虫刺されで嫌なのは痒いことではなく、病気を運んでくること! 虫除け対策はシッカリと

お客様が虫対策の棚で迷われてる様子だったので、何度か近くを「いらっしゃいませ」と言いながら往復して、ようやく声をかけてもらえた。

見えをかけてもらうのも大変。

バックルームに行く用事があったり、トイレに行きたいときになんかは売り場を離れて良いか分からなくて困るから、迷っているときには早めに相談してもらえると助かる。

どういう訳か、売り場を離れるとレジにある呼び鈴を鳴らされて戻る羽目になるし。

母親が使う虫除けスプレーを探しているそうで、主成分のディートの濃度が10%以下だと指定医薬部外品、12%を超えると医薬品となり、最近では30%の物があり12歳以下は使用制限が設けられている。

ただ、濃いから体に毒という訳ではなくアメリカでは年齢制限は無いし、もとより虫と人間では神経の仕組みが違うから、除虫菊を用いた蚊取り線香で人間が死なないように人間への有毒性は少ないと評価されている。

ただまぁ、吸い込むと気持ち悪くなるのは確かで、どんな物も量が多くなれば体に害を及ぼすことがあるから油断は禁物。

そしてディートの濃度と効用の関係は、効き目の強さではなく持続時間で、濃いほうが長く効くとされていて、指定医薬部外品でも8時間は持続する。

しかしそれも、汗や日光の影響を受けると短くなるから屋外では塗り直しが必要なこともありうる。

また、今「塗り直し」と書いたように、スプレータイプでも体に吹き付けるよりも、掌に出して肌な塗ってほうが効果的。

特に、吸い込まないようにと息を止めて、体に向けながら腕をめいいっぱい伸ばしてプシュッというのは一番意味が無い。

吸うのが心配であれば、塗れば良いんである。

ディートの他の成分にはイカリジンという物もあって、日本では低濃度のディートでも6ヶ月以下の赤ん坊への使用が禁止されているうえ2歳未満までは1日1回の使用制限があるのにに対し、こちらは0歳から回数制限無しで使える。

ただし、イカリジンが有効な虫は「蚊・ブユ・アブ・マダニ」の4種類のみで、ディートのほうが「蚊・ブヨ・アブ・マダニ・ノミ・ヤマビル・サシバエ」など幅広く対応できる。

あと気をつけてもらいたいのは、なんでも「天然が良い」と考えがちな人はハッカ油やユーカリ油を選ぶけれど、ハッカ油も濃度によっては刺激物だし、ユーカリ油は呼吸に影響を及ぼすとしてアメリカでは3歳未満の子供には使用しないよう注意喚起されている。

ディートのほうがアメリカで年齢制限されていないのとは、対称的である。

さて、虫刺されの薬の方だが、と処方別に効果によって大きく分けると4段階あると思ってもらうと選びやすい。

メントールの入っていない『ムヒベビー』は別枠として、一番弱いのが痒み止めと抗炎症剤を合わせた『ムヒSクリーム』で、そこに弱い局所麻酔を加えてメントールを濃くしている『ウナコーワクール』が上に来て、さらにステロイド剤を加えたのが『液体ムヒS』となり、ステロイドを強い物と差し替えてあるのが『ムヒEX』や『ウナコーワエース』などだ。

見ると分かるように、『ムヒSクリーム』と『液体ムヒS』は剤形だけでなく中身も違う点に注意が必要。

単にクリームを好んでしまうと期待しているより効果が弱かったり、反対に手が汚れないようにと液体を選ぶと一段飛んで強めの薬となる。

また、剤形にも使い分けがあって、液剤は範囲が広い場合に塗り拡げるのに便利だけれど、人間の皮膚というのは案外とバリヤーの機能が強く薬が浸透しにくいため、クリーム剤はそのバリアーを破るように調整されているので、症状が強くでいる患部にはクリーム剤のほうが向いている。

場合によっては、液剤を塗り拡げてからピンポイントでクリーム剤を使うという方法も考えられる。

ちなみに、メントールのスーッとする感覚を嫌う人もいるが、実は痒み止めに冷感は意味がある。

人間には痒みを感じる神経は備わっておらず、痛覚神経が弱い痛みを痒みとして認知する。

そして人間は、寒いところに滞在していると生命の危機に陥りやすいため、痛みより先に冷たさを感じるように出来ている。

つまり、先に冷感を感じることで痒みや痛みを誤魔化すことができるのだ。

湿布などの、外用消炎剤にメントールが入っているのも同じ理由。

ちなみに、昔から虫刺されに使われている『キンカン』には、痒み止めも炎症を抑える成分も入っておらず、灼熱感と冷感を同時に感じることによって神経を混乱させているだけなので、虫刺されへの効果は過度に期待しないほうが良い。

むしろ、血行を良くするので肩こりに用いるのが向いている。

今回のお客様には、虫除けは部外品のスプレーを、虫刺されには市販の中では一番強いステロイド剤の入っている『ウナコーワクールα』を、お買い上げいただいた。

虫刺されは、痒みよりも感染症が怖いので、虫よけに気を使う必要性をお話した。

やや高齢のお客様から虫刺されの相談を受け、滅多に刺されないため薬を使ったことが無かったものの、今回は刺された後に腫れが強く、友人に薬を買うように言われたとのことで、上記のお話をして『液体ムヒS』をお買い上げいただいた。

変に特定の薬を勧めずに、薬を買うことだけをアドバイスした知人さんナイス(´∀`)

お客様には、虫刺されで本当に嫌なのは痒みではなく、感染症のほうだから予防に虫除け用品を使うよう伝えた。

若いお客様が虫対策の棚で迷ってる様子だったので声をかけたところ、常備薬にとのことで、またも上記の説明をして『液体ムヒS』をお買い上げいただいた。

虫刺されは痒いことよりも、病気を運んでくることが怖いので虫除けの対策はしっかりするように勧めた。

ヒ~ッ、今日は喋り疲れた( ´Д`)=3

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