが、ビデオを観たいとまで言い出したのだ。贅沢に磨きがかかって困る(・_・)ノ
     で、病室にはビデオデッキを持ち込んだりする訳にもいかないので、何か代わりの物を捜しにきたのだ。
     ポケットPCにビデオを取り込んでとも思ったが、画面が小さいわりに3万円以上もして、目的からするとコストパフォーマンスが悪い。手帳代わりに使えばいいのだろうが、奥さんの事だから絶対にそんな風には使わない。
     持っているノートパソコンにビデオを取り込んでダウンスキャンコンバーターでテレビに出力する方法もあるが、電源コードが必要で、これまた病室には持ち込めない。
     しかし、捜してはみるものでカノープス社から出ている『SSC120EX』という製品を発見した。
     http://www.laox.co.jp/laox/index_tone.jsp
     USBケーブルを用いて、パソコンから電源を得るというダウンスキャンコンバーターだ。
     ノートパソコンだと電力消費が激しそうだが、それでも映画の一本くらいは観られるだろう。
     新製品なのか値引率は低かったが、1万3千円ならば悪くない。速攻で購入を決めた。
     また、レジの店員がものすごく丁寧で人当たりが良く、ごく自然に気配りの行き届いた人で、たった1つの商品を買うだけなのに心地良くなってしまった。
     帰りに夕飯代わりにマクドナルドに入ったのだけれど、良く考えたら昼食はロッテリアであった。
     1日に2度もファーストフードで食事を済ますというのは、かなり体に悪いのではないかと思うものの、奥さんの料理もほとんど冷凍食品だから変わらんなと酷いことを思う(笑)
     明日は、もう少しまともな食事をしよう。
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    ◆11月19日(水)/2003年◆
     商店街の同じ並びにあった『ニシワキ薬局』が閉店してからというもの、製薬メーカーや健康食品メーカーの営業マンが入れ替わり立ち代わりやって来る。
     『ニシワキ薬局』に置いていた商品を取り扱ってくれという訳である。
     まぁ、それは当たり前だし、商品を勧める資料に「いい事ばかり」が書いてあるのも当然ではあるけれど、リスクも分からないとなんとも扱いにくい。
     とりあえず資料は預かったが、ウチは漢方薬が主力だから、あまり他の商品を扱う予定は無い。お店も小さくて置き場所が無いし(苦笑)。
     病院からの処方箋を持ってくる患者さんで、毎回次の診察日を教えてくれる人がいて助かる。
     必ずしも同じ薬が出るとは限らないが、事前に薬の注文をしておいて備えておく事ができるので。
     これから風邪が流行るという事で、あらかじめ常備しておくためにと柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)桔梗湯(ききょうとう)をお買い上げいただいたお客さん、お話をしてみたら旦那さんは今咳が出ているとの事。
     熱や鼻などの症状は出ていないようなので、麦門冬湯(ばくもんどうとう)で様子をみてもらう事にした。
     ニキビの相談に患者さんが来店。
     ニキビと言って真っ先に思いつく漢方薬は清上防風湯(せいじょうぼうふうとう)ではあるが、適応するのは赤ら顔の、いわゆる熱証タイプの人。
     しかし、今回の患者さんは痩せていて、冷え症もあるという。
     また、ニキビだけではなく、たまに首の後ろなどにオデキができるとの事。
     だとすると、血液の循環が悪くて、ところどころで血が滞っているのかもしれない。
     力の弱いニキビには当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)を用いる場合もあるものの、そこまでは虚弱な体質でもない様子。
     そこで、普通は湿疹や蕁麻疹に用いる事が多い十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)を試してもらう事にした。名前の通り、十種類の生薬で体内の毒素を敗(やぶ)るための漢方薬である。
     また、もしニキビが化膿した場合には、排膿散及湯(はいのうさんきゅうとう)を使うように勧めた。これもまた名前が効能を示していて、膿を排出する事のできる漢方薬である。虫歯などの歯茎の化膿にも使えるので常備しておくと役に立つだろう。
     前回のメールマガジンで書いた、未承認抗がん剤での治療に保険を適用することについて、『中央社会保険医療協議会(厚生労働相の諮問機関)』の『基本問題小委員会』が年内にも正式決定する運びとなった模様。
     (11月17日の日記を参照)
     保険を適用することを正式決定しても、承認されるのはさらにその後なので、実際に使えるのはまだ先のこととなるが、保険適用の承認を迅速化するために、審査期間を4ケ月~半年程度に短縮するとの事なので、通常だと1~3年かかる事を考えれば期待してもよいかもしれない。
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    ◆11月20日(木)/2003年◆
     今日は朝から雨。
     気温はそれほど低くはないが、やはり雨が冷たくて寒く感じる。
     ホカロンを欲しいというお客さん、少しお話をしたら旦那さんが寒気がするというのでホカロンを買いに来たとか。
     風邪薬は飲んでいるのかも尋ねたところ、眠くなると仕事に差し支えるので飲んでいないとの事。
     それならば、漢方薬で眠くならない風邪薬がありますよと麻黄湯(まおうとう)を勧めた。
     それと、すでに寒気がしているという事は熱が出てくる可能性がある。仕事を休めそうもないのであれば、地竜(ぢりゅう)を合わせて飲むように勧めた。
     病院からの患者さんに出す薬で500錠仕入れてしまった物があり、その患者さんが1回限りで来なかったためどうしようかと思っていたところ、同じ薬を処方された患者さんが来た。
     なにしろ1錠で200円くらいする薬なので、在庫を抱えると痛い。それが今回は360錠が一気に掃ける。ヤレ助かった。
     風邪をひいたという患者さんが来店。
    「パブロンを下さい」と言われて、つい「効きますか?」と訊いてしまった。
     売る方が「効きますか?」って尋ねてどーする(笑)
     ウチでは、余り効かない事になっているので(・_・)ノ
     そこへ、いつも漢方薬を使っていただいている患者さんが来店。大きな声で「柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)麦門冬湯(ばくもんどうとう)をくれ!」と注文された。
     そして、「あれだよな。風邪が進んじゃったら、柴胡桂枝湯でいいんだったよな? 麦門冬湯は痰のからむ咳でいいんだっけ?」と確認された。
     はい、間違いございませんm(_ _)m
     それを聞いた最初の患者さん、「俺もそうするかなぁ」と乗ってきた。説明の手間が省けちゃった(⌒▽⌒)←省くな。
     買う物が決まっている後からの患者さんのお会計を先にさせてもらい、改めて最初の患者さんの症状を詳しく尋ねた。
     風邪の症状はすでに進んでいるようなので、葛根湯(かっこんとう)では間に合わない。まずは、先ほどの患者さんと同じ柴胡桂枝湯を勧めた。
     その上で、咳は酷くなくて疲れの方が溜まっているようなので、地竜(ぢりゅう)を合わせて服用するように伝えた。
     ハンセン病を理由に『アイレディース宮殿黒川温泉ホテル』が国立ハンセン病療養所『菊池恵楓園』(同県合志町)の入所者らの宿泊を拒否した問題で、同ホテルの前田篤子総支配人らが謝罪のため同園を訪れたとのニュース。
     しかし、入所者自治会は「ホテル経営や自分の地位を守るための謝罪で誠意が感じられない」と謝罪文の受け取りを拒否したとの事。
     また、法務省人権擁護局は、旅館業法(宿泊をさせる義務)違反での捜査当局への刑事告発も検討しているとか。
     私も怒りやすい性格だが、それだけに怒っている人々というのはテレビで見るとその“醜さ”にゾッとさせられる。
     なにより、人には“受け入れられないモノ”があるという事が、差別を解消しようという意識の高まりに反比例するように忘れられているのが私には気になる。
     以前に差別について書いたように、現在の日本の環境であれば差別しない相手を探す事もできるはずで、差別したい人にはさせておけばいいではないかと私などは思ってしまう。
     (10月12日の日記参照)
     人が理性のみで物事を割り切り、論理的に判断するだけであったなら、それは血の通わない機械と同じである。(科学が進歩したら、いずれこの言葉も機械に対する“差別的発言”となるかもしれない。)
     人間には心がある。心があるから、根拠が曖昧でも人を信じ愛す事ができる。それは、正しい知識も無しに差別する心と表裏一体であろう。
     入所者らが不当に扱われ人権侵害をされてきた事には同情するが、まさに、その“心の狭さ”によって誤解され、迫害されてきたはずではなかったのか。
     許す心を持てない人は、受け入れる心を持たない人と同じに私には思える。
     熊本県の方も問題で、ホテル側が宿泊を断った時、社会的に不利になるというような話で再考を促したという報道がある。ようは、脅迫だ。
     正しいデータを示すのでもなく、情に訴えるのでもなく、脅しにかかったのでは説得も何もあったもんじゃない。
     それで、「人権侵害にあたり、旅館業法違反の疑いがある」として法務局に通報するというのは、“正しい知識の普及”に務めていないのではないか?
     ホテル側は当初、宿泊拒否の理由について「ハンセン病をすべての宿泊客が理解しているわけではない。他の客に迷惑が掛かる」と説明していたそうで、残念ながらこれは“正しい”認識なのではないだろうか。
     他の宿泊客から苦情が出た場合、あるいはキャンセルされた場合の事を考慮すれば、宿泊を断るというのは経営判断として間違っているとは思えない。何故なら、まさかハンセン病患者が宿泊する事を理由に他の客がキャンセルをした場合、その損失をハンセン病患者に請求する訳にはいかないではないか。
     『全国ハンセン病療養所入所者協議会』の中央執行委員である平野昭氏は「理解が進んでいると思っていただけに残念。県が事前にホテル側を説得しておくべきだったとも思う」と話している。
     もし県が本当に、ホテルを始めとする事業主にハンセン病患者への差別を無くすための働きかけを積極的に進める気があるのなら、まずは受け入れる事が商売として“美味しい”と認識させるべきだと私は思う。
     先の県がホテルを説得する時にも、損失が出ない事を保証して、受け入れた場合のイメージのアップなどを提示するべきだったのではないか。
     こう言うと、営利優先でケシカランと思うむきもあるかもしれないが、企業の利益によって多くの国民が生活できている事実も忘れてはいけない。
     むしろ、営利を優先しなければならないという資本主義に基づく営利活動の原則を利用して、弱者をいたわる社会作りに活用した方が良いだろう。
     差別する心には根拠は無い。根拠が無いのに、論理的に説得したってすれ違うだけで相互理解はとてつもなく難しい。
     それならば、互いに理解し合う事は難しい事こそを認識し、“折り合える”点を接点として互いに“利益”を得る方が、平和的だと思う。
     繰り返すが、怒っている人々というのは醜いものだ。(自戒を込めて)
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    ◆11月21日(金)/2003年◆
     今日は大快晴。
     日中の気温は25度にまで上がるらしい。
     それでいて、明日は12月の気温になるという予報。まったく、ふざけた気候である。
     サトウ製薬の営業マンが来店。
     風邪をひいて、しばらくお休みしていたらしい。風邪の猛威が始まっているようである。
     何かサトちゃんグッズなどを貰おうと、しばし仕入れの交渉。
     1万円分仕入れると○○が付くなどの条件を提示されたので、○○よりも△△が欲しいというような次第。
     ウチに来るお客さんや患者さんは、時として「あっ、お財布忘れちゃった」とか、「後でまとめて払うから」という事がある。と言うか、多い(^_^;)
     まぁ、それで渡しちゃう方もなんなのだが、特に風邪薬とかを買いに来た人に、またお金を取りに戻って出てきてもらうのでは本末転倒なので。
     かと思うと中には、たまたまお金を多く持っているからという事で、「後で貰いに来るから」とお金だけ先に払っていく人もいる。
     そうすると、ツケだの先払いだの、だんだん分からなくなってくるため、レジにはそのメモがどんどん増えて少々汚らしい(苦笑)。
     政府が21日の閣議で、大災害や大事故が発生した場合の基本的な初動体制を定めた危機管理マニュアル“緊急事態に対する政府の初動対処体制について”を決定したとのニュース。
     地震や噴火などの自然災害や大量殺傷事件が発生した場合を想定しているそうで、基本的な初動体制を統一して、徹底した方が臨機応変に対応できると判断し、従来のマニュアルは廃止したとの事。
     それにしては、「<1>危機管理監が事態に応じて緊急参集チームを集める<2>官邸対策室、関係閣僚協議、安全保障会議、対策本部を設置する<3>官房副長官は官房長官を補佐し、事態に応じて政府の対応に関して総合調整を行う。」というのは、“初動対処体制”と“臨機応変に対応”というのに反しているように思えるのだが。
     アメリカの場合、その現場に公務員がいれば役職上の上司が現場指揮を執る権限を持つように定められている。また、国の軍隊が動けない場合には、自治能力のある集団が武器を持って行動する事を認めている。(州によって違うかもしれないが)
     緊急事態の時に、チームを集めるとか対策室を設置するという発想が悠長だという事になぜ気がつかないんだ(^_^;)
     確かに今回の危機管理マニュアルは、“政府の”対応策として作成したものだろうが、1~3のいずれも当たり前すぎてわざわざ決める必要があったのかという気がしてならない。
     むしろ阪神淡路大震災を教訓にするのであれば、知事に近隣の自衛隊基地に出動を要請ではなく命令できる権限を与えるとか、負傷者の手当てで医療過誤があったとしても罪を問わないとか、本当の初期の初期、政府が本格的な介入を始めるまでの対策を決めてもらいたい。
     森元総理は、えひめ丸が米原潜と衝突して沈没した時、自分が官邸に駆けつけても仕方がないとしてゴルフを続けていために非難されたけれど、現場からすれば政府の初動体制なんて確かに「どーでもいい」事なのだ。
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    今回の日記の内容は、いかがでしたか?
    【感想アンケートのURLはコチラです】
    http://www111.sakura.ne.jp/~kitazono/votecom_kitazono.htm
    ☆締切:2003年12月1日から3日間
    ~~~~~~~~~~~~~~ ≪読者より一言≫ ~~~~~~~~~~~~
    (通巻37号はコチラ)
    ☆共感する事もあった
     抗がん剤の保険適応について。全く、何とかして負担を減らして欲しいものです。モルモットにされた挙句、毎月何万円も負担なんて、踏んだり蹴ったりですからね。
     あと<X’mas>の話、確かに間違いが横行してますねー(笑)。(MIKA)
    ★抗がん剤の保険適応については、ちゃんと動き始めたようです。患者さんの期待を裏切らない運用をしてもらいたいですね。
     クリスマスの表記に関しては、グーグルで検索してみたところ、『X’mas』が約1,540,000件、『Xmas』が約2,890,000件ヒットしました。一瞬、ずいぶんと間違いがあるんだなーと思ったのですが、『X-mas』という表記もあって、それが『X’mas』の類似としてヒットしたようです。でもって、『X’mas』の表記をしているのはほとんど日本語ページばかりでした。ちょっと恥ずかしいかも(^_^;)
    ■■■■■■■■■■■■■■■□免責事項□■■■■■■■■■■■■■■
     記載内容を利用して生じた結果について、当方では責任がとれませんのでご了承ください。
     また、筆者が思った事や感じた事を率直に書いている事柄に関しましては、反証可能な事実誤認以外の訂正には応じられません。
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  • ≪通巻20号≫
    霊アレルギー!?/合わない漢方薬を飲むとこうなる(T-T)/“手入れ”/(私の)皮膚疾患解決!/映画評『ドラゴンヘッド』/「必要な物は必要な時に壊れる」/フリーターを“職業”に

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    ★彡☆-=★彡  それさえもおそらくは平凡な薬局  ★彡☆-=★彡
                    ≪通巻20号≫
    提供 : まぐまぐ http://www.mag2.com/
    発行 : 北園薬局 http://plaza2.mbn.or.jp/~kitazono/
    編集 : 北村俊純
    窓口 : kitazono@a1.mbn.or.jp
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    ~~~~~~~~~~ 今回の日記の主な話題 ~~~~~~~~
    ※9月2日(火)……霊アレルギー!?
    ※9月3日(水)……合わない漢方薬を飲むとこうなる(T-T)
    ※9月4日(木)……“手入れ”
    ※9月5日(金)……(私の)皮膚疾患解決!
    ※9月6日(土)……映画評『ドラゴンヘッド』
    ※9月7日(日)……「必要な物は必要な時に壊れる」
    ※9月8日(月)……フリーターを“職業”に
    ******************* 先週の平凡な日記 *********************
    ◆9月2日(火)/2003年◆
     近所のヒグラシがうるさくて閉口。
     昔読んだ『マカロニほうれん荘』という漫画で、主人公の1人がセミに「うるさいわね! ミンミン鳴くんじゃないわよ!!」と言ったら、セミが「シクシク……、シクシク………」と鳴くというギャグがあったなぁ。
     http://www7.ocn.ne.jp/~sa-kku/makaronimain.htm
     問屋さんの1つが、担当者が代わってから入荷ミス連発。
     注文していない物を持ってきたり、軟膏とクリームを取り違えたり。
     “連発”と書いた通り、注文どおりに入荷した回数を数えた方が早いくらい。
     実は今の担当者は注文してない物を持ってくる事が多いのだが、前任者は注文したのに忘れる事が多かった。2回連続で、ダメ社員が当たるというのは、確率からすれば運がいいのか悪いのか。
     前々任者に戻して~。・゜゜⌒(TOT)⌒゜゜・。
     霊アレルギーの患者さんが来店。
     ……えっと、ウチでは手も足も出ませんσ(^◇^;)。
    「いらっしゃいませ。どうされましたか?」と私が尋ねると、開口一番「霊アレルギーでして───」
     詳しく話を訊くと、貸家をリフォームして住み始めてからというもの、赤ん坊がひどい湿疹になって、旦那さんも疲れやすくなって頭が重く感じ、本人は誰もいないはずなのに「死ね」とか「お帰りなさい」とか聞こえる(「死ね」と「お帰りなさい」では、言う事が違うから複数か?)との事。
     印象としては、シックハウス症候群かなと思ったものの、お話を信じる姿勢を見せて信頼を得てからでないと、どうにも言い出しにくい。
     http://www.ztv.ne.jp/mukaide/seihxou/sickh.htm
     すでに霊能者にお払いをお願いする事を決めているようで、詐欺かとも思ったが、交通費だけでやってくれるという事になっているそうなので、まぁそれで本人が安心するならいいかなと、これについても言い出せぬまま。
     本来なら精神的に休まる薬を勧めたいところだったけど、これもあからさまに疑ってるようで言い出せず、結局は「霊アレルギーの薬は置いていませんので」と謝って、代わりに湿疹などに対するお薬だけ勧めた。
     また来てもらえるか分からないものの、現実に苦しんでいる事柄(病状)があると、どうしていいものやら(^-^;
     ちなみに、子供の頃から4回ほど引っ越しているのだが私は生まれついてのアレルギー体質なため、、私は家財道具を全て運び出した後の家に寝袋で1ヶ月ほど寝泊りして、その間に引越し先で親が毎日家中の窓という窓を開け放して有害成分を散らすという事をしていた。
     それでも、引っ越してから2週間ぐらいは喘息と皮膚炎に苦しむ事になったのだけれど(^-^;
     奥さんが皮膚疾患で病院に行ったので、処方箋で指示された薬を用意しようとして薬歴簿を探したのだが見つからない。
     前回薬を用意した時に、いったいどこにやったのか、棚中を引っ掻き回す。
     そして探しているうちに、ふと気がついた。
     旧姓で探していたのだ。そりゃ見つからんワケだ(^^ゞ
     結婚して、もう3年も経つのに未だに旧姓で呼んでいるのもどうか(苦笑)
     『ドン・キホーテ』で、テレビ電話を使用した薬の販売に厚生省が待ったをかけたとのニュース。
     http://www.donki.com/index.html
     ドン・キホーテの店舗で、薬剤師が勤務していない深夜帯に六本木店に薬剤師を常駐してテレビ電話によって“対面販売”していたのだが、それが「電話での販売は認められない」という主旨で販売中止を勧告したらしい。
     5月13日の日記で、「コンビニでOTC薬の販売は是か否か」という問題を取り上げた時に、私もテレビ電話を使ったらどうかと提案したが、正にそれを実施した訳だ。
     そして勧告されたドン・キホーテ側は、「販売がいけないなら」という事で、薬の無料配布をしたらしい。アッパレ(笑)
     さすがに厚生省側も激怒し、坂口厚生労働大臣が「販売しなければいいというものではない」と記者会見でコメントし、薬事法違反でのドン・キホーテの医薬品販売の免許を取り消す事も視野に入れると表明した。
     もちろんドン・キホーテが薬の無料配布は褒められた事ではないが、ちゃんと薬剤師が患者とテレビ電話で“対面”しているのを、テレビの部分を無視して、電話だからという理由で販売中止を勧告するというのは根拠が希薄で、言いがかりをつけてる感は否めない。
     特に坂口氏は医師である。利権が絡んでいるのがミエミエで、なんともミットモナイ。
     だいたい、すでに薬局や薬店のホームページは稼動しているのだから、テレビ電話での“対面販売”を中止させるのは違和感がありすぎる。
     いや、そもそも実店舗での薬の販売だって患者との“対面”はできていないのが現状だ。この日記でも何度か書いているように、家族が病気になって代わりの人が薬を買いに来るというケースはかなり多い。そのようなケースの場合は、むしろ患者“本人”と電話やメールで詳しく病状を尋ねた方が、代理の人と“対面”するよりも、よほど有効である。
     ウチとしては、近所にもドン・キホーテがあるので脅威になるが、それでもテレビ電話で薬剤師に相談した上で深夜に薬を購入できるシステムの活用は支持したい。
     キャンプに行った女子高生のHちゃんからメール。
    「文化祭に来たい?」
     即座に「来るなと言われても行きたいです」と返事。
     プライドは無いのか(笑)?>俺
     ところが返事を送った後で、その日はお店に出る日だった事に気づいた。
     なのでパートさんにお願いして、お休みを交代してもらった。
     そこまでして女子高の文化祭に行きたいのかお前は?>(゚゚)(。。)うん
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    ◆9月3日(水)/2003年◆
     昨日寝てから、全身の痒みが強くなって目が覚めた。
     腕を見ると、蕁麻疹のように赤く腫れあがっている。ズゲッ!!Σ( ̄□ ̄;)
    「なんじゃこりゃーーーーーーーーーー!!(松田優作ふうに)」
     白虎加人参湯(びゃっこかにんじんとう)が合わなかったのか?
     白虎加人参湯の主成分は石膏で、非常に体を冷やす作用があるのだが、どうやらそれに対して体が過剰に熱を出している模様。過ぎたるは及ばざるがごとしという事だろうか。
     それと、含まれている生薬の種類が少ない漢方薬ほど、効果が鋭く出る事がある。体の防御機能が働いて、抵抗しているのかもしれない。
     なんとも情けない限りだが、完全な誤用だったようだ。
     蕁麻疹として現れたという事は、血の循環と水の代謝が悪くなってしまったという事でもある。
     こうなると十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)か温清飲(うんせいいん)が候補だが、今回の痒みには十味敗毒湯は最初に試して効果は無かった。温清飲も血の循環は改善するかもしれないが、どちらかというと精神的な疲労などが原因の場合に用いるから、ちょっと合うとも思えない。
     血の循環を改善する地黄(ジオウ)と、赤く腫れたのを抑える当帰(トウキ)の入った物がいいな……、と漢方薬の一覧表を探してみたら、消風散(しょうふうさん)が目に付いた。
    「長年治らない頑固な皮膚疾患」に使うというように覚えていたので、今までまったく使う事を思いもしなかった。
     しかし、肌が乾燥していない痒みで試していない漢方薬は、あとはこれくらい。石膏(セッコウ)が入っているのが気になるが、白虎加人参湯の五分の一で他の生薬の種類が多いから、相互補完でそれほど強くはないだろう。
     それで試しに飲んでみたら、1時間もしないうちに症状が落ち着いて肌の色が元に戻った。
     難しい事は後で考える事にして、ホッと一息ついたところで寝直した。
     寝直した後は、グッスリ眠る事ができて意気揚々とお店に出た。
     天気も良くて気分は上々。
     全身の痒みも、腕にやや弱い痒みが残っているが、おおむね沈静化している。
     どうやら、消風散が効いている模様。
     地黄と当帰が上手い具合に効果を現しているのか、それとも単に白虎加人参湯の石膏が多すぎたのが災いしただけなのか。もう少し経過を観察してみよう。
     自民党総裁選に亀井静香前政調会長が立候補を正式に表明したというニュース。
     出馬にあたって明言している事がスゴイ。
     “内需拡大”って、今頃「戦後は終わった」みたいな事を言われても……。
     また、「経済的な荒廃が社会の荒廃を生んでいる」として、治安対策強化の必要性を強調しているが、それならバブル期には今と比べて犯罪が特筆するほど少なかったとでも?
     小泉首相が経済政策に関して何もしていない事を失政のように言っているが、むしろ経済活動に政治が直接的には介入しないという事こそが、今後の日本の発展のためには重要な事なのではないだろうか。
     政府からのお金(税金)を当てにしているような企業に発展性があるとも思えないんだけどなぁ。
     天気が良すぎて、今日はお客さんがほとんど来ない。
     私のお母んからして、学校に絆創膏などを配達するのを夕方にしようなどと言う始末。
     そうしたら、夕方になって雷雨になった。
     風も強く、外の商品が危ないのでお店の中に引っ込めた。
     そうこうするうちに停電になった。どこかに雷が落ちたらしい。
     灯りをと思い携帯電話の画面のバックライトを点灯すると、圏外という表示になっていた。
     そうか、停電になると携帯電話の中継アンテナも電力が供給されなくて使用不能になるのか。
     当たり前と言えば当たり前だけど、それはちょっと不安だな。
     停電の方は、1分もしない内に回復。
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    ◆9月4日(木)/2003年◆
     いつの間にか連載のようになっている全身の痒みの方は沈静化。
     消風散が効いているようである。
     ところが、左腕だけに発疹が残り、これだけが痒い。ハテ(・・?
     額にガーゼを絆創膏で貼ってある患者さんが来店。
     脱脂綿が欲しいとの事で差し出したが、それは違うと言う。
     代わって脱脂綿をカットしてある『カットメン』を出したのだが、それもまた違い、もっと小さいのと言われる。
     しかし、ウチで扱っている脱脂綿は一番小さいのでも50gの物くらいだ。
     これ以上小さな物は置いてない。
     そこで、何に使うのかを尋ねてやっと分かった。額の傷のガーゼを貼りかえるのだそうだ。
     つまり、最初から患者さんが求めていたのは脱脂綿ではなくガーゼだったのだ。
     ううむ、額の手当ての跡を見ていながら、患者さんの言い間違いに気づかないとは、なんたる想像力の欠如か。反省。
     肌荒れしているという患者さんが来店。
     お話を訊くと、お風呂で体を洗う時のスポンジが硬くて痛いという。
     それならばと、ウチには置いていないが近所のホームセンターで良いスポンジがあるのでそれを勧めたのだが、そんな物は見たことが無いとの事。
     んん~(?_?)
     まさかと思い、いつもドコの売り場でスポンジを買っているのかを尋ねたら、台所用品売り場で食器洗い用のスポンジを買っている事が判明。
     食器洗い用のスポンジで体を洗ったら、痛くて当然だと思う( ̄▽ ̄|||
     体を洗うためのスポンジはお風呂用品の売り場にあるという事を教えたら、ものすごく感謝されてしまった。
     お役に立ててなによりだが、なんだか釈然としない(苦笑)
     マックスファクターの営業マンが来訪。
     ………って、事前に連絡寄こせよ(^-^;;;
     なんで毎回毎回いきなり来るかね。飛び込みの営業じゃあるまいし。
     それで毎回、ウチのお母んとすれ違い。
     ウチのお母は学校薬剤師をしているから、検査や配達で留守にする事があると何回言えば覚えるのか。学習能力が無いのかね。
     夕方に“手入れ”を受けた。
     保健所による抜き打ち調査である。
     先月分のレセプトを提出するために処方箋のチェックをして忙しい時に(^-^;
     もちろん、抜き打ちでなければ意味は無いのだが。
     特段の違反などは無いという事で、ひとまずホッ=3
     ただし、2~3点だけは改善するように指摘された。
    「劇薬物の棚には鍵を付けて下さい」と。……確かに。
     一方で、医薬品と健康食品を別な棚に置くように言われても、ウチのような小さなお店では、ちと困る。どう並べたって隣同士になってしまう。
     それに、医薬品にしろ健康食品にしろちゃんと説明しているし、お客さんの希望のままに売るという事もしていないから、お客さんが間違えて買うという事も、お客さんに誤解させたまま売りつけるという事もしていない。……はず。
     まぁ、努力はしますが、ムニャムニャ。
     ハッ!!Σ( ̄□ ̄;)
     保健所の人とお話していて、薬の注文を問屋さんにするの忘れた………。
     目の疲れのための目薬が欲しいという患者さんが来店。
     ところが勧めた目薬は、どれも嫌だと言う。
     曰く、「テレビで有名な俳優が宣伝しているのは嫌いなの」、「薬は高いのしか買わない事にしているの」だとか。
     はぁ、そうですか(^-^;
     メディアの戦略に乗らないというポリシーは良いと思うけど、そこまで言うのであれば、どうせなら成分や効能で選んでもらいたいなと思ったり。
     特に目薬は、値段と効能に関連はほとんど無い。成分の含有率が違うだけで、ほとんどは同じ内容と言っても差し支えないし。
     で、結局、疲れ目関係の目薬の成分表を見てもらい、どれもたいして違いのない事を確認してもらって、患者さんに選んでいただいた。
     それにしても、値段の高い目薬って、普段はどんなのを買っているんだろうか。そっちの方が気になる。
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    ◆9月5日(金)/2003年◆
     旦那さんに栄養ドリンクを頼まれたというお客さんが来店。
     安いのと高いのと、どちらが良いかと尋ねられた。
     一概には言えないが、高い栄養ドリンクの方には漢方薬に含まれるような生薬が入っており、安い方にはビタミンやタウリンなどの栄養素が入っている。
     使い分けとしては、疲れててもまだ頑張らなきゃいけないという時には高い物を、あと一頑張りすれば休めるという時には安い物で良いだろう。
     ところが詳しく話を訊いてみると、熱が出て咽喉が痛いと言っているとか。
     それって、風邪なんじゃ……。しかし、本人は風邪じゃないと言い張っているとか。ううん、どうゆう事なのだろう。
     熱があってそれを下げたいのならば薬を飲んだ方が良いと勧めたのだが、薬は本人が嫌いだとの事。それならば漢方薬はどうでしょうかと勧めたが、漢方薬は効くのに時間がかかるから嫌(そんな事実は無い)だと言う。
     まぁ、確かに頼まれて買いに来たのだから違う物を買っていく訳にもいかないか。
     それにしても、効くかどうか分からない栄養ドリンクは飲んでも、より効果が期待できる薬の方は嫌いというのは私には良く分からない。その気持ちを理解しなくてはいけないのだろうが………。
     JPSの営業マンが来店。担当者が代わるとの事。
     ウチではJPSの漢方薬は、主に錠剤を取り扱っているのだが、一週間単位で購入できるツムラ製品の方が良く出るので申し訳ない。
     しかしJPSは元々、薬局販売のための漢方薬を開発してきただけあって、営業マンも漢方薬の知識が豊富。
     このところ私が苦しんでいる皮膚の痒みに関して、色々とサジェスチョンを受けた。
     やはり、胃腸虚弱な私が白虎加人参湯(びゃっこかにんじんとう)を服用したのは乱暴だったようだ。
     ついでに詳しく聞いたところによると、石膏(セッコウ)が“体を冷やす”というのは、内臓ではなく体表部、皮膚の内側なのだそうだ。となると、先日試してみた時に発疹が酷くなったのは、やはり体が抵抗をしたという事か。
     確かに胃炎の時などに使う黄連解毒湯(おうれんげどくとう)などに含まれる黄連(オウレン)は、同じ“体を冷やす”のでも内臓に作用する。
     という訳で皮膚の痒みの方は消風散(しょうふうさん)で順調に回復してきている。やはり、自分の体質に合わない漢方薬は飲まない方が良いというのを身をもって体験したのは勉強になった。(それを日記に書いて、メールマガジンで逐一公開したのは信用を失ったかもしれないが(^-^;)
     他には、健康維持食品の『蠣源(れいげん)』が、皮膚疾患に効果があるという話をされた。
     ウチでは、“買い物カゴ”の“健康食品(錠形)”の欄に掲載している。 
     今ひとつ売れ行きが芳しくないのだが、どうもテレビなどで「味覚障害の改善には亜鉛が良い。亜鉛は牡蠣に含まれている」と宣伝されてしまったのが裏目に出たようだ。
     味覚障害など、気にならない人は気にしないのだから、取りたてて実害を感じないため、特に必要だと認知されていない模様。
     そこで、メーカーとしては「皮膚の栄養になる」という方向性を打ち出して販売を拡げたいとの事。
     私は『蠣源』を飲んだ事は無いのだが、営業マンが「噛んで食べるととお酒のオツマミにもなりますよ」と冗談を言うので、試しに一瓶を開封して(売れ残っているので)食べてみた。
     すっぱ~(>_<)
     確かにスルメのような味がするが、これは酸っぱすぎ。やっぱり直に食べるもんじゃないぞ(笑)
     とりあえず開けてしまったので、しばらく飲んでみよう。
     効果が実感できれば、売り込みをかけてみるという事で(⌒▽⌒) 
     病院からの薬をお渡しした患者さんから電話。
    「薬が1つ入っていないんですが………」
     すわっ! 渡し忘れか!?
     いやいや、確かに渡す時にその薬は「冷蔵庫に入れておいて下さい」と説明までした記憶がある。
    「あのぅ、冷蔵庫に入っていないでしょうか?」と尋ねてみた。
     すると、やはり冷蔵庫に入っていたとの事。冷蔵庫に入れたのを忘れてしまったらしい。
     ああ、良かった=3
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    ◆9月6日(土)/2003年◆
     今月は、病院からの患者さんの出足が鈍い。
     先月、お盆がはさまり長期間分の薬を処方された患者さんが多かったというのもあるとは思うが、やや不安。
     なにしろ、医療センターの前に新規の薬局が開店して、浴衣を着た女性スタッフたちがチラシを配るなんて事までしたそうである。見たかったな。(←おい)
     それでもやはり土曜日は、小児患者が何件か。
     うち一件は、取り扱った事の無い薬だったので、他の薬局に問い合わせて薬があるというので取りに行った。
     そのお店の話では、備蓄センターに指定されている薬局ではないのだが、近隣の薬局の中で多種類の薬を揃えているので、頻繁に薬を求められるらしい。
     で、中には図々しいのか、そもそも思い至らないのか、手ぶらで取りに来るのだとか。この手ぶらというのは、別に代金の上乗せをという事ではなく、薬を入れる袋を持たずにという事である。
     薬局間での薬の取引は薬価(いわば原価)でやり取りするから、薬を渡せば渡すだけ袋代が負担になってしまう。それを気にしないなんて、困ったモンだ。
     先々週に行ったキャンプに関連して、浦和市などの他の地域の人たちと『キャンプ経験交流会』が明日行われるという事で、急遽頼まれたキャンプの時の写真をプリンターで印刷して事務所に届けた。
     すると、会場にはビデオがあるという事で、ビデオも上映できないかと相談された。今日の明日でかい( ̄▽ ̄|||
     今から帰って編集すれば間に合わない事もないけれど、ついさっき今日のお店が跳ねたら映画を観に行くと奥さんと約束したばかり。
     明日は、SEのコンベンションで奥さんをかまってあげられないし、その後はデートや文化祭見学など1人で遊びに行く予定を入れてるので、今のうちにご機嫌をとっておかなければならない。(「ならない」ってのもなんだが。)
     うーむと唸ってはみたものの、結局は引き受けてしまった。
     後でどーなっても知らんぞ。>俺
     お店をあがってから奥さんと新宿へ。
     リクエストは、『ドラゴンヘッド』であった。
     http://www.dragonhead-movie.jp/

     私は原作付きの作品でも、映画とは別物と思っているので、あえて比較はしない。だから、原作と同じシーンでも、それを使った事に対しての良し悪しで感想を書く。
     以下、しょっぱなからネタバレを書くので、これから観ようという人は、翌日の日記まで飛ばして下さい。
     ───ネタバレ警報発令!ネタバレ警報発令!ネタバレ警報発令!
     20世紀末には、最後の最後に希望の片鱗が残っているかいないかに関わらず、破滅的なラストを迎える作品が多かったものの、新世紀に入ってから激減した。
     一部に期待感のあった、ノストラダムスの大予言に記されていた(とされる)人類滅亡が起こらず、現実感が薄れたというのもあるのだろう。
     しかし、米国での同時多発テロやイラク戦争などで、なおも人類の危機が続いている事を意識したのか、最近また人類滅亡のシナリオを用いた作品が増えたように思う。
     そういう意味で、最後まで救いの手が差し伸べられないまま終わるこの『ドラゴンヘッド』の原作が世紀末に世に出て多くのファンから支持を得たのは当然だし、新世紀になって映画化の企画が通ったというのは、決して「遅すぎた」という事は無いだろう。
     物語は、修学旅行帰りの高校生の主人公、青木テルを乗せた新幹線が、トンネルの中で脱線転覆した後のシーンから始まる。
     クラスメートは全員即死しており、他に生存者はいないかと探すと、瀬戸アコと高橋ノブオと出会う。
     しかし、新幹線の乗客乗員で生き残っているのは、この3人だけ。しかも、イジメラレっ子であったノブオは、イジメっ子やそれを助けてくれなかった教師が死んだ事からの開放感か恐怖からの絶望感からか、狂ってしまう。
     テルとアコは、恐怖から逃れるためトンネルから脱出するが、外は一面の白い灰に覆われていて、荒廃した大地が眼前に広がるだけだった。
     それでも2人は、絶望感を振り払い東京を目指す。
     その途中で、狂った人々が殺し合い全てを無かった事にしようとする町の人々に襲われたり、この破滅的な状況を楽しんでいる節さえある自衛官と出遭ったり、恐怖を取り除いてあげようとした両親によって脳を改造されたため一切の感情を持たない双子を廃墟で見つけたりする。
     そして、東京に辿り着くと渋谷駅の地下に生き残った人々がいたが、みな虚ろな表情で語り合うことも無く、ただ“生きている”とうそれだけだった。政府が配布した非常食には、感情を失う成分が含まれていたのだ。この滅亡の恐怖の中で救われるのは、感情を失う事しか術は無いのか……。
     しかしテルとアコは、感情を持ったままで生き残る事を誓うのだった───。
     こうしてストーリーを書き出してみると、テーマは人類の滅亡や未来への希望云々ではなく、極限状態で人は人として生きられるのか、あるいは人が人である事が幸せなのかという、かなり観念的なもののように思える。
     出てくる登場人物も、テルとアコ以外はほとんど現在の常人と自認している人から見れば、キチガイ(放送禁止用語)ばかりだ。だが、はた目から見れば不幸にも思える人たちも、狂っていてその事を認識していないのだから、それで幸せなのもしれないという妄執を抱かせる。
     だから、テルとアコがトンネルを脱出する時に、狂ったはずのノブオが一瞬我に返った表情をして、崩れるトンネルの中に取り残されるシーンは、観ていて可哀相になってしまった。死ぬ時まで狂っていれば楽だったろうにと。
     観ている側にそう感じさせておいて、ラストで「絶対に生き残ってやる」とテルに叫ばせたのは、私には絶望感を強くするだけだと思えたのだが、どうなのか。もしかすると、たとえ絶望と恐怖に包まれても人間として死にたいという“希望”を描いたのではないかと私は思ったのだが、やや深読みのしすぎかもしれない。
     そんな深読みを脇に置いておいても、テルとアコの描き方には好感が持てた。
     状況の急激な変化の中で、いきなり逞しくなったり大人っぽく成長する事が無く、時に弱気になり時に優しくなりと感情のブレが描かれていて、映画館の座席で観ているという現実の中の観客から離れすぎないのが良い。
     また、テルもアコも銃を手にするシーンがあるのだが、いずれも自分の意思によって引き金を引くことは無い。あそこで撃っていたら、それこそこの作品は別な世界へと行ってしまっただろう。それを踏みとどまった点でも、この映画は高く評価したい。
     ただ、映像に関しては少し不満が残る。
     荒廃した大地、廃墟となった街の“汚さ”が映像的にキレイすぎるのではないか。
     ウズベキスタンでのロケは、確かに日本では撮れない映像だったと思うが、映像に漂う“空気”が澄み過ぎていて、現実の世界の閉塞感からすると、廃墟となった街並みの方が開放感があって、かつてのノストラダムスの終末予言に対する絶望への“希求”を抱いてしまう。
     死体があちこちに転がっているのに、まったく陰惨な感じがしないのだ。
     それも監督の狙いなのかとさえ邪推するのは、もはや私の妄想だとは思うのだが、やはり荒廃した映像には“汚さ”に通じる“雑さ”が欲しい。美術スタッフや撮影班の頑張り過ぎか。
     とにもかくにも、この映画は「絶対にお薦め」とは言えない。観た後の疲労感もまた映画の醍醐味と思える人なら、悪くはないだろう。
     実は観終わった直後は、観た事をちょっと後悔したのだが、こうして思い出しながら感想を書き連ねていたら、そんなに悪くはなかったなと変わってきた次第。ウチの奥さんは、『最終兵器彼女』の方が良かったと言っていたが。
     http://www.saikano.net/

     ところで、松田聖子の娘のSAYAKAって、古臭い顔のつくりをしてるんだねぇと再確認。
     70年代~80年代のアイドルの顔で、果たしてやっていけるのか思ったが、最近のピンクレデイーの復活などからするといらぬ心配か。
     ぜひ、衣装も70年代の物でコンサートなんかをしてもらいたい。誰か企画しないかな。
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    ◆9月7日(日)/2003年◆
     結局、昨日家に帰ってからキャンプのビデオの編集をしたのだが、徹夜作業になってしまった。
     しかし今日はSEのコンベンションでスタッフも努めなければならない。
     http://www.snake-eyes.gr.jp/
     ノートパソコンで作業をしたので、ファイルをデスクトップに移し、動画をビデオにダビングして、キャンプの実行委員に手渡せば、とりあえずキャンプに関する私の役目は終わる。そうすれば、SEの方に安心して専念できる。
     ところが、ファイルの転送に思いのほか時間がかかった。やはり、いつまでもUSB1.0の環境というのは現実的ではないようだ。それでも転送が終わり、後はビデオにダビングするだけと思ったら動画が正しく再生されない。「コーデックが見つかりません」とエラーメッセージが出た。
     編集作業に『VideoStudio7』を使用したのだが、MPEG2に変換した時に独自のコーデックを使っていてプレイヤーで再生できなかったらしい。MPEG2って、共通仕様のはずじゃなかったのか?
     慌ててデスクトップパソコンにコーデックを組み込んだが、今度はテレビに映像が出力されない。ビデオカードのドライバをチェックすると、勝手に更新されていた。どうやら『Windows
    Update』の弊害らしい。
     ビデオカードのドライバーを入れようと思ったが、そこで時間切れ。もう家を出なければSEのコンベンションに間に合わない。私の役目は、駅まで参加者を迎えに行くことだから遅刻はできないし、なにより今回はスタッフがの出席率が半分以下で人手が足りないのだ。
     もっとも、SEのスタッフ間では欠席については暗黙の了解がある。
    「デートは優先しろ」
     SEはあくまで趣味のサークルだ。そして、デートは1回逃せば、それで人生が決まる事もある。だから、デートで欠席するのはOKという事になっているのだ。
     そんな訳で、今日はそれが重なってしまっている。
     とりあえず、ノートパソコンだけ抱えてコンベンションを開催する会場の最寄り駅、JR八王子駅に向かった。
     家を出る時に現場責任者の武井くんに「出発しました」とメールを打ったつもりが、間違えてウチの奥さんに宛てて送ってしまった。徹夜で判断力が相当に鈍っている。
     八王子駅に到着すると、参加者で待っているのは1名のみ。それも、常連者であった。
     グハァッ!! 俺必要無いじゃん!!!
     という訳にもいかないので、参加者を会場まで案内。
     今回は参加者が半分程度だった。時期的なせいか、それとも最近はマナーの悪い参加者を追い出す方向で活動しているので、それを嫌って参加者が減ったのだろうか。
     まぁ、参加者が少ないと進行もスムーズで、事務作業も楽だから良いのだけれど。
     参加者のテーブル分けが終わったところで、武井くんに謝って途中退席。キャンプのビデオをなんとかして、交流会の行われている会場に届けなければならない。
     電車の中で動画を再編集しながら、頭の中で彼是(あれこれ)と手順を整理する。
     とにかくビデオドライバをインストールし直して試してみない事には次の手が打てない。
     しかし1つだけ重要な心配事として、そもそも会場にビデオを上映する機器が本当にあるのかという疑念があったので、キャンプの実行委員のKくんに宛てて「会場に到着したら、ビデオの機器が使えるのか確認して連絡を下さい」とメールを打った。
     すると、即座に返信があって「事務局の人に確認したところ使えるそうです」との事。使えなければいいのに(苦笑)
     使えるとなると、やっぱりなんとしても届けない訳にはいかない。しかし徹夜明けで判断力が落ちているので、逆に落ち着くように自分に言い聞かせる。
     特に駅と家の間のスクーターでの行き来で事故を起さないように。
     家に着いてから、再編集したファイルをデスクトップに転送してから、ビデオドライバをインストールし直した。ビデオファイルを再生してみると、ちゃんとテレビにも出力されている。
     これでやっとビデオにダビングできると思ったら、今度はビデオの方の調子が悪い。うがぁ!!Σ( ̄□ ̄;)
     急いで他のビデオデッキに配線し直して(捨てないでおいたら6台も溜まってしまった)ダビングした。古いデッキを捨てないでおいて良かった良かった。
     時計を見ると、すでに交流会が始まっている時間。慌てて飛び出し、しかし事故には注意して、さいたま市の会場までビデオを届けた。
     で、ビデオを届けたところでお役御免とばかりにSEの方に戻ろうとしたら、会場のビデオが故障している事が判明。ガーン!! 私の苦労はいったい……。
     だーかーらー、「会場に到着してから、使えるのかを確認して」とメールを打ったのにィ。「使える」というのは「使える」という意味であって、「ある」だけじゃダメなのよ、Kくん。まぁ、即座に返信があった事で安心して、念を押さなかった私にも落ち度はあるが。やはり、徹夜によって判断力が低下しているのが災いした。
     しかし、会場にいらっしゃっていたキャンプの統括責任者でもある運営委員長のF氏がビデオデッキを車に積んでいるとの事。貸して下さると言うので、会場に運び込んだ。何故、ビデオデッキが普通に車に積んでいたのかは謎だが。
     なんとかキャンプのビデオも上映できて肩の荷が降り、ホッと一息。
     さて、本気でそろそろSEの会場に戻ろうと思ったら、せっかく川口市とさいたま市の子供たちがキャンプという共通の事で交流ができた事だし、川口市のキャンプでやったゲーム『クマ狩り』をみんなでやろうという話になった。
     だが、どうにも子供たちのまとまりが悪い。お互いに自分たちの連れてきた子供たちの面倒を見るのが精一杯で、全体でまとめる役の人がいないのだ。
     余計なおせっかいとは思ったが、なんかここで「失礼します」と去るにも去れず、まとめ役を買って出てしまった。自分に呆れ。
     『クマ狩り』については、8月20日(金)の日記を参照。
     近くの公園で、『クマ狩り』を始めると、周りの人たちが不思議そうに見ていた。
     まぁ、30人くらいの子供たちが突然現れて、ワーワーキャーキャーと走り回ったらビックリするわなぁ(苦笑)
     一応迷惑にならないように、人がほとんどいない一画をフィールドにしたのだが、良く考えたら子供たちが遊んでいない公園というのも異様かも。
     一時間ばかり『クマ狩り』をして会場に戻ったところで、さすがに辞去。
     その時に実行委員会の三役の1人であるTくんに、参加者への配布方法などキャンプの写真と動画の今後の取扱について決まったら連絡を早めにおくれと話した。今回のように、今日明日で編集してくれと頼まれても困るので(^-^;
     ところが、自分は事後の担当に関わっていないからと、なんとも頼りない返事。
     もう1人の三役であるFくんにも、同じように伝えたところ、やはり自分は担当者ではないからと、今回の依頼が突然だった事も関わりが無いという態度。
     おいおいおい、企業ならともかく実行委員会形式でその中心であり頂点でもある三役が担当者まかせで良いのか?
     実行委員会の会議の時には、あれだけ厳しく実行委員に厳格な運営姿勢を求めていたくせに、とりあえず本番が終わったら後は大人任せかね。
     子供キャンプの主旨は、子供自身による子供の自治にあるのだから、最後まで責任を持って運営して欲しいぞ。
     君達は、何十人もの子供たちの命を預かって何十万円ものお金を動かしてキャンプを実行したのだ。それは将来、何かをする時に経験として生きてくるはずだと思っているからこそ、大人は最低限の社会的責任を負って裏方に回っているのだ。
     大人が勝手に抱いている期待に応える必要は全然無いが、最後まで自分たちでやり通す気概は見せてくれないと、協力者を失う事になるぞ。
     という所まで話す時間的な余裕は無かったので、とりあえず胸に仕舞ってSEの会場の方に急いだ。
     SEの会場には、閉会式ギリギリに到着。急いで開催中の様子を撮影した。
     私の留守中には、特にトラブルはなかったとの事でホッとする。
     1人だけ、注意事項を守らなかった参加者がいるので、イエローカードを出すかレッドカードを突きつけるか意見交換。
     違反行為自体は前回と合わせて2回連続なので武井くんはレッドカードをと言ったが、私は前回の時に注意勧告していないのなら今回はイエローカードで良いだろうと主張し、とりあえず今回のところは本人を呼び出して注意勧告のイエローカードという事になった。
     会場を撤収して、居酒屋へ移動。
     今回は誰も車で来ていないので、みんなでビールで乾杯。
     お酒に強い訳ではないが、誰も泥酔する事もなかったため、今後の活動についてを話し合った。
     その中のアイデアの1つとして、試しに1回だけ参加費無料でコンベンションを開催したらどうだろうかと。ただし、参加基準はスタッフが恣意的に決めるという事で。
     私は一瞬反対しようかなと思ったが、“勘違い客”を一掃するためには面白いかもしれないと思い直した。
     ゲームのイベントであるコンベンションは、企業主催のものとサークル主催のものとがある。企業主催ならば営利活動なのだから客は「お客様は神様です」
    という事になるが、サークル主催の場合にはホームパーティーみたいなもので、客は「招待した人だけ」と同じで誰でも良いという事はない。
     ところが近年、サークル主催のコンベンション参加者の中に明らかに「俺はお客様だぞ」という人が増えてきていて、運営に支障をきたしている。
     そして困った事に、私をはじめとしたスタッフのほとんどが普段は客商売をしているため、つい企業的な客として扱ってしまい、さらにつけ上がらせるという悪循環を招いているのだ。
     ここらでハッキリと、“呼びたくない客”の選別を表明しておくべきかもしれないという訳だ。
     ちなみに、“呼びたくない客”というのは“招かれざる客”と言うのではないのかと思う人もいるかもしれないが、それは間違い。
     “招かれざる客”というのは、「呼んでもいないのに“素晴らしい客”が来た」という時に使うのが正しい。
     という訳で、毎月開催しているコンベンションのどの時期にそれを行うかを検討する事に。
     他には、最近の若者は(って自分たちは30代前半だが)自分のレールを自分で敷く事をしなくてケシカランという話など。
     なので私たちは自分たちで敷いたレールは、後に続こうとする者たちの将来のためにも撤去しましょうとイジワルク笑い合う。
     その後は、とりとめのない雑談に。
     先月、広島の平和記念公園で折鶴に放火した馬鹿な大学生がいたが、その後に今度は折鶴を何万羽も届けた馬鹿な大学生がいた事の後日談。
     新聞などでは、放火事件を知った大学生たちがインターネットの掲示板で折鶴を届けようと呼びかけて、数万羽の折鶴が広島市役所に寄贈されたという事で美談のように取り上げられていたが、実際のところは保管に困ったそうな。
     そりゃそうだ。善意で届けられた物だから捨てるにも捨てられず(捨てた事がバレたらマスコミに糾弾されるのは目に見えている)、市役所では途方に暮れているらしい。
     どうせ折鶴を送るなら、日本では古くから供養という意味合いで焼いたりする風習があるのだから、一言「焼いて下さい」とでも書き添えておけば気が利いてるのに。
     相手の迷惑を考えない善意ほど迷惑なモノはない。
     それから、『喫煙喫茶』を誰かやらないだろうかとか。
     日記では私は、禁煙場所での喫煙に怒って注意したり、飲食店で禁煙席を頼んだのに隣が喫煙席では意味が無いと店員に文句を言ったりしているので、嫌煙家だと思われている向きもあるようだが、私は煙草は大好きである。
     大好きであるがゆえに、毎日のように吸っていては楽しみが薄れてしまうので、仕事が終わってからとか、ゆっくり読書をする時とか、自分で制限している。(そんな吸い方なので、大抵は一箱吸い尽くす前にシケってしまうが。)
     前々から疑問に思っているのだが、“煙草好き”と言う人は本当に煙草が好きなのだろうか。“コーヒー好き”な人ならば、自分の好きな銘柄を別格に置いて、新しい物や珍しい物は試してみたくなるものだし、その日の気分によって違う銘柄を楽しんだりする。しかし、“煙草好き”と言う人は、ほとんど同じ銘柄を吸い続けて、あまり他の物を楽しむというのを見かけない。
     他人の楽しみ方をとやかく言うのは野暮ってもんだろうけれど、漫然と吸い続けているのでは健康を害しながら高い税金を払っている訳で、ずいぶんと太っ腹な生き方だなぁと思ってしまう。
     で、この酒の席(反省会じゃなかったのか)で出たアイデアが『喫煙喫茶』というわけ。
     JTBがやっている喫煙車のような味気の無いものではなく、「煙草を吸う」という行為を完全な娯楽として楽しむためのお店である。
     例えばお店の造りは、木製のロッジ風にしてヨーロッパ的なオシャレな雰囲気を演出し、煙草は2本ずつ購入できるようにする。そうすれば、違う銘柄も気軽に楽しめる。
     そして、煙草というのは刺激物でもあるのだから、煙草に合わせた飲み物や食べ物という物もあるはず。お酒のオツマミのように、それらを提供するのである。
     現在は煙草が気軽に手に入れられるものだから未成年者も簡単に楽しんでしまうわけだが、煙草をもっと“大人の嗜好品”にしてしまえば、子供が吸っている姿が滑稽に見えるのではなかろうか。
     しかし、残念ながら今日のメンバーは、煙草をまったく吸わないか、たまにしか吸わないので、お店を始めるまでの情熱はナシ。誰かアイデアに乗ってくれる人がいたら、ぜひ協力はするのだけれど。
     それにしても、今日は1日クタビレタ日だった。
     先日、『ピザハット』のキャンペーンで、代金を支払う時にクジを引くというのがあって、全額無料の大当たりで運を全部使ってしまったのではないかと思ってしまった。なんとも、安い運である。
     そして、今日の教訓。
    「必要な物は必要な時に壊れる。」
     マーフィーの法則も懐かしいな(苦笑)
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    ◆9月8日(月)/2003年◆
     昨日の疲れが残っていて、やや頭が重い。
     栄養補給に、補中益気湯(ほちゅうえっきとう)を飲んだ。
     今日の体調不良は自業自得。
     それを狙いすましたかのように、備蓄の無い薬が処方箋で次々と出され、備蓄センターまで何度も往復。
     やっぱり、先週ピザ代が無料になった事で運を使い果たしたか?
     血尿が出て膀胱炎になったという患者さんが来店。
     病院で診察を受けて抗生物質をもらったものの、服用すると余計に具合が悪くなるので、漢方薬を欲しいとの事。
     誰も彼もにとはいかないが、咽喉の渇きを確かめたところ、あると言うのでファーストチョイスに猪苓湯(ちょれいとう)を勧めた。
     ところが葛根湯(かっこんとう)も欲しいと言うのでさらに詳しく話を訊くと、風邪気味で昨日麻黄湯(まおうとう)を飲んだら気持ち悪くなって吐いてしまったらしい。それはそうだろう、膀胱炎を起していて体力が低下している時に麻黄湯を飲んだのでは、体の方がビックリして拒絶してしまう。
     その上、体力が落ちているからとポカリスエットを飲んだと言う。
     確かに風邪を引いた時にポカリスエットを飲むのを勧める人もいるが、あれは運動をしたり同じ風邪を引くにしても「体力があって高熱を出し汗をかいた場合」である。つまり、体力がある時に「維持するために」飲むのであれば良いが、すでに体力が落ちている時に飲んでは、体の方で含まれている成分を処理できなくて、ますます体力を落としてしまう。
     さらに、膀胱炎にはお茶類が良いだろうと思って烏龍茶も飲んだとか。同じお茶類でも烏龍茶は“冷やし薬”である。温めて飲んでも、体を冷やす働きがあるのだ。膀胱炎の時に体を冷やすお茶を飲んだのでは、悪化するだけである。
     ううむ、何とかしようという気持ちは分かるが、悪い方物を悪い物をと選択しているのには苦笑するしかない。……って、ついこのあいだ自分も同じ事をしていたワケだけどσ(^◇^;)。
     さてそうなると、葛根湯にも麻黄が入っているから、やはり合わないだろう。
     もともと痩せ型の患者さんなので胃腸も弱そうだという事を考慮して、柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)を勧めた。
     今回は膀胱炎が主訴なのと、すでに体力が低下しているようなので柴胡桂枝湯を勧めたが、通常の風邪のプロセスであれば初期(風邪かなという時)は葛根湯→中期(悪寒・発熱など)は麻黄湯→後期(治りかけ)は柴胡桂枝湯というように、次々と変えていった方が総合感冒薬などよりも早く治る。
     夕方に、子ども劇場おやこ劇場埼玉センターのK氏より事務所の引越しが完了したのがパソコンの接続が分からないので助けて欲しいとの救援要請の電話。
     来店のピークが過ぎてから、新しい事務所があるさいたま市に駆けつけた。
     なんと、新しい事務所は郵便局の建物内だった。どんな小ズルイ手でこんな良い物件を入手したんだ(笑)
     とりあえず明日からの業務ができるようにパソコンを2台だけセットアップして、電話回線でインターネットにも接続できるようにした。光回線の申し込みをしていて工事待ちとの事なので、一時しのぎで充分だろう。
     問題は、まだ4台もパソコンがあり、これをLANでつなぐ事。OSが、XPだのMEだの98だのと、Windowsシリーズではあるけれど、てんでバラバラなので、私の手に負えるかどうか。
     残りのパソコンについては、光回線が開通してから手をつける事にした。
     Kさんがお礼に奢ってくれるとの事なので、近くの『バーミヤン』中浦和店に入った。
     このお店はプラザホテルの2階にあるのだが、これがもう「ナンデ営業デキルノカ」不思議なくらいに酷かった。
     テーブルには店員を呼ぶためのベルが置いてあるのに、何度押しても待てど暮らせど来やしない。
     通りかかったところを捕まえて注文。ところが、メニューを指差して、ちゃんと商品名を復唱したのに出てきたのは別な物。かてて加えて、箸も何も持ってこない。どうやって食べろというのか。
     後ろの方で別な客が怒鳴っているのでナニゴトカと思って振り返ってみると、どうやらフリードリンクの所の氷がカラになっていたらしい。店員が誰もチェックしていないのか。
     そして、作り直してもらって食べた料理は……。
    K氏「おいしくないねぇ」
    私「食べ切れませんよね、コレ」
     他のバーミヤンで同じ物を食べた事があるが、まるで別物と言ってもいいくらいのマズさであった。
     バーミヤンの料理は中華料理とは言いがたい。中華風料理と言った方が妥当だろう。それは決して、質が悪いということではない。値段とのバランスを考えれば、充分に美味しい。
     しかしそれも、マニュアルに従って作った時の最低限のラインを守ってこそであって、この時のマズさは明らかにマニュアルを無視したからだ。
     ここまで酷いと、文句をつける気力も失せる。もしかして、そういう作戦か?(なんのだよ)
     バーミヤンで食べ残してしまったので小腹が空いて、帰りに近所のセブンイレブンに立ち寄った。
     ここのセブンイレブン、ご主人が脱サラして始めたようなのだが、これがまぁ「客商売は無理でしょ」というくらい愛想の無い人で、いや愛想が無いだけならまだしも、「お店に出てこない方がいいよ」というくらい無礼な人。
     しかし、奥さんの方は大変に気さくで、またお客さんを大切にする人で、何度かアルバイトを叱っているのを見かけたが、とても的確に指導していた。(それを客の前でやるのはどうかと思うが。)
     そして旦那さんや男性のアルバイトは夜間で、奥さんや女性のアルバイトは昼間という事が多かったので、夜はちょっと立ち寄りたくない(苦笑)
     ところが入ってみると、なんだかいつもと雰囲気が違う。
     何が違うという具体的な事は説明のしようがないのだが、なんだか落ち着く感じなのだ。
     いつもなら、目的の物をパッと選んでサッと帰ろうと思うのだが、落ち着いて選ぶ事ができる。
     コンビニでバイトをした経験から言えば、あれやこれやと商品を選ぶ客は邪魔である。棚の商品を揃えたり、掃除をしたりという作業をしながら、いつレジに客が来てもいいように神経を研ぎ澄ましていなければならないからだ。もちろん、そんな事は客には関係無い事なのだが。しかし同時に、それをちゃんとやる事で、客に“待たせない”というサービスを提供する事ができる。
     かくして、私が商品を選び終えてレジへ向かうと、サッと店員がカウンターに入ってきた。慌てている様子はまったくない。実にスマートな身のこなしだ。
     おそらく、私の動きをそれとなく観察していたのだろう。(ジッと見つめられていては、かえって気分が悪い。)
     そして、テキパキと商品のバーコードをレジで読み取っていくばかりか、お金を受け取ってお釣りを渡すさいの動作も無駄が無い。
     極めつけは、ビニール袋に整然と商品を入れてビニール袋を差し出された時の、自然な満面の笑みだった。
     まっ、負けた!!(なんの勝負だ。)
     完璧である。さっきのバーミヤンの店員が酷すぎたせいで良く見えるのだという事を差し引いても、この店員は只のアルバイトではない。
     こう言って良ければ、アルバイトのプロだ。
     厚生労働省は、フリーターや無職の若者が企業で有給の実習をしながら職業教育訓練を受けられる『教育連結型実践訓練システム』を04年度から導入する方針を決めたそうだが、フリーターと無職を同列に扱い、いずれは定職に就かせようというのは、やや的外れなのではないだろうか。
     現在の『フリーター』の定義は「アルバイトのみで定職に就かない人」というのが一般的な認識のようだが、すでにアルバイトは職種を問わず“即戦力”となっていて、まぎれもなく“現場”を支えている。アルバイトがいなければ、それこそ日本経済は成り立たないだろう。
     とすれば、そろそろアルバイトに特定の地位を与えても良いはずだ。
     企業における正社員とは、会社を継続的に運営するための人材だと仮定すれば、アルバイトは先にも書いたとおり、頻繁に入れ替わりつつも現場で即戦力となって働く人材だと言える。
     それなら例えば、接客業の能力に長けている人には、そのお墨付きを与えるというのはどうだろうか。いわば免許証のような物だ。雇い主や客からの苦情が相次げは減点となり、それが累積すれば失効。一定のスキルを保ち、点数が上積みされていく事で、アルバイトとして雇われる時にも待遇面などで優遇されればなお良いだろう。
     すでに人材派遣業というものはあるが、人材派遣の場合は会社の取り分が30%~50%とかなり多く、実働で働く側の労働対価はかなり低い。
     私も人材派遣業の会社に登録していた事があるが、1日分の手取りが8千円で、派遣先の会社の人にコッソリと支払っている代金を尋ねたら1万4千円だと聞かされて驚いた事がある。「だったら、直接雇って下さいよ」と(笑)
     ちなみに、登録する時に「派遣先と直接交渉しません」という誓約書を書かされた。さもありなん。
     つまり私が言っているのは、個人で“現場”となる仕事先を渡り歩く、アルバイトのプロの社会的地位を確立しようというのだ。これこそ、『フリーアルバイター』、略して『フリーター』という呼び方が相応しいと思う。
     無くてはならない存在のアルバイトの地位を低い所に置いているから、アルバイトをする側にも腰かけ程度にしか思わず手抜き仕事をする輩がいるのだ。
      
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    ◆TRPGのサークル『SNAKE-EYES』に所属しています。
     卓上ゲームが好きな人や、興味のある方は覗いてみて下さい。
     また、『コミュニケーション』のコーナーでWEBラジオ番組『幻想時間』を公開しています。
     私は主に、映画についてトークをしています(・v<)
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  • ≪通巻18号≫
    キャンプ1日目≪食材オークション≫/キャンプ2日目≪鬼ゴッコ≫/キャンプ3日目≪子供と恋愛話≫/キャンプ4日目≪シャボン玉≫/人身売買に見る文化の違い/薬の在庫が無くて右往左往/『大迷惑・心配性家族』

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    ★彡☆-=★彡  それさえもおそらくは平凡な薬局  ★彡☆-=★彡
                    ≪通巻18号≫
    提供 : まぐまぐ http://www.mag2.com/
    発行 : 北園薬局 http://plaza2.mbn.or.jp/~kitazono/
    編集 : 北村俊純
    窓口 : kitazono@a1.mbn.or.jp
    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
    ~~~~~~~~~~ 今回の日記の主な話題 ~~~~~~~~
    ※8月19日(火)……キャンプ1日目≪食材オークション≫ 

    ※8月20日(水)……キャンプ2日目≪鬼ゴッコ≫

     ※8月21日(木)……キャンプ3日目≪子供と恋愛話≫

     ※8月22日(金)……キャンプ4日目≪シャボン玉≫ 

    ※8月23日(土)……人身売買に見る文化の違い

     ※8月24日(日)……薬の在庫が無くて右往左往 

    ※8月25日(月)……『大迷惑・心配性家族』

    ******************* 先週の平凡な日記 *********************

    ◆8月19日(火)/2003年◆
     キャンプ当日の朝、一応は予定通りに起床したのだが、奥さんがお弁当を作るのに手間がかかり、集合時間に少し遅れてしまった。たいしたお弁当じゃないのに(苦笑)
     大型バスでの出発となり、バスガイドさん付きである。私は好みのタイプで可愛いと思ったのだが、スタッフのHくんはイマイチと言う。人を見た目で判断しちゃイカンが(笑)
     そのHくん、本当はバスの中で子供たちを退屈させないためにバスレクとしてゲームなどを考えてきてなくちゃならなかったのに、なんの用意もしておらず、バスガイドさんが用意していたクイズを使った。良かったね、「イマイチ」なんて言っていたのを聞かれなくって( ̄ー ̄)
     今回のキャンプ場は『埼玉県青少年総合野外活動センター』で、敷地内に車が走れる舗装路もあってかなり広かった。そのうえ山の中なので、登り下りに苦労しそうである。
     http://www1.ocn.ne.jp/~yakatu/
     しかし設備は整っていて、テントサイトには電源もあり、トイレには虫もいなくて、さらにシャワー棟まで揃っている。それどころか、屋根付きの雨天ファイヤー場と体育館まであり、もはやキャンプ場なのかなんなのか。
     無い物を工夫して、あれやこれやと試行錯誤するのがキャンプじゃないのか、などと考えてしまう自分に返って苦笑してしまった。
     入村式で職員の方から諸注意事項などをみんなで聞いて、まずは場内を把握するために班毎に歩き回った。
     それから昼食となった訳だが、高校生くらいだと親も用意してくれないのかコンビニ弁当が目立った。まぁ、山の中で食べるザル蕎麦もいいか(笑)
     私の奥さんが作ったお弁当は、どう見ても冷凍食品を詰めただけである。おにぎりは、まとめて1枚のアルミホイルで包むもんだから、3つのオニギリが1つになっていた。分けて包めよ(^-^;
     集会所で昼食を食べていると、曇り気味の天気だったのが小雨になってきたので、午後の企画はその集会所でする事になった。とはいえ、企画自体が室内向けだったので問題ナシ。
     その企画というのは、『オークション・料理コンテスト』である。
     まず班毎に架空の100万円を予算として設定して、料理の材料をオークションで競り落とすのだ。そして、競り落とした材料で料理を作り、その出来をまた競うのだが、作る料理のテーマはクジ引きで決まる。そのクジはオークションの後に引くので、競り落とした材料にそぐわないテーマになってしまう事もある訳だ。それと、肉類などが特定の班に偏ってしまうと困るので、野菜類・加工品類(豆腐など)・肉類と3つのグループに分け、それぞれのグループ毎にオークションにかけるルールになっている。
     そしていざオークションが始まると、これがまぁみんな熱くなる熱くなる(笑)
     実際のお金じゃないからというのもあるだろうが、豆腐には5万円の値がついた。
     一方で竹輪などは、5千円でも買い手がつかなかった。
     で、肉類はというと牛肉が80万円越えで落札された。やっぱり牛肉は人気があるんだなぁ。私は、ハムの方が好きなんだけどな。
     ちなみに、買い手がつかなかった食材は、落札できた食材が少なかった班に無理矢理渡される事になった(笑)
     そして、クジ引きで決まったテーマは丼物で、日本丼や中華丼はともかく、アメリカ丼やイタリア丼、ワールド丼なんてのはどうするのか、子供たちの工夫が見ものである。
     野外炊事場で、先ほどオークションで落札した材料を使って班毎に調理を始めたが、連日の雨のせいか薪が湿っていて、火をつけるのにかなり苦労していた。
     http://www1.ocn.ne.jp/~yakatu/suizibaindex.htm
     困ったのは、私が以前に指導した高校生の1人Kくんが、他の人に薪が湿っている場合の薪の組み方を教えられても、「前に、こう教わった」と聞き入れなかった事。確かに最初に教わった方法に捕らわれてしまうというのも分からないではないが、臨機応変に動けるようになってなってもらいたい。
     今回私は、実行委員会の三役との打ち合わせで、「手出しをしない」事になっていたので、訊かれない限りは率先して助けたり教えたりしないようにしたのだが、ううむ割りと難しいなぁσ(^◇^;)。
     飯盒でお米を研いでいる子供たちも、ガシャガシャとお米をかき混ぜていて、あれでは炊き上がりが心配。「お米を“研ぐ”」というのは、“洗う”のとは違うのだが、学校の家庭科などでは教えていないのだろうか。『無洗米』という物も、勘違いに拍車をかけているのかもしれない。
     女の子が包丁を上手く使えないのを見て大人たちが“安心”するテレビ番組があるが、包丁の使い方はおおむね良好。と思っていたら、指先を切った子がいた。パニックにならなかったのはエライ。むしろ問題は、ティッシュを渡した大人スタッフの方。ティッシュで傷口を押さえたら、ティッシュの繊維が傷口に張り付いたり入り込んでしまう。傷ついた指を心臓よりも高く掲げて、傷口から少し離れた所(心臓側)を強く押さえる方が良い。
     そんなこんなでアクシデントがあったものの、料理の方が次々と出来上がり、実行委員の元に各班の丼料理が届けられる。それを実行委員が試食して点数を付けるのだ。点数になるのは料理の味や見た目だけではない。作っている間の班員同士の協力や、食後の片付けなども加味される。
     私や青年スタッフは甘めな点数を付けていたのに、実際に子供がいるような大人スタッフは点が辛い辛い(笑)
     ちなみに、私的にヒットしたのは日本丼。薄く切った豆腐に、これまた薄く切った輪切りの人参が乗せてあり、日の丸を模したのだと“言い張る”ところがなんともツボにハマった(⌒▽⌒)
     食後の本日最後のイベントは、雨のため予定していた肝試しを変更。
     集会所でファッションショーをする事になった。
     各班にトイレットペーパーと画用紙やビニール紐が渡され、班の中の1人がモデルになって渡された材料で服を作るのだ。
     なんとも資源の無駄遣いな企画である(笑)
     服のテーマはクジ引きで各班ごとに決められ、着物や白衣、学生服などが割り当てられた。
     そして、モデルをする事になった子供の体をトイレットペーパーでグルグルに巻いて、着物の班は袖の部分を画用紙で補強したり、学生服の班は詰襟の部分を作ったりしていた。
     白衣の班は、聴診器まで作っている凝りよう。
     一部の子供は、集会所の灯りに集まってきた虫に興味があるようで、班としてはまとまりに欠けるが、食事をつくるという“仕事”ではないから、まぁ良し。この辺が、ボーイスカウトなどと仲良くできないところなんだよなぁ。
     それぞれ出来上がったところで、審査委員(実行委員)による品評。
     の企画の担当者である女子高生のSちゃんは、白くて長い眉毛とヒゲを付けていた。ノリのいいヤツめ(⌒▽⌒)
     1日の終わりに班毎にミーティングをしてから、実行委員会を招集。
     反省点を含めて、班長から班員たちの様子などを聞いて、明日以降の子供たちへの対応などを打ち合わせ。
     特に今年は、初参加で班長を務める事になった高校生もいるので、フォローをしっかりしなければならいない。その中で、大人スタッフの対応の仕方に青年スタッフから苦言が出た。班員の子供たちの目の前で班長を叱りつけるやり方は好ましくないという指摘。そりゃそうだ、そんな事をしたら子供たちが班長をナメて、ますますまとめにくくなる。なんで、そんな事をするかね。時と場所を選んで叱るのは、組織においては基本なのに。
     小学生の女の子で、Kちゃんの事も議題にのぼった。この子は、なかなかに可愛い子ですぐに仲良くなったのだが、女性スタッフの弁によると「女の武器を心得てる」子なんだそうな。
     なんでも、男性スタッフにはものすごく愛想が良いのだが、同年代の男の子に対しては蹴る殴るで大変だったらしい。そうかぁ、女の武器に騙されていたのか私は(笑) 
     あと10年くらいしたら、騙されてもいいなぁ。(゜゜☆\(--メ)ポカッ
     
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    ◆8月20日(水)/2003年◆
     朝は6時起床という事で携帯電話(圏外)の目覚ましを仕掛けておいたのだが、施設の起床の音楽で起された。うるさい~(>_<)
     雨天ファイヤー場に集合して、みんなで『アルゴリズム体操』をした。
     http://www.officek.jp/skyg/wn/doc/pitagoraswitch.shtml

     “体操”と付いているが、「考え方についての考えが育つことをねらいとしている」そうで、一人一人だと変な動きだが、二人一緒だと意味のある動きになっているのも、それを気付かせるのが目的らしい。
     スタッフ側としては、この時に子供たちの健康状態などを観察する。
     「元気?」と訊けば「元気」と答えるし、「具合悪い?」と訊けば「大丈夫」と答えるものなので、 
     そして“朝の一杯”として、夜間に作っておいた麦茶を子供に配って乾杯。不用意に生水を飲まないようにするためと、便通を良くするためである。
     昨日の夕食は料理コンテストという事で全ての班が炊事をしたが、以降は食事ごとに担当の班を決めて、一つの斑が全員の食事を用意する。こうすると、使用する薪が少なくて済むので予算を抑える事ができる。
     
     午前中の企画は、オリエンテーリングのようなモノ。
     3人一組のチームになり、各チームはコイン(木製)を3個づつ持ち、他のチームとボール(紙製)をぶつけたり、ダウトをしたりして互いにコインを奪い合いながらゴールを目指す。
     ゴールするための条件としては、コインを10個以上持っていること。持っていなくてもゴールして良いが、総合得点は低くなる。
     さらに、他のチームと戦わなくても、ゴールまでの各ポイントにいるスタッフとゲームをして勝てばコインをもらえる。ただし、当然の事ながら負ければコインはもっと減る事になる。
     そして、鬼チームがゲームフィールドを徘徊していて、鬼に捕まるとコインを奪われてしまう。ただしこれも、鬼チームの背中に先にタッチすればコインがもらえる。
     小学生には、ややルールが複雑なようにも思えるが、すでにテレビゲームやカードゲーム世代だから、とっかかりを掴んだところから子供たちもノッていたようだ。
     そして、ノリ過ぎたのが企画した青年スタッフたち(笑)
     各ポイントに配置されたスタッフは魔法使いの仮装をしたり、子供たちを追い回す鬼チームは刃先(もちろん木製)が2メートルはある斬馬刀を用意したり、全身に包帯を巻いて鎖を引きずりながら歩くモンスターに仮装したりしていた。
     で、あまりに本気で追い回したため、一部の子供がスッテンコロリンと転んで怪我をしてしまった。もちっと、手加減しろよ(苦笑)
     芝生の広場で、朝食を作る時に別班が用意したオニギリを昼食として食べた。
     オニギリと言うより、“ご飯のかたまり”なのはご愛嬌(笑)
     午後は、この芝生の広場で、『はさみ鬼』や『クマ狩り』などの、いくつかの鬼ゴッコを楽しんだ。
     『はさみ鬼』は2つのチームに分かれて、相手チームのメンバーを味方のメンバー2人で同時に肩にタッチするというもの。1人がタッチしても、もう1人がタッチするまで捕まえておくというのはダメなので、その間に逃げる事もできる。この鬼ゴッコは、審判がしっかりしていないと大混乱。
     『クマ狩り』の方は、やや複雑で2つのチームに分かれたらチームの中でクマ役を1人決めて、残りをキツネ役とキジ役に振り分ける。
     ゲーム中では、キツネはキジを捕まえて、キジはクマを捕まえて、クマはキツネを捕まえる事ができる。いわば、ジャンケンのように三竦みになっており、各チームに1人しかいないクマが捕まってしまったり、陣地の印を取られたチームの負けとなる。
     だから、クマ以外のキツネとキジをそれぞれ何割にするかは作戦によってチームの中で相談して決める。
     ちなみに、相手チームを捕まえたら自分の陣地まで連れて行くのだが、同じ動物同士の場合はジャンケンのアイコと同じ扱いで、それぞれ手を挙げて自分の陣地に戻って陣地の印にタッチしてから再び参戦する。
     このアイコの使い方としては、例えば自分のチームのキジが相手チームのキツネに追われている時に、自分のチームのキツネが間に入ってわざと相手チームのキツネにタッチすればアイコとなってお互いに自分の陣地に戻らなければならないので、自分のチームのキジは助かる事になる。
     これだけでも充分に楽しいのだか、何回かやって慣れたところで、さらにルールを複雑にするために、ウサギとサルを組み込んだ。
     ウサギは相手チームのどの動物にも捕まってしまうが、同じ動物同士でアイコになった場合は、自分のチームのウサギにタッチする事で、陣地まで戻らないで復帰する事ができる。上手く使えば、相手の陣地にチーム全体をより近づける事ができるというワケ。
     サルは、絶対に捕まる事は無く全ての動物と引き分けになる。つまり、相手チームを捕まえる事はできないが、これも上手く使えば陣地に近づく事ができるだろう。
     これだけ複雑にしても、ちゃんと子供たちは理解して作戦を立てるのだから、やはり子供だからと侮れない。
     ちなみに、今回はチーム分けは色の違うハチマキで示し、動物の区別はハチマキを付ける場所で区別した。クマはチームのボスなので額に、キツネは首に危なくないように結び、キジは腕に、ウサギは腿に、サルは胸になどである。
     それと、おそらく『だるまさんがころんだ』と同じ発想なのだろうが、途中で、相手の陣地に飛び込んで陣地の印を取れなくても、捕まっている仲間にタッチすれば解放されるというルールが追加された。
     こうして、ゲームはより広がりを持っていくようだ。
     午前午後と体力を使う企画が続き、大人の方は、ややグロッキー。
     子供たちは、まだ暴れる体力がある。あの小さな体のどこに、そんなエネルギーが残っているのか。
     なので夕食の後は、体育館で体力を使わずにジェスチャー当てゲーム。
     各班毎にテーマを与えて、それに添ったジェスチャーをしてもらい、他の班がそのテーマを当てる。オーソドックスではあるが、怪我の心配も少なく、子供たちも楽しめるので、スタッフに優しいゲームである(笑)
     それから、一人一人に「カキーン」とか「ぽよ~ん」とかの擬音を書いた紙を渡して、声に出さずにそのジェスチャーをしながら、同じ擬音の書かれた紙を受け取った仲間を探すというゲーム。人数が多い場合は、同じ組み合わせを増やした方が混乱が少なくて良いかもしれない。
     今日は動き回って汗をかいたという事で、シャワー棟を使った。
     キャンプでシャワーが使えるなんて、なんと贅沢な。
     と、ブツクサ文句を言いながら浴びたが、やっぱり気持ちいいな(笑)
     そんなこんなで2日目も無事に終わり、体力を使い果たした今夜は、実行委員会が終わるとすぐにグッスリと眠った。
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    ◆8月21日(木)/2003年◆
     例によって施設の音楽で起床。
     昨日と同じように、『アルゴリズム体操』と朝の一杯。
     今日は朝食の後は、夕食まで班毎の自由行動である。
     各班には、今夜のキャンプファイヤーで披露するスタンツ(演芸のようなもの)を打ち合わせておくように伝えてあるので、ほとんどはその練習かもしれない。
     個人的には、キャンプファイヤーはその場のノリでやる方が良いと思うのだが、スタンツの練習で班のまとまりができるので、一概には悪いとも言えない。
    それでもやっぱり、スタンツの練習で時間を取られて、せっかくの野外で遊ばなかったりする班があるのは、ちょっと残念に思った。
     そして実行委員会は、班が自由行動をしている間に、キャンプファイヤーの打ち合わせ。
     初日に雨だったので、各班に時間がある時に大きなテルテル坊主を作るようにと言ってあったのだが、それをファイヤーにくべて燃やそうという案なども出た。人形供養みたいだな(笑)
     後で、そのテルテル坊主を見て回ったのだが、「晴れますように」というお願いに混じって「○○くんと結ばれますように」などというものもあり、なんだか違う願掛けが目立ったのに笑った(⌒▽⌒)
     願いがかなって今日は晴れたが、恋の願掛けの方はどうかな。
     
     昼食の後に改めて各班の様子を見て行くと、昨日さんざん走り回って、今夜にはキャンプファイヤーがあるのに、まぁ元気なこと元気なこと。オジサンはついてゆけないよ(苦笑)
     ここの施設には、100m滑り台という物もあって、子供たちが何度も滑った。
     100mという事は、下りたらまた登るという事なのに疲れ知らずな(^-^;
     http://www1.ocn.ne.jp/~yakatu/suberi.htm
     夕飯の後は、いよいよキャンプファイヤーである。
     ファイヤー場まで子供たちを誘導して、輪になったところで担当者が班長に松明(たいまつ)を渡し、実行委員長の掛け声で櫓(やぐら)に火を放った。
     実行委員長が臭いセリフを吐いたが、こうゆう時くらいしか機会は無いだろう。キャンプというのは、自然に帰る事ではなく、非日常を楽しむ事なのだ。
     http://www1.ocn.ne.jp/~yakatu/fire.htm
     施設の写真では櫓は3段くらいだが、私達は7段に組んだのでかなり派手になった。こんな大きな火も、火事でもなければ滅多に見れない。(←不謹慎)
     曲を流してダンスをしたり、各班のスタンツを発表したりして、2時間あまりがあっという間に過ぎていく。
     ちなみに大人スタッフの班のスタンツは“結婚式”で、私は“新婦”をやらされた。みんな、忘れてね(笑)
     ラストの方では、スタッフの何人かは気持ちが昂ぶったのか泣き出していた。
     私はどうも、“感動”するという感情が欠落しているのか冷めて見てしまうので、正直“うらやましい”。
     キャンプファイヤーの後、シャワー棟でスッキリしてから実行委員会で明日の打ち合わせ。
     さっきのキャンプファイヤーでせっかく“いい想い出”が出来たのだから、“反省会”などという野暮な事はナシである。(もっとも、一部の大人スタッフでは子供たちの健康状態などは班長に尋ねたりしてチェックしたが。)
     そして施設での消灯時間は22時と定められているのだが、小学生以上で年齢の違う子供たちが集まるなんて機会は滅多にある事ではないので、コッソリと延長(苦笑)
     早く寝る人→0時に寝る人→1時に寝る人→徹夜する人というようにテントを分けて、班を分散した。みんな、話す時はヒソヒソ声でね(^m^)
     私も子供たちに混じってお話をしたが、小学生は中学や高校での生活に興味深々の様子。それに対して高校生たちの方は、「私も昔は別世界だと思っていたんだけどねぇ」とか「勉強が大変になるだけ」というような夢の無い事ばかりを語る(笑)
     それと夜のお話としては、やはり恋愛話に花が咲く。小学生からして、ドロドロの恋愛模様のようである。怖ぇェ~((( ;゚Д゚)))))ガクガクブルブル。
     ある女の子から「イクッて気持ちいいよねぇ」と言われて、ちょっとドッキリしたものの「ああ、そうだよね」と答えたら、その子は小学生だった。高校生くらいかと思ってたのにσ(^◇^;)。
     そうかぁ、気持ちいいのかぁ。避妊はしとけよ~。
     次第に子供たちも先に寝て減ってきたので、私もそろそろ寝ようかなと思ったら、班長を務めている高校生(男子)から「相談があるんですけど」と声を掛けられた。
     体の方は疲れていたので、じゃあ横になりながらと話を訊く事に。
     何かと思ったら、明日でキャンプも最終日なのに結局班員がまとまらなかった事を悩んでいるらしかった。
     ううむ、なんと真面目な。
     他にもスタッフがいる中で私に相談してきたという事は、型通りのアドバイスを求めているのではないだろうと勝手に解釈して、次のような事を言った。
    「他人同士が3泊4日くらいで意図的に仲良くなれる訳が無い。食事を作るとか、目的を持ったところで協力できたのなら、それでいいじゃないか。簡単に成功するような体験をすると、また同じ方法を頼りにしてしまい学ぶ事が少なくなってしまう。失敗したという経験は、次に工夫することになるのだから経験点がアップして良かったじゃないか」
     ハッキリ言って詭弁だが、反省が重荷になるのは好ましくない。
     気が抜けたのか、彼はそのまますぐに寝落ちした模様。
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    ◆8月22日(金)/2003年◆
     施設の音楽で目が覚めたが、今日は夜遅くまで起きていた人もいると見越してスケジュールを1時間遅らせていたので、毛布の中でモゾモゾ。
     そうしたら、今度はお経で起こされた。そういや、昨日からどこぞの宗教団体がキャンプに来ているのであった。あうっ、もう少し寝ていたいのに(/_;)
     『アルゴリズム体操』と朝の一杯をした後に、すぐに朝食。
     食後の食器洗いなどの手間をはぶくため、パンとソーセージとバナナなど。
     団体でのキャンプでは、いかに手を抜くかも大事。
     食事の後は、寝泊りしたスクールテントの掃除。トイレや炊事場の掃除をしなくて良いのだから、なんとも今回は楽である。
     施設の職員の人に掃除の後の点検をしてもらい、荷物を集会所に移動。思いのほか早く済んでしまい、予定がポッカリと空いてしまった。もとより、午前中の企画としてシャボン玉遊びを考えていたので、余裕ができたのは助かる。
     高校生スタッフにシャボン玉の研究をしているメンバーがいたので、その指導で針金とアルミホイル、洗剤を使って手作りのシャボン玉を子供たちと楽しんだ。
     シャボン液の膜を口で吹いたり、体を動かしたりしてシャボン玉を飛ばす。
     シャボン玉遊びなんてのも、単純な遊びなのに最近はしているところを見かけないなぁ。
     スタッフが人工着色料を持ってきており、色つきのシャボン玉も飛ばした。
     子供たちも面白がって楽しんでいたが、ちょっと地面が汚れ過ぎたので清掃をする事に(^-^;
     そして子供たちが遊んでいる間に、班毎に呼んで記念写真を撮った。
     お昼は集会所で、施設の出入りの業者に注文していたお弁当で済ませた。
     食事の後に、退村式を行って施設の人に挨拶。
     その後で全員の集合写真を撮って、さて出発と思ったものの、まだバスが来るまで時間があったので、広場で遊ぶ事にした。
     チームを2つに分けて○×クイズ。ただし、普通の○×クイズではない。
     チームを○チーム・×チームに分け、それぞれのチームの陣地にペットボトルを置く。
     そして問題を出されたら、自分の陣地のペットボトルを守りながら相手チームのペットボトルを倒す。そこで○チームが×チームのペットボトルを倒したなら普通ならば“勝ち”となるが、もし問題の答えが×だとしたら本来は×チームが○チームのペットボトルを倒さなくてはならないので“負け”となる。
     つまり、自分のチーム(○か×)が正解だと思ったら相手のペットボトルを倒し、不正解だと思ったら相手チームに自分たちのペットボトルを倒させなければならない。相手チームに倒させて正解の場合は、両チームに点数が入るというわけ。
     しかし大抵は、先走った味方のメンバーが相手チームのペットボトルを倒して、そのうえ不正解で減点となる事の方が多かった(笑)
     そうこうしているうちにバスが到着して、野外活動センターを後にした。
     昨年のキャンプでは、ほぼ全員が寝入って全滅の様相を呈していたのだが、今年はみんな尚も元気。この違いはなんなのだろう。
     途中のパーキングエリアでの休憩では、昨夜のうちに予算の概算を出してみたところ余りが出る事が分かったので、全員にソフトクリームをあげる事に。
     もちろん、ソフトクリームよりもジュースやお菓子が欲しいという子もいるので、ソフトクリームの料金分だけを班長に渡して、使い道は各班で決めてもらった。
     渋滞で道路が混雑したものの、予定の1時間遅れで川口駅に無事到着。
     子供たちの迎えに来ていた親御さんたちに挨拶して解散した。
     
     ヨッコラヨッコラと大荷物を抱えて帰宅。
     荷物の整理もそこそこに早めに就寝。
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    ◆8月23日(土)/2003年◆
     以前に胃痛の漢方薬として安中散(あんちゅうさん)を勧めた患者さんが来店。
     前回の時に効いたとの事で、もう一週間分を注文された。
     安中散は主に、冷たい物の飲みすぎなどで胃が冷えた時の胃痛や胃炎に用いる。もしくは、神経性胃炎である。
     お酒の飲みすぎなどで胃が熱を持って下痢などになった場合は五苓散(ごれいさん)、そこはかとない吐き気を伴う胃炎の時には黄連解毒湯(おうれんげどくとう)が良い。
     その点を確認してみると、前回と同じ症状で問題ないようなので、安中散を渡した。
     
     キャンプ疲れで頭はボーッ。
     しかし、患者さんのデータをパソコンに入力する作業などは溜まっているので、ノロノロと低能率で片付けていく。
     
     留守にしていた間に録画したニュースをCMを飛ばしながら流し見。
     パキスタン西部のイラン国境で、他人の子供3人を連れて密出国を図ったパキスタン人女性が逮捕されたというニュースが目に止まった。
     その人身売買の目的が、「ラクダレースの騎手にするため」というのに文化の違いを感じた。
     なんでも、パンジャブ州南部はパキスタン国内でも特に貧しく、家畜としてラクダを飼う農家が多い事もあって、子供が騎手用として売られる事件が後を絶たないのだとか。
     速さを競うラクダレースは、競馬と同じで騎手の体重が軽いほど有利。しかし振り落とされ死亡したり骨折する事も多いらしい。
     日本人が持っているラクダのイメージは、砂漠をノッソリノッソリ闊歩しているところが共通認識だろう。しかし、そんな過酷なレースがあるとは知らなかった。
     文化の溝というか壁というか、その隔たりはかくも距離があるようで。
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    ◆8月24日(日)/2003年◆
     歯科医の処方箋を持った患者さんが来店。
     ところが、処方されている薬が1つも在庫が無い。
     別に悪口では無いのだが、歯科医は独特の処方をする事が多いように思える。
     複数の病院や診療所から出される処方箋は、多少薬の種類が違う事があっても、問屋さんや市内の他の薬局に問い合わせれば入手できるものだ。
     ところが、歯科医から出される処方箋は本当にその一軒でしか使っていないような薬が処方されていたりする。いわば、その歯科医の近所の薬局でしか揃えていない。
     今回も、まずその歯科医の近所にあるらしい薬局に連絡してみたが、日曜日なので閉まっているのか連絡がつかなかった。
     続いて他の薬局にもあたってみたが、やはり日曜日のためそもそも開いているお店が限られていて、必要な薬と同じ物はどこにも無かった。
     ううん、処方箋の診察日は昨日なのだから、昨日のうちに来て欲しかったなと内心思ったが、“4日以内ならどこの薬局に取りに行っても良い”という事になっている以上、なんとかしなきゃならない。
     後は、歯科医に直に連絡して、同じ効能の別な薬に変更する許可をもらうしかない。しかし、これがまた面倒。話の分かる先生ならいいが、自分の選んだ薬が絶対だとか言う先生だっりすると万事休すである。患者さんは困るし、こっちは腹が立つしで、いい事ナシとなる場合がある。なので、できれば避けたい。
    と言うか、いつもなら逃げ切ってしまうのだが(苦笑)
     そうも言ってられないので、恐る恐る歯科医に電話を入れた。ところが先生は不在。まぁ、日曜日で休診なのだから当たり前ではあるが。それでも、単なる散歩との事で、折り返し電話をもらう事に。
     さすがに、折り返し電話が入るまで患者さんに待って頂くというのも申し訳ないので、一度お帰りになってもらう事にして、後で連絡を入れる事にした。
     しばらくして、歯科医から薬を変更しても良いと電話が入った。
     話の分かる先生で良かった。ホッ=3
     患者さんにも連絡をして、薬を届ける事にした。
     それにしても、処方箋をもらった患者さんは“4日以内ならどこの薬局に取りに行っても良い”という事になっているのだから、この、薬の在庫の問題は早いところ解決してもらいたい。
     もらいたいのだが、医師会と薬剤師会の綱引きと言うか利権争いと言うか、まったく出口が見えなくて困ったものである。
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    ◆8月25日(月)/2003年◆
     朝の情報番組で、『大迷惑・心配性家族』というのをやっていた。
     例えば、東京に出張する時にスーツに鉄板を縫い付けたり、事件に巻き込まれて声が出せない状況に備えて助けを求める声を録音して持ち歩いている旦那さんとか、飛行機で出かけるたびに会社の上司や同僚に遺言状を託す旦那さんとか、他には車を車庫に入れる時に子供が後ろにいないか心配になって必ず車から降りて確認し、そしてユックリユックリと車庫入れをする奥さんとか。
     そうそう、家庭の医学書などを見ては自分が重大な病気なのではないかと心配する旦那さんと姑さんの話もあった。
     いずれもスタジオの司会者やコメンテーターは笑い転げて、投稿した家族は馬鹿にしているようであったが、どこが笑うところなのか私には分からなかった。
     ハッキリ言って、いざという時の想像力に欠けてる人の方が多いはずだ。その想像力を持っている事は、私は素晴らしい事だと思う。少なくとも、そうゆう心配性な人には、ここ数日続いているような犯罪を行う事はできないだろう。
     そして、発想自体は間違えていない。声が出せない状況を想定して録音しておくなど、なかなかのアイデアである。
     遺言書を託すというのも、後に残されるであろう奥さんの事を心配しての事なのだから、いいコトだ。見習え自分(笑)
     家庭の医学書も、多くの人が持っているとは思えないし、持っていてもあの分厚い本を隅々まで読む人はさらに少ないだろう。ぜひ、マネしてもらたいものだ。
     ただ、惜しむらくはあと少し、豊富な想像力に見合う工夫が足りない事だろうか。
     スーツに鉄板を縫い付けたのでは、防御力は上がっても俊敏さは阻害されてしまう。やはり、手製よりは専用の防刃ジャケットを購入するべきだ。
     毎回、遺言書を書くというのも手間がかかるうえに、後で法的な効力を発揮するためにはちゃんとした手続きを取った方が良い。弁護士に依頼するのは高くつくから、公証人役場で手続きをして、それを銀行の貸し金庫に預けるなどした方がより安心できる。
     子供を轢いたりしないかと心配するのであれば、車用の後方レーダーを取り付ければより完璧だ。車をいったん降りて確認というのは、本来なら全てのドライバーがしても良いくらいだが、確認した後は迅速に車庫入れしないと、モタモタしている間に子供が後ろに回りこんでしまう可能性があるのだから、その辺は考慮する事が望ましい。
     家庭の医学書を読んで自分の健康状態をチェックするのであれば、症状の経過などをノートにメモしていけば一時的な体調の変化なのか病態として悪化しているのかが分かる。
     笑うところは、心配性なのにソレに対する対策が甘いところだと思うのだが、どうか。

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  • ≪通巻15号≫
    URLを変更するかどうか/死は誰のためか/アトピー性皮膚炎治療のための漢方薬/日焼けの処置に注意/献血者の輸血によるB型肝炎/怪盗法のある世界/虫歯は不治の病

    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
    ★彡☆-=★彡  それさえもおそらくは平凡な薬局  ★彡☆-=★彡
                    ≪通巻15号≫
    提供 : まぐまぐ http://www.mag2.com/
    発行 : 北園薬局 http://plaza2.mbn.or.jp/~kitazono/
    編集 : 北村俊純
    窓口 : kitazono@a1.mbn.or.jp
    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
    ~~~~~~~~~~ 今回の日記の主な話題 ~~~~~~~~
    ※7月29日(火)……URLを変更するかどうか
    ※7月30日(水)……死は誰のためか
    ※7月31日(木)……アトピー性皮膚炎治療のための漢方薬
    ※8月1日(金)……日焼けの処置に注意
    ※8月2日(土)……献血者の輸血によるB型肝炎
    ※8月3日(日)……怪盗法のある世界
    ※8月4日(月)……虫歯は不治の病
     前回は《クリックアンケート》に協力していただき、誠にありがとうございます。
     回答していただいた集計結果を今号に掲載しようと思いましたが、さすがにメールマガジンの内容が長くなりすぎるようなので、のちほどコメントも付けたうえで増刊号として発行しようかと思います。
     また、今回は前回使用した《クリックアンケート》では回答の選択幅が限られてしまうため、試しにcgiを使って新たにアンケートページをホームページ内に設置してみました。
     メールから直接投票できるのと、どちらが使い勝手が良いかも検討したいと思いますので、ご協力をお願いしますm(_
    _)m
     アンケートのURLは、日記の最後にございます。
    ******************* 先週の平凡な日記 *********************
    ◆7月29日(火)/2003年◆
     高齢の患者さんが来店。
     ウチの祖父は何歳かと尋ねられ、「87です」と答えると「元気でいいねぇ」と言われる。
     なんのなんの、「自分の足で買いに来られるんですから、まだまだ大丈夫ですよ」と答えた。
     FAXで入った処方箋の解読に悩まされた。
     字が汚くて判読しにくいうえに、薬の量の単位を間違えていて、正確な量を計算し直す。
     さらには、患者さんの保険番号が未記入で、処方日の日付も間違えていた。
     そそっかしい医師なのか、定年間際でボケが入ってるのか。
     書き間違い程度ならまだこちらで対処できるが、ちゃんと診察はできてるのかと、そちらの方が心配。
     喫茶店でお酒を飲んでて薬を置き忘れてきてしまい、あと3日分が足りないので薬をもらえないかと言う患者さんが来店。
     気がついてその喫茶店に戻ったのだが、どうやら捨てられてしまったらしい。
     うむぅ、心情的には出してあげたいのはやまやまだが、それをやってしまうと犯罪になるので丁重にお断りするしかなかった。
     患者さんの方も一応は納得してくれた様子で、これから病院の方に行ってみるとの事。
     利用しているISPの1つ『MBN』から合併後のサービスの変更についての連絡が物理メールで届いた。(友達の間では、電子メールに対して郵便で届く手紙の事を、物理メールと呼んでいる。)
     http://www.mbn.or.jp/
     当初は合併後もメールアドレスは変更されないという事で契約を更新する事に決めていたのだが、届いた書類によるとホームページのURLは変更になってしまうとの事。
     先に言えよー。せっかく8年かけて薬局のURLも浸透してきたのに、今さらURLが変わるなんて。
     う~む、独自ドメインを取っておくべきだったか。毎年の更新料がもったいないと思ってケチしていたのがマズかったか。
     ただし、パソコン雑誌の調査によると、最近ではURLを入力して訪問する人は少なくて、大抵は検索エンジンで調べたい内容を検索しているうちに辿り着く人が多いので、URLの変更はそれほど影響は無いという記事を見かけた事もある。
     このままISPの合併で自動的にURLが変更になるのを受け入れるか、それともいっそのこと解約して別なサーバーに移転するか。ちょっと考えよう。
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    ◆7月30日(水)/2003年◆
     今日はお店を開けてから、次から次へと処方箋がFAXで入ってきた。
     長期治療の患者さんが、お盆になる前に薬をもらいに病院に行っているのかもしれない。
     そのせいか、これだけ患者さんが来ても、日記に書くような特徴のある患者さんはいらっしゃらない。
     ゆえに、書くネタも無し。
     人間、平凡に過ごしていると刺激が欲しくなり、ひとたびトラブルがあると、どうしてこんな目に……と嘆くもののようで。
     落ち着いたところで、ネットで相談の来ている患者さんたちに返信。
     スタッフの1人が、「便利になったもんだわね~」と言うと、「でも自殺サイトとか怖いよねぇ」と別なスタッフが。
     すると、「でも……」と私。
     かつては自殺しようとする人は1人で寂しく死んでいくか、1人は寂しいからと他人を巻き込んで自殺する人がいた。もちろん、今でもいるが。
     しかし、死にたいと思っている人たちが出会って、関係無い人を巻き込むこと無しに、1つの目的を共有して死ねるというのは幸せではないかとも思う。
    「生きてれば良い事もある」と言う人も、そんな保証はできない訳だし、「頑張ってる人もいるのだから」と言う人は、自分が努力してるからと他人の痛みや苦しみなど分からぬ人ではないのか。
    「あなたが死ねば悲しむ人がいる」と諭すのは、生きる気を起させるかもしれないが、それは拷問ではないのか。
     漫画版の『花の慶次』では、こんなセリフがあった。
    「生きるのは人のため。ならばせめて、死ぬのは自分のためであろう」
     記憶で書いてるので、ちょっとニュアンスが違うかもしれないが、現代医学の前では死ぬ事すらままならない事を思うと、より死にたい時に死んだ人を羨んでしまう。
     http://www8.ocn.ne.jp/~porco/keijisyoukai.html

     とはいえ、人間が一生のうちに得られる知識や体験は限られている。
     苦しみから逃れたいという耐え難い“希望”にすがりつくために自殺するのならともかく、繰り返す日常に飽きて死ぬようなのは「もったいない」と思う。
     少なくとも私は、来年の春に『イノセンス』(押井 守監督作品)を観るまでは死ねない。
     いいのか、そんな単純な事で(苦笑)?
     http://www.production-ig.co.jp/anime/innocence/

     さて、そろそろ寝ようかという深夜2時頃に、お母んから電話があった。
     いったいナニゴトかと思ったら、「今日の(日付変わってるぞ)『ためしてガッテン』観た?」と訊かれた。
     観ていません。と言うか、それで深夜に電話してきたんかい(^-^;
     http://www.nhk.or.jp/gatten/
     30日の番組内容は“アレルギー体質改善の切り札”という事で、幾つかの漢方薬が紹介されたらしい。
     で、例によって買いに来る人がいるかもしれないから、調べておけと。
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    ◆7月31日(木)/2003年◆
     早朝の天気予報では関東は曇りのはずだったのだが、見事なピーカンになってしまった。
     いや、天気が良いのは気持ちも良くていいのだが、あまり暑くなり過ぎるとお客さんが来なくなるので困る(苦笑)
     夜中にお母んが電話してきた『ためしてガッテン』の件で、番組の方は未見なので、番組のホームページで確認すると、確かにアトピー性皮膚炎の治療薬として漢方薬が紹介されていた。
     痒みを止めるのに白虎加人参湯(びゃっこかにんじんとう)を、アレルギーを抑制するのに梔子柏皮湯(ししはくひとう)を勧めている。
     うう…、どちらもウチには置いていないσ(^◇^;)。(※注・白虎加人参湯はその後取り扱い開始) 漢方薬にも流派があって、一番大きな分け方としては、中国での古い流れを組む『中医学』と、インドでの研究が進められてきた『アーユルヴェーダ』と、日本で比較的近年になって開発されてきた『日本漢方』の3つだろう。
     私は『アーユルヴェーダ』については資料を持っているだけであまり読み込んでいないのでちょっと脇に置いておくが、『中医学』と『日本漢方』については講習会などで勉強している。
     そして、『中医学』と『日本漢方』は同根ではあるが、その応用となるとかなり違いがある。
     例えば、『中医学』では熱風邪に黄麻湯(まおうとう)を用いる事が多いが、『日本漢方』ではあまり用いる事は少ない。
     その理由は、気候風土の違いが大きい。まず、原料に含まれる成分の割合が違う。中国で黄麻湯(まおうとう)を購入すると、日本で購入するものより効き目が強く、心臓がドックンドックンとして元気になりすぎて具合が悪くなるそうだ。
     また、日本の方が湿度が高く、それゆえに日本人は体内の水分に起因した病気が多いため、胃腸の調子を整えるのが風邪の治療に有効だったりする。すると、黄麻湯は胃腸に負担をかけるので『日本漢方』では選択肢からはずれる事となる。
     で、今回の番組で取り上げてる漢方薬の選び方から推察すると、断定はできないが、どうやら『中医学』の理論に基づいているように思える。
     と言うのも、白虎加人参湯は日本で医薬品としての販売許可を得ている効能は「咽喉の渇き」で、皮膚疾患での効能書きは認められていない。しかし、成分を調べてみるとセッコウ(石膏)が入っていて、これは炎症を抑える効果があるので、咽喉の渇きを抑えるのと同じように皮膚の炎症を抑えられるであろう事は容易に想像できる。
     ただ、効き目が強いので冷え性の人には私としては勧められない。それに、もしウチで仕入れたとすると値段が一週間分で2千8百円になってしまう。
     それならば、セッコウの量が半分で劇的な効果は無いが体に負担をかけない十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)の方が良いだろう。値段も一週間分で1千8百2十円で済む。
     梔子柏皮湯となると完全に『中医学』の処方で、『日本漢方』をメインにしているお店では入手は難しいかもしれない。
     主成分のサンシシ(山梔子)とオウハク(黄柏)を含んでいて入手しやすいのは、黄連解毒湯(おうれんげどくとう)だろう。
     ウチでも入荷するとなると、問屋さんに調べてもらわないと梔子柏皮湯の値段は決められない。黄連解毒湯ならば一週間分で2千3十円で、おそらく梔子柏皮湯と比べてもそう高くは無いと思われる。
     番組のホームページではちゃんと、十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)補中益気湯(ほちゅうえっきとう)など他の漢方薬もある事を示して、体調や体質によって効果が違う事も案内しているのは好感が持てる。
     ただ、「漢方薬を扱っている医療機関、薬局で手に入ります。特別な薬ではありません。」というのは余計だなぁ。
     白虎加人参湯はともかく、梔子柏皮湯の方は漢方薬の老舗メーカーのツムラにも無いし、大衆メーカーのカネボウでも出してないし、これまた薬局販売の大手メーカーのJPS製薬でさえ取り扱っていない。
     NHKだから番組のスポンサーが噛んでるという事はないだろうが、番組に出演した漢方薬の研究者が梔子柏皮湯を製造しているメーカーと関わってるんじゃなかろうかと邪推したり。
     ちゃんと話を分かってくれる人なら、成分と効果を案内すれば番組内容と違う漢方薬を勧めても大丈夫だろうが、中には商品名をメモしたら「同じ物じゃないと」と納得してくれない人もいるので、来店に関しては、期待半分憂鬱半分といったところか。 
     震度6の地震が相次いだ宮城県では、これからが夏のイベントや祭りの本番。
     県外からは「宮城は大丈夫なのか」との問い合わせが相次いでいるものの、県全体では特に震源地に近かった所など一部を除き、予定通り開催するとの事。
     そう言えば、普通は避けるものなんだなと苦笑した。
     ウチのお母んなど、「今年は仙台の方に旅行に行ったら?」などと勧めてくる。
     どうもウチのお母んの教育の賜物か、人が避ける時を狙って遊びに行くようになってしまった。
     例えばディズニーランドなども、台風が接近してる時に行ったりする。屋外でのアトラクションは楽しめないが、なにより空いてるのがいい。屋内施設の乗り物など乗り放題である。
     伊豆の群発地震の時などは天候が良かったうえに、宿泊施設はもちろん遊技場やお土産屋さんも最高のサービスをしてくれて楽しめた。どうして、みんなこうゆう時に繰り出さないのかと思ったものである。
     被災地のためなんて言わない。人の不幸につけ込んで得をするチャンスである。それでいて誰に迷惑をかけるワケでは無いのだから、良心も痛まないという事で(^.^)
     東北3大祭りの1つで、毎年200万人以上が訪れる『仙台七夕まつり』も8月6~8日の開催に変更は無いそうだから、できれば行ってみたい。
     あっ、でも、みんなが繰り出してしまうと人がごった返してしまうので、やっぱり「行くのに不安がある人」は行かなくていいです( ̄▽ ̄)
     酢酸エチルを求めてお客さんが来店。
     酢酸エチルは、揮発性が高く、発火点も低い危険物であり、取り扱いも正式な許可がいる薬品なので何に使うのかと思ったら、昆虫採集に使うそうな。
     調べてみると、確かに昆虫標本にするさいに使用するようだ。
     使い方は、酢酸エチルを染み込ませた綿花をビンに入れて、直接昆虫に触れないようにしきりをして(触れると変色する)
    10分~1時間ほど密閉するとの事。
     なんにしても、普通は薬局でも常備している物ではないので、問屋さんに注文する事になった。
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    ◆8月1日(金)/2003年◆
     旦那さんが胆石らしいというお客さんが来店。
     お腹が痛くて吐いたりしていたが、仕事に行ってしまったという。
     ええ~!?
     胆石での腹痛なら、歩けないくらいだと思うのだけど、病院での診察は受けたのだろうか。
     そう尋ねると、病院には行っていないとの事。
     なんでも、救急車を呼ぼうかと旦那さんに言ったら、「みっともないからいい」と断られたのだそうな。
     うう、それほど痛かったのなら救急車呼んで下さい。みっともなくたって、間違っていて笑い話で済むなら、その方がいいです。
     そりゃ、救急車で運ばれた人の半分近くが必要なかったというデータもあるけれど、普段から簡単に救急車を呼びつけたりしてる訳ではないのなら(中にはそうゆう人もいるらしい。そうゆう人は論外)、遠慮しないで呼んでいただきたい。
     胆石と断定できれば思い切って強めの漢方薬も勧められるが、分からないと手の打ちようが無い。
     少なくとも痛み止めには芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)を使うとして、普段から体力があるのなら柴胡という成分の入っている漢方薬が候補に上がる。
     小柴胡湯(しょうさいことう)大柴胡湯(だいさいことう)か、いやいや柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)ならば風邪にも使えるから、胆石でなかったとしても症状を緩和する事ができるはず。
     とにもかくにも、旦那さんを明日絶対に病院に連れて行って下さいと念を押して、芍薬甘草湯小柴胡湯を勧めた。
     うむぅ……、心配σ(^~^;)。
     日焼けでヤケドした患者さんが来店。
    「ヤケドの薬が欲しい」と言う。
     顔が真っ赤に腫れていて、分泌物が滲んできている。
     雨や曇りが続いていたから、たまの晴れで油断してしまったらしい。
     ヤケドの厄介なところは、“ヤケドを治す”という薬は存在しない事だ。
     切り傷などもそうだが、ヤケドは皮膚が自然に再生するのを待つしかない。
     なので薬は、皮膚が再生するまで雑菌で化膿したりするのを防ぐという消極的な治療をするのみなのだ。
     お話を聞いてみると、別なドラッグストアーで冷やす物は購入したとの事。
     だが、日焼けしたのは昨日である。今さら冷やしては、逆に血管が収縮して皮膚の回復が遅れる事になる。
     しかも、念のために何を買ったのかを確かめてみて、ビックリ。
     フェイスマスクタイプの冷却剤だった。成分を見ると、メントールが入っている。
     おいおいおいおい、どこだよ。こんなのを売りつけたドラッグストアーは。
     メントールは確かにスーッと冷たい感じがするが、立派な刺激物だ。
     こんなのをヤケドした所に着けたら、それこそ皮膚が炎症を起して悪化させてしまう。使っていたら危ないところだった( ̄▽ ̄|||
     とりあえず患者さんには、化膿止めのクリームを勧めて、患部を冷やしたり刺激したりしたりしないように伝えた。
     これから海などに行った場合は、日焼けは立派なヤケドなので処置を間違えないように気をつけてもらいたい。
     まず、日焼けした当日は日焼けした所を冷やす事。できれば冷たい流水で30分以上冷やすのが理想なのだが、体温が奪われると危ないので、冷却剤などを薄手の布でくるんで特に痛む部分を冷やすのが良いだろう。
     最近は水枕のような大型で柔らかい冷却剤もあるので、それを使う事をお勧めする。
     そして、冷やすのは最初の1日目だけである。翌日からは、早く皮膚を再生させるために肌触りの柔らかい服を身につけ、赤く腫れているようであれば、炎症を抑えるクリームなどを塗る。
     さらに、ビタミンBの含まれている栄養剤を飲むと、皮膚の原料になる。
     閉店間際に、市内の調剤薬局のTさんから電話。
     調剤専門でやってきたが、市販のOTC薬も置こうと思うのでどんな物を揃えたら良いかという相談。
     しかし、Tさんの薬局の近くにはドラッグストアーがある。
     ウチだって近所に何軒ものドラッグストアーがあって、仕入れ値より安く売ってる物があると、ドラッグストアーで買ってきてお店に並べてるのに、何を揃えたら良いかと相談されてもなぁ(苦笑)
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    ◆8月2日(土)/2003年◆
     お店に出てすぐに、処方箋がFAXで襲来。
     そのほとんどが小児科であった。
     やはり夏休みとはいえ、親が休める時でないと、なかなか子供を病院に連れて行くのもままならないのだろう。
     小児科の薬を用意する時に厄介なのは、薬の分量を小児向けに計量しなればならない事。
     錠剤なら割って、散剤(粉薬)ならば袋から出して音叉振動式電気計量計でコンマ1mgまで計る。
     そして、それをパッケージングしていくので1人分を用意するだけで10分~30分程度を要する。
     それが連続して来ているので、用意しているうちに「あれ、○○ちゃんのはどこまで出来たっけ」とか、「△△(薬名)は、どこ~!?」とか、「それはもう用意したよ」という大混乱に陥る。
     もちろん、それだけに患者さんに渡すまでには何度も確認するのだが、ちょっと患者さんには見せられない光景である。
     しかも、中には兄弟姉妹で受診していて、それが3姉妹であったり双子の兄弟だったりで、二重三重の罠である。(←罠ってなんだ。)
     そう言えば以前にある小児科の先生に聞いた話で、患者の母親から診察を予約する電話があって受けたら、当日連れてくる子供を親が間違えたなんて事もあったとか。
     他にも、病院で診察後にすぐに薬を子供に飲ませる時に、飲ませる子供を親が間違えて昏睡してしまったなどの危ない話も聞いた。
     医療関係者も気をつけるようにはしていますが、親が自分の子供を間違えるという事までは分かりようがないので、くれぐれもご注意下さい(^-^;
     やっと全てを用意してホッとしたところで、炭酸水素ナトリウムが余った。
    主に胃酸過多などの時に処方されたりする。小児科に混じって大人の患者さんの処方箋も来て、その薬を用意する時に使ったのだ。
     余っているのは1g程度。値段は安いので捨ててもかまわないのだが、なんだかもったいない。
     お母んがこともなげに「舐めちゃったら」というので試してみた。
     しょっぱい~(>_<)
     そりゃそうだよ、ナトリウムなんだから。塩と似ている。
     なんでも昔は小学校の家庭科の授業で、お饅頭を作るのに膨らし粉として使っていたとか。
     ン十年前の話だ(笑)?
     献血者の輸血でB型肝炎になったとみられる女性が死亡したとのニュース。
     女性はもともと循環器系の疾患があったため、劇症肝炎が死因と断定はされなかったらしい。
     だとすると遺族が解剖を希望したのか、それとも医療機関の方で解剖をしたいと遺族に申し出たのか。
     いずれにしろ、死因の特定がなおざりにされなかったお陰で今回の事が分かった。
     そして残念だったのが、日赤の対応。
     死亡した女性は手術で複数の人からの献血を輸血され、献血者の一人が献血をした後に「病院でB型肝炎ウイルス(HBV)に感染していると言われた」と日赤に連絡。
     連絡を受けた日赤は保管していた血液を再検査したが、HBVは検出されなかったため、追跡調査を打ち切ってしまったのだとか。
     今やウイルスを検出できない期間(ウインドーピリオド)がある事はマスコミでも報道されていて、素人でも知っている事のはず。
     肝炎ウイルスなどの感染が判明した人が過去に献血していたことが分かった場合、その血液を輸血された患者に検査および治療を呼びかける必要性がある事は明らかなのに、どうして怠ったのか。
     患者と相対している医師でさえ、仕事としてこなしていくうちに患者が人間であるという事を忘れてしまうという。片付けなければならないノルマの1つになってしまうのだ。
     日赤のスタッフもまた、自分たちが扱っている物がなんであるのかを忘れてしまったのかもしれない。
     自分の仕事も流れ作業になっていやしないかと自戒。
     気象庁の発表によると、関東地方もやっと梅雨が明けたようだ。
     ニュースサイトを見てみると、ビール業界や家電メーカーなどは、これからの盛り返しに期待しているとの事。
     ビール業界や家電メーカーなどは季節ごとの業績の事を大手を振るって公言できて羨ましい。
     まさか医療業界が、「今年の夏は天候不順で体調を崩す人が多いと予想しており、収益増を見込んでいる」なんて言えないからねぇ(笑)
     今日は隣の戸田市で花火大会があり、奥さんが観たいと言うので早くお店をあがって出かけた。
     戸田公園駅から花火の観覧場所まで歩いて行くと、通りには屋台が何軒も並んでいる。
     カキ氷の屋台を覗くと、「シロップかけ放題」の文字が。しかも、シロップの入ったケースには蛇口まで付いていた。子供たちは、2~3種類のシロップをかけたりしていた。
     自分はそれはしなかったけれど、ラムネ味に惹かれてカキ氷を食べた。
     その後で「具だくさん」と書いた札を掲げていたヤキソバの屋台を見つけて、試しに買ってみた。後でパックを開けてみるとビックリ。
     屋台のヤキソバなんて、「高い・マズイ・ショボイ」物だと思っていたのだが、他の屋台と同じ値段でありながらボリューム満点だった。
     入っているキャベツやニンジンも大きめに切ってあって、キクラゲやウズラのゆで卵なども入っている。
     麺も太めで食べ応えがあり、味も申し分ない。う~む、女将さんの心意気といったところだろうか。
     とまぁ良い事もあったが悪い事、と言うか嫌な事もあった。
     花火を観覧する土手には、当たり前のように場所取りのブルーシートなどが敷いてある。それでも、誰かしら人がいるのはいい方で、中には誰もいないのに敷き詰めてあったりする。
     それどころか、ハーケンなどの大きな金具でビニール紐などを地面に打ち付けて場所取りをしてあったりするのだから呆れる。多くの人出があるのに、転んだりしたらどうするのか。
     そんな訳で、私もそうだし他の多くの人たちも座る場所に困って右往左往していた。
     そのうちに打ち上げ開始の10分前になった。
     そこで、ロープだけ張って誰もいない所などには、ポツポツと人が座り始めた。そりゃそうだ、誰も来ないのなら空けておく必要はあるまい。
     そもそも事前の場所取りは主催者側も禁止している。
     で、私もすでにどこが取ってある場所だか分からなくなってる所に座った。
     そして、もうすぐ始まるという頃になって場所を取っていたらしい一団がやってきた。
    「なに座ってんのォ! そこ取ってたんだよォ!」とオバサンが怒鳴りつけてくる。
     お怒りはごもっともですが、主催者が場所取りを禁止している以上、違反しているのはそちらです。それに、持ち主が不明で放置してある物は拾得物として扱われる物です。
     そう説明すると旦那さんらしい人が、「理屈を言うか!!」と怒り出した。
     理屈じゃないって。アンタは規則と言うものを知らんのか。
     周りの人たちも戸惑うばかりである。
    「普通、子供がいたら譲るわよねぇ」などとまで言い出して溜息。
     なるほど、子供をダシにするという事は、自分の方が正しくない事は分かってるワケね( ̄▽ ̄)
     とりあえず、もうすぐ花火が始まるのでいつまでも騒がれるのは迷惑。
    「空いてるスペースはあるんですから座ったらいいでしょう」と勧めた。
     すると、「ああ、座るよ! 当たり前だろ、こっちが先に場所取ってたんだから!」と逆ギレ。連れの子供がオロオロしてて可哀相なくらいだ。
     一家族だけじゃなくて三家族ぐらいの一団だが、誰も自分たちが悪いとは思わないらしい。座ってからも文句をブツクサ言うは、周りの人たちを威嚇するは(動物かい(^-^;)、まるでお子様の集団であった。
     なんだかなぁ。子供がまっすぐ育つか心配になる。
     
     花火の方は、不況の影響か玉数が減っているとはいえ、花火師の工夫や腕の冴えとでも言うべきか、タップリと楽しめた。
     何枚かスローシャッターで撮影してみたので、よろしければ覧下さい。
     http://magical-shop.web.infoseek.co.jp/photo/200308/index.html
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    ◆8月3日(日)/2003年◆
     今日は私が所属しているゲームサークル『SNAKE-EYES』のコンベンションである。
     予定通りに出発し、会場に向かった。
     http://www.snake-eyes.gr.jp/
     夏休み中で他の行楽に出かけているのか、それともワンダーフェスティバルと同じ日だからなのか、久しぶりに参加者が30人を割った。
     http://www.kaiyodo.co.jp/wf/garage.html
     運営費としては赤字だが、人が少ない方が部屋は快適(笑)
     そして今回は現場責任者の武井くんに勧められて、ゲームに参加する事になった。
     いつもは事務作業をしているので、ゲームに参加するのは久しぶりである。
     1年ぶりくらいかもしれない。
     さて、なんのゲームかと言うと、『SNAKE-EYES』がなんのサークルかをしなければならないかな。
     『SNAKE-EYES』の活動で扱っているゲームは、『TRPG』である。
     これは、『テーブルトークロールプレイングゲーム』の略で、直訳すると『対話型役割演技遊戯』とでもなるだろうか。ひらたく言えば、“ゴッコ遊び”である。(やや、ひらたく言い過ぎかも)
     アメリカでは子供の遊びとしての他に、学校などの教育の現場で活用されたりしており、日本でも一部の学校では取り入れてるところもあるようだ。
     むしろ日本では、子供たちにイジメッ子の役やイジメラレッ子の役をやらせて、その“気持ち”を体験させたりと言う使い方をされていて、やや硬いイメージがあるかもしれない。
     一方でテレビゲームで“トーク(対話)”を省いた『RPG(ロールプレイングゲーム)』として、『ドラゴンクエスト』などの方がメジャーになってしまったために、悪いイメージの方が定着してしまった感もある。
     http://www.square-enix.co.jp/
     とにかく『TRPG』とは、様々な世界で様々な役になって対話しながら楽しむゲームの事だと理解してもらって不都合は無いはずだ。
     様々な世界と言ったが、それこそ各種のゲームがあり、いわゆる剣と魔法の出てくるファンタジーな世界もあれば、現代を舞台にした物や、宇宙を舞台にした物、ホラーやバトル中心の物などがある。
     そして、それぞれの世界でゲームごとのルールに沿ってキャラクター(登場人物)を設定して、そのキャラクターを演じる。
     子供の頃は、やはり演じるなら強くてカッコイイヒーローが良くて、やたらと腕力があったり頭が良かったりと弱点の少ないキャラクターを作成していたが、年を経るにしたがって“弱点のある人物”を演じるのが面白くなってきた。成長したねぇ(苦笑)
     今回は3種類のゲーム卓が立ち、その中の『ガープス・マジカルシーフ』というゲームに参加した。
     この『ガープス・マジカルシーフ』の舞台は、現代の日本である。
     しかし、1つだけ特徴的な法律のある世界だ。
     その法律は、『怪盗法』───。
     私も初めてプレイするゲームなので解説を間違っていたらゴメンなさい。
     私の理解したところによると、ゲーム中の日本では激増する凶悪犯罪を“コントロール”するため、泥棒をしても良いという法律が施行されているとの事。
     ただし、条件が幾つかある。
     まず、盗む前に必ず警察に、「いつ・どこで・何を」盗むかを予告しなければならない。そして、予告時間ピッタリでは盗むのは無理なので、予告時間の前後一時間以内ならばいつ盗んでも良い。ただし、予告をした本人だと証明するために、予告時間の前後1時間以内に必ず一度は警備している人間の前に姿を現す事。
     犯行後、5時間逃げ切れば現行犯ではないものとして追跡されない。そのため、正体がバレても逮捕される事はない。
     それと盗む時には、窓ガラスを割るなどの器物損壊や、人を傷つけるなどの過剰な抵抗はしてはならない。
     これらを守る事で、泥棒が許されるのである。
     さて、そうなると中には人々の人気を集める怪盗団もいたりして、さらにそれを捕らえようとする探偵団も存在する。探偵団の多くは、それこそ人気商売のアイドルグループなどで、これまた多くのファンがいたりするのである。
     今回のGMさん(ゲームマスター/ゲームの進行係であり審判であり監督でもある)の言によると、いわば『ルパン三世』や『キャッツアイ』、『怪盗セイントテール』を演じて楽しむ事ができるゲームだそうだ。確かに。
     そんな世界観の中で、プレイヤーたちは新進気鋭の怪盗団のメンバーを演じるのだ。
     怪盗団のチームは4人。
     おとり役のファワード、変装術を駆使するスカウト、道具を用意するメカニック、策を練るプランナーの中から好きな役どころをという事で、私はメカニックを選んだ。
     自分が演じるキャラクターだから、みんなどうやったら楽しめそうかを考えながら性格や能力などを決めていく。
     さっきも言ったが、オールマイティーで有能なキャラクターを作ってもあまり面白くはない。なにがしか弱点があった方が楽しい。
     なので私は、性格を“誠実で正直”と設定した。泥棒なのに、誠実で正直ってのは間違いなくゲーム(物語)の途中で面白い事になるはずだ。
     女性スタッフには、「北さんが誠実なキャラ? 絶対無理!」と笑顔で断言されてしまったがσ(^◇^;)。
     他のプレイヤーさんたちも、それぞれに自分のキャラクターの設定をしていくのだが、なにげに弱点を作るのが楽しい様子。
     フォワードは目立ちたがり屋(泥棒が目立ってどーする)、スカウトは強欲(金に目がくらんで失敗するタイプだな)、プランナーは深謀遠慮(石橋を叩き続けて渡れないぞ)という具合である。
     そしてキャラクターの設定ができたところで、怪盗団のチーム名と盗む時の登場方法を話し合った。
     プランナーの提案で音楽を流す事になったのだが、理由は後片付けがいらないから(笑)
     確かに逃げなくちゃならない事を考えれば、音楽を流すのは楽な方法。で、その曲目はクラッシックがいいとスカウトが言い出して、私がバッハの『トッカータとフーガ』にしようと言ったら、あっさり通ってしまった。目立ちたがり屋と設定したフォワードは呆れていたが(苦笑)
     と言う事で、怪盗団のチーム名は『旋律のバッハ』と決まった。怪盗団にしてはマヌケな名前である事よ。
     さて、そんなこんなでゲームは開始された。
     以下は、今回のゲームのストーリーである。
     ここまで読んでちっとも興味の湧かなかった人は明日の日記まで飛ばしてもらってかまわない。
     ゲームのストーリーは基本的にGM(ゲームマスター)がシナリオを用意しておくのだが、ゴッコ遊びはアドリブが身上。どんな展開になるのかは誰にも分からない。GMが用意した罠に次々とはまって大波乱の物語になるか、偶然の積み重ねでまったく山場の無い淡々とした物語になるか、神のみぞ知るである。
     それと、各キャラの名前もプレイヤーが設定しているが、著作権が絡んでくるので、ここではフォワード、スカウト、メカニック、プランナーという役割で表記しておきますです。
     先にも書いたように、このゲームの世界では怪盗法によって予告した上での泥棒行為は認められているので、新進気鋭の売り出し中の怪盗団が盗みのテクニックを競い合うテレビ番組などもある。
     我々『旋律のバッハ』も、とある高校の女教師とその生徒たちで結成したチームであり、これから名を売ろうという怪盗団だ。
     そこで、そのテレビ番組に出演し、見事に番組側で用意した賞金を指定された場所から盗み出す事に成功した。
     それで気を良くした私たちは、師匠の家に訪れた。(すでに怪盗が職業として成立しており、ゲームのタイトルに『マジカルシーフ』とある通り、魔法が存在していて、各怪盗たちにはそれらを教える師匠がいるという設定なのだ。)
     すると師匠が倒れていて、介抱する一方で師匠の家にある書斎を調べてみると、特別な魔法の薬が必要だと言う事が分かる。
     しかし、その魔法の薬は高価で、また自分たちには作り出す事ができない。
     そこで、魔法の研究をしている人を頼って譲ってもらえるように交渉に向かった。
     相手は薬を譲るにあたって金銭ではなく、博物館に展示されている古代アステカの石仮面を要求してきた。
     物語の展開としては、当然博物館に盗みに行くところだが、ここで各プレイヤーたちが設定したキャラクターの性格を考慮する事になる。
     私は“正直で誠実”な性格としたので、多少の危険は伴うが依頼された通り博物館に盗みに行こうと主張した。
     ところがスカウトは“強欲”という設定なので、どうせなら石仮面と薬を両方とも盗んでしまおうと言い出した。プランナーも、石仮面はともかく博物館より個人宅から薬を盗む方が楽で安全だと言う。
     しかし私はあくまで「騙すのは良くない」と反対し(泥棒なのに)、“目立ちたがり屋”であるフォワードに「博物館から盗み出した方が目立つぞ」と持ちかけて、みんなを説得してくれるように持ちかけた。
     この交渉こそが『TRPG』の醍醐味である。あらかじめプログラムされたスタンドアロン(ネットに接続されていない環境)のコンピュータゲームでは楽しめない。
     で、やはり名前を売るためには博物館から盗む事にしようと決まった。
     そうなると、まずは警察に予告状を出さなければならない。それを怠ると、逮捕される事になってしまう。
     で、フォワードが「どうせなら予告状も目立つようにしたい」と言うので、予告状自体を博物館の展示コーナーに展示物のように置くという演出をした。
     ちなみに、これらのキャラクターの行動は“行動宣言”という事で、GMに「○○をします」と伝えて、GMが「分かりました」と了承する事で認められる。GMが自分の用意したシナリオに固執するかどうかなど、キャラクターの取れる行動はルールよりも多分にGMの性格と懐の広さに左右される。
     予告状を出したら、次は侵入経路と逃走経路の下調べと、手順の確認である。
     いやぁ、悪巧みって楽しい(笑)
     なんか“いけない相談”をしているみたいでワクワクしてしまう。
     そして予告した時間(ゲーム内の)になり、プランナーが囮のハングライダーを飛ばして警官隊を陽動したところで、フォワードがさらに現場を混乱させて、その隙にスカウトが忍び込んで石仮面を盗み出した。
     あとはメカニックである私のキャラクターが用意した車で逃走するだけである。
     ところがそこに、美形のアイドル探偵が登場。しかも、ただ顔がいいだけじゃなく、実力のある探偵だ。
     警官隊や、探偵などのキャラクターはGMが演じている。1人で何役もこなしつつ、ルールの判定などを行う。
     ルールでは、盗み出す時に過度の抵抗は禁止されている。あまり強力な武器を使う事はできない。
     そこで、目立ちたがり屋のフォワードが特殊な加工をしたトランプを探偵に投げつけた。探偵の服を壁に縫い付けてしまおうというのである。狙い通りに使えるかどうかは、3個の6面ダイス(サイコロ)で判定する。この時にダイスの出目だけでは偶然性に左右されすぎてしまうので、キャラクターの能力値に基づいて判定される。
     例えば、やはり運動能力が高ければ命中率も良い。そこで、キャラクターの運動能力値が15の場合は、15以下の出目が出れば成功となる。(6面ダイス3個の最高値は18だから18が出れば絶対に成功である。)反対に運動能力値が10などの低い数値設定だと、10以下の出目を出さなければ失敗してしまう。つまり、運動能力が低ければ成功率も低い訳だ。
     フォワードが投げたトランプは見事に命中、探偵の足を止める事ができた。
     そこですぐに脱出すればいいものを、スカウトが“強欲”なうえに“好色”という性格設定だったため、カメラ付き携帯電話で美形な探偵の写真を撮っておきたいと言うので撮影した。(当然、プレイヤーが「写真を撮ります」と宣言して、GMがOKを出したからである)
     そんな余計な事をしていたら、探偵の方もトランプを振り払ってしまって、また追われるハメになってしまった。仕方が無いので、フォワードがもう一度トランプを投げつけた。ただし今度は、探偵のズボンのベルトを狙って。
     哀れ美形な探偵は、ベルトを落とされてパンツ丸出しになってしまった。
     そうしたら、スカウトがまたも写真を撮った。おいおい(笑)
     こうして、無事に石仮面の盗みに成功し、石仮面を良く調べてみると額の所に宝石らしきものがはまっていた。すると、なんとスカウトがその石を取り外してしまった。
     曰く、「依頼されたのは仮面なんだからいいでしょ」と。
     えーい、この泥棒め(笑)
     かくして、額の石を取り外した仮面を依頼主に渡すと、約束通りに魔法の薬をもらい、それを師匠に飲ませて一件落着。……と思いきや。
     なんと石仮面には魔物が封印されていたはずだと、目覚めた師匠に教えられた。石仮面の額に埋め込まれていた宝石が、封印だったのだ。
     放っておけば、石仮面を手にした人物が魔物に取り付かれてしまう。かと言って、事情を話して宝石を返すとなると、もしかすると予告無しに宝石を盗んだという事になって逮捕されてしまうかもしれない。
     そこで、今度は石仮面を渡した人物から石仮面を盗み出す事に決まった。
     犯罪の隠蔽のために、また犯罪を犯そうというのだ。ひどい話だな、おい(笑)
     かくして、改めて警察に予告状を出して、周囲からは「なんで個人宅なんて狙うんだ?」と不審がられながら、手はずを整えた。
     ところが、アイドル探偵がこのあいだ恥をかかされたのがよほど悔しかったのか、事前に情報を流していて、ファンの女性たちまでもがアイドル探偵を加勢するために駆けつけていて容易に侵入できない。
     そこでプランナーが立てた計画は、容赦の無いものだった。それは、スカウトが撮影した、前回の恥ずかしい写真を印刷してバラまくというもの。
     ネットを通じてハッキングして画像データを流す方が手軽だが、ファンの女性たちを混乱させるためには、写真という物理的な物が良いという事で、メカニックの私が急遽その画像をプリンターで増刷した。
     そして予告時間、アイドル探偵のパンツ丸出しの写真が何百枚と空からバラまかれた。ヒドイ作戦だね、どうも。
     そのおかげで侵入は成功したものの、こちらの作戦に逆上したアイドル探偵には手を焼いた。あんまり手を焼いたので、動きを封じるためにフォワードが例のトランプでまたも服を切り裂いて裸にしてしまった。なんと、下品な展開。
     しかし、ギャグはそまで。すでに石仮面の封印が解かれていたため、手にした薬をくれた人物は魔物に操られていた。
     本人に危害を加えてしまっては怪盗法違反である。なんとか魔力を封じながら戦うという不利な展開になり、プランナーが策を立てて、なんとか封印のための宝石を石仮面の額に戻す事ができた。
     そして、石仮面ごと持ち去って逃走した。
     ちなみに、本当は変装術が得意なスカウトが、警察官に変装してスリ替えるという方法もあったのだが、強欲なスカウトに宝石を預けると、そのままトンズラしそうだったので、強行的に侵入して苦労するハメになった。同時に、スカウトが好色で、アイドル探偵の写真を撮っていたのが役に立ったのだから、何が幸いするか分からないものであるなと、妙に感心。
     ゲームが終了してから、GMがゲームの展開上使わなかったネタなどの話を聞いた。
     アイドル探偵の服を脱がすというのは予想していなかったので、まさかこんな下品なギャグ物になるとは思っていなかったとの事。
     この、用意したネタにおさまらないところが楽しい。
     それと、やはり私に“正直で誠実”な性格を演じるのは無理だという事が証明されてしまった(苦笑)
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    ◆8月4日(月)/2003年◆
     “歯の薬“”が欲しいという患者さんが来店。
     実は何度か来ている患者さんである。歯の薬とは痛み止めの消炎鎮痛剤の事なのだ。
     それが分かってるから、続けて「炎症剤ちょうだい」と言ったのはご愛嬌。
    「炎症させてどーする」というのは野暮なツッコミである。
     それと一緒に、“化膿止め”も欲しいと言う。ウチで化膿止めと言えば、漢方薬の排膿散及湯(はいのうさんきゅうとう)の事である。読んで字の如くの名前で、化膿の原因になっている毒素を排出して散らす事が出来る。
     しかし、まだ歯医者に行ってなかったんですか(^-^;
     何度も勧めているのだが、歯を抜かれるのが嫌で薬だけを買いに来ている。
    だが、消炎鎮痛剤で痛みを抑えて化膿止めで虫歯の進行を遅らせても、絶対に治る事は無い。
     販売を禁止されてる薬じゃないし、もし売らなくても他の店に行くであろう事は目に見えている。
     となれば言い方は悪いが、この患者さんを目の届く所に置いておかないと心配。とりあえず根気良く歯医者に行く事を勧め続けるしかない。 
     どうも『虫歯』という名称が、「痛みはともかく、たいした事は無い」というイメージを与えているのではないかと思う。
     それは大きな間違いで、虫歯は“不治の病”なのである。癌(ガン)でさえ完治する可能性は現代においては大きいと言えるのに、虫歯だけは“完治”する方法は未だに無いのだ。
     現役の歯科医が書いた『歯は中枢だった』と言うトンデモ本があるが、虫歯を内臓疾患に例えれば、臓器移植、しかも人工臓器に交換する以外に治療のしようが無い。
      http://homepage3.nifty.com/hirorin/tondemotaisho2003hahachusu.htm

     普通の病気なら早期発見早期治療によって回避できる病巣の切除も、虫歯の場合はどんなに初期でも削る以外に方法は無く、ただひたすら予防する以外に有効な手立てが無いという、他に類を見ない恐ろしい病気なのである。
     そのうえ、感染症だから虫歯の患者が自分の箸で料理を取り、その同じ皿から他の人が料理を取れば感染してしまう。だから、特に幼い子供がいる場合は、親が使っている箸や皿は絶対に子供が食べる物に触れさせないようにしなければならないのだ。
     ゆめゆめ油断なされぬように。(←何故、時代劇口調なんだ。)
      
     北朝鮮から非政府組織(NGO)『レインボーブリッヂ』が持ち帰った子供の手紙と写真を、政府支援室を通じて拉致被害者が受け取ったニュース。
     『レインボーブリッヂ』事務局長の小坂浩彰氏の記者会見は何度見ても笑える。
     まさか、こんな面白いキャラクターが登場するとは思わなかった。
     http://www.ngo-rb.org/
     当初、小坂氏は写真は政府支援室に預けても良いが手紙は直接拉致被害者に渡したいとゴネていた。その理由が、「手紙には封がされていないから第三者に委ねられない」と言うので、テレビの前でズッコケてしまった。
     だったら、自分が封をすればいいじゃん(笑)
     もしかすると、それを誰かに突っ込まれたのか、結局は政府支援室に預ける事となった。
     『レインボーブリッヂ』の活動を調べてみると、やってる事に関しては人道支援という事で、特に非難されるべき点は無いように思える。
     しかし、分別はつけてもらいたいとも思う。
     私はNPO(特定非営利活動法人)の子供教育の団体に関わっているが、正直なところ“善意”ほどやっかいでハタ迷惑なモノはない。
     なにしろ、自分たちのやってる事は正しいと思い込んでいるものだから、検証するという視点に欠けている。
     だから私は、「子供の教育を国にまかせっきりではいけない」という主旨には賛同しているから関わっているが、距離を置くようにしている。でないと、どうにも危険な気がしてならないのだ。
     肝心の子供たちに目を向けずに、幻想の中の勝手なイメージの子供のための活動をしてしまいそうで。
     今回の騒動も、記者会見やインタビューでの小坂氏を観ていると、なんで騒ぎになってるのか本当に分からないといった顔でキョトンとしてる。
     何を叱られてるのか分からない子供と同じ表情で、おそらく『レインボーブリッヂ』が胡散臭く思えてしまうのは、これからも何をしでかすか分からない警戒心を抱かせるからだろう。
     一方、拉致被害者が政府に対して不信感を抱くのも、政治取引に利用されるのが不愉快なのも良く分かる。良く分かるが、情に流されない対応こそが、必要なのだと私は思う。
     政治取引に使われると言う事は、目的が定められるわけで、目的が定まっていれば道筋も付けようがある。
     少なくとも拉致被害者やその家族はともかく、支援者までが同じ視点で腹を立てるのは感心しない。
     むしろ政府を動かすのに今まで何十年もかかったのは、情に訴えていたせいではないだろうか。
     政治家の既得権益などは良く批判の対象となり槍玉に挙げられているが、実効力を考えれば、もっと早く“人気取り”として使える事を知らしめて働きかければ良かったのにと思う。
     子供の便秘で親御さんが来店。
     子供用の浣腸を下さいと言われたが、念のために便秘の状態を尋ねた。
     訊くと、浣腸してもなかなか出なくて、出ても兎のようにコロコロした便だと言う。
     便がコロコロしているのは、腸が痙攣している可能性がある。
     腸が痙攣している便秘の場合は、いくら浣腸をしても無駄である。むしろ、腸に無用な刺激を与えて腹痛を起こしてしまう事もある。下剤も同じ。
     そして、子供が痙攣性の便秘を起こすのは、ほとんどが精神的なストレスが原因だ。
     そこでさらに詳しく話を訊くと、思い当たる事としては下の子供が生まれてから便秘になったようだとの事。
     おそらくその推測で間違いないだろう。
     親としては、上の子も下の子も同じく接しているつもりだろうが、子供の感じ方はコントロールできるものではない。下の子供ばかりをかまってるように感じて、それがストレスになっているというのはあり得る事だ。
     だとすると、便秘をどうこうというより、精神的なストレスを緩和してあげた方が根本的な治療になる。
     漢方薬では、小健中湯(しょうけんちゅうとう)が有効だろう。
     ところが、ここで問題が。なんでもその子は、大の薬嫌いなのだそうだ。
     ゼリーに混ぜて飲ませるのもダメだという。
     う~む、困ったな。
     ハンバーグのような物に混ぜても分かってしまうかもしれない。
     考えているうちに、ポンッと閃いた。
     カレーはどうだろうか。
     カレーの原料になっているスパイスは、そのほとんどが漢方薬の原料と同じである。あの独特の色も、ウコンが入ってるからだ。
     それにカレーは匂いも味も濃い。漢方薬を入れても気づかないはずだ。
     聞けば、その子もカレーは大好きとの事。
     好きな物を食べるというのもストレスの緩和になる。上手くいくかもしれない。
     親御さんも試してみるという事で、小健中湯を買っていった。
     さて、結果はいかに。
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  • ≪通巻13号≫
    カウンセリング過誤”は無いのか?/漢方薬の講習会『和解』/ビデオ評『ギャラクシークエスト』/子供は就職難/介護講習会『住宅改修』/災害体験の思い出/“怪傑オバサン”の怪

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    ★彡☆-=★彡  それさえもおそらくは平凡な薬局  ★彡☆-=★彡
                      ≪通巻13号≫
    提供 : まぐまぐ http://www.mag2.com/
    発行 : 北園薬局 http://plaza2.mbn.or.jp/~kitazono/
    編集 : 北村俊純
    窓口 : kitazono@a1.mbn.or.jp
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    ~~~~~~~~~~ 今回の日記の主な話題 ~~~~~~~~
    ※7月15日(火)……“カウンセリング過誤”は無いのか?
    ※7月16日(水)……漢方薬の講習会『和解』
    ※7月17日(木)……ビデオ評『ギャラクシークエスト』
    ※7月18日(金)……子供は就職難
    ※7月19日(土)……介護講習会『住宅改修』
    ※7月20日(日)……災害体験の思い出
    ※7月21日(月)……“怪傑オバサン”の怪
    ******************* 先週の平凡な日記 *********************
    ◆7月15日(火)/2003年◆
     病院からの処方箋を持ってくる患者さんの中には、投薬瓶や軟膏壷、注射器などの機材が必要な場合がある。
     その機材の代金には保険が効かず、実費となる。
     そしてその実費に利益をどれくらい乗せるかはお店しだい。まぁ、そんな馬鹿な利益を乗せる事は普通はしない。
     で、ウチでは基本的に仕入れ値で売っているのだが、たまたま今日、機材だけを処方箋で指示された患者さんの処方箋がFAXで入った。パソコンに入力して会計をしてみるとやけに金額が少ない。
     おかしいと思って、単価を調べてみるとビックリ。消費税分を乗せるのを忘れていた(^-^;
     問屋さんには消費税は支払っているので、伝票上の仕入れ値で売っていては、売るたびに消費税分がマイナスである。今までは薬との合計の金額が出ていたので、まったく気がつかなかった。
     このあいだは、軟膏壷を仕入れ値より安く登録していたのに気づいたが、ちょっとサービスしすぎである。
     長崎県での幼児誘拐殺人事件に関して、加害者の少年と同じ学校に通っている生徒たちへ、カウンセリングが行われているそうだ。
     池田小事件などの時にも、被害者の子供たちなどに対してカウンセリングが行われていたように、最近はよくカウンセリングの大切さが伝えられている。
     しかし疑問に思うのだが、以前はつまりそのようなカウンセリングはあまり頻繁には行われていなかった。重要視されてこなかった。
     それでも被害者、あるいは加害者たちは心の苦しみを乗り越えてきたはずだ。
     もちろん精神を病んで専門医の治療を受けたりした人もいるだろうが、基本的には自力でその苦しみに立ち向かっていたはずだ。
     だとしたら、最近のカウンセリングはいったいなんなのか。
     本当に本人のために役に立っているのか。
     実は、日本では最近になって取り組むようになったたため、カウンセリングの良い効果ばかりが喧伝されているが、すでに取り組んできていた諸外国では薬で言うところの“副作用”の研究も進んでいるそうだ。
     英国の研究チームによると、対象者にかえってそうした問題で自分が苦しむ事を予期させ、それによってさらに心理的問題を引き起こしてしまう可能性が考えられるとの報告がある。
     また、事件事故の遭遇者のうち助けが必要なのは20%止まりだという研究結果も出ているらしい。
     同様の研究は、オランダやアメリカなどでも行われているそうだ。
     思うに、「カウンセリングが必要かどうかのカウンセリング」が、まず必要なのだろう。その辺りの事は、マスコミの報道では分からないのだが、日本でも研究が進められているのだろうか。
     “医療過誤”があるのなら、“カウンセリング過誤”というのもあるような気がする。
     今後、ちゃんと検証がなされる事を望みたい。
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    ◆7月16日(水)/2003年◆
     今日は漢方薬の講習会。
     テーマは、『和解』。
     いや、示談や裁判の和解じゃなくて。
     漢方では、臓腑間、すなわち内臓間の機能調節などを正常にする事である。
     例えば熱を下げる事を普通は“下熱”と言う。
     これは、ガスコンロに火がついてる時に水をかけて消すようなものだ。
     火は消せるが、ガスコンロ本体にもダメージを与えてしまう可能性がある。
     一方、もう1つ熱を下げる方法が漢方にはある。それを“清熱”と言う。
     これは、ガスコンロの火がついてるなら元栓を閉める事で火を消すようなものだ。
     どちらが良いということは無い。状況に応じてである。
     もともと体力がある人や、あまりに熱が高くなって早く下げなければならない場合は下熱するし、ふだんから体力の無い人や急激に熱を下げる必要が無い場合は清熱して穏やかに熱を取り去るのが好ましい。
     この“下熱”と“清熱”を総称して“解熱”と言うので、口頭の場合は注意。
     そして、“和解”の1つとして“清熱”作用があるという訳である。
     和解のための“和解剤”の代表的な生薬には、『柴胡(さいこ)』がある。
     つまり、柴胡という生薬の入っている漢方薬は、和解剤として使われる事が多い。
     小柴胡湯(しょうさいことう)大柴胡湯(だいさいことう)柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)柴胡加竜骨牡蠣湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)などがこれに該当する。
     やはり分かりやすい例として風邪を例にとると、風邪の初期には葛根湯(かっこんとう)麻黄湯(まおうとう)を用いて下熱に努める。ただし、この二つはさっきのガスコンロの例えとは矛盾するように思われるかもしれないが、漢方薬では熱を下げるために一度体温を上げて汗をかかせて、その冷却効果によって熱を下げる。(現代薬は、それこそさっきの例えのように直接水をぶっかけるように熱を下げるので、体には乱暴。)
     しかし、風邪も後半になってくると胃腸が弱くなっていたりして、回復力が上がらない。微熱を引きずってしまう事もある。
     そこで、柴胡桂枝湯に切り替えると、胃腸だけでなく肝臓の働きも助けて、それにより残った熱を散らして体力を回復する事ができる。
     この辺りの事は、風邪だと言うとすぐに葛根湯を処方する医師にこそ覚えておいてもらいたい。
     また、柴胡には神経を安定化させる作用もあるので、病気で不安になっている患者にとっては、さらに有効だとの事。
     唯一の欠点は、柴胡は生薬としては栽培が難しく値段が高いので、当然それが入った漢方薬も高くなる事か(^-^;
     
     そうそう、小柴胡湯は別名『三禁湯(さんきんとう)』とも呼ばれている。
     内臓疾患の治療法として“汗吐下和(かんとげわ)”というのがあるのだが、この内の“汗吐下”の治療法を使えない患者に用いるのだ。
     “汗”とは「汗をかかせて熱を下げる」こと、“吐”とは「吐かせて毒(原因)を取り去る」こと、“下”とは「排便させて毒(原因)を取りのぞく」ことである。
     つまり、これらの治療法では患者の体に負担がかかる事が懸念される時に、「和をもって癒す」訳だ。
     もっと、ぶっちゃけて言ってしまうと、どうにも適した治療法が分からない時の“最後の頼み綱”として用いる。
     そう言えば、私も最近の持病の喘息が良くならなかった時に小柴胡湯を飲んだら効果覿面であったな。
     風邪を例にばかり挙げたが、講習会では和解剤を用いる症例として『肝胃不和(かんいふわ)』などについても述べられた。
     『肝胃不和』とは、読んで字の如くで肝臓と胃の相互の働きが悪くなった状態の事である。お酒を飲みすぎると、肝臓を過労させてしまい胃を痛めてしまうのも、この症状だ。
     一般的によく飲まれている胃薬は、漢方薬の安中散(あんちゅうさん)と同じ成分が入っていたりする。消化剤などが該当する。
     ところが安中散の効能は、胃を温める事で治療するため、胃炎には向かない。
    冷たい物の飲みすぎや食べすぎで胃の働きが弱っている時に限定されなければならないのに、手軽に入手できるせいで間違って買われるケースが後を絶たない。
     では、胃炎の場合は何が良いかというと、黄連(おうれん)という生薬が入った漢方薬、黄連解毒湯(おうれんげどくとう)五苓黄解(ごれいおうげ)などだ。お酒の飲みすぎによる二日酔いなどの場合は、胃炎までいかなくても胃が熱を持っている事が多いので、安中散はタブーとなる。
     以前の日記で、やはり胃薬として用いられる事の多いガスターが胃酸過多以外の症状には合わないように、胃薬は店頭で簡単に入手できるが、安易に選ばない方が良い。
     簡単な見分け方としては、温かいお湯を飲んで胃が落ち着く時は胃が冷えていて、温かいお湯を飲むと胃がむかつく時は胃が熱を持ってると判断して良いだろう。ただし、これもまたあくまで判断材料の1つに過ぎないという事を肝に銘じておいてもらいたい。
     帰りに新宿で奥さんと待ち合わせをして、映画『ターミネーター3』を観に行った。女性は1,000円で観れるので(笑)
     http://www1.t3-jp.com/

     ここから先は、ネタバレがあるのでこれから観に行く人は翌日の日記まで飛ばしてもらいたい。
     実のところ、この作品は各方面から試写会の段階で評判が悪かったので、あまり気乗りしなかった。
     だから、気持ち的には奥さんのお付き合いで、しょうもない内容だったら寝てりゃいいやと思っていた。
     それからすると、概ね満足のいく作品だった。
     予想通り、2作目を越える事はできなかったし、観ている途中も「おいおい、ちょっと待てよ」とツッコミを入れたいシーンもあったのだが、ラストでスッキリとまとめてくれたので不快感は無い。
     そして、純粋にエンターテインメント作品として観れば、映画館で観る価値はあった。
     物語はというと、サラとジョンが世界を救った時から10年後。
     すでに予告された“審判の日”は過ぎて自分の使命を果たし終えたと思ったジョンだったが、本当に“審判の日”を回避できたのか不安な日々を送っていた。
     その予感は的中して、ジョンと未来で部下となる人間たちを抹殺するために女性型ターミネーターT-Xがやって来る。
     もちろんシュワルツェネッガーが演じるT-800が、ジョンを「生かす」
    ように「命じられ」て助けに来るのだが、途中で中学時代のクラスメイトの女性ケイトと出会い、一緒に逃げる事になる。
     そして、前作で破壊したはずの人類を滅ぼすスカイネットがまだ生きている事を知り、スカイネットを破壊するために軍の施設に向かう。
     もともと3作目は予定されていなかったのだから、強引な辻褄合わせとも言える展開が続くが、前作を知らなくても理解できる範囲に収めていて、その点は上手いと思った。
     それに格闘シーンが、最近は『マトリックス』などで良く観るようなストップモーションもハイスピードなども使わずに、ちゃんと重力を感じる描き方をしていたのも好感が持てる。
     でもなぁ、最初にジョンたちが逃げ切った時にT-Xは追いかけなかったのに、何故か墓地ではジョンたちを追いかけたりと、行動に一貫性が感じられなかった。何か意図があったのかな。
     それと、ケイトがジョンの将来の妻になるという設定をより際立たせ、かつケイト自身に戦う理由を持たせるために、ケイトの婚約者がT-Xに殺されるシーンを入れていたと思うのだが、父親まで殺すなら必要なかったのではないかと思ってしまった。
     婚約者が死んだ事を知って悲しむケイトに、ジョンが「どうしようもない事もある」というような慰めの言葉をかけていたが、傍(はた)から観てると印象悪いぞ(苦笑)
     インターネットが普及した現在では、オチは薄々と分かったので“どんでん返し”という程では無かったものの、主人公ともども脱力させてくれる演出は悪くなかった。ただ、そこでいきなり決意を固められても、「大丈夫か?」と言いたくはなったが。
     観客として醒めた目で見るとそう思えるだけで、彼にとっては現実な訳だからそれでもいいのか。
     そして今回のラストからすると、今回の作品によって“ターミネーター=シュワルツェネッガー”という枷がはずれて、同じ世界の中の別なストーリーで作品が創られる事になるのではないかという気がする。
     観たいような観たくないようなσ(^◇^;)。 
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    ◆7月17日(木)/2003年◆
     お店に出てビックリ。
     今度のマックスファクターの新製品を展示する組み立て式の厚紙製の台が壊されている。
     一昨日到着して組み立てたばかりなのに。
     イタズラでもされたのかと思ったら、昨日祖父が捨てるのだと思って壊してしまったのだそうな。
     しまった~。いくら爺ちゃんが片付け魔でも、まさか新品の台を捨てようとするなんて思いもしなかった。
     新製品の発売は21日にせまってるし、もうマックスファクターから同じ台はもらえないし、これが無いと新製品を並べられないしで、お母んが寝込んでしまった( ̄▽ ̄|||
     13日に自宅を出たまま行方不明になっていた東京都稲城市の市立小学校6年生の女の子4人が無事に保護されたとのニュース。
     詳細はまだ不明だが、赤坂のウィークリーマンションに監禁されていて、1人が脱出に成功して近所の人に助けを求めた事から警察が保護したらしい。
     監禁されていた女の子たちが手錠をかけられていたというのも不気味だが、そこまではよくある話。(そうか?)
     さらに不気味なのは、仕切りのある隣の部屋で男が1人死亡していたという。
     しかも、練炭入りのビニール袋を顔に被せてあったとか。仲間が殺すにしても普通の殺し方ではない。なぜ、刃物を使って即死させなかったのか。
     子供達が無事に保護されたことから(心に傷は負っただろうが)、みんな“安心”して事件の推理を楽しめるみえて、長崎県での中学生による幼児誘拐殺人事件よりもさらに盛り上がってるのがナントモハヤ。
     せっかく世界水泳シンクロで金メダルを獲得した選手たちが話題にならず、なんだか可哀相である。
     巽さん、鈴木さん、米田さん、原田さん、藤丸さん、川島さん、渡辺さん、北尾さん、全然知らないけどお疲れ様でした。
     テレビで観ただけだけど、確かに素晴らしい演技で感動しました。
     いや、ホントに。
     友人から勧められて、ビデオで映画『ギャラクシークエスト』を観た。
     http://www.uipjapan.com/galaxyquest/

     『スタートレック』のような宇宙船が画面に現れるものの、その造りはなんともチープ。画面サイズもテレビサイズ。
     いったいなんなんだと思っていたら……。
     いや、笑った笑った。笑い通しで、お腹が痛くなった。誇張ナシに(⌒▽⌒)
     どうしてオープニングがテレビサイズだったかというと、設定がテレビドラマだったのだ。つまり、テレビで放送されていた番組のシーンが導入部なのだ。
     そして、その番組は宇宙を舞台にしたSF作品で20年前に打ち切られたものの未だに熱狂的なファンに支持されていて、その作品のファン大会で番組の出演者である主人公たちが舞台挨拶をするシーンへと変わっていくのだ。
     しかし、舞台に立つまでに主人公たちは愚痴をこぼしたり、お互いを罵ったりと険悪な雰囲気。
     例えば、主人公たちは宇宙探査局の宇宙船プロテクター号の乗組員という設定なのだが、女性隊員役のグエン・デマルコ(なんと演じてるのはシガニー・ウィーバー!)は、「インタビューされても誰も私の役の事なんて聞かないのよ! 聞かれるのは、いつもバストのサイズばっかり」と怒り、異星人役を演じているアレックス・デーンは「私は名優。リチャード三世を演じたんだぞ。……それがこのざま」と嘆くのである。
     ところが1人、艦長役のジェイソン・ネズミスだけは、嬉々として演じている。売れない役者でもある彼は、ファンにもてはやされるのが好きなのだ。それが余計に他の出演者たちの反感を買ってしまう。
     それでも、プロの役者としてファンの前に出ればみんなファンサービスをするものの、会場に来ている熱狂的なファンの中に本物の異星人が紛れ込んでいた事から物語は思わぬ方向に展開していく。
     実は、その異星人は主人公たちが出演していたテレビドラマを歴史的なドキュメンタリーだと思い込んでいて、他の異星人からの侵略の危機を救ってもらいに来たのだ。
     かくして主人公たちは異星人たちが造った、出演していたテレビドラマに出てくるプロテクター号と同じ形と能力を持った宇宙船に乗り込み、本物の宇宙戦争に巻き込まれていく事になる。
     この物語展開だけでも面白いのだが、「痒いところに手が届く」とでも言うのか、いわばテレビドラマを茶化したパロディネタも盛りだくさんで飽きる事が無い。
     どうして主人公たちが異星人の宇宙船が操縦できるのかというと、異星人の方が観ていた主人公たちが出演していたテレビドラマを元に制作していたからだし、その宇宙船の中の通路には何故か罠とも言える仕掛けが施してあって、グエンが「このシナリオライターは死ね!」などと毒づく。
     一番笑ったのは、自爆装置が作動してしまい、それを止めに行くシーンだ。
     さすがに宇宙船の内部構造を知らないジェイソンは通信機で地球にいる熱烈なファンに連絡を取り、自爆するのを阻止する方法を聞きだす。
     つまり、熱烈なファンなら番組の出演者が知らないような細かい設定を知っているという事をネタにしているワケだ。
     そして、いざ自爆装置のタイマーを停止させようとしてみても止まらない。いったい何故か!? 果たしてどうなるのか!?
     言えない言えない、もう言えない。
     もしこれから観る人がいたら、一番笑えるこのシーンは実際に観てもらいたい。確かに、あの異星人たちが造った宇宙船なら、「そーゆー仕掛け」になってるわと納得(笑)
     なんでこの映画が劇場公開時に話題にならなかったのか不思議なくらいだ。
     高い金を払って『マトリックス』なんかを観るくらいなら、この作品を観た方が断然お得である。
     『ターミネーター3』と比べても遜色ない。内容的には、比べるようなもんじゃないけど(^^ゞ
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    ◆7月18日(金)/2003年◆
     とりあえず、マックスファクターの新製品を置く台の残骸はあるので、使えそうな部分を集めて修復。
     やってはみるもんで、なんとか使えそうである。
     紙だから壊しやすいわけだが、直す材料も紙なので。
     しかし、結構頑丈な造り。よく爺ちゃん1人で壊せたなと、妙な感心。
     女の子4人が無事に保護されたニュースの続報。
     どうやら、死亡していた男性は自殺らしい。
     動機は良く分からないが、自殺するのに女の子を巻き込むなよ。
     でも、一酸化炭素中毒で自殺するのに女の子たちを道連れにしないように自分だけビニールを被ったそうだから、偉いぞ。(←誤記)
     一方、事件に巻き込まれた女の子たちのうち3人は以前にも渋谷で女性に声をかけられて掃除の手伝いをしてお金をもらっていたらしい。
     そこで今回も友達をさそってバイトでお金を稼ごうと思っていた模様。
     今回は当然のことながら犯罪の方がクローズップされていて、学校関係者なども「危ないところには近づかないように指導したい」と言うような事を発言していたが、子供たちの教育だけではなく子供達が“安心して働ける”仕組みも作っていくべきではないだろうか。
     現在、子供は自由に働く事ができない。芸能関係など、ごく限られた分野で特例として働く事が認められているばかりである。
     これは、日本自体が貧しい頃に貧しい家庭の子供が不当に労働させられる事を防ぐための措置だった。
     外国では、やはり貧しい子供たちが新聞売りや靴磨きなどをしている。現在の日本人の感覚からすると可哀相だと思えるが、しかし別な視点で見ればそうゆう子供たちは早くから商売を通じて他人との接触を学んでいるとも言える。
     一方、日本でも法的には検挙の対象にはなっていないが、自営業の家庭では子供が家の商売を手伝うという事がある。私も、幼い頃はお店の手伝いをしていた。(大抵は邪魔していたとしか思えないが)
     家の商売を手伝った子供が特別優れているなんて事は無いが、少なくとも「おべっか」は上手くなるだろう(苦笑)
     いろんなお客さんと接する事で、「世の中には変な人もいる」という事を学ぶ事ができたのは、おおいに役に立ったと私は思っている。
     そこからすると、子供たちが働ける環境を整えるのは将来の日本のためにもなるのではないだろうか。
     学校で勉強し、働いてお金を稼ぎ、余暇で遊ぶ。社会の仕組みの中で子供が育つ環境というのは理想的だと思うのだが。
     今の一般的な環境では、学校で勉強をしてお金は親からお小遣いとしてもらい、楽して得たお金で遊ぶという事になってしまう。
     お金は楽して得るものだと思ってしまえば、正規に働く先が無いのだから、いかがわしい所で楽して稼ぐという事になるのも当然の成り行きだと思う。
     行政が子供を受け入れてくれる店舗や企業を審査のうえ登録し、子供が働く事を希望している家庭で親が申請すれば親の勝手による不当な労働でないか面接のうえ調査し、子供が働き始めてから追跡調査して子供の安全を確保する。
     仕組みとしては、少し複雑になるが、子供にただ口だけで注意を促すよりは、よほど効果があるのではないだろうか。
     湿疹用のスプレー剤を求めてお客さんが来店。
     あいにくと同じ製品は扱っていなかったので、注文しましょうかと尋ねたが、無ければいいとの返答。
     薬の成分を見ると副腎皮質ホルモンが入っている。長期間使用したり、効き目が強かったりすると腎臓への悪影響もある。あまり長期間使うのは好ましくない。 
     その上、スプレータイプという事は背中など手の届かない部分の湿疹なのかもしれず、親が直接は患部を見ていない可能性もある。
     そこでもう少し、詳しく尋ねみたところ、患部は頭皮だとの事。
     しかも、オデキのような物だと言う。
     患部が頭皮ならば、やたらと広がってしまうスプレータイプより、ピンポイントで狭い範囲に塗布できるローションタイプの方が良い。
     そして、もし本当にオデキだとしたら湿疹とは使う薬が正反対だ。
     しかし、本人は痛がっていない事や、髪を染めていて地肌が赤っぽくなってるらしい。それなら、湿疹だと思って間違いないだろう。
     とりあえずそれらの事を説明すると、ローションタイプの効き目の弱い(つまり副作用の弱い)湿疹用の薬を買っていった。
     やはり、尋ねておくもんだ。
     元衆議院議員の辻元清美氏が国から秘書給与をだまし取っていた疑いで逮捕されたとのニュース。
     辻元氏も菅直人氏と同じように、市民運動家から政治家に転向したが、どうも市民運動家は脇が甘いように思える。
     特に辻元氏は「船旅を通じて国際交流を深める」とか「反戦平和を訴える」というNGO団体『ピースボート』に関わっていたが、あれだってわざわざ他所(よそ)の国に行って迷惑をかけてくる活動をしている。
     “イイコト”を掲げているから批判しにくいのをいい事に好き勝手をやっているのが余計にタチが悪い。
     それは、「正義のためには悪い事もかまわない」……と思ってるくらいならまだいいが、やってる事が全て正しいと信じている“確信犯”みたいなものである。
     ちなみに、テレビなどで「これは“確信犯”ですね」という使い方の大半は間違い。おそらく、「悪い事と知りながらやった」事を確信犯だと勘違いしてるのだと思うのだが、正しくは「正しいと“確信”してやった」人の事を“確信犯”と言う。───まぁ、どうでもいい知識だが。
     とにかく、私としては、この手の手合いは市民運動家止まりでいてもらいたい。
     妙な正義感を持った市民運動家が政治家になって国政に関わる事ほど恐ろしい事は無い。
     それこそ、近所づき合いというモノを考えずに町内会で孤立を招くように、日本を世界の孤児にしてしまいかねない危険がある。
     だいたい市民“運動家”というのがオカシイ。“運動”になった時点で、それは“市民感覚”から乖離していく事になる。その事に気がつかないのが痛々しく、そして厄介な存在と言えるだろう。
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    ◆7月19日(土)/2003年◆
     子供の患者さんの処方箋がFAXで入った。
     幼児なのに、かなりの量と種類の薬である。こんなに飲めるのかと心配になる。
     しかし、いざ親が子供を連れてきてお話を訊いてみると、なんだか薬を飲むのが好きなんだそうな(苦笑)
     いや、まぁ先日などは口を絶対に開けなくて飲ませるのに苦労しているという患者さんの親の話を訊いていたので、ホントにいろんな子がいるんだなぁと。
     私はというと、子供の頃から店にある漢方薬はほとんど飲んでいる。イヤだね、どうも。
     今日は午後から介護講習会に出席するため、お昼前にお店を出た。
     JRの駅で、堂々とタバコを咥えたまま改札口を入っていった馬鹿者がいたので注意した。
     本人はこちらの顔も見ずに(怒鳴ったのでビビッたのか?)喫煙コーナーを指で指して「向こうで吸いますから」と言い訳していたが、そこまで吸い続けるつもりとは、なんとも図々しい。
     「消してから行きなさい」と言うと、「どこで」と不貞腐れるので(小学生かお前は?)、「足で消せばいいだろう」と言ったら意外に素直にその通りにした。
     ホッ=3
     なんだか、私が死ぬとしたら喫煙を注意して返り討ちにあってという事になるんじゃなかろうか。
     もっとも、友人たちに言わせると「その前に女に刺されるだろ」だそうだが。
     私もタバコは吸うだけに、マナーを守れない喫煙者がいると迷惑この上ない。
     『健康増進法』などがドサクサ紛れに成立してしまうのも、そうゆう輩のせいだと思うと腹立たしい。
     これで腹を立ててしまったせいなのか、それとも今日はツイてないのか。
     駅を出て会場に向かう途中で、中学生くらいの野球部の自転車集団と遭遇。
     しかも、歩道を2列で走行してきた。さらに、まったく避ける気配も見せない。
     つまり、歩行者がよけて当然とでも思ってるらしい。
     で、とりあえず一列で走行できる分には空けたのだが、そのまま突っ込んできてぶつけられてしまった。
     それも、次々とぶつかっておきながら誰一人として謝りもしないで通り過ぎていく。
     しばらくは我慢していたのだが、さすがに20人くらいを越えたところで我慢ができなくなり、ガッと走行中の自転車の生徒の腕を掴んで止めた。(ヤメレ)
     どこの学校かを尋ねると地元の幸並中学校の生徒だった。
     http://www.tachi-bana.co.jp/school2.html
     とりあえず今は急いでるので、学校に苦情を入れるのは後回し。
     説教をたれるのは嫌だし面倒なので、その場で解放した。
     しかし、幸並中に限らず中高生の自転車の乗り方は、かなり問題があるように思う。
     原因として思い当たるのは、自分もそうだったが学校での指導内容だ。
     対自動車やバイクからの被害を避けるために交通ルールを守るようには教えても、対人への加害者とならないようには指導された覚えが無い。
     私は自動車の免許こそ持っていないが、原付の免許を取るときには交通法規の教本は読んだ。
     一読すると分かるが、自転車は意外なほど規制が厳しい。
     本来は車道を走らなければならないし、横断歩道は降りて渡らなければならない。
     2人乗りは当然禁止だが、2列になって走行するのも禁止されている。
    「えっ?」とも思ったが、歩行者に対して警笛(ベル)を鳴らすのも禁止である。
     よく歩道で歩行者に自転車がベルを鳴らして道を譲らせたりする光景を目にするが、2万円以下の罰金だそうで意外と重罪なのだ。
     実際には違反行為と罰則とのバランスを取るために悪質なケースでなければ取り締まらないが(2人乗りなども大抵は口頭注意のみ)、本来は違反行為をしているのだと意識しておいた方が良い。
     例えば、歩道を走っていて歩行者にぶつかった時に、運悪く相手が転倒して怪我をすれば業務上過失傷害となる。今回のように謝らずに通り過ぎてしまえば、当て逃げとして罪がさらに重くなる。
     学校でも、そろそろそうゆう事を教えておくべきではないだろうか。
     そう言えば、小学生の頃には信号は「青は進め・黄色は注意・赤は止まれ」
    と教わったが、あれだって交通法規では「黄色は止まれ。ただし、停車する事で危険がある場合は進め」というように定められている。
     これもちゃんと子供たちに教えておかないとならないのではないか。
     誰だ? 最初に「黄色は注意」なんていい加減な事を言い出したのは?
     
     介護講習会の会場には、やや遅れて到着。
     今日の講習会のテーマは、『介護保険制度における住宅改修(居宅介護支援住宅改修)』についてである。
     講師は現役の医師で、まだ介護支援の制度が出来る前から、患者さんを在宅介護できるように相談に乗り、時には患者さんの家にも出向いて家の状況を調べたりという事をしてきたそうだ。
     介護保険制度の難しい点は、医療関係者だけではなく税理士や司法書士など、財産や法律に関する専門家も連携していかなければならない事だ。
     ちょっとした申請の不備で保険給付金が受け取れなくなったりする。
     そうなると、知恵を絞っていささか裏技的な方法を用いる事も、まぁ私からはお薦めはしないが考える必要があるだろう。
     例えば、福祉用具の購入費が1年間に10万円までを限度(1割は自己負担)に給付されるとした場合、現実的には10万円などあっとい間に越えてしまう。
     しかし、年度をまたいで購入して申請すれば………。
     これ以上は言えません( ̄▽ ̄)
     住宅改修の申請は、素人にはかなり敷居が高い。
     まず、介護保険居宅介護支援住宅改修費支給申請書を用意する。これは、市町村の役所や役場に行けばもらえる。
     問題は、その他の書類だ。
     住宅改修が必要と認められる理由書。これは、担当の医師に患者さんの状態を詳しく訊いて作成しなければならない。
     工事に関わる領収書および工事内訳書。これがなかなかに曲者で、材料なども細かく調べなければならない。本当にその材料を用いて工事したのか、後でかなり厳しく調査されるので、工事を依頼する工務店と綿密な打ち合わせが必要となる。ハッキリ言って、材料費や工事費の相場など普通の人には分からないので、よほど信頼できる工務店でないと心もとない。
     改修前・改修後の状態を確認できる書類(日付入り写真・図面)。特に忘れがちなのは改修前の写真だから要注意である。これが無いと、給付を受けられなくなるか給付額を減額されてしまう。
     それから、住宅の所有者が本人でないない場合は、所有者本人の承諾書。例え家族でも、本人の持ち家でなければトラブルの元になる事から、ちゃんと手続きをしなければならない。
     そして、これらをトータルでサポートしてくれるのが介護支援専門員(ケアマネージャー)である。
     今並べてみたように、医師や工務店など専門家の間を取り持って手続きをしてくれる。しかしそれだけに、依頼するケアマネージャー選びにはより慎重さが必要となる。
     引き受けるケアマネージャーも大変だが、患者さんの方も神経が磨り減る事このうえない。世の中善人ばかりではないから、いたしかたないところなのだが。
     ちなみに、上限額が20万円(1割は自己負担)の場合、給付されるのは1回限りとなる。もし工事費が安く済んでも、残金で他の改修も行うという事はできない。つまり、最初に詰め込めるだけ詰め込んで計画を立てた方が良い。
     できるだけ予算は低く抑えたいという国の方針は分かるが、もう少しフレキシブルでないと、限度額ギリギリまで申請する人が多くて逆に困るのではないだろうか。
     特に、リハビリ目的の在宅介護の場合は、なんでもかんでもバリアフリーにてしまうのは好ましくない。
     下肢の運動機能が衰えているからと家中の段差を改修してしまっては、脚の上げ下げをする機会が無くなってしまう。
     逆にリハビリに励んでも残念ながら、より身体機能が衰えてしまう事もありえる。その際には前回の残金が使えた方が良いはずだ。
     今後も制度の見直しが行われるはずなので、一般の人も積極的に意見を行政に出してもらいたい。誰のではなく、自分が必要とする時があるかもしれないのだから。
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    ◆7月20日(日)/2003年◆
     今日はSEのコンベンションである。
     http://www.snake-eyes.gr.jp/
     奥さんから解放されるので嬉しい(笑)
     しかし、体調はいまひとつ。昨日体が冷えて喘息が出てしまい寝不足なのだ。
     う~む、油断した。
     会場近くの駅で参加者を出迎えると、初参加の人もいて人数が予想より多かった。もしかすると、会場の方も人が多いのではないかと心配になる。
     しかし、会場に着いてみるとトータルの参加人数は経費ギリギリだった。
     まぁ今年は、イタイ参加者を締め出してマナー向上を目指してるので、あまり気にしない。
     むしろ問題は私。
     寝不足で頭がクラクラしていたのか、開会式の司会で何度かトチッてしまった。あうあう(>_<)
     元役員のS氏が久しぶりに参加。どのくらい久しぶりかというと、顔を忘れるくらい(苦笑)
     そんな訳で、コンベンションが終わってから会場の近くの居酒屋で打ち上げをしたのだが、参加者のマナーが悪くなっている事にS氏も困惑した模様。
     家に帰ると、九州地方での土石流災害のニュースをやっていた。
     昨日の夜に、特急が脱線転覆した事故のニュースをやっていたが、まさかそれが前哨戦だったとは。
     私の住んでいる所は、滅多に水害というものは起こらないが、子供の頃に旅行先で体験した事はある。
     河口湖の近くの旅館に泊まっていたのだが台風が上陸して、夜中の3時に館内放送で緊急避難命令が出たことを知らされ、タクシーで避難所へと向かった。
     その時にはすでに橋の上を川が流れている状態で、タクシーは小船のように川の水を掻き分けて進んだ。今考えると、よく流されなかったものだ。
     そして公民館で夜を明かして、帰ろうと外にでたところ公民館から2~3軒隣の家が流されていて街の中を川が流れていた。その光景は目に焼きついて今も忘れられない。
     帰る時の電車はものすごい混み様だったが、いつまで動いてるか分からないというお母んの判断でスシ詰めになって帰ってきた。
     家に着いてからテレビのニュースを見ると、帰りに乗った電車が通過した後に土砂崩れがあったとかで不通になっており、泊まっていた旅館が水没している映像が流れた。まさに危機一髪だったようだ。
     しかしそんな体験も、祖母には「あら、楽しかったわねぇ」と言われ、無事に帰ってきた後となっては、いい思い出である。
     今回の被害者の1人でも多くの無事を祈る。
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    ◆7月21日(月)/2003年◆
     ネットで毎日新聞のコラムを読んだ。
     ちょっと長いが引用しよう。
    「東京の閑静な住宅街で、塾帰りの小学生男児がいわゆる社会の窓を開けて歩いていた。すれ違いざま気付いた松田妙子さんが注意すると、思いがけぬ言葉が返ってきた。「この助平ババア!」▲今から21年前のこと。目がくらむようなショックを受けたのに、憤慨、失望しただけで済ませなかったのが、75歳の今も生涯学習開発財団理事長などを務める“怪傑オバサン”の面目躍如たるところだ。子供が変だ、と直感して、住環境が子供の成長に与える影響の研究を始め、住宅の社会史としてまとめて71歳の時、東大から工学博士号を取得した▲子供部屋は「文明の凶器」、が研究から得た結論の一つ。個室化で家族のコミュニケーションが損なわれ、子供は利己主義に陥る。密室が非行の温床にもなる。凶悪犯罪で補導された非行少年700人の生活環境を調べたら、ほぼ全員が自室を持ち、50人に1人は自室に冷蔵庫まで備えていたので驚いたという▲状況はその後悪化はしても好転はしていない。「子供部屋ができたせいで、しつけが満足にできないのが子供による犯罪多発の遠因」と松田さんは指摘、マイホームブームや持ち家政策が裏目に出た、と語る。とくに問題視するのは、玄関から居間を通らず子供部屋に直行できる住宅構造だ▲確かに、神戸の連続児童殺傷事件のように親の目の届かぬ子供部屋で残忍な行為にふけったり、犯行計画が練られたりしたケースは少なくない。新潟の女性監禁事件などは、狭い部屋を何人もで使っていた時代には想像もできなかった犯罪だ▲子供が親からどんどん遠ざかるように感じるのは、理解に苦しむ事件が相次ぐせいなのか。夏休みには親子が川の字になって寝て、個室の功罪を語らう機会も見つけたい。」
     ふぅ……それほど長い文章ではないが、読むのに疲れてしまった。
     言っちゃ悪いが、この“怪傑オバサン”がボケていない事を切に願う。
     いったいどんな研究をしていたら、こんな強引な結果が導けるのか。
     補導された非行少年700人のほぼ全員が自室を持ってると言うが、じゃあ逆に自室を持っている子供の何割が補導されるほどの非行を行ったかのデータを示していない。
     ようは普及率のことをまったく考えていないのだ。普及率が高まれば、犯罪者がソレを持っていたとしてもなんの不思議も無い。普及した中で犯罪にどれだけ使われたのかが問題のはずだ。
     例えばインターネットや携帯電話を利用した犯罪件数が増えていると言われているが、利用者の増え方と比べれば単に正比例している事が分かるはずだ。それは、ある意味正常な事だ。
     もし、普及率に対して犯罪利用が急上昇しているのであれば何か別の要素を疑うべきだし、普及率に対して犯罪利用が少ないのであれば何か犯罪を防ぐ手立てがあるのかもしれないと、さらに調査するべきだと思うが今のところ、そんなデータは出ていない。
     だいたい「子供による犯罪多発の遠因」と自身が述べているように、遠因でしかない。普通、遠因よりももっと大事なところに目を向けるんじゃないのかという素朴な疑問が浮かぶ。
     それでいて特に問題視しているのが、「玄関から居間を通らず子供部屋に直行できる住宅構造」と言うのだから、何をトンチンカンなと思わずにいられない。生活スタイルの事を忘れている。
     現代では両親が共働きというのも珍しくない。いくら子供部屋に行くのに居間を通る構造だったって、子供の方が先に帰ってきていれば同じ事である。
     逆に子供が塾にしろ夜遊びにしろ遅く帰ってくれば、親が先に寝室で寝てる事もある。居間で子供が帰ってくるのを待っていたとても、それで良い親子関係を保てる訳でもない。
    「夏休みには親子が川の字になって寝て」と文を結んだのは記者だが、それこそそんなモノは一時の親の勝手な満足でしかないだろう。
     私の実家はとりあえず居間の前を通るが、私も弟も個室があってあまり親とのコミュ二ケーションが取れていたとは言えない。
     しかし、である。
     ドアの前には、よくお母んのメモが張ってあったりした。オヤツの事や、出かける予定の事、時には私が好きそうなテレビ番組があるよと書いてあった事なども。
     興味のありそうな新聞の切り抜きや雑誌の切り抜きなどが置かれてる事もあった。
     私が言うのもなんだが、上手い距離の取り方だなぁと思う。
     顔さえ合わせていれば分かり合えるとか、親の気持ちは子供に伝わるなんていうのは幻想に過ぎない。
     なんとか子供事を理解しようとなんていうのは自分が育てたという驕(おご)りに過ぎない。
     分かり合えないもんは分かり合えないのだ。分かり合おうとして自分の気持ちだけ押し付けて勝手に失望して勝手に怒られては、子供の方だってたまったもんじゃない。
     分かり合おうとするよりも、距離を測ってゆく事の方が大事に思える。
     このコラムを読んで、勘違いした親が子供との距離を測ることを怠って、ますます離れてしまわないといいのだが。
     連休最終日で、だ~れも来ないので、ついついネットニュースを読み込んでしまった。
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  • 第13回 「食事が原因になる病気PartⅡ」

    食事の不節制がおこす病気と、それを調節する漢方薬

    食事の不節制は、脾や胃腸を障害します
     飲食物は、脾や胃腸によって消化・吸収され、気・血・津液をつくります。
     したがって食事の不節制は、脾や胃腸を障害したり気・血・津液の生産や代謝を失調させ、ひいては全身に影響を与えます。
     しかし食事の不節制のしかたによって、どのように脾や胃腸が障害されるかが違ってきます。
     漢方では食事の不節制を、摂取量の不節制(過食や食べなさすぎ)、偏食(なまものや冷たいもの・辛くて熱いもの・油ものや甘いもの)、不潔なものの飲食などに区別しています。


    過食によっておこる病気

    過食は「食積」を起こします 一般に過食(食べすぎ)とは、自分の脾胃の消化・吸収能力を超えた量の飲食物を摂取することをいいます。
     たまに一度や二度暴飲暴食をしても、脾胃の機能はすぐに回復しますが、過食がたびかさなると、消化・吸収もされず、排泄もしきれなかった飲食物が蓄積してしまいます。
     そして、この蓄積したものを「食積(しょくせき)」または「食滞(しょくたい)」といいます。
     子どもは食欲を自制して食事をコントロールすることが困難なため、比較的食積をおこしやすく、これをとくに「疳積(かんせき)」といいます。
     また、生活習慣が夜型になって、深夜寝る前に食物を口にする人が増えていますが、これも消化が悪く、食積の原因になります。
     食積があると、お腹や胃の膨満感・腹痛・胸やけ・ゲップ・悪心・嘔吐・油ものなどの臭いをかぐと気分が悪くなる・酸っぱい水が口に上がる・大便がスムーズにできらない・舌の上に厚い苔がつくなどの症状がおきます。

    食積を治す漢方薬

    食積には「消食剤」を使用します
     食積には、消化を促進して滞っている食積を排除する「消食導滞(しょうしょくどうたい)」という方法で治療しますが、漢方薬では「消食剤」という分類の処方を使用します。
     代表的な漢方薬には、次のものがあります。
    1.保和丸(ほわがん)…過食による消化不良に用いる、もっとも代表的な処方です。食積の説明で紹介した症状のどれにも有効です。
    2.木香檀榔丸(もっこうびろうがん)…保和丸よりも腹に熱がたまって、お腹の脹りや痛み・下痢または便秘などの症状が強まり、舌の上の苔が黄色くない人に使用します。
    3.枳述丸(きじゅつがん)…食積が慢性化したために脾胃の機能が低下して、食欲が減退しはじめた人に使用します。


    食べなさすぎによっておこる病気

    飲食物の摂取量が少ないと、気血が不足します
     現代の日本は豊かですから、一般的には食事が取れないということはほとんどありませんが、女性がウェイトコントロールのために食事を制限することはよくあることです。
     飲食物を取る量が少なすぎると、栄養分の絶対量が不足して気・血が充分につくれなくなり、疲れやすい・倦春感が強い・頭がボーツとする・めまい・立ちくらみ・息切れなどの症状が現れます。
     そしてこの状態がさらに悪化すると、脾胃の気も不足して消化機能が低下し、今度は本当に食べられない「拒食」状態になってしまいます。

    拒食を治す漢方薬

    拒食には脾胃の気を補う「補気剤」を使用します
     まだ気・血の消耗は少なく、ただウエィトコントロールのために食事を制限している人の場合は、無理をしないようにアドバイスするだけで、あえて漢方薬で治療する必要はありません。
     しかし「拒食」状態になると、脾胃の気を補って消化・吸収機能を活発にする「補気健脾」という治療をして気・血の生産を促してあげないと、自力では回復することができません。
     補気健脾に使用する処方は、「補気剤」に分類されています。
     代表的なものには、次のものがあります。
    1.四君子湯(しくんしとう)…補気剤の代表的な処方です。
     顔色が白い・立ちくらみ・倦怠感が強い・食欲不振・軟便で下痢しやすい・息切れしやすい・脈に力がない・舌の色が淡いなどの症状に使用します。
    2.補中益気湯(ほちゅうえっきとう)…四君子湯を使う症状に加えて、気・血が頭に昇らずめまい・脱肛がおきたり、気が消耗して微熱がでているようなタイプに使用します。私は、これが手放せません(^_^;)
    3.帰脾湯(きひとう)…四君子揚を使う症状よりさらに血の消耗が激しく、動悸やめまい・月経過多・無月経・不眠などの症状をともなうタイプに使用します。


    なまものや冷たいものの偏食によっておこる病気

    なまものや冷たいものは、お腹に「寒湿」をためます
     冷たいものばかりを好んで食べていてお腹を冷やしてしまった経験は、誰もが一度や二度はあることと思いますが、漢方では生物(なまもの)も同じように冷えの原因になると考えます。
     したがって、日頃から生野菜・さしみ・清涼飲料水などを好んで飲食していると、しだいに「脾陽(ひよう)」(脾胃を温めて運化機能を活発にする陽性の気)が障害されて、胃腸内に「寒湿(かんしつ)」といわれる冷たい水分が停滞してしまいます。
     寒湿が胃腸に停滞し脾陽を障害すると、胃やお腹が冷えて痛んだりつかえる・食欲の減退・軟便・口から清水があふれでる・頭や体が重だるい・手足の冷え・むくみ・舌に白くねっとりした苔(白朕苔)がつくなどの症状がおきます。

    胃腸の寒湿を取り除く漢方薬

    胃腸の寒湿には「社湿剤」を使用します
     胃腸に停滞した寒湿を取り除くには、脾胃を温めながら湿を乾燥させたり除去したりする「燥混和胃」や「温化水湿」という方法で治療を行います。
     使用される漢方薬は「去湿剤」に分類されるもので、代表的な処方には次のものがあります。
    1.平胃散(へいいさん)…寒湿が脾胃に滞って、胃痛・胃腸の膨満感・食欲減退・悪心・嘔吐・軟便・身体が重い・舌に自蹴苔がつくなどの症状に使用する処方です。
    2.苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)…胃腸に停滞した寒湿がみぞおちから胸脇(きょうきょう)に影響して、動悸・みぞおちや胸脇のつまり・息切れなどの症状が現れる人に使用します。
    3.真武湯(しんぶとう)…平胃散のタイプより脾陽や腎陽の衰退が著しく、上肢や下肢の冷えやむくみ・下痢などの症状が顧著に現れている人に使用します。
    4.香砂六君子湯(こうしゃりっくんしとう)…平胃散のタイプより脾気の衰退が著しく、食欲不振・倦怠感・疲れやすいなどの症状が顕著に現れている人に使用します。そのほか、五苓散(ごれいさん)・理中丸(りちゅうがん)・二陳湯(にちんとう)なども使用することができます。


    熱くて辛いもの(辛辣)の偏食によっておこる病気

    辛辣の偏食は、水分を乾燥させて熱状態を起こします
     キムチやカレーのような熱くて辛いものを「辛辣(しんらつ)」といい、身体を温める作用がありますが、反対に食べすぎると水分を乾燥させて熱状態をおこします。
     したがって、これらばかりを偏食していると、胃や腸に熱がこもり乾燥して潤いがなくなるために、口渇(のどが渇き、水分を欲する)・胸やけ・口臭・歯痛・歯ぐきの出血・胃痛・便秘・痔出血・舌は赤く黄色い苔がつくなどの症状が起きます。

    胃腸の熱や乾燥を治す漢方薬

    胃腸の熱や乾燥には「清胃熱剤」や「潤燥剤」を使用します
     胃腸の熱(「胃熱」という)や乾燥を取り除くには、胃腸を冷やしたり乾燥を潤したりさせる「清胃潟火」や「滋陰潤燥」という方法で治療します。
     使用される漢方薬は「清胃熱剤」や「潤燥剤」に分類されるもので、代表的な処方には次のものがあります。
    1.清胃散(せいいさん)…胃の熱が顔や頭に上昇して、前頭部の頭痛・口渇・胃痛・胸やけ・歯痛・歯ぐきの出血・口臭・舌は赤く黄色い苔がつくなどの症状に使用します。
    2.玉女煎(ぎょくじょせん)…清胃散を使う症状より潤いが少なく乾燥が著しい人に使用します。そのほか糖尿病で喉が渇きお腹がすいてしようがない人は、胃熱が強いタイプの糖尿病であり、この処方の適応範囲になります。またこのタイプの糖尿病で比較的初期の人には、白虎加人参湯(びゃっこかにんじんとう)がよく用いられます。
    3.増液承気湯(ぞうえきじょうきとう)…熱によって胃腸の潤いが失われ、便が乾燥してでなくなった便秘に使用します。

    4.槐角丸(かいかくがん)…胃腸の熱が下がり、肛門が腫れて持出血をおこしている人に使用します。


    肥甘厚味(油もの・甘いもの・味の濃いもの)のものの偏食によっておこる病気

    肥甘厚味のものは、お腹に「湿熱」をためます
     油もの・甘いもの・味の濃いものを「肥甘厚味(ひかんこうみ)」といいます。
     日頃、肥甘厚味のものやお酒を好んで多量に飲食していると、しだいに胃腸に湿気と熱が結合した「湿熱」という不要物が停滞してしまいます。
     湿熱が胃腸に停滞すると、胃部のつかえ・お腹の脹りや痛み・むかつき・顔や肌が黄色くなる・大便がねばつく・小便が黄色い・身体が重くだるい・分泌物の多い湿疹ができやすい・口がねばる・舌に黄色くねっとりした苔(黄朕苔)がつくなどの症状が現れます。

    胃腸の湿熱を取り除く漢方薬

    胃腸の湿熱には「清熱社湿剤」を使用します
     胃腸に停滞した湿熱を取り除くには、胃腸を冷やしながら湿を除去する「清熱去湿・和胃」という方法で治療します。
     使用される漢方薬は「清熱去湿剤」に分類されるもので、代表的な処方には次のものがあります。
    1.連朴飲(れんぼくいん)…湿熱が胃腸に潜伏して、吐いたり下痢したりする・胃や胸がつかえてむかつく・舌に黄膩苔がつく・小便が黄色くなるなどの症状に使用します。
    2.黄連五苓散(おうれんごれいさん)…これはよく二日酔に使われる処方で、水湿を除去する五苓散と清熱解毒の作用がある黄連解毒湯を合わせたものです。半夏潟心湯(はんげしゃしんとう)も代用されます。
    3.棋実導滞丸(きじつどうたいがん)…湿熱を発生する飲食物がお腹に停滞して、胃やお腹が賑って痛む・下痢または便秘をする・舌に黄膩苔がつくなどの症状に使用します。
    4.茵陳蒿湯(いんちんこうとう)…黄疸・お腹が少し脹る・口渇・小便の出が悪い・皮層のかゆみ・舌に黄膩苔がつくなどの症状に使用します。
    5.健脾丸(けんぴがん)…棋実導滞丸を使用するタイプが慢性化したことによって脾胃の機能が減退し、食欲不振・胃やお腹のつかえ・下痢などの症状を起こしている場合に使用します。


    不潔なものを飲食した場合

    不潔なものを飲食すると、食あたりや食中毒を起こします
     不潔なものの飲食とは、食当たりや食中毒などにあたるものです。
     漢方でも芍薬湯(しゃくやくとう)や白頭翁湯(はくとうおうとう)などの処方がありますが、これについては伝染病などの問題もあり、現代医学の処置を必要とすることが多いので、ここでは割愛することにします。
     ただし、これによって体力が著しく消耗し回復が思わしくないような人の場合は、漢方の出番となりますのでご相談下さい。