使う薬の特性を知っておきましょう

 やや高齢のお客様が『葛根湯』をレジに持ってきたさいに、喉の痛みや咳には適さないことを伝えたところ詳しく訊きたいとのことで、『葛根湯』は鼻水が出るときなど上半身を温めると楽になるときに適していることを説明した。
 そして、喉が痛むときなどには反対に上半身を冷やして治す『銀翹散』をと紹介した。
 するとお客様は、風邪気味になった時に『葛根湯』を飲んで元気になった気がするものの、その後に疲労倦怠感が現れ、朝方に喉が渇いた感じがするとのことだった。
 『葛根湯』は血行も良くするので気付け薬になる一方、体に無理をさせることにもなり、体内を乾燥させてしまいがちなことをお話して、上半身を潤すのに『麦門冬湯』を案内した。
 しかし疲労倦怠感の方が長く続いてるようだったため、『柴胡桂枝湯』の方を勧めて試していただくことになった。
 『柴胡桂枝湯』も胃の働きを助けて体に保水する作用があるので、口渇にも効果があるはずである。
 お客様からは、薬を買う時に説明を受けたのは初めてとのことで感謝された。

 『命の母A』を購入されるお客様に、念のため『命の母ホワイト』との違いを説明したところ、主訴はのぼせとのことだった。
 『命の母A』は精神的なイライラや不安感に適応し、『命の母ホワイト』の方は座ると立つのが億劫になるような肉体的な疲労に向いているが、のぼせであれば『命の母A』の方が適応するだろう。
 お客様に冷たい物を飲み過ぎていないか尋ねたところ思い当たるようだったため、お風呂で熱は上に昇り下が冷えやすくなることを例に、内臓が冷えると上半身に熱が篭りのぼせやすくなることを説明し、熱を循環させるために温かい物を飲んだり半身浴をするよう勧めた。

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