デリケートな目は、目薬さえも追い出します! でも、塗り薬を使った手で目をこすらないようにご注意を

 お客様からモノモライの相談を受けて、分包の『ロート抗菌目薬i』と瓶の『アイサット抗菌』を案内したところ、前者をお買い上げいただいた。
 モノモライになりやすいようなら瓶タイプで良いけれど、開封すると使えるのは1ヶ月程度。
 分包ならば、残った分はパッケージに記載してある試用期間まで保存しておける。
 ただ今回のお客様は、患部である下瞼の腫れは2週間以上続いていると分かったため、先に病院を受診するか、カレンダーに「この日を超えて改善しなかったら行く日」を決めて印をつけるよう勧めた。
 また、経過観察するためにも、病院に行った時のためにも、患部の写真をスマホで撮っておくようお話をした。
 そして、目薬の点し方を教え、体温を高く保つ工夫をすることも勧めた。
 デリケートな部分である目は、異物を追い出そうとする機能が充実しており、それは目薬でも同じこと。
 目薬を点して瞬きをすると薬液は睫毛によって侵入を阻止され、顔を起こしていると目の裏側から喉へと流してしまう。
 だから、目薬を点したら瞼を閉じて閉じ込めることが大事で、喉へと流れないように少し下を向く。
 目元から溢れた薬液をティッシュなどで拭ってしまう人がいるが、毛細管現象により吸われ過ぎて目に残らなくなってしまうから不要である。
 少し下を向いた状態なら、瞬きをしても今度は表面張力で睫毛に吸い付いてくれる。
 そのまま最低でも1分以上、できれば5分は目を閉じているのが望ましい。
 製薬メーカーの話によれば、抗菌目薬の抗菌作用は5分程度しか持続しないそうだ。
 つまり、この5分間が効果を高めるのに重要な時間となる。
 体温を高く保つというのは、菌の活動を弱めつつ免疫機能を効率的に働かせるためで、積極的に温かい物を飲み、入浴は湯船に入って、服装は下半身に厚着をしてお腹周りを保温する。
 もしシャワーしか無い環境であれば、背中に太い血管が通っているから、髪や体を洗っている間はシャワーに背中を向けて少しでも長く浴びるのが良い。

 やや高齢のお客様が『カユピットb』をレジに持ってきたけれど、目の周りが赤く、ヒアリングしたところハイビスカスアレルギーでノンステロイドだから選んだそうだが、『イハダプリスクリード』が効かなかったというため、確かにこちらの方が弱い局所麻酔が入ってるぶんだけ効果を感じやすいかもしれないと伝えたら驚かれてしまった。
 局所麻酔というワードで、怖がらせてしまったか。
 不味かったかなと思いつつ、目の周りに塗るのは良くても瞼や目のキワには勧められないことをお話したところ、「目には入れないわよ」と言われたけれど、安全面を考慮するとアレルギー用の目薬を使った方が良いと提案した。
 目薬を少し多めに点して、溢れた分を拭き取らずにそのまま伸ばしてしまうのだ。
 あくまで目薬として使いつつ、もともと目に入っても大丈夫な物だから、「目に入らないようご使用ください」と注意書きのある塗り薬よりは安全である。
 『カユピットb』と一緒に、『ロートアルガード』を購入された。
 お客様は、家の中に花を飾っていて発症し、医師の指導で庭に移したら落ち着いたそうだが、また庭いじりをしてなってしまった模様で、その話が長引いてしまった。
 看護師に塗り薬を瞼に塗ってもらったことがあるとのことだが、それは医師の監督下でプロがやることだから、家で素人がやると失敗することもあるとお話した。
 ありがちなのは塗った後、手を洗うまでの間に痒みでうっかり、薬剤の付いたままの手で目をこすってしまうことである。

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