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  • ≪通巻33号≫
    “良く効く薬”とは?/JPS製薬全国大会レポート/JPS製薬栃木工場見学レポート

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      ★彡☆-=★彡  それさえもおそらくは平凡な薬局  ★彡☆-=★彡
                      ≪通巻33号≫
      提供 : まぐまぐ http://www.mag2.com/
      発行 : 北園薬局 http://plaza2.mbn.or.jp/~kitazono/
      編集 : 北村俊純
      窓口 : kitazono@a1.mbn.or.jp
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    ~~~~~~~~~~~~~ 今回の日記の主な話題 ~~~~~~~~~~~
    ※11月1日(土)……“良く効く薬”とは?
    ※11月2日(日)……JPS製薬全国大会レポート
    ※11月3日(月)……JPS製薬栃木工場見学レポート
    ************************* 今回の平凡な日記 ***************************
    ◆11月1日(土)/2003年◆
     柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)を求めて患者さんが来店。
     風邪のひき初めとの事だったが、葛根湯(かっこんとう)の方は家にあり、すでに飲み始めているそうだ。
     今回は、さらに症状が進んだ時に備えて柴胡桂枝湯を買いにみえたという。
     進まなければ良いが、備えは大事。備えあれば憂い無しである。
     旦那さんが胃が痛むという事でお客さんが相談にみえた。
    「良く効く薬をちょうだい」と言われたものの、もう少し細かな情報が無いと選びにくい。
     症状や体質に合う薬が“良く効く”のであって、薬の方で“良く効く”という物は無い。
     空腹時に胃が痛くなるようだと胃酸過多だったりするが、食べると胃が痛むとの事。
     また、体格はいい方なのだが風邪をひきやすいらしい。
     食べ過ぎて胃が痛くなるようであれば胃熱が考えられるから半夏写心湯(はんげしゃしんとう)を服用しつつ、痛みが強ければ芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)を合わせて飲むように勧めた。
     ちなみに、胃潰瘍があったり風邪をひいているようであれば柴胡桂枝湯の方が良いだろう。
     近所の患者さんの家のパソコンが故障したようで、ちょっと見て欲しいと頼まれて訪問した。
     パソコンが起動しないという事だったのだが、HDD(ハードディスク)のランプが点灯せず、BIOSもチェックしたものの、どうにも原因が分からない。
     急ぎでプリントアウトしたい物があるという事で、じゃあ代わりにウチで入力して差し上げましょうと申し出た。
     安請け合いもいいところである。プリントアウトしなければならないという物が、名簿なのだ。名前の入力は漢字変換で意外と手間がかかる。
     できれば明日にでもという事で、正直ウゲェと思った。
     明日は私もJPS製薬の全国大会に出席しなければならないのに、今から間に合うかしらんσ(^◇^;)。 
     その後は美容院で散髪して、新調したスーツの裾上げを頼んでおいた紳士服のお店に行った。
     新調したと言っても、今まで来ていたのとあまり変わらないデザインで茶系のスーツ。
     本当は、20代の頃に購入したのと同じ若草色のスーツが欲しかったのだが、時はバブル絶頂の頃で、現在はそのような明るい配色のスーツは無いとの事。
     仕方なく、紺や灰色を排除していくという消去法で選んだ。
     なにも不況だからって、暗い色のスーツを買う事もないと思うのだがなぁ。こういう時代こそ、明るい雰囲気を自分で演出した方が良いのではないか。
     しかし、さんざん探し回ったにも関わらず、仕立てるための生地からして明るい色が無く、断念した次第。
     奥さんにも、お母んにも「同じようなのを買ってもしょうがないでしょ」と言われたが、とりあえず着ている人が少ない配色の方が、会った人に覚えてもらえる。
     家に帰ってから、ダダダダダという勢いで引き受けた名簿をパソコンに入力していく。
     ところが、体調が思わしくなく落ちそうなほどの眠気に襲われて中断。
     続きは朝にやる事にして、ゴソゴソと寝床に入った。
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     http://magical-shop.web.infoseek.co.jp/bbs_kitazono.htm
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    ◆11月2日(日)/2003年◆
     早く起きるつもりが起きられず、朝食もそこそこに名簿の入力の続き。
     名前の漢字変換に悪戦苦闘。IMEを人名優先にしても、結局のところ人名に使われる漢字の読みは一発で変換される事は少なく、別な読みで一文字ずつ変換する事になる。
     なんとか頑張ってみたものの、あと三分の一を残して出発時間になってしまった。
     会場はJR新横浜駅の近くの新横浜プリンスホテルなので、方向音痴の私でも駅から道に迷う事は無いだろうが、いかんせん電車の接続時間によって1時間半で到着するか2時間かかるか幅が広くて見当が付かない。
     泊まりだというのに泊まりの用意もしてなくて(馬鹿だねどうも)、慌ててバッグに必要な物を詰めて家を飛び出した。
     駅に向かう途中で、頼まれていた名簿の方は明日届けますと電話で連絡。電車の中でやる算段。大甘である。
     行きは電車が込んでいて座ることができず、当然作業もできなかった。
     しょうがない、ホテルの部屋でやるか。
     道に迷わないはずが、JR新横浜駅の目の前には『新横浜国際ホテル』があり、『横浜プリンスホテル』を捜すハメに。
     http://www2.princehotels.co.jp/app_room/piq0010.asp?hotel=015
     おそらく混乱を避けるためなのだろうがJPS製薬からの案内状には、『新横浜国際ホテル』が書いてなくて、『新横浜プリンスホテル』との位置関係が良く分からない。
     ぐるりと周囲を大きく回って、30分遅れで到着した。
     社長の挨拶などはすでに終わった模様。大抵の社長挨拶は聞いても役に立たない事が多いので、まぁ良し。
     ちょうど特別講演が始まったところで、講師は木村政雄氏。吉本興業で、やすし&きよしのマネージャーを務め、吉本新喜劇を立て直して東京進出を果たした立役者である。現在は吉本興業を退社して、フリープロデューサーとして活躍しているようで、吉本興業を退社したのは偉くなって現場を離れてしまう事が、逆に自分の“賞味期限”が切れるかのように思っての事らしい。
     そんな木村氏の今回の講演のテーマは、「不透明な時代を打ち破る、オンリーワンのすすめ」というもの。不況になってからというもの、この「ナンバーワンよりオンリーワン」というのは良く言われている言葉。
     しかし、いかにも旧態依然としたJPS製薬には合うんだか合わないんだか分からないテーマだな(笑)
     http://www.jps-pharm.com/index.html
     木村氏は、かつて日本マクドナルド社の藤田田氏が言った「富国強兵から富国楽民」という言葉を引用し、「人間の背の成長は二十代で止まっても人格成長は続く」と説いて、常識を捨てて新たなモノを獲得していく時代になったと力説する、いかにも芸人を育ててきたという感じで、普通の会社人とは違う印象。
     人格が成長するものかどうかは、やや疑問だが(苦笑)。
     それとは別に、歳をとっていくと人間は「否定する事でしか自分のアイデンティティを持てなくなる」という言葉には同意できるが、それがマイナスになるという捉え方は私は賛同しかねる。
     年寄りが若者のする事にあれやこれやと文句をつけてくれないと、今度は若者の方が自分の立ち位置を見失ってしまう。若者は、年寄りに反発する事で自分のアイデンティティを確立していくのだから。
     私が特に「そうだそうだ」と思ったのは、今まではライバルは同業同士だったが、これからは異業種間で競っていく事が必要という話。
     その例えとして、吉本興業の東京進出の話を持ち出した。
     吉本興業はかつて“お笑い”という同じカテゴリーの中で勝つ事を目指してきたが、時代とともにジリ貧になっていくばかり。そこで、ライバルをジャニーズと定めて新しい展開をしていく事で吉本興業は東京進出を果たして成功する事ができたという。
     日本人は、奇妙な仲間意識を持つという事の例えでは、タイタニック号の話を持ち出した。
     実際に以下のやり取りがあった訳ではないだろうが、沈みゆくタイタニック号で数に限りがある救命ボートに女子供を優先的に乗せるにあたっての国ごとの説得方法の違いに笑う。
     ドイツ人には、「規則ですから」。
     イギリス人には、「貴方は紳士でしょう」。
     アメリカ人には、「ヒーローになりたくありませんか」。 
     そして日本人には、「みんなそうしてますよ」。
     そして木村氏の話の中で何度も何度も繰り返し出てきたのが“賞味期限”という言葉。人間にも賞味期限がある。その賞味期限を延ばすためには、自分を変えなければならない時があると。
     現在は画家になったジミー大西は、芸人としての伸びは限界に近づいていたが、画家への道を選ぶ事で新しい人生が拓けた。
     やすし&きよしは初めはやすしがツッコミで、きよしがボケをやっていた。
    ところがやすしが不祥事を起し再び漫才界に戻るには、何か違う味付けをしなければ難しい。そう判断した木村氏はツッコミとボケを入れ替えるように勧め、それによってやすし&きよしの漫才コンビが延命したという。
     また、島田伸介をニュースキャスターに推したのも木村氏だそうである。暴走族あがり(この一点だけで私は大嫌いなのだが)のイメージを払拭して新しいファンを作らなければ寿命が尽きると読んで、テレビ局側に持ちかけたのだとか。意図からすれば、大成功である。(でも嫌い。)
     特別講演が終わり、おそらく社員の女性だと思うのだが「素晴らしいお話をしていただき、新しい事に挑戦する大切さを教わった気がします」と感想を述べた。でもそれを、原稿に目を落としながら棒読みしてどーする(笑)
     講演の内容とは関係無いが、ジミー大西が病院で点滴を受けた時に女友達から電話があり、早く会いに行きたいと思ったジミー大西は点滴の残りを飲んでしまったというのには爆笑(笑)
     そりゃあ、飲んでも害は無いかもしれんが(無いことも無いけど)、飲むかね普通。
     ちなみに私は私で入院中に、「この点滴、甘すぎて気持ち悪い」と言って種類を変えてもらった事がある。
     その時の看護婦さん曰く、「点滴の味を言われたのは初めてです」との事。
     だって、ホントに甘い味が口の中でしたんだもん(^_^;
     休憩を挟んで、特に売り上げの伸びたお店による報告。
     そもそも立地条件が違ったりして参考になる事は少なかったりするものの、双参(そうじん)を風邪の漢方薬とセットで販売するというのは、なるほどと思う。
     ウチでも風邪用漢方薬セット(症状別・医薬品)を始めたが、双参とのセットも加えてみようか。
     それと、「来るのが楽しいと思える薬局」というのは大いに頷いた。
     そもそも薬局は病気や怪我をした時に用がある所で、本来ならば用が無いにこした事ない。そして、一度治れば次に体調を悪くするまで普通は来ないという、商売としては矛盾を抱えている。
     そこで大手のドラッグストアーでは、薬と相反するんじゃないかと思えるような、あまり健康によろしくない菓子類などの販売を行う事で、顧客の獲得に成功している。
     実店舗の方は小さいので、ちょっと畑違いの物を置くスペースは無いし、なにも体に良くないと分かっている物を置くつもりも無いが、ホームページの方は薬を求めに来る人ばかりではなく、何か別な楽しみで来てくれる人を開拓したいところ。
      
     その後さらに、痛みに関する漢方薬での治療や新商品の紹介などがあったのだが、まとめないと混乱するだけなので割愛。
     3~4時間ほど勉強と相成ったものの、内容に対する時間が不足しており、いや正確には時間に対して内容を詰め込み過ぎてて駆け足気味だったため、結局は時間が無駄になった感じ。抜け出して、近くのビッグカメラにでも行ってれば良かった=3
     食べるのが楽しみな私としては、今回参加したのは夕食が目当て。(あとは、明日の工場見学。)
     JPS製薬の全国大会には初参加なため顔見知りは地元の薬局の人たちくらい。地区別のテーブル配置だったが、誰が誰やらまったく分からない。
     そこで、苦手だけれど少々挨拶回り。どうぞヨロシクお願いします。何をヨロシクするのは自分でも良く分からんが。
     各支部の支部長が壇上にあがって乾杯……というのは、やはり定番なのだろうか。儀式といえばそれまでだが、古臭い印象は否めない。
     http://magical-shop.web.infoseek.co.jp/photo/200311/index.html
     オードブルは、サーモンやハムなど。それからリンゴを甘く煮たもの。期待していなかったけど、美味しくて満足。
     食べるのが好きな割りには詳しくなくてなんだが、まぁ食べ物は頭で食べるモノじゃないのでと言い訳。(誰に?)
     刺身も美味しかったと私は思ったのだけれど、何故か残す人がいて譲ってもらった。意地汚いことこのうえない(苦笑) 
     スープは、おそらくフカヒレスープ。とろみが付いていて、飲むほどに食欲が増す感じ。
     サラダは、帆立貝とブロッコリー。ドレッシングが軽めのもので、素材の味が楽しめたのが好印象。 
     メインディッシュは牛ヒレよりも、添えてある黄色い揚げ物の方が美味しかった。なんだったんだろう(^_^?
     ホテルでの料理の〆に茶蕎麦が出る事があるが、これは感心しない。ツユに入れられているせいで、麺が伸びており、口の中でボソボソとして今までの料理が台無し( ̄^ ̄)
     デザートには、チーズケーキ、
    ストロベリーケーキ、チョコレートケーキの3種類が用意されており、好きな物を選べるということで、3つとも食べてしまった(苦笑)。甘さ控えめで美味しかったんだよぅ(^_^;
     そして、給仕をするホテルマンの方だが若手のホテルマンは「少々お待ちくださいませぇ」とか「畏(かしこ)まりましたぁ」と、語尾伸ばしと語尾上がりの合わせ技で、まるで居酒屋のようだった。
     言葉遣いには私は拘(こだわ)らないけれど、できれば“非日常”の演出は心がけて欲しいところ。せっかくの料理が、一気に大衆酒場のオツマミになってしまう。
     ただし、言葉遣いと心遣いは必ずしも一致しない。
     頼めばワインなどの飲み物は持ってきてくれるのだが、忙しそうなのを煩わせるのもなんなので、自分で飲み物のカウンターに取りに行った。
     何度かそうしていたら、若いホテルマンはすかさず他の手を休めて注文を尋ねたり、「お注(つ)ぎします」とグラスに注いでくれたりした。
     ところが、上の人間らしいホテルマンに「(ワインの)白はどれですか?」と尋ねたら、ふんぞりかえって「こちらです」と瓶を手で示すだけ。何か別な作業をしている訳でもない。ニコリともしない。なんなんだ、この偉そうな態度は(-_-メ)
     言葉遣いの丁寧さよりは、心遣いの方がいいなぁ。
     食事の後には別室にて軽食をつまみながら親睦会。
     そこでも他のお店の方たちにご挨拶。
     丸テーブルに椅子が置いてあるため、皆座ったら動こうとせず、イマイチ交流の場になっていないように思う。
     座りたい人のための椅子は壁際に並べて、立食のようにした方がいいのではないか。
     それでもホームページを開設しているお店の人たちと、しばしホームページの活用の仕方と、苦労話などの情報交換。
     インターネット上では、他店との値段の比較が容易なため、価格で競争してもまず勝てない。
     一方で親身な相談で信用を得ていくにしても、インターネットで相談してくる患者さんの多くは、他の病院や薬局での治療が思わしくなくてという難しい症例だったりする。
     それぞれのお店で得意分野があったりするので、その辺りでの連携を模索しつつ、ホームページへのリピーターを増やす方策も考えなければならいなだろう。
     酔いが回りすぎて頭がクラクラしてきたため早めに部屋へ辞去。
     ニュース番組はあらかた終わっていて、今日一日の世相は分からずじまい。
     たまには、そんな日もいいか。
     そして、お約束(?)の有料放送でアダルトモノを観てみた。どうしてホテルに泊まると観てみたくなるのだろうか。男って馬鹿だねぇ(私だけ?)。
     しばらく観ないうちに、ずいぶんと過激な内容の作品がホテルで観られるようになったんだなぁと妙な感心。
     高校生の頃に修学旅行でホテルに泊まった時には、あらかじめ観られないようにスクランブルがかけてあったのだが、かけ忘れたらしい部屋があって、何人かが集まって観たものである。今思い出しても、わざわざ有料で観る必要も無いソフトな内容ではあったが、先生に隠れて観るのが楽しかった。
     翌日、視聴した分の料金が発生して、先生にはバレバレであったけれど(笑)
     ………あっ、頼まれていた名簿作成の続きをやるのを忘れてた(^-^;;;
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    ◆11月3日(月)/2003年◆
     今日はJPS製薬の工場見学に行くという事で、6時半に起床。
     7時集合なので、急いで支度して2階のレストランに向かった。
     http://magical-shop.web.infoseek.co.jp/photo/200311/02.html
     朝食はバイキング形式。
     えてしてバイキング形式は、取り放題でも有難くないほど不味かったりするのだが、ここはハズレ無し(∩_∩)
     できればもう少しゆっくりと味わいたかった。
     ロビーに集合したものの、集まりは良くない様子。
     JPS製薬の社員が、参加予定者をロビーに集めるのに奔走していた。
     待っている間に、ロビーに展示してあったホテルの模型を撮影。
     どうせなら、近くを走っている新幹線などの模型も一緒に組み合わせて作ってあれば面白いのにな。 
     参加者が揃ったところでホテルを出発。
     関東地区で工場見学を希望したのは私だけだったらしく、九州地区の人たちと同じ班になった。
     JR新横浜駅から東京駅で乗り換えて宇都宮駅へと向かう。
     たかだか新横浜駅と東京駅の間を新幹線で行くなんて、普通はしないだろう。わずか10分の乗車。なんだか、ものすごく贅沢な事をしたような気分。
     途中で品川駅に停車して、「そういえばそうだった」と思い出した。“新幹線品川駅開通フィーバー”は、今はいずこへ。
     東京駅で乗り換える時に、乗車券と特急券と乗り換え用の乗車券の3枚を自動改札機に通すように駅員から案内された。
     自動改札機の挿入口を見ると、手書きで「3枚同時にお入れ下さい」とある。なぜ手書き(笑)?
     引率する営業マンのT氏からは、「若先生、若先生」と何度も呼ばれたが、こういうのに慣れると人間ダメになるんだろうな。気をつけよう。
     宇都宮駅で観光バスに乗り換えて、JPS製薬の栃木工場へ到着。
     http://www.jps-pharm.com/quality.html
     周りには民家らしい民家は無く、ホンダなどの様々な業種の工場が立ち並んでいた。
     ただし、工業地帯という感じでなく、空気も良い。また、排出する水に関しては厳しい規制が設けられており、そのお陰で近くを流れる鬼怒川も綺麗なのだそうだ。
     それと、この近くにキリンビールの栃木工場があるとも教えられた。以前にアルバイトをしていた事がある。
     何をしていたかというと、瓶の蓋のチェックである。ベルトコンベアーを流れてくる瓶の蓋を見つめ、異常が無いかを4人一組で目視確認をするのだ。
     異常を発見したらその瓶を取り除くのだが、ベルトコンベアーを止める訳にはいかないので、瞬間的に手を動かして取り出さなければならない。そして、異常が無かった場合は元の位置へ戻さなければならない。
     最初の頃は取り損なったり、異常が無い物を戻すのが遅れ、何度かベルトコンベアーを止めてしまった。
     恐ろしく集中力が必要で、まばたきをした瞬間に目の前を通り過ぎてしまうため目は開きっぱなしで、15分づつの交代でこなしていた。
     懐かしいなぁ。2度とやりたくないなぁ(苦笑)。
     工場では、所員の方たちが出迎えてくれた。今日は休日のはず。休日出勤という事だろうか。
     工場内では写真撮影はできないという事なので、外観のみを写真に収めた。
     生薬の標本なんか、ぜひ写真に撮りたかったのだが、残念。
     工場の中を見学する前に、工場の概要の説明などを聞く。
     科学的な合成薬と比べて漢方製薬の難しい点は、原料が天然なため成分の含有率が一定でないこと。しかし、製品はもちろんグラム中の成分量は一定でなければならない。
     また、同じ原料でも色や匂いが違ったりするのだが、服用する方は色が毎回違ったりすれば不安を感じてしまう。だから、色や匂いを安定させるというのにも工夫をしている。
     さらに生薬のほとんどはいわば農作物と同じなので、洪水や虫害などの被害が出た場合に備えて、複数の産地と契約している。しかし、産地が違えばやはり成分の含有量も色や匂いが違うのはもちろん、農薬の使用状況も異なるため、入荷した材料に対しては納入業者の申告だけに頼らずに自社で厳しい検査を行っているとの事。
     そして、生薬の中には通常1g中に10の100万倍個もの細菌がいるそうで、それを熱処理で1g中に10個~100個程度になるように殺菌するのだという。この時に、細菌は殺しても有効成分がダメにならないようにするのが、技術的に大変だったようだ。
     そしていよいよ、工場の内部を見学。
     白衣に着替えて帽子とマスクを装着すると、まるでパナウェーブ研究所の関係者みたいである(笑)。
     手を洗って空気洗浄室を通ってから工場の中に入った。
     空気洗浄室は狭い部屋なので2人ずつ入って下さいと説明されていたのに、3人で入るオッサンもおるし(苦笑)
     工場内部は気圧が高く、外部の空気が入らないようになっているそうで、確かにやや耳がツンとする感じ。
     なんだか漬物工場でアルバイトをしていたのを思い出した。漬物工場では、午前中に漬物をどんどん作っていって、今度は午後いっぱい時間をかけて機械の洗浄をするという、神経は使うは肉体的には疲労困憊になるはで大変だった。
     ………なんか、色々やってるな、オレσ(^◇^;)。
     見せてもらったのは麦門冬湯(ばくもんどうとう)を造る過程。
     麦門冬湯の原料を機械で攪拌(かくはん)しているところでは、思わず拝んでしまった。なにしろ喘息持ちの私にとっては命綱である。
    「いつもお世話になっています( ̄人 ̄)」
     
     工場の内部は細い階段が入り組んでおり迷路のよう。
     置いてかれたら、自力で出入り口にたどりつける自信が無い。
     殺菌処理を終えて乾燥させている機械の中を覗かせてもらうと、乾燥機のように高速で回転していて、横殴りの雨みたいに見えた。1時間で約8tの水を飛ばすそうである。そうする事で、成分の分解や酸化を抑えるのだそうだ。
     葛根湯(かっこんとう)のように糖類の多い漢方薬の場合は、壁に付着してしまい、かなりのロスが出るらしい。また、大黄(ダイオウ)のような生薬が含まれていると、黄色い色が付着してしまい、機械の洗浄が大変との事。
     
     乾燥処理をした後には圧力をかけて板状にしてから砕くという工程を3回繰り返して顆粒にする。
     板状の漢方薬をポリポリ食べられたら面白そうだけど、味付けが問題か。
     顆粒の場合の製品チェックも厳しいが、錠剤の方もかなり頻繁にサンプルとして取り出してチェックをしていた。錠剤の場合は、成分はもちろん大きさも専用の定規で測っている。
     見学していて気がついたが、原料の投入や機械の清掃、品質チェックまで、ほとんどが手作業だった。
     特に原材料の異物検査では、ベルトコンベアーを流れてくる原料の中から規格に合わない物を手で排除している様子を見させてもらったが、排除した方のどこが悪いのか皆目分からない。経験が頼りというところか。
     金属類などであれば磁石を使って取り除くという事も可能だが、他の植物の根だとかそういう物はどうやったって機械的に排除するというのは、やはり難しいのだろう。
      
     倉庫の方へ移動すると、厳重な温度と湿度管理の下で原料となる生薬が山積みにされていた。
     生薬の匂いがするという事は空気中に成分が漂っているという事だと思うのだけれど、という事はもしかしてここにいると健康にいいのかな(笑)
     一部の箱のラベルを見ると、輸出元の欄に北朝鮮と書かれていた。万景峰(マンギョンボン)で運んだのかな。
     麻薬の輸出元としても有名な北朝鮮だが、“業界”の人の話によると質はあまり良くなくて、末端価格もそれほど高くないのだとか。値段が安いから中高生でも入手しやすいのかもしれないが、どうせ麻薬なんて体に悪い物を使うのなら、せめて質の良い麻薬を使いたいものだ。(不謹慎)
     しかし、漢方薬の生薬としては北朝鮮の作物は悪くないらしい。軽水炉の援助なんかよりも、漢方薬の生産技術を向上させるための支援なんかも良いのではないだろうか。
     研究室の方も案内してもらい、そこでは品質管理のためのデータの分析と、新製品の開発が行われていた。
     新製品を販売するためには、国に申請してから審査が通るまで1年以上かかるとの事。という事は、開発期間も入れると3年以上はかかるという事か。
     資料室には膨大な文献と製品のデータがあり、服用による事故や苦情があった場合には、この資料室にある情報とつき合わせて調査をするそうだ。
     最近では『プロジェクトX』が流行った事もあり、商品開発の苦労話などは一般の人もかなり興味を持ってくれる。その辺りのお話もぜひ伺いたかったのだが、残念ながら今回は時間が無かった。
     工場長さんには、ぜひそのうち取材をさせて下さいとお願いした。
     工場見学を終えて、昼食を食べるためにバスが出発すると、昼食を予定しているお店に着くまで、営業マンが俄(にわ)かバスガイドを務めた。私が乗車したバスの担当者は関西出身の人なのだが、人前で喋るのが苦手な様子。関西人の皆が皆、芸人さんという訳ではない(苦笑)
     なのに、おそらくインターネットで事前に調べたのであろう、栃木県の県名の由来や名産物の解説をしていると、江戸時代に統治していた殿様は誰かという質問が参加者から出た。
     そんなの聞かれたって分かる訳ないだろが(笑)
     しかしそこは営業マン、「帰るまでに調べておきます」と答えた。偉いなぁ。
     http://www.pref.tochigi.jp/
     昼食は『宇都宮餃子館』。
     http://www.rakuten.co.jp/gyozakan/
     ものすごく交通の便の悪い所にあるのだが、それでも来る人がいるという評判のお店らしい。
     お店の入口には、なんともコメントに困る石像が。『スタミナ健太』という名前で、このお店のマスコットキャラだそうだ。可愛い顔して、チカラコブが逞しいところがイカシてる(笑)
     食べたのは餃子定食とでもいうのか、蒸し餃子・水餃子・焼き餃子のセットでボリューム満点。
     とりたてて美味しいとは思わないが、悪くもない。『ナンジャタウン』の餃子スタジアムに出店しているお店の方が美味しいかも。
     ところで、私だけ焼き餃子が出てこなかった(T-T)
     私って、そういう目に当たりやすいのか?
     注文した烏龍茶も来ない(;_;)
     とりあえず焼き餃子だけは席を立つ前に来たけれど、結局烏龍茶だけは来なかった。
     なので、ここでお土産を買うのはやめてしまった。
     JR宇都宮駅で解散して、帰りのホームに向かう途中でお土産を購入。
     Iちゃんからは御当地限定の『餃子キティ』のキーホルダーを頼まれていたので、それを買う。お店の人の話だと、やはり出張などで頼まれたという男性が買っていく事が多いらしい。
     ウチの奥さんには餃子とお菓子。食べ物の方が喜びそうなので(笑)
     体の方は疲れていたが、電車の中でゆっくり休んでいる訳にはいかない。頼まれていた名簿を仕上げて今日中に届けなければ。
     電車の中でノートパソコンを開けてババババと入力していく。
     途中で、普通電車なのに珍しく車掌の乗車券の点検があった。こんな所で作業をしている私もなんだが、集中している時に中断させられるのはやはり嫌なものだ。
     Suicaを使っているのでそれを示したら、特にチェックするでもなく「はい、結構です」と言われた。
     http://www.jreast.co.jp/suica/
     Suicaの電波の到達距離は意外と長いそうなので、早いところ示さなくても車掌が確認できるようにしてもらいたいなと思う。
     寝ている時に起されるのも不快だしね。
     
     なんとか名簿を仕上げて、家に帰ってからプリントアウトした物を先方に届けた。
     それでやっと本当に一息つけた感じ。
     奥さんにお土産を渡して、Iちゃんにも買ってきた事をメールで知らせて、夕飯を食べた後はお風呂に入るのも面倒になってグー。
     (_ _)(-.-)(~O~)ファ…(~O~)(-.-)
     ……ガク( -.-)( _ _)zzzZZZ。
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    ☆締切:2003年11月8日から4日間
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  • ≪通巻30号≫
    頭痛のひどい風邪には/ご懐妊おめでとう(⌒▽⌒)/帯状疱疹に注意/咽喉の痛みに桔梗湯

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      提供 : まぐまぐ http://www.mag2.com/
      発行 : 北園薬局 http://plaza2.mbn.or.jp/~kitazono/
      編集 : 北村俊純
      窓口 : kitazono@a1.mbn.or.jp
      ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
    ~~~~~~~~~~~~~ 今回の日記の主な話題 ~~~~~~~~~~~
    ※10月21日(火)……頭痛のひどい風邪には
        
    ※10月22日(水)……ご懐妊おめでとう(⌒▽⌒)
    ※10月23日(木)……帯状疱疹に注意
    ※10月24日(金)……咽喉の痛みに桔梗湯
    ************************* 先週の平凡な日記 ***************************
    ◆10月21日(火)/2003年◆
     夕べから頭痛がひどくて、よく眠れなかった。
     虚弱体質な私ではあるが、頭痛というのは珍しい。
     胃に水が溜まっているような重い感覚もある。
     昨日の漢方薬の講習会で出たとおり、胃内滞水が原因なのだろう。
     基本にのっとって、苓桂朮甘湯(りょうけいじゅっかんとう)を飲んでみた。
     お店から帰る途中、近所の飲み屋の前で中年の女の人が倒れているのを発見。
     道路の真ん中なので、車に引かれるといけないと思い助け起そうとすると、男の人が現れて女の人を蹴りだした。
    「やめなさい!」と制止すると、「俺の女房なんだから関係無いだろと!!」と食ってかかってきた。
     確かに関係無いけれど、乗りかかった船を降りるのも嫌い。
    「放っておけませんから」と答えると、男の方が「だったら俺が救急車を呼んでやる!」と携帯電話を取り出した。
     ところが、携帯電話での会話を聞いてみると「俺は通りがかりだから誰だか知らないんだけど」と言っていた。
     アンタさっき、自分の女房だと言ったじゃんかよ(-_-メ)
     で、電話を切るとサッサとどっかへ行ってしまった。
     てめぇの奥さん、このままかい!!
     といって、倒れてる奥さんの方を置いておくわけにもいかず、救急車が来るのを待っていると、飲み屋の主人がお店から出てきた。
     主人の話によると、どうやらさっきまで夫婦で一緒に飲んでたらしい。
     なんなんだ、いったい(^-^;
     やがて救急車が来ると、どこかへ行ったはずの男が戻ってきた。
     あくまで、救急隊員には自分は通りすがりの他人だと言い張って、名前を尋ねられても答えなければ、女の人が誰かと尋ねられても知らないと言う。
     とりあえず、男の方も挙動がおかしいので、女の人と一緒に救急隊員が救急車に乗せて運んでいった。
     ホントに何がなにやら。
     頭痛にと苓桂朮甘湯を飲んでみたが、夜になって頭痛は軽減したものの、そこはかとない吐き気がしてきた。
     ううむ、風邪に移行しそうか?
     ウチでは、風邪のひき初めには葛根湯(かっこんとう)、あるいは麻黄湯(まおうとう)が定番だが、頭痛がひどいので、川きゅう茶調散(せんきゅうちゃちょうさん)を選択。
     珍しく夕飯を食べた後すぐに風呂に入ってグーと寝入った。
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    ◆10月22日(水)/2003年◆
     朝起きても頭が重いのは変わらず。しかし、頭痛の方は少し楽になった模様。
     川きゅう茶調散(せんきゅうちゃちょうさん)に変えたのが功を奏したか。
     
     不妊治療のための当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)と、不安神経症で気分がふさぎがちなのを軽減するために半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)を以前から服用しいる患者さんが来店。
     開封していない半夏厚朴湯を返品できないかとお願いされて事情を尋ねてみたら、おめでたい事に病院の検査で妊娠が確認されたそうである。
     当帰芍薬散は冷えのある人の子宮内膜炎や不妊治療に使うものではあるが、不妊の原因は多種多様なので必ずしも効果があるとは断言できない。
     しかし病院側の理解もあり、漢方薬での治療を続けていた。
     そして、妊娠したので薬はやめた方が良いと思って、半夏厚朴湯を返したいとの事だった。
     もちろん未開封であれば構わないが、お話を訊いてみると妊娠嘔吐(つわり)が始まっていて、かなり苦しいという。
     それならば、半夏厚朴湯自体も妊娠嘔吐に使うので、妊娠後も服用し続けても構わない事を説明した。
     しかし、もし妊娠嘔吐が酷いようであれば、小半夏加茯苓湯(しょうはんげかぶくりょうとう)を使ってみてはどうかと勧めた。
     試してみるという事で、値段的にも半夏厚朴湯と同じだったため交換という
    形で渡した。
     そういや、ウチの奥さんも妊娠嘔吐が始まっているようで、苦しい苦しい言っていたな。
     でも、安くはないし、もったいないから放っておこう(・_・)←鬼。
     一方、アメリカでは、妊娠後期の中絶方法の一つ『パーシャル・バース・アボーション』(部分出産中絶)を禁止する法案を賛成64、反対34の賛成多数で可決したそうである。下院は今月3日に同じ内容の法案を281対142で可決しており、ブッシュ大統領が署名すると法案が成立するとか。
     1973年に連邦最高裁が女性の中絶権を認めて以来、部分的にでも中絶を禁止する法案が成立するのはアメリカでは初めてである。
     ブッシュ大統領はさっそく、「忌まわしい行為をやめさせ、生命についての価値を築く重要な立法だ。法案に署名するのを楽しみにしている」との声明を発表したそうだ。
     一見すると良い法律だと錯覚するが、そう単純な話ではない。
     まず、中絶の目的には母体を救うという場合もある。特に今回のように妊娠後期となれば、出産する事が母親の命を危険にさらす可能性のある異常妊娠というケースも考えられる。
     報道によると、どうも例外規定を設けていないらしく、それが本当ならば医療行為を受ける事もできない訳で、施行されればかなり危険な法律である。
     そしてブッシュ大統領は、「生命についての価値を築く」と言っているが、よその国にまで人殺しをしにいくように命じる人が言ってもなァ(苦笑)
     また、日本人の感覚だと、中絶に対しての認識は倫理的なモノだけだろうが、アメリカの場合は宗教的な意味合いも含まれており、それが余計に問題を複雑にしている。
     特にブッシュ大統領は、ファンダメンタリスト(キリスト原理主義)の信者である。ファンダメンタリストは聖書に書かれていること全てが真実だと信じており、ダーウィンの進化論などを認めず、人間は神によって創られたと信じている。
     私もキリスト教の信者だし、個人が何を信奉しようとも勝手だが、それを他人にまで強要してはならないと考えている。
     だが、ブッシュ大統領はそれをやる。イラク戦争も、神は常に正しく、アメリカは神によって創られた国だからと、神の正義の名の元に始めたものだ。森元総理の神の国発言なんて可愛いモンである。
     フセイン政権を倒してイラク国民を解放した事は結果としては(まだ道半ばだけれど)、私も悪い事とは言えないと思っているが、自分の正義感を神や大衆の正義と重ねるような誤魔化しは好きになれない。
     だいたい、聖書を読んでいるのなら、神様だってずいぶんとマヌケな事をやってるなと感じないのかね。私が神様を罵倒する事があるのも、神様を信じてるからなんだけど。
     ともかく、聖書に出てくる神様が自分勝手な正義を振りかざして人間が苦しむのを気にしないように、どうもブッシュ大統領もこの法律で苦しむ人間がいても気にしないように思える。
     この問題、大統領選を前に宗教闘争へと突入しそうな予感がする。
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    ◆10月23日(木)/2003年◆
     お腹が痛いという患者さんが来店。
     左下腹部が刺すように痛み、その痛みが背中側に広がっていく感じがするという。
     他には便秘や下痢などの自覚症状は無い模様。
     初めは筋肉の痙攣か、神経痛かと思ったが、痛みがしては治まってを繰り返しているそうで、どうもよく分からない。
     筋肉の痙攣であれば芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)を使うし、神経痛ならば桂枝加朮附湯(けいしかじゅつぶとう)を用いるのがウチの定番だが、他にまったく随伴症状が無いというのが気になる。
     断定はできないが、もしかすると『帯状疱疹(たいじょうほうしん)』かもしれないという疑いも浮かんだ。
     帯状疱疹とは、水疱瘡(みずぼうそう)と同じウイルス(Variccela-zoster
    virus)によって起こる病気で、ほとんどの人は子供の頃に水疱瘡にかかるが、このウイルスは、水疱瘡が治っても神経節の中に潜んでいる。
     そのため大人になってからも、疲れが溜まったり、体の抵抗力が落ちた時にウイルスが再び暴れ出し、帯状疱疹として発症する事がある。
     発症のプロセスとしては体の、あるいは顔の左右どちらかがチクチクと痛み始める。これは、ウイルスが神経節に潜んでおり、その神経に沿って発症するためである。
     やがて痛みが強くなり、神経に沿って赤い発疹や水ぶくれが帯状に現れる。
     発症する箇所は様々ではあるが、胸から背中、お腹などに現れる事が多く、次いで顔や頭、手足にも現れる事がある。
     ただし、一度に2ヶ所以上の部位にできる事はほとんどない。
     もし、帯状疱疹だとすれば相手はウイルスなので漢方薬で治療するのは難しい。
     無駄に漢方薬を購入するよりは、まずは病院での検査を勧めた。
     名古屋市昭和区で起きた、高校3年の少年が交際相手の27歳の女性の子供を虐待して死亡させた事件の報道をテレビでやっているのを観た。
     番組のコメンテーターが、少年と子供の母親との不倫に触れてケシカランと怒っていたが、その根拠が「そういう事に興味を持つ年頃だろうがまだ早い」ってのはどんなもんかね。
     早いか? 昔は、15歳で元服なのだから、むしろ遅いだろう。
     高校生がセックスをするのが早いというよりは、私は高校生に対する性教育の方が遅くて、しかも的外れなせいじゃないのかと思うのだが。
     どうも性教育というと、一緒に“愛”についても教えなければならないという風潮があるが、現実には愛の無いセックスもあれば、セックスから始まる愛もある。現実を踏まえない教育に意味はあるのか?
     今回の少年が相手の女性とどのような関係だったのかは詳細は分からないが、もしセックスの関係があったとしたら、その子供を虐待したというのは私からすると“頭が悪い”としか思えない。
     相手の女性を愛していたのならば、愛してる人が大切にしている物(あえて“物”と書くが)は大切にするべきだろうし、たとえ体だけの関係だったとするならば、相手の女性との関係を保つためには、その子供は利用するか、もしくは決して手に触れてはいけない存在だったはずだ。
     以前にイジメや差別に関する事でも書いたが、嫌なら嫌で、積極的に手を出す(今回は足で蹴ったらしいが)必要は無いだろう。
     (10月12日の日記参照)
     そして、やってしまったがために逮捕されて、女性とセックスできなくなったとしたら、その損失の方が大きいんじゃないのかね、ヤリタイ盛りとしては。
     その辺のいい加減な情報誌に任せないで、『How to SEX』とか、『彼氏彼女の事情』みたいな性教育が必要なのではないかと思うぞ。
     もっとも、“秘め事”だから楽しいってのもあるからねぇ、教わるもんじゃなくて自分で経験していくしかない事ではあるな。
     早いとか遅いとかではなく、より多くの選択肢の中から判断していく力を養う事が大事かなと思う。
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    ◆10月24日(金)/2003年◆
     桔梗湯(ききょうとう)を欲しいという患者さんが来店。
     咽喉が痛くなり、前にウチで購入した分があったので飲んでみたところ、すぐに改善したので、予備に置いておきたいとの事。それはなにより(^.^)
     合わせて、肩こりの相談もされた。
     肩は上がるのだが、背中に手が回らなくなったという。
     五十肩などの加齢によるものであれば、二朮湯(にじゅつとう)が向いているし、一般的な肩こりであれば葛根湯(かっこんとう)でも充分に対処できる。
     そう話をすると、まずは二朮湯を試してみるとの事。
     一方、葛根湯の方も風邪の初期に使えるので、常備しておくためにとお買い上げ。
     女子大生のMちゃんに誘われて、飲みにお出かけ。
     Mちゃんが大酒飲みなのは知っていたが、彼女と飲み屋に行くのは初めて。
     そうか、成人したんだよねぇと感慨深い。
     Mちゃんは、中学生の頃から“育てて”いたのだけれど、大学生になって新しい彼氏ができたという事で私は振られてしまった。
     ……と書くと、なんだかアブナイ感じがしてよろしい(笑) 
     正確には、まだ中学生だったMちゃんに付きまとうストーカー野郎(私よりも年上)がいて、その退治をした事で慕ってくれたのだ。
     以来、交際を続けたものの私の方は結婚してしまい(一時は破談させてやるという勢いだったが、自分がストーカーになるのを嫌って断念)、「不倫でもいい」と宣言して大学受験に望み、大学に通うようになって視野が広がったのか成長したのか「憧れと恋愛の区別がついていなかった」と言って、先に書いたように新しい彼氏を紹介された。
     ううむ、ドラマが1本書けそうだなコレ(・_・)
     で、なんで今回呼び出されたのかと思ったら、その新しい彼氏との関係が進む中で、他に言い寄ってくる男性が2人いて、それをどうしたらいいものかと相談された。
     おおっ、お前も男を手玉に取るようになったか(⌒▽⌒)
     と言ったら、「違うよ~」と否定した。いや、彼女が困っている理由は分かっている。
     優しいというかなんというか、振った相手を可哀相だと思い、また、振って関係が壊れる事、相手に嫌われる事を極端に恐れるのだ。中学時代のストーカー野郎に付きまとわれた時もそうだったけど、変わってないねぇ。
     俺の事は、振ったくせに(笑)
     それは、「許してくれそうだったから」とか。うう…、“いい人”は“いい男”にはなれないんだね。
     と返したら、「女の敵だから、いい人じゃないでしょ」とツッコミを入れられた。
     左様で_(._.)_
     で、なんでそれを私に相談するワケ?
     そう尋ねたら、「いや、どうやって振ってるのか聞きたかったから」と言う。
     俺は振られた事はあっても、自分から振った事はありません(苦笑)
     そんな“もったいない”事できるほど恵まれてないもの。
     何もしなくても言い寄られるなんてウラヤマシイぞ(´¬`)
     とまぁ、冗談混じりに話を聞いていたのだが、どうも嫌なニオイもする。話からすると、2人とも相手の女性の事をちっとも考えてない印象を受ける。
     あっ、自分と同じニオイがして嫌な感じがするんだな、私σ(^◇^;)。
     となると、振る振らないよりも、自分の中で一線をどこに引くかを決めておいた方がいいんじゃないかとアドバイスした。
     下手に許していたら相手の行動と想いはエスカレートするばかりで、それこそ途中で関係を切るのが難しくなる。
     そして、早いところ新しい彼氏に押し倒してもらいなさい。
     どちらかというと男の方が八方美人で、どんな女性にもイイ顔をしようとするけど、女は好きな男性にハマると他の男には冷たくなるもんだから(笑)
     とまぁ、酔いが回ってきて、あまりアドバイスにならなくなってしまった。
     だって、Mちゃんの飲むペースが凄いんだもの。焼酎・ウィスキー・ウォッカと続けて、なぜ酔わないんだお前は(^-^;
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  • ≪通巻27号≫
    『くすりの正しい使い方』/映画評『陰陽師2』/医療もマニフェストは難しい/仕事以外の生きがい

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    ~~~~~~~~~~~~~ 今回の日記の主な話題 ~~~~~~~~~~~
    ※10月11日(土)……『くすりの正しい使い方』
                  映画評『陰陽師2』
    ※10月12日(日)……医療もマニフェストは難しい
    ※10月13日(月)……仕事以外の生きがい
    ************************* 先週の平凡な日記 ***************************
    ◆10月11日(土)/2003年◆
     苛性ソーダを求めてお客さんが来店。
     いや、正確には最初「掃除するヤツ」と言われたので、洗剤の類(たぐい)かと思ったのだが違うと言われ、コチラがなんだか分からないでいると、「お宅で前に買った」と言われて、ますますナンだろうと考え込んでしまった。
     顔は知らない人なんだけれどなぁ、前っていつ頃だろうと思っていたら、話しているうちにやっと商品の名前を思い出したようで、先の苛性ソーダの名前を言われた。
     しかし苛性ソーダは劇物指定されているため、買う時には印鑑と使用目的を書類に書いてもらわないといけない。
     ところが、相手は「前に売ってもらった」と言って譲らない。過去の書類を見返しても記録に残っておらず、そんなはずはないのだが。
     運転免許証を提示して、「これでいいだろ」とも言われるが、ウチのお店で免許証の提示だけで売ったなんて事は一度も無い。
     とにかく印鑑が無ければお売りできませんと断ると、しまいには怒って帰っていかれてしまった。
     ううむ、怒られてもなぁ(^-^;
     上手く宥(なだ)められなかったのは失敗と反省。
     しばらくして若い男の人が来て、苛性ソーダを注文された。
     もしかしてと思って尋ねてみると、さっき来た人の息子さんらしい。
     印鑑を持ってきて、使用目的もちゃんと書類に書き込んでもらった。
     署名欄を見たら、どうやら清掃業者で業務での使用のようだ。
     それなら先に来た父親も、苛性ソーダの購入手続きの方法は知っているのでは。ハテ(・_・?
     息子さんの方は話がちゃんと通じる人で、苛性ソーダを購入した後に色々と仕事上のお話などを聞き、その中で疲労についての相談をされたので、地竜(ぢりゅう)を勧めてみた。
     効能書きには、解熱、気管支の痙攣鎮静、気管支喘息、頭痛、関節痛、高血圧、動脈硬化となっているが、疲労回復にも抜群の効果がある。
     午後から、川口薬剤師会主催による『くすりの正しい使い方Part4』があり、駅に向かった。
     珍しく時間に余裕を持って出たのに、線路上で枯れ草が燃えているとかで消火活動のために電車が止まり、10分の遅刻。どうやら私は、どうやっても時間通りに到着できない運命らしい(苦笑)。
     まぁ、初めの30分は川口薬剤師会会長と後援者の挨拶なのでいいでしょ。
     今日のテーマは特に、高脂血症や糖尿病などの『生活習慣病』に関する薬についてである。
     生活習慣病の怖いところは、本人の自覚が無いままに病態が進行し、それでいて命に関わる病気だという点に尽きるだろう。
     それだけに「気をつけよう」と“たまに”思っても、実際にはなかなか予防に取り組む人は少ないのが実態である。
     『高脂血症』とは、血液中の脂質には、コレステロール、中性脂肪などがあるのだが、このような脂質が血液中に過剰にある状態を言う。
     ただし、コレステロールは主に体の細胞膜を作るために不可欠なので、制限してしまうのもまた問題がある。中性脂肪もエネルギーの元になるため、これが少ないと疲れやすくなってしまい好ましくない。
     ありきたりだが、“ほどほどに”という事になる。
     高脂血症が進むと起こる症状としては、血管の内部にコレステロールが溜ま
    り、それが血管を硬化させて血液が流れにくくなる動脈硬化が代表的。狭心症や心筋梗塞の原因になるわけだ。
     現在、高脂血症の治療薬は数多く認可されていて体質や症状に合わせて選択の範囲は広く、病状の進行が不可避ではないというのは安心できる要素である。
     しかし、薬を使うよりは運動療法や食事療法の方が良いのは言うまでも無い事で、それだけに患者の意思が治療にもっとも重要となるため、その意味では治療の難しい病気と言えるかもしれない。
     『高血圧症』に関しては、まず“血圧”とは何かを知っておかなければならないだろう。
    「私は血圧が高くて」と心配してみても、ワケも分からないままに心配して騒ぎ立てる人もいるのが困りモノ。しっかりと仕組みを知った上で心配してもらいたい。
     血液を全身に送り出すために、心臓は強い力で血液を動脈に送り出す訳だが、この時の血管壁にかかる内側からの力を血圧と言う。
     そして、心臓から血液が送り出される時の収縮期血圧を“上の血圧”と言い、心臓に血液が満たされる時の拡張期血圧を“下の血圧”と言うのだ。
     一般的には上が120、下が85程度が正常血圧とされているため120を越えると「高い」と心配される事があるが、上が140程度までで下が99を下回っているのであればそれほど心配は要らない。
     特にお年寄りの場合は、目標値は上は170、下は90程度とされている。
     高血圧症の薬も高脂血症と同じように種類が多いので気をつけてもらいたいのは、薬の名前をしっかりメモしておくか、飲んだ後もパッケージなどを手元に取っておく事だ。
     薬局でなんらかの薬を買う時によく「血圧の薬をもらってるんだけど大丈夫ですか?」と尋ねられるのだが、ハッキリ言って「血圧の薬」というだけでは、まったく分からない。
     例えばちょっと並べ立てるだけでも、ダイクロトライド、フルイトラン、セロケン、テノーミン、メインテート、インデラル、ミケラン、カルデナリン、デタントール、ミニプレス、エブランチル、アプレゾリン、アダラート、アムロジン、カルスロット、コニール、ニバジール、ペルジピン、バイミカード、ヒポカ、アデカット、インヒベース、エースコール、レニベース、カプトリル、ロンゲス、セタプリル、ディオバン、ニューロタン、ブロプレス、ミカルディス、これだけ出してもまだ高血圧症の“代表的”な薬に過ぎない。
     しかもそれぞれ、塩分を排泄させる作用のものや、交感神経を抑制して血圧を下げるもの、血管を拡張して血液の流れを良くしたりと、まったく作用が違う。作用が違えば副作用も違い、他の薬との影響も違う。
     これらを「血圧の薬をもらってるんだけど大丈夫ですか?」という一言の質問だけで判断する事は不可能である。
     繰り返すが、ぜひとも自分が飲んでいる薬の名前は忘れないよう工夫してもらいたい。
     講義の後の質問コーナーでは、参加者から「サプリメントと薬の相互作用」
    について質問されていたが、講師が気の毒。
     サプリメントだけで何十種類もあって、薬の方も先に挙げたように多種多様で、「○○と××」というように特定してくれなければ答えようが無い。
     質問者は新聞で何か関係記事を読んだようなのだが、それであればその新聞の切抜きくらいは用意してもらわないと。
     ただ、今回の講習会自体“介護講座”の一つとしての『薬の飲み方』というテーマのはずだったのに、ほとんどが自分で本やネットなどで調べれば分かる事だったのが残念(^-^;
     もっと実際に介護をしている家族や、仕事として携わっている人たちに役に立つお話があると良かったのに。
     講習会が終わってから奥さんと新宿に出て映画『陰陽師2』を観た。
     http://www.onmyoji-movie.com/

     別に観たくはなかったのだが、ちょうどいい時間の作品が他に無かったのと、奥さんのリクエストで観る事に。
     この、“特別観たいとも思わない”というのは割りと良い方に働く。期待が少ないと面白かった時に満足度が加算され、つまらなかった時のダメージが少ない。
     以下、内容に触れるので読みたくない人は翌日の日記まで飛ばしていただきたい。
     ネタバレ警報発令! ネタバレ警報発令! ネタバレ警報発令!
     期待感を煽るオープニング、美しい画面、出雲神話を題材にした新しい解釈と出雲八卦などのオリジナル設定、どれ一つとっても面白くなる要素ばかり。
     なのに、なんでツマラナイの~(T-T)? なんでツマラナイの~(T-T)? なんでツマラナイの~(T-T)?
     キャラは立ってるのにセリフが全く心に残らず、場面転換は頻繁なのに後で瞼の裏に甦るようなシーンもない。
     そのうえアクションシーンの一つである大和が出雲に攻め込んだ時の殺陣が、まるっきり時代劇。別に平安時代の殺陣を再現しろとは言わないが、独自の世界観を作り出しているのだから、やはり新しい殺陣を観せてもらいたかった。
     さらに、素戔鳴尊(スサノオノミコト)の生まれ変わりとなる鬼に変化した須佐(市原隼人)が、口を半開きにして「グルルル」と呻きながら両手を垂らして歩く姿は、まるで猿(笑) もちっとカッコイイ演出方法は無かったんかい。
     天野喜孝氏のイメージイラストを見ると、鬼になった須佐は知的さを備えながら静かな怒りを秘めているイメージだったのに(泣)
     あれでは、馬鹿な父親の幻角(中井貴一)に操られる馬鹿息子にしか見えなくて、悲劇性が薄れてしまう。(逆に悲壮感があると言えない事も無いけど。)
     日美子(深田恭子)は、鬼姫としてのイメージはなかなかカッコ良くて色気も申し分なかったのだが、天照大神(アマテラスオオミカミ)として姿を現した時には劇場で笑い転げるのを堪(こら)えるのが大変だった。
     安倍清明(野村萬斎)が「ここからは神の領域」と言っているのに、ちっとも神々しくなくてガッカリである。思わず、丹波哲郎製作の天下の馬鹿映画(注・褒め言葉です)『大霊界2 ~死んだらおどろいた~』を思い出してしまった。
     せめて野村氏の舞踊をもっと堪能させてくれれば良かったのに、今回は前作と違って見せ場を全部後半に持ってきてしまったため、途中は眠くなって、後半のCGを使った特殊効果では脱力させられて、「時間を無駄にするというのはこういう事か」と変な感心をしてしまった。
     滝田洋二監督の作品では、『僕らはみんな生きている』と『壬生義士伝』がお気に入りなのだが、どうして『陰陽師』だけは前作共にこんなヘンテコリンで間の抜けた作品になってしまったのか。
     『仁義なき戦い』シリーズや『蒲田行進曲』を作った深作欣二監督が、『魔界転生』や『里見八犬伝』のようなファンタジー物に挑んだらフニャフニャな作品ができてしまったのと類似している気がする。
     もし『陰陽師3』を製作するのであれば、いっそのことダメ映画として映画史に残るトンデモ映画を作ってくれる事に期待したい。
     思わず、『珍妙痔痛』───「珍妙な痔が悪化して痛みが酷くなりました」というくだらない駄洒落を思いついてしまった。
     駄洒落を思いつくと、なんだか楽しい気分になる。この駄洒落でモトは取れたな。じゃあ、いいや(^.^)
     
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    ◆10月12日(日)/2003年◆
     今日は奥さんは友達と横浜に出かけ、私はお店を休んでひさしぶりにノンビリとした。
     こうゆう時は徹底的に怠惰に過ごすのがよろしい。
     意味のある休日にしようと気張っては休日の意味が無い。
     そこで、12年もののウィスキーを開けて昼間から酔うことに。
     いわゆる“酒飲み”の人は、毎日飲むようだが、私にはその気持ちは理解できない。
     発泡酒の増税の時には「庶民の楽しみを奪うなんて」と憤っていた人がいたが、発泡酒はメーカーが努力しているとはいえ味はビールには到底及ばない。
     いくら安くても、毎日美味しくもない発泡酒を買って飲むくらいなら、一日おきにしてでも、美味しいビールを飲んだ方が幸せな気分に浸れると思っている。
     だからお酒も毎日飲むよりは、こうしてたまの休日に誰に気兼ねすることもなく飲んで酔う方が楽しい。
     ………ただの貧乏性かもしれんが。
     情報番組で、担任していたクラスの男児(9)にイジメや体罰を繰り返し、福岡市西区の市立小学校の男性教諭(46)が停職6カ月の懲戒処分を受けたとの報道。
     その原因が男児の曽祖父がアメリカ人で「血が穢れている」からだとか。
     ホンマかいな(^-^;
     もしそれが本当だとしたら、ウチの地元の小学校の教員は絶対に勤まらないであろう。
     なにしろアラブ人やら韓国人やら国籍不明やら、実に雑多な外国人の子供たちが通っている。給食センターなどは、宗教上の理由で食べられない食材などの申し入れが次から次へとあってメニューの作成に四苦八苦しているくらいだ。
     ただ今回の件では不明なので良く分からないのだが、この男性教諭がしたとされるイジメの内容には多分に暴力的な事が含まれており、男児の親が民事裁判を起しただけというのが解せない。
     警察に被害届けを出せば刑事事件として捜査してもらえるのではないか?
     それとも、警察で被害届けを受理してもらえなかったのだろうか。
     男児の親の訴えが事実だとすれば、停職6カ月というのはいかにも軽すぎる。
     その辺りの情報も報道してくれればいいのに、そのような取材をしたという情報は無い。なんとも不透明な事件だ。
     ちなみに、ここから先はまったくの私見だが、“イジメ”は良くないとしても“差別”する気持ち自体は私は許されるべきものだと考えている。
     そりゃ、全ての人が分かり合える世界は理想ではあるけれど、現実に生きていく中では無いと不都合な事も多々ある。
     例えば、子供は障害者などを感覚的に差別する事がある。子供は心が綺麗なんていうのは幻想で、自分や自分のグループと違いがある他者を平気でなんの躊躇もなく排除しようとする。
     それは良くない事だよと教えるのは簡単だが、感覚的に違いを嫌悪して避けるというのは、危険を察知する下地にもなるので、無くなっては困るのだ。
     だから、“差別意識”と“イジメ(嫌がらせ)”というのは分けて考えなければならない。
     私の場合は、まず黒人が嫌いである。見た目が怖いから。韓国人も嫌。過去の戦争問題が絡んで何を考えているのか分からないから。
     しかしこれらは私の勝手な思い込みであって、相手には個々人には非難されるいわれは当然ありはしない。ただ、私が積極的には近づかないというだけの事である。
     差別意識に端を発するイジメや嫌がらせ、あるいは今回の件でも不思議なのは、差別している側が積極的に相手に関わっている点だ。
     例えは悪いが普通、ゴキブリが嫌いな人は気持ち悪いと思っているからであり、それは不潔だと捉えているからだろう。だからゴキブリが嫌いな人はゴキブリから逃げようとする。私など、奥さんとの交際時代、逃げ出して笑われたモンである。
     嫌いなら嫌いで関わらなければいいのに、どうしてわざわざ近づくのか。今回の事件など、「血が穢れてる」ってのなら手を触れて暴力を振るわなくても良かろうに。変な人。
     それと、これから日本でも問題になってくるのは客商売と人種差別の問題だろう。
     数年前に小樽の銭湯が外国人客の入浴を拒否して提訴された事があるが、マスコミを初めとして多くの人が銭湯の経営者を非難したのには辛いものがあった。
     先に私は黒人や韓国人など外国人が嫌いとは書いたが、一緒に書いた通りそれは私の勝手な感じ方であり、個人的恨みも無ければ特別迷惑をこうむった事も無いから、来店を拒む理由も商品を売らない理由も無い。だから、お客さんとして迎えられる。
     しかし件の銭湯では、日本円ではなく外国紙幣で支払おうとする(港が近いため)、湯船に石鹸を体に付けたまま入ろうとする、湯船を出る時に栓を抜くという迷惑行為が続いたからだ。
     提訴する方は「不当な人種差別で精神的苦痛を受けた」という理由で済ませられるからいいけど、お店側からしたら生活がかかった商売なのだから、その実被害は誰が補償してくれるのか。
     ウチはどの国籍の人でも受け入れてるから、そちらのお店でも受け入れてやりなよなんてとても言えない。
     ウチの地元でも外国人による犯罪はけっこうある。それでも幸いにして地元で大きな問題にならないのは、外国人自身によるコミュニティが形成されており、地元に溶け込む努力をしているからだろう。
     件の銭湯経営者を提訴した人には、提訴より先にやるべき事があったはずだ。
     日本は閉鎖社会だと言われているが、現在はそれこそ価値観の多様化により、差別をやめようという人たちもいるわけで、それならばことさら差別する人を非難する必要も無い。理解者から少しずつ和(輪ではない)を拡げてゆけば良い。
    「自分は差別なんかしないから貴方も差別をやめなさい」というのは、差別する人を排除しようとする差別である。それは、相手を理解しようという心の広さが実は無い事の証明でもある。
     差別を理由に行われる不当行為は非難されてしかるべきだが、心の動きまで踏み込むべきではないだろう。
     総選挙を前にして、自民党と民主党がマニフェストを巡って丁々発止とやりあっている。選挙戦が盛り上がるのは大いに結構。
     しかし、民主党の尻馬に乗ってマスコミまで自民党のマニフェストが具体性に欠けると非難しているのは、視聴者に媚でも売っているのかと勘ぐりたくなる。
     私には“具体的”とされている民主党のマニフェストは、どうにも胡散臭くて目障りに映る。
     医薬品や健康食品を売っているサイトの宣伝文句に「××が7日で治る!」とか、「一ヶ月で△△が改善!!」と謳っているのと同じ胡散臭さだ。
     確かに有権者も具体的な結果の提示をしてもらいたいというのはあるだろう。
     患者さんからもよく、「何日くらい飲めば治る?」と訊かれる。
     しかし、正直言ってそんな事は分からない。
     分からないが「分かりません」とは言える訳無いし、かといって「何日です」
    などと断定する事は不可能だ。
     すでに分かっているデータや経験を元に「3日から1週間程度」と幅広く答えたり、「早ければ1日でも効きますが、症状や体質によっては1ヶ月くらいかかる事もあります」と、約束してるんだかしてないんだか分からない曖昧な答えにならざるを得ない。
     嘘を言っているのではなく、できだけ期待されている結果と齟齬をきたさないようにと思えば、どうしたって不明瞭な予測立てになってしまう。それは、現実的な予測を立てようとするからだ。
     自民党が具体的なマニフェストを提示できないのは、今まさに現在進行形で取り組んでいることが多く、選挙後でないと目標に向かって行くも退くも分からない状況だからにほかならない。
     私には菅氏の小泉首相へのツッコミは、自分は責任を負わなくて良い(政権奪取などできない)と分かっているから嫌がらせをやっているようにしか見えないのだがどうか。
     マスコミの方も、自民党の圧勝ではないにしても結果がある程度見えている出来レースを、面白いものに仕立てて世間の耳目を集めて営業活動に勤しみたいと仕掛けているように見えてしまう。
     などと埒も無い事をダラダラと考える、実にだらけた1日であった。
     帰ってきた奥さんが一言、「部屋の片付けくらいしてくれればいいのに」
     そういう過ごし方もありましたね、そう言えば(笑)
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    ◆10月13日(月)/2003年◆
     以前に便秘の症状で防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)を買っていただいた患者さんが来店。
     効果があったようで、だいぶ改善したらしい。
     元々は、ちょっと動くと汗が多く出るという事で相談されたのだが、詳しくお話をしているうちに頑固な便秘である事が分かって、まずは便秘を解消すれば汗かきの症状も良くなるのではないかと考えて勧めたものだ。
     汗をかきやすい事については、気温が涼しくなってきた事もあって、その点は改善したかは不明との事。
     とりあえず便秘の方は良くなっているので続けたいという事で、4週間分をお買い上げいただいた。
     胃の痛み止めを求めて患者さんが来店。
     胃薬をとの事だったが、一口に胃薬といっても胃が冷えて悪くなったのと胃が熱を持って悪くなった場合とでは用いる漢方薬は変わる。
     詳しく話を訊いてみると、吐き気なども無く便通も普通との事。それでいて、急に刺すような痛みがしはじめたという。
     ううむ、原因はハッキリしないが、痙攣性の痛みのように思える。
     だとすると、胃腸の漢方薬より芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)の方が効果があるかもしれない。
     芍薬甘草湯は、体質のいかんを問わず痛み止めとして頓服的に使う事が多い
    その辺りの事も説明して、勧めてみた。
     もし改善しないようであれば、再度見立てなければなるまい。
     お客さんから、栗の差し入れ。
     庭に栗の木があって、それを拾ったものだという。
     ヽ(∇⌒ヽ)(ノ⌒∇)ノわぁい♪
     家で茹でて、食後のデザートに頂いた。
     二つに割って中身を穿(ほじく)り出すのは大変だが、労力が報(むく)われる味で美味しい~(´¬`)
     ところがウチの奥さん、メンドクサイと言って、私が中身を出してやらないと食べやしねぇ。お子様かい(笑)
     子供が生まれるかもしれんというのに、マッタク。
     
     ニュース番組で定年制に関する特集をやっていた。
     自民党で定年制を導入しようという動きがあるのに対して、中曽根氏と宮沢氏が総選挙への出馬に意欲を見せている事に関連してであろう。
     ウチの爺ちゃんも87歳で現役でお店に出ているが、本人にとっては仕事が道楽のようなもので、実のところ疲れて店の奥で横になる事の方が多い。
     最近はレジを打つのにも動作が緩慢になっているため、急いでいるお客さんの時には応対を代わる事もある。
     自営業であれば、まぁそういう状態でも構わない面もあるが、企業などではやはり大きな問題だろう。
     ただ、“大きい”のは年功序列型の給与体系による人件費と、役員ポストの高齢化による経営の硬直だとするのならば、年齢で定年を定めるのは確かに働く気力のある人にとっては納得いかないだろうなと理解はできる。
     それならば、定期的な健康診断と能力テストのようなもので、給与やポストを変更すれば良いだろう。
     政治家だって、国会審議中に居眠りを繰り返すような加齢による能力低下が顕著でなければ、別に続けてもらっても構わないとは思う。なんなら、国会内に養老施設でも作って、長老議員の面倒を若手の議員に看(み)させれば、もう少し老人問題に真剣に取り組んでもらえるかもしれんし(笑)
     むしろ今回の番組を観て気になったのは、識者が「仕事を失うと精神的な支えを失う。」と述べていた事。
     私はそれならば、“仕事以外のアイデンティティ”を持つような取り組みが必要だと思うのだが、その識者は「だから仕事を続けられる環境作りが必要だ」みたいな事を言っていた。
     時代劇に出てくるような、ご隠居さんなんて私は憧れるんだけどなぁ。毎日趣味三昧で、たまに口うるさい小言を言う。居場所なんて自分で作るさと飄々と日々を過ごせたら幸せではないかと思うのだが。
     そのためには、老後を安心して働かずに過ごせる年金制度の見直しが必要な訳で、若い世代に「将来はああやって遊んで暮らせるんだ」と希望を持たせて働かせるようにしないと。
     ウチのお店がなんとかやっていけるのは爺ちゃんの年金のお陰だから、悪い例ではあるけれど(苦笑)
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    ☆締切:2003年10月17日から4日間
    ~~~~~~~~~~~~~~ ≪読者より一言≫ ~~~~~~~~~~~~~
    ☆共感する事もあった
     奥さんの妊娠、Iちゃんが知ったらと思うと・・・・(涙)。
     でも逆に、奥さんが<女性から母になる>のを喜んだりして♪(をいをい!)
                        (2003/10/14(火) 23:06/MIKA)
    ★うう、ホントにどのタイミングで切り出せば良いのやら(^-^;
     人生、連続ドラマだなぁと思います。完全アドリブの。
     (10月7日の日記)
    ■■■■■■■■■■■■■■■□免責事項□■■■■■■■■■■■■■■■
     記載内容を利用して生じた結果につい
    て、当方では責任がとれませんのでご了承ください。
     また、筆者が思った事や感じた事を率直に書いている事柄に関しましては、反証可能な事実誤認以外の訂正には応じられません。
     URLで紹介した先のページの著作権は、そのページを作成した人にあります。
     URLを紹介する事に違法性はありませんが、文章等を転載する場合は、作者の許諾が必要となります。
    &&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&& 趣味の活動 &&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&
    ◆TRPGのサークルに所属しています。
     卓上ゲームが好きな人や、興味のある方は覗いてみて下さい。
     また、『コミュニケーション』のコーナーでWEBラジオ番組『幻想時間』を公開しています。
     私は主に、映画についてトークをしています(・v<)
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    を利用して発行しています。
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  • ≪通巻15号≫
    URLを変更するかどうか/死は誰のためか/アトピー性皮膚炎治療のための漢方薬/日焼けの処置に注意/献血者の輸血によるB型肝炎/怪盗法のある世界/虫歯は不治の病

    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
    ★彡☆-=★彡  それさえもおそらくは平凡な薬局  ★彡☆-=★彡
                    ≪通巻15号≫
    提供 : まぐまぐ http://www.mag2.com/
    発行 : 北園薬局 http://plaza2.mbn.or.jp/~kitazono/
    編集 : 北村俊純
    窓口 : kitazono@a1.mbn.or.jp
    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
    ~~~~~~~~~~ 今回の日記の主な話題 ~~~~~~~~
    ※7月29日(火)……URLを変更するかどうか
    ※7月30日(水)……死は誰のためか
    ※7月31日(木)……アトピー性皮膚炎治療のための漢方薬
    ※8月1日(金)……日焼けの処置に注意
    ※8月2日(土)……献血者の輸血によるB型肝炎
    ※8月3日(日)……怪盗法のある世界
    ※8月4日(月)……虫歯は不治の病
     前回は《クリックアンケート》に協力していただき、誠にありがとうございます。
     回答していただいた集計結果を今号に掲載しようと思いましたが、さすがにメールマガジンの内容が長くなりすぎるようなので、のちほどコメントも付けたうえで増刊号として発行しようかと思います。
     また、今回は前回使用した《クリックアンケート》では回答の選択幅が限られてしまうため、試しにcgiを使って新たにアンケートページをホームページ内に設置してみました。
     メールから直接投票できるのと、どちらが使い勝手が良いかも検討したいと思いますので、ご協力をお願いしますm(_
    _)m
     アンケートのURLは、日記の最後にございます。
    ******************* 先週の平凡な日記 *********************
    ◆7月29日(火)/2003年◆
     高齢の患者さんが来店。
     ウチの祖父は何歳かと尋ねられ、「87です」と答えると「元気でいいねぇ」と言われる。
     なんのなんの、「自分の足で買いに来られるんですから、まだまだ大丈夫ですよ」と答えた。
     FAXで入った処方箋の解読に悩まされた。
     字が汚くて判読しにくいうえに、薬の量の単位を間違えていて、正確な量を計算し直す。
     さらには、患者さんの保険番号が未記入で、処方日の日付も間違えていた。
     そそっかしい医師なのか、定年間際でボケが入ってるのか。
     書き間違い程度ならまだこちらで対処できるが、ちゃんと診察はできてるのかと、そちらの方が心配。
     喫茶店でお酒を飲んでて薬を置き忘れてきてしまい、あと3日分が足りないので薬をもらえないかと言う患者さんが来店。
     気がついてその喫茶店に戻ったのだが、どうやら捨てられてしまったらしい。
     うむぅ、心情的には出してあげたいのはやまやまだが、それをやってしまうと犯罪になるので丁重にお断りするしかなかった。
     患者さんの方も一応は納得してくれた様子で、これから病院の方に行ってみるとの事。
     利用しているISPの1つ『MBN』から合併後のサービスの変更についての連絡が物理メールで届いた。(友達の間では、電子メールに対して郵便で届く手紙の事を、物理メールと呼んでいる。)
     http://www.mbn.or.jp/
     当初は合併後もメールアドレスは変更されないという事で契約を更新する事に決めていたのだが、届いた書類によるとホームページのURLは変更になってしまうとの事。
     先に言えよー。せっかく8年かけて薬局のURLも浸透してきたのに、今さらURLが変わるなんて。
     う~む、独自ドメインを取っておくべきだったか。毎年の更新料がもったいないと思ってケチしていたのがマズかったか。
     ただし、パソコン雑誌の調査によると、最近ではURLを入力して訪問する人は少なくて、大抵は検索エンジンで調べたい内容を検索しているうちに辿り着く人が多いので、URLの変更はそれほど影響は無いという記事を見かけた事もある。
     このままISPの合併で自動的にURLが変更になるのを受け入れるか、それともいっそのこと解約して別なサーバーに移転するか。ちょっと考えよう。
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    ◆7月30日(水)/2003年◆
     今日はお店を開けてから、次から次へと処方箋がFAXで入ってきた。
     長期治療の患者さんが、お盆になる前に薬をもらいに病院に行っているのかもしれない。
     そのせいか、これだけ患者さんが来ても、日記に書くような特徴のある患者さんはいらっしゃらない。
     ゆえに、書くネタも無し。
     人間、平凡に過ごしていると刺激が欲しくなり、ひとたびトラブルがあると、どうしてこんな目に……と嘆くもののようで。
     落ち着いたところで、ネットで相談の来ている患者さんたちに返信。
     スタッフの1人が、「便利になったもんだわね~」と言うと、「でも自殺サイトとか怖いよねぇ」と別なスタッフが。
     すると、「でも……」と私。
     かつては自殺しようとする人は1人で寂しく死んでいくか、1人は寂しいからと他人を巻き込んで自殺する人がいた。もちろん、今でもいるが。
     しかし、死にたいと思っている人たちが出会って、関係無い人を巻き込むこと無しに、1つの目的を共有して死ねるというのは幸せではないかとも思う。
    「生きてれば良い事もある」と言う人も、そんな保証はできない訳だし、「頑張ってる人もいるのだから」と言う人は、自分が努力してるからと他人の痛みや苦しみなど分からぬ人ではないのか。
    「あなたが死ねば悲しむ人がいる」と諭すのは、生きる気を起させるかもしれないが、それは拷問ではないのか。
     漫画版の『花の慶次』では、こんなセリフがあった。
    「生きるのは人のため。ならばせめて、死ぬのは自分のためであろう」
     記憶で書いてるので、ちょっとニュアンスが違うかもしれないが、現代医学の前では死ぬ事すらままならない事を思うと、より死にたい時に死んだ人を羨んでしまう。
     http://www8.ocn.ne.jp/~porco/keijisyoukai.html

     とはいえ、人間が一生のうちに得られる知識や体験は限られている。
     苦しみから逃れたいという耐え難い“希望”にすがりつくために自殺するのならともかく、繰り返す日常に飽きて死ぬようなのは「もったいない」と思う。
     少なくとも私は、来年の春に『イノセンス』(押井 守監督作品)を観るまでは死ねない。
     いいのか、そんな単純な事で(苦笑)?
     http://www.production-ig.co.jp/anime/innocence/

     さて、そろそろ寝ようかという深夜2時頃に、お母んから電話があった。
     いったいナニゴトかと思ったら、「今日の(日付変わってるぞ)『ためしてガッテン』観た?」と訊かれた。
     観ていません。と言うか、それで深夜に電話してきたんかい(^-^;
     http://www.nhk.or.jp/gatten/
     30日の番組内容は“アレルギー体質改善の切り札”という事で、幾つかの漢方薬が紹介されたらしい。
     で、例によって買いに来る人がいるかもしれないから、調べておけと。
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    ◆7月31日(木)/2003年◆
     早朝の天気予報では関東は曇りのはずだったのだが、見事なピーカンになってしまった。
     いや、天気が良いのは気持ちも良くていいのだが、あまり暑くなり過ぎるとお客さんが来なくなるので困る(苦笑)
     夜中にお母んが電話してきた『ためしてガッテン』の件で、番組の方は未見なので、番組のホームページで確認すると、確かにアトピー性皮膚炎の治療薬として漢方薬が紹介されていた。
     痒みを止めるのに白虎加人参湯(びゃっこかにんじんとう)を、アレルギーを抑制するのに梔子柏皮湯(ししはくひとう)を勧めている。
     うう…、どちらもウチには置いていないσ(^◇^;)。(※注・白虎加人参湯はその後取り扱い開始) 漢方薬にも流派があって、一番大きな分け方としては、中国での古い流れを組む『中医学』と、インドでの研究が進められてきた『アーユルヴェーダ』と、日本で比較的近年になって開発されてきた『日本漢方』の3つだろう。
     私は『アーユルヴェーダ』については資料を持っているだけであまり読み込んでいないのでちょっと脇に置いておくが、『中医学』と『日本漢方』については講習会などで勉強している。
     そして、『中医学』と『日本漢方』は同根ではあるが、その応用となるとかなり違いがある。
     例えば、『中医学』では熱風邪に黄麻湯(まおうとう)を用いる事が多いが、『日本漢方』ではあまり用いる事は少ない。
     その理由は、気候風土の違いが大きい。まず、原料に含まれる成分の割合が違う。中国で黄麻湯(まおうとう)を購入すると、日本で購入するものより効き目が強く、心臓がドックンドックンとして元気になりすぎて具合が悪くなるそうだ。
     また、日本の方が湿度が高く、それゆえに日本人は体内の水分に起因した病気が多いため、胃腸の調子を整えるのが風邪の治療に有効だったりする。すると、黄麻湯は胃腸に負担をかけるので『日本漢方』では選択肢からはずれる事となる。
     で、今回の番組で取り上げてる漢方薬の選び方から推察すると、断定はできないが、どうやら『中医学』の理論に基づいているように思える。
     と言うのも、白虎加人参湯は日本で医薬品としての販売許可を得ている効能は「咽喉の渇き」で、皮膚疾患での効能書きは認められていない。しかし、成分を調べてみるとセッコウ(石膏)が入っていて、これは炎症を抑える効果があるので、咽喉の渇きを抑えるのと同じように皮膚の炎症を抑えられるであろう事は容易に想像できる。
     ただ、効き目が強いので冷え性の人には私としては勧められない。それに、もしウチで仕入れたとすると値段が一週間分で2千8百円になってしまう。
     それならば、セッコウの量が半分で劇的な効果は無いが体に負担をかけない十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)の方が良いだろう。値段も一週間分で1千8百2十円で済む。
     梔子柏皮湯となると完全に『中医学』の処方で、『日本漢方』をメインにしているお店では入手は難しいかもしれない。
     主成分のサンシシ(山梔子)とオウハク(黄柏)を含んでいて入手しやすいのは、黄連解毒湯(おうれんげどくとう)だろう。
     ウチでも入荷するとなると、問屋さんに調べてもらわないと梔子柏皮湯の値段は決められない。黄連解毒湯ならば一週間分で2千3十円で、おそらく梔子柏皮湯と比べてもそう高くは無いと思われる。
     番組のホームページではちゃんと、十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)補中益気湯(ほちゅうえっきとう)など他の漢方薬もある事を示して、体調や体質によって効果が違う事も案内しているのは好感が持てる。
     ただ、「漢方薬を扱っている医療機関、薬局で手に入ります。特別な薬ではありません。」というのは余計だなぁ。
     白虎加人参湯はともかく、梔子柏皮湯の方は漢方薬の老舗メーカーのツムラにも無いし、大衆メーカーのカネボウでも出してないし、これまた薬局販売の大手メーカーのJPS製薬でさえ取り扱っていない。
     NHKだから番組のスポンサーが噛んでるという事はないだろうが、番組に出演した漢方薬の研究者が梔子柏皮湯を製造しているメーカーと関わってるんじゃなかろうかと邪推したり。
     ちゃんと話を分かってくれる人なら、成分と効果を案内すれば番組内容と違う漢方薬を勧めても大丈夫だろうが、中には商品名をメモしたら「同じ物じゃないと」と納得してくれない人もいるので、来店に関しては、期待半分憂鬱半分といったところか。 
     震度6の地震が相次いだ宮城県では、これからが夏のイベントや祭りの本番。
     県外からは「宮城は大丈夫なのか」との問い合わせが相次いでいるものの、県全体では特に震源地に近かった所など一部を除き、予定通り開催するとの事。
     そう言えば、普通は避けるものなんだなと苦笑した。
     ウチのお母んなど、「今年は仙台の方に旅行に行ったら?」などと勧めてくる。
     どうもウチのお母んの教育の賜物か、人が避ける時を狙って遊びに行くようになってしまった。
     例えばディズニーランドなども、台風が接近してる時に行ったりする。屋外でのアトラクションは楽しめないが、なにより空いてるのがいい。屋内施設の乗り物など乗り放題である。
     伊豆の群発地震の時などは天候が良かったうえに、宿泊施設はもちろん遊技場やお土産屋さんも最高のサービスをしてくれて楽しめた。どうして、みんなこうゆう時に繰り出さないのかと思ったものである。
     被災地のためなんて言わない。人の不幸につけ込んで得をするチャンスである。それでいて誰に迷惑をかけるワケでは無いのだから、良心も痛まないという事で(^.^)
     東北3大祭りの1つで、毎年200万人以上が訪れる『仙台七夕まつり』も8月6~8日の開催に変更は無いそうだから、できれば行ってみたい。
     あっ、でも、みんなが繰り出してしまうと人がごった返してしまうので、やっぱり「行くのに不安がある人」は行かなくていいです( ̄▽ ̄)
     酢酸エチルを求めてお客さんが来店。
     酢酸エチルは、揮発性が高く、発火点も低い危険物であり、取り扱いも正式な許可がいる薬品なので何に使うのかと思ったら、昆虫採集に使うそうな。
     調べてみると、確かに昆虫標本にするさいに使用するようだ。
     使い方は、酢酸エチルを染み込ませた綿花をビンに入れて、直接昆虫に触れないようにしきりをして(触れると変色する)
    10分~1時間ほど密閉するとの事。
     なんにしても、普通は薬局でも常備している物ではないので、問屋さんに注文する事になった。
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    ◆8月1日(金)/2003年◆
     旦那さんが胆石らしいというお客さんが来店。
     お腹が痛くて吐いたりしていたが、仕事に行ってしまったという。
     ええ~!?
     胆石での腹痛なら、歩けないくらいだと思うのだけど、病院での診察は受けたのだろうか。
     そう尋ねると、病院には行っていないとの事。
     なんでも、救急車を呼ぼうかと旦那さんに言ったら、「みっともないからいい」と断られたのだそうな。
     うう、それほど痛かったのなら救急車呼んで下さい。みっともなくたって、間違っていて笑い話で済むなら、その方がいいです。
     そりゃ、救急車で運ばれた人の半分近くが必要なかったというデータもあるけれど、普段から簡単に救急車を呼びつけたりしてる訳ではないのなら(中にはそうゆう人もいるらしい。そうゆう人は論外)、遠慮しないで呼んでいただきたい。
     胆石と断定できれば思い切って強めの漢方薬も勧められるが、分からないと手の打ちようが無い。
     少なくとも痛み止めには芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)を使うとして、普段から体力があるのなら柴胡という成分の入っている漢方薬が候補に上がる。
     小柴胡湯(しょうさいことう)大柴胡湯(だいさいことう)か、いやいや柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)ならば風邪にも使えるから、胆石でなかったとしても症状を緩和する事ができるはず。
     とにもかくにも、旦那さんを明日絶対に病院に連れて行って下さいと念を押して、芍薬甘草湯小柴胡湯を勧めた。
     うむぅ……、心配σ(^~^;)。
     日焼けでヤケドした患者さんが来店。
    「ヤケドの薬が欲しい」と言う。
     顔が真っ赤に腫れていて、分泌物が滲んできている。
     雨や曇りが続いていたから、たまの晴れで油断してしまったらしい。
     ヤケドの厄介なところは、“ヤケドを治す”という薬は存在しない事だ。
     切り傷などもそうだが、ヤケドは皮膚が自然に再生するのを待つしかない。
     なので薬は、皮膚が再生するまで雑菌で化膿したりするのを防ぐという消極的な治療をするのみなのだ。
     お話を聞いてみると、別なドラッグストアーで冷やす物は購入したとの事。
     だが、日焼けしたのは昨日である。今さら冷やしては、逆に血管が収縮して皮膚の回復が遅れる事になる。
     しかも、念のために何を買ったのかを確かめてみて、ビックリ。
     フェイスマスクタイプの冷却剤だった。成分を見ると、メントールが入っている。
     おいおいおいおい、どこだよ。こんなのを売りつけたドラッグストアーは。
     メントールは確かにスーッと冷たい感じがするが、立派な刺激物だ。
     こんなのをヤケドした所に着けたら、それこそ皮膚が炎症を起して悪化させてしまう。使っていたら危ないところだった( ̄▽ ̄|||
     とりあえず患者さんには、化膿止めのクリームを勧めて、患部を冷やしたり刺激したりしたりしないように伝えた。
     これから海などに行った場合は、日焼けは立派なヤケドなので処置を間違えないように気をつけてもらいたい。
     まず、日焼けした当日は日焼けした所を冷やす事。できれば冷たい流水で30分以上冷やすのが理想なのだが、体温が奪われると危ないので、冷却剤などを薄手の布でくるんで特に痛む部分を冷やすのが良いだろう。
     最近は水枕のような大型で柔らかい冷却剤もあるので、それを使う事をお勧めする。
     そして、冷やすのは最初の1日目だけである。翌日からは、早く皮膚を再生させるために肌触りの柔らかい服を身につけ、赤く腫れているようであれば、炎症を抑えるクリームなどを塗る。
     さらに、ビタミンBの含まれている栄養剤を飲むと、皮膚の原料になる。
     閉店間際に、市内の調剤薬局のTさんから電話。
     調剤専門でやってきたが、市販のOTC薬も置こうと思うのでどんな物を揃えたら良いかという相談。
     しかし、Tさんの薬局の近くにはドラッグストアーがある。
     ウチだって近所に何軒ものドラッグストアーがあって、仕入れ値より安く売ってる物があると、ドラッグストアーで買ってきてお店に並べてるのに、何を揃えたら良いかと相談されてもなぁ(苦笑)
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    ◆8月2日(土)/2003年◆
     お店に出てすぐに、処方箋がFAXで襲来。
     そのほとんどが小児科であった。
     やはり夏休みとはいえ、親が休める時でないと、なかなか子供を病院に連れて行くのもままならないのだろう。
     小児科の薬を用意する時に厄介なのは、薬の分量を小児向けに計量しなればならない事。
     錠剤なら割って、散剤(粉薬)ならば袋から出して音叉振動式電気計量計でコンマ1mgまで計る。
     そして、それをパッケージングしていくので1人分を用意するだけで10分~30分程度を要する。
     それが連続して来ているので、用意しているうちに「あれ、○○ちゃんのはどこまで出来たっけ」とか、「△△(薬名)は、どこ~!?」とか、「それはもう用意したよ」という大混乱に陥る。
     もちろん、それだけに患者さんに渡すまでには何度も確認するのだが、ちょっと患者さんには見せられない光景である。
     しかも、中には兄弟姉妹で受診していて、それが3姉妹であったり双子の兄弟だったりで、二重三重の罠である。(←罠ってなんだ。)
     そう言えば以前にある小児科の先生に聞いた話で、患者の母親から診察を予約する電話があって受けたら、当日連れてくる子供を親が間違えたなんて事もあったとか。
     他にも、病院で診察後にすぐに薬を子供に飲ませる時に、飲ませる子供を親が間違えて昏睡してしまったなどの危ない話も聞いた。
     医療関係者も気をつけるようにはしていますが、親が自分の子供を間違えるという事までは分かりようがないので、くれぐれもご注意下さい(^-^;
     やっと全てを用意してホッとしたところで、炭酸水素ナトリウムが余った。
    主に胃酸過多などの時に処方されたりする。小児科に混じって大人の患者さんの処方箋も来て、その薬を用意する時に使ったのだ。
     余っているのは1g程度。値段は安いので捨ててもかまわないのだが、なんだかもったいない。
     お母んがこともなげに「舐めちゃったら」というので試してみた。
     しょっぱい~(>_<)
     そりゃそうだよ、ナトリウムなんだから。塩と似ている。
     なんでも昔は小学校の家庭科の授業で、お饅頭を作るのに膨らし粉として使っていたとか。
     ン十年前の話だ(笑)?
     献血者の輸血でB型肝炎になったとみられる女性が死亡したとのニュース。
     女性はもともと循環器系の疾患があったため、劇症肝炎が死因と断定はされなかったらしい。
     だとすると遺族が解剖を希望したのか、それとも医療機関の方で解剖をしたいと遺族に申し出たのか。
     いずれにしろ、死因の特定がなおざりにされなかったお陰で今回の事が分かった。
     そして残念だったのが、日赤の対応。
     死亡した女性は手術で複数の人からの献血を輸血され、献血者の一人が献血をした後に「病院でB型肝炎ウイルス(HBV)に感染していると言われた」と日赤に連絡。
     連絡を受けた日赤は保管していた血液を再検査したが、HBVは検出されなかったため、追跡調査を打ち切ってしまったのだとか。
     今やウイルスを検出できない期間(ウインドーピリオド)がある事はマスコミでも報道されていて、素人でも知っている事のはず。
     肝炎ウイルスなどの感染が判明した人が過去に献血していたことが分かった場合、その血液を輸血された患者に検査および治療を呼びかける必要性がある事は明らかなのに、どうして怠ったのか。
     患者と相対している医師でさえ、仕事としてこなしていくうちに患者が人間であるという事を忘れてしまうという。片付けなければならないノルマの1つになってしまうのだ。
     日赤のスタッフもまた、自分たちが扱っている物がなんであるのかを忘れてしまったのかもしれない。
     自分の仕事も流れ作業になっていやしないかと自戒。
     気象庁の発表によると、関東地方もやっと梅雨が明けたようだ。
     ニュースサイトを見てみると、ビール業界や家電メーカーなどは、これからの盛り返しに期待しているとの事。
     ビール業界や家電メーカーなどは季節ごとの業績の事を大手を振るって公言できて羨ましい。
     まさか医療業界が、「今年の夏は天候不順で体調を崩す人が多いと予想しており、収益増を見込んでいる」なんて言えないからねぇ(笑)
     今日は隣の戸田市で花火大会があり、奥さんが観たいと言うので早くお店をあがって出かけた。
     戸田公園駅から花火の観覧場所まで歩いて行くと、通りには屋台が何軒も並んでいる。
     カキ氷の屋台を覗くと、「シロップかけ放題」の文字が。しかも、シロップの入ったケースには蛇口まで付いていた。子供たちは、2~3種類のシロップをかけたりしていた。
     自分はそれはしなかったけれど、ラムネ味に惹かれてカキ氷を食べた。
     その後で「具だくさん」と書いた札を掲げていたヤキソバの屋台を見つけて、試しに買ってみた。後でパックを開けてみるとビックリ。
     屋台のヤキソバなんて、「高い・マズイ・ショボイ」物だと思っていたのだが、他の屋台と同じ値段でありながらボリューム満点だった。
     入っているキャベツやニンジンも大きめに切ってあって、キクラゲやウズラのゆで卵なども入っている。
     麺も太めで食べ応えがあり、味も申し分ない。う~む、女将さんの心意気といったところだろうか。
     とまぁ良い事もあったが悪い事、と言うか嫌な事もあった。
     花火を観覧する土手には、当たり前のように場所取りのブルーシートなどが敷いてある。それでも、誰かしら人がいるのはいい方で、中には誰もいないのに敷き詰めてあったりする。
     それどころか、ハーケンなどの大きな金具でビニール紐などを地面に打ち付けて場所取りをしてあったりするのだから呆れる。多くの人出があるのに、転んだりしたらどうするのか。
     そんな訳で、私もそうだし他の多くの人たちも座る場所に困って右往左往していた。
     そのうちに打ち上げ開始の10分前になった。
     そこで、ロープだけ張って誰もいない所などには、ポツポツと人が座り始めた。そりゃそうだ、誰も来ないのなら空けておく必要はあるまい。
     そもそも事前の場所取りは主催者側も禁止している。
     で、私もすでにどこが取ってある場所だか分からなくなってる所に座った。
     そして、もうすぐ始まるという頃になって場所を取っていたらしい一団がやってきた。
    「なに座ってんのォ! そこ取ってたんだよォ!」とオバサンが怒鳴りつけてくる。
     お怒りはごもっともですが、主催者が場所取りを禁止している以上、違反しているのはそちらです。それに、持ち主が不明で放置してある物は拾得物として扱われる物です。
     そう説明すると旦那さんらしい人が、「理屈を言うか!!」と怒り出した。
     理屈じゃないって。アンタは規則と言うものを知らんのか。
     周りの人たちも戸惑うばかりである。
    「普通、子供がいたら譲るわよねぇ」などとまで言い出して溜息。
     なるほど、子供をダシにするという事は、自分の方が正しくない事は分かってるワケね( ̄▽ ̄)
     とりあえず、もうすぐ花火が始まるのでいつまでも騒がれるのは迷惑。
    「空いてるスペースはあるんですから座ったらいいでしょう」と勧めた。
     すると、「ああ、座るよ! 当たり前だろ、こっちが先に場所取ってたんだから!」と逆ギレ。連れの子供がオロオロしてて可哀相なくらいだ。
     一家族だけじゃなくて三家族ぐらいの一団だが、誰も自分たちが悪いとは思わないらしい。座ってからも文句をブツクサ言うは、周りの人たちを威嚇するは(動物かい(^-^;)、まるでお子様の集団であった。
     なんだかなぁ。子供がまっすぐ育つか心配になる。
     
     花火の方は、不況の影響か玉数が減っているとはいえ、花火師の工夫や腕の冴えとでも言うべきか、タップリと楽しめた。
     何枚かスローシャッターで撮影してみたので、よろしければ覧下さい。
     http://magical-shop.web.infoseek.co.jp/photo/200308/index.html
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    ◆8月3日(日)/2003年◆
     今日は私が所属しているゲームサークル『SNAKE-EYES』のコンベンションである。
     予定通りに出発し、会場に向かった。
     http://www.snake-eyes.gr.jp/
     夏休み中で他の行楽に出かけているのか、それともワンダーフェスティバルと同じ日だからなのか、久しぶりに参加者が30人を割った。
     http://www.kaiyodo.co.jp/wf/garage.html
     運営費としては赤字だが、人が少ない方が部屋は快適(笑)
     そして今回は現場責任者の武井くんに勧められて、ゲームに参加する事になった。
     いつもは事務作業をしているので、ゲームに参加するのは久しぶりである。
     1年ぶりくらいかもしれない。
     さて、なんのゲームかと言うと、『SNAKE-EYES』がなんのサークルかをしなければならないかな。
     『SNAKE-EYES』の活動で扱っているゲームは、『TRPG』である。
     これは、『テーブルトークロールプレイングゲーム』の略で、直訳すると『対話型役割演技遊戯』とでもなるだろうか。ひらたく言えば、“ゴッコ遊び”である。(やや、ひらたく言い過ぎかも)
     アメリカでは子供の遊びとしての他に、学校などの教育の現場で活用されたりしており、日本でも一部の学校では取り入れてるところもあるようだ。
     むしろ日本では、子供たちにイジメッ子の役やイジメラレッ子の役をやらせて、その“気持ち”を体験させたりと言う使い方をされていて、やや硬いイメージがあるかもしれない。
     一方でテレビゲームで“トーク(対話)”を省いた『RPG(ロールプレイングゲーム)』として、『ドラゴンクエスト』などの方がメジャーになってしまったために、悪いイメージの方が定着してしまった感もある。
     http://www.square-enix.co.jp/
     とにかく『TRPG』とは、様々な世界で様々な役になって対話しながら楽しむゲームの事だと理解してもらって不都合は無いはずだ。
     様々な世界と言ったが、それこそ各種のゲームがあり、いわゆる剣と魔法の出てくるファンタジーな世界もあれば、現代を舞台にした物や、宇宙を舞台にした物、ホラーやバトル中心の物などがある。
     そして、それぞれの世界でゲームごとのルールに沿ってキャラクター(登場人物)を設定して、そのキャラクターを演じる。
     子供の頃は、やはり演じるなら強くてカッコイイヒーローが良くて、やたらと腕力があったり頭が良かったりと弱点の少ないキャラクターを作成していたが、年を経るにしたがって“弱点のある人物”を演じるのが面白くなってきた。成長したねぇ(苦笑)
     今回は3種類のゲーム卓が立ち、その中の『ガープス・マジカルシーフ』というゲームに参加した。
     この『ガープス・マジカルシーフ』の舞台は、現代の日本である。
     しかし、1つだけ特徴的な法律のある世界だ。
     その法律は、『怪盗法』───。
     私も初めてプレイするゲームなので解説を間違っていたらゴメンなさい。
     私の理解したところによると、ゲーム中の日本では激増する凶悪犯罪を“コントロール”するため、泥棒をしても良いという法律が施行されているとの事。
     ただし、条件が幾つかある。
     まず、盗む前に必ず警察に、「いつ・どこで・何を」盗むかを予告しなければならない。そして、予告時間ピッタリでは盗むのは無理なので、予告時間の前後一時間以内ならばいつ盗んでも良い。ただし、予告をした本人だと証明するために、予告時間の前後1時間以内に必ず一度は警備している人間の前に姿を現す事。
     犯行後、5時間逃げ切れば現行犯ではないものとして追跡されない。そのため、正体がバレても逮捕される事はない。
     それと盗む時には、窓ガラスを割るなどの器物損壊や、人を傷つけるなどの過剰な抵抗はしてはならない。
     これらを守る事で、泥棒が許されるのである。
     さて、そうなると中には人々の人気を集める怪盗団もいたりして、さらにそれを捕らえようとする探偵団も存在する。探偵団の多くは、それこそ人気商売のアイドルグループなどで、これまた多くのファンがいたりするのである。
     今回のGMさん(ゲームマスター/ゲームの進行係であり審判であり監督でもある)の言によると、いわば『ルパン三世』や『キャッツアイ』、『怪盗セイントテール』を演じて楽しむ事ができるゲームだそうだ。確かに。
     そんな世界観の中で、プレイヤーたちは新進気鋭の怪盗団のメンバーを演じるのだ。
     怪盗団のチームは4人。
     おとり役のファワード、変装術を駆使するスカウト、道具を用意するメカニック、策を練るプランナーの中から好きな役どころをという事で、私はメカニックを選んだ。
     自分が演じるキャラクターだから、みんなどうやったら楽しめそうかを考えながら性格や能力などを決めていく。
     さっきも言ったが、オールマイティーで有能なキャラクターを作ってもあまり面白くはない。なにがしか弱点があった方が楽しい。
     なので私は、性格を“誠実で正直”と設定した。泥棒なのに、誠実で正直ってのは間違いなくゲーム(物語)の途中で面白い事になるはずだ。
     女性スタッフには、「北さんが誠実なキャラ? 絶対無理!」と笑顔で断言されてしまったがσ(^◇^;)。
     他のプレイヤーさんたちも、それぞれに自分のキャラクターの設定をしていくのだが、なにげに弱点を作るのが楽しい様子。
     フォワードは目立ちたがり屋(泥棒が目立ってどーする)、スカウトは強欲(金に目がくらんで失敗するタイプだな)、プランナーは深謀遠慮(石橋を叩き続けて渡れないぞ)という具合である。
     そしてキャラクターの設定ができたところで、怪盗団のチーム名と盗む時の登場方法を話し合った。
     プランナーの提案で音楽を流す事になったのだが、理由は後片付けがいらないから(笑)
     確かに逃げなくちゃならない事を考えれば、音楽を流すのは楽な方法。で、その曲目はクラッシックがいいとスカウトが言い出して、私がバッハの『トッカータとフーガ』にしようと言ったら、あっさり通ってしまった。目立ちたがり屋と設定したフォワードは呆れていたが(苦笑)
     と言う事で、怪盗団のチーム名は『旋律のバッハ』と決まった。怪盗団にしてはマヌケな名前である事よ。
     さて、そんなこんなでゲームは開始された。
     以下は、今回のゲームのストーリーである。
     ここまで読んでちっとも興味の湧かなかった人は明日の日記まで飛ばしてもらってかまわない。
     ゲームのストーリーは基本的にGM(ゲームマスター)がシナリオを用意しておくのだが、ゴッコ遊びはアドリブが身上。どんな展開になるのかは誰にも分からない。GMが用意した罠に次々とはまって大波乱の物語になるか、偶然の積み重ねでまったく山場の無い淡々とした物語になるか、神のみぞ知るである。
     それと、各キャラの名前もプレイヤーが設定しているが、著作権が絡んでくるので、ここではフォワード、スカウト、メカニック、プランナーという役割で表記しておきますです。
     先にも書いたように、このゲームの世界では怪盗法によって予告した上での泥棒行為は認められているので、新進気鋭の売り出し中の怪盗団が盗みのテクニックを競い合うテレビ番組などもある。
     我々『旋律のバッハ』も、とある高校の女教師とその生徒たちで結成したチームであり、これから名を売ろうという怪盗団だ。
     そこで、そのテレビ番組に出演し、見事に番組側で用意した賞金を指定された場所から盗み出す事に成功した。
     それで気を良くした私たちは、師匠の家に訪れた。(すでに怪盗が職業として成立しており、ゲームのタイトルに『マジカルシーフ』とある通り、魔法が存在していて、各怪盗たちにはそれらを教える師匠がいるという設定なのだ。)
     すると師匠が倒れていて、介抱する一方で師匠の家にある書斎を調べてみると、特別な魔法の薬が必要だと言う事が分かる。
     しかし、その魔法の薬は高価で、また自分たちには作り出す事ができない。
     そこで、魔法の研究をしている人を頼って譲ってもらえるように交渉に向かった。
     相手は薬を譲るにあたって金銭ではなく、博物館に展示されている古代アステカの石仮面を要求してきた。
     物語の展開としては、当然博物館に盗みに行くところだが、ここで各プレイヤーたちが設定したキャラクターの性格を考慮する事になる。
     私は“正直で誠実”な性格としたので、多少の危険は伴うが依頼された通り博物館に盗みに行こうと主張した。
     ところがスカウトは“強欲”という設定なので、どうせなら石仮面と薬を両方とも盗んでしまおうと言い出した。プランナーも、石仮面はともかく博物館より個人宅から薬を盗む方が楽で安全だと言う。
     しかし私はあくまで「騙すのは良くない」と反対し(泥棒なのに)、“目立ちたがり屋”であるフォワードに「博物館から盗み出した方が目立つぞ」と持ちかけて、みんなを説得してくれるように持ちかけた。
     この交渉こそが『TRPG』の醍醐味である。あらかじめプログラムされたスタンドアロン(ネットに接続されていない環境)のコンピュータゲームでは楽しめない。
     で、やはり名前を売るためには博物館から盗む事にしようと決まった。
     そうなると、まずは警察に予告状を出さなければならない。それを怠ると、逮捕される事になってしまう。
     で、フォワードが「どうせなら予告状も目立つようにしたい」と言うので、予告状自体を博物館の展示コーナーに展示物のように置くという演出をした。
     ちなみに、これらのキャラクターの行動は“行動宣言”という事で、GMに「○○をします」と伝えて、GMが「分かりました」と了承する事で認められる。GMが自分の用意したシナリオに固執するかどうかなど、キャラクターの取れる行動はルールよりも多分にGMの性格と懐の広さに左右される。
     予告状を出したら、次は侵入経路と逃走経路の下調べと、手順の確認である。
     いやぁ、悪巧みって楽しい(笑)
     なんか“いけない相談”をしているみたいでワクワクしてしまう。
     そして予告した時間(ゲーム内の)になり、プランナーが囮のハングライダーを飛ばして警官隊を陽動したところで、フォワードがさらに現場を混乱させて、その隙にスカウトが忍び込んで石仮面を盗み出した。
     あとはメカニックである私のキャラクターが用意した車で逃走するだけである。
     ところがそこに、美形のアイドル探偵が登場。しかも、ただ顔がいいだけじゃなく、実力のある探偵だ。
     警官隊や、探偵などのキャラクターはGMが演じている。1人で何役もこなしつつ、ルールの判定などを行う。
     ルールでは、盗み出す時に過度の抵抗は禁止されている。あまり強力な武器を使う事はできない。
     そこで、目立ちたがり屋のフォワードが特殊な加工をしたトランプを探偵に投げつけた。探偵の服を壁に縫い付けてしまおうというのである。狙い通りに使えるかどうかは、3個の6面ダイス(サイコロ)で判定する。この時にダイスの出目だけでは偶然性に左右されすぎてしまうので、キャラクターの能力値に基づいて判定される。
     例えば、やはり運動能力が高ければ命中率も良い。そこで、キャラクターの運動能力値が15の場合は、15以下の出目が出れば成功となる。(6面ダイス3個の最高値は18だから18が出れば絶対に成功である。)反対に運動能力値が10などの低い数値設定だと、10以下の出目を出さなければ失敗してしまう。つまり、運動能力が低ければ成功率も低い訳だ。
     フォワードが投げたトランプは見事に命中、探偵の足を止める事ができた。
     そこですぐに脱出すればいいものを、スカウトが“強欲”なうえに“好色”という性格設定だったため、カメラ付き携帯電話で美形な探偵の写真を撮っておきたいと言うので撮影した。(当然、プレイヤーが「写真を撮ります」と宣言して、GMがOKを出したからである)
     そんな余計な事をしていたら、探偵の方もトランプを振り払ってしまって、また追われるハメになってしまった。仕方が無いので、フォワードがもう一度トランプを投げつけた。ただし今度は、探偵のズボンのベルトを狙って。
     哀れ美形な探偵は、ベルトを落とされてパンツ丸出しになってしまった。
     そうしたら、スカウトがまたも写真を撮った。おいおい(笑)
     こうして、無事に石仮面の盗みに成功し、石仮面を良く調べてみると額の所に宝石らしきものがはまっていた。すると、なんとスカウトがその石を取り外してしまった。
     曰く、「依頼されたのは仮面なんだからいいでしょ」と。
     えーい、この泥棒め(笑)
     かくして、額の石を取り外した仮面を依頼主に渡すと、約束通りに魔法の薬をもらい、それを師匠に飲ませて一件落着。……と思いきや。
     なんと石仮面には魔物が封印されていたはずだと、目覚めた師匠に教えられた。石仮面の額に埋め込まれていた宝石が、封印だったのだ。
     放っておけば、石仮面を手にした人物が魔物に取り付かれてしまう。かと言って、事情を話して宝石を返すとなると、もしかすると予告無しに宝石を盗んだという事になって逮捕されてしまうかもしれない。
     そこで、今度は石仮面を渡した人物から石仮面を盗み出す事に決まった。
     犯罪の隠蔽のために、また犯罪を犯そうというのだ。ひどい話だな、おい(笑)
     かくして、改めて警察に予告状を出して、周囲からは「なんで個人宅なんて狙うんだ?」と不審がられながら、手はずを整えた。
     ところが、アイドル探偵がこのあいだ恥をかかされたのがよほど悔しかったのか、事前に情報を流していて、ファンの女性たちまでもがアイドル探偵を加勢するために駆けつけていて容易に侵入できない。
     そこでプランナーが立てた計画は、容赦の無いものだった。それは、スカウトが撮影した、前回の恥ずかしい写真を印刷してバラまくというもの。
     ネットを通じてハッキングして画像データを流す方が手軽だが、ファンの女性たちを混乱させるためには、写真という物理的な物が良いという事で、メカニックの私が急遽その画像をプリンターで増刷した。
     そして予告時間、アイドル探偵のパンツ丸出しの写真が何百枚と空からバラまかれた。ヒドイ作戦だね、どうも。
     そのおかげで侵入は成功したものの、こちらの作戦に逆上したアイドル探偵には手を焼いた。あんまり手を焼いたので、動きを封じるためにフォワードが例のトランプでまたも服を切り裂いて裸にしてしまった。なんと、下品な展開。
     しかし、ギャグはそまで。すでに石仮面の封印が解かれていたため、手にした薬をくれた人物は魔物に操られていた。
     本人に危害を加えてしまっては怪盗法違反である。なんとか魔力を封じながら戦うという不利な展開になり、プランナーが策を立てて、なんとか封印のための宝石を石仮面の額に戻す事ができた。
     そして、石仮面ごと持ち去って逃走した。
     ちなみに、本当は変装術が得意なスカウトが、警察官に変装してスリ替えるという方法もあったのだが、強欲なスカウトに宝石を預けると、そのままトンズラしそうだったので、強行的に侵入して苦労するハメになった。同時に、スカウトが好色で、アイドル探偵の写真を撮っていたのが役に立ったのだから、何が幸いするか分からないものであるなと、妙に感心。
     ゲームが終了してから、GMがゲームの展開上使わなかったネタなどの話を聞いた。
     アイドル探偵の服を脱がすというのは予想していなかったので、まさかこんな下品なギャグ物になるとは思っていなかったとの事。
     この、用意したネタにおさまらないところが楽しい。
     それと、やはり私に“正直で誠実”な性格を演じるのは無理だという事が証明されてしまった(苦笑)
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    ◆8月4日(月)/2003年◆
     “歯の薬“”が欲しいという患者さんが来店。
     実は何度か来ている患者さんである。歯の薬とは痛み止めの消炎鎮痛剤の事なのだ。
     それが分かってるから、続けて「炎症剤ちょうだい」と言ったのはご愛嬌。
    「炎症させてどーする」というのは野暮なツッコミである。
     それと一緒に、“化膿止め”も欲しいと言う。ウチで化膿止めと言えば、漢方薬の排膿散及湯(はいのうさんきゅうとう)の事である。読んで字の如くの名前で、化膿の原因になっている毒素を排出して散らす事が出来る。
     しかし、まだ歯医者に行ってなかったんですか(^-^;
     何度も勧めているのだが、歯を抜かれるのが嫌で薬だけを買いに来ている。
    だが、消炎鎮痛剤で痛みを抑えて化膿止めで虫歯の進行を遅らせても、絶対に治る事は無い。
     販売を禁止されてる薬じゃないし、もし売らなくても他の店に行くであろう事は目に見えている。
     となれば言い方は悪いが、この患者さんを目の届く所に置いておかないと心配。とりあえず根気良く歯医者に行く事を勧め続けるしかない。 
     どうも『虫歯』という名称が、「痛みはともかく、たいした事は無い」というイメージを与えているのではないかと思う。
     それは大きな間違いで、虫歯は“不治の病”なのである。癌(ガン)でさえ完治する可能性は現代においては大きいと言えるのに、虫歯だけは“完治”する方法は未だに無いのだ。
     現役の歯科医が書いた『歯は中枢だった』と言うトンデモ本があるが、虫歯を内臓疾患に例えれば、臓器移植、しかも人工臓器に交換する以外に治療のしようが無い。
      http://homepage3.nifty.com/hirorin/tondemotaisho2003hahachusu.htm

     普通の病気なら早期発見早期治療によって回避できる病巣の切除も、虫歯の場合はどんなに初期でも削る以外に方法は無く、ただひたすら予防する以外に有効な手立てが無いという、他に類を見ない恐ろしい病気なのである。
     そのうえ、感染症だから虫歯の患者が自分の箸で料理を取り、その同じ皿から他の人が料理を取れば感染してしまう。だから、特に幼い子供がいる場合は、親が使っている箸や皿は絶対に子供が食べる物に触れさせないようにしなければならないのだ。
     ゆめゆめ油断なされぬように。(←何故、時代劇口調なんだ。)
      
     北朝鮮から非政府組織(NGO)『レインボーブリッヂ』が持ち帰った子供の手紙と写真を、政府支援室を通じて拉致被害者が受け取ったニュース。
     『レインボーブリッヂ』事務局長の小坂浩彰氏の記者会見は何度見ても笑える。
     まさか、こんな面白いキャラクターが登場するとは思わなかった。
     http://www.ngo-rb.org/
     当初、小坂氏は写真は政府支援室に預けても良いが手紙は直接拉致被害者に渡したいとゴネていた。その理由が、「手紙には封がされていないから第三者に委ねられない」と言うので、テレビの前でズッコケてしまった。
     だったら、自分が封をすればいいじゃん(笑)
     もしかすると、それを誰かに突っ込まれたのか、結局は政府支援室に預ける事となった。
     『レインボーブリッヂ』の活動を調べてみると、やってる事に関しては人道支援という事で、特に非難されるべき点は無いように思える。
     しかし、分別はつけてもらいたいとも思う。
     私はNPO(特定非営利活動法人)の子供教育の団体に関わっているが、正直なところ“善意”ほどやっかいでハタ迷惑なモノはない。
     なにしろ、自分たちのやってる事は正しいと思い込んでいるものだから、検証するという視点に欠けている。
     だから私は、「子供の教育を国にまかせっきりではいけない」という主旨には賛同しているから関わっているが、距離を置くようにしている。でないと、どうにも危険な気がしてならないのだ。
     肝心の子供たちに目を向けずに、幻想の中の勝手なイメージの子供のための活動をしてしまいそうで。
     今回の騒動も、記者会見やインタビューでの小坂氏を観ていると、なんで騒ぎになってるのか本当に分からないといった顔でキョトンとしてる。
     何を叱られてるのか分からない子供と同じ表情で、おそらく『レインボーブリッヂ』が胡散臭く思えてしまうのは、これからも何をしでかすか分からない警戒心を抱かせるからだろう。
     一方、拉致被害者が政府に対して不信感を抱くのも、政治取引に利用されるのが不愉快なのも良く分かる。良く分かるが、情に流されない対応こそが、必要なのだと私は思う。
     政治取引に使われると言う事は、目的が定められるわけで、目的が定まっていれば道筋も付けようがある。
     少なくとも拉致被害者やその家族はともかく、支援者までが同じ視点で腹を立てるのは感心しない。
     むしろ政府を動かすのに今まで何十年もかかったのは、情に訴えていたせいではないだろうか。
     政治家の既得権益などは良く批判の対象となり槍玉に挙げられているが、実効力を考えれば、もっと早く“人気取り”として使える事を知らしめて働きかければ良かったのにと思う。
     子供の便秘で親御さんが来店。
     子供用の浣腸を下さいと言われたが、念のために便秘の状態を尋ねた。
     訊くと、浣腸してもなかなか出なくて、出ても兎のようにコロコロした便だと言う。
     便がコロコロしているのは、腸が痙攣している可能性がある。
     腸が痙攣している便秘の場合は、いくら浣腸をしても無駄である。むしろ、腸に無用な刺激を与えて腹痛を起こしてしまう事もある。下剤も同じ。
     そして、子供が痙攣性の便秘を起こすのは、ほとんどが精神的なストレスが原因だ。
     そこでさらに詳しく話を訊くと、思い当たる事としては下の子供が生まれてから便秘になったようだとの事。
     おそらくその推測で間違いないだろう。
     親としては、上の子も下の子も同じく接しているつもりだろうが、子供の感じ方はコントロールできるものではない。下の子供ばかりをかまってるように感じて、それがストレスになっているというのはあり得る事だ。
     だとすると、便秘をどうこうというより、精神的なストレスを緩和してあげた方が根本的な治療になる。
     漢方薬では、小健中湯(しょうけんちゅうとう)が有効だろう。
     ところが、ここで問題が。なんでもその子は、大の薬嫌いなのだそうだ。
     ゼリーに混ぜて飲ませるのもダメだという。
     う~む、困ったな。
     ハンバーグのような物に混ぜても分かってしまうかもしれない。
     考えているうちに、ポンッと閃いた。
     カレーはどうだろうか。
     カレーの原料になっているスパイスは、そのほとんどが漢方薬の原料と同じである。あの独特の色も、ウコンが入ってるからだ。
     それにカレーは匂いも味も濃い。漢方薬を入れても気づかないはずだ。
     聞けば、その子もカレーは大好きとの事。
     好きな物を食べるというのもストレスの緩和になる。上手くいくかもしれない。
     親御さんも試してみるという事で、小健中湯を買っていった。
     さて、結果はいかに。
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