『in ゼリー』のマルチビタミンに、小児と妊婦さんは注意!! 「添加物」を怖がる人は水も飲めません

 やや高齢のお客様から『OS-1』を求められたけれど、人から「熱中症の予防に」と勧められて飲んだら美味しくなかったというため、体が欲しているときと不要なときとで味の感じ方が変わることと、予防ではなく現に症状がある時に飲む物だと説明したところ、お帰りになった。
 そして、その知人にも伝えてほしいとお願いした。
 予防に飲まれて体を壊してしまっては、なんにもならないので。

 お客様が『OS-1』をまとめ買いされるのでヒアリングしたところ、昨日に熱中症になったそうで、確かに顔色も悪いのから適応しそうだった。
 ただ、予防に毎日飲んで病院に運ばれる人もいるため、症状がある時だけ飲む物であることを伝えた。
 一般に「経口補水液」と呼ばれている物は、糖分と塩分を混ぜた水。
 人間の活動にはエネルギーとなる糖分が必要なのだが、糖分だけ入った水だと浸透圧の関係で腸からの吸収が遅くなるため、塩分を加えることことにより吸収しやすくなる。
 そういう意味では、実は水分の補給だけが目的なら塩を少し溶いた水のほうが、糖分の多いスポーツ飲料よりも早く吸収される。
 しかし、先述したように人間の活動にはエネルギーも欠かせないので、糖分と塩分をバランス良く配合した経口補水液が、衰弱した身体には有益。
 ところが『OS-1』は、より顕著な症状、下痢や嘔吐などが現れた場合に適応するように開発されており、経口補水液にミネラル分が加えられている。
 ミネラルというと、自然塩の宣伝に用いられることがあるように、体に良い栄養と思われている人が多いが、言ってしまえば鉱物、すなわち石みたいな物で、体内に溜まると「結石」となって病気を引き起こす。
 特に腎臓に負担がかかるため、内臓の未熟な幼児や、内臓の機能が衰えてくる高齢者は注意が必要。
 それなのに、熱中症や体調不良の「予防に」などと吹聴する人がいて困る。
 私としては、水分代謝の異常を改善する『五苓散』『呉茱萸湯』を勧めたいところ。

 お客様から『OS-1』を求められたけれど、用途を確認すると奥さんの悪阻(つわり)にというので、目的に合わないことを説明したうえで『 inゼリー』を案内したところ、何か飲んでいたのが添加物が気になって飲めなくなったというため、『ジハイドロゲンモノオキサイド』の逸話を例に、心配はい要らないことを説明した。
 ジハイドロゲンモノオキサイドは、日本語で表せば一酸化二水素。
 無色透明かつ無味無臭なこの化学物質は、酸性雨に多く含まれており、その毒性の強さから毎年何万人もの死者を出している。
 にも関わらず、産業界から使用したいという要望が高いため規制強化の機運が高まらず、現在も使用され続け犠牲者が増えるばかり。
 しかし、アメリカスのアイダホ州の中学生ネイサン・ゾナーが、とある大学でこの事実を知らしめて「ジハイドロゲンモノオキサイドの使用を禁止せよ」という嘆願書を作成し署名を集めたところ、大多数の人が賛同したという。
 そう、環境活動家のグレタ・トゥーンベリのように。
 でも、「一酸化二水素」をすぐに化学記号に当てはめられた人は、気がついたはずだ。
 化学構造式では「H2O」なのだから、ただの「水」である。
 酸性雨の主成分は酸よりも水だし、川や海などで大量に飲み込んで窒息死する人は多い。
 つまりは、「量」の問題なんである。
 おにぎりの使う塩にしたって、調味料であるのと同時に腐敗を遅らせる「添加物」である。
 薬では、効果を発現させるのを早めるためだったり日持ちさせるためだったり、飲みやすさや吸収性の良さのためにと添加物を加える。
 添加物には「主成分に加えた」以外の意味は無くて、「添加物だから体に悪い」というのは、暴論以外の何モノでもない。
 一方 、『in ゼリー』にしてもマルチビタミンには脂溶性で身体に過度に蓄積されてしまうビタミンAなどが含まれているので、気をつけなけれならないことを説明した。
 実際、パッケージにも小児や妊婦への注意喚起が記載されていることを知らない人が多いので、お会計のときに伝えるようにしている。
 お客様には介護食を案内して、普通の食事をミキサーにかける方法や、好きな飲み物にトロミをつける片栗粉や『とろみエール』を使う方法も提案した。
 奥さんは不妊治療をしてきて、ようやく妊娠して病院を変わったばかりだそうなので、『半夏厚朴湯』『小半夏加茯苓湯』を紹介し、医師に相談してみるよう勧めた。

以下の記事も読まれています。


 
登録販売者から一言 壱の巻 登録販売者から一言 肆の巻「おくすり手帳と個人情報の使い方」 市販薬購入前チェックシート