第7回 「体質における実証と虚証」

 第5回では「病証における実証と虚証」について解説しました。
 ところが「虚実」は、体質を表現するときにも使われており、胃が丈夫で体格が良く普段から体力がある人を「実(じつ)」といい、胃が弱くて体格が弱々しく普段はあまり体力のない人を「虚(きょ)」といいます。
 そのため両者を混同して、体質が実の人は実証で、体質が虚の人は虚証だと決めつけてしまっている俄(にわか)漢方医さえいます。
 確かに、体力のない人は正気が衰退して虚証になりやすく、体力のある人はなかなか正気が衰退しませんから実証の期間が長く続きます。
 しかし病証における虚実と、体質における虚実は必ずしも一致するものではありません。
 例えば、体力が少なく貧血気味であっても普段はあまり風邪をひかない人は、たとえ体質としては虚証でも外感の病邪に対抗する抵抗力はまだ衰退していないので、風邪のひき始めは、正気と病邪の間に激しい闘争が起こり、病証としては実証が現れます。
 漢方製剤の効能書の中に、「比較的体力があり……」というような記載を目にすることがあります。
 しかし漢方の見立てをする時には、体質としての虚実だけにとらわれずに、必ず病気を発生させた病邪がまだ強いのか、それともすでに正気が衰退しているのかを判断することが必要です。
 一般的には、急性症または再発直後の病証の多くは実証に属し、慢性化して疲労により悪化するような病証の多くは虚証に属します。
 あくまで一般的にはですけど( ^ ^ ;)

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