使い方を間違えていて嫌がるケースもある

 『ワセリン』を求めて来店したお客様に用途を尋ねると、肌の乾燥にとのことで、使うのは初めてだそう。
 そのため、塗り方と入浴による血流改善、そして夏野菜を避けるようにお話した。
 よく『ワセリン』を「ベタつくから嫌だ」と避ける人がいるが、よくよく聞いてみると大抵は塗り過ぎである。
 ほとんどの人が、人差し指や中指の第一関節までで取った量を手の甲に塗り広げていたりする。
 それじゃ、ベタつくはずだ。
 手の甲の面積なら、小指の先の爪に引っ掛ける程度で十分。
 それを塗り拡げて30分から1時間もすれば、ベタつきなど感じなくなる。
 血流を改善するのは、皮膚の材料が血液で運ばれるから。
 体を冷やすと材料の運搬が滞り、荒れた皮膚の再生が遅れる。
 皮膚の再生が壊れる速さに追いつかないと、肌質が悪くなる一方。
 『ワセリン』を塗るのは水分の蒸発と、外部からの刺激を防ぐのに役立つ。
 しかし、皮膚の破壊と再生のプロセスを見てみると、実は「肌の乾燥」というのは錯覚で、保湿だけでは防げないんである。

 目の痒みを訴えるお客様にヒアリングすると、アレルギーは無いというお話だったけど、『アルガード』は使ったことがあるという。
 そして、爽快感は欲しいそうで、『サンテFXネオ』も使ったことがあるということから、アレルギーは無いという話と合わせて考え、ビタミンの補給は不要と判断。
 『サンテFXネオ』を勧めて、お買い上げいただいた。

 ご主人が、食後に必ず便意を催すという相談。
 こういう相談は、診察ができないドラッグストアーの店頭では判断が難しい。
 食材によるアレルギーの可能性も考えたが、毎食後とのことで、今回は旅行に備えてというお話から、水無しで飲める『ストッパ下痢止めEX』と『トメダインコーワフィルム』を案内し、後者をお買い上げいただいた。
 ただし、常用すると便秘になる可能性を伝えた。
 そして、体の機能が亢進しやすいのではないかと推測し、『桂枝加芍薬湯』を紹介した。

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