処方された薬を使わない心理とは? 患者さんの考えてることが分からなくて困惑

 お客様から胃もたれの相談を受けたので、胃薬の棚を案内したけれど、何か病院から薬が処方されているというため尋ねると「カプセル」とのお返事。
 うーん、この(^_^;)
 よく、降圧剤を処方されているお客様が「普通の血圧の薬」と言うけれど、その薬が身体の中で何をしているのかが重要。
 血管を拡張して下げているのか、血液をサラサラにして下げているのか、利尿作用で排泄して下げているのかによって、他の薬との影響が変わる。
 それを調べるためには、正確な薬の情報が必要なのだ。
 中には薬の名前を覚えている人もいるものの、濃度によって薬の働き方が変わる場合もあるから、結局はお薬手帳が一番の情報源となる。
 そう説明しながら、影響しにくいであろう候補として『セルベール整胃錠』と『ギャクリア』(六君子湯)を紹介すると、ようやく処方されてる薬の名前を思い出された。
 胃潰瘍に用いる薬で、胃粘液の合成と分泌を促進することにより、胃粘膜を保護するとともに粘膜組織を修復してくれる薬だった。
 ところが、お客様は市販薬を使うために飲んでいなかった。
 飲み合わせを考えてるのは正解なのに、処方された薬を使わないで市販薬を使おうとするのは不正解。
 どうして、そういう判断をしたのかが謎である。
 病院の薬のほうが効果が高いと考え、それを取っておこうと思ったのだろうか。
 すると、お薬手帳は持っていなかったけれど、スマホにお薬手帳アプリを入れていることが分かった。
 どうして先に、出してくれなかったのか……。
 そして内容を見せてもらうと、複数の薬が処方されていることが分かり、処方されてる胃の薬を先に使うことと、市販薬を何か使いたい場合には、まず調剤した薬局に相談するようお話して、お客様はお帰りになった。

「ホントは難しい胃薬の選び方」

「ホントは難しい胃薬の選び方」

 お客様から胃腸薬の棚を尋ねられて案内すると、自分で選ぶとのことだったが、しばらく近くをウロウロしていたら相談された。
 主訴は胃もたれだそうで、テレワークにより水分の摂り過ぎかもしれないとのことだったことから、水分代謝を調整してくれる『五苓散』を紹介した。
 しかし、あくまで自分で思うだけだからと現代薬を希望され、『太田胃散』はどうかと尋ねられたので、総合胃腸薬は様々な症状に対する全部入りで、かえって合ないかもしれないとお話すると、『大正漢方胃腸薬』に興味を示された。
 『大正漢方胃腸薬』は、胃の機能を調整して安らかにしてくれる『安中散』と、気持ちを落ち着かせて筋肉の痙攣を抑える『芍薬甘草湯』を組み合わせているから、良いかもしれませんと答えてお買い上げいただいた。
 そして、お湯と水での簡易的な鑑別方法を教えた。
 温かいお湯を飲んでジンワリと気持ちよくなるようなら、胃の冷えや疲労が原因と考えられ『安中散』『六君子湯』のように、胃を助けることが症状の改善につながる。
 水を飲むと楽になるようなら、胃炎か胃熱を起こしている可能性が高く『半夏瀉心湯』か、現代薬なら胃酸の出過ぎを抑制する薬が適応する。

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