薬選びを人任せにしてはいけません

 『BTプラスV8クリーム』を購入されるお客様に、実際に菌が検出されたことがあるか尋ねたところ、調べたことはないという。
 そして踵が白くなって痒いとのお話が出たため、踵水虫向けの『エクシブ ディープ10クリーム』を紹介しようと思ったら、次のお客様がレジに並んでしまいできなかった。
 一人体制は、こういう時に困る。
 お客様の方から尋ねてもらえれば、案内もできたんだけどな。

 夫婦のお客様が来店し、奥さんが『ブテナロックVα』を購入されようとして症状を尋ねると、インキンに使うとのことだった。
 しかし菌の有無を尋ねた頃には、ご主人は他の売り場に移動されてしまっていた。
 自分の薬を買うのに、何故に無関心(^_^;)?
 薬選びを 同伴者に任せるというのはあまりお勧めできないんだけどな。
 奥さんに呼び戻してもらって、改めてご主人に確認すると股間が痒くなるものの、病院には行ったことがないとのこと。
 う~ん、使用上の注意にも「陰のうにかゆみ・ただれ等の症状がある場合は、湿疹等他の原因による場合が多い。」って但し書きがあるんですが。
 以前に『ダマリンL』使ったことがあり、一時は治っても、また痒くなったため、今度は強い物をと思ったらしい。
 近年は、皮膚疾患は段階的に弱い薬から強い薬に乗り換えていくより、最初に強め薬を使って症状を抑えるというのが主流ではある。
 でもそれは、あくまで経過観察をしっかりやるという前提だから、原因を特定しないままというのは勧めにくい。
 そんな話を交えて受診勧奨したうえで、今回は『ダマリンL』に変更して頂くことになった。

 『サクロン』と『爽和』(安中散加四逆散)を一緒に購入されるお客様がいらしたので、それぞれ適応する症状が違うことを伝えると、ストレス性の胃の不具合に使うつもりとのことだった。
  そして反対に、『大正漢方胃腸薬』でも良いのか訊かれたので、『大正漢方胃腸薬』が健胃剤の『安中散』と痛み止めと鎮痙攣の『芍薬甘草湯』の合方であることを基本に説明した。
 環境の変化や人から怒られるといった、外部的な要因による緊張性のストレスには『安中散』『四逆散』の『爽和』が適応する。
 しかし、お客様のお話では、外的なストレスよりも思い悩むような内面的なストレスのようだったため 『太田漢方胃腸薬2』(安中散加茯苓)の方を勧め、『サクロン』と一緒に購入された。
 『安中散加茯苓』を使うのなら現代薬で似た効能の『サクロン』の方は不要だと思うんだけど、お客様が欲しいとなれば止める理由が無い。

以下の記事も読まれています。


 
登録販売者から一言 壱の巻 登録販売者から一言 肆の巻「おくすり手帳と個人情報の使い方」 市販薬購入前チェックシート