薬は正しく使わないと効かないこともあれば偶然に効いてしまうこともある

 夫婦のお客様が来店し、『GSリフェンダA』を奥さんが手にしていたけれど、詳しくお話を訊くとご主人がギックリ腰で、以前にもなったことがあり今回は昨日からというため、まず鎮痛効果の高い物を使って、痛みが軽減したら弱い薬に乗り換えていく方法を提案した。
 ただ今回は歩くことはできて座るときに痛むというため、フェルビナク製剤を勧め、『フェイタス5.0』をお買い上げいただいた。
 服用してる薬を確認すると睡眠剤が病院から処方されており、出張に行くとも言っていたので、貼り薬も内服薬と関係することがあることを説明し、お薬手帳を持ち歩くようお願いした。

 お客様が鼻炎薬の棚の前で迷ってる様子だったので気にかけていたところ、『アレジオン』と『フェキソフェナジン』などと、『パブロン鼻炎カプセルSα』などとの違いを質問された。
 前者は発症そのものを防ぐ予防薬で、後者は発症後の症状を抑える薬であることを説明すると、息子さんとご主人が一緒に『アレジオン』を使っていて、息子さんは効かなかったという。
 発症後の症状を抑える眠くなりにくいものとして『ロートアルガードクイックチュアブル』を紹介したうえで、親子では年齢が違い体質も同じとは限らないため、息子さんは今の症状を軽減してから改めて『アレジオン』を使ってみるか、成分違いの『フェキソフェナジン』を試してみるよう提案した。
 息子さんの今の症状はひどくないものの、実は『アレジオン』を毎日は飲んでいないかもしれないというため、1日2回の『フェキソフェナジン』より1日1回の方が良いかもしれないとお話し、『アレジオン』をお買い上げいただくことになった。
 『アレジオン』も『フェキソフェナジン』も予防薬として使うのが効果的だから、花粉が飛んでるかどうかに関係無く毎日通して飲まないと意味がないんである。
 また花粉症は腸の働きを整えると症状を軽減できることをお話したところ、以前に息子さんの下痢の相談を受け『桂枝加芍薬湯』などを案内したことがあると分かった。
 ううん、それでもまだお客様の方から最初に質問してもらう道は遠いのね。

 お客様がイヅミ製薬の『正露丸』を購入されるさいに、下痢止め成分が入っていて良いか尋ねたところ、胃もたれにも誰に使っているとのことだった。
 知人から渡されて使ってみたら調子が良かったというため、桂皮、黄檗、甘草、陳皮が効いていると思われることを説明した。
 ただ下痢止めとして入っているロートエキスは、胃腸の働きをわざと悪くすることで症状を抑えるものだから、むしろ入っていない大幸薬品の『正露丸』の方が良いと思われることも伝えた。
 いずれにせよ『正露丸』の効能に「胃もたれ」は入っていないから、『六君子湯』など他の胃薬にした方が良いだろう。
 いや、それよりも他人との薬のやり取りは気を付けるようお話した。
 小麦を食べると胃もたれになるというためアレルギー検査を勧めると、かかりつけ医からは大丈夫と言われたそうだ。

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