情報提供からヒアリングが始まったり、結局は症状を聞き出せなかったり、薬の対面販売って難しい

 高校生と親御さんのお客様が来店し、酔い止め薬の棚の前での会話が用途で選んでいる訳ではないようだったため気にかけていたところ、『トラベルミン』をレジに持ってきたので眠くなりやすいことを伝えると興味を示されたため、成分によって効果の現れ方が違うことを説明したら、やや眠くなりにくい『センパアQT』に変更となった。
 そして、乗り物酔い対策として、出発前の食事は温かい物にして、乗ってからは冷たい物を少しずつ飲む方法を教えた。
 腸は体温より低い物を受け付けないので、軽い食事で済ませようとしてサンドイッチとか果物などにすると、温まるまで胃に長く溜めておくことになり、胃は上部に溜めておくため吐きやすくなってしまう。
 それを避けるためには、温かいスープや味噌汁などにして、早めに腸に送ってもらうようにするのが良い。
 反対に、乗ってから冷たい物を飲めば胃の働きが悪くなり、悪くなれば吐こうとする力も弱くなるので、吐き気を抑えることができる。
 他に、今日は来ていない娘さんの立ちくらみの相談を受け、大きく分けると3種類あることを説明し、体型は普通とのことだったけれど立ち上がる時に落ちる感覚のようだというため、血流不足を考え『人参養栄湯』を紹介した。
 この症状の時に鉄剤を選ぶ人は多いが、病院で調べて鉄不足が指摘されてなければ、漢方薬も検討してもらいたいところ。
 また、天井が回るような感覚の場合には水分代謝を改善する『苓桂朮甘湯』が適応し、雲の上を歩いてるようなフワフワした感覚だと血圧の高低差が影響しているかもしれず、『釣藤散』『七物降下湯』が候補となる。
 いずれも保険の適用薬なので、病院を受診してみるようにも勧めた。

 やや高齢のお客様から『イブA』を求められ売り場を案内し、無印の『イブ』と違って鎮静成分が入ってることを伝えた。
 いわゆる、眠気を催すから車の運転を避けましょうと注意される成分で、「自分は眠くならないから大丈夫」という人がいるけれど、眠くならずとも脳の機能は低下するから信号の見落としとか一瞬の判断の遅れを招く可能性があるため、車を運転する予定は無くても入っていないのが望ましい。
 もちろん服用後に、ゆっくり体を休める予定であれば有益でもある。
 するとお客様は、以前は『イブA錠EX』を使っていたというので、主成分のイブプロフェンが濃いことをお話したところ、『イブクイック頭痛薬DX』についても尋ねられたため、薬の吸収を早めて胃を保護する成分が加わってることを説明した。
「ご飯の後なら大丈夫でしょ?」と訊かれたけれど、そもそも痛みを伝えるホルモンと胃を保護するホルモンは同じだから、鎮痛剤を使う時はどのみち胃に優しい食事をするように勧めると『イブA錠EX』を購入された。
 他に『液キャベ』もというので売り場を案内すると、『ソルマックプラス』と迷われたため、前者は食べ過ぎの胃炎に後者は胃が疲れてる時に向いていることを説明すると、『液キャベ』を購入された。
 ただ、どちらの薬にも症状については一言もお話していただけなかった。
 ううむ、ヒアリングって難しい(;´Д`)

 お客様から、以前に病院で処方されたのと同じ下痢止め薬をと求められ現物を見せていただくと、腸の運動を強力に抑制するタイプの薬だったため、『トメダインコーワフィルム』を案内したうえで、内臓の働きをわざと悪くすることで症状を抑えることを説明したところ、医師にも使い過ぎに気をつけるよう言われたそうだ。
 そう理解されているのであれば、そう心配は要らないかなとも思う反面、それなのに同じ薬を求められるのは危険とも思える。
 そのまま『トメダインコーワフィルム』をお買い上げいただいたものの、飲酒しているらしいことから脱水を防ぐ『五苓散』と、肝機能を助けるとともに胃腸炎にも使える『柴胡桂枝湯』を紹介した。
 そして、暑い日に涼しい部屋で温かい物を飲食するよう勧めた。
 普段はシャワーで過ごしてるというために、入浴してお腹周りを温めた方が良いとお話したうえで、シャワーは太い血管が通っている背中側に集中して浴びる方法を教えた。
 帰りぎに、深々と頭を下げてお礼を言われ恐縮。

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