ハチミツを咳止めに試してみる価値がある? 患者本人がお店に来れないときには、スマホの活用を

 お客様から2歳の子供の咳止めを求められ、カセ咳のようなので『ムヒこどもせきどめシロップ』の他に、上半身に保水する『麦門冬湯』も案内した。
 体力のある子供の咳には、『五虎湯』でないと効かないこともあるので本当は本人の状態を確認したいところ。
 でもさすがに、小さい子供が咳をしているのに外に連れ出すのは得策ではないだろう。
 咳をしている様子を、スマホの動画で撮ってきてもらえると参考になるのだけれど、皮膚疾患を写真に撮ってくる人はいても、まだ動画の活用にまでは至らないから、なんとか広めることはできないものか。
 動画でなくても、咳の激しい時間帯や咳の音などをメモしておいてもらえると助かります。
 お客様には、咳き込んで眠れないほどでなければ、薬を使わずとも寝る前に蜂蜜入りの飲み物を飲ませると軽くなる可能性をお話したところ、試してみるとのことでお帰りになった。
 一応、医薬品の規格基準書となる日本薬局方に『ハチミツ』が収載されているけれど、効果はあくまで栄養剤や唇の荒れなので、咳に効くとは言えない。
 ただ、非麻薬成分の咳止めとして使われるデキストロメトルファン臭化水素酸塩と同程度の咳止め効果があるという研究データが昔からある。
 しかも利点として、非麻薬成分でも麻薬成分と同様に中枢神経に作用して呼吸を浅くしたり体内を乾燥させてしまう副作用は同じなのだが、ハチミツは膝を叩くと神経反射が起きて膝が伸びるのと同様に、神経反射が伝わる反射弓だけを抑えるだけなので、中枢神経を抑えるような副作用は現れないとされる。
 また、ハチミツには抗炎症作用や抗菌作用の成分が含まれているとする研究も確認できる。
 お腹を下したら温かい物を飲むと腸の異常な動きを軽減できる養生法のように、あくまで「咳が軽くなる可能性」という言い方になるが、試してみる価値はあるだろう。
 ただし、1歳未満の乳児には飲ませないように注意。
 胞子に包まれていて120度で15分以上加熱しないと滅菌できないボツリヌス菌による、ボツリヌス毒素症を起こす危険がある。
 お客様には、お帰りになる前に胃炎の可能性をお話すると「それはない」と言われたけれど、内臓には痛覚神経が無いこと、内臓がまだ未熟なこと、そして異常を感じても年齢的にそれを言葉で表すことができないを説明した。
 胃炎は、大人だけがなる症状ではないんである。
 もちろん確定はできないが、咳が出ている時には喉と繋がってる食道なども炎症している可能性を考えて、胃に優しいゆるめの食事をさせるよう勧めた。

 高齢母親を同伴したお客様からアセトアミノフェン製剤の『タイレノール』を尋ねられ売り場を案内したところ、母親がまとめて買おうとされたため、他の人にも残して下さいとお願いしたところ、息子さんが諌めてくれて2個のみお買い上げいただいた。
 ありがとうございます。
 ご協力に感謝しますm(_ _)m

 子供を連れたお客様が『エスタックイブ』を購入されるさいにヒアリングしたところ、ご主人が使うそうで、風邪っぽいと言ってるらしいのだが咳は無く、他の詳しい症状をおっしゃらないため、喉の痛みや発熱には先に解熱鎮痛剤だけを使うほうが良いと伝えた。
 咳止め成分のうち、覚醒剤系は気管支を開いて呼吸しやすくする代わりに体調が悪くても元気になったように錯覚させてしまうし、麻薬系は身体機能を落として咳を抑えるので抵抗力もまた落ちてしまう。
 咳き込んでいない段階で総合風邪薬を使うのは、副作用のリスクだけを高めることになりかねないのだ。

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