ストレスが喉に来るか胃に来るかで、使う漢方薬が変わります

 親子のお客様が来店して漢方薬の相談を受け、の主訴が喉のつかえ感というため『半夏厚朴湯』を案内したところ、母親の話によればがネットで見つけた漢方薬と同じとのことだった。
 実際には痰が引っかかていないのに痰があるかのように何度も払いをしてしまう、ストレスなどによる気道の狭窄を喩えた、「梅の種の核が喉に詰まったように感じる」とされる“梅核気(ばいかくき)”の説明をした。
 試験の前、人前でスピーチするときなど、緊張をリラックスさせたいときに向いているのが『半夏厚朴湯』である。
 養生法の一つでもある、神経をリラックスたさせるための入浴はしているというので、続けるよう勧めた。
 熱い湯だと神経が昂ぶってしまうから、温めのお湯に長めに漬かるのが良い。
 そして、『半夏厚朴湯』が合うようであれば、保険の適用薬なので病院を受診するようお話してみたら、実は前日にもお店を訪れていて、他の登録販売者から「漢方なら詳しい人がいる」と私を紹介されたとのことだった。

 『ギャクリア』(六君子湯)と『アヴァロン』を比較していたお客様から相談を受け、以前に病院で逆流性食道炎と診断されたことがあると聞かされた。 
 そうであるのなら、『六君子湯』の他に『半夏瀉心湯』も候補となる。
 ただ、双方の効き方は真逆で、胃の機能が低下していて食べ物を降ろすことができないときに適応するのが『六君子湯』であり、胃が働きすぎて出すぎる胃酸を降ろすのが『半夏瀉心湯』である。
 そこで、お湯と水のどちらを飲むと楽になるか尋ねたところ、温かいコーヒーを飲むと苦しいというため、胃炎も考えられる場合に鎮める『半夏瀉心湯』を勧めて試していただくことになった。
 また、ストレスが胃から上の喉に来るようなら『半夏厚朴湯』の方が適していて、喉から下の胃にストレスが現れるとき使うのが『半夏瀉心湯』でもある。
 そして、お湯を飲んで楽になるようなら、胃が冷えているか疲れていると考えられ、その場合には『六君子湯』のほうが適応する。
 お客様はシャワーで過ごしているそうなので、入浴して血流を良くするのが養生になることをお話したうえで、シャワーは太い血管の通っている背中側に重点的に浴びるよう勧めた。
 実は、胃が弱っている場合でも働きすぎてる場合でも、お腹周りは温めたほうが良い。
 機能が低下しているのなら温めて血流を良くするのが肝心だし、活発に働きすぎて炎症を起こしているのだとしても、その炎症は患部を治すために血流を良くして免疫機能を向上させようとしているから、冷たい物を飲んだりすると抵抗しようとかえって炎症を強めてしまうため、温めることにより落ち着かせる効果を狙うのだ。

 若いお客様が『ボラギノールA』を購入されるさいに、ステロイド剤の入った一番強い痔の薬であることと、他に程度の場合の『ボラギノールM』と、出血があるときに適応する止血剤入りの『プリザエース』があることをお話した。
 入浴は面倒でシャワー派だというため、壊れた患部を修復するのには材料を運ぶ血流が大事なことをお話してから、髪や体を洗う時間で少しでも長く背中側にシャワーを浴びるよう勧めた。
 痔の対策としては、特に腰周りに浴びるのが大事である。

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