体に良さそうと思って飲みすぎないで

 『ロキソニン』を求めて来店されたお客様に、置いていないことをお話すると、特に決めている鎮痛剤ではないそうなので『バファリンプレミアム』を紹介してから、症状を尋ねると腰痛とのことだった。
 それで、以前に『バファリンA』は効かなかったと心配されたので、成分が違うことを説明した。
 また、腰痛の原因は子供を抱っこしていてなったそうで、強い痛みではなく鈍い痛みというお話だったため、『疎経活血湯』も紹介しておいた。
 ところが、実は病院で処方された心臓の薬を服用していて、その薬の内容は分からないという話が。
 なんで、そういう重要な話が後出しなの………(;´・ω・)?
 『ロキソニン』とは併用していたから「大丈夫」とお客様は言うけれど、それは成分が分からないと、なんとも判断できない。
 どうしても『バファリンプレミアム』は買っておきたいと、強く要望されて根負け。
 うう……、こんなことなら最初に『ロキソニン』をと言われた段階で、「ありません」と帰しておいた方が良かったんじゃあるまいか。
 担当医に報告するよう強くお話して、お薬手帳も持ち歩くように伝え、販売することに。
 なにこの負けた感じ(ノД`)シクシク

 あかぎれの薬が欲しいといらしたお客様に患部を見せてもらうと、指の関節部分がパックリ割れるほどで、仕事で水を使うのが原因であるらしかった。
 『ヒビケア軟膏』を案内したものの、仕事中は手袋もできないというお話だったため、仕事を終えたら軟膏を塗って、絆創膏で保護するよう勧めた。
 そして、体の中からの改善に『当帰四逆加呉茱萸生姜湯』が効果的ですと案内したところ興味を示されたので、漢方薬を処方してくれる近くの病院を紹介した。

 お客様から、家族の相談をまとめて受けた。
 こういう事は珍しいんだけど、以前に乾燥性の咳の相談を受けて『麦門冬湯』を勧めたところ、それが効いたとのことで信頼して頂けた模様。
 地道な努力の成果というところか。
 実のところ、治るかどうかはギャンブルなんですけどねσ(^◇^;)。
 まず、高校生の息子さんは受験を控え、『モンスターエナジー』を良く飲んでいて心配というお話。
 そりゃ、確かに心配だわ。
 なにしろ、カフェインなどの問題で、海外では健康被害の報告もある。
 

Screenshot of wooris.jp

 単純にカフェインでの眠気覚ましならお茶やコーヒーで充分ですし、栄養ドリンクのつもりなら『リポビタンJr.』の方がお勧めです。
 実は最近まで私も知らなかったんだけど、この『リポビタンJr.』は侮れない。
 タウリンの他に、カルシウムや刺五加などが入っていて、同じブランドで主力の『リポビタンD』なんかより、よほど内容が充実している。
 これを子供用にするなんて、むしろ勿体無いくらいてばないかと(笑)
 それと、風邪の予防に『柴胡桂枝湯』を案内した。
 そして、小学生の息子さんがサッカーをしていて、よく『ウィダーinゼリー』を飲んでいるとのこと。
 『エネルギー』と『マルチビタミン』の、どちらが良いか尋ねられたけど、そんなのどっちも駄目。
 とは強く言えず(小心者)、日頃の食事について質問したところ、肉類が多く野菜が不足気味だというので『マルチビタミン』の方を勧めたうえで、肉は牛肉よりも豚肉の方をと伝えた。
 それと、シチューなどであれば野菜も食べるようなので、ぜひその方法で摂らせるように提案した。
 あと、ご主人がタクシーの運転手で、口内炎を繰り返しているというお話から、『半夏瀉心湯』を案内した。
 すると、やはり胃を悪くしているようで、不眠気味でもあるようなので、『加味帰脾湯』を紹介すると、お買い上げ頂いた。
 3人分の話をまとめて聞くのは、さすがに疲れた(;´∀`)

 女性のお客様から、ビタミンC製剤は、どれが一番効くかと質問された。
 たいていは皮膚のシミ取りなどが目的だったりする目的を尋ねると、風邪の予防のためとのこと。
 その昔、おそらくお客様が生まれる前だけど、『メガビタミン説』というのが話題になっていた事があるなぁと、懐かしく思い出してしまった。
 一言で言うなら、ビタミンCを大量に摂取しておけば病気にならないという説。
 提唱したライナス・ポーリング博士は、93歳で前立腺癌で亡くなったらしいけど、メガビタミン療法のおかけで長生きしたと解釈するべきか、やっぱり癌にはなるんじゃんと解釈するべきか、評価に迷う(笑)
 そもそも風邪にビタミンCが有益に働くとすれば、ウイルスなどで荒れた粘膜の修復とか、細胞組織を再生するタンパク質の生成を促進したりと、「風邪をひいてからの回復」であって、水溶性で体に貯めておけないのだから、予防という観点では役に立ちそうにない。
 漫画などでのギャグとして、「イライラしている時にはカルシウムだぞ」というセリフも見かけるけど、あれはあくまでギャグだから。
 確かに、興奮した時に血液中にカルシウムが溶け出して鎮静作用を及ぼすから、カルシウムの補充は無意味ではないとはいえ、カルシウムが不足するからイライラする訳でも、カルシウムを先に摂っておけばイライラしなくなる訳でもない。
 漢方薬の『柴胡加竜骨牡蛎湯』『桂枝加竜骨牡蛎湯』のように、動物の骨が入っている物が鎮静作用があるとされているのは、栄養素を単独で摂取しても効果を発揮しないことの証左でもある。
 もっとも、気の持ちようで病気に掛かりにくくなったり、回復が早まったりというのはあるから、まったくの無駄ではないのが、人体の神秘という事にもなる訳ですが。
 いずれにしても、そもそも市販の医薬品に、「風邪の予防」が効能として認められている物は皆無なので、こればっかりは自身で体感的に、要するに好みで選んでいただくしか無い。
 個人的には、胃を助けて肝臓を養う『柴胡桂枝湯』を推したいところだけど。
 今回は、『ハイシー1000』を購入された。

 

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