総合風邪薬で体力を落として本当の風邪になることも

 『パブロンSゴールドW』を購入されるお客様に症状を尋ねると、高校生の子供が鼻水と咳を訴えてるとのことだった。
 ただ、鼻水の色は分からず、でも咳はカラ咳のようであり、発熱は無いというから、胃炎の可能性をお話して『麦門冬湯』を紹介だけした。
 咳をしていると体力を消耗するため、体はエネルギーを欲して「お腹が空いた」という信号を脳が発信するけど、食欲があっても量を控えて消化に良い食事をさせるよう伝えた。

 お客様から、『ルキノンエース』が値引きしてある理由を訊かれ、リニューアルによるものですと説明したうえでヒアリングすると、鼻水と咳と痰が主訴とのこと。
 それなら、『ルルアタックNX』の方が適応しそうなので、そちらを勧めてお買い上げいただいた。
 処分品を買ってもらいたいというのもあるけど、安いからと主訴にそぐわない薬を買われるのも困るしね。

 『ルルアタックNX』を買われるお客様に症状を確認すると、鼻水と喉の痛みだとのこと。
 鼻水は透明だそうだから、風邪とは限らず内臓の冷えが原因考えられる。
 胃を悪くすると、水分代謝の異常により余分な水分を出そうと透明な鼻水になるのだ。
 そこからしたら、体を温めるだけで鼻水の方は改善してしまう可能性があるから、喉の痛み止めだけ、例えば『ペラックT』だけの方が体への負担も少ない。
 そう伝えたうえで、そのままお買い上げいただいた。
 鼻水が出たら風邪、喉が痛くなったら風邪、咳が出たら風邪、と一般的には考えられているけれど、それらの諸症状の総称を「風邪」と呼んでいるだけで、「風邪という病気は無い」から、起きている症状に合わせて対応したほうが良い。
 下手すると、起きていない症状の成分が含まれた総合風邪薬を体内で処理することが体に負担となり、その結果体力を落として、本当の風邪に移行してしまうこともあるので。

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