一つ一つの市販薬はそれほど怖くはないかもしれないけれど、使い方が心配なのです

 お客様が『ルキノンエースα』を購入されたけれど、主訴は喉の痛みと熱感だというので、鎮痛剤を提案したところ「これだと下痢しない」とのお話だった。
 入ってる咳止め成分と鼻炎止め成分に腸の働きを鈍らせる副作用があるから、そのせいかもしれないとお話したところ、癌で胃を取ってるというため薬剤師や医師に相談してみるよう勧めたけれど、それ以上は何を言っても聞いてもらえなかった。
 直接的には問題は無いかもしれないが、他の薬についても同じ感覚で使われていると事故を起こす可能性が高まって心配。

 お客様が『ウット』を購入されるのでヒアリングしてみたところ、前にも使ったとのことだけれど、困っているのは夜中に目を覚ます中途覚醒というため、合わないかもしれないと伝えたが、時間を気にしてる様子で漢方薬を紹介できなかった。
 睡眠補助剤も成分によって系統が違ううえ、『ウット』は大脳皮質の機能を抑制させることで眠気を誘う薬を主体に、他の鎮静剤も加えてあるため体の機能そのものを低下させてしまう。
 そして中途覚醒は腎機能の低下が考えられるから、『ウット』を使い続けると、ますます中途覚醒の原因となりかねない。
 漢方薬では『牛車腎気丸』や『サモンエース』(知柏地黄丸)などが候補になるけれど、お客様の様子からすると精神面の影響がありそうだったから、『加味逍遥散』が使えるように思えたのだけれど。
 ちなみに、寝るまでに時間がかかる寝付きの悪いタイプは肝の問題と考えられ、『柴胡加竜骨牡蛎湯』とか『抑肝散陳皮半夏』のような漢方薬が候補となる。
 寝るには寝られても、ウツラウツラと意識があって寝た気がしないというのは消化器官である脾胃が弱っていることが多く、夜勤などで食事時間なども安定していない人には『加味帰脾湯』を勧めている。


 
 お客様が『アイボンうるおいケア』をレジに持ってきたけれど、目の痒みの他にホコリ取りに使うとのことで、抗炎症成分の多い『アルガード目すっきり洗眼α』を案内し、変更となった。
「立ってる者は親でも使え」との言葉があるように、立ってる店員は遠慮無く使って下さいと伝えた。

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