薬の得手不得手を考えるために患者さんの情報が必要です

 子供を連れたお客様から『葛根湯』の場所を尋ねられ、売り場を案内したうえで、喉の痛みや咳、発熱には適応しないことを伝えると「効きが弱いんですね」と勘違いされたため、上半身を温めて治すので温めると具合が悪くなる症状には使えないと説明した。
 比較として上半身を冷やして治す『銀翹散』を紹介すると、常備薬にとのことで一緒に購入された。
 お客様には、『葛根湯』は家に置いておくより持ち歩いて、出先が寒かった時や具合が悪くなる予感がしたら早め早めに飲むのが効果的と伝えた。

 子供を連れたお客様から『ハナノア』を求められ売り場を案内したうえで、花粉症の対策には腸の働きを良くするために長めの入浴やお腹周りの方が大事なことをお話した。
 というのも花粉症は花粉を外敵と勘違いして攻撃をすることで起きる症状で、その敵味方の識別をしているのが腸だからだ。
 ヨーグルトが花粉症に効くと言われているのも、ヨーグルトが効くのではなく、腸の機能が正常になると敵味方の識別も適切に行われるようになって、花粉への攻撃をやめるんである。

 夫婦のお客様が来店し、痰の絡みに『響声破笛丸』で良いか尋ねられたが、奥さんからタバコを吸ってるという情報があったため『ダスモック』(清肺湯)を案内して、お買い上げいただいた。
 比較として上半身を潤して痰を出しやすくする『麦門冬湯』と、実際には痰が絡んでいないのに引っかかっている気がする「梅核気(ばいかくき)」の場合に気道を開く『半夏厚朴湯』を紹介した。

 高齢のお客様が、転んで顔を打ち付けたとのことで『キズパワーパッド』が使えるか訊かれたけれど、目の横に擦り傷程度だったので『ワセリン』で充分と答えると、実際に塗っているとのことだった。
 冷やした方が良いかも質問され、直後であればその通りであるものの、昨日の事だというため、患部が発熱していなければ骨も大丈夫と考えられることを伝えた。
 後で傷痕が気になるようであれば、別な薬を紹介しますと『アットノンEX』を想定して伝えた。

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