自分は記憶力が悪いから自分を全く信用できません

 点鼻薬の棚でしばらく悩んでいたお客様がステロイド剤の『ナザールAR』をレジに持ってきたので症状を尋ねると、主訴は鼻づまりで、症状が強いからステロイド剤を選んだというのではなく、以前に使った点鼻薬が眠くなってしまったため、違う物をと思ったんだとか。
 結果として、眠くなりにくい物を選んだ訳だけど、それは単なる偶然。
 眠くなったのは成分が関係するのだから、それなら初めから尋ねてもらいたかったところ。
 でも、念のためその眠くなったという点鼻薬を確認しようと思ったら、覚えていないそう。
 この危機意識の低さを向上するのには、たかがドラッグストアーの店員ではどうしようもない。
 行政と業界とで、なんとかしないと駄目なんじゃないのかね。
 今回のお客様には、ステロイド剤は眠くなることとは無縁であるものの、他の薬との併用に制限があることと、使用期限も短期間とすることを説明し、そもそもの眠くなる成分についても相性によっては眠くならないこともあるので、成分表示を取っておくようお話して、お買い上げ頂いた。

 中学生の息子さんが肌の乾燥で痒がっているという話でお客様から相談を受けたけど、詳しく訊いてみたらアトピー性皮膚炎があり、今は使っていないもののステロイド剤が病院から処方されていると分かった。
 となると、今の痒みも乾燥が原因とは言い切れない。
 処方されたステロイド剤について尋ねると、「弱い物だと思う」とは言うものの内容を覚えておらず不明だった。
 自分もアトピー性皮膚炎で苦しんだから、使った薬を覚えていないとは、なんという無責任な親かと、つい思ってしまう。
 実のところ、同じように病院で処方されたステロイド剤を覚えていないというお客様は多く、たいていが「弱い物だと思う」というのだけれど、そんなはずないんである。
 だって、ステロイド剤の強さは5段階あって、市販されているのは下から3段目まで。
 そして現在の皮膚疾患医療においては、強い薬で最初に症状を抑えて、段階的に弱い物に切り替えていくという方針が主流。
 つまりは病院で処方される場合、患者さんの状態によって例外はあるとはいえ、市販薬レベルの弱い物は処方されることの方が少ない。
 実際、ステロイド剤の一覧表をお客様に提示してみると、見覚えのある薬の名前があるということで確認すると、上から2段目であることが多い。(今回は、一覧表を見てもらっても分からなかった)
 そして今回のお客様の話では、息子さんは患部を掻き崩してしまうくらい痒がっているというので、まずは処方されているステロイド剤を使い、治まってきたらワセリンの入っている軟膏や保湿クリームに乗り換えるよう勧めた。
 また、内服薬として『十味敗毒湯』を紹介した。
 保険の適用薬だから、担当医に相談して処方してもらう事もできるかもしれないので。
 でも何故か処方されているステロイド剤を使うのには抵抗があるようだったため、ステロイド剤としては下から2段目の『ロコイダンクリーム』と保湿のための『アローバスキンクリーム』をお買い上げ頂くことになった。
 食養生については、好き嫌いがあるという事だったけど、ちょうとアトピー性皮膚炎には良くないトマトだそうなので、それは避けても良いことをお話した。
 一方、症状を緩和する人参などの根菜は大丈夫だそう。
 だけど、乳製品が駄目でカルシウムの吸収のために、青汁を飲ませているというので、それは好ましくないことを伝えた。
 確かに青汁は栄養面では良いけど、体の代謝機能を落としてしまう。
 あと、本人はスポーツをしているそうだから、スポーツドリンクの飲み過ぎと、運動後の体の洗い過ぎには気をつけるようにとお話した。

以下の記事も読まれています。


 
登録販売者から一言 壱の巻 登録販売者から一言 肆の巻「おくすり手帳と個人情報の使い方」 市販薬購入前チェックシート