お客様から『ダスモック』(清肺湯)を求められたけれど、主訴は咳であるものの、自身はタバコを吸わず、吸っている人から勧められたとのことだった。
そのうえ、病院の処方薬がイマイチとのことで持っていた現物を確認させてもらったところ、抗生剤の他に去痰剤と覚醒剤系の咳止めだった。
抗生剤の副作用で体内が乾燥することがあるし、胃炎を起こしていて、胃に被さっている肺が乾燥している可能性も考えられることをお話しして、併用できる咳止めの漢方薬で『麦門冬湯』を紹介すると購入された。
それからお客様は『葛根湯』を飲んでいて、さらに頭痛に『ナロンエース』を自己判断で使っていたというため、上半身を温める『葛根湯』は体内を乾燥させ、『ナロンエース』の副作用は胃の保護機能を落としてしまうことなので、両方ともが咳の原因になっているかもしれないと説明すると、「合わないことばかりしていたんですね」と言われた。
家にある薬を使う時によく分からなければ、電話で相談をして下さいと伝えた。
成人の親子が来店し、『エスタックイブファインEX』をレジに持ってきたさいにヒアリングしたところ、主訴は咳と痰だというので総合風邪薬ではなく、咳止め薬を提案して『ブロン錠エース』を紹介した。
すると、ご主人も風邪というお話だったけれど、主訴は鼻水のみというため鼻炎薬を提案した。
それでも結局、そのまま『エスタックイブファインEX』を購入された。
咳止め成分や解熱鎮痛剤が体内を乾燥させて咳の原因になったり、身体機能が落ちて鼻水を招いたりするから、実は総合風邪薬の扱いというのは難しい。
咳も鼻水も症状の一つにすぎないのだけれど、その一つでも現れるとすべて風邪薬でと考えてしまうのを、何とかしなければと思うものの、自分に何ができるか分からない。
だからこうして、一人一人の患者さんに地道に伝えている次第である。