第6回 「正気(せいき)の源(みなもと)」

 漢方では、人体をつくり正気の源になっているものを「気」・「血(けつ)」・「津液(しんえき)」といいます。
 したがって正気の衰退(虚証)は、さらに気・血・津液の中のどれが不足したものかによって「気虚」や「血虚」などに区別されます。
 今回は、気・血・津液について解説します。



 人体中の「気」は、人体を構成する物質の中でもとくに生理活動を担う物質です。
 気は、食事や呼吸および先天(両親からの遺伝)から獲得した物質をもとにつくられます。
 そしてつくられた気が全身に運ばれると、それぞれの臓腑器官にあった気に変化し、その部位の生理活動を司ります。
 しかし気が不足すると生理活動も低下します。これを気虚(ききょ)といいます。 例えば、体内でつくられた気が肺に運ばれると、「肺気」(肺の気)に変化して、肺の呼吸活動を司ります。
 もし過労などの原因で肺気が消耗したり、食欲不振によって補充が不足すると、肺気は欠乏して呼吸活動を司れなくなり呼吸障害が現れます。

(けつ)
 血は、人体を構成する物質の中でも栄養分を多く含んだ赤色の液体であり、食物や精からつくられます。
 つくられた血が脈菅の中を流れて全身に運ばれると、それぞれの臓腑器官にあった血に変化し、その部位を養います。
 例えば、血が肝に運ばれると、その一部は「肝血」(肝臓の血)に変化して肝を養います。
 もし肝血が消耗したり生産不足で補充されないと、肝自体や肝と関連する目・筋腱などが栄養不足になって、胸助部の鈍痛・目のかすみや乾燥感・手足のふるえなどの症状が現れます。

津液(しんえき)
 津液は、唾液・胃液・涙・汗などを含めた体液のことであり、飲食物から吸収されてつくられます。
 津液は全身に行き渡って、潤いを与えます。また津液は血を構成する成分にもなっています。
 もし過剰な発汗や下痢などで津液が消耗して、全身あるいは局部を潤せなくなると、乾燥による生理作用の失調(便秘など)が現れます。


 精は、子孫を誕生させるために両親から受け継がれるもので、生まれでる以前は「先天の精」と呼ばれます。
 そして、生まれでてからは腎臓に貯蔵されて、成長を司ったり、次の世代を生みだすための生殖活動の根源となるため、「腎精」とも呼ばれます。
 もし先天的に精が不足していると、知恵遅れや発育障害が起こりますし、過剰なセックスなどで腎精が消耗すると、白髪や足腰の衰えなどの老化現象が現れます。
 また精と血とは相互につくりかわることができ、精が欠乏すると血から補充され、血が欠乏すると精から補充することができるようになっています。

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