薬の選択が合っていても、「ネットで見た」とかは選んだ過程が心配です

 若いお客様が『パブロン鼻炎速溶錠』をレジに持ってきたけれど、主訴は鼻づまりというため同じ鼻炎でも鼻水とは体の中で起きている事が違うことを説明した。
 鼻づまりは鼻の奥の血管が炎症して膨らんでおり、鼻水は内臓が冷えているか疲れていると起きる現象。
 また、鼻づまりは患部を炎症させてウイルスなどの外敵と戦ったり、老廃物を回収し材料を運ぶ血流を良くするのが目的で、鼻水はウイルスなどを体外に排出するのが目的である。
 そして、鼻づまりを治すには炎症を抑えなければならず現代薬では苦手な分野で、鼻水の方は体液の漏れる穴をキュッと閉めれば良くて現代薬が得意とするところ。
 つまり、『パブロン鼻炎速溶錠』や『新コンタック600プラス』の効能に、鼻水・鼻づまりと両方書いてあっても、鼻づまりがメインとなると効きが弱くなってしまうのだ。
 炎症を抑えるのは漢方薬が得意で、生薬と現代薬を合わせた『アネトンアルメディ鼻炎錠』を紹介したところ変更となった。
 入浴はしているというので、上半身に熱が篭もってる鼻づまりには熱の循環が有効で養生になるため、ぜひ続けるようにと伝えた。
 季節が暑くなってくると、シャワーで済ませてしまう人がいるので。
 鼻水の場合も、内臓を温めるのに入浴は最善の養生法となる。

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 お客様が『パブロンSゴールドW』と『コルゲンコーワトローチ』を購入されるさいにヒアリングすると、主訴は喉の痛みというため、喉が痛ければ後者には抗炎症成分のトローチがあることを伝えた。
 『パブロントローチAZ』や『マードレトローチ』などだ。
 そのままお会計いただいたけれど、咳が無ければ咳止め成分の入った総合風邪薬を使うには時期尚早で、鎮痛剤でも喉の痛みに対処できることをお話すると家に『バファリンA』があるというため、先に使ってみるよう勧めた。
 起きていない症状に対する成分も体に入れば、体の方としては処理しない訳にはいかないから、体力を無駄に消耗してしまう可能性があるので。

 若お客様から『テイラック』(五苓散)を求められて売り場を案内するとともに、二日酔いに用いる『アルピタン』も同じ『五苓散』で、やっていることは水分代謝の改善であることを説明した。
 すると頭痛時に吐き気もあるというため、『五苓散』が適応するのは確実だと思われるが、うちの店には置いていないけれど『呉茱萸湯』も紹介した。
 『ロキソニン』や『イブ』が効かず「ネットで見た」というため、偏頭痛は胃の不具合と関係することと、鎮痛剤にも種類があり効き方が異なることを説明した。
 特に偏頭痛に鎮痛剤を使った場合、痛みを伝達するホルモンと胃を保護する指示を送るホルモンが同じなため、痛みを止めると胃の保護機能も自動的に止まってしまうから、いったんは鎮痛成分で痛みが治まっても胃を悪くして頭痛が再発し、それでまた鎮痛剤を飲むという悪循環に陥ってしまうので注意が必要。
 その点では『五苓散』を使うというのは良い選択ではあるけれど、「ネットで見た」というのが専門家の書いた記事なのか、使った人の個人的な感想なのかで情報の精度が違うし、たとえ専門家の書いた記事だとしても本当に自身に起きている症状や生活スタイルなどを含めて合っているかの確認は必要だから、初めから薬を指名するより相談していただくようお願いし、『テイラック』をお買い上げいただいた。

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