薬の使い分けを考える

 幼児連れのお客様が来店し、子供の顔中に虫に刺された痕があり、腫れが大きいことから受診勧奨をしたうえで、患部が目の近くにもあるため抗菌と抗炎症の『アルサット抗菌目薬』を塗る方法を提案した。
 合わせて、頬などはステロイド剤の『コートf MD』を案内した。
 皮膚疾患は、一つの薬で全部の面倒をみるより、患部の場所と状態によって薬を使い分けたほうが良い。
 病院には明日連れて行くというので、目薬のみをお買い上げいただいた。
 処方内容的には、頬など他の部位にも塗り広げて構わないことを伝えた。

 お客様から胃薬について質問を受け、成分による選択が風邪薬などより難しいことを説明した。
 風邪薬や鎮痛薬なんかは危ない飲み合わせがあるとボンヤリと認識している人は多いけれど、胃薬のほうが飲み合わせはシビアなんである。
 しかも、例えば同じ胃もたれでも、もともとは健康な胃の働きを助ける胃薬と、胃腸虚弱な人の胃の働きを助ける胃薬とでは、やることが違うのに、この両方の成分を配合しているなんていう物もあるのだ。
 お客様の主訴も胃もたれだったが、『パンシロン』や『スクラート胃腸薬』などは満腹感が出て合わず、『大正漢方胃腸薬』は効いた気がしなかったとのこと。
 ただ、『大正漢方胃腸薬』は合わないわけではなさそうなので、ストレスが思い当たるようならと、基本の『安中散』が同じながらも、対外的なストレス向けの『爽和』と、内因的なストレスに適した『太田漢方胃腸薬2』を紹介した。
 そのうえで、お客様は痩せ型で声も弱々しいため、現代薬と生薬を合わせた『スクラート胃腸薬S』か、『ギャクリア』(六君子湯)を試してみてはと提案した。
 本日は、お話のみでお帰りになられた。

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