薬の頼まれものは、患者さんの情報が伝聞だから油断できない

 子供を連れたお客様が『エスタックイブ』を購入されるさいにヒアリングしてみると、主訴はと喉の痛みでは少しというため、薬の効能にも喉の痛みがあることを説明して提案してみたけれど、不満そうにされたためそのままお会計した。
 いつも使ってて「よく効くから」と言われたので、止めの成分が麻薬と覚醒剤なので、その錯覚の可能性もあることを伝えると笑っていたけれど。

 子供を連れたお客様が『エスタックイブファインEX』をレジに持ってきたさいにヒアリングすると、奥さんがと微熱と喉の痛みがあり、3日以上経っていて家にあった同じ薬を飲んだという。
 微熱にイブプロフェンというのは強すぎるとも考えられるため、すでに3日も飲み続けているのなら総合薬ではなく、止め成分違いの『プレコール持続性せき止めカプセル』と、ノスカピンやトラネキサム酸などが入っている『ベンザブロックせき止め』に変更したらどうかとお話した。
 奥さんから頼まれたそうなので連絡が取れるか尋ねると、電話していただき本人に確認すると、3日前からではなく昨晩からで、家に残っていた一回ぶんを飲んだだけとのことから、そのままお買い上げいただいた。
 人からの伝聞だと、こういうことがあるから油断できない。
 食欲があっても内臓を含めて体を機能面から休息させるために、栄養を無理に摂ろうと胸に食事をしなくても良いと伝えた。

 お客様が『ルルアタック EX』を購入されるさいにの有無を確認すると、「良く効くから」とのお話だったが、主訴は喉の違和感だけというので、それに合わせて喉だけの薬の方が体への負担が少ないことを伝えた。
 覚醒剤と麻薬成分が入っているから効いたと感じることをお話しすると、驚かれた。
 覚醒剤系は喉を開いて呼吸をしやすくしてくれるけれど、同時に血圧が上がり心臓への負担がかかるし、体は不調でも脳は元気になったと勘違いして無理してしまい、ぶり返したり長引いたりするリスクがある。
 麻薬系はその反対で、を抑えるために呼吸を浅くし、心臓の拍動も抑えてしまい、気力も奪うので体の怠さを感じたり免疫機能の低下を招くうえ、保水機能を狂わせて体内がして便秘をしたり、それこそ咳の原因ともなる。
 両者が上手く拮抗すれば打ち消し合うかもしれないが、人間の体は機械ではないから、そんな都合良くバランスを取れるはずもなく、むしろ効果の違う薬が入ることで体のほうはビックリして、咳が出ていないようだと、ただただ体の負担になるばかり。
 お客様には、2~3日服用して主訴が改善しなかったら乗り換えを検討するよう勧め。
 実のところ主訴からすれば、患部を潤す『ストナ去痰カプセル』や上半身に保水する『麦門冬湯』、あるいは患部を冷やしつつ潤してくれる『龍角散ダイレクト』などが候補になるだろう。

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